JPH1097533A - 言語処理装置 - Google Patents

言語処理装置

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JPH1097533A
JPH1097533A JP8251931A JP25193196A JPH1097533A JP H1097533 A JPH1097533 A JP H1097533A JP 8251931 A JP8251931 A JP 8251931A JP 25193196 A JP25193196 A JP 25193196A JP H1097533 A JPH1097533 A JP H1097533A
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JP
Japan
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concept
sentence
meaning
knowledge
expression
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Application number
JP8251931A
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English (en)
Inventor
Akito Nagai
明人 永井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般利用者の入力文の多様な言語表現を頑健
に理解し、また、全体の意味表現として妥当な理解結果
を得る言語処理装置を提供する。 【解決手段】 概念依存関係知識記憶部8に記憶された
概念同士を関係付ける概念依存関係を参照して、概念依
存関係が認められる入力された自然言語文に含まれる各
文節の概念素を抽出し統合することによって新たな概念
素を生成し概念素の候補群を出力する概念素統合部7
と、文意表現知識記憶部10に記憶された意図毎に文意
の意味表現(文意表現)に従い、概念素の候補群から文
意表現の候補を出力する文意表現構成部9と、文意成立
判定知識記憶部12に記憶された文意表現に対する意味
的制約条件(文意成立判定知識)を参照し、文意表現を
構成する意図と概念素の意味的情報により、妥当な意味
表現であると判断した文意表現を出力する文意表現選択
部11とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、言語処理装置、特
に音声対話システムや自然言語インタフェースなどにお
いて自然言語で入力された文の意味解析を行い、その入
力文の内容を理解する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報検索やCAIなどの知的情報システ
ムを、一般の利用者が容易にかつ自由に操作できるよう
にするために、音声などの自然言語を用いてシステムと
自然に会話できることが強く望まれている。このよう
な、人間と計算機との自然なコミュニケーションを実現
する技術として、利用者が入力する自然言語文を理解し
て計算機に解釈可能な意味表現に変換する言語理解技術
の実用化が必要である。
【0003】従来から、自然言語理解や音声理解の分野
で、利用者の自然言語入力文を理解するために様々な技
術が提案されてきた。これらの分野における重要な課題
の一つに、一般の利用者の表現する入力文を、解析に失
敗することなく頑健に理解できることがあげられる。な
ぜならば、一般の利用者が自由に表現した入力文は非常
に多様な言い回しを含み、また、音声による入力文の場
合、文の構成や語順は定型的ではなく、一般的な構文規
則に従わない非文法的な入力文となるためである。
【0004】このような入力文を計算機で理解できるよ
うにするための従来技術には、入力文が文として文法的
に完全でなくても、入力情報の表わす概念を導出する自
然言語処理方式として、特開平8−69470号記載の
「自然言語処理装置及びその方法」(以下、「文献1」
とする)に開示されている技術がある。文献1では、言
語に関する知識、処理対象の情報の分野に関する知識、
及び一般の知識を記憶した知識ベースを参照して、入力
された自然言語文を単語に分割し、分割された単語の表
わす概念を導出し、導出された各単語の概念を関連付け
る。さらに、文の構造と後続の単語を知識ベースにより
予測し、概念を効率よく導出する。以上が第1の従来技
術である。
【0005】また、非文法的な入力文を理解するための
他の従来技術として、特願平7−105213号記載の
「言語処理装置」(以下、「文献2」とする)、および
特願平7−262190号記載の「言語処理装置」(以
下、「文献3」とする)がある。
【0006】文献2では、入力された自然言語文から、
概念ごとに定義されたフレーム構造の意味表現(概念
素)により、文の部分を占める意味的まとまりを概念素
として抽出し、概念素の組み合わせより文全体の意味表
現(文意表現)とする言語処理装置(図10参照)を提
案している。例えば、鎌倉観光案内の対話システムにお
いて、入力文が「鎌倉の駅に近い一万円位の宿あります
か。」の場合、文の部分を占める意味的まとまりとして
「鎌倉の駅に近い」の部分が概念素(場所の遠近)を表
すフレーム表現として抽出され、「一万円位の」が概念
素(費用)、「宿」が概念素(宿泊施設)として抽出さ
れる。また、述語「ありますか」は、入力文の意図(情
報検索)を表す表現として抽出される。これらの概念素
の組合せ(場所の遠近)、(費用)、(宿泊施設)と、
意図(情報検索)との組により、文全体の意味表現とし
ている。文献3でも同様に、フレーム構造で表現された
概念素により、文の部分を占める意味的まとまりを概念
素として抽出し、概念素の組み合わせより文意表現とす
る言語処理装置(図11参照)を提案している。この技
術では、抽出された意図と対応関係を持つ概念素の組み
合わせのみを選択して、文全体の意味表現として出力す
ることを特徴としている。以上が第2の従来技術であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来技術では、間投詞が挿入された文や断片的な文を理
解することができるものの、入力文が文構造や語順の観
点で一定の規則的な構造を有していることを前提として
おり、非文法的な文として理解対象とできる入力文は制
限されたものとなっている。すなわち、音声対話文のよ
うな非常に自由な表現の入力文に対する考察はなされて
いない。
【0008】また、第2の従来技術では、概念素間の意
味的な依存関係に関する制約がなかったために、意味を
なさない概念素の組合わせを文全体の意味表現として認
定してしまうという問題があった。例えば、音声認識に
よる入力の場合、入力文は一般に認識誤りの文節候補を
含み、「宿」が「窓」に誤ってしまうことがある。この
とき、例えば、「鎌倉の駅に近い一万円位の窓あります
か。」という解析結果になり、(1)概念素(場所の遠
近)「鎌倉の駅に近い」と概念素(付属設備)「窓」、
(2)概念素(費用)「一万円位の」と概念素(付属設
備)「窓」、などの意味をなさない組合わせができる。
従来技術では、概念素相互が依存する意味関係を検証す
る手段がないため、このような例を棄却することができ
なかった。
【0009】また、意味をなさない概念素の組合わせを
棄却するために制約知識を詳述した場合、一般的言語知
識と理解対象分野の領域(以下、「タスク」と呼ぶ)に
依存する知識とが明確に分離されていないため、詳述さ
れた知識は両者が混在する制約知識となり、タスクの変
更が容易でなくなるという問題があった。
【0010】本発明は以上のような問題を解決するため
になされたものであり、その目的は、一般利用者の入力
文の多様な言語表現を頑健に理解するとともに、文全体
の意味表現として妥当な理解結果を得る言語処理装置を
提供することにある。
【0011】また、タスクに依存する知識を概念依存関
係の知識から分離して制約を行ない、タスク変更を容易
にする言語処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、第1の発明に係る言語処理装置は、言語情
報を記憶する語彙知識記憶手段と、語の意味情報を記憶
する意味素性知識記憶手段と、意味情報を分類した種類
を概念とし、概念と意味情報との対応関係と、概念が文
意を構成する上で果たす役割である属性とを有する意味
表現を概念素として記憶する概念素知識記憶手段とを有
し、入力された自然言語文を構成する各文節の概念素を
生成することによって入力文の意味解析を行う言語処理
装置において、各文節における概念素間の関係を、概念
素が表わす概念と、概念素に与えた属性と、概念間の依
存関係とにより表現した概念依存関係知識を記憶する概
念依存関係知識記憶手段と、概念依存関係知識に基づい
て概念依存関係が認められる各文節における概念素を抽
出し統合することによって新たな概念素を生成する概念
素統合手段とを有することを特徴とする。
【0013】第2の発明は、言語情報を記憶する語彙知
識記憶手段と、語の意味情報を記憶する意味素性知識記
憶手段と、意味情報を分類した種類を概念とし、概念と
意味情報との対応関係と、概念が文意を構成する上で果
たす役割である属性とを有する意味表現を概念素として
記憶する概念素知識記憶手段とを有し、入力された自然
言語文を構成する各文節の概念素を生成することによっ
て入力文の意味解析を行う言語処理装置において、入力
文の文意に基づいて概念素相互に依存する意味関係を検
証する概念素間意味関係検証手段を有することを特徴と
する。
【0014】第3の発明は、第2の発明において、前記
概念素間意味関係検証手段は、入力文の文意の種類を意
図とし、意図に対応した文意の意味表現が、概念素間の
意味関係により表現され、文意表現として記憶する文意
表現知識記憶手段と、前記概念素の候補群から、前記文
意表現知識を参照して意図の決定と決定された意図に対
応する文意表現の構成を行ない、文意表現の候補を出力
する文意表現構成手段と、文意表現に対する意味的制約
条件を、文意成立判定知識として記憶する文意成立判定
知識記憶手段と、前記文意表現の候補群から、前記文意
成立判定知識を満たす文意表現の候補を選択して出力す
る文意表現選択手段とを有することを特徴とする。
【0015】第4の発明は、自然言語文を入力とし、言
語情報を記憶する語彙知識記憶手段と、前記言語情報に
基づいて入力文の形態素解析を行い、文節の候補を出力
する形態素解析手段と、語の意味情報を記憶する意味素
性知識記憶手段と、前記意味情報を文節に与える意味素
性付与手段と、前記意味情報を分類した種類を概念と
し、概念と意味情報との対応関係と、概念が文意を構成
する上で果たす役割である属性とを有する意味表現を概
念素として記憶する概念素知識記憶手段と、前記概念素
の知識を参照して、文節候補の意味情報に対応する概念
素を生成し、文節候補の言語情報を参照して、属性を概
念素に与え、概念に対応する文節候補を概念素に格納し
て、初期概念素として出力する初期概念素生成手段と、
概念素間の関係を、概念素が表わす概念と、概念素に与
えた属性と、概念間の依存関係とにより表現した概念依
存関係知識を記憶する概念依存関係知識記憶手段と、初
期概念素を含む概念素の集合の中から、前記概念依存関
係が認められる概念素同士を選択して、依存される側の
概念素名を持つ新概念素を生成し、新概念素の属性を依
存される側の概念素の属性とし、依存する側の概念素を
概念依存関係と共に新概念素に格納して統合する処理
を、統合可能な全ての概念素に対して行ない、概念素の
候補群を出力する概念素統合手段と、入力文の文意の種
類を意図とし、意図に対応した文意の意味表現が、概念
素間の意味関係により表現され、文意表現として記憶す
る文意表現知識記憶手段と、前記概念素の候補群から、
前記文意表現知識を参照して意図の決定と決定された意
図に対応する文意表現の構成を行ない、文意表現の候補
を出力する文意表現構成手段と、文意表現に対する意味
的制約条件を、文意成立判定知識として記憶する文意成
立判定知識記憶手段と、前記文意表現の候補群から、前
記文意成立判定知識を満たす文意表現の候補を選択して
出力する文意表現選択手段とを有することを特徴とす
る。
【0016】例えば、「鎌倉の駅から近い一万円位の宿
ありますか。」という文が入力された場合、通常、「鎌
倉の」が、「駅から」を意味限定修飾して「鎌倉の駅か
ら」という意味的まとまりをなして、「近い」に対して
起点格の概念依存関係を持つようになる。更に、「鎌倉
の駅から近い」という意味的まとまりは、「宿」に対し
て意味限定修飾の概念依存関係を持つようになる。この
ように、一般に概念依存構造は入れ子構造となる。
【0017】このとき、第1及び第4の発明によれば、
図2に示すように、概念素(場所)「鎌倉の」と、概念
素(施設)「駅から」との間に意味限定修飾:modifyの
概念依存関係を持たせるようにし、「鎌倉の駅から」と
いう意味的まとまりをなすように新たな概念素(施設)
を構成する。同様に、新たな概念素(施設)「鎌倉の駅
から」と概念素(遠近)「近い」とを、概念依存関係:
from(起点格)により結び付け、新たな概念素(遠近)
「鎌倉の駅から近い」を構成する。更に、新たな概念素
(遠近)「鎌倉の駅から近い」と概念素(宿泊施設)
「宿」とを概念依存関係:modify(意味限定修飾)によ
り結び付け、最終的に図3に示す概念依存関係構造を構
成する。このようにすることで、入れ子構造をなす概念
依存関係を扱えるようになる。
【0018】また、例えば、「一万円位の宿あります
か。」という文が入力された場合、「一万円位の」が概
念素(費用)、「宿」が概念素(宿泊施設)、「ありま
すか」が概念素(存在)を表す意味表現として抽出され
たとする。
【0019】このとき、第2乃至第4の発明によれば、
これらの概念素間の意味的依存関係を記憶することによ
り、図2に示すように、概念素(費用):modify(意味
限定修飾)→概念素(宿泊施設)、概念素(宿泊施
設):agent(主格)→概念素(存在)、といった概念
依存関係構造を作成するようにしている。この結果、記
憶された概念依存関係を検証することにより、意味をな
さない概念素の組合わせを棄却することができるように
なる。例えば、音声認識の誤りが生じて、「一万円位の
ありますか。」という誤った文節候補「窓」を含む場
合、概念素(費用)「一万円位の」と概念素(付属設
備)「窓」との間に概念依存関係が認められないとし、
これら二つの概念素の組合わせを棄却することができる
ようになる。
【0020】第5の発明は、第4の発明において、前記
概念素知識記憶手段は、概念素の意味表現に対する成立
条件を概念素に付与して記憶し、前記概念素統合手段
は、成立条件に適合する概念素のみを抽出し、概念素の
候補群を出力することを特徴とする。
【0021】例えば、「海、見える部屋、お願いしま
す。」という文が入力された場合、「海」は助詞がない
ために、「海(が)、見える部屋、お願いします。」の
ように「海」が「見える」に対して主格の概念依存関係
を持つのか、あるいは、「海(に)、見える部屋、お願
いします。」のように「海」が「見える」に対して場所
格の概念依存関係を持つのかがあいまいな場合がある。
【0022】このとき、第5の発明によれば、動詞「見
える」に対応する概念素の意味表現において、主格の概
念依存関係が成立していることをその概念素の成立条件
として概念素知識に記憶しておき、この概念素の成立条
件を満たしている概念素を抽出することで、動詞「見え
る」に対して主格の概念依存関係を欠く「海(場所
格)、見える」といった解釈の概念素よりも、「海(主
格)、見える」という解釈の概念素の方を選択できるよ
うになる。
【0023】第6の発明は、第4若しくは第5の発明に
おいて、前記概念依存関係知識記憶手段は、概念依存関
係を汎用的な意味関係知識として記憶し、前記文意成立
判定知識記憶手段は、文意成立判定知識を言語理解対象
の領域に依存する領域依存知識として記憶することを特
徴とする。
【0024】また、一般に、概念依存関係によって結び
付けられる概念はタスクに依存して異なったものとな
る。例えば、前述のように、音声認識の誤りによって、
入力文が「鎌倉の駅に近い一万円位の宿ありますか。」
の場合に「一万円位のありますか。」という誤った文
節候補「窓」を含むことがある。このとき、「一万円位
の窓」という部分は、概念素(費用)が概念素(付属設
備)へ意味限定修飾の概念依存関係を持つことになり、
観光案内のタスクにおいて妥当でない概念の関係であ
る。しかし、タスクによっては「一万円位の窓」が意味
的に妥当な場合がある。例えば、商品として窓枠も扱う
日曜大工用品のショッピングを対象とした対話システム
の場合である。このようなタスク依存の知識を概念依存
関係知識に記述すると、タスクを変更するたびに概念依
存関係知識を修正する必要があり、タスク変更が容易で
なくなる。
【0025】このとき、第6の発明によれば、概念素間
の概念依存関係を汎用的な意味関係知識とし、タスクに
依存する概念依存関係の知識を文意成立判定知識として
分離させているので、タスクの変更を容易にすることが
できるようになる。
【0026】第7の発明は、第6の発明において、前記
文意成立判定知識記憶手段は、概念依存関係に信頼度を
与えて領域依存知識として記憶し、前記文意表現選択手
段は、信頼度が高い概念依存関係を有する文意表現を選
択して出力することを特徴とする。
【0027】第8の発明は、第7の発明において、前記
文意成立判定知識記憶手段は、概念の共起頻度データに
基づいて予め算出した概念依存関係の信頼度を、前記領
域依存知識における信頼度として記憶することを特徴と
する。
【0028】ところで、タスクに依存する概念依存関係
の知識において、概念依存関係で結び付けられる概念素
同士には、意味的な結び付きの程度が考えられる。例え
ば、観光案内のタスクでは、ホテルを値段で探すことが
多いので、「安い」+「ホテル」の意味的な結び付きは
強く、一方、美術館や博物館などの文化施設は入場料で
探すよりも展示内容で探すことが多いので、「安い」+
「美術館」の意味的な結び付きは弱いと考えられる。ま
た、交番や市役所といった公共施設は値段で探すことは
ないので、「安い」+「交番」の意味的な結び付きはな
い。
【0029】このとき、第7の発明によれば、領域依存
知識において、概念素間の概念の関係に数値を付与し、
例えば、概念素(価値性)「安い」→概念素(宿泊施
設)「ホテル」の意味限定修飾関係に1を与え、概念素
(価値性)「安い」→概念素(文化施設)「美術館」の
意味限定修飾関係に0.5を与え、概念素(価値性)
「安い」→概念素(公共施設)「交番」の意味限定修飾
関係に0を与え、数値が高いほど信頼度が高いとする。
このようにすることで、関係付けられた概念素の意味的
妥当さの判断基準とすることができるようになる。
【0030】また、第8の発明によれば、領域依存知識
における概念素間の概念依存関係に与える信頼度とし
て、タスクにおける入力文例に現れる概念の共起頻度デ
ータにより予め算出したものを用いる。これにより、概
念依存関係に与える信頼度を自動的に設定することがで
き、領域依存知識の作成を容易にすることができるよう
になる。
【0031】第9の発明は、第6乃至第8の発明におい
て、前記概念素統合手段は、前記文意成立判定知識記憶
手段に記憶された領域依存知識を参照し、領域依存知識
に適合する概念間の関係のみを抽出し、概念素の候補群
を出力することを特徴とする。
【0032】第10の発明は、第6乃至第9の発明にお
いて、前記文意表現構成手段は、前記文意成立判定知識
記憶手段に記憶された領域依存知識を参照し、領域依存
知識に適合する概念の関係を有する文意表現のみを構成
し、文意表現の候補を出力することを特徴とする。
【0033】また、前述した概念素統合手段において統
合される概念素に関して、概念素の概念依存関係の中に
は、汎用的な意味知識で定義された概念依存関係知識に
従って概念の関係が成立するにもかかわらず、領域依存
知識において概念の関係を認められないか、あるいは信
頼度が低いものが含まれる。
【0034】そこで、第9の発明によれば、概念素統合
手段において領域依存知識の概念依存関係を用い、上記
のような概念依存関係を持つ概念素を統合しないように
することで、概念素統合手段において効率的な概念統合
処理ができるようになる。
【0035】また、第10の発明によれば、文意表現構
成手段において領域依存知識を用い、上記のような概念
依存関係を持つ概念素を統合しないようにすることで、
文意表現構成手段において効率的な文意表現の構成処理
ができるようになる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施の形態について説明する。
【0037】実施の形態1.図1は、本発明に係る言語
処理装置の一実施の形態を示したブロック構成図であ
る。本実施の形態における言語処理装置には、語彙知識
記憶部2、意味素性知識記憶部4、概念素知識記憶部
6、概念依存関係知識記憶部8、文意表現知識記憶部1
0及び文意成立判定知識記憶部12それぞれに予め各種
情報が定義されている。語彙知識記憶部2は、自然言語
を構成する単語の見出し、品詞、活用などの言語情報
と、文節を構成するための単語間の接続関係の情報を記
憶する。意味素性知識記憶部4は、単語が表わす意味情
報を意味素性として記憶する。概念素知識記憶部6は、
本実施の形態で概念素と呼ぶ意味表現を記憶する。概念
依存関係知識記憶部8は、概念同士を関係付ける概念依
存関係の情報について記憶する。文意表現知識記憶部1
0は、文の種類を分類して意図とし、意図ごとに文意の
意味表現を文意表現として記憶する。文意成立判定知識
記憶部12は、文意表現に対する意味的制約条件を文意
成立判定知識として記憶する。なお、これらの各記憶手
段が記憶する各種情報の意味、内容等については後述す
る。
【0038】本実施の形態において特徴的なことは、概
念依存関係に基づいて入力文に含まれる各文節の概念素
間の依存関係を抽出し統合することによって新たな概念
素を生成することである。すなわち、複数の概念素を統
合することによって複雑な文の理解を容易にするように
したことである。また、他の特徴的なことは、概念依存
関係に従って抽出された概念素の意味的妥当性を評価す
るようにしたことである。これにより、文全体の意味表
現として妥当な理解をすることができる。
【0039】また、本実施の形態における言語処理装置
は、上記各記憶手段を用いて各処理を行う形態素解析部
1、意味素性付与部3、初期概念素生成部5、概念素統
合部7、文意表現構成部9及び文意表現選択部11を有
しているが、これらについては、次に示す本実施の形態
における動作とともに説明する。
【0040】入力された自然言語文は、形態素解析部1
へ入力される。この入力文は、自然言語により表現され
るならば、キーボードからのキー入力、音声や文字の認
識装置が出力する認識結果など、どのような入力形態を
取ってもかまわない。形態素解析部1は、語彙知識記憶
部2を参照して、入力文に含まれる文節の候補を抽出
し、それらを意味素性付与部3へ出力する。
【0041】意味素性知識記憶部4が記憶する意味素性
は、意味的に同じと考えられる単語をまとめて表現する
ためのカテゴリ名であり、例えば図4に示すような単語
−意味素性対応表の形式で記憶する。図4の第一行目で
は、“def_dict”が単語“場所”の見出しを指定する識
別子であり、“;”に続く“indicator_place”が意味素
性の例である。意味素性付与部3は、この意味素性知識
記憶部4を参照し、形態素解析部1から入力された文節
の候補に意味素性を与え、これらを初期概念素生成部5
へ出力する。例えば、「鎌倉の駅に近い一万円位の宿あ
りますか」という入力文の場合、「鎌倉の(意味素性:
place_name)」、「駅に(意味素性:station)」、
「近い(意味素性:distance)」、「一万円位の(意味
素性:cost_money)」、「宿(意味素性:indicator_ho
tel)」、「ありますか(意味素性:exist)」などが意
味素性付きの文節候補として、初期概念素生成部5へ出
力される。これらの文節候補は、形態素解析の結果であ
る、単語見出し、品詞、活用形などの語彙情報も持つ。
【0042】概念素知識記憶部6には、本実施の形態で
概念素と呼ぶ意味表現が記憶されているが、ここで、概
念素について詳述する。
【0043】概念素は、自由に表現された非文法的な入
力文を理解するための意味表現であり、文全体の統語的
な構造を規定する知識は用いない。概念素は、文中に現
れる概念を個々に抽出し、それらの概念同士を関係付け
て、概念依存関係の構造を構成するための意味表現であ
る。
【0044】概念素は、(1)概念を表わす意味情報、
(2)文意を構成する上で果たす役割である属性、など
を記憶する。まず、概念を表わす意味情報について説明
する。概念素は、入力文に現れうる概念の種類ごとに定
義する。概念の種類は例えば、図5に示すような事物概
念、動作概念、事物や動作の属性概念とする。これらそ
れぞれの概念について、図4に示した意味素性の内、意
味的にその概念を表わす意味素性を概念素に格納する。
【0045】概念素の属性とは、ある概念素が他の概念
素に対して格依存性を持つか、あるいは、意味的修飾性
を持つか、といった概念素の性質である。例えば、「鎌
倉駅まで行くバスはありますか」という入力文の場合
に、「鎌倉駅まで」が概念素(場所)、「行く」が概念
素(移動)、「バスは」の部分が概念素(乗り物)、
「ありますか」の部分が概念素(存在)として抽出され
たとする。このとき、「鎌倉駅まで」で表わされる概念
素(場所)は、文の意味を構成する上での役割である格
として終点格の性質を持っている。また、概念素(移
動)「行く(連体形)」は、概念素(乗り物)「バス
は」に対し、意味的修飾性を持っている。更に、概念素
(乗り物)「バスは」は、主格性を有する概念素であ
り、動作概念(存在)「ありますか」の主格となりう
る。このような、概念素が持つ格の性質や意味的修飾性
を、概念素の属性とする。
【0046】初期概念素生成部5は、意味素性付与部3
から入力された意味素性付きの文節候補に対して、概念
素知識に定められた概念を表わす意味素性を参照し、文
節が表わす概念に対応する概念素を生成する。更に、文
節候補が有する助詞や活用語の活用形などの言語情報に
より、概念素の属性を決定する。助詞が省略された文節
候補の場合は、可能性のある格を推定して属性とする。
そして、文節候補および属性を概念素に記憶し、初期の
概念素として出力する。
【0047】概念依存関係知識記憶部8が記憶している
概念依存関係は、 (例)概念素A−(依存関係子)→概念素B の形式で表現されている。例えば、「バスで行きたいん
ですけど、駅から。」という入力文の場合、「バスで」
が事物概念を表わす概念素(乗り物)、「行く」が動作
概念を表わす概念素(移動)、「駅から」が事物概念を
表わす概念素(場所)で表現される。このとき、概念素
(乗り物)「バスで」の属性は手段格であり、概念素
(移動)「行く」に対して手段格として依存している。
この関係を依存関係子を用いて、 (例)概念素(乗り物)−(手段格)→概念素(移動) という形式で表現する。また、同様に、概念素(場所)
「駅から」は概念素(移動)「行く」に対して、起点格
として依存し、 (例)概念素(場所)−(起点格)→概念素(移動) という形式で表現される。
【0048】このような依存関係は、例えば、図5にお
いて、(1)事物概念と動作概念との依存関係、(2)
事物概念と事物概念の依存関係、(3)属性概念と事物
概念の依存関係、(4)属性概念と動作概念の依存関
係、などについて概念依存関係知識記憶部8において設
定される。
【0049】例えば、概念素(遠近)に与える依存関係
は、依存関係:主格(場所、建造物、宿泊施設、自然
物)、起点格(場所、建造物、宿泊施設、自然物)、終
点格(場所、建造物、宿泊施設、自然物)、修飾(場
所、建造物、宿泊施設、自然物)、などである。
【0050】以上の概念依存関係を用いれば、例えば、
図2に示したように「一万円位の宿ありますか。」とい
う入力文の場合、 (例)概念素(費用)−(修飾)→概念素(宿泊施設) の概念依存関係を規定することにより、概念素(費用)
「一万円位の」と概念素(宿泊施設)「宿」とは依存関
係があると判断し、概念素(費用)「一万円位の」と概
念素(付属設備)「窓」とは依存関係がないと判断でき
るようになる。
【0051】概念素統合部7は、入力された初期の概念
素に対して、概念依存関係知識記憶部8で定められてい
る概念依存関係に従って、依存関係が認められる概念素
同士を関係付けたのちに、これらを統合して新しい概念
素を生成する。更に、統合された新しい概念素に関し
て、他の概念素との依存関係を調べ、統合可能な全ての
概念素に対して統合処理を繰り返す。このような、概念
素の統合処理は、概念素の依存関係により接続できる概
念素が見つからなくなるまで継続し、接続不能になった
時点で統合処理は終了し、統合された概念素および初期
概念素を全て出力する。
【0052】例えば、図3に示すように、「鎌倉の駅に
近い一万円位の宿ありますか」という入力文の場合、初
期の概念素として、概念素(場所)「鎌倉の」、概念素
(施設)「駅に」、概念素(遠近)「近い」、概念素
(費用)「一万円位の」、概念素(宿泊施設)「宿」、
概念素(存在)「ありますか」などが概念素統合部7へ
入力される。
【0053】概念素統合部7は、まず、概念素(場所)
「鎌倉の」と概念素(施設)「駅に」とを、修飾(modi
fy)の依存関係で関係付け、統合されて依存関係の構造
を持った新しい概念素「鎌倉の駅に」を生成する。この
新しい概念素では、二つの概念素の統合の結果、概念の
中心的意味が「駅に」に移ったと考えられ、新しい概念
素名は概念素(施設)となる。更に、新しい概念素の属
性は終点格となる。新しい概念素(施設)「鎌倉の駅
に」は、さらに概念素(遠近)「近い」に統合され、新
しい概念素(遠近)「鎌倉の駅に近い」を生成する。こ
の概念素の属性は、概念素の中心的な意味となる「近
い」の活用形が連体形であることから、修飾性があると
判断し、これを概念素の属性とする。同様にして、概念
素(費用)「一万円位の」と概念素(宿泊施設)「宿」
も修飾の依存関係で関係付けられ、新しい概念素(宿泊
施設)「一万円位の宿」が生成される。以上のようにし
て、新しい概念素と依存関係が認められる全ての概念素
に対して統合を繰り返し、最終的には、統合可能な最大
単位の概念素の候補群を抽出する。
【0054】このように依存関係を持つ概念素を統合す
ることで、概念の依存関係の入れ子構造が扱えるように
なり、例えば、「鎌倉の駅の近いところで、安くてきれ
いなホテル探してるんですが、今日空いているホテル教
えて。」といった複雑な文を理解できるようになる。
【0055】文意表現知識記憶部10は、文の種類を分
類して意図とし、意図ごとに文意の意味表現を文意表現
として記憶するが、意図は、例えば、図6に示すような
種類とする。これらは、利用者が入力する文の種類によ
って、システムが応答動作を決定するための分類であっ
て、分類の仕方は一通りではない。文意表現は、例え
ば、図7に示す形式で記憶する。図中、文意の意図であ
る<疑問−事物2(存在)>は、事物概念の存在を問う
質問であることを表わしている。また、意図に併記され
た概念素(存在)は、意図を決定する動作概念を表わす
概念素であり、例えば動詞「ある」によって表現され
る。主格は、存在を問う事物概念を表わす概念素であ
る。その他、事物の存在を問う意図には場所格、時間格
なども定義される。また、それぞれの格に対して意味的
に限定する働きのある、修飾性の属性を持った概念素を
登録するための、限定の項目も有する。
【0056】文意表現構成部9は、文意表現知識記憶部
10において意図ごとに規定されている文意表現知識に
従い、概念素統合手段から入力された概念素の候補群か
ら、適合する意図を全て選択し、それぞれの意図に対応
した文意表現構造に概念素を対応させ、文意表現を候補
を構成する。例えば、入力文「鎌倉の駅に近い一万円位
の宿ありますか。」の場合、概念素統合部7により、
(1)概念素(遠近)「鎌倉の駅に近い」−(修飾)→
概念素(宿泊施設)「宿」(2)概念素(費用)「一万
円位の」−(修飾)→概念素(宿泊施設)「宿」(3)
概念素(宿泊施設)「宿」−(主格)→概念素(存在)
「ありますか」などが統合された概念素として入力され
る。このとき、概念素(存在)が文意の中心的な動作概
念を表わす概念素であり、これに対応する意図<疑問−
事物2(存在)>に規定されている文意表現知識を用
い、図8に示すような文意表現を構成する。
【0057】文意成立判定知識記憶部12が記憶する制
約条件は、概念依存関係知識記憶部8に記憶されている
概念依存関係に従って抽出された概念素の意味的妥当性
を、再評価するためのものである。なお、文意表現が意
味的に妥当であるかどうかを判断できる基準であれば何
でも良く、条件を規則の形式で記述したものや文意表現
の言語的な尤度を算定するための数値情報であっても良
い。例えば、文意表現において、(1)意図と概念素間
の共存条件、(2)概念素間の概念依存関係、(3)概
念素を構成する概念依存関係、(4)概念素を構成する
文節候補の言語情報への条件、などを設定する。これら
の条件は、意味的に不適当な文意表現を棄却するための
制約条件であっても良いし、文意表現が成立するための
成立条件であっても良い。
【0058】文意表現選択部11は、文意表現構成部9
から入力された文意表現に対して、文意成立判定知識記
憶部12に記憶された文意成立判定知識を参照し、文意
表現を構成する意図と概念素の意味的情報により、この
文意表現を理解結果として受理するかどうかを判断し、
条件に適合する文意表現のみを選択して出力する。この
ように、概念素統合部7により出力され統合された概念
素相互に依存する意味関係を入力文の文意に基づいて検
証するようにしたので、認識誤りをした文節候補を含む
場合にそれを棄却することができる。そして、入力文の
文意を正しく理解することができる。
【0059】実施の形態2.上記実施の形態1における
概念素知識記憶部6には、概念と意味情報との対応関係
と、概念が文意を構成する上で果たす役割である属性と
を有する意味表現を概念素として記憶させていたが、本
実施の形態における概念素知識記憶部6は、概念素が成
立するための条件を概念素の意味表現に付与して格納す
ることを特徴としている。例えば、動詞「見える」で表
わされる動作概念に対応する概念素の意味表現におい
て、主格の概念依存関係が成立していることをその概念
素の成立条件として概念素知識に記憶する。これは、意
味表現中に、成立条件を記述する項目を準備し、その項
目に<主格>というラベルを記憶しておく。更に、概念
素統合部7において、動詞「見える」で表わされる概念
素に対して、統合された概念素の属性と、動詞「見え
る」の成立条件項目とを参照して、成立条件項目の<主
格>の属性を持つ概念素が存在しないならば、動詞「見
える」の概念素を棄却する。
【0060】例えば、「海、見える部屋、お願いしま
す。」という文が入力された場合、「海」は助詞がない
ために、「海(が)、見える部屋、お願いします。」の
ように「海」が「見える」に対して主格の概念依存関係
を持つのか、あるいは、「海(に)、見える部屋、お願
いします。」のように「海」が「見える」に対して場所
格の概念依存関係を持つのかがあいまいな場合がある。
このとき、動詞「見える」に対して主格の概念依存関係
を欠く「海(場所格)、見える」といった解釈の概念素
よりも、「海(主格)、見える」という解釈の概念素の
方を選択できるようになる。
【0061】実施の形態3.上記各実施の形態における
概念依存関係知識記憶部8には、概念同士を関係付ける
概念依存関係の情報が記憶されているが、本実施の形態
における概念依存関係知識記憶部8は、概念依存関係を
汎用的な意味関係知識として記憶することを特徴として
いる。更に、上記各実施の形態における文意成立判定知
識記憶部12には、文意表現に対する意味的制約条件を
文意成立判定知識として記憶されているが、本実施の形
態における文意成立判定知識記憶部12は、文意成立判
定知識を言語理解対象の領域に依存する領域依存知識と
して記憶することを特徴としている。
【0062】例えば、入力文が鎌倉観光案内のタスクに
おける「鎌倉の駅に近い一万円位の宿ありますか。」の
場合、認識誤りにより「宿」が「窓」に誤ったとする。
このとき、「一万円位の窓」という部分は、タスクによ
っては意味的に妥当な場合、例えば、商品として窓枠も
扱う日曜大工用品のオンライン・ショッピング対話シス
テムのタスクなどもあり得ることから、概念依存関係知
識をタスクに依存しないように十分に一般的に定義した
とき、「一万円位の窓」が認定されてしまう可能性が考
えられ、その結果、図9に示すような文意表現を構成し
てしまう。このような文意表現は、鎌倉観光案内のタス
クにおいて生じ得ないものと考えられ、棄却すべきもの
である。しかし、このようなタスク依存の知識を概念依
存関係知識に記述すると、タスクを変更するたびに概念
依存関係知識を修正する必要があり、タスク変更が容易
でなくなる。
【0063】従って、本実施の形態では、概念依存関係
知識記憶部8に記憶されている概念依存関係知識を、タ
スクに依存しない汎用的なものとして定義し、文意成立
判定知識記憶部12に記憶されている文意成立判定知識
をタスクに依存する知識として分離して定義する。この
ように、概念素間の概念依存関係を汎用的な意味関係知
識とし、タスクに依存する概念依存関係の知識を文意成
立判定知識として分離させることで、タスクの変更を容
易にすることができるようになる。
【0064】実施の形態4.上記実施の形態3において
は、文意成立判定知識記憶部12に記憶している文意成
立判定知識を言語理解対象の領域に依存する領域依存知
識としたが、本実施の形態においては、更にそれぞれの
概念依存関係に対して信頼度の数値を与えておき、文意
表現選択部11に、この信頼度を参照して、文意表現が
有する全ての概念依存関係に対する信頼度の総和をと
り、信頼度が高い概念依存関係を有する文意表現を選択
して出力させるようにしたことを特徴としている。
【0065】例えば、概念素(価値性)「安い」→概念
素(宿泊施設)「ホテル」の意味限定修飾関係に1を与
え、概念素(価値性)「安い」→概念素(文化施設)
「美術館」の意味限定修飾関係に0.5を与え、概念素
(価値性)「安い」→概念素(公共施設)「交番」の意
味限定修飾関係に0を与え、数値が高いほど信頼度が高
いとする。このようにすることで、関係付けられた概念
素の意味的妥当さの判断基準とすることができるように
なる。
【0066】実施の形態5.上記実施の形態4において
は、文意成立判定知識記憶部12に概念依存関係に対し
て信頼度の数値を与えて記憶させるようにしたが、本実
施の形態においては、概念の共起頻度データに基づいて
予め算出した概念依存関係の信頼度を、領域依存知識に
おける信頼度として記憶することを特徴としている。
【0067】例えば、タスクにおける入力文例を準備
し、これらの文例に現れる概念の共起頻度を、概念依存
関係に関係付けて集計し、概念の共起確率として領域依
存知識の概念依存関係に付与する。これにより、概念依
存関係に与える信頼度を自動的に設定することができ、
領域依存知識の作成を容易にすることができるようにな
る。
【0068】実施の形態6.上記実施の形態3〜5にお
いては、文意成立判定知識記憶部12にタスクに依存す
る領域依存知識を記憶させた。本実施の形態における概
念素統合部7は、この領域依存知識を参照して、領域依
存知識に適合する概念間の関係のみを抽出し、概念素の
候補群を出力するようにしたことを特徴としている。
【0069】例えば、概念素統合部7により統合される
概念素に関して、概念素の概念依存関係の中には、汎用
的な意味知識で定義された概念依存関係知識に従って概
念の関係が成立するにもかかわらず、領域依存知識にお
いて概念の関係を認められないか、あるいは信頼度が低
いものが含まれる。そこで、このような概念依存関係を
持つ概念素に対して、統合処理を行なわないようにす
る。このようにすることで、概念素統合部7において効
率的な概念統合処理ができるようになる。
【0070】実施の形態7.上記実施の形態6において
は、概念素統合部7に領域依存知識を参照させること
で、領域依存知識に適合する概念間の関係のみを抽出さ
せ、概念素の候補群を出力させるようにした。本実施の
形態においては、文意表現構成部9に領域依存知識を参
照させ、領域依存知識に適合する概念の関係を有する文
意表現のみを構成し、文意表現の候補を出力させるよう
にしたことを特徴としている。
【0071】例えば、文意表現構成部9において、構成
されるべき概念素間の概念依存関係に対し、領域依存知
識において概念の関係が認められないか、あるいは信頼
度が低い概念依存関係を有する概念素を、文意表現の構
成に用いないようにする。このようにすることで、文意
表現構成手段において効率的な文意表現の構成処理がで
きるようになる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、概念依存関係に基づい
て、入力文を構成する各文節における概念素を抽出し統
合するようにしたので、概念の依存関係の入れ子構造が
扱えるようになり、複雑な入力文、多様な言語表現であ
っても入力文の意味内容を頑健に理解することが可能と
なる。
【0073】また、概念依存関係に従って抽出された概
念素の意味的妥当性を評価するようにしたので、文全体
の意味表現として妥当な理解結果を得ることが可能とな
る。
【0074】また、概念素知識記憶手段に概念素の意味
表現にその成立条件を付与して記憶するようにし、この
概念素の成立条件を満たしている概念素を抽出するよう
にしたので、例えば入力文に助詞がなく複数の意味に解
釈ができるような場合でも、概念依存関係を満たし正し
いと考えられる解釈の概念素の方を選択することが可能
となる。
【0075】また、概念素間の概念依存関係をタスクに
依存しない汎用的な意味関係知識とし、タスクに依存す
る概念依存関係の知識を文意成立判定知識として分離さ
せたので、タスクの変更を容易にすることが可能とな
る。
【0076】また、概念依存関係で結び付けられる概念
素同士には、意味的な結び付きの程度が考えられるが、
本発明によれば、それぞれの概念依存関係に対して結び
つきの程度を表す信頼度の数値を与えておくようにした
ので、関係付けられた概念素の意味的妥当さの判断基準
とすることを容易にすることが可能となる。
【0077】また、領域依存知識における概念素間の概
念依存関係に与える信頼度として、タスクにおける入力
文例に現れる概念の共起頻度データにより予め算出した
ものを用いるようにしたので、概念依存関係に与える信
頼度を自動的に設定することができ、領域依存知識の作
成を容易にすることが可能となる。
【0078】また、概念素統合手段に領域依存知識の概
念依存関係を用いるようにさせることで、概念依存関係
を持つ概念素を統合しないようにすることができるの
で、概念素統合手段における効率的な概念統合処理が可
能となる。
【0079】更に、文意表現構成手段に領域依存知識の
概念依存関係を用いるようにさせることで、概念依存関
係を持つ概念素を統合しないようにすることができるの
で、文意表現構成手段における効率的な文意表現の構成
処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る言語処理装置の一実施の形態を
示したブロック構成図である。
【図2】 本実施の形態において入力文の概念依存関係
の構造の一例を示した図である。
【図3】 本実施の形態において入力文の概念依存関係
の入れ子構造の一例を示した図である。
【図4】 本実施の形態において使用する単語−意味素
性対応表の設定例を示した図である。
【図5】 本実施の形態における概念素の種類の例を示
した図である。
【図6】 本実施の形態における意図の種類の例を示し
た図である。
【図7】 本実施の形態における文意表現知識記憶部に
記憶された文意表現の形式例を示した図である。
【図8】 本実施の形態において文意表現知識記憶部に
記憶された文意表現に基づいて構成された文意表現の例
を示した図である。
【図9】 第3の実施の形態において文意表現知識記憶
部に記憶された文意表現に基づいて意味的に妥当でなく
構成された文意表現の例を示した図である。
【図10】 従来の言語処理装置のブロック構成図であ
る。
【図11】 従来の他の言語処理装置のブロック構成図
である。
【符号の説明】
1 形態素解析部、2 語彙知識記憶部、3 意味素性
付与部、4 意味素性知識記憶部、5 初期概念素生成
部、6 概念素知識記憶部、7 概念素統合部、8 概
念依存関係知識記憶部、9 文意表現構成部、10 文
意表現知識記憶部、11 文意表現選択部、12 文意
成立判定知識記憶部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 言語情報を記憶する語彙知識記憶手段
    と、 語の意味情報を記憶する意味素性知識記憶手段と、 意味情報を分類した種類を概念とし、概念と意味情報と
    の対応関係と、概念が文意を構成する上で果たす役割で
    ある属性とを有する意味表現を概念素として記憶する概
    念素知識記憶手段と、 を有し、入力された自然言語文を構成する各文節の概念
    素を生成することによって入力文の意味解析を行う言語
    処理装置において、 各文節における概念素間の関係を、概念素が表わす概念
    と、概念素に与えた属性と、概念間の依存関係とにより
    表現した概念依存関係知識を記憶する概念依存関係知識
    記憶手段と、 概念依存関係知識に基づいて概念依存関係が認められる
    各文節における概念素を抽出し統合することによって新
    たな概念素を生成する概念素統合手段と、 を有することを特徴とする言語処理装置。
  2. 【請求項2】 言語情報を記憶する語彙知識記憶手段
    と、 語の意味情報を記憶する意味素性知識記憶手段と、 意味情報を分類した種類を概念とし、概念と意味情報と
    の対応関係と、概念が文意を構成する上で果たす役割で
    ある属性とを有する意味表現を概念素として記憶する概
    念素知識記憶手段と、 を有し、入力された自然言語文を構成する各文節の概念
    素を生成することによって入力文の意味解析を行う言語
    処理装置において、 入力文の文意に基づいて概念素相互に依存する意味関係
    を検証する概念素間意味関係検証手段を有することを特
    徴とする言語処理装置。
  3. 【請求項3】 前記概念素間意味関係検証手段は、 入力文の文意の種類を意図とし、意図に対応した文意の
    意味表現が、概念素間の意味関係により表現され、文意
    表現として記憶する文意表現知識記憶手段と、 前記概念素の候補群から、前記文意表現知識を参照して
    意図の決定と決定された意図に対応する文意表現の構成
    を行ない、文意表現の候補を出力する文意表現構成手段
    と、 文意表現に対する意味的制約条件を、文意成立判定知識
    として記憶する文意成立判定知識記憶手段と、 前記文意表現の候補群から、前記文意成立判定知識を満
    たす文意表現の候補を選択して出力する文意表現選択手
    段と、 を有することを特徴とする請求項2記載の言語処理装
    置。
  4. 【請求項4】 自然言語文を入力とし、言語情報を記憶
    する語彙知識記憶手段と、 前記言語情報に基づいて入力文の形態素解析を行い、文
    節の候補を出力する形態素解析手段と、 語の意味情報を記憶する意味素性知識記憶手段と、 前記意味情報を文節に与える意味素性付与手段と、 前記意味情報を分類した種類を概念とし、概念と意味情
    報との対応関係と、概念が文意を構成する上で果たす役
    割である属性とを有する意味表現を概念素として記憶す
    る概念素知識記憶手段と、 前記概念素の知識を参照して、文節候補の意味情報に対
    応する概念素を生成し、文節候補の言語情報を参照し
    て、属性を概念素に与え、概念に対応する文節候補を概
    念素に格納して、初期概念素として出力する初期概念素
    生成手段と、 概念素間の関係を、概念素が表わす概念と、概念素に与
    えた属性と、概念間の依存関係とにより表現した概念依
    存関係知識を記憶する概念依存関係知識記憶手段と、 初期概念素を含む概念素の集合の中から、前記概念依存
    関係が認められる概念素同士を選択して、依存される側
    の概念素名を持つ新概念素を生成し、新概念素の属性を
    依存される側の概念素の属性とし、依存する側の概念素
    を概念依存関係と共に新概念素に格納して統合する処理
    を、統合可能な全ての概念素に対して行ない、概念素の
    候補群を出力する概念素統合手段と、 入力文の文意の種類を意図とし、意図に対応した文意の
    意味表現が、概念素間の意味関係により表現され、文意
    表現として記憶する文意表現知識記憶手段と、 前記概念素の候補群から、前記文意表現知識を参照して
    意図の決定と決定された意図に対応する文意表現の構成
    を行ない、文意表現の候補を出力する文意表現構成手段
    と、 文意表現に対する意味的制約条件を、文意成立判定知識
    として記憶する文意成立判定知識記憶手段と、 前記文意表現の候補群から、前記文意成立判定知識を満
    たす文意表現の候補を選択して出力する文意表現選択手
    段と、 を有することを特徴とする言語処理装置。
  5. 【請求項5】 前記概念素知識記憶手段は、概念素の意
    味表現に対する成立条件を概念素に付与して記憶し、 前記概念素統合手段は、成立条件に適合する概念素のみ
    を抽出し、概念素の候補群を出力することを特徴とする
    請求項4に記載の言語処理装置。
  6. 【請求項6】 前記概念依存関係知識記憶手段は、概念
    依存関係を汎用的な意味関係知識として記憶し、 前記文意成立判定知識記憶手段は、文意成立判定知識を
    言語理解対象の領域に依存する領域依存知識として記憶
    することを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載
    の言語処理装置。
  7. 【請求項7】 前記文意成立判定知識記憶手段は、概念
    依存関係に信頼度を与えて領域依存知識として記憶し、 前記文意表現選択手段は、信頼度が高い概念依存関係を
    有する文意表現を選択して出力することを特徴とする請
    求項6に記載の言語処理装置。
  8. 【請求項8】 前記文意成立判定知識記憶手段は、概念
    の共起頻度データに基づいて予め算出した概念依存関係
    の信頼度を、前記領域依存知識における信頼度として記
    憶することを特徴とする請求項7に記載の言語処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記概念素統合手段は、前記文意成立判
    定知識記憶手段に記憶された領域依存知識を参照し、領
    域依存知識に適合する概念間の関係のみを抽出し、概念
    素の候補群を出力することを特徴とする請求項6乃至8
    のいずれかに記載の言語処理装置。
  10. 【請求項10】 前記文意表現構成手段は、前記文意成
    立判定知識記憶手段に記憶された領域依存知識を参照
    し、領域依存知識に適合する概念の関係を有する文意表
    現のみを構成し、文意表現の候補を出力することを特徴
    とする請求項6乃至9のいずれかに記載の言語処理装
    置。
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