JPH1093284A - 磁気遮蔽用シートとその製造方法及びこれを用いたケーブル - Google Patents
磁気遮蔽用シートとその製造方法及びこれを用いたケーブルInfo
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Abstract
ドルーム等の室内等に対して、磁界を遮蔽するためのシ
ートを巻き付け等にて任意の形状で被覆する。 【解決手段】Fe-Ni系等の磁気遮蔽機能を有する合
金からなり、厚さが100μm以下の柔軟性を有する磁気遮
蔽用シート1からなる。上記Fe−Ni系合金は、30〜
85wt%のNiを含有し、更に8wt%以下のMo又はCu
の一種以上も含む。これらの他にFe−Cr−Al系や
Fe−Co−V系合金も含まれる。また、磁気遮蔽用シ
ート1は、少なくとも一側面に、接着剤層2、フィルム
3、又は紙4の一種類以上を積層したものも含むので、
導電又は通信ケーブル等の表面に巻き付けたり、FD等
を収容する封筒、袋等の容器として組立てたり、シール
ドルーム等の室内面に貼り付けることも容易にできる。
Description
めに用いる磁気遮蔽用シートとその製造方法、及び、こ
のシートを用いた磁気遮蔽機能を有するケーブルに関
し、例えば導電ケーブルや各種電子機器等に自在に巻き
付け等の被覆が行えるものに関する。
しい発達と、コンピュータの普及に伴って、コンピュー
タ同士を通信回線で結ぶネットワーク化が広汎な分野で
進んでいる。また、製造業では、コンピュータによるF
A化に伴い電子回路を含む各種の制御機器、測定機器や
センサ等が多数使用されている。ところが、これらに近
接する電源用、導電用、及び通信用ケーブル、或いは、
モータ、マグネトロン、磁気作動機器類等から磁気が周
囲に漏洩したり、隣接する配線基盤同士の間におけるク
ロストークを生じるため、上記コンピュータや各種機器
の電子回路が誤動作を引き起こし、故障、事故や停止に
至ることが問題視されている。係る磁気の漏洩を防ぐた
め、或いは、磁気からの影響を阻止するために、所謂磁
気シールド材が用いられるようになった。係る磁気シー
ルド材は、例えばパーマロイ合金からなる圧延板や鍛
造、プレス等による成形部材が使用されている。これら
は、磁気からの影響を排除すべくコンピュータや各種機
器の電子回路等が設置された室内や空間を覆うべく、板
材を切断し、折り曲げ、溶接等の加工を施していた。ま
た、所定形状の電子機器を被覆するため、鍛造やプレス
等により所定形状の容器形成部材を複数成形し、これら
を組み立てて使用されている。
つ、上記の各種の加工を行う必要があるため、得られる
磁気シールド材も高価になる。更に、加工された部分の
金属組織が歪み、磁気シールド特性が低下してしまう。
しかも、重量や設置空間も嵩むため、使用範囲は限られ
ている。また、各種のケーブルの表面や、電子機器の内
外、或いはコンピュータルームの室内に、板状の磁気シ
ールド材を巻き付けたり、貼り付ける等の被覆を行うこ
とは、形状の自由度が低いため、極めて困難であった。
特にケーブルの敷設後、電子機器の組立後、又はコンピ
ュータルームの施工後においては、殆ど不可能であっ
た。
術の問題点を解決し、磁気の遮蔽をその発生源や防護対
象物の形状、寸法、設置位置、状態、及び周囲の空間事
情等に拘わらず、個別の対象物に対して、自在且つ容易
に被覆等ができ、重量や空間も嵩張らず、しかも低コス
トで作業も行えるようにした磁気遮蔽用シートとその製
造方法、並びにこのシートを用いたケーブルを提供する
ことを目的とする。
解決するため、種々の研究の結果、パーマロイ合金等の
磁気遮蔽機能を有する金属を薄くて柔軟なラップ状のシ
ートにすることに、着想して得られたものである。即
ち、本発明の磁気遮蔽用シートは、磁気遮蔽機能を有す
る合金からなり、厚さが100μm以下の柔軟性を有するこ
とを特徴とする。上記合金には、Fe−Ni系、Fe−
Cr−Al系、及びFe−Co−V系の各合金が含まれ
る。上記合金のうち、Fe−Ni系のNiの含有量は30
〜85wt%の範囲のものが用いられ、更に、8wt%以下の
Moと8wt%以下の銅の少なくとも一方又は双方を含有
する合金も含まれる。係るFe−Ni系合金には、PB
パーマロイ(Fe−45%Ni)、PCパーマロイ-1(Fe-80%Ni
-数%Mo)、PCパーマロイ-2(Fe-78%Ni-数%Mo-数%C
u)、12%Mn-9.6%Cu-6%Fe-Ni、低膨張のイン
バー合金であるPDパーマロイ(Fe-36%Ni)等のパーマ
ロイ系合金や、Fe−42%NiやFe−52%Niの合金
及びこれらをベースとする合金が含まれる。Niの含有
量を30〜85wt%の範囲としたのは、30wt%未満では磁気
遮蔽の効果が低下し始めるためであり、85wt%を越える
と遮蔽効果が上がらずコスト高になるためである。ま
た、上記の合金に8wt%以下のMo、及び/又は、銅を
添加するのは、透磁率を高め、磁気異方性を抑制し、且
つ磁歪を無くするためであり、8wt%を越えるとこれら
の効果が飽和するためである。
rは耐食性及び高周波特性向上のため10〜17wt%添加さ
れ、Alは電気抵抗及び高周波特性向上のため0.01〜5.
0wt%添加される。各上限値は、これらを越えても効果
は飽和するためである。また、前記Fe−Co−V系合
金において、Coは飽和磁束密度を高めるため40〜60wt
%添加され、Vは電気抵抗及び高周波特性の向上、並び
に加工性確保のため0.1〜5wt%添加される。各上限値を
越えると上記各効果は飽和するため、これら以下とし
た。
ケーブルの絶縁材表面にそのまま巻き付けても、被覆状
態を保つことができるが、確実に被覆するため、一方の
側面の全面又は一部に接着剤層を塗布して設けたものも
含む。また、磁気記録媒体等の搬送や被覆作業等の取扱
時、又は、被覆後の防護のため、少なくとも一方の側面
に補強用又は絶縁用のプラスチック製のフィルム又はシ
ート、紙、又は段ボール紙を積層したものも含む。更
に、通信ケーブル等の絶縁層の外周に上記磁気遮蔽用シ
ートを巻き付けた被覆層を有するケーブルも含まれる。
本発明は、磁気遮蔽機能を有する合金からなる素板を、
温間圧延と焼鈍を複数回繰り返して行う工程と、磁気焼
鈍を施す工程とからなる、厚さ100μm以下の柔軟性を有
する磁気遮蔽用シートの製造方法も含むものである。上
記温間圧延によって所定の薄さにされた板又はシート
は、加工歪みや残留応力を内蔵するので、焼鈍によりこ
れらを除去して、厚さが100μm以下になるまで、温間圧
延と焼鈍を複数回繰り返す。その後、磁気遮蔽効果を与
えるため、所定温度域にて磁気焼鈍を施すものである。
得られる磁気遮蔽用シートは、箔と同様の柔軟性を有す
るので、例えばリール等に巻き取られる。
態について説明する。図1は、本発明の磁気遮蔽用シー
トの断面図を示し、同図(A)はPCパーマロイ-2(例え
ば、Fe-78%Ni-3%Mo-3%Cu)合金を厚さ10μmに薄く延
ばした遮蔽用シート1の断面を示す。このシート1は、
著しく柔軟で、そのままでも遮蔽対象物の表面に巻き付
けて自己保持させることは可能である。また、遮蔽対象
物に確実に密着させるため、同図(B)に示すように、シ
ート1の一側面にポリエステル等の有機系の接着剤層2
を全面又は部分的に塗布したものを用いることもでき
る。更に、シート1を補強するため、或いは、遮蔽対象
物の表面と電気的に絶縁するため、同図(C)のようにシ
ート1の一側面にプラスチックのフィルム3を貼り付け
たり、同図(D)のようにシート1の両側面にプラスチッ
クのフィルム3,3を貼り付けたものを用いることもで
きる。後者の場合、各フィルム3の材質や厚さ等を遮蔽
対象物に応じて、種々に異ならしめることも可能であ
る。尚、同図(E)に示すように、シート1の一側面に貼
り付けたフィルム3の外側面に接着剤層2を全面又は部
分的に塗布したものを用いることもできる。
いて説明する。図2(A)は、シート1を得るための製造
工程の概略を示し、(A1)は、PCパーマロイ-2合金を
冷間圧延して得られた厚さ0.1mmの素板10を示す。この
素板10を同図(A2)のように、約700〜900℃の焼鈍炉12を
通過させ内部歪と応力を除去し、そのまま直ちにロール
14に通し温間圧延(圧下率5〜20%)して薄く延ばして中
間素板16を得る。更に同図(A3)のように、この中間素板
16を焼鈍炉12を通過させ、直ちにロール14で温間圧延す
る、温間圧延と焼鈍を複数回繰り返して行い、厚さ1〜
100μmの薄いシート18を得る。その後同図(A4)のよう
に、焼鈍炉20中で約800〜1000℃で、約60分間の磁気焼鈍
を施し、磁気特性を安定化させた磁気遮蔽用シート1を
得ることができる。尚、シート1の下限の厚さは約1μ
m弱である。また、前記Fe−Cr−Al系合金やFe
−Co−V系合金も上記同様の製造方法により、磁気遮
蔽用シート1にされる。
剤層2を塗布する工程を示す。接着剤の源液22を満たし
たタンク21の上方中央には回転するロール23を半ば液中
に浸して取付け、このロール23の左右上方に一対の押え
ロール25,25を設けた接着剤塗布装置24を用いる。上記
ロール23の最上面は、一対の押えロール25の最下面間よ
りも若干高いレベルに設定されている。そして、ロール
23を時計方向に回転させ、シート1を図示のようにロー
ル23と一対の押えロール25間に通すと、接着剤の源液22
は回転するロール23の表面を経て、シート1の下面に均
一厚さで塗布される。該接着剤層2の露出面は、シート
1には密着しない性質を有するので、図示のように接着
剤層2を内側にしてテープ状に巻き取ることができる。
スチックのフィルム3を積層する工程を示す。上方のロ
ールから巻き返したシート1と、下方のロールから巻き
返したフィルム3を互いに重合するよう、一対の回転す
るロール28間に圧縮するように通過させる。この場合、
互いに接近するシート1とフィルム3の何れかの内側面
に、ノズル29からの接着剤が予め塗布されているので、
フィルム3を密着させたシート1を連続して得ることが
できる。また、フィルム3を紙シートに置き換えて重合
することもできる。尚、前記図1(D)のように、シート
1の両側面にフィルム3を積層するには、図2(C)のシ
ート1の上側にも、巻き返されるフィルム3とノズル29
を追加することで製造することができる。また、図2
(C)で得られたフィルム3付きシート1を、前記図2
(B)の接着剤塗布装置24にフィルム3を下面として通過
させると、前記図1(E)の接着剤層2とフィルム3を積
層したシート1を製造することができる。
例について説明する。先ず、前記PCパーマロイ-2(78
%Ni-3%Mo-3%Cu-Fe)合金を延ばし厚さ10μmと30μmの
2種類の遮蔽用シート1を用意した。このシート1を円
筒形(直径50mm×長さ150mm)に各々1乃至5回巻き付
け、その中に一対の対向するホルムヘルツコイルを挿入
し、両コイルに50Hzの交流電流を流した。そして、周囲
から磁界を1G(ガウス)印加した磁界中に置いて、上記
円筒形のシート内に挿入したガウスメータにより、円筒
形の内部における磁界の減衰率をシートの巻き数に応じ
て測定した。その結果を図3のグラフに示す。図3の結
果から、いずれも1回巻きしただけでも、70%以上の磁
気遮蔽ができた。厚さ10μmのシートは、巻き数が増え
るに従い70%台から90%台に向上しているが、厚さ30μ
mのシートは、巻き数を増加させても90%台において僅
かに向上したのみである。これは、厚さ10μmの薄いシ
ートでは、その内部を通過する磁束が飽和し易いため、
内部への磁気漏洩を生じるが、巻き数を増加させると共
に内部に磁束を通過させ易くなったものと思われる。一
方、30μmの厚いシートでは、元々磁束を内部に通過さ
せ易いため、磁気漏洩が少なかったと思われる。また、
前記同様の組成を有する各種厚さの各シート1を5回繰
り返して折り曲げ加工して50Hzで0.1Gの磁界中に置き、
各折り曲げ部分における磁界の減衰率を前記と同様に測
定した。その結果を図4に示す。図4から、100μmの厚
さ以下では折り曲げ加工による減衰率への影響はあまり
見られず、特に5μm以下では殆ど影響を受けていなかっ
た。これらにより、シート1は、薄い方が透磁率も下が
らず、曲げ加工による影響を受けにくいことも判明し
た。
のシートを5回巻き付け、前記同様の円筒形にし、これ
を周波数50Hzにした交番磁界中に置き、電流を調整して
印加される磁界の強さを変化させて、上記円筒形シート
内における磁界の減衰率をガウスメータにより測定し
た。その結果を図5のグラフに示す。図5の結果から、
2G以下の印加磁界では90%以上の磁気遮蔽が達成さ
れ、それより高い磁界でも60%以上の磁気遮蔽がなされ
た。以上の各結果から、本発明の磁気遮蔽用シート1
は、少なくとも50Hz程度の低周波数領域の交番磁界にお
いて、優れた磁気遮蔽を果たすことが理解される。
信ケーブル30の断面を示す。図中の31はツイストペアと
呼ばれる一対の導体からなる通信線で、その周囲を樹脂
又はゴムの絶縁層32で覆い、この絶縁層32の外周面に前
記磁気遮蔽用シート1の被覆層を有する。この被覆層は
図6(B)に示すように、厚さ1〜3μm程度の極薄いシ
ート1を予め一側面に塗布した接着剤(厚さ10〜100μm)
を介在させ、複数回巻き付けて接着される。尚、図6
(A)にて、34は電波遮蔽用の銅箔層で、その外側にも前
記と同様の絶縁層32が被覆されている。そして、上記ケ
ーブル30において、厚さ3μmのシート1を3回巻き付
けたものを用意した。ケーブル30内の通信線31に所定の
電流と同方向の電流(ノイズ)をそれぞれ流し、電流の周
波数を変化させ、ケーブル30の周囲に設置したガウスメ
ータにより、外部磁界の減衰率を測定した。その結果を
図7のグラフに示す。また、同方向電流(通信ノイズ)の
減衰率を、ケーブル30の両端間で減少した電圧につい
て、ネットワークアナライザを用いて測定した。その結
果を図8に示す。図7の結果から、500MHz以下では約70
%の磁界が遮蔽され、通信用に使用される100MHz台の高
周波数領域において、十分な磁気遮蔽ができることが判
明した。これは、高周波による長距離の通信において、
外部への磁界の影響を低減すると共に、外部からの磁気
遮蔽をも十分に果たし、ノイズの影響を低減することが
可能になると思われる。また、図8の結果から、100MHz
台の同方向電流によるノイズを除去したことが判明し、
通信ノイズにも影響されにくいことが確認された。
た他のケーブルの形態を説明する。図9は、各種のケー
ブルへの巻き付け態様を示し、同図(A)(B)は導線群41
の周囲をビニールなどの絶縁層42で被覆した導電ケーブ
ル40の表面に、前記磁気遮蔽用シート1を巻き付けた断
面図と、巻き付け途中示す斜視図であり、隣接するシー
ト1,1の縁同士は互いに重ねられる。また、同図(C)
は丸型ビニールコード44に、同図(D)は平型ビニールコ
ード46の各表面に磁気遮蔽用シート1を巻き付けた断面
図をそれぞれ示す。これらのシート1は、家庭内等で
は、金属製のシート1のみを所望部分に対し巻き付けて
も良いが、剥がれを防止するため、前記接着剤層2を塗
布したシート1や、補強用又は絶縁用にプラスチック製
のフィルム3を積層したシート1を用いることもでき
る。また、パソコン等に近い部分のみシート1を複数回
巻き付け、磁界の漏洩防止を確実にすることもできる。
用シート1を巻き付けた断面図を示す。高圧線50は、イ
ンバー(36Ni−Fe)等の低膨張合金の芯材47の周囲にアル
ミ合金や銅等の撚り線48,48,…が被覆され、これらの周
囲を絶縁層49が包囲した構造を有し、この絶縁層49の表
面に接着剤層2を内側にしたシート1が巻き付けられ
る。この場合、厚手のシート1を用いたり、シート1を
複数回巻き分厚くすることで、上記撚り線48中を流れる
大電流によって周囲に生じる磁界の漏洩を確実に防止又
は低減することが可能になる。また、図9(F)は、複合
ケーブル60の外側面の表面に磁気遮蔽用シート1を巻き
付けた断面図を示す。即ち、導線群52の周囲を絶縁層54
で被覆した複数の導電ケーブル56,56,…の各表面に、接
着剤層2を内側にしたシート1が巻き付けられると共
に、上記ケーブル56群全体を囲う絶縁用のカバー58の表
面にも、フィルム3を外側にしたシート1が巻き付けら
れる。各ケーブル56毎にシート1を被覆して、相互間の
磁界による影響を抑制し合うと同時に、ケーブル56群全
体から外部へ磁界が漏洩することも確実に防止すること
が可能になる。尚、図示しないが光ファイバー用ケーブ
ルの表面に、磁気遮蔽用シート1を巻き付けると、外部
磁界の影響を阻止でき、通信波を正確に送信できる。
電気製品へ巻き付けた態様を示す。同図(A)は、鉄心62
に一次及び二次コイル63,64を対向して巻き付けたトラ
ンス65を内設する箱体66の内側面に、シート1をその外
側の接着剤層2を用いて貼り付けた断面図を示す。この
内張りしたシート1により、トランス65から外部へ磁界
が漏洩するのを防止、又は低減することができる。ま
た、同図(B)は、各種のメータ、記録計やスイッチ等を
内設する配電盤や制御盤67の箱体68や扉69の内側面に、
シート1を貼り付けた正面図を示す。このシート1によ
り、メータ類への外部からの磁界の影響を予防、又は低
減できる。同図(C)は、交流を直流電流に変換するAC
アダプター70の断面図を示し、コンデンサやダイオード
71と共に内蔵される変圧用のトランス72の周囲にのみ磁
気遮蔽用シート1を巻き付けたものである。
のブラウン管75の前面を除く箱体74の内側面に、シート
1を貼り付けた正面と側面視の断面を示す。これによ
り、テレビ73から周囲へ漏洩する磁界を低減することが
できる。同図(E)は、電子レンジ76の断面図で、マグネ
トロン77を上部に設けた調理室78に隣接する各種スイッ
チ類等を内蔵する制御室79の内側面に、シート1を貼り
付けたものである。係る構成により、同じ電子レンジ76
内のマグネトロン77から出る強い磁界から制御室79内の
スイッチや表示器具等を保護することができる。同図
(F)は、パーソナルコンピュータ80の本体81の内側面
に、シート1を貼り付けた断面を示し、上部のブラウン
管を内蔵するディスプレイ82や外部からの磁界から、本
体81内のハードディスクや電子回路内の記録素子等を保
護する。
ダ、レーザーディスクレコーダ、或いはコンパクトディ
スクプレイヤ84の箱体85の内側面に、シート1を貼り付
けた一部断面図を示し、外部からの磁界から上記各機器
の記録媒体を保護する。以上の各電気製品において、箱
体の内側面に、シート1を貼り付けるには、図10(H)に
示すように、予め箱体を折り曲げて組立てる金属製の板
材86の内側面に、前記接着剤層2を一側面に塗布したシ
ート1を所定形状に裁断して貼り付けることで、容易に
行える。しかも、シート1が内貼りされても、内部スペ
ースも殆ど変わらないので、内部部品等の組み付けにも
何ら支障はない。尚、複雑な形状を有するプラスチック
製の前面パネルには、専用のシート1が貼り付けられ
る。また、図10(J)は、互いに平行なIC用の配線基盤
88同士の間に、シート1を張設し、両基盤間の前記ク
ロストークを防止する形態を示す。
用シート1の巻き付け状態を示す。同図(A)は、例えば
誘導交流モータ90の表面にシート1を巻き付けた側面図
を示す。モータ90は、同図(B)の断面図のように、ケー
ス91内にはステータ92が密接し、このステータ92の内部
に僅かの隙間を置いて回転軸を有するロータ93が内設さ
れているため、シート1を内部に貼り付けることができ
ない。そこで、同図(C)のように、ケース91とその両側
のブラケット94,94の表面に、接着剤層2を利用して貼
り付ける。この場合、上記ブラケット94にはモータ90の
内外を連通する開口部が設けられているので、該開口部
を避けるか、該開口部を覆う部分にのみ小孔やスリット
を明けておくと、機能を維持したままモータ90からの磁
界の漏洩を低減できる。
の断面図を示し、非磁性の内筒96内には例えば円筒形の
永久磁石97と、この磁石97に一端を固定されたロッド98
がスライド及び回転可能に設けられ、内筒96の外側には
リング状の短い外筒99がスライド及び回転可能に取付ら
れている。そして、内周側に永久磁石100を固定した上記
外筒99をスライドさせると、この磁石100に吸引される内
筒96内の磁石97も追従するため、上記ロッド98を前後進
や回転でき、その先端に取付られる図示しない操作手段
を制御することができる。上記の外筒99の外側面や内筒
96の両端面に、磁気遮蔽用シート1を巻き付けたり、貼
り付けることで、上記各磁石97,100からの磁界の影響を
低減することが可能となる。勿論、外筒99の操作に支障
がないよう、ロッド98以外の全外側をシート1で緩く覆
うと磁界の影響を更に減らせる。
気シールドルーム101に関する。同図(A)は、室内に各
種の精密測定機器やコンピュータ等を設置したシールド
ルーム101の縦断面図を示す。シールドルーム101は、例
えば床板102、壁板103、及び天井板104から構成され、そ
れらの室内側面に磁気遮蔽用シート1がその接着剤層2
によって、隙間なく貼り付けられる。同図(B)は、壁板
103と床板102及び天井板104との内隅部分におけるシー
ト1の貼り付け態様を示す。先ず、床板102上に貼った
シート1aの上縁を壁板103側に立ち上げ、壁板103に貼っ
たシート1bの下縁の外側に位置させて、相互に重ねる。
次いで、天井板104に貼ったシート1cの下縁を上記シー
ト1bの上縁の内側に位置させて、相互に重ねる。係る内
貼り方法によれば、室内を連続してシート1で覆えると
共に、各シート1の重合する縁同士は、不用意にシート
1が剥がれにくいという利点を得られる。
ついては、図12(C)に示すように、出入口106を形成す
る両側の壁板103,103に貼った各シート1bと、ドア105の
内側面に貼ったシート1dとを互いに連続させる必要があ
る。このため、同図(D)のようにシート1を円又は楕円
形の断面形状にしたシート帯1eを、ドア105の内側面に貼
ったシート1dの全周囲に立設するよう取付け、これらシ
ート帯1eの両側辺の先端部が同図(C)に示すよう壁板10
3の各シート1bに接触させる。同様に、シート帯1eの上下
辺の先端部も床板102や天井板104に貼られたシート1a,
1cの端縁に接触させることで、シールドルーム101の室
内をシート1によって被覆でき、外部の磁界から室内を
遮蔽することができる。
た包装体について説明する。図13(A)は、フロッピー
ディスク(FD)等を包装するための封筒、又は袋5を示
す。その封筒等5の本体を構成する一枚の複合シートの
断面は、同図(B)の磁気遮蔽用シート1の外側に紙4を
貼り合わせたもの、同図(C)のようにシート1の両側に
プラスチックのフィルム3を貼り合わせたもの、又は、
同図(D)のようにシート1の外側に紙4を貼り合わせ、
更にその両側にフィルム3,3を貼ったもの等、シート
1をベースに紙4やフィルム3を積層したものからな
る。係る封筒等5にFD、CD(コンハ゜クトテ゛ィスク)、MD(ミニ
テ゛ィスク)等の磁気記録媒体等を入れ、搬送や保管すること
で、外部からの磁界の影響を阻止することが可能にな
る。しかも、シート1は薄くて柔軟性を有するので、封
筒、袋等の包装体として容易に製作でき、且つ自在に使
用することができる利点も有する。また、上記紙4を段
ボールやプラスチック板に替えることで、立方体や直方
体状の包装箱や包装容器等の包装体とすることもでき
る。
子写真等の磁気記録媒体等を保管するためのキャビネッ
ト6を示し、ボックス6aや扉板6bの内周面に磁気遮蔽用
シート1を貼り付けたものである。そして、引出し6c内
にFD等6dを入れ、閉じるとシート1によって包囲さ
れ、外部からの磁界の影響を阻止することができる。更
に、同図(F)は、FD等を保管する前記複合シートから
なるファイル8を示し、表扉8aと箱状本体8bの内周面に
磁気遮蔽用シート1を貼り付けたものである。その内部
には複数枚のFD等8d用のホルダ8cが収納され、表扉8a
を閉じると外部の磁界を遮蔽する。
るものではない。磁気遮蔽用シート1は、一種類のFe-N
i系、Fe-Cr-Al系、又はFe-Co-V系合金の薄いシートだけ
でなく、磁界の種類に応じて複数の互いに異なるNi−Fe
系等の合金の薄いシート同士をクラッドしたものも含ま
れる。また、前記フィルムや紙等に種々の色彩、模様、
又はマークを施すことで、遮蔽対象物を使い易くした
り、室内環境を良好ならしめ得る。更に、前記フィルム
に紫外線を除去する遮光機能を持つものを用いると、屋
外ケーブルに巻き付けた場合等において、耐候性を向上
させることもできる。また、磁気遮蔽用シートを被覆す
る対象も、工業用電気炉、アーク炉、抵抗炉等の導電ケ
ーブル、溶接機の電源ユニット、自動車等のエンジンル
ーム、特にそのスパーク付近、或いは電車のリアクト
ル、NC旋盤の制御ユニット等、大電流が流れたり、放
電される部位や付近にも巻いたり、貼り付けることもで
きる。更に、家庭用冷蔵庫、電気洗濯機、掃除機、扇風
機、空調機等のモータの表面や電気ストーブ等のサーモ
スタットの周囲、或いは、携帯電話器の内部や表面に被
覆したり、携帯電話器のホルダに積層化することもでき
る。加えて、コンピュータルームやクリーンルームの室
内面やそれらの窓ガラスにも、前記接着剤層を用いて貼
り付けることもできる。
磁気遮蔽機能を有する合金からなり、厚さが100μm以下
の柔軟性を有する磁気遮蔽用シートからなるので、被覆
すべき対象物の表面に応じて容易に巻き付け、貼り付
け、添接する等の作業を行うことができる。また、磁界
の強さや磁気の周波数に応じて、遮蔽用シート自体の厚
さを替えたり、複数層に調整することもできる。しか
も、接着剤層、フィルム、紙等を共に被覆しても、対象
物の重量や表面空間は殆ど増加しないので、それらの者
の本来の機能を低下させることもない。また、本発明の
製造方法は、圧延と焼鈍のみからなる工程で磁気遮蔽用
シートを製造でき、接着剤層、フィルム、紙等の積層も
連続的に行えるので、量産化により安価に提供すること
もできる。更に、本発明のケーブルによれば、その断面
や重量をあまり増加させずに、磁気の外部への漏洩や外
部からの磁気の進入を確実に遮ることができ、環境上の
点からも好ましくなる。
の各断面図である。
示す概略図、(B)は接着剤層を設ける工程の概略図、
(C)はフィルム等を貼り合わせる工程の概略図である。
を示すグラフである。
示すグラフである。
磁界と磁界の減衰率の関係を示すグラフである。
の断面図、(B)は(A)に用いたシートの形態を示す概略
図である。
の減衰率の関係を示すグラフである。
合のその電流の減衰率と周波数の関係を示すグラフであ
る。
を巻き付けた導電ケーブルの断面図又は斜視図である。
トを各種の電気機器や電気製品に内設した状態を示す概
略図、(H)は箱体用の金属板材に磁気遮蔽用シートを貼
った展開図、(J)は基盤間にシートを張設した形態の断
面図である。
を巻き付けたモータの側面図、断面図及び分解斜視図、
(D)は磁気アクチュエータの断面図である。
を室内に貼ったシールドルームの縦断面図及び部分断面
図、(D)はシートの使用態様を示す概略図である。
筒の斜視図、(B)乃至(D)は封筒に用いる磁気遮蔽用シ
ートの断面図、(E)はキャビネットの斜視図、(F)はフ
ァイルの斜視図である。
シートを各種の電気機器や電気製品に内設した状態を示
す概略図、(I)は箱体用の金属板材に磁気遮蔽用シート
を貼った展開図、(J)は基盤の間に張設した形態の断面
図である。
のブラウン管75の前面を除く箱体74の内側面に、シート
1を貼り付けた正面と側面視の断面図を示す。これによ
り、テレビ73から周囲へ漏洩する磁界を低減することが
できる。同図(F)は、電子レンジ76の断面図で、マグネ
トロン77を上部に設けた調理室78に隣接する各種スイッ
チ類等を内蔵する制御室79の内側面に、シート1を貼り
付けたものである。係る構成により、同じ電子レンジ76
内のマグネトロン77より出る強い磁界から制御室79内の
スイッチや表示器具等を保護することができる。同図
(G)は、パーソナルコンピュータ80の本体81の内側面
に、シート1を貼り付けた断面図を示し、上部のブラウ
ン管を内蔵するディスプレイ82や外部からの磁界から、
本体81内のハードディスクや電子回路内の記録素子等を
保護する。
ダ、レーザーディスクレコーダ、或いはコンパクトディ
スクプレイヤ84の箱体85の内側面に、シート1を貼り付
けた一部断面図を示し、外部からの磁界より上記各機器
の記録媒体を保護する。以上の各電気製品において、箱
体の内側面に、シート1を貼り付けるには、図10(I)に
示すように、予め箱体を折り曲げて組立てる金属製の板
材86の内側面に、前記接着剤層2を一側面に塗布したシ
ート1を所定形状に裁断して貼り付けることで、容易に
行える。しかも、シート1が内貼りされても、内部スペ
ースは殆ど変わらないので、内部部品等の組み付けにも
何ら支障はない。尚、複雑な形状を有するプラスチック
製の前面パネルには、専用のシート1が貼り付けられ
る。また、図10(J)は、互いに平行なIC用の配線基盤
88同士の間に、シート1を張設し、両基盤88間の前記ク
ロストークを防止する形態を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 磁気遮蔽機能を有する合金からなり、厚
さが100μm以下の柔軟性を有することを特徴とする磁気
遮蔽用シート。 - 【請求項2】 前記合金が、30〜85wt%のNiを含むF
e−Ni系、Fe−10〜17wt%Cr−0.01〜5.0wt%A
l系、又はFe−40〜60wt%Co−0.1〜5wt%V系合
金の何れかである請求項1に記載の磁気遮蔽用シート。 - 【請求項3】 前記Fe−Ni系合金が、8wt%以下の
Moと8wt%以下の銅の一方又は双方を含有する請求項
2に記載の磁気遮蔽用シート。 - 【請求項4】 前記シートの少なくとも一側面に、接着
剤層、樹脂フィルム、樹脂シート、紙、又は、段ボール
紙の一種又は二種以上を積層した請求項1乃至3に記載
の磁気遮蔽用シート。 - 【請求項5】 磁気遮蔽機能を有する合金からなる素板
を、温間圧延と焼鈍を複数回繰り返して行う工程と、磁
気焼鈍を施す工程とからなる、厚さが100μm以下の柔軟
性を有する磁気遮蔽用シートの製造方法。 - 【請求項6】 導体の周囲に設けた絶縁層の外周に、磁
気遮蔽機能を有する合金からなり、厚さが100μm以下の
柔軟性を有する磁気遮蔽用シートの少なくとも一巻き又
は複数巻きした被覆層を設けたケーブル。
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