JPH1096426A - 高速で使用する転がり軸受用保持器とその製造方法 - Google Patents

高速で使用する転がり軸受用保持器とその製造方法

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JPH1096426A
JPH1096426A JP8250533A JP25053396A JPH1096426A JP H1096426 A JPH1096426 A JP H1096426A JP 8250533 A JP8250533 A JP 8250533A JP 25053396 A JP25053396 A JP 25053396A JP H1096426 A JPH1096426 A JP H1096426A
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JP
Japan
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cage
lubricating oil
rolling bearing
rolling
retainer
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JP8250533A
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Inventor
Magozo Hamamoto
孫三 浜本
Yasushi Tamaki
康 玉城
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/3837Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages
    • F16C33/3843Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages
    • F16C33/3856Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages made from plastic, e.g. injection moulded window cages
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2208/00Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
    • F16C2208/20Thermoplastic resins
    • F16C2208/40Imides, e.g. polyimide [PI], polyetherimide [PEI]

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速で十分な潤滑油供給を行なえない場合に
も、十分な潤滑性を確保して、耐久性向上を図る。 【解決手段】 保持器7を、繊維強化ポリイミド樹脂に
より造る。バレル加工により、表面に存在する角部に、
微小曲面を形成する。又、内部に潤滑油を含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスタービンや
ターボチャージャ、或はオイルエア潤滑で使用される工
作機械の主軸等、高速で回転する部分を支持する転がり
軸受に組み込む保持器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸等、高速で回転する部分
を支持する為に従来から、図1に示す様なアンギュラ型
の玉軸受1が広く使用されている。この玉軸受1は、外
周面に内輪軌道2を有する内輪3と、内周面に外輪軌道
4を有する外輪5とを同心に配置し、上記内輪軌道2と
外輪軌道4との間に複数個の玉6、6を転動自在に設け
て成る。又、これら複数個の玉6、6は、図2に示す様
な保持器7に、転動自在に保持している。
【0003】この様な保持器7を造るのに従来は、黄銅
製或は合成樹脂を押し出し成形した円筒状の素材に切削
加工を施したり、合成樹脂を射出成形する事により、一
体に造っている。更には、保持器自体の形状は多少異な
るが、金属板をプレスする事により保持器を形成する事
もある。何れにしても上記保持器7は、全体が円筒状
で、それぞれが円筒形のポケット8、8を、円周方向に
亙って等間隔に形成している。そして、上記各ポケット
8、8に玉6、6を、転動自在に保持している。
【0004】この様な保持器7は、回転に伴ってラジア
ル方向に変位する事を防止し、保持器7が転がり軸受の
振動の原因となる事を防止する必要がある。高速で回転
する部分を支持する為に使用する、上記玉軸受1等の転
がり軸受用の保持器7は、一般に、この保持器7の外周
面と外輪5の内周面とを近接させる外輪案内方式、又は
上記保持器7の内周面と内輪3の外周面とを近接させる
内輪案内方式により、上記ラジアル方向への変位を防止
する場合が殆どである。又、この様な転がり軸受に組み
込む保持器7の形状及び材質等に就いても、用途に適応
したものを選定し使用している。更に、この様な転がり
軸受の潤滑に就いても、用途に応じた潤滑方式を採用し
ている。
【0005】但し、潤滑に就いては、dmn{ピッチ円直
径 dm (mm)と回転速度n(r.p.m.)との積}が80万
以上の高速回転領域で使用される転がり軸受の潤滑は、
グリースでは油膜形成が不安定になり、焼き付きの原因
となる為に、採用する事が難しい。この為、上述の様な
高速回転領域で使用される転がり軸受の潤滑には一般的
に、オイルミストやオイルエア、ジェット給油、アンダ
ーレース給油等の潤滑方式を採用している。この様な潤
滑方式を採用して転がり軸受の回転を円滑に行なわせ、
焼き付き等の損傷を防止する為には、潤滑油の性状及び
量により油膜が形成されるか否か、回転抵抗による発熱
の程度、更には潤滑油が軸受内に一定量供給されるか否
かが問題となる。そして、転がり軸受の運転速度が高速
になるに従って、この転がり軸受の内部にまで十分量の
潤滑油を供給する事が困難となり、潤滑状態が微量油潤
滑になりがちある。従って、上記運転速度が高速になる
程、転がり軸受の摩耗及び焼き付きが問題となる。
【0006】一方、高速回転用の転がり軸受に組み込む
保持器7は、運転時に働く遠心力により破損する事を防
止する為、十分な剛性を必要とする。又、高速回転時に
発生する摩擦熱により熱変形するのを防止する為、耐熱
性も要求される。この様な事情に鑑みて、特開平3−1
88127号公報には、熱可塑性ポリイミド樹脂で保持
器を形成する事により、この保持器に耐熱性、耐油性、
耐薬品性、射出成形性を持たせる発明が記載されてい
る。更に、実開平4−95125号公報には、ターボチ
ャージャ用転がり軸受の保持器を熱可塑性ポリイミド樹
脂により造り、この保持器を組み込んだ転がり軸受の性
能を向上させる発明が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報に記載された転がり軸受用保持器は、耐熱性、耐油
性、耐薬品性、射出成形性を有するものの、高速時の潤
滑性を確保する事が難しい。この為、転がり軸受が高速
で回転している場合には、ジェット給油等の強制給油方
式を採用したとしても、転がり軸受の内部にまで適量の
潤滑油を供給する事は困難である。しかも、転がり軸受
の回転トルクを小さく抑え、高回転速度を維持する事を
考えると、多量の潤滑油を供給する事が難しく、転がり
軸受内部の潤滑状態が微量潤滑になる場合が多い。この
結果、潤滑不良による摩耗や焼き付きが発生し易くな
り、必ずしも十分な耐久性を有する転がり軸受を提供で
きない場合がある。
【0008】本発明はこの様な事情に鑑みて、長期に亙
って良好な潤滑性を維持すると共に、微量潤滑の下で1
0〜15万r.p.m.程度の高速回転をさせた場合でも、安
定した回転精度を維持し、しかも良好な耐久性を得られ
る高速用転がり軸受を実現すべく考えたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の高速で使用する
転がり軸受用保持器とその製造方法のうち、請求項1に
記載した高速で使用する転がり軸受用保持器は、繊維強
化ポリイミド樹脂製で、表面に存在する角部にバレル加
工により、面取り状の微小曲面が形成されており、内部
に潤滑油を含浸させて成る。
【0010】又、請求項2に記載した、高速で使用する
転がり軸受用保持器の製造方法は、熱可塑性を有する繊
維強化ポリイミド樹脂により、全体が円環状で円周方向
に亙り複数のポケットを有する保持器素子を形成した
後、この保持器素子にバレル加工を施す事により、上記
保持器素子の表面に存在する角部に微小曲面を形成し、
次いで上記保持器素子を潤滑油中に浸漬する事により、
上記保持器素子中に潤滑油を含浸させる。尚、この様に
保持器素子を潤滑油中に浸漬する際に好ましくは、この
潤滑油を、上記繊維強化ポリイミド樹脂の(非晶部が流
動する様になる)ガラス転移点Tg 以下に加熱してお
く。更に、必要に応じて、この潤滑油を加圧しつつ、上
記浸漬作業を行なう。この様に潤滑油を加熱、加圧する
のは、上記保持器素子中に含浸させる潤滑油の量を多く
する為である。
【0011】
【作用】本発明に使用する、繊維強化した熱可塑性ポリ
イミド樹脂(以下、『繊維強化熱可塑性ポリイミド樹
脂』とする。)は、耐油性、耐熱性、耐薬品性を有する
為、転がり軸受を潤滑する為の潤滑油により膨潤した
り、或は変形したりする事がない。又、高速回転に伴っ
て発生する熱により変形する事もない。更には、薬品に
曝される条件下で使用した場合でも、この薬品により侵
される事がない。
【0012】又、保持器の表面に存在する角部、即ち、
各ポケットの内径側、外径側両開口の周縁部、外周面及
び内周面の両端縁部と軸方向両端面の内外両周縁との連
続部に存在する角部には、バレル加工による微小曲面が
形成されているので、回転抵抗の減少を図ると同時に潤
滑性の向上を図れる。即ち、上記バレル加工に伴って、
繊維強化熱可塑性ポリイミド樹脂により保持器素子を形
成する際に上記角部に生じたバリを除去すると共に、こ
の角部に、小さな曲率半径を有する微小曲面を形成す
る。この結果、上記角部と、ポケット内に保持された転
動体の転動面とが強く擦れ合う事がなくなり、このポケ
ット内で転動体が回転する為に要する抵抗が小さくな
る。又、上記角部を曲面とする事により、この角部が、
転動体の転動面に付着した油膜を掻き取る事が少なくな
る。この結果、上記転動体の転動面と外輪軌道及び内輪
軌道との間に存在する潤滑油の量を確保して、これら転
動面と外輪軌道及び内輪軌道との接触部分に潤滑油の膜
を形成し易くなる。尚、上記角部に形成する微小曲面の
曲率半径は、0.1mm以上とする事が好ましい。
【0013】又、上記保持器には、保持器素子を高圧且
つ(Tg 以下の)高温の潤滑油中に浸漬する事により、
潤滑油を含浸させているので、この保持器を組み込んだ
転がり軸受を高速で回転させると、この保持器に含浸し
た潤滑油が転動体の転動部分に染み出す。この様な潤滑
油の染み出しは、長期間に亙って少しずつ行なわれるの
で、本発明の高速で使用する転がり軸受用保持器を組み
込んだ転がり軸受の潤滑は、長期間に亙り良好に行なわ
れる。特に、微量潤滑状態で転がり軸受を高速運転した
場合にしばしば発生する、微小焼き付きや摩耗による転
動体表面粗さの低下を抑制する事ができて、優れた耐久
性を得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の高速で使用する転がり軸
受用保持器を造るには、先ず、繊維強化熱可塑性ポリイ
ミド樹脂を所望の保持器形状に形成して保持器素子とす
る。その後、この保持器素子にバレル処理を施す事によ
り、各ポケットの内径側、外径側両開口の周縁部、外周
面及び内周面の両端縁部と軸方向両端面の内外両周縁と
の連続部に存在する角部に、面取り状の微小曲面を形成
する。その後、この保持器素子を、高温(Tg 以下)・
高圧の潤滑油中に浸漬する事により、本発明の高速で使
用する転がり軸受用保持器とする。
【0015】尚、上記繊維強化熱可塑性ポリイミド樹脂
中に強化材として混入する繊維としては、炭素繊維、或
はアラミド繊維が好適である。この理由は、本発明の対
象となる保持器が、高速且つ高温で使用される為に、軽
量且つ高強度・高剛性及び耐熱性を必要とし、上記繊維
としてもこれらの性質を持ったものを使用する必要があ
る為である。又、上記繊維強化熱可塑性ポリイミド樹脂
を成形して所望の保持器形状を得る為には、圧縮成形に
より得られた棒状素材に切削加工を施したり、或は、一
般的なインラインスクリュ式の射出成形機を用いて射出
成形する。
【0016】又、各ポケットの内径側、外径側両開口の
周縁部、外周面及び内周面の両端縁部と軸方向両端面の
内外両周縁との連続部に存在する角部に、面取り状の微
小曲面を形成する為のバレル加工は、回転式バレル加工
機又は遊星旋回式バレル加工機を使用して行なう。即
ち、保持器の形状等に応じて選択した適当なバレル加工
機に保持器素子を、やはり保持器の形状等の応じて選択
した適当なメディア及びコンパウンドと共に投入し、所
定時間バレル処理を施す。
【0017】更に、上記バレル加工を施した保持器素子
中に含浸させる為の潤滑油の種類は、特に限定しない。
パラフィン系鉱油、ナフテン鉱油、弗素油、シリコン油
の他、エステル系の合成潤滑油等を好ましく使用でき
る。特に、本発明の保持器を組み込む、高速で使用する
転がり軸受の潤滑に使用する潤滑油と同種の潤滑油が、
保持器中に含浸させる為の潤滑油として好適である。
【0018】これらの中から選択した含浸用の潤滑油
は、上記繊維強化熱可塑性樹脂を成形して成る保持器素
子の100重量部に対して、0.1〜0.5重量部の範
囲で含浸させる。又、上記含浸用の潤滑油の粘度は特に
限定されないが、40℃での動粘度が10〜100mm2/
s の範囲のものが好ましい。この理由は、上記動粘度が
10mm2/s 未満である低粘度の潤滑油を使用した場合に
は、油膜切れが発生し易くなって潤滑不良を起こし易く
なり、反対に、上記動粘度が100mm2/s を越える高粘
度の潤滑油を使用した場合には、この潤滑油が上記保持
器素子中に含浸しにくくなって、保持器中に含まれる潤
滑油の量が不足する為である。
【0019】上述の様な潤滑油を繊維強化熱可塑性ポリ
イミド樹脂製の保持器素子中に含浸させる作業は、好ま
しくはオートクレーブ等の加熱及び加圧自在な装置を用
いて行なう。即ち、この様な装置を用いて、含浸用の潤
滑油の温度及び圧力と含浸の為の処理時間とを制御しつ
つ、上記含浸用の潤滑油を上記保持器素子中に含浸させ
る。この様にして、繊維強化熱可塑性ポリイミド樹脂製
の保持器素子中に潤滑油を含浸させる際に使用する、好
ましい条件は、次の通りである。含浸用の潤滑油の温度
は、好ましくは100〜150℃、更に好ましくは12
0〜130℃とする。この理由は、短い処理時間で含浸
量を確保する為には温度を高くする事が好ましい反面、
繊維強化熱可塑性ポリイミド樹脂のTg 以上では上記保
持器素子に変形が生じる為、このTg により上限が規制
される為である。又、上記保持器素子中に十分量の潤滑
油をさせる為、上記装置内を加圧するが、加圧用の気体
としては、窒素ガスを使用する事が好ましい。この理由
は、含浸用の潤滑油の酸化を防止し、この潤滑油が劣化
するのを防止する為である。尚、加圧時の圧力は、高い
程短時間で多くの潤滑油を含浸させられる。但し、極端
な高圧では、使用する装置が高価になるだけでなく、窒
素ガスの使用量も増大してコストが嵩む。従って、上記
圧力は、コストの面から、15〜25kg/cm2程度に規制
する。更に、含浸処理時間に関しては、上記温度並びに
圧力との関係で、十分な含浸量を確保できる程度に、コ
ストを勘案して規制する。即ち、上記含浸処理時間が長
くなる程含浸量も多くなる傾向があるが、コストの面か
ら、5〜8時間程度が適当である。
【0020】
【実施例】次に、本発明の効果を確認する為に行なった
実験に就いて説明する。本発明の高速で使用する転がり
軸受用保持器の効果を確認する為に、試験片である保持
器を、次の(1)(2)に示した2種類のアンギュラ型玉軸受
に組み込み、これら各玉軸受を構成する外輪を固定した
状態で、ラジアル荷重及びスラスト荷重を付与しつつ内
輪を回転させる、回転試験を行なった。尚、上記試験片
である保持器の形状は、図2に示す様な、アンギュラ玉
軸受用の、所謂もみ抜き保持器とした。 (1) 内径8mm、外径32mm、幅10mm (2) 内径10mm、外径32mm、幅10mm 回転試験の試験条件は、以下の通りである。 内輪回転速度 100,000r.p.m. ラジアル荷重 10kgf スラスト荷重 20kgf 雰囲気温度 150〜250℃ 試験時間 1,000時間 潤滑条件 合成潤滑油(モービルSHC824)によるジェット潤滑
【0021】上述の条件で行なった回転試験の試験後の
評価方法は、以下の通りである。 軸受の焼き付き寿命 油膜切れによって発生する微細な焼き付き、即ち変色
や、更には摩耗、傷等の有無の確認を、玉の表面粗さの
測定と外観顕微鏡観察とにより行なった。焼き付きの判
定は、所定時間回転試験を行なった後、玉表面粗さの低
下とバンド状の変色の有無、傷、玉のくもり(光沢の低
下)等を目視により確認する事で行なった。 保持器の耐久性 保持器の耐久性は、油膜切れによって発生する、保持器
のポケット内周面の摩耗状況を、形状測定器によって測
定し、異常摩耗の有無で耐久性の有無を判定した。
【0022】実験に使用した試験片は、本発明の技術的
範囲に属する実施例を2種類、本発明の技術的範囲から
外れる比較例に属するものを2種類の、合計4種類を用
意した。それぞれの試験片は、次の様にして造った。
【0023】[実施例1]繊維強化熱可塑性ポリイミド
樹脂を射出成形する事により図2に示す様な形状に造っ
た保持器素子を、遊星旋回式バレル加工機にメディア
{酸化アルミナ(アングル)、コンパウンド}と共に投
入し、バレル加工を施した。バレル加工機の運転速度は
150r.p.m.、加工時間は3時間とした。このバレル加
工により、保持器素子表面の角部に、面取り状の微小曲
面を形成した。この様にして微小曲面を形成した保持器
素子に、次の行程で合成潤滑油(モービルSHC62
9)を含浸させた。この含浸処理は、オートクレーブ
(耐圧ガラス製TAS−3型)を用いて行ない、このオ
ートクレーブ中の潤滑油を、窒素ガスにより20kg/cm
2 に加圧すると共に、110℃に加温したまま、5時間
の浸漬処理を行なった。この結果、上記保持器素子中に
上記潤滑油が、0.12重量%含浸した。この様にして
得られた保持器を、前述の(1)(2)に示した2種類のアン
ギュラ型玉軸受に組み込んで、前述の試験条件で回転試
験を実施した。この実験結果を、表1及び図3(A)に
示した。尚、図3(A)〜(D)は、回転試験後に、ポ
ケット内周面の軸方向の断面形状を、形状測定器により
測定した結果を示している。これら表1及び図3(A)
から明らかな通り、実施例1の高速で使用する転がり軸
受用保持器を組み込んだ転がり軸受は、高温・高速下で
も十分な潤滑性を確保できて、微小焼き付きや玉及び保
持器の摩耗が大幅に減少し、転がり軸受の耐久性向上を
図れる。尚、上記含浸処理の際、潤滑油の温度を120
℃にしたところ、保持器素子中に0.15重量%の潤滑
油が含浸された。この様にして得られた保持器を、上記
実施例1と同じ条件で回転試験に供したところ、この実
施例1とほぼ同じ結果を得られた。
【0024】[実施例2]上述した実施例1と同様にし
て造った保持器素子に、実施例1の場合と同様のバレル
加工を施した後、実施例1と同じオートクレーブを使用
して、合成潤滑油(モービルSHC824)を含浸させ
た。含浸時、潤滑油の温度を120℃とし、この潤滑油
を窒素ガスにより20kg/cm2 に加圧しつつ、5時間の
浸漬処理を行なった。この結果、上記保持器中に潤滑油
が、0.15重量%含浸した。この様にして得られた保
持器を、前述の(1)(2)に示した2種類のアンギュラ型玉
軸受に組み込んで、前述した試験条件で回転試験を実施
した。この実験結果を、表1及び図3(B)に示した。
これら表1及び図3(B)から明らかな通り、実施例2
の高速で使用する転がり軸受用保持器を組み込んだ転が
り軸受も、高温・高速下でも十分な潤滑性を確保でき
て、微小焼き付きや玉及び保持器の摩耗が大幅に減少
し、転がり軸受の耐久性向上を図れる。尚、上記含浸処
理の際、潤滑油の温度を150℃にしたところ、保持器
素子中に0.20重量%の潤滑油が含浸された。この様
にして得られた保持器を、上記実施例2と同じ条件で回
転試験に供したところ、この実施例2とほぼ同じ結果を
得られた。
【0025】[比較例1]前述した実施例1と同様にし
て造った保持器素子にバレル加工並びに含浸処理を施さ
ず、前述の(1)(2)に示した2種類のアンギュラ型玉軸受
に組み込んで、前述した試験条件で回転試験を実施し
た。この実験結果を、表1及び図3(C)に示した。こ
れら表1及び図3(C)から明らかな通り、比較例1の
保持器を組み込んだ転がり軸受は、高温・高速下では十
分な潤滑性を得られず、微小焼き付きや玉及び保持器の
摩耗が著しくなり、転がり軸受の耐久性を確保できな
い。
【0026】[比較例2]前述した実施例1と同様にし
て造った保持器素子にバレル加工を施し、表面の角部に
微小曲面を形成した。この保持器素子に、潤滑油の含浸
処理を施さずに、前述の(1)(2)に示した2種類のアンギ
ュラ型玉軸受に組み込んで、前述した試験条件で回転試
験を実施した。この実験結果を、表1及び図3(D)に
示した。これら表1及び図3(D)から明らかな通り、
比較例2の保持器を組み込んだ転がり軸受も、高温・高
速下では十分な潤滑性を得られず、微小焼き付きや玉及
び保持器の摩耗が著しくなり、転がり軸受の耐久性を確
保できない。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の高速で使用する転がり軸受用保
持器とその製造方法は、以上に述べた通り構成され作用
するので、高温・高速による、微量潤滑下に於いても、
良好な回転精度を維持し、しかもポケットの摩耗を減少
させて十分な耐久性を確保し、且つ、耐焼付性を確保し
て十分な信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる保持器を組み込んだ転がり
軸受の1例を示す断面図。
【図2】本発明の対象となる保持器の側面図。
【図3】本発明の効果を確認する為に行なった実験の結
果を表した、保持器のポケット内面の軸方向に亙る形状
を誇張して示す線図。
【符号の説明】
1 玉軸受 2 内輪軌道 3 内輪 4 外輪軌道 5 外輪 6 玉 7 保持器 8 ポケット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化ポリイミド樹脂製で、表面に存
    在する角部にバレル加工による微小曲面が形成されてお
    り、内部に潤滑油を含浸させて成る、高速で使用する転
    がり軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 熱可塑性を有する繊維強化ポリイミド樹
    脂により、全体が円環状で円周方向に亙り複数のポケッ
    トを有する保持器素子を形成した後、この保持器素子に
    バレル加工を施す事により、上記保持器素子の表面に存
    在する角部に微小曲面を形成し、次いで上記保持器素子
    を潤滑油中に浸漬する事により、上記保持器素子中に潤
    滑油を含浸させる、高速で使用する転がり軸受用保持器
    の製造方法。
JP8250533A 1996-09-20 1996-09-20 高速で使用する転がり軸受用保持器とその製造方法 Pending JPH1096426A (ja)

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CN104295609A (zh) * 2014-04-30 2015-01-21 洛阳轴研科技股份有限公司 一种均苯型pi复合保持架的加工方法
WO2025027818A1 (ja) * 2023-08-02 2025-02-06 三菱電機株式会社 転がり軸受、転がり軸受の異常診断装置および転がり軸受の異常診断方法

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