JPH1095363A - 走行車両の動力制御装置 - Google Patents

走行車両の動力制御装置

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JPH1095363A
JPH1095363A JP24953296A JP24953296A JPH1095363A JP H1095363 A JPH1095363 A JP H1095363A JP 24953296 A JP24953296 A JP 24953296A JP 24953296 A JP24953296 A JP 24953296A JP H1095363 A JPH1095363 A JP H1095363A
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Taiji Mizukura
泰治 水倉
Wataru Nakagawa
渉 中川
Shigemi Hidaka
茂實 日高
Teruyoshi Tonami
照喜 戸波
Ritsuko Kajioka
律子 梶岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行車両の進行停止状態で、メインテナンス
を行うとき、不用意に走行車両が旋回動作しないように
して安全性を確保する。 【解決手段】 エンジン17からの動力を、前進・後退
の出力に切り換え可能な第1油圧ポンプ33及び油圧モ
ータ34からなる走行用油圧式動力伝達機構から副変速
機構50及び左右一対の遊星歯車機構31,31を介し
て左右一対の走行クローラの起動輪22,22へ伝達す
るように構成する一方、ハンドルの左右旋回のための操
作量に応じて出力調節可能な第2油圧ポンプ36及び第
2油圧モータ37からなる旋回用油圧式駆動手段を介し
て旋回に必要な差動トルクを左右一対の遊星歯車機構3
1,31に付与する。副変速機構50のメインテナンス
位置としての第1中立位置69にセットしたことをレバ
ー位置センサにて検知するとき、第2油圧モータ37の
出力のクラッチ78をOFFにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取脱穀できるコ
ンバインや、農作業用または土木用のトラクタ等、左右
一対の無限軌道帯式の走行クローラを備えた走行車両の
動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実開平3−116422
号公報に開示されているように、コンバインやトラクタ
等の走行車両における走行部を、左右一対の無限軌道帯
式の走行クローラにて構成し、左右各走行クローラへの
出力軸には、油圧ポンプ及び油圧もからなる無段階式の
油圧駆動手段を連結し、走行車両を直進させるときに
は、前記左右両油圧式駆動手段の出力を同一になるよう
に制御し、右または左に旋回するときには、左右の油圧
式駆動手段の出力を異ならせるように制御するという2
油圧ポンプ−2油圧モータ式の油圧式駆動手段を採用し
ていた。
【0003】この場合、1つのエンジンからの回転力を
前記左右2つの油圧ポンプに動力伝達し、左右各油圧モ
ータの出力及び回転方向を制御する斜板の傾斜角度を制
御することで前記の無段階制御を実行していた。しかし
ながら、この構成によれば、左右の油圧式駆動手段を別
々の操作レバーにて操作しなければならず、滑らかな旋
回作業や直進走行を行うには、かなりの熟練が必要であ
った。この不都合を解決するため、本出願人は、先に特
開平8−142906号公報等において、エンジンから
の動力を、前進・後退の出力に切り換え可能な走行用油
圧式動力伝達機構と差動歯車機構とを介して左右一対の
走行クローラへ伝達するように構成する一方、左右旋回
のための操向用ハンドルの操作量に応じて出力調節可能
な旋回用油圧式駆動手段を介して旋回に必要な差動トル
クを前記差動歯車機構に付与するように構成した駆動装
置を提案し、また、特願平8−32261号において、
前記走行装置において、前記走行用の油圧式駆動手段か
ら差動歯車機構への動力伝達用歯車機構に、副変速機構
を介挿することを提案した。
【0004】このように構成することにより、前記各種
の農作業機用の走行車両においては、主変速レバーと副
変速レバーとの操作にて路上走行から各種農作業まで、
走行車両の走行速度及び出力が大幅に変更できるように
している。その場合、副変速レバーでは、走行モード、
農作業における低速作業モード、高速作業モード、走行
車両をトラックの荷台や、高い畦越え等に際して傾斜し
た渡し板を移動する等のための超低速走行モード等にセ
ットし、その状態で主変速レバーを高速から低速まで任
意に操作して、オペレータが快適に運転できることにな
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、農作業機や
土木作業機においては、走行装置の他、作業部にもエン
ジンの動力を伝達する必要がある。また、保守・点検の
ため、これらの作業部は、走行を停止した状態にて、作
業部の作動状況を観察し、潤滑油を注油する等のメイン
テナンス作業を行う必要がある。
【0006】しかしながら、前記の構成の駆動装置にお
いて、走行用の油圧式駆動手段における油圧モータの出
力軸にブレーキを作動させるなどして、走行停止すべく
走行用の油圧式駆動手段から差動歯車機構への動力伝達
を無くする状態に保持しても、操向用ハンドルを直進位
置から左右いずれかの方向に操作(回動)すると、旋回
用油圧式駆動手段を介して旋回に必要な差動トルクが前
記差動歯車機構に付与されて、旋回内側の走行クローラ
が後退方向に作動すると共に旋回外側の走行クローラが
前進方向に作動するという芯地旋回(その場旋回、スピ
ンターンと称する)の動作が自動的に開始されてしま
う。
【0007】従って、前記メインテナンス作業中等にお
いて、オペレータ等が不注意により操向ハンドルに触れ
る等して、当該操向用ハンドルが直進位置から左右いず
れかの方向に回動してしまうと、前記のような芯地旋回
動作が不意に発生する危険があった。このような危険性
は、前記副変速機構のための副変速レバーを中立位置に
セットしていても、回避できないのであった。
【0008】本発明は、上述のような事情に鑑みなされ
たものであって、オペレータなどが意図しない状況のも
とで、芯地旋回動作が不意に発生することによる危険性
を回避できるようにすることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の走行車両の動力制御装置は、
エンジンからの動力を、前進・後退の出力に切り換え可
能な走行用油圧式動力伝達機構と差動歯車機構とを介し
て左右一対の走行クローラへ伝達するように構成する一
方、左右旋回のための操向用ハンドルの操作量に応じて
出力調節可能な旋回用油圧式駆動手段を介して旋回に必
要な差動トルクを前記差動歯車機構に付与するように構
成してなる走行車両において、前記走行用の油圧式駆動
手段から差動歯車機構への動力伝達用歯車機構には、副
変速機構を介挿し、該副変速機構より伝動上流側には、
前記走行用の油圧式駆動手段から作業部へのPTO軸を
配置する一方、前記副変速機構は、2つの中立位置と複
数の変速位置とを備え、少なくとも前記一方の中立位置
をメインテナンス位置に設定し、前記メインテナンス位
置を検知する検知手段からの検知信号により、少なくと
も一定時間前記エンジンの回転数をアイドリング回転数
に移行するように制御する制御手段を備えたものであ
る。
【0010】また、請求項2に記載の発明の走行車両の
動力制御装置は、エンジンからの動力を、前進・後退の
出力に切り換え可能な走行用油圧式動力伝達機構と差動
歯車機構とを介して左右一対の走行クローラへ伝達する
ように構成する一方、左右旋回のための操向用ハンドル
の操作量に応じて出力調節可能な旋回用油圧式駆動手段
を介して旋回に必要な差動トルクを前記差動歯車機構に
付与するように構成してなる走行車両において、前記旋
回用油圧式駆動手段と差動歯車機構との間に、動力伝達
クラッチまたはブレーキのいずれか一方もしくは両者を
配置し、前記走行用の油圧式駆動手段から差動歯車機構
への動力伝達用歯車機構には、副変速機構を介挿し、該
副変速機構より伝動上流側には、前記走行用の油圧式駆
動手段から作業部へのPTO軸を配置する一方、前記副
変速機構は、2つの中立位置と複数の変速位置とを備
え、少なくとも前記一方の中立位置をメインテナンス位
置に設定し、前記メインテナンス位置を検知する検知手
段からの検知信号により、前記動力伝達クラッチを動力
遮断側に作動するか、もしくは前記ブレーキを作動させ
るようした制御手段を備えたものである。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明の走行車両
の動力制御装置は、エンジンからの動力を、前進・後退
の出力に切り換え可能な走行用油圧式動力伝達機構と差
動歯車機構とを介して左右一対の走行クローラへ伝達す
るように構成する一方、左右旋回のための操向用ハンド
ルの操作量に応じて出力調節可能な旋回用油圧式駆動手
段を介して旋回に必要な差動トルクを前記差動歯車機構
に付与するように構成してなる走行車両において、前記
旋回用油圧式駆動手段には、油圧切換弁を配置し、前記
走行用の油圧式駆動手段から差動歯車機構への動力伝達
用歯車機構には、副変速機構を介挿し、該副変速機構よ
り伝動上流側には、前記走行用の油圧式駆動手段から作
業部へのPTO軸を配置する一方、前記副変速機構は、
2つの中立位置と複数の変速位置とを備え、少なくとも
前記一方の中立位置をメインテナンス位置に設定し、前
記メインテナンス位置を検知する検知手段からの検知信
号により、前記旋回用油圧式駆動手段の出力をOFFに
すべく前記油圧切換弁を作動させるようにした制御手段
を備えたものである。
【0012】
【発明の効果】従って、請求項1の発明によれば、副変
速機構の一方の中立位置をメインテナンス位置としてそ
の位置を検知するときには、エンジン回転数をアイドリ
ング回転数まで強制的に低下させると、たとえ、オペレ
ータ等がハンドルに不用意に触れて、ハンドルが旋回位
置に変動しても旋回用油圧式駆動手段から出力した差動
トルクが小さく、走行車両を急激に芯地旋回させるに至
らず、オペレータ等は走行車両から降り落とされたり、
旋回する走行車両に接触する等の事故が発生しないから
メインテナンス作業中の危険性を回避し安全確保するこ
とができると共に、走行車両は停止したままPTO軸か
らの出力が作業部に伝達されるので、当該作業部を駆動
させてメインテナンスすることができるという効果を奏
する。
【0013】また、請求項2の構成による制御でも、操
向用の反動の回動位置にかかわらず、旋回用油圧式駆動
手段から差動歯車機構への出力は停止されることにな
り、前記請求項1に記載の発明と同一の効果を奏する。
さらに、請求項3の発明によれば、油圧切換弁の作動に
て前記旋回用油圧式駆動手段の出力をOFFにできるか
ら、操向用の反動の回動位置にかかわらず、旋回動作が
発生しないので、前記請求項1に記載の発明と同一の効
果を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明をコンバインに適用
した実施例について説明すると、図1は左右一対の走行
クローラ2a,2bを有する走行車両であるコンバイン
の走行機体1の側面図であり、該走行機体1上の一側に
は脱穀装置3を搭載し、該脱穀装置3の前部には、刈取
前処理装置4が油圧シリンダ15にて昇降可能に装着さ
れており、該刈取前処理装置4は、その下部フレームの
下面側にバリカン式の刈取装置5を、前方には六条分の
穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置
3におけるフイードチェン7との間には穀稈搬送装置
(図示せず)が配置れ、穀稈引起装置6の下部前方には
分草体8が突出している。
【0015】脱穀装置3における扱室内の扱胴をその軸
線が走行機体1の進行方向に沿うように配設し、扱室の
一側に配置された前記フイードチェン7にて根元部を挟
持しつつ搬送される穀稈の穂先部が扱室内の扱胴にて脱
穀される。扱室の下方には受け網とシーブ等による揺動
選別装置と唐箕フアンの風による風選別装置とを備え、
脱穀装置3の側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タンク
9が搭載されている。また、走行機体1の後部から突出
する穀粒放出オーガ10は、籾タンク9から機体外の図
示しない運搬車に脱穀した穀粒を放出するための水平回
動可能及び俯仰回動可能に構成されている。走行機体1
の前部一側に設けた運転室11内には、図2に示すよう
に、走行機体1を操向するためのハンドル12及び速度
変更のための主変速レバー13と副変速レバー14、さ
らには各種操作用のスイッチ(図示せず)が配置されて
いる。
【0016】左右の走行クローラ2a,2bは、それぞ
れ、図3に示す動力伝達装置20の左右の出力軸21
a,21bから出力される動力にて回転駆動する起動輪
22,22と、走行機体1の後端側に後向き付勢された
誘導輪23,23とに巻掛けられた履帯24,24と、
各履帯24の下側内周面を支持する懸下輪(下部転輪)
25等からなる。
【0017】次に、動力伝達装置20の構成について説
明する。図3に示す実施例は、ミッションケース30内
に、後述する左右一対の遊星歯車機構31,31等から
なる差動歯車機構と、第1油圧ポンプ33及び第1油圧
モータ34からなる走行用油圧式駆動手段と、第2油圧
ポンプ36及び第2油圧モータ37からなる旋回用油圧
式駆動手段と動力伝達用歯車機構等を内装する。なお、
走行機体1に搭載したエンジン17からの回転力は、チ
ェンスプロケットと無端チェン60とを介して、ミッシ
ョンケース30の外側にて両方の油圧ポンプ33,36
の入力軸に伝達し、伝達ケース61内の油圧路を介して
それぞれの油圧モータ34,37に油圧動力伝達する。
【0018】左右一対の遊星歯車機構31,31は左右
対称状であって、同一半径上に複数(実施例では3つ)
の遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支
された左右一対の腕輪38,38をミッションケース3
0内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置す
る。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車4
0,40を固着した太陽軸41の左右両端は、両腕輪3
8,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回
転自在に軸支されている。内周面の内歯と外周面の外歯
とを備えたリングギヤ42は、その内歯が前記3つの遊
星歯車39,39,39にそれぞれ噛み合うように、太
陽軸41と同心状に配置されており、このリングギヤ4
2は、前記太陽軸41上または、前記腕輪38の外側面
から外向きに突出する中心軸43上に軸受を介して回転
自在に軸支されている。
【0019】前記走行用油圧式駆動手段における容量可
変式の第1油圧ポンプ33の回転斜板の角度を変更調節
する等にて、第1油圧モータ34への圧油の吐出方向と
吐出量を変更して、当該第1油圧モータ34の出力軸の
回転方向及び回転数が調節可能に構成されている。そし
て、第1油圧モータ34の入力軸からの回転動力は、歯
車44,45,46,47を介して、従来から周知の歯
車機構にて構成された副変速機構50に伝達され、その
出力歯車48(図5参照)を介して太陽軸41に固定し
たセンター歯車49に伝達される。
【0020】副変速機構50は、図5に示すように、歯
車47が固着された軸62のスプライン部に、摺動のみ
自在な滑り中空軸63を配置し、前記軸62には前記中
空軸63を挟んだ位置に小遊転歯車64と大遊転歯車6
5とを配置し、さらに中空軸63の外周には、中歯車6
6を固定した構成である。さらに、中空軸63の両端に
第1クラッチ部67と第2クラッチ部68とを設け、副
変速レバー14を回動させて、図5において、中空軸6
3を左に移動させるとき、第1中立位置69を越えると
前記小遊転歯車64の側面のクラッチ部に対して係合可
能であり、中空軸63を右に移動させるとき、第2中立
位置70を越えると、前記大遊転歯車68の側面のクラ
ッチ部に対して係合可能となる。そして、出力歯車48
が固定された出力軸71には、前記小遊転歯車64に噛
み合う出力歯車48と、中歯車66に噛み合う歯車72
と、大遊転歯車65に噛み合う歯車73とが固定されて
いる構成である。
【0021】また、出力軸71に固定された検出歯車7
4にフォトインタラプタ75を配置して、当該出力軸7
1の回転数を検知するように構成されている。さらに、
前記副変速レバー14には、前記中空軸63の中央位置
及び左右シフト位置による3つの変速位置及び、その間
の2つの中立位置69,70を検知するためのレバー位
置センサ76を設ける。そして、第1油圧モータ34か
らの出力が出力軸71に伝達されない状態であって、且
つ前記第1クラッチ部67と小遊転歯車64の側面のク
ラッチ部との係合が解除されている位置をメインテナン
ス位置であると検知できるように構成されている。
【0022】なお、歯車44の軸44aには、電磁ブレ
ーキ77を配置する一方、前記軸44aに関連させた歯
車機構51を介して作業機等への回転力を伝達するPT
O軸52に出力する。この場合、PTO軸52の中途部
にはクラッチ手段52aが備えられている。従って、前
記走行用油圧式駆動手段からの回転動力は、伝動歯車機
構及び副変速機構50を介してセンター歯車49に伝達
され、次いで、前記左右一対の遊星歯車機構31,31
に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸43に固着し
た伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固着した伝動
歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、右側の腕輪
38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、右側の出
力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力
する。
【0023】他方、旋回用油圧式駆動手段における容量
可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の角度を変更調
節する等にて、第2油圧モータ37への圧油の吐出方向
及び吐出量を変更して、当該第2油圧モータ37の出力
軸の回転方向及び回転数を調節可能に構成されている。
そして、第2油圧モータ37からの回転動力は、クラッ
チ78及び電磁ブレーキ79を介して歯車機構55に入
力し、該歯車機構55を介して一対の伝動歯車56,5
7に伝達される。次いで、図3に示すように左側のリン
グギヤ42の外歯に対しては伝動歯車56と直接噛み合
い、右側の伝動歯車57が逆転軸58に取付く逆転歯車
59に噛み合い、この逆転歯車59と右側のリングギヤ
42の外歯とが噛み合う。
【0024】従って、第2油圧モータ37の正回転に
て、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転する
と、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回
転することになる。図6は、本発明の動力制御装置80
のブロック図であり、マイクロコンピュータ式の中央処
理装置(CPU)81は後述ような動力伝達等の制御を
実行するものであり、ROM(読み出し専用メモリ)に
は、その制御プログラムが記憶されており、またRAM
(随時読み書き可能メモリ)には制御に必要な各種デー
タを記憶させている。中央処理装置18の入力インター
フェイスには、少なくとも、副変速レバー14の回動位
置を検知するレバー位置センサ76を接続する。他方、
出力インターフェイスには、走行用の第1油圧モータ3
4の出力軸44aに対する電磁ブレーキ77、旋回用の
第2油圧モータ37の出力軸に対するクラッチ78、電
磁ブレーキ79、エンジン17への燃料噴射量を調節す
る電子ガバナー82、また前記旋回用の第2油圧ポンプ
36の油圧出力部と第2油圧モータ37の油圧入力部と
の間に介挿した油圧切換弁(3方向切換電磁弁)83と
を接続する。
【0025】この構成により、例えば、旋回用油圧式駆
動手段の出力を停止させておけば、左右両側のリングギ
ヤ42,42の回転は停止した固定状態である。この状
態で走行用油圧式駆動手段を駆動し、副変速機構50を
所定の変速段にセットすれば、第1油圧モータ34から
の回転力は、太陽軸41のセンター歯車49に入力さ
れ、その回転力は、左右両側の太陽歯車40,40に同
一回転数にて伝達され、左右両側の遊星歯車機構の遊星
歯車39、腕歯車38を介して左右両側の出力軸21
a,21bに平等に同方向の同一回転数にて出力される
ので、直進走行ができる。従って、走行用油圧式駆動手
段のみを正回転駆動すると、走行機体1は直進前進し、
逆回転駆動したときには直進後退する。
【0026】反対に、走行用油圧式駆動手段の出力を停
止した状態、例えば、前記副変速機構50を第1中立位
置69もしくは第2中立位置70にセットし、前記電磁
ブレーキ77を作動させると、前記太陽軸41及び左右
両側の太陽歯車40,40は固定される。この状態に
て、旋回用の油圧式駆動手段(第2油圧モータ37)を
例えば正回転駆動させると、左の遊星歯車39、腕歯車
38からなる遊星歯車機構は逆回転する一方、右の遊星
歯車39、腕歯車38からなる遊星歯車機構は正回転す
ることになる。従って、左走行クローラ2aは後進する
一方、右走行クローラ2bは前進するので、走行機体1
はその場で、左にスピンターンすることになる。
【0027】同様にして、旋回用油圧式駆動手段(第2
油圧モータ37)を逆回転駆動させると、左の遊星歯車
機構31は正回転し、右の遊星歯車機構31は逆回転し
て、左走行クローラ2aは前進する一方、右走行クロー
ラ2bは後退するので、走行機体1はその場で、右にス
ピンターンすることになる。そして、走行用油圧式駆動
手段を駆動しつつ旋回用油圧式駆動手段を駆動した場合
には、前進時及び後退時において、前記スピンターン旋
回半径より大きい旋回半径で右また左に旋回できること
になり、その旋回半径は左右走行クローラ2a,2bの
速度に応じて決定されることになる。
【0028】前記各場合、副変速レバー14を移動させ
て、路上走行モード、農作業モード、超低速モード等の
変速位置にセットする。この状態で、主変速レバー13
を直立姿勢にすれば、中立位置(N位置)で進行停止と
なり、主変速レバー13を前傾させると走行車両は前進
し、その前傾角度が大きいと、その前進速度が増大す
る。逆に、主変速レバー13を後傾させると走行車両は
後退し、その後傾角度が大きいと、その後退速度が増大
するというように構成するのである。また、ハンドル1
2を右または左に回動することより、走行車両は所定方
向に旋回できるのである。
【0029】ところで、オペレータがスピンターン操作
を意図するときには、前記第2中立位置70に副変速レ
バー14を回動させてセットすると、第1油圧モータ3
4の出力軸の回転を停止するように電磁ブレーキ77が
作動し、操向ハンドル12を右もしくは左方向に回動す
ることにより、前述ように、走行機体1を急旋回(スピ
ンターン)させることができる。
【0030】そして、他方、走行機体1の進行を停止さ
せた状態にて、刈取前処理装置4の回転部分等に油を注
したり、その各部分の動きを観察する等のメインテナン
ス作業を実行するときには、エンジン17は作動状態
で、その動力をPTO軸52を介して前記刈取前処理装
置4に伝達させる必要がある(従って、第1油圧モータ
34のの電磁ブレーキ77はOFF状態とする)と共
に、オペレータがスピンターン操作を意図しないときで
あるので、走行機体1が不用意に旋回運動をしない、も
しくはその動作が緩慢であるようにすることがのぞまし
い。
【0031】そこで、前記のメインテナンス作業を実行
するときには、オペレータが副変速レバー14を動かし
て副変速機構5を第1中立位置(メインテナンス位置)
69にセットしてその状態であることを、レバー位置セ
ンサ76にて検知する。急旋回防止の第1の実施形態と
しては、前記検知信号に基づいて、電子ガバナー82を
作動させてエンジン17の回転数をアイドリング回転数
まで強制的に低下させるように制御する。このように制
御すると、エンジン17の回転数が極めて低い状態であ
るから、たとえ、オペレータが運転席から降車しようと
して、操向ハンドル12に触れてそれを不用意に右また
は左に回動させても、旋回用の第2油圧モータ37の出
力回転数(及び馬力)がきわめて小さく、走行機体1を
急激に旋回させることがない。なお、オペレータが操向
ハンドル12を直進位置に戻したときには、エンジン1
7の元のセット回転数に戻すように制御しても良い。
【0032】前記急旋回防止の第2実施形態は、レバー
位置センサ76にて第1中立位置(メインテナンス位
置)69を検知するときには、操向ハンドル12の回動
位置にかかわらず、第2油圧ポンプ36の出力をOFF
とするためクラッチ78をOFFとするか、もしくはそ
の出力軸の電磁ブレーキ79をONしてブレーキ作動さ
せる。この場合、クラッチ78をOFFすると共に電磁
ブレーキ79をONさせても良い。これら第2実施形態
によれば、第2油圧ポンプ36から第2油圧モータ37
に対して出力があっても、機械的に出力軸は停止される
ので、走行機体1は不用意な旋回をしない。
【0033】前記急旋回防止の第3実施形態は、第2油
圧ポンプ36から第2油圧モータ37への油圧経路中に
設けられた油圧切換弁83の電磁ソレノイドを作動させ
て第2油圧モータ37への油の送りを停止するように制
御するのである。この第3実施形態では、油圧系にて制
御するので、構造が至極簡単であるし、油圧切換弁83
を3方切換弁にて構成することにより、前進時と後退時
とで、第2油圧ポンプ36から第2油圧モータ37への
油圧送り方向を反転させることにより、ハンドル12を
操作方向を右にしたとき、前進時も後退時も右に旋回
し、同様にハンドル12を操作方向を左にしたとき、前
進時も後退時も左に旋回するように制御する構成が至極
簡単に実現できるのである。
【0034】また、副変速機構を、走行用油圧式駆動手
段と差動歯車機構との間の伝動歯車機構中に介挿するこ
とにより、走行用油圧式駆動手段及び旋回用油圧式駆動
手段における各油圧ポンプへの入力(回転速度及びトル
ク)を一定にしたまま当該各油圧ポンプの性能を充分に
発揮させることができると共に、各種作業モードにおけ
る主変速レバーによる無段階的な速度変更の際の制御範
囲が限定されず、従って、走行車両の操作が円滑且つ容
易になるという効果を奏するのである。
【0035】なお、図7は、横軸に前記操向用のハンド
ル12の回動角度βを採り(最大回動角度に対するパー
セントで示す)、縦軸に左右の走行クローラの走行速度
(m/sec.)を採った速度線図を示す。操向用ハンドル
12の回動角度0%の位置では、左右の走行クローラの
走行速度は同じである。図7の実線及び一点鎖線は、緩
旋回〜急旋回までを任意の速さで且つ旋回半径を任意に
無段階調節する場合の速度線図であって、例えば、左右
両走行クローラ2a,2bを1.0 (m/sec.)にて前進
走行させている状態から右旋回する場合、ハンドル12
の単位回動角度当たり左走行クローラ2aがx(m/se
c.)の速度だけ増速する一方(実線α1参照)、右走行
クローラ2bは前記と同じ値x(m/sec.)だけ減速す
ることになる(実線β1参照)。即ち、ハンドル12を
一定角度Δ回動させると、左走行クローラ2aは、1.0
+x1・Δ(m/sec.)で走行し、右走行クローラ2b
は1.0 −x1・Δ(m/sec.)にて走行して右旋回する
ことになる。従って、旋回半径は、ハンドル12の回動
角度により任意に無段階に調節できる。図7の一点鎖線
は、左右両走行クローラ2a,2bの初期走行速度(前
進時)が2.0 (m/sec.)から開始した右旋回の態様を
示す。
【0036】図7で示すように、左右両走行クローラ2
a,2bが前進(後退)状態であって、速度差があると
きには緩旋回となり、一方の走行クローラと他方の走行
クローラとの進行方向が互いに逆になるときは、いわゆ
るスピンターン(急旋回)を実行できることになる。こ
のような旋回態様は後退時においても実行できることに
なる。
【0037】本発明は、農作業機ばかりでなく、ブルド
ーザ等の土木用の走行車両にも適用できることはいうま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの正面図である。
【図3】動力伝達装置の動力伝達ブロック図である。
【図4】一対の遊星歯車機構部の一部断面図である。
【図5】動力伝達装置における副変速機構部を示す図で
ある。
【図6】制御装置のブロック図である。
【図7】旋回作用の説明図である。
【符号の説明】
2a,2b 走行クローラ 12 ハンドル 13 主変速レバー 14 副変速レバー 20 動力伝達装置 22 起動輪 21a,21b 出力軸 30 ミッションケース 31,31 遊星歯車機構 33 第1油圧ポンプ 34 第1油圧モータ 36 第2油圧ポンプ 37 第2油圧モータ 38 腕輪 39 遊星歯車 40 太陽歯車 42 リングギヤ 48 出力歯車 49 センター歯車 50 副変速機構 69 第1中立位置 70 第2中立位置 76 レバー位置センサ 77,79 電磁ブレーキ 78 クラッチ 80 動力制御装置 81 中央処理装置 82 電子ガバナー 83 油圧切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸波 照喜 大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機 株式会社内 (72)発明者 梶岡 律子 大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を、前進・後退の出
    力に切り換え可能な走行用油圧式動力伝達機構と差動歯
    車機構とを介して左右一対の走行クローラへ伝達するよ
    うに構成する一方、左右旋回のための操向用ハンドルの
    操作量に応じて出力調節可能な旋回用油圧式駆動手段を
    介して旋回に必要な差動トルクを前記差動歯車機構に付
    与するように構成してなる走行車両において、前記走行
    用の油圧式駆動手段から差動歯車機構への動力伝達用歯
    車機構には、副変速機構を介挿し、該副変速機構より伝
    動上流側には、前記走行用の油圧式駆動手段から作業部
    へのPTO軸を配置する一方、前記副変速機構は、2つ
    の中立位置と複数の変速位置とを備え、少なくとも前記
    一方の中立位置をメインテナンス位置に設定し、前記メ
    インテナンス位置を検知する検知手段からの検知信号に
    より、少なくとも一定時間前記エンジンの回転数をアイ
    ドリング回転数に移行するように制御する制御手段を備
    えたことを特徴とする走行車両の動力制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンからの動力を、前進・後退の出
    力に切り換え可能な走行用油圧式動力伝達機構と差動歯
    車機構とを介して左右一対の走行クローラへ伝達するよ
    うに構成する一方、左右旋回のための操向用ハンドルの
    操作量に応じて出力調節可能な旋回用油圧式駆動手段を
    介して旋回に必要な差動トルクを前記差動歯車機構に付
    与するように構成してなる走行車両において、前記旋回
    用油圧式駆動手段と差動歯車機構との間に、動力伝達ク
    ラッチまたはブレーキのいずれか一方もしくは両者を配
    置し、前記走行用の油圧式駆動手段から差動歯車機構へ
    の動力伝達用歯車機構には、副変速機構を介挿し、該副
    変速機構より伝動上流側には、前記走行用の油圧式駆動
    手段から作業部へのPTO軸を配置する一方、前記副変
    速機構は、2つの中立位置と複数の変速位置とを備え、
    少なくとも前記一方の中立位置をメインテナンス位置に
    設定し、前記メインテナンス位置を検知する検知手段か
    らの検知信号により、前記動力伝達クラッチを動力遮断
    側に作動するか、もしくは前記ブレーキを作動させるよ
    うした制御手段を備えたことを特徴とする走行車両の動
    力制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンからの動力を、前進・後退の出
    力に切り換え可能な走行用油圧式動力伝達機構と差動歯
    車機構とを介して左右一対の走行クローラへ伝達するよ
    うに構成する一方、左右旋回のための操向用ハンドルの
    操作量に応じて出力調節可能な旋回用油圧式駆動手段を
    介して旋回に必要な差動トルクを前記差動歯車機構に付
    与するように構成してなる走行車両において、前記旋回
    用油圧式駆動手段には、油圧切換弁を配置し、前記走行
    用の油圧式駆動手段から差動歯車機構への動力伝達用歯
    車機構には、副変速機構を介挿し、該副変速機構より伝
    動上流側には、前記走行用の油圧式駆動手段から作業部
    へのPTO軸を配置する一方、前記副変速機構は、2つ
    の中立位置と複数の変速位置とを備え、少なくとも前記
    一方の中立位置をメインテナンス位置に設定し、前記メ
    インテナンス位置を検知する検知手段からの検知信号に
    より、前記旋回用油圧式駆動手段の出力をOFFにすべ
    く前記油圧切換弁を作動させるようにした制御手段を備
    えたことを特徴とする走行車両の動力制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998051523A1 (en) * 1997-05-14 1998-11-19 Yanmar Agricultural Equipment Co., Ltd. Drive unit for crawler working vehicles
JP2002349600A (ja) * 2001-05-31 2002-12-04 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 作業車両の動力伝達制御装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998051523A1 (en) * 1997-05-14 1998-11-19 Yanmar Agricultural Equipment Co., Ltd. Drive unit for crawler working vehicles
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JP2002349600A (ja) * 2001-05-31 2002-12-04 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 作業車両の動力伝達制御装置

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