JPH1094862A - 電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法およびその装置 - Google Patents
電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法およびその装置Info
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- JPH1094862A JPH1094862A JP25481696A JP25481696A JPH1094862A JP H1094862 A JPH1094862 A JP H1094862A JP 25481696 A JP25481696 A JP 25481696A JP 25481696 A JP25481696 A JP 25481696A JP H1094862 A JPH1094862 A JP H1094862A
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Abstract
高周波電磁コイルで同時に印加する場合、電磁場同士が
干渉せず安定した所定の電磁場に制御する技術。 【解決手段】 鋳型4 上部にスリットを設けその外周に
2水準以上の高さに設けた電磁コイル6a,b間に磁気シー
ルド材8 を設け高周波電磁場を連続的又は間欠的に印加
する。コイル一組は鋳型直上にその軸芯を囲んで配置し
てもよい。上下2段コイルの上側コイルでポジティブス
トリップ期tp よりネガティブストリップ期tn により
大きな電磁場を印加するか、下側コイルでtn よりもt
p により大きな電磁場を印加するか、望ましくは上側の
コイルでtp よりtn により大きな電磁場を印加し且つ
下側のコイルでtn よりtp により大きな電磁場を印加
する。磁気シールド材の厚さはδ={2/(μωσ)}
1/2 で表わされる磁場浸透深さδよりも大きくする。
μ:透磁率、ω:角周波数、σ:電気伝導率。
Description
鋳造、特に鋼の連続鋳造方法に関し、鋳片の品質を向上
させると共に鋳造速度を大幅に向上させることを可能と
する電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法に関する
ものである。
凝固しつつある鋳片を連続的に鋳型内から引き抜き連続
鋳造を実施する際に、鋳片の凝固は鋳型の内壁面から開
始し、薄い凝固殻を形成しつつ進行する。そのため、連
続引抜きに伴なう鋳型−凝固殻間の摩擦力によって凝固
殻に大きな力が加わり、凝固殻の変形による鋳片表面の
欠陥や、凝固殻の破断によるブレークアウトのような種
々の問題が発生する。このような問題は鋳造速度の増大
に伴って一層顕著となる。上記問題を解決するために
は、鋳型−凝固殻間の摩擦力を低減させると共に、凝固
殻を強化しその健全性を高めることが必要であり、この
目的達成のために電磁力を利用した連続鋳造方法が検討
されている。
造鋳型内の鋳片に印加する方法は従来から研究されてお
り、例えば、特開平8−33959号公報に示されてい
るように、連続鋳造鋳型の外部に電磁コイルを配置し、
鋳型内溶融金属のメニスカス近傍に高周波電磁場を印加
する方法が一般的である。これは、メニスカス近傍に高
周波電磁場を印加すると、溶融金属に誘導電流が発生
し、この誘導電流と印加された電磁場との相互作用によ
り電磁コイルと反発する方向にローレンツ力が作用する
現象を利用するものである。上記特開平8−33959
号公報は、電磁コイルと鋳型外面との間に上下可動な電
磁シールド材を配設し、これを上下に動かすことにより
鋳型内溶融金属のメニスカス部での電磁場の強度を制御
する方法(先行技術1という)を開示している。
固殻に対する種々の電磁場効果を利用するために、複数
の電磁コイルを鋳型の外周部に配置することもある。例
えば、特開平8−141710号公報は、鋳型−凝固殻
間の摩擦力低減および凝固殻の強化を行なうために、鋳
型の外周部にメニスカスを挟んで上下2段に電磁コイル
を設置し、鋳型内溶融金属のメニスカス近傍に高周波電
磁力を作用させながら連続鋳造をする方法(先行技術2
という)を開示している。これは上段の電磁コイルまた
は下段の電磁コイルのいずれか一方のみに印加し、同時
に上下段両方の電磁コイルに印加することはしないもの
である。そして、上段の電磁コイルの印加によりメニス
カス近傍の凝固殻に鋳型内側の斜め下方に押曲げ力を作
用させることにより上記凝固殻内部に圧縮力を作用さ
せ、ネガティブストリップ期における凝固殻に対する圧
縮力に加算され、かくして凝固殻の強化をしている。一
方、下段の電磁コイルの印加により鋳型内周にコイルか
ら離れる向きの高周波磁力が作用し、溶湯を内方向に押
し戻すことによって鋳型と凝固殻との間に流入する溶融
パウダーの量が増加することにより、鋳型−凝固殻間の
摩擦力を低減させている。
は凝固殻に作用させる場合、低周波電磁場を用いると大
きな電磁力が得られるが撹拌力も大きくなり、湯面の乱
れを助長するので避けるべきでる。従って、高周波電磁
場を用いることになるが、高周波電磁場を印加すると所
謂表皮効果のため、鋳型の外側から鋳型内部に電磁力を
作用させることは困難である。そこで、通常、電磁コイ
ルを設置する場所に当たる鋳型上部に鉛直方向(鋳型の
高さ方向)にスリットを設けた櫛形の鋳型を用いる。図
5に、上部に鉛直方向のスリットを設け櫛形を呈した鋳
型の概念図を示す。かくして、鋳型内部に効率よく電磁
力を印加することができる。
おいて、鋳型−凝固殻間の摩擦力を低減させると共に凝
固殻を強化しその健全性を高めるためには、先行技術2
が開示しているように、複数の電磁コイルを用いること
により効率よく行なうことができ、実用化が可能とな
る。この場合、複数の電磁コイルに同時に印加し同時に
複数の電磁力を鋳型内側に作用させることにより、上記
鋳型−凝固殻間の摩擦力の低減および凝固殻を強化する
に当たり、連続鋳造の各種操業条件、例えば、鋳造速
度、鋳型の振動条件および鋳型形状・寸法等の変化に対
して一層適切に対応することができると共に、電磁力印
加による上記効果を更に向上させることができる。従っ
て、上記利点を活用するために複数の電磁コイルを同時
に使用することが必要である。
コイルを設置しているが、同時に複数の電磁場を印加し
た場合の電磁場の干渉についての記載はない。しかしな
がら、複数の電磁コイルによって電磁場を印加する場
合、鋳片の初期凝固部、従って極めて狭い領域に複数の
電磁場を印加しなければならないので、各電磁コイルは
互いに近接して配置しなければならない。ところが、複
数の電磁コイルによって上記狭い領域に複数の電磁場を
印加しようとすると、それぞれの電磁場強度に応じて互
いに及ぼし合う影響度合いが異なり、電磁場分布が一定
とならない。従って、使用する電磁場強度に応じてその
都度電磁コイルの配置を変える必要が生じる。
鋳型−凝固殻間の摩擦力低減および凝固殻の強化を図る
際に、鋳型振動速度と鋳造速度との大小関係即ち、ポジ
ティブストリップ期およびネガティブストリップ期と印
加すべき電磁場強度との関係を適正化するために必要と
なる場合がある。特に、電磁場を間欠的に印加した場合
はその非定常性から電磁場分布および強度が不安定とな
る。この不安定性により鋳片の凝固殻に加わる電磁場の
効果が減少し、各電磁コイルへの印加パターン如何によ
っては、逆に鋳片の表面欠陥が増大してしまう。また、
各電磁コイルで類似の周波数を用いた場合や各電磁コイ
ルの配置如何によっては、高周波電源の発振方式により
電磁場の発振自身を阻害することがある。
上に配置した複数の電磁コイルを用いて鋳片の表面欠陥
を低減させるに際し、相互に他の電磁コイルからの電磁
場の影響を受けることなく、それぞれの電磁コイルから
鋳型内の溶融金属のメニスカス近傍の凝固殻に対して、
希望する電磁場を安定して得る方法および装置を開発す
ることにあり、このような課題を解決することにより上
述した問題を解消しようとするものである。
連続引抜きに伴なう鋳型−凝固殻間の摩擦力によって凝
固殻に大きな力が加わっても凝固殻に変形をきたさず、
鋳片表面に欠陥を発生させず、且つ凝固殻の破断防止に
よりブレークアウトを防止することにより、鋳片の品質
を向上させると共に鋳造速度を大幅に向上させることを
可能とする、電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法
およびその装置を提供することにある。
問題点を解決すべく鋭意研究を重ね、その結果下記知見
を得た。
空隙部に磁気シールド材を設置することにより、各電磁
コイルによって生じる電磁場が拡散する領域が上記磁気
シールド材によって限定され、お互いの電磁場分布が干
渉することにより生じる電磁場の歪み等の電磁場特性に
対する影響を最小限に食い止めることが可能となる。こ
のように、他の電磁コイルによる電磁場の影響を殆んど
受けないために、他の電磁コイルの電磁場強度の如何に
よらず一定の電磁場分布を得ることができる。即ち、電
磁場を印加したい場所への安定した電磁場印加が可能と
なる。また、逆に、電磁場強度を電磁コイルの印加条件
によって変化させても、他の電磁コイルの電磁場分布に
影響を及ばさない。
ド材を設けることによって、お互いの電磁場強度が操業
条件によって変化しても常に一定の場所に磁場を印加す
ることが可能となり、鋳片の凝固殻に及ぼす電磁場の効
果を安定して最大限に発揮させることができる。
設けることは、電磁コイルによって印加される電磁場が
間欠的である場合または電磁場強度が周期的に変化する
場合に、下記理由により特にその効果を発揮する。即
ち、上記場合、電磁場の印加立上がりや印加立下がりが
生じるために同じ連続鋳造の操業条件下でも磁場強度の
変化が大きくなる。電磁場分布が非定常なこのような場
合には、お互いの電磁コイルによる電磁場の干渉の影響
が極めて大きくなり、磁場分布の不安定性が問題とな
る。この不安定性は磁場印加の間欠の周期が長くなるに
つれて電磁場の干渉の影響は大きくなり、間欠印加の周
期と鋳型の振動周期とを同期させる場合には特に大きく
なるために、鋳型内溶湯メニスカスの乱れを誘発する。
ところが、各電磁コイル間に磁気シールド材を設けるこ
とにより各電磁コイルの干渉が抑制され、間欠印加時に
も干渉に伴なう磁場分布の不安定性を最小限にすること
ができる。
ルド材の厚さは、下記(1)式: δ={2/(μωσ)}1/2 ------------------(1) 但し、δ:磁場浸透深さ(m) μ:透磁率(H/m) ω:角周波数(rad/s) σ:電気伝導率(Ω-1/m) で表わされる磁場浸透深さδよりも大きくすることが望
ましい。
固殻に対して、複数の電磁コイルで安定した高周波電磁
場分布をうることが可能となれば、効果を奏することが
できる。
磁コイルの印加によりメニスカス近傍の凝固殻内部に圧
縮力を作用させることにより、ネガティブストリップ期
における凝固殻に対する圧縮力にこれを加算することに
より、凝固殻の一層の強化を図ることができる。従っ
て、下側(下部)の電磁コイルよりも上側の電磁コイル
による電磁場印加を大きくし、且つ、ポジティブストリ
ップ期よりもネガティブストリップ期においてより大き
な電磁場を印加することにより、上記効果が発揮され
る。また、ポジティブストリップ期に下側の電磁コイル
で印加することにより、モールドパウダーの凝固殻−鋳
型間への流込み量が増加し、その間の摩擦力が低減され
ることから、下側の電磁コイルよりも上側の電磁コイル
による電磁場印加を大きくし、且つ、ネガティブストリ
ップ期よりもポジティブストリップ期においてより大き
な電磁場を印加することにより、上記効果が発揮され
る。
であって下記構成を有する。請求項1記載の発明の方法
は、連続鋳造鋳型の外周を囲んで少なくとも2水準の高
さのそれぞれの場所に電磁コイルを設け、電磁コイルに
より鋳型の内部に高周波電磁場を印加しつつ鋳型で溶融
金属を凝固させながら下方に引き抜く溶融金属の連続鋳
造方法において、鋳型として、各電磁コイルで外周を囲
まれた部分の一部または全部を含んで全周に鉛直方向の
スリットを有する水冷鋳型を用い、各電磁コイルの間に
導電性の磁気シールド材を前記鋳型の外周を囲んで設
け、そして、高周波電磁場を連続的または間欠的に印加
することにより各電磁コイルから発生したそれぞれの電
磁場の干渉を抑制することに特徴を有するものである。
型の鋳型の直上と、鋳型の外周を囲んで少なくとも1水
準の高さとに電磁コイルを設け、鋳型直上の電磁コイル
は鋳型の軸芯を囲んで配置し、各電磁コイルにより鋳型
の内部に高周波電磁場を印加しつつ鋳型で溶融金属を凝
固させながら下方に引き抜く溶融金属の連続鋳造方法に
おいて、上部に鉛直方向のスリットを有し上部が櫛形を
呈し、且つ、電磁コイルで外周を囲まれた部分の一部ま
たは全部を含む範囲の全周領域に鉛直方向のスリットを
有する水冷鋳型を用い、各電磁コイルの間に導電性の磁
気シールド材を鋳型の外周を囲んで設け、そして、高周
波電磁場を連続的または間欠的に印加することにより各
電磁コイルから発生したそれぞれの電磁場の干渉を抑制
することに特徴を有するものである。
たは2記載の発明において、上側に設置された電磁コイ
ルと下側に設置された電磁コイルとの二組の電磁コイル
を用い、上側の電磁コイルで鋳型振動のポジティブスト
リップ期と比較してネガティブストリップ期においてよ
り大きな電磁場を印加することにより、各電磁コイルか
ら発生したそれぞれの電磁場の干渉を抑制することに特
徴を有するものである。
たは2記載の発明において、上側に設置された電磁コイ
ルと下側に設置された電磁コイルとの二組の電磁コイル
を用い、下側の電磁コイルで鋳型振動のネガティブスト
リップ期と比較してポジティブストリップ期においてよ
り大きな電磁場を印加することにより、各電磁コイルか
ら発生したそれぞれの電磁場の干渉を抑制することに特
徴を有するものである。
たは2記載の発明において、上側に設置された電磁コイ
ルと下側に設置された電磁コイルとの二組の電磁コイル
を用い、上側の電磁コイルで鋳型振動のポジティブスト
リップ期と比較してネガティブストリップ期においてよ
り大きな電磁場を印加し、且つ下側の電磁コイルで鋳型
振動のネガティブストリップ期と比較してポジティブス
トリップ期においてより大きな電磁場を印加することに
より各電磁コイルから発生したそれぞれの電磁場の干渉
を抑制することに特徴を有するものである。
ら5のいずれか一つに記載の発明において、シールド材
の厚さを式:δ={2/(μωσ)}1/2 で表わされる
磁場浸透深さδよりも大きくすることにより、各電磁コ
イルから発生したそれぞれの電磁場の干渉を抑制するこ
とに特徴を有するものである。但し、上式において、
δ:磁場浸透深さ(m)、μ:透磁率(H/m)、ω:
角周波数(rad/s)、σ:電気伝導率(Ω-1/m)
である。
の連続鋳造装置は、連続鋳造用鋳型の外周を囲むように
少なくとも2水準の高さのそれぞれの場所に設けられた
各電磁コイルと、各電磁コイルか囲む部分の全部または
一部を含み全周に鉛直方向のスリットを有する溶融金属
鋳造用の水冷式連続鋳造用鋳型と、各電磁コイル間に相
当する鋳型部分の全部または一部を含み鋳型の外周を囲
んで設けられた磁気シールド材とが備えられていること
に特徴を有するものである。
の連続鋳造装置は、連続鋳造用鋳型の直上に鋳型の中心
軸線を囲むように設けられた電磁コイルと、鋳型の外周
を囲むように少なくとも1水準の高さに設けられた電磁
コイルと、鉛直方向のスリットを少なくとも上部に有し
上部が櫛形を呈し、且つ、鋳型の外周を囲むように設け
られた上記電磁コイルが位置する高さ範囲の全部または
一部を含む範囲の全周に鉛直方向のスリットを有する溶
融金属鋳造用の水冷式連続鋳造用鋳型と、各電磁コイル
間に相当する鋳型部分の全部または一部を含み鋳型の外
周を囲んで設けられた磁気シールド材とが備えられてい
ることに特徴を有するものである。
図面を参照しながら説明する。図1に、この発明の一実
施形態を説明するための設備構成の概略縦断面図を示
す。タンディッシュ1内の溶融金属2を浸漬ノズル3か
ら連続鋳造用鋳型4内に注入する。鋳型4内溶融金属上
面に連続鋳造用フラックス5を添加する。鋳型4の上方
で鋳型4に近接した位置に一組の電磁コイル6aを設置
する。更に、鋳型4の高さ方向中央部の外側周囲に他の
一組の電磁コイル6bを設置する。電磁コイル6a、6
bの中心軸線を鋳型4の中心軸線に一致させる。そし
て、電磁コイル6a、6bの間には鋳型4の外周を取り
巻く所定厚さの環状磁気シールド板7を設置し、電磁場
の干渉を防止する。一方、鋳型4は冷却水等で冷却さ
れ、また、上端から下部までの鋳型高さの大半の範囲を
全周にわたり、鉛直方向に細長い切込み(スリット)8
を施してある。このスリット8は電磁場を鋳型4の内側
まで浸透させるために設けてあり、鋳型4上部は櫛形を
呈する。
中、上記二組の電磁コイル6a、6bにより高周波電磁
場を鋳型4の内側に印加する。鋳型4内に注入された溶
融金属2aはメニスカス10近傍の鋳型内壁面から凝固
を開始し、薄い凝固殻11を形成する。鋳片9は下方に
引き抜かれつつ連続的に鋳造される。
場所は、鋳型高さの範囲内に複数段に設けてもよく、ま
た電磁コイルの中心軸線は鋳型の中心軸線と一致または
平行していることが望ましいが、鋳型の形状により偏芯
させてもよい。鋳型形状は、スラブ、ブルーム、ビレッ
トおよびビームブランク等の鋳造用鋳型のいずれでもよ
く、偏平型、角型および丸形等いずれでもよい。更に、
鋳型には凝固収縮を吸収し凝固殻の変形を抑制するため
に下狭のテーパーをつける。スリットを設ける鋳型の領
域は、鋳型の内側への高周波電磁場の透過効率向上のた
めに少なくとも電磁コイルによって囲まれた全領域を含
んでいることが望ましい。また、その領域を適宜増減さ
せることができ、鋳型全体にわたって設けてもよいが、
鋳型の剛性や冷却能力を確保する観点から鋳型下部には
これを設けず一体化させておく方が望ましい。
めに、円筒型電磁鋳造装置を用いて、電磁コイルによる
電磁場の発振試験を実施した。図2に、この発振試験に
用いた円筒型電磁鋳造装置の概略縦断面図を示す。鋳型
4は内径100mm、外形150mmの丸鋳型で、スリ
ット8は鋳型4の上端から下方に100mmまでの全周
領域に、隙間幅1mm、16分割で設け、隙間を耐火物
で充填し十分乾燥させた。電磁コイル6a、6bは鋳型
4の外周に、上部電磁コイル6aと下部電磁コイル6b
の二段に設けた。電磁コイル6a、6bはいずれも高さ
40mm、内径160mm、外形200mmで巻数5タ
ーンであり、スリットが設けられた範囲の鋳型外周に設
置した。上下二段の電磁コイル6a、6bの中間には磁
気シールド板7を設けた。磁気シールド板7は銅製であ
り、厚さ5mm、内径160mm、外形250mmの環
状板である。
存在しない状態で電磁場の発振試験を行なった。電磁場
の発振周波数は、1、3および10kHzの3種類を用
い、上下電磁コイルの周波数をそれぞれ独立に設定可能
とした。電磁コイル電流はすべて1000Aであった。
電磁場発振による鋳型の発熱を防止するため、冷却水に
よる冷却を施しつつ発振させた。
結果を示す。
波数を1、3および10kHzの3水準とし、この各々
に対して下側電磁コイルの発振周波数を1、3および1
0kHzとした。そして、各発振パターンを、磁気シー
ルド板を設置した場合としない場合とについて試験し
た。同表で、×は発振が不可であったこと、△は発振後
10秒以内に電源がトリップしたこと、○は発振試験繰
返し回数の80%以上が発振可能であったこと、そして
◎は発振試験繰返し回数の100%が発振が可能であっ
たことを示す。
よび7のように、各電磁コイルの発振周波数の差が大き
い場合には、発振はしたものの、電源投入後数秒で両方
の電磁コイルが干渉し、電源がトリップし、発振は停止
した。シールド板を用いない場合のその他の試験No.に
おいては、発振不可能であった。これに対して、 電磁シールド板を設置した場合は、試験No.1、5お
よび9のように、上・下部電磁コイルで同じ発振周波数
を用いた場合には、条件によって発振不可能な場合があ
ったものの、その他の場合は問題無く発振し、発振状況
は著しく改善された。
た装置において、上部電磁コイルを別の寸法形状のもの
に変更し、且つその設置場所を鋳型の直上に変更した。
図3に、この実施例および比較例の試験で用いた円筒型
電磁鋳造装置の概略縦断面図を示す。高周波誘導加熱溶
解炉(図示せず)でC含有率0.1wt.%の炭素鋼を10
0kg溶解し、化学成分組成および温度を所定値に調整
後、タンディッシュ1を介して浸漬ノズル3より水冷鋳
型4に注入した。タンディッシュ1内溶鋼2の過熱度を
30℃に調整した。鋳型4の振動条件は、振動数60c
pmm、振幅±4.5mmとし、鋳型4内溶鋼12の上
面(湯面)には連続鋳造用モールドパウダー13を添加
しつつ、鋳造速度0.8m/minで鋳片を引き抜い
た。鋳型4内溶鋼面は鋳型4上端から50mm下の位
置、即ち、鋳型のスリット8形成部分の1/2の位置に
なるようにタンディッシュ1からの溶鋼2供給を制御し
た。
ル6aは、上端を鋳型内湯面と同じ高さとなるように設
置した。一方、上部電磁コイル6aは、鋳型4の直上5
mm(鋳型が最高位置のとき)の高さに下端が位置する
ように設置した。上部電磁コイルは内径80mm、外形
150mm、高さ20mmそして巻数1ターンのもので
ある。そして、実施例試験においては、上部電磁コイル
6aと下部電磁コイル6bとの間に環状の電磁シールド
板7を設置し、一方、比較例試験においては、この電磁
シールド板7を除去した。
た後、電磁コイル6a、6bによる電磁場の印加を実施
した。発振パターンは次の通りである。下部電磁コイル
6bについては、連続的に発振周波数3kHz、電磁コ
イル電流1000Aの共に一定値で印加した。これに対
して、上部電磁コイル6aについては、鋳型振動に同期
させて間欠的に印加した。即ち、鋳型振動速度が鋳造速
度以上となる所謂ネガティブストリップ期にのみ印加す
ることとし、この時の発振条件は、発振周波数3kHz
の一定値、電磁コイル電流3000A、5000Aおよ
び10000Aの3水準で印加した。
置しない場合(比較例)でも発振は可能であった。これ
は、上記発振試験のときには発振しなかったが、今回発
振できた理由は、電磁コイル6a、6b間の距離が大き
くなったため電磁場の干渉が低減したからである。
よって、いずれの電磁コイル電流においても間欠印加の
前後で湯面の形状が変化した。磁気シールド板除去した
場合(比較例)には、間欠印加の前後で大きな湯面形状
の乱れが観察された。湯面形状は電磁場により変化する
ので、この湯面の乱れは電磁場分布が不安定であること
を示している。これに対して、磁気シールド板を設置し
た場合(実施例)には、いずれの電磁コイル電流におい
ても湯面形状の不安定な乱れは観察されず、間欠印加に
よる規則的な形状変化のみが得られた。
湯面形状の変化に伴った横縞状の凹みが鋳片全周にわた
って認められ、磁気シールド板を除去した場合には凹み
が深く且つ乱れていた。これに対して、磁気シールド板
を設置した場合には規則的で比較的浅い凹みになってい
る。
固鋳片表面の凹み深さ指数との関係を、磁気シールド板
を設置した場合と除去した場合とについて示す。電磁コ
イル電流が大きくなるにつれて凹み深さが深くなる傾向
があるが、磁気シールド板を設置すれば、電流を大きく
しても、即ち、印加する磁場強度を大きくしても、磁気
シールド板を設置せずに強度の小さな磁場を印加した場
合よりも凹みは浅いことがわかる。
シールド板を設置することにより、電磁コイルにより印
加された電磁場に対して他の電磁コイルにより印加され
た電磁場が影響を及ぼすという、お互いの磁場分布の干
渉を抑制する効果が著しいことがわかる。
融金属の連続鋳造において複数の電磁コイルにより高周
波電磁場を印加する電磁鋳造を行なう際に、相互の電磁
場の干渉を最小限に抑え、安定した電磁場を得ることが
できる。従って、電磁場の不安定性による鋳型内湯面の
乱れを発生させることなしに、凝固殻と鋳型間の摩擦力
を低減させ、かつ凝固殻の強化を図ることが可能とな
る、電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法およびそ
の装置を提供することができ、工業上有用な効果がもた
らされる。
成を示す概略縦断面図である。
発振試験用の円筒型電磁鋳造装置の概略縦断面図であ
る。
電磁鋳造装置の概略縦断面図である。
凹み深さ指数との関係を、磁気シールド材を設けた場合
と設けなかった場合とについて示すグラフである。
鋳型の概念図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 連続鋳造鋳型の鋳型高さの範囲内の少な
くとも2水準のそれぞれの高さに前記鋳型の外周を囲ん
で電磁コイルを設け、前記電磁コイルにより前記鋳型の
内部に高周波電磁場を印加しつつ前記鋳型で溶融金属を
凝固させながら下方に引き抜く溶融金属の連続鋳造方法
において、 前記鋳型として、前記各電磁コイルで外周を囲まれた高
さ方向範囲の一部または全部を含む範囲の全周領域に鉛
直方向のスリットを有する水冷鋳型を用い、前記各電磁
コイルの間に導電性の磁気シールド材を前記鋳型の外周
を囲んで設け、そして、前記高周波電磁場を連続的また
は間欠的に印加することにより各電磁コイルから発生し
たそれぞれの電磁場の干渉を抑制することを特徴とする
電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法。 - 【請求項2】 連続鋳造鋳型の鋳型の直上と、鋳型高さ
の範囲内の少なくとも1水準の高さとに電磁コイルを設
け、前記鋳型直上の電磁コイルは前記鋳型の軸芯を囲ん
で配置し、前記鋳型高さ範囲内の電磁コイルは前記鋳型
の外側を囲んで配置し、前記各電磁コイルにより前記鋳
型の内部に高周波電磁場を印加しつつ前記鋳型で溶融金
属を凝固させながら下方に引き抜く溶融金属の連続鋳造
方法において、 上部に鉛直方向のスリットを有し前記上部が櫛形を呈
し、且つ、前記電磁コイルで外周を囲まれた高さ方向範
囲の一部または全部を含む範囲の全周領域に鉛直方向の
スリットを有する水冷鋳型を用い、前記各電磁コイルの
間に導電性の磁気シールド材を前記鋳型の外周を囲んで
設け、そして、前記高周波電磁場を連続的または間欠的
に印加することにより各電磁コイルから発生したそれぞ
れの電磁場の干渉を抑制することを特徴とする電磁力を
応用した溶融金属の連続鋳造方法。 - 【請求項3】 上側に設置された前記電磁コイルと下側
に設置された前記電磁コイルとの二組の電磁コイルを用
い、前記上側の電磁コイルで鋳型振動のポジティブスト
リップ期と比較してネガティブストリップ期においてよ
り大きな電磁場を印加する、請求項1または2記載の電
磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法。 - 【請求項4】 上側に設置された前記電磁コイルと下側
に設置された前記電磁コイルとの二組の電磁コイルを用
い、前記下側の電磁コイルで鋳型振動のネガティブスト
リップ期と比較してポジティブストリップ期においてよ
り大きな電磁場を印加する、請求項1または2記載の電
磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法。 - 【請求項5】 上側に設置された前記電磁コイルと下側
に設置された前記電磁コイルとの二組の電磁コイルを用
い、前記上側の電磁コイルで鋳型振動のポジティブスト
リップ期と比較してネガティブストリップ期においてよ
り大きな電磁場を印加し、且つ前記下側の電磁コイルで
鋳型振動のネガティブストリップ期と比較してポジティ
ブストリップ期においてより大きな電磁場を印加する、
請求項1または2記載の電磁力を応用した溶融金属の連
続鋳造方法。 - 【請求項6】 前記シールド材の厚さは下記(1)式: δ={2/(μωσ)}1/2 ------------------(1) 但し、δ:磁場浸透深さ(m) μ:透磁率(H/m) ω:角周波数(rad/s) σ:電気伝導率(Ω-1/m) で表わされる磁場浸透深さδよりも大きい、請求項1か
ら5のいずれか一つに記載の電磁力を応用した溶融金属
の連続鋳造方法。 - 【請求項7】 連続鋳造用鋳型の鋳型高さ範囲内の少な
くとも2水準のそれぞれの高さに前記鋳型の外周を囲む
ように設けられた各電磁コイルと、前記各電磁コイルの
高さ範囲の全部または一部を含む範囲の全周領域に鉛直
方向のスリットを有する溶融金属の連続鋳造用水冷鋳型
と、前記各電磁コイル間の高さ範囲の全部または一部を
含む範囲に、前記鋳型の外周を囲んで設けられた磁気シ
ールド材とが備えられていることを特徴とする電磁力を
応用した溶融金属の連続鋳造装置。 - 【請求項8】 連続鋳造用鋳型の直上に前記鋳型の中心
軸線を囲むように設けられた電磁コイルと、鋳型高さ範
囲内の少なくとも1水準の高さに前記鋳型の外周を囲む
ように設けられた電磁コイルと、 鉛直方向のスリットを少なくとも上部に有し前記上部が
櫛形を呈し、前記鋳型の外周を囲むように設けられた前
記電磁コイルの高さ範囲の全部または一部を含む範囲の
全周領域に鉛直方向のスリットを有する溶融金属の連続
鋳造用水冷鋳型と、 前記各電磁コイル間の高さ範囲の全部または一部を含む
範囲に、前記鋳型の外周を囲んで設けられた磁気シール
ド材と、が備えられていることを特徴とする電磁力を応
用した溶融金属の連続鋳造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25481696A JP3552421B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25481696A JP3552421B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法およびその装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1094862A true JPH1094862A (ja) | 1998-04-14 |
| JP3552421B2 JP3552421B2 (ja) | 2004-08-11 |
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ID=17270284
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25481696A Expired - Fee Related JP3552421B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法およびその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3552421B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008246534A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Jfe Steel Kk | 鋼の連続鋳造方法 |
| WO2013114915A1 (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-08 | 品川リフラクトリーズ株式会社 | 渦流式モールド湯面レベルセンサー |
| KR101389857B1 (ko) * | 2012-05-29 | 2014-04-29 | 주식회사 포스코 | 연속주조장치 및 연속주조방법 |
| CN103962532A (zh) * | 2013-12-09 | 2014-08-06 | 上海大学 | 复合型脉冲磁致振荡细化金属凝固组织方法 |
| EP2686122A4 (en) * | 2011-03-14 | 2014-11-19 | Consarc Corp | BELOW OPEN ELECTRICALLY INDUCTIVE COLD TILT FOR USE IN THE ELECTROMAGNETIC CASTING OF RAW BLOCKS |
-
1996
- 1996-09-26 JP JP25481696A patent/JP3552421B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008246534A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Jfe Steel Kk | 鋼の連続鋳造方法 |
| EP2686122A4 (en) * | 2011-03-14 | 2014-11-19 | Consarc Corp | BELOW OPEN ELECTRICALLY INDUCTIVE COLD TILT FOR USE IN THE ELECTROMAGNETIC CASTING OF RAW BLOCKS |
| WO2013114915A1 (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-08 | 品川リフラクトリーズ株式会社 | 渦流式モールド湯面レベルセンサー |
| KR101389857B1 (ko) * | 2012-05-29 | 2014-04-29 | 주식회사 포스코 | 연속주조장치 및 연속주조방법 |
| CN103962532A (zh) * | 2013-12-09 | 2014-08-06 | 上海大学 | 复合型脉冲磁致振荡细化金属凝固组织方法 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3552421B2 (ja) | 2004-08-11 |
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