JPH1096599A - 室外用熱交換器ユニットおよびこれを用いた空気調和機 - Google Patents
室外用熱交換器ユニットおよびこれを用いた空気調和機Info
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- JPH1096599A JPH1096599A JP12047797A JP12047797A JPH1096599A JP H1096599 A JPH1096599 A JP H1096599A JP 12047797 A JP12047797 A JP 12047797A JP 12047797 A JP12047797 A JP 12047797A JP H1096599 A JPH1096599 A JP H1096599A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】凝縮水滴のような微細水滴に対しても十分な撥
水性を示し、凝縮水の凍結による通風抵抗増加を防止し
た屋外用熱交換器ユニットおよびそれに用いる熱交換器
の表面処理方法を提供することである。 【解決手段】熱交換器のアルミニウムフィンにミクロン
オーダーの腐食孔108を生じさせながら、厚さ0.2
〜1ミクロンの水和酸化物層106を形成させ、さらに
その上に疎水基107を設ける。
水性を示し、凝縮水の凍結による通風抵抗増加を防止し
た屋外用熱交換器ユニットおよびそれに用いる熱交換器
の表面処理方法を提供することである。 【解決手段】熱交換器のアルミニウムフィンにミクロン
オーダーの腐食孔108を生じさせながら、厚さ0.2
〜1ミクロンの水和酸化物層106を形成させ、さらに
その上に疎水基107を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,室外用熱交換器ユ
ニットに関するものである。
ニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和器を暖房運転したとき,室外熱
交換器ユニットの熱交換器表面温度は外気の露点を下回
り,外気に含まれる水蒸気が室外熱交換器ユニットの熱
交換器表面に凝縮し,温度条件によってはこの凝縮水が
凍結して熱交換器の通風抵抗を増加させるという問題が
ある。
交換器ユニットの熱交換器表面温度は外気の露点を下回
り,外気に含まれる水蒸気が室外熱交換器ユニットの熱
交換器表面に凝縮し,温度条件によってはこの凝縮水が
凍結して熱交換器の通風抵抗を増加させるという問題が
ある。
【0003】この問題を解決するために,室外熱交換器
ユニットのフィン表面を撥水構造として凝縮水滴の付着
を防止する技術が例えば特開平3−100182号公報
(以下,従来技術1という)や特開平6−123575
号公報(以下,従来技術2という)に開示されている。
ユニットのフィン表面を撥水構造として凝縮水滴の付着
を防止する技術が例えば特開平3−100182号公報
(以下,従来技術1という)や特開平6−123575
号公報(以下,従来技術2という)に開示されている。
【0004】このうち,従来技術1には,アルミニウム
表面に水酸基を露出させた凹凸を形成させるために,ベ
ーマイト被膜,アルマイト被膜,シリケート被膜のいず
れかにより親水処理を施した後,含フッ素シラン化合物
で処理することが開示されている。そしてさらに,撥水
性の最も良い親水処理方法はベーマイト被膜で,その接
触角は159度であることが開示されている。
表面に水酸基を露出させた凹凸を形成させるために,ベ
ーマイト被膜,アルマイト被膜,シリケート被膜のいず
れかにより親水処理を施した後,含フッ素シラン化合物
で処理することが開示されている。そしてさらに,撥水
性の最も良い親水処理方法はベーマイト被膜で,その接
触角は159度であることが開示されている。
【0005】また,従来技術2には,熱交換器の空気側
伝熱面に予めミクロンオーダーの凹凸を形成し,クロロ
シリル基を含む物質よりなるシロキサン系単分子膜を形
成した後,一端にクロルシラン基を,他端に直鎖状フッ
化炭素基を含むクロロシラン系界面活性剤を化学吸着さ
せ単分子膜を累積させることにより空気側伝熱面での着
霜現象を抑制することが開示されている。
伝熱面に予めミクロンオーダーの凹凸を形成し,クロロ
シリル基を含む物質よりなるシロキサン系単分子膜を形
成した後,一端にクロルシラン基を,他端に直鎖状フッ
化炭素基を含むクロロシラン系界面活性剤を化学吸着さ
せ単分子膜を累積させることにより空気側伝熱面での着
霜現象を抑制することが開示されている。
【0006】一方,表面の疎水基が同一であっても,表
面の凹凸の有無によって液滴の接触角が異なることは従
来から知られており,「応用物理」(第64巻 第8
号,pp.788−792,1995)には,その理論
的根拠として超撥水面とフラクタル構造との関係につい
て説明がなされ,フッ素化合物以外の疎水基を持つ物質
を平面に塗布することにより,超撥水面を形成する方法
が開示されている。ここで開示されている理論による
と,疎水性表面のフラクタル次元Dが大きくなると,同
一の疎水基を持つ平滑面と比べて接触角が大きくなり,
超撥水性を示すとされている。
面の凹凸の有無によって液滴の接触角が異なることは従
来から知られており,「応用物理」(第64巻 第8
号,pp.788−792,1995)には,その理論
的根拠として超撥水面とフラクタル構造との関係につい
て説明がなされ,フッ素化合物以外の疎水基を持つ物質
を平面に塗布することにより,超撥水面を形成する方法
が開示されている。ここで開示されている理論による
と,疎水性表面のフラクタル次元Dが大きくなると,同
一の疎水基を持つ平滑面と比べて接触角が大きくなり,
超撥水性を示すとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
ては,撥水性構造体表面の評価基準として,水滴の接触
角あるいは耐着霜性を用いているが,接触角の測定で滴
下される水滴の直径は小さくとも1ミリメ−トル程度で
あり,凝縮水滴のような微細な水滴に対する撥水性は十
分なものではなかった。
ては,撥水性構造体表面の評価基準として,水滴の接触
角あるいは耐着霜性を用いているが,接触角の測定で滴
下される水滴の直径は小さくとも1ミリメ−トル程度で
あり,凝縮水滴のような微細な水滴に対する撥水性は十
分なものではなかった。
【0008】本発明の課題は,凝縮水滴のような微細水
滴に対しても十分な撥水性を示し,凝縮水の凍結による
通風抵抗増加を防止した室外用熱交換器ユニットを提供
することである。
滴に対しても十分な撥水性を示し,凝縮水の凍結による
通風抵抗増加を防止した室外用熱交換器ユニットを提供
することである。
【0009】本発明の他の課題は,凝縮水滴のような微
細水滴に対しても十分な撥水性を示す,室外用熱交換器
ユニットに用いる熱交換器の表面処理方法を提供するこ
とである。
細水滴に対しても十分な撥水性を示す,室外用熱交換器
ユニットに用いる熱交換器の表面処理方法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に発明者は,アルミニウムに各種の表面処理を施した試
験片を試作し,この試験片を室外用熱交換器ユニットと
同じ条件下に設置して試験片表面に水滴を凝縮させる実
験を行った。
に発明者は,アルミニウムに各種の表面処理を施した試
験片を試作し,この試験片を室外用熱交換器ユニットと
同じ条件下に設置して試験片表面に水滴を凝縮させる実
験を行った。
【0011】その結果,表面にナノオーダーからミクロ
ンオーダーに至る広い範囲で凹凸を持たせ,その上に疎
水基を露出させた試験片において,大部分の凝縮水滴が
直径500マイクロメートル以下で隣り合う水滴と合体
して表面から略垂直に離脱する現象を見出した。
ンオーダーに至る広い範囲で凹凸を持たせ,その上に疎
水基を露出させた試験片において,大部分の凝縮水滴が
直径500マイクロメートル以下で隣り合う水滴と合体
して表面から略垂直に離脱する現象を見出した。
【0012】熱交換器の表面の凝縮水滴が自発的に離脱
するようになれば,水滴を除去する操作を付加する必要
もなくなり,通風抵抗の増加を防止することができる。
本発明の課題は,熱交換器と,この熱交換器に空気を送
るファンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,下
記の構成をとることにより解決される。
するようになれば,水滴を除去する操作を付加する必要
もなくなり,通風抵抗の増加を防止することができる。
本発明の課題は,熱交換器と,この熱交換器に空気を送
るファンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,下
記の構成をとることにより解決される。
【0013】(1) 前記熱交換器の表面のフラクタル
次元Dがボックスカウンティング法おけるセルサイズが
1マイクロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲内で
あり,前記熱交換器の表面に疎水基が形成されているこ
と。 (2) (1)において,前記疎水基が含フッ素有機化
合物であること。
次元Dがボックスカウンティング法おけるセルサイズが
1マイクロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲内で
あり,前記熱交換器の表面に疎水基が形成されているこ
と。 (2) (1)において,前記疎水基が含フッ素有機化
合物であること。
【0014】(3) (1)または(2)において,前
記熱交換器の表面の原子間力顕微鏡により測定したフラ
クタル次元Dが,ボックスカウンティング法おけるセル
サイズが1マイクロメートル以下の領域で2.2≦D≦
3.0の範囲内であること。
記熱交換器の表面の原子間力顕微鏡により測定したフラ
クタル次元Dが,ボックスカウンティング法おけるセル
サイズが1マイクロメートル以下の領域で2.2≦D≦
3.0の範囲内であること。
【0015】(4) この室外用熱交換器ユニットの結
露条件下での運転における前記熱交換器の表面に存在す
る凝縮水滴の90%が,直径500マイクロメートル以
下であること。
露条件下での運転における前記熱交換器の表面に存在す
る凝縮水滴の90%が,直径500マイクロメートル以
下であること。
【0016】(5) 前記室外用熱交換器ユニットの結
露条件下での運転時に,前記熱交換器の表面に生じる凝
縮水滴が前記熱交換器の表面から離脱すること。 (6)前記室外用熱交換器ユニットの結露条件下での運
転時に,前記熱交換器の表面に生じる凝縮水滴同士が合
体すると同時に前記熱交換器の表面から離脱すること。
露条件下での運転時に,前記熱交換器の表面に生じる凝
縮水滴が前記熱交換器の表面から離脱すること。 (6)前記室外用熱交換器ユニットの結露条件下での運
転時に,前記熱交換器の表面に生じる凝縮水滴同士が合
体すると同時に前記熱交換器の表面から離脱すること。
【0017】(7) 積層された複数のフィンに複数の
伝熱管が挿入された熱交換器において前記フィンと接触
する前記伝熱管の表面に電気絶縁材が形成されているこ
と。また,本発明の他の課題は,下記の構成により解決
される。 (8) 塩基性物質を添加した処理液に前記熱交換器を
浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水基を有する化
合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水基形成工程を
有すること。
伝熱管が挿入された熱交換器において前記フィンと接触
する前記伝熱管の表面に電気絶縁材が形成されているこ
と。また,本発明の他の課題は,下記の構成により解決
される。 (8) 塩基性物質を添加した処理液に前記熱交換器を
浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水基を有する化
合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水基形成工程を
有すること。
【0018】(9) 温度343K以上の処理液に前記
熱交換器を浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水基
を有する化合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水基
形成工程を有すること。
熱交換器を浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水基
を有する化合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水基
形成工程を有すること。
【0019】(10) 処理液に前記熱交換器を浸漬す
る水和酸化物被膜形成工程と,疎水基を有する化合物を
蒸着させる疎水基形成工程を有すること。 (11) (8),(9)または(10)において,前
記水和酸化物被膜形成時に前記処理液を対流させるこ
と。
る水和酸化物被膜形成工程と,疎水基を有する化合物を
蒸着させる疎水基形成工程を有すること。 (11) (8),(9)または(10)において,前
記水和酸化物被膜形成時に前記処理液を対流させるこ
と。
【0020】そしてこれらの構成により,本願発明の室
外用熱交換器ユニットは次のように作用する。
外用熱交換器ユニットは次のように作用する。
【0021】(a) 前記熱交換器の表面のフラクタル
次元Dがボックスカウンティング法おけるセルサイズが
1マイクロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲内で
あり,前記熱交換器の表面に疎水基が形成されているこ
とにより,前記熱交換器の表面の凝縮水は前記熱交換器
表面から離脱するので,熱交換器の表面に残存する凝縮
水は,その90%が直径500マイクロメートル以下と
なり,凝縮水凍結による通風抵抗増加を防止することが
できる。
次元Dがボックスカウンティング法おけるセルサイズが
1マイクロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲内で
あり,前記熱交換器の表面に疎水基が形成されているこ
とにより,前記熱交換器の表面の凝縮水は前記熱交換器
表面から離脱するので,熱交換器の表面に残存する凝縮
水は,その90%が直径500マイクロメートル以下と
なり,凝縮水凍結による通風抵抗増加を防止することが
できる。
【0022】この現象は,セルサイズが1マイクロメー
トル以下の領域における原子間力顕微鏡により測定した
フラクタル次元Dが2.2≦D≦3.0の範囲内であれ
ば凝縮水離脱頻度が高くなり凝縮水凍結による通風抵抗
増加を防止することが可能であり,また,フラクタル次
元Dが2.3≦D≦3.0の範囲内であればほとんどの
凝縮水が離脱するので凝縮水凍結による通風抵抗増加を
ほぼ完全に防止することが可能であること,そしてこの
凝縮水離脱現象が,熱交換器表面上の凝縮水同士が接触
して合体する時点で起きることを実験により見出した。
トル以下の領域における原子間力顕微鏡により測定した
フラクタル次元Dが2.2≦D≦3.0の範囲内であれ
ば凝縮水離脱頻度が高くなり凝縮水凍結による通風抵抗
増加を防止することが可能であり,また,フラクタル次
元Dが2.3≦D≦3.0の範囲内であればほとんどの
凝縮水が離脱するので凝縮水凍結による通風抵抗増加を
ほぼ完全に防止することが可能であること,そしてこの
凝縮水離脱現象が,熱交換器表面上の凝縮水同士が接触
して合体する時点で起きることを実験により見出した。
【0023】後で詳述するが,ボックスカウンティング
法とは曲面のフラクタル次元Dの算出方法の一である。
法とは曲面のフラクタル次元Dの算出方法の一である。
【0024】このように,前記熱交換器の表面のフラク
タル次元Dがボックスカウンティング法おけるセルサイ
ズが1マイクロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲
内であり,前記熱交換器の表面に疎水基が形成されてい
ると,熱交換器表面の凝縮水は互いに合体して熱交換器
表面から離脱することを実験により見出した。
タル次元Dがボックスカウンティング法おけるセルサイ
ズが1マイクロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲
内であり,前記熱交換器の表面に疎水基が形成されてい
ると,熱交換器表面の凝縮水は互いに合体して熱交換器
表面から離脱することを実験により見出した。
【0025】また,疎水基についても各種実験を行った
ところ,疎水基を含フッ素有機化合物とすれば,凝縮水
離脱現象の頻度が高くなることが確認できた。なお,含
フッ素有機化合物としてシラン化合物およびポリマにつ
いて実験を行ったがいずれも同等の効果が得られた。
ところ,疎水基を含フッ素有機化合物とすれば,凝縮水
離脱現象の頻度が高くなることが確認できた。なお,含
フッ素有機化合物としてシラン化合物およびポリマにつ
いて実験を行ったがいずれも同等の効果が得られた。
【0026】(b)フィンと接触する伝熱管の表面に絶
縁被膜を設けることにより,異種金属の直接接触を防止
して電蝕を防止し耐食性を高めている。また,絶縁被膜
として可塑性物質を用いることにより,従来,伝熱管と
フィンとの接触面に存在していた空気層を少なくして接
触熱抵抗を小さくすることができる。
縁被膜を設けることにより,異種金属の直接接触を防止
して電蝕を防止し耐食性を高めている。また,絶縁被膜
として可塑性物質を用いることにより,従来,伝熱管と
フィンとの接触面に存在していた空気層を少なくして接
触熱抵抗を小さくすることができる。
【0027】さらにこれらの構成により,本願発明の室
外用熱交換器ユニット用熱交換器の表面処理方法は次の
ように作用する。
外用熱交換器ユニット用熱交換器の表面処理方法は次の
ように作用する。
【0028】(c) 塩基性物質を添加した処理液に前
記熱交換器を浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水
基を有する化合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水
基形成工程により,熱交換器表面のフラクタル次元Dが
ボックスカウンティング法おけるセルサイズが1マイク
ロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲内であり,前
記熱交換器の表面に疎水基が形成されるので,前記熱交
換器の表面の凝縮水は前記熱交換器表面から離脱し,熱
交換器の表面に残存する凝縮水は,その90%が直径5
00マイクロメートル以下となり,凝縮水凍結による通
風抵抗増加を防止することができる。
記熱交換器を浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水
基を有する化合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水
基形成工程により,熱交換器表面のフラクタル次元Dが
ボックスカウンティング法おけるセルサイズが1マイク
ロメートル以下の領域で2<D≦3の範囲内であり,前
記熱交換器の表面に疎水基が形成されるので,前記熱交
換器の表面の凝縮水は前記熱交換器表面から離脱し,熱
交換器の表面に残存する凝縮水は,その90%が直径5
00マイクロメートル以下となり,凝縮水凍結による通
風抵抗増加を防止することができる。
【0029】処理液に添加する塩基性物質としては,例
えば,アンモニア,炭酸塩,シュウ酸塩,エタノールア
ミン,ヒドラジン等がある。また,処理液に塩基性物質
を添加する代わりに,処理液を温度343K以上として
も同等の効果を得ることができる。
えば,アンモニア,炭酸塩,シュウ酸塩,エタノールア
ミン,ヒドラジン等がある。また,処理液に塩基性物質
を添加する代わりに,処理液を温度343K以上として
も同等の効果を得ることができる。
【0030】(d) 前記水和酸化物被膜形成時に前記
処理液を対流させることにより,水和酸化物被膜形成時
に発生する気体が熱交換器のフィンの隙間に滞留するの
を防止し,水和酸化物被膜の形成を促進することができ
る。対流手段としては,熱処理液の強制対流,熱交換器
の振動,液中下部にヒータを設置して処理液に自然対流
を発生させること等が考えられる。
処理液を対流させることにより,水和酸化物被膜形成時
に発生する気体が熱交換器のフィンの隙間に滞留するの
を防止し,水和酸化物被膜の形成を促進することができ
る。対流手段としては,熱処理液の強制対流,熱交換器
の振動,液中下部にヒータを設置して処理液に自然対流
を発生させること等が考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明による一実施例を示す空気調和機の
概略断面図である。空気調和機は室内ユニット1,室外
ユニット7およびそれらを連結する冷媒配管4,4’よ
り構成されている。室内ユニット1は熱交換器2および
貫流ファン3から成り,室外ユニット7は撥水性熱交換
器8および軸流ファン9から成っている。通常,圧縮機
5および膨張弁6は室外ユニット7内部に設置してある
が,この図では,冷媒回路をわかりやすくするため,外
部に記載してある。
する。図1は本発明による一実施例を示す空気調和機の
概略断面図である。空気調和機は室内ユニット1,室外
ユニット7およびそれらを連結する冷媒配管4,4’よ
り構成されている。室内ユニット1は熱交換器2および
貫流ファン3から成り,室外ユニット7は撥水性熱交換
器8および軸流ファン9から成っている。通常,圧縮機
5および膨張弁6は室外ユニット7内部に設置してある
が,この図では,冷媒回路をわかりやすくするため,外
部に記載してある。
【0032】図2(a)は本発明における一実施例であ
る室外用熱交換器ユニットの一部分断面斜視図である。
室外用熱交換器ユニット101は,積層された複数のフ
ィン103に複数の伝熱管102が垂直に挿入された熱
交換器と、ファン104から構成されている。
る室外用熱交換器ユニットの一部分断面斜視図である。
室外用熱交換器ユニット101は,積層された複数のフ
ィン103に複数の伝熱管102が垂直に挿入された熱
交換器と、ファン104から構成されている。
【0033】図2(b)はフィン103の部分断面拡大
模式図である。本実施例では,基板のアルミニウム板1
05の表面に厚さ0.2〜1マイクロメートルの水和酸
化物層106を形成させ,さらに,その上に疎水基10
7を設けている。アルミニウム板105には腐食孔10
8が多数生じているが,腐食孔108の内部にも水和酸
化物層106および疎水基107が存在する。
模式図である。本実施例では,基板のアルミニウム板1
05の表面に厚さ0.2〜1マイクロメートルの水和酸
化物層106を形成させ,さらに,その上に疎水基10
7を設けている。アルミニウム板105には腐食孔10
8が多数生じているが,腐食孔108の内部にも水和酸
化物層106および疎水基107が存在する。
【0034】次に,上記熱交換器の表面処理方法につい
て説明する。まず,伝熱管102とフィン103を備え
た熱交換器を,333Kの塩基性の脱脂液に10分間浸
漬して熱交換器表面の汚れを除去する。次に,熱交換器
を水洗し,煮沸させた0.4wt%アンモニア水溶液に
10分間浸漬してフィン103の表面に水和酸化物被膜
を形成させる。このとき,反応に伴って発生する気体が
熱交換器のフィンの隙間に滞留するのを防止するため,
熱交換器を振動させたり,処理液を流動させたりするこ
とが望ましい。処理液を流動させるために液中下部にヒ
ータを設置して自然対流を発生させることも有効であ
る。その後,熱交換器を水洗して乾燥させる。この乾燥
工程では,水和酸化物被膜の結晶構造が破壊されない程
度の熱風を接触させることにより,乾燥時間を短くする
こともできる。そして,フルオロアルキルシラン(構造
式CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3)の3
wt%ペルフルオロアルカン(構造式C8F18)溶液に
30分間浸漬して30分常温乾燥後,413Kで30分
間乾燥させる。
て説明する。まず,伝熱管102とフィン103を備え
た熱交換器を,333Kの塩基性の脱脂液に10分間浸
漬して熱交換器表面の汚れを除去する。次に,熱交換器
を水洗し,煮沸させた0.4wt%アンモニア水溶液に
10分間浸漬してフィン103の表面に水和酸化物被膜
を形成させる。このとき,反応に伴って発生する気体が
熱交換器のフィンの隙間に滞留するのを防止するため,
熱交換器を振動させたり,処理液を流動させたりするこ
とが望ましい。処理液を流動させるために液中下部にヒ
ータを設置して自然対流を発生させることも有効であ
る。その後,熱交換器を水洗して乾燥させる。この乾燥
工程では,水和酸化物被膜の結晶構造が破壊されない程
度の熱風を接触させることにより,乾燥時間を短くする
こともできる。そして,フルオロアルキルシラン(構造
式CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3)の3
wt%ペルフルオロアルカン(構造式C8F18)溶液に
30分間浸漬して30分常温乾燥後,413Kで30分
間乾燥させる。
【0035】この表面処理方法により,フィン表面は通
常の接触角測定法で接触角が160゜以上を示す。
常の接触角測定法で接触角が160゜以上を示す。
【0036】また,原子間力顕微鏡(Nanoscop
e IIIa,Digital Instruments社
製)により,10ナノメートルから1マイクロメートル
までの範囲でフラクタル次元Dを求めたところ,少なく
ともD≧2.2,多くの場合はD≧2.3を示した。そ
の詳細は後述するが,フラクタル次元Dとは,表面の凹
凸の度合いを表す値で,曲面の場合2から3の間の値を
とる。
e IIIa,Digital Instruments社
製)により,10ナノメートルから1マイクロメートル
までの範囲でフラクタル次元Dを求めたところ,少なく
ともD≧2.2,多くの場合はD≧2.3を示した。そ
の詳細は後述するが,フラクタル次元Dとは,表面の凹
凸の度合いを表す値で,曲面の場合2から3の間の値を
とる。
【0037】このようにして作製した熱交換器を実際の
室外用熱交換器ユニットに組み込んで暖房運転させる
と,フィン表面に生じる水滴は,極めて小さいうちにフ
ァンによって引き起こされる空気の流れに伴って下流に
飛散する。この水滴は直径が非常に小さいため,氷点下
でも過冷却が起こりやすく,伝熱面上で霜になりにくい
という利点もある。このため,水滴あるいは霜による熱
交換器の通風抵抗の増加を抑制することができる。
室外用熱交換器ユニットに組み込んで暖房運転させる
と,フィン表面に生じる水滴は,極めて小さいうちにフ
ァンによって引き起こされる空気の流れに伴って下流に
飛散する。この水滴は直径が非常に小さいため,氷点下
でも過冷却が起こりやすく,伝熱面上で霜になりにくい
という利点もある。このため,水滴あるいは霜による熱
交換器の通風抵抗の増加を抑制することができる。
【0038】上記の処理において使用する処理液への添
加物はアンモニアの代わりに,炭酸塩,シュウ酸塩,ト
リエタノールアミン,ヒドラジン,あるいは海水の溶質
の他,マグネシウムイオンおよび炭酸水素イオンの組み
合わせ,マグネシウムイオン,炭酸水素イオンおよび硫
酸イオンの組み合わせ,水酸化物イオンおよびリチウム
イオンの組み合わせ,水酸化物イオン,リチウムイオン
およびケイ酸イオンの組み合わせ,水酸化物イオンおよ
びカルシウムイオンの組み合わせ,水酸化物イオン,リ
チウムイオンおよび硝酸イオンの組み合わせ等を使用す
ることができる。
加物はアンモニアの代わりに,炭酸塩,シュウ酸塩,ト
リエタノールアミン,ヒドラジン,あるいは海水の溶質
の他,マグネシウムイオンおよび炭酸水素イオンの組み
合わせ,マグネシウムイオン,炭酸水素イオンおよび硫
酸イオンの組み合わせ,水酸化物イオンおよびリチウム
イオンの組み合わせ,水酸化物イオン,リチウムイオン
およびケイ酸イオンの組み合わせ,水酸化物イオンおよ
びカルシウムイオンの組み合わせ,水酸化物イオン,リ
チウムイオンおよび硝酸イオンの組み合わせ等を使用す
ることができる。
【0039】また,上記の処理において,処理液の温度
を343K以上とするか,処理液の代わりに343K以
上の熱水を用いても同様の効果を得ることができる。
を343K以上とするか,処理液の代わりに343K以
上の熱水を用いても同様の効果を得ることができる。
【0040】フルオロアルキルシランは423K以上の
雰囲気中で熱交換器に蒸着させると更に効果的である。
また,この蒸着法においては,溶媒のペルフルオロアル
カンが不要となるため,コストの面でも有利になる。
雰囲気中で熱交換器に蒸着させると更に効果的である。
また,この蒸着法においては,溶媒のペルフルオロアル
カンが不要となるため,コストの面でも有利になる。
【0041】図3は本発明における一実施例である熱交
換器の撥水性を示すフィン表面の電子顕微鏡写真であ
る。倍率は30000倍である。水和酸化物被膜形成の
際の処理液には0.4wt%アンモニア水溶液を用いて
いる。この写真で,白い部分がフィン表面に露出してい
る水和酸化物層106の稜線であり,そのサイズは数十
〜百ナノメートル程度であることがわかる。なおこの写
真からフィン表面の疎水基107を観察することはでき
ない。
換器の撥水性を示すフィン表面の電子顕微鏡写真であ
る。倍率は30000倍である。水和酸化物被膜形成の
際の処理液には0.4wt%アンモニア水溶液を用いて
いる。この写真で,白い部分がフィン表面に露出してい
る水和酸化物層106の稜線であり,そのサイズは数十
〜百ナノメートル程度であることがわかる。なおこの写
真からフィン表面の疎水基107を観察することはでき
ない。
【0042】図4は図3で観察したフィン表面を倍率1
000倍で観察した時の電子顕微鏡写真である。この写
真で黒くなっているところが孔食によると思われるミク
ロンオーダーのくぼみである。これが図2(b)で説明
した腐食孔108に相当するものである。
000倍で観察した時の電子顕微鏡写真である。この写
真で黒くなっているところが孔食によると思われるミク
ロンオーダーのくぼみである。これが図2(b)で説明
した腐食孔108に相当するものである。
【0043】このように,フィン表面には水和酸化物層
106によるナノオーダーから孔食によるミクロンオー
ダーに至る範囲で凹凸が形成されている。これが,いわ
ゆるフラクタル構造であり,さらにその表面に疎水基が
露出しているため,熱交換器のフィン表面は非常に良好
な撥水性を示す。
106によるナノオーダーから孔食によるミクロンオー
ダーに至る範囲で凹凸が形成されている。これが,いわ
ゆるフラクタル構造であり,さらにその表面に疎水基が
露出しているため,熱交換器のフィン表面は非常に良好
な撥水性を示す。
【0044】図5は本発明による撥水性を示すフィン表
面における凝縮水滴を拡大して撮影した写真の一例であ
る。
面における凝縮水滴を拡大して撮影した写真の一例であ
る。
【0045】これは上記熱交換器と同様の方法で処理し
たアルミニウム板(A1100,25×50×3ミリメ
−トル)を垂直に設置した電子冷却素子の吸熱面に貼付
し,周囲温度298K,湿度60%の自然対流条件下
で,アルミニウム板を273Kまで冷却させて定常状態
に達したところを撮影したものである。これを撮影する
過程で,アルミニウム板表面に非常に小さな凝縮水滴が
生じ,それらが合体して表面から略垂直に離脱する現象
が定常的に繰り返されることを見出した。
たアルミニウム板(A1100,25×50×3ミリメ
−トル)を垂直に設置した電子冷却素子の吸熱面に貼付
し,周囲温度298K,湿度60%の自然対流条件下
で,アルミニウム板を273Kまで冷却させて定常状態
に達したところを撮影したものである。これを撮影する
過程で,アルミニウム板表面に非常に小さな凝縮水滴が
生じ,それらが合体して表面から略垂直に離脱する現象
が定常的に繰り返されることを見出した。
【0046】本実施例では,合体・離脱する直前の凝縮
水滴の多くは直径10〜50マイクロメートルであり,
表面に残存している凝縮水滴の直径は数マイクロメート
ルから500マイクロメートルの範囲内であった。この
現象は水滴の接触角が120°以上の撥水性構造体表面
において必ず生じるとは限らず,表面がナノオーダーか
らミクロンオーダーに至る範囲で高いフラクタル次元D
を有し,かつ,表面に高密度の疎水基を有する場合に生
じる。
水滴の多くは直径10〜50マイクロメートルであり,
表面に残存している凝縮水滴の直径は数マイクロメート
ルから500マイクロメートルの範囲内であった。この
現象は水滴の接触角が120°以上の撥水性構造体表面
において必ず生じるとは限らず,表面がナノオーダーか
らミクロンオーダーに至る範囲で高いフラクタル次元D
を有し,かつ,表面に高密度の疎水基を有する場合に生
じる。
【0047】この凝縮水滴の合体・離脱現象は,次の原
理によるものと考えられる。図6は垂直に設置された撥
水性を示すフィン表面を冷却したときにフィン表面上に
生じる微細な凝縮水滴が合体してフィン表面から離脱す
る様子を模式的に示したものである。フィン表面203
の隣り合った2個の凝縮水滴201および202(図5
(a))は接触した瞬間に合体し,水滴211の状態を
経て(図5(b))水滴221のようにフィン表面から
離脱する(図5(c))。このときの水滴201,20
2および221の半径をそれぞれ,r1,r2およびRと
し,水滴の表面張力をσ,合体前の水滴のフィン表面へ
の付着エネルギーの和をEa,合体の結果生じた水滴の
運動エネルギーをEkとすると,エネルギー保存則によ
り, Ek=4πσ(r1 2+r2 2−R2)−Ea この式から,付着エネルギーEaが小さいとき,合体に
よって運動エネルギーEkが生じることがわかる。
理によるものと考えられる。図6は垂直に設置された撥
水性を示すフィン表面を冷却したときにフィン表面上に
生じる微細な凝縮水滴が合体してフィン表面から離脱す
る様子を模式的に示したものである。フィン表面203
の隣り合った2個の凝縮水滴201および202(図5
(a))は接触した瞬間に合体し,水滴211の状態を
経て(図5(b))水滴221のようにフィン表面から
離脱する(図5(c))。このときの水滴201,20
2および221の半径をそれぞれ,r1,r2およびRと
し,水滴の表面張力をσ,合体前の水滴のフィン表面へ
の付着エネルギーの和をEa,合体の結果生じた水滴の
運動エネルギーをEkとすると,エネルギー保存則によ
り, Ek=4πσ(r1 2+r2 2−R2)−Ea この式から,付着エネルギーEaが小さいとき,合体に
よって運動エネルギーEkが生じることがわかる。
【0048】さらに,合体後の水滴の質量および離脱速
度をそれぞれ,M,Vとすると, Ek=MV2/2 となる。Mはr3に比例し,Eaはr2に比例するから,
結局,V2はr~1に比例する。すなわち,水滴が微細な
ほど離脱しやすく,離脱速度が速いことがわかる。
度をそれぞれ,M,Vとすると, Ek=MV2/2 となる。Mはr3に比例し,Eaはr2に比例するから,
結局,V2はr~1に比例する。すなわち,水滴が微細な
ほど離脱しやすく,離脱速度が速いことがわかる。
【0049】図7は水和酸化物被膜の形成の際に使用す
る処理液に添加物を混合しない場合,すなわち純水を用
いて水和酸化物被膜を形成させた場合のフィン表面の電
子顕微鏡写真である。倍率は1000倍である。処理液
に添加物を混合した場合の図3と図6を比較すると,図
6の方が腐食孔が小さく,ミクロンオーダーの凹凸が形
成されていないことがわかる。
る処理液に添加物を混合しない場合,すなわち純水を用
いて水和酸化物被膜を形成させた場合のフィン表面の電
子顕微鏡写真である。倍率は1000倍である。処理液
に添加物を混合した場合の図3と図6を比較すると,図
6の方が腐食孔が小さく,ミクロンオーダーの凹凸が形
成されていないことがわかる。
【0050】同様に,倍率30000倍の電子顕微鏡写
真を比較しても違いは見出せなかった。このことから,
処理液には添加物を混合した方がミクロンオーダーの凹
凸が多くなり,水和酸化物のナノオーダーの凹凸と相ま
って広いスケール範囲で凹凸が形成されることがわかっ
た。
真を比較しても違いは見出せなかった。このことから,
処理液には添加物を混合した方がミクロンオーダーの凹
凸が多くなり,水和酸化物のナノオーダーの凹凸と相ま
って広いスケール範囲で凹凸が形成されることがわかっ
た。
【0051】図8,図9および図10はそれぞれ,アン
モニア,シュウ酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを,
水和酸化物被膜の形成の際に使用する処理液の添加物と
した場合に,良好な撥水性を示すフィンを得ることがで
きる条件を示したものであり,横軸は添加物濃度,縦軸
は浸漬時間を示している。
モニア,シュウ酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを,
水和酸化物被膜の形成の際に使用する処理液の添加物と
した場合に,良好な撥水性を示すフィンを得ることがで
きる条件を示したものであり,横軸は添加物濃度,縦軸
は浸漬時間を示している。
【0052】例えば,図9に示すように添加物がシュウ
酸ナトリウムの場合は,シュウ酸ナトリウム濃度0.5
wt%の処理液に10分以上浸漬すれば良好な撥水性を
得ることができる。なお,この時の処理液のPHは7.
96であった。
酸ナトリウムの場合は,シュウ酸ナトリウム濃度0.5
wt%の処理液に10分以上浸漬すれば良好な撥水性を
得ることができる。なお,この時の処理液のPHは7.
96であった。
【0053】良好な撥水性とは,フィン表面に存在する
凝縮水のほとんどが離脱して,たとえフィン表面に残存
した凝縮水が凍結しても通風抵抗に影響しない状態をい
い,具体的には,フィン表面に存在する凝縮水滴の90
%が直径500マイクロメートル以下であることとし
た。これは,撥水性を示すフィン表面を略垂直に設置し
て空気の露点以下まで冷却すれば,定常状態で,フィン
表面の500マイクロメートル以下の凝縮水滴が合体・
離脱を繰り返すからである。
凝縮水のほとんどが離脱して,たとえフィン表面に残存
した凝縮水が凍結しても通風抵抗に影響しない状態をい
い,具体的には,フィン表面に存在する凝縮水滴の90
%が直径500マイクロメートル以下であることとし
た。これは,撥水性を示すフィン表面を略垂直に設置し
て空気の露点以下まで冷却すれば,定常状態で,フィン
表面の500マイクロメートル以下の凝縮水滴が合体・
離脱を繰り返すからである。
【0054】ここで,フラクタル次元Dの算出方法の一
つであるボックスカウンティング法について説明する。
つであるボックスカウンティング法について説明する。
【0055】ボックスカウンティング法の手順は次の通
りである。 (1) フラクタル次元Dを求める曲線を正方形のセル
(ボックス)で囲み,この曲線と交わるセルの数をカウ
ントする。 (2) セルのサイズを変えて(1)と同様に,この曲
線と交わるセルの数をカウントする。
りである。 (1) フラクタル次元Dを求める曲線を正方形のセル
(ボックス)で囲み,この曲線と交わるセルの数をカウ
ントする。 (2) セルのサイズを変えて(1)と同様に,この曲
線と交わるセルの数をカウントする。
【0056】(3) セルサイズを横軸,交わったマス
目の数を縦軸として両対数グラフにプロットする。 (4) (3)で作成したグラフの傾きの絶対値がフラ
クタル次元Dとなる。
目の数を縦軸として両対数グラフにプロットする。 (4) (3)で作成したグラフの傾きの絶対値がフラ
クタル次元Dとなる。
【0057】対象となる線が直線の場合,マス目の寸法
を半分にすると交わるマス目の数は2倍となり,フラク
タル次元Dは1となる。
を半分にすると交わるマス目の数は2倍となり,フラク
タル次元Dは1となる。
【0058】対象となる線が曲線の場合,フラクタル次
元Dは1以上となる。図11(a)はフラクタル次元D
を求める曲線を1辺の長さがXの正方形セルで囲み,曲
線と重なるセルをハッチングしたもの,図11(b)は
フラクタル次元Dを求める曲線を1辺の長さがX/2の
正方形セルで囲み,曲線と重なるセルをハッチングした
もを示す。
元Dは1以上となる。図11(a)はフラクタル次元D
を求める曲線を1辺の長さがXの正方形セルで囲み,曲
線と重なるセルをハッチングしたもの,図11(b)は
フラクタル次元Dを求める曲線を1辺の長さがX/2の
正方形セルで囲み,曲線と重なるセルをハッチングした
もを示す。
【0059】図11に示す曲線の場合,図のようにセル
の寸法を半分にすると,交わるセルの数は12個から2
6個に増加,すなわち2倍以上となり,この場合のフラ
クタル次元Dは1以上となる。
の寸法を半分にすると,交わるセルの数は12個から2
6個に増加,すなわち2倍以上となり,この場合のフラ
クタル次元Dは1以上となる。
【0060】この考え方を曲面に拡張するとセルは立方
体となる。曲面が平面の場合,立方体の1辺の寸法を半
分にすると交わる立方体の数は4倍となり,フラクタル
次元Dは2となる。そして,任意の曲面の場合,曲線の
場合と同様にして,2以上のフラクタル次元Dを算出す
ることができる。
体となる。曲面が平面の場合,立方体の1辺の寸法を半
分にすると交わる立方体の数は4倍となり,フラクタル
次元Dは2となる。そして,任意の曲面の場合,曲線の
場合と同様にして,2以上のフラクタル次元Dを算出す
ることができる。
【0061】以上の考え方からわかるように,曲面のフ
ラクタル次元Dは2から3の間の値をとるが,曲面の形
状が複雑になるほど3に近くなる。
ラクタル次元Dは2から3の間の値をとるが,曲面の形
状が複雑になるほど3に近くなる。
【0062】図12は水和酸化物被膜形成の際使用する
処理液を0.5wt%シュウ酸ナトリウム水溶液とし、
処理時間を10分として、いくつかの測定範囲で撥水性
構造体の表面のフラクタル次元Dを原子間力顕微鏡で測
定し、横軸に測定範囲の一辺の長さを、縦軸にその測定
範囲のフラクタル次元Dを採ってプロットしたものであ
る。
処理液を0.5wt%シュウ酸ナトリウム水溶液とし、
処理時間を10分として、いくつかの測定範囲で撥水性
構造体の表面のフラクタル次元Dを原子間力顕微鏡で測
定し、横軸に測定範囲の一辺の長さを、縦軸にその測定
範囲のフラクタル次元Dを採ってプロットしたものであ
る。
【0063】この図から、測定範囲を縮小して分解能を
高めていくと、フラクタル次元Dが高くなり、フラクタ
ル次元Dは測定範囲6マイクロメートル以下でD≧2.
2、測定範囲1マイクロメートル以下でD≧2.3とな
ることがわかる。つまり、本発明の撥水性を示すフィン
の表面はナノオーダーの凹凸も複雑な形状をしており、
1ミリメートル程度の水滴に対して撥水性を示すだけで
なく、さらに微細な凝縮水滴の合体・離脱現象に寄与し
ていると推測することができる。
高めていくと、フラクタル次元Dが高くなり、フラクタ
ル次元Dは測定範囲6マイクロメートル以下でD≧2.
2、測定範囲1マイクロメートル以下でD≧2.3とな
ることがわかる。つまり、本発明の撥水性を示すフィン
の表面はナノオーダーの凹凸も複雑な形状をしており、
1ミリメートル程度の水滴に対して撥水性を示すだけで
なく、さらに微細な凝縮水滴の合体・離脱現象に寄与し
ていると推測することができる。
【0064】さて、本実施例の熱交換器は伝熱管に銅
材、フィンにアルミニウム材を使用しているが両者の接
触面に絶縁被膜を設けることにより、銅とアルミニウム
の直接接触を無くすことにより電蝕を防止して耐食性を
高めている。また、絶縁被膜として可塑性物質を用いる
ことにより、従来、伝熱管とフィンとの接触面に存在し
ていた空気層を少なくして接触熱抵抗を小さくすること
ができる。
材、フィンにアルミニウム材を使用しているが両者の接
触面に絶縁被膜を設けることにより、銅とアルミニウム
の直接接触を無くすことにより電蝕を防止して耐食性を
高めている。また、絶縁被膜として可塑性物質を用いる
ことにより、従来、伝熱管とフィンとの接触面に存在し
ていた空気層を少なくして接触熱抵抗を小さくすること
ができる。
【0065】なお、上述の異種金属の直接接触による電
蝕の問題は、熱交換器全体をアルミニウムのみで作製す
ることにより解決することができる。この場合、フィン
を伝熱管に溶接することが容易であり、接触熱抵抗を非
常に小さくすることができる。また、撥水性被膜をフィ
ンだけでなく伝熱管表面にも形成させることができる。
蝕の問題は、熱交換器全体をアルミニウムのみで作製す
ることにより解決することができる。この場合、フィン
を伝熱管に溶接することが容易であり、接触熱抵抗を非
常に小さくすることができる。また、撥水性被膜をフィ
ンだけでなく伝熱管表面にも形成させることができる。
【0066】以上に記載した撥水性を示すフィンは、製
造工程において表面に多数の水酸基を有するフラクタル
構造を形成する必要があるが、この構造は上記のアルミ
ニウム水和酸化物に限定されるものではなく、例えば、
シリカを主成分とするガラス、水酸基を有する有機物に
も適用できる。
造工程において表面に多数の水酸基を有するフラクタル
構造を形成する必要があるが、この構造は上記のアルミ
ニウム水和酸化物に限定されるものではなく、例えば、
シリカを主成分とするガラス、水酸基を有する有機物に
も適用できる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、凝縮水滴のような微細
水滴に対しても十分な撥水性を示し、凝縮水の凍結によ
る通風抵抗増加を防止した屋外用熱交換器ユニットを提
供することができる。また、本発明によれば、凝縮水滴
のような微細水滴に対しても十分な撥水性を示すことの
できる、屋外用熱交換器ユニットに用いる熱交換器の表
面処理方法を提供することができる。
水滴に対しても十分な撥水性を示し、凝縮水の凍結によ
る通風抵抗増加を防止した屋外用熱交換器ユニットを提
供することができる。また、本発明によれば、凝縮水滴
のような微細水滴に対しても十分な撥水性を示すことの
できる、屋外用熱交換器ユニットに用いる熱交換器の表
面処理方法を提供することができる。
【図1】本発明による一実施例を示す空気調和機の概略
図である。
図である。
【図2】本発明における一実施例である室外用熱交換器
ユニットの斜視図である。
ユニットの斜視図である。
【図3】本発明における一実施例である撥水性を示すフ
ィン表面の電子顕微鏡写真である。
ィン表面の電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明における一実施例である撥水性を示すフ
ィン表面の電子顕微鏡写真である。
ィン表面の電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明における一実施例である撥水性を示すフ
ィン表面の凝縮水滴の拡大写真である。
ィン表面の凝縮水滴の拡大写真である。
【図6】本発明における一実施例である撥水性を示すフ
ィン表面上の凝縮水滴の合体・離脱機構を示す模式図で
ある。
ィン表面上の凝縮水滴の合体・離脱機構を示す模式図で
ある。
【図7】処理液に添加物を混合しない場合のフィン表面
の電子顕微鏡写真である。
の電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明における一実施例である処理液にアンモ
ニアを添加した場合の水和酸化被膜形成条件を示す図で
ある。
ニアを添加した場合の水和酸化被膜形成条件を示す図で
ある。
【図9】本発明における一実施例である処理液にシュウ
酸ナトリウムを添加した場合の水和酸化被膜形成条件を
示す図である。
酸ナトリウムを添加した場合の水和酸化被膜形成条件を
示す図である。
【図10】本発明における一実施例である処理液に炭酸
ナトリウムを添加した場合の水和酸化被膜形成条件を示
す図である。
ナトリウムを添加した場合の水和酸化被膜形成条件を示
す図である。
【図11】ボックスカウンテイング法を説明する図であ
る。
る。
【図12】本発明における一実施例であるフィン表面の
フラクタル次元Dの測定範囲依存性を示す図である。
フラクタル次元Dの測定範囲依存性を示す図である。
【符号の説明】1 ……室内ユニット,2……熱交換器,3……貫流ファ
ン,4,4’……冷媒配管,5……圧縮機,6……膨張
弁,7……室外ユニット,8……撥水性熱交換器,9…
…軸流ファン,10……ファンダクト,11……気流,
101……室外熱交換器ユニット、102……伝熱管、
103……フィン、104……ファン、105……アル
ミニウム板、106……水和酸化物層、107……疎水
基、108……腐食孔、201、202……凝縮水滴、
203……フィン表面、211、221……水滴。
ン,4,4’……冷媒配管,5……圧縮機,6……膨張
弁,7……室外ユニット,8……撥水性熱交換器,9…
…軸流ファン,10……ファンダクト,11……気流,
101……室外熱交換器ユニット、102……伝熱管、
103……フィン、104……ファン、105……アル
ミニウム板、106……水和酸化物層、107……疎水
基、108……腐食孔、201、202……凝縮水滴、
203……フィン表面、211、221……水滴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 保宏 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 小暮 博志 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 小国 研作 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内
Claims (12)
- 【請求項1】熱交換器と,この熱交換器に空気を送るフ
ァンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,前記熱
交換器の表面のフラクタル次元Dが,ボックスカウンテ
ィング法おけるセルサイズが1マイクロメートル以下の
領域で2<D≦3の範囲内であり,前記熱交換器の表面
に疎水基が形成されていることを特徴とする室外用熱交
換器ユニット。 - 【請求項2】請求項1において,前記疎水基が含フッ素
有機化合物であることを特徴とする室外用熱交換器ユニ
ット。 - 【請求項3】請求項1または2において,前記熱交換器
の表面の原子間力顕微鏡により測定したフラクタル次元
Dが,ボックスカウンティング法におけるセルサイズが
1マイクロメートル以下の領域で2.2≦D≦3.0の
範囲内であることを特徴とする室外用熱交換器ユニッ
ト。 - 【請求項4】熱交換器と,この熱交換器に空気を送るフ
ァンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,この室
外用熱交換器ユニットの結露条件下での運転における前
記熱交換器の表面に存在する凝縮水滴の90%が,直径
500マイクロメートル以下であることを特徴とする室
外用熱交換器ユニット。 - 【請求項5】熱交換器と,この熱交換器に空気を送るフ
ァンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,この室
外用熱交換器ユニットの結露条件下での運転時に,前記
熱交換器の表面に生じる凝縮水滴が前記熱交換器の表面
から離脱することを特徴とする室外用熱交換器ユニッ
ト。 - 【請求項6】熱交換器と,この熱交換器に空気を送るフ
ァンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,この室
外用熱交換器ユニットの結露条件下での運転時に,前記
熱交換器の表面に生じる凝縮水滴同士が合体すると同時
に前記熱交換器の表面から離脱することを特徴とする室
外用熱交換器ユニット。 - 【請求項7】積層された複数のフィンに複数の伝熱管が
挿入された熱交換器と,この熱交換器に空気を送るファ
ンを備えた室外用熱交換器ユニットにおいて,前記フィ
ンと接触する前記伝熱管の表面に電気絶縁材が形成され
ていることを特徴とする室外用熱交換器ユニット。 - 【請求項8】請求項1から7のいずれかに記載の室外用
熱交換器ユニットを備えたことを特徴とする空気調和
機。 - 【請求項9】塩基性物質を添加した処理液に前記熱交換
器を浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水基を有す
る化合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水基形成工
程を有したことを特徴とする室外用熱交換器ユニット用
熱交換器の表面処理方法。 - 【請求項10】温度343K以上の処理液に前記熱交換
器を浸漬する水和酸化物被膜形成工程と,疎水基を有す
る化合物の溶液に前記熱交換器を浸漬する疎水基形成工
程を有したことを特徴とする室外用熱交換器ユニット用
熱交換器の表面処理方法。 - 【請求項11】請求項9または10において,前記水和
酸化物被膜形成時に前記処理液を対流させることを特徴
とする室外用熱交換器ユニット用熱交換器の表面処理方
法。 - 【請求項12】請求項9,10または11において,疎
水基を有する化合物を前記熱交換器に蒸着させる疎水基
形成工程を有したことを特徴とする室外用熱交換器ユニ
ット用熱交換器の表面処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12047797A JPH1096599A (ja) | 1996-05-10 | 1997-05-12 | 室外用熱交換器ユニットおよびこれを用いた空気調和機 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8-139717 | 1996-05-10 | ||
| JP13971796 | 1996-05-10 | ||
| JP12047797A JPH1096599A (ja) | 1996-05-10 | 1997-05-12 | 室外用熱交換器ユニットおよびこれを用いた空気調和機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1096599A true JPH1096599A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=26458056
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12047797A Abandoned JPH1096599A (ja) | 1996-05-10 | 1997-05-12 | 室外用熱交換器ユニットおよびこれを用いた空気調和機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1096599A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-05-12 JP JP12047797A patent/JPH1096599A/ja not_active Abandoned
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