JPH1096032A - ドアインパクトビーム用熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

ドアインパクトビーム用熱延鋼板の製造方法

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JPH1096032A
JPH1096032A JP27149196A JP27149196A JPH1096032A JP H1096032 A JPH1096032 A JP H1096032A JP 27149196 A JP27149196 A JP 27149196A JP 27149196 A JP27149196 A JP 27149196A JP H1096032 A JPH1096032 A JP H1096032A
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利郎 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性,特に伸びフランジ性,引張強さ,熱
延製造安定性及び鋼板形状に優れたインパクトビーム用
熱延板を得る。 【解決手段】 C:0.15〜0.30%,Si:0.
5%以下,Mn:1.0〜2.5%,P:0.025%
以下,S:0.01%以下,Cr:0.5〜1.5%,
Mo:0.1〜0.5%,B:0.0005〜0.00
50%,Ti:0.01〜0.05%,N:0.010
%以下及びAl:0.020〜0.080%を含み、次
式を満足する組成をもつ鋼を800〜950℃の温度域
で仕上げ熱延した後、350〜550℃で巻き取る。 X=10[%C]+2.0[%Mn]+2.5[%Cr] +3.5[%Mo]+50[%B] ・・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、980N/mm2 以上
の強度と良好な加工性をもつと共に熱延製造安定性に優
れたドアインパクトビーム用熱延鋼板を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、特に乗用車については、安全対
策の強化に対する要求が年々高くなってきている。これ
ら要求の一つとして、側面衝突時の衝撃を吸収するた
め、サイドドアにインパクトビーム等の補強部品を装着
することが採用され始めている。インパクトビーム用材
料は、特開平7−124758号公報,特開平7−12
6750号公報,特開平7−278748号公報,特開
平8−73938号公報等で紹介されているように、電
縫鋼管を焼入れ処理又は連続高周波焼入れすることによ
り製造されている。また、特開平4−346624号公
報,特開平4−365814号公報,特開平7−341
36号公報,特公平8−30212号公報で紹介されて
いるように、連続焼鈍設備で熱処理により冷延鋼板を高
強度化して電縫鋼管にする方法もインパクトビーム用材
料の製造に採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電縫鋼管を焼入れして
インパクトビーム用材料を製造する方法は、熱延→冷間
圧延→鋼管加工→溶接→高周波焼入れと多数の工程を経
たり、鋼管加工後の長尺パイプをバッチ焼入れする工程
を経る。何れも、製造工程が複雑になることから、コス
ト高になることが避けられない。しかも、得られたパイ
プは、鋼板を成形して製造されたブラケットを接合した
上で車体に取り付けられる。すなわち、パイプをインパ
クトビームとして使用するためには、ブラケットの作製
及びその溶接工程が必要となり、更にコストを上昇させ
る原因となる。他方、冷延鋼板を熱処理により980N
/mm2 以上に高強度化してインパクトビームを製造す
る方法では、熱延鋼板を冷間圧延した後、水焼入れタイ
プの連続焼鈍設備を使用した熱処理が施される。すなわ
ち、冷間圧延,連続焼鈍炉による熱処理が必要なことか
ら、熱延鋼板に比較してコスト高になることが避けられ
ない。
【0004】このようなことから、より製造コストを低
減する方法として、強度が980N/mm2 を超える鋼
板を熱延で作り込むことが考えられる。しかし、熱延鋼
板で980N/mm2 以上の強度を得ようとすると、熱
延の際の製造安定性、すなわち冷却速度ムラや巻取り温
度ムラに起因した材質変動やインパクトビームへの成形
加工を考慮した局部変形、すなわち伸びフランジ性が問
題となる。本発明は、このような問題を解消すべく案出
されたものであり、鋼材の成分・組成と熱処理条件との
間の特定された組合せを採用することにより、強度と成
形加工性の相反する特性を両立させると共に、歩留りす
なわち製造コストに直接つながる熱延製造安定性に優れ
たドアインパクトビーム用熱延鋼板を製造することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、そ
の目的を達成するため、C:0.15〜0.30重量
%,Si:0.5重量%以下,Mn:1.0〜2.5重
量%,P:0.025重量%以下,S:0.01重量%
以下,Cr:0.5〜1.5重量%,Mo:0.1〜
0.5重量%,B:0.0005〜0.0050重量
%,Ti:0.01〜0.05重量%,N:0.010
重量%以下及びAl:0.020〜0.080重量%を
含み、次式(1)で定義されるX値が6.5以上となる
組成をもつ鋼を800〜950℃の温度域で仕上げ熱延
した後、350〜550℃で巻き取ることを特徴とす
る。 X=10[%C]+2.0[%Mn]+2.5[%Cr] +3.5[%Mo]+50[%B] ・・・・(1)
【0006】
【作用】本発明者等は、要求特性を満足したドアインパ
クトビーム用材料を開発するため、合金元素,熱延条件
と強度,延性,伸びフランジ性の関係や機械的性質に及
ぼす熱延条件の影響について、数多くの実験を行った。
その結果、本発明で規定した特定成分の鋼を800〜9
50℃の仕上げ温度で熱延した後、350〜550℃の
巻取り温度で巻き取るとき、冷却速度に拘らず980N
/mm2 以上の強度及び良好な加工性をもち、熱延製造
安定性に優れたドアインパクトビーム用熱延鋼板が製造
されることを見い出した。本発明で規定した成分系にお
いては、Mn,Cr,Mo,B等を効果的に鋼に含ませ
ることで、フェライトやパーライト変態を遅滞させるこ
とができる。そのため、仕上げ熱延後の冷却速度が遅い
場合や冷却速度が変動しても、フェライト,パーライ
ト,更には上部ベイナイトの高温生成物が生成しないた
めに、熱延鋼板の機械的性質の変動を小さくすることが
可能である。その結果、強度と成形加工性の相反する特
性が両立すると共に、熱延製造安定性が改善され、要求
特性を満足するインパクトビーム用材料が高歩留りで製
造される。
【0007】以下、本発明で規定した合金成分,熱処理
条件等を説明する。 C:0.15〜0.30重量% インパクトビームとして要求される強度を得るために必
要な合金元素であり、C含有量が0.15重量%未満で
は必要な980N/mm2 以上の強度が得られない。し
かし、0.30重量%を超えるC含有量では、靭性が低
下する。過剰なC含有は、ブラケットと車体との溶接性
劣化を引き起こす原因にもなる。また、C含有量の増加
に伴って、熱間圧延における冷却速度と巻取り温度ムラ
に起因した材質変動が顕著になる。その結果、製造した
製品の歩留りが低下し、製造コストを上昇させることに
なる。 Si:0.5重量%以下 Siが多量に含まれると溶接性が劣化し、スケール疵も
発生し易くなる。また、熱延板の表面品質を低下させ、
靭性を阻害する悪影響もみられる。したがって、本発明
では、Si含有量の上限を0.5重量%に規制した。
【0008】Mn:1.0〜2.5重量% 鋼板の焼入れ性を高め、強靭化を図る上で重要な合金元
素である。Mnは、熱延における冷却中にフェライト変
態を抑制し、極めて遅い冷却速度でもベイナイト主体の
組織にする作用を呈する。しかし、Mn含有量が1.0
重量%未満では、熱延における冷却中に上部ベイナイト
等の高温生成物が生成し、強度が不足する。しかも、熱
延における冷却速度及び巻取り温度依存性が大きくな
り、材質変動が大きくなって歩留り低下を招く。逆に、
2.5重量%を超える多量のMnが含まれると、強度上
昇効果や焼入れ性が飽和し、却って溶接性や靭性が劣化
する。 P:0.025重量%以下 靭性を劣化させる元素であり、P含有量が0.025重
量%を超えると著しく靭性が劣化する。
【0009】S:0.01重量%以下 本発明のような高強度鋼管の加工性、特に伸びフランジ
性に大きな影響を及ぼす元素である。また、MnS系の
介在物を形成し、加工性、特に伸びフランジ性を阻害す
る。そのため、本発明では、S含有量を0.01重量%
以下,好ましくは0.003重量%以下に規制した。 Cr:0.5〜1.5重量% 強度及び焼入れ性を改善する上で有効な合金元素であ
る。Cr含有量が0.5重量%に満たないと、強度不足
になるばかりか、冷却速度依存性が大きくなり、熱延に
おける機械的性質の安定性が劣化する。しかし、1.5
重量%を超える多量のCrが含まれると、溶接性や溶接
熱影響部の靭性が著しく劣化する。
【0010】Mo:0.1〜0.5重量% 強度及び焼入れ性の向上に有効な合金元素であり、また
980N/mm2 以上の高強度を熱延で安定して得るた
めには必須の合金成分である。Mo含有量が0.1重量
%未満では、強度不足になると共に、冷却速度依存性が
大きくなり熱延における機械的性質の安定性が劣化す
る。他方、0.5重量%を超える多量のMoを含ませて
も、強度や焼入れ性の更なる向上が望めず、却って高価
なMoを多量に消費することから経済的に不利となる。 B:0.0005〜0.0050重量% 極く微量の添加で鋼材の焼入れ性を大幅に向上させると
共に、粒界の歪みエネルギーを低下させ、粒界を強化す
る作用を呈し、靭性の低下防止に有効な合金元素であ
る。また、980N/mm2 以上の高強度を熱延で安定
して得るためには、必須の合金成分である。このような
作用は、0.0005重量%以上のB含有で顕著にな
る。しかし、B含有量が0.0050重量%を超えて
も、B添加による効果が飽和し、逆に靭性が劣化する。
【0011】Ti:0.01〜0.05重量% 熱延において固溶しにくい炭窒化物を形成し、結晶粒の
粗大化を防止する作用を呈する。また、鋼材に固溶して
いるNを窒化物として固定する上でも重要な合金成分で
ある。すなわち、Nの固定に消費されるB量が抑えら
れ、Bによる焼入れ改善作用が効率よく発揮される。こ
のような作用は、0.01重量%以上のTi含有で顕著
になる。しかし、0.05重量%を超える多量のTiが
含まれると、粗大な窒化物が形成され、靭性が劣化す
る。 N:0.010重量%以下 Tiと結合してTiNを生成し、鋼材を高強度化し、結
晶粒を微細化させる作用を呈する。このような作用は、
0.0020重量%以上のN含有量で顕著になる。しか
し、0.010重量%を超える多量のNが含まれると、
溶接性が劣化するばかりでなく、過剰のNがBと結合し
てBの焼入れ性向上作用を低減させる。 Al:0.020〜0.080重量% 溶鋼の脱酸剤として添加される元素であり、0.020
重量%以上が必要である。しかし、Al含有量が0.0
80重量%を超えると、鋼の清浄度が損なわれると共
に、表面疵が発生し易くなる。
【0012】更に、前述した成分範囲に加えて、式
(1)で定義されるX値が6.5以上となる条件下で各
合金成分を複合添加するとき、強度及び熱延製造安定性
が向上する。式(1)で定義されるX値は、本発明者等
による多数の実験結果から見い出されたものであり、X
≧6.5で980N/mm2 以上の強度をもち熱延製造
安定性に優れた熱延鋼板が製造される。
【0013】熱間圧延の仕上げ温度:800〜950℃ 熱間圧延では、仕上げ温度800〜950℃の温度域で
仕上げ熱延する。仕上げ温度が800℃に達しないと、
変形抵抗が増大し、鋼板の絞り込み等,通板性に支障を
来す。また、低い仕上げ温度では2相域圧延となり、加
工フェライトが生成し易くなる。他方、仕上げ温度が9
50℃を超えると、熱延組織が粗大化し、加工性が劣化
すると共に熱延における冷却歪みが増大して鋼板の形状
が劣化し、熱延における水乗りや冷却ムラが発生し易く
なる。その結果、機械的性質の安定性が損なわれる。 巻取り温度:350〜550℃ 熱延後の鋼帯は、350〜550℃の温度域で巻き取ら
れる。巻取り温度が350℃未満では、強度上昇が著し
くなり、熱延条件の変動によって基体的性質の安定性が
損なわれる。また、過度に低い巻取り温度は、冷却歪み
を発生させ、鋼板に形状不良を引き起こす原因となる。
逆に550℃を超える巻取り温度では、980N/mm
2 以上の強度が得られない。加えて、ベイナイトやマル
テンサイトの外に、パーライトが粒界に生成するため、
伸びフランジ性が劣化する。
【0014】
【実施例】表1に示した組成をもつ各種鋼を転炉で出鋼
し、連続鋳造によりスラブを製造した。
【0015】
【0016】得られた連鋳スラブを表2に示した種々の
条件下で熱間圧延し、板厚2.0mmの熱延板を製造し
た。熱延に際し、巻取り温度を中央値に対して±30℃
の範囲でコイル内で変化させた。次いで、スキンパス,
酸洗後、切り板として材質安定性を調査した。巻取り温
度の中央値の機械的性質として、引張強さ,全伸び及び
切欠き引張り伸びを測定した。切欠き引張り伸びは、J
IS 5号試験片の平行部に2mmのVノッチを入れ、
標点間距離を5mmとしてその伸び率を求めた値であ
り、伸びフランジ性を評価できる指標である。表2で
は、切欠き引張り伸びが15%以上の場合を伸びフラン
ジ性が良好(○),15%未満を不良(×)として評価
した。熱延板の材質安定性は、巻取り温度差±30℃で
変化した部分の引張強さを調査し、その変動幅で調査し
た。表2では、引張強さの変動幅が100N/mm2
満のものを材質安定性が良好(○),100N/mm2
以上のものを材質安定性不良(×)として評価した。ま
た、鋼板形状についても、目視観察で良,不良を評価し
た。
【0017】表2の評価結果にみられるように、組成,
X値及び熱延条件が本発明で規定した範囲にある試験番
号2,3,5〜8,9,11,13〜15は、何れも9
80N/mm2 以上の強度を示し、しかも15%以上の
伸びフランジ性を示している。また、加工性が良好であ
ると共に、引張強さの変動幅が100N/mm2 未満と
極めて小さく、熱延製造安定性及び鋼板形状に優れてい
ることが確認される。他方、熱延条件が本発明で規定し
た範囲を外れる試験番号1,4,10,12は、切欠き
引張り伸び,引張強さの変動幅,鋼板形状の何れか一つ
又は複数の点で劣っている。組成が本発明で規定した範
囲を外れる試験番号16〜25も、同様に切欠き引張り
伸び,引張強さの変動幅,鋼板形状の何れか一つ又は複
数の点で劣っている。このことから、組成及び熱延条件
の特定された組み合わせにより、始めて加工性,特に伸
びフランジ性,引張強さ,熱延製造安定性及び鋼板形状
に優れた熱延板が得られることが判る。
【0018】
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、特定された組成をもつ鋼材を特定条件下で熱延する
ことにより、加工性,特に伸びフランジ性,引張強さ,
熱延製造安定性及び鋼板形状に優れた熱延板を製造して
いる。このようにして得られた熱延板は、インパクトビ
ームへ容易に成形加工でき、980N/mm2 以上の強
度をもつ安価なインパクトビーム用鋼板として使用され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋月 誠 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.15〜0.30重量%,Si:
    0.5重量%以下,Mn:1.0〜2.5重量%,P:
    0.025重量%以下,S:0.01重量%以下,C
    r:0.5〜1.5重量%,Mo:0.1〜0.5重量
    %,B:0.0005〜0.0050重量%,Ti:
    0.01〜0.05重量%,N:0.010重量%以下
    及びAl:0.020〜0.080重量%を含み、式
    (1)で定義されるX値が6.5以上となる組成をもつ
    鋼を800〜950℃の温度域で仕上げ熱延した後、3
    50〜550℃で巻き取ることを特徴とする熱延製造安
    定性に優れた強度980N/mm2 以上のドアインパク
    トビーム用熱延鋼板の製造方法。 X=10[%C]+2.0[%Mn]+2.5[%Cr] +3.5[%Mo]+50[%B] ・・・・(1)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004315927A (ja) * 2003-04-18 2004-11-11 Nippon Steel Corp 高温成形後硬化能に優れた熱間成形加工用鋼板およびその使用方法
EP1966404A4 (en) * 2005-12-26 2009-01-14 Posco UNBALANCED STEEL SHEET WITH SUPERIOR FORMABILITY AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR

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