JPH1097916A - Mn−Znフェライトの製造方法 - Google Patents

Mn−Znフェライトの製造方法

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JPH1097916A
JPH1097916A JP9202003A JP20200397A JPH1097916A JP H1097916 A JPH1097916 A JP H1097916A JP 9202003 A JP9202003 A JP 9202003A JP 20200397 A JP20200397 A JP 20200397A JP H1097916 A JPH1097916 A JP H1097916A
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ferrite
mol
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powder
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Masatomo Hayashi
政智 林
Yutaka Yamamoto
豊 山本
Takashi Nikaido
隆示 二階堂
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、フェライト主成分へ添加剤の元素
を充分に固溶させて、フェライトの特性を向上できるよ
うにしたMn−Znフェライトの製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 本発明は、Fe23を52〜57mol
%、MnOを34〜42mol%、およびZnOを4〜
11mol%からなる主成分と添加剤とを含むフェライ
ト粉末を混合し、還元性雰囲気中で700〜930℃に
て仮焼成して主成分相のフェライト結晶中に添加剤元素
を固溶させ、成形した後、本焼成することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトランスなどの各種
の電子機器に用いられるMn−Znフェライトに関する
もので、特にコアロスを低減できるようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フェライトの製造方法は、従来、図9に
示すように、原料粉末を混合し、乾燥させて、仮焼成を
行った後、粉砕して造粒するとともに添加剤を加え、し
かる後所望の型にて成形し、本焼成を行うという工程か
らなっていた。このような従来の方法では、添加剤は粉
砕工程で添加されており、最後の本焼成を行う際に、N
2などの還元性雰囲気中で加熱していた。
【0003】しかしながら、粉砕工程で添加剤を加える
従来方法では充分に高いフェライトの磁気特性が得られ
ない問題があった。本発明者等は、この問題は以下に説
明する理由によるものと推定している。まずFe23
MnO、ZnOからなるフェライトには、格子欠陥が多
数存在するが、添加剤を加えて焼成することで添加剤の
元素がフェライトに固溶することにより格子欠陥が減少
し、その結果としてフェライトの磁気特性が向上するこ
とになる。このような観点から見ると、成形後の本焼成
時に添加剤の元素をフェライト主成分に固溶させようと
すると、フェライト主成分の粒子どうしが強固に接して
いるため、還元性の雰囲気が粒子と粒子の間に入り込ま
ず、しかも、本焼成時に過剰となった酸素がフェライト
主成分より出てくるため、フェライト主成分の粒子の近
傍がむしろ酸化性の雰囲気となり易い。従って、添加剤
元素の固溶が不十分となり、フェライト中に格子欠陥が
多く残存することになる。フェライト中に格子欠陥が残
存していると、この欠陥によるロスが増大し、フェライ
トの特性が充分に向上しないという問題があった。また
仮に、従来の方法において、仮焼成前の混合過程で添加
剤を加えたとしても、仮焼成は空気中で行なわれるため
酸化性雰囲気となっており、仮焼成時に添加剤元素が固
溶しないまま次の工程に進むことになる。従って、粉砕
工程で添加剤を添加した場合と同様に、添加剤元素の固
溶が不十分となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明は、
フェライト主成分へ添加剤の元素を充分に固溶させて、
フェライトの特性を向上できるようにしたMn−Znフ
ェライトの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、Fe23を52〜57mol%、MnOを
34〜42mol%、およびZnOを4〜11mol%
からなる主成分と添加剤とを含むフェライト粉末を混合
し、還元性雰囲気中で700〜930℃にて仮焼成して
主成分相のフェライト結晶中に添加剤元素を固溶させ、
成形した後、本焼成することを特徴とするMn−Znフ
ェライトの製造方法である。前記フェライト粉末は、水
熱合成法によって製造されたFe23、MnO、および
ZnOを主成分とする原料粉末を用いてなるものである
ことが好ましい。また前記フェライト粉末が、Fe
23、MnO、およびZnOを主成分とする原料粉末
に、添加剤としてCaOを0.02〜0.25mol%、
Ta25を0.02〜0.35mol%、SiO2を0〜
0.3mol%、および、TiO2を0.1〜1.5mol
%からなる群の少なくとも1種を添加してなるものであ
ることが好ましい。更に、前記本焼成時の加熱温度は1
000〜1200℃とすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明のMn−Znフェライトの製造方法の例を
示した工程図である。本発明においては、Fe23を5
2〜57mol%%、MnOを34〜42mol%、お
よびZnOを4〜11mol%からなる主成分と添加剤
とを含むフェライト粉末が用いられる。一般に、Fe2
3、MnO、および、ZnOを主成分とする原料粉末
は、CaO、SiO2等を不純物として含んでいるの
で、このような原料粉末を本発明におけるフェライト粉
末として用いてもよいが、Fe23、MnO、およびZ
nOを主成分とする原料粉末に、CaO、Ta25、S
iO 2および/またはTiO2等の添加物を積極的に添加
したものをフェライト粉末として用いるのが好ましい。
なお、本願明細書において組成範囲、温度範囲、粒径の
範囲等の各数値範囲を示す場合に〜を用いて記載した場
合は、数値範囲の臨界値を含むものとするので、例え
ば、Fe23を52〜57mol%と表記した場合にF
23を52mol%以上、57mol%以下含むもの
とする。
【0007】本発明で用いられるFe23、MnO、お
よびZnOを主成分とするフェライト原料粉末は、水熱
合成法により製造されたものが好ましい。ここで水熱合
成法とは、液相からの粉末合成における溶液法の一種
で、粗大な固着粒子の形成が比較的少ない粉末の製造法
として知られているもので、アルカリ懸濁液を高温、高
圧下で水熱反応処理することにより粉末粒子を製造する
ものである。この方法では、溶液や固体の酸化物など二
種類以上の化合物が関与して反応が進み、所望の化合物
が合成されるもので、このようにして反応が起こる場
合、一方の化合物は溶液として存在しているアルカリ金
属イオンなどが多用される。
【0008】水熱合成法によりMn−Znフェライトの
原料粉末を製造するには、例えば、まずMn、Zn、F
eを所定量含む金属化合物水溶液を調製する。これらの
元素の化合物としては種々の水溶性化合物を使用するこ
とができるが、好ましくは塩化物、硝酸塩などが用いら
れる。そして金属化合物水溶液に、例えばNaOH、K
OH、NH3OHなどの水溶液を接触、混合して、アル
カリ懸濁液とする。次に、このアルカリ懸濁液をオート
クレーブなどの圧力容器中に入れて、120〜250℃
で水熱反応処理してフェライト沈殿物を生成させる。そ
して得られたフェライト沈殿物を水洗後、乾燥させて、
所望の原料粉末を得る。なお、フェライト原料粉末は水
熱合成法の他、共沈法などによって得られるものを用い
ても良い。
【0009】また本発明では、添加剤として、CaO、
Ta25、SiO2、およびTiO2からなる群から選ば
れる少なくとも1種が用いられる。これらの添加剤は、
フェライト主成分の粒成長を抑えて、渦電流損失を低減
し、よってコアロスを抑える効果を奏することができる
ものである。また、フェライト主成分相(フェライト結
晶)中にこれらの添加剤元素が固溶することにより、フ
ェライト中の格子欠陥が減少し、コアロスが低減される
効果が得られる。これらの添加剤は、原料粉末中に不純
物として含まれている場合もあるが、積極的に適量添加
することによって、好ましいコアロス特性を得ることが
できる。本発明において原料粉末に添加剤を添加する場
合は、図1に示すように最初の混合工程で添加する。
【0010】CaOを原料粉末に添加する場合の添加量
は、Mn−Znフェライトのコアロス特性を好ましく向
上させるために、フェライト中の含有量が0.02〜0.
25mol%となるようにするのが好ましく、またCa
Oの含有量が多すぎると例えば初透磁率等の他の磁気特
性が劣化するので特に0.02〜0.2mol%の範囲が
好ましい。Ta25を原料粉末に添加する場合の添加量
は、Mn−Znフェライトのコアロス特性を好ましく向
上させるために、フェライト中の含有量が0.02〜0.
35mol%となるよにするのが好ましい。SiO2
原料粉末に添加する場合の添加量は、Mn−Znフェラ
イトのコアロス特性を好ましく向上させるために、フェ
ライト中の含有量が0〜0.3mol%となるようにす
るのが好ましい。TiO2を原料粉末に添加する場合の
添加量は、Mn−Znフェライトのコアロス特性を好ま
しく向上させるために、フェライト中の含有量が0.1
〜1.5mol%となるようにするのが好ましく、また
TiO2の含有量が多すぎると例えば初透磁率等の他の
磁気特性が劣化するので特に0.1〜1.3mol%の範
囲が好ましい。
【0011】本発明の製造方法によりMn−Znフェラ
イトを製造する実施例について図1に従って説明する。
まず水熱合成法により得られた原料粉末に添加剤を添加
してなるフェライト粉末を混合した後、乾燥させる。次
に、還元性雰囲気中で仮焼成を行う。ここで、本発明に
おける還元性雰囲気とは、加熱時にフェライト粉末中の
フェライト主成分に還元反応が生じるような雰囲気を言
い、例えばN2雰囲気、真空雰囲気、Ar雰囲気などで
ある。このような添加元素のフェライトに対する固溶量
は、加熱された時の雰囲気に大きく影響されるので、先
に記載の還元性雰囲気にすることでフェライト中に添加
元素の固溶を進行させることができる。また、仮焼成時
の温度は高すぎると焼結が進み、粒子径の成長を招き、
特性劣化を引き起こす。更に、低すぎると還元反応が進
まず、添加元素の固溶が阻害され、特性改善ができな
い。したがって仮焼成時の温度は、700〜930℃の
範囲が好ましい。また特に、フェライトに添加元素を十
分に固溶させ、粒成長を抑える理由から850〜930
℃の範囲が好ましい。
【0012】次いで、仮焼成後に得られた粉末を粉砕す
る。この粉砕工程は、例えばボールミル、アトライター
等を用いて微粉砕する。そして粉砕して得られた粉体粒
子を、スプレードライヤーで、短時間で造粒、乾燥す
る。この後、粉体粒子を所望の成形型を用いて成形し、
得られた成形体を本焼成することにより、所望の形状の
Mn−Znフェライトが得られる。また本焼成時の温度
は、1000〜1200℃が好ましい。本焼成時の温度
が上記範囲より高いと結晶粒の急激な成長とコアロス増
大を招き、また低いと焼結体の緻密化を十分に図れずコ
アロスが増大するため好ましくない。
【0013】本実施例によれば、フェライト粉末と添加
剤とを含むフェライト粉末を、還元性雰囲気中で仮焼成
するので、仮焼成時にフェライト主成分の粒子間に還元
性雰囲気を効率良く入り込ませることができ、フェライ
ト主成分相の結晶中への添加剤元素の固溶を促進させる
ことができる。また仮焼成後に得られる、添加剤の元素
が固溶した粉末を粉砕することによって、添加剤の均一
性が増す。そして添加剤がより均一化された粉体を用い
て成形、本焼成することにより、得られるMn−Znフ
ェライト中における添加剤の均一性が向上する。このよ
うに、フェライト主成分相中への添加剤元素の固溶が促
進され、かつ添加剤の均一性が向上されるので、添加剤
による効果、すなわちフェライト中の格子欠陥の減少が
顕著となり、Mn−Znフェライトの磁気特性が向上す
る。
【0014】
【実施例】
「製造例1〜4」(N2雰囲気中で仮焼成) まず水熱合成法により、Mn、Zn、Feを含む原料粉
末を製造した。すなわち、Mn、Zn、およびFeを所
定量含むアルカリ懸濁液を加熱処理してフェライト沈殿
物を得、次いでこの沈殿物を水洗、乾燥させて、Fe2
3 54.5mol%、MnO 37mol%、および
ZnO 8.5mol%なる組成のフェライト原料粉末
を得た。得られた原料粉末に、添加剤としてCaO
0.03mol%、Ta26 0.02mol%、SiO
2 0.02mol%、およびTiO2 0.1mol%を
加えて混合し、乾燥した後、N2雰囲気中で、下記表1
に示す温度にて3時間仮焼成を行った。仮焼成後の粉体
を粉砕し、乾燥した後、成形型に充填し、プレス装置を
用い、360kgf/cm2の圧力で円板状の成形体を成形し
た。そしてこの成形体を真空中で本焼成を行って、外径
8mm、内径4mm、板厚2mmのMn−Znフェライ
トからなるトロイダルコアを得た。本焼成時の操作条件
は、1050℃、4時間保持、昇温速度180℃/時間
とした。
【0015】「製造例5〜8」(真空雰囲気中で仮焼
成) 上記製造例1〜4において、仮焼成を真空雰囲気中で行
い、かつ仮焼成温度を下記表2に示す温度とした他は同
様にしてMn−Znフェライトからなるトロイダルコア
を製造した。
【0016】上記製造例1〜8で得られたトロイダルコ
アのコアロスを測定した。コアロスの測定には交流磁化
測定装置(MMS−0375、凌和電子社製)を用い、
周波数を1MHz、Bmを50mTとした。測定温度が
40℃および80℃(仮焼成温度950℃のものは測定
温度25℃)のときのコアロスの測定結果を下記表1お
よび表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】また、仮焼成温度とコアロス(1MHz、
50mT、室温)との関係を調べた。その結果を図2に
○および△で示す。この図において、○はN2雰囲気中
で仮焼成を行った場合、△は真空雰囲気中で仮焼成を行
った場合をそれぞれ示す。さらに、仮焼成温度と、得ら
れたMn−Znフェライト(トロイダルコア)における
結晶の平均粒径との関係を調べた。その結果を図2に●
および▲で示す。ここで、●はN2雰囲気中で仮焼成を
行った場合、▲は真空雰囲気中で仮焼成を行った場合を
それぞれ示す。また、上記製造例1,2,3,5で得ら
れたMn−Znフェライト(トロイダルコア)につい
て、測定温度とコアロス(1MHz、50mT)との関
係を調べた。その結果を図3に示す。さらに、上記製造
例1,2,3で得られたMn−Znフェライト(トロイ
ダルコア)について、測定周波数とコアロス(50m
T、室温)との関係を調べた。その結果を図4に示す。
【0020】表1,2および図2の結果より、比較例と
して挙げた製造例4を除いて、仮焼成温度が700℃〜
930℃の範囲で、結晶平均粒径が1.4〜1.5μmと
微細なMn−Znフェライトが得られ、コアロスが60
0kw/m3以下の良好なコアロス特性が得られている
ことが認められる。また図3の結果より、測定温度40
〜60℃の範囲で特に良好なコアロス特性が得られるこ
とがわかる。また図4の結果より、周波数が1MHz以
上の高周波帯域においても、コアロス0.6J/m3以下
の良好なコアロス特性が得られていることが認められ
る。また製造例1〜3を比較すると、仮焼成温度が高い
ほど良好なコアロス特性が得られている。すなわち、仮
焼成温度をある程度高くすることによって、フェライト
主成分中に添加剤の元素を好ましく固溶させて、欠陥を
減少させ、欠陥に起因するコアロスを低減できることが
認められる。
【0021】「製造例9」上記製造例1〜4と同様な水
熱合成法により、Mn、Zn、Feを含む原料粉末を製
造した。得られたフェライト原料粉末は不純物としてS
iO2とCaOを含んでおり、その組成はFe23
4.5mol%、MnO 37mol%、ZnO 8.5
mol%、CaO 0.02mol%、およびSiO2
0.02mol%であった。得られた原料粉末に添加剤
としてTiO2を加えたフェライト粉末を混合し、乾燥
した後、N2雰囲気中で900℃にて3時間仮焼成を行
った。この後、上記製造例1〜4と同様にしてMn−Z
nフェライトからなるトロイダルコアを製造した。Ti
2の添加量を変化させてコアロス(1MHz、50m
T、室温)を測定した。その結果を図5に示す。この結
果より、TiO2の添加量が0.1〜1.5mol%の範
囲で600kw/m3以下の良好なコアロス特性が得ら
れていることがわかる。
【0022】「製造例10」上記製造例1〜4と同様な
水熱合成法により、Mn、Zn、Feを含む原料粉末を
製造した。得られたフェライト原料粉末は不純物を含ん
でおり、その組成はFe23 54.5mol%、Mn
O 37mol%、ZnO 8.5mol%、CaO
0.02mol%、およびSiO2 0.02mol%で
あった。得られた原料粉末に添加剤としてTa25を加
えたフェライト粉末を用いて、上記製造例9と同様にし
てMn−Znフェライトからなるトロイダルコアを製造
した。Ta25の添加量を変化させてコアロス(1MH
z、50mT、室温)を測定した。その結果を図6に示
す。この結果より、Ta25の添加量が0.02〜0.3
5mol%の範囲で600kw/m3以下の良好なコア
ロス特性が得られていることがわかる。
【0023】「製造例11」上記製造例1〜4と同様な
水熱合成法により、Mn、Zn、Feを含む原料粉末を
製造した。得られたフェライト原料粉末は不純物を含ん
でおり、その組成はFe23 54.5mol%、Mn
O 37mol%、ZnO 8.5mol%、CaO
0.02mol%、およびSiO2 0.02mol%で
あった。得られた原料粉末に添加剤としてTa25
0.02mol%とSiO2をさらに加えたフェライト粉
末を用いて、上記製造例9と同様にしてMn−Znフェ
ライトからなるトロイダルコアを製造した。SiO2
添加量を変化させてコアロス(1MHz、50mT、室
温)を測定した。その結果を図7に示す。この結果よ
り、SiO2の添加量が0〜0.3mol%の範囲で60
0kw/m 3以下の良好なコアロス特性が得られている
ことがわかる。
【0024】「製造例12」上記製造例1〜4と同様な
水熱合成法により、Mn、Zn、Feを含む原料粉末を
製造した。得られたフェライト原料粉末は不純物を含ん
でおり、その組成はFe23 54.5mol%、Mn
O 37mol%、ZnO 8.5mol%、CaO
0.02mol%、およびSiO2 0.02mol%で
あった。得られた原料粉末に添加剤としてTa25
0.02mol%とCaOをさらに加えたフェライト粉
末を用いて、上記製造例9と同様にしてMn−Znフェ
ライトからなるトロイダルコアを製造した。CaOの添
加量を変化させてコアロス(1MHz、50mT、室
温)を測定した。その結果を図8に示す。この結果よ
り、CaOの添加量が0.02〜0.25mol%の範囲
で600kw/m3以下の良好なコアロス特性が得られ
ていることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明のMn−Zn
フェライトの製造方法は、Fe23を52〜57mol
%、MnOを34〜42mol%、およびZnOを4〜
11mol%からなる主成分と添加剤とを含むフェライ
ト粉末を混合し、還元性雰囲気中で700〜930℃に
て仮焼成して主成分相中のフェライト結晶中に添加剤の
元素を固溶させ、成形した後、本焼成することを特徴と
するものである。したがって、フェライト粉末と添加剤
とを含むフェライト粉末を、還元性雰囲気中で仮焼成す
るので、仮焼成時にフェライト主成分の粒子間に還元性
雰囲気を効率良く入り込ませることができ、フェライト
主成分相への添加剤元素の固溶を促進させることができ
る。よってフェライト中の格子欠陥が減少してMn−Z
nフェライトの磁気特性が向上する。
【0026】また前記フェライト粉末を、水熱合成法に
よって製造されたFe23、MnO、およびZnOを主
成分とする原料粉末を用いて構成すれば、原料粉末合成
時の粗大な固着粒子の形成が抑えられるので、平均結晶
粒径が小さいMn−Znフェライトが得られる。また前
記フェライト粉末を、Fe23、MnO、およびZnO
を主成分とする原料粉末に、添加剤としてCaOを0.
02〜0.25mol%、Ta25を0.02〜0.35
mol%、SiO2を0〜0.3mol%、および、Ti
2を0.1〜1.5mol%からなる群の少なくとも1
種を添加して構成すれば、フェライト主成分の粒成長が
抑えられて、渦電流損失が低減するとともに、フェライ
ト主成分相の欠陥中にこれらの添加剤の元素が固溶する
ことにより、フェライト中の格子欠陥が減少するので、
Mn−Znフェライトのコアロスが低減されて好ましい
特性が得られる。
【0027】さらに、本発明においては本焼成時の加熱
温度を1000〜1200℃とすることができる。すな
わち、一般的なフェライト製造方法における焼成温度が
1150〜1350℃程度であるのに比べて低温焼成が
可能であるので、焼成時間が短縮できるとともに省電力
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のMn−Znフェライトの製造方法の
例を示した工程図である。
【図2】 仮焼成温度とコアロスおよび平均結晶粒径と
の関係を示すグラフである。
【図3】 測定温度とコアロスとの関係を示すグラフで
ある。
【図4】 測定周波数とコアロスとの関係を示すグラフ
である。
【図5】 TiO2の添加量とコアロスとの関係を示す
グラフである。
【図6】 Ta25の添加量とコアロスとの関係を示す
グラフである。
【図7】 SiO2の添加量とコアロスとの関係を示す
グラフである。
【図8】 CaOの添加量とコアロスとの関係を示すグ
ラフである。
【図9】 従来のMn−Znフェライトの製造方法の例
を示した工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe23を52〜57mol%、MnO
    を34〜42mol%、およびZnOを4〜11mol
    %からなる主成分と添加剤とを含むフェライト粉末を混
    合し、還元性雰囲気中で700〜930℃にて仮焼成し
    て主成分相のフェライト結晶中に添加剤元素を固溶さ
    せ、成形した後、本焼成することを特徴とするMn−Z
    nフェライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フェライト粉末として、水熱合成法
    によって製造されたFe23、MnO、およびZnOを
    主成分とする原料粉末を用いることを特徴とする請求項
    1記載のMn−Znフェライトの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フェライト粉末が、Fe23、Mn
    O、およびZnOを主成分とする原料粉末に、添加剤と
    してCaOを0.02〜0.25mol%、Ta25
    0.02〜0.35mol%、SiO2を0〜0.3mol
    %、およびTiO2を0.1〜1.5mol%からなる群
    の少なくとも1種を添加してなることを特徴とする請求
    項1または2記載のMn−Znフェライトの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記本焼成時の加熱温度が1000〜1
    200℃であることを特徴とする請求項1、2または3
    に記載のMn−Znフェライトの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117756184A (zh) * 2023-12-29 2024-03-26 兴星电子新材料(无锡)有限公司 一种铁酸锰的制备方法及其应用

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CN117756184A (zh) * 2023-12-29 2024-03-26 兴星电子新材料(无锡)有限公司 一种铁酸锰的制备方法及其应用

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