JPH1098231A - 半導体光集積素子とその製造方法 - Google Patents

半導体光集積素子とその製造方法

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JPH1098231A
JPH1098231A JP24952696A JP24952696A JPH1098231A JP H1098231 A JPH1098231 A JP H1098231A JP 24952696 A JP24952696 A JP 24952696A JP 24952696 A JP24952696 A JP 24952696A JP H1098231 A JPH1098231 A JP H1098231A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性領域と光ビームのスポットサイズ変換領
域からなる半導体レーザにおいて、スポットサイズ変換
領域の光閉じ込め層と活性層の層厚が光導波路方向に徐
々に薄くされる構造では、しきい値電流の上昇、効率の
低下等が生じる。 【解決手段】 活性領域Aと光ビームのスポットサイズ
変換領域Bを備える半導体レーザにおいて、スポットサ
イズ変換領域では、光導波層の層厚が光導波方向にテー
パ状に薄くなる一方で、そのテーパ部の層厚変化率は、
量子井戸層(MQW層)3よりも上下の光閉じ込め層
2,4の方が大きくされる。スポットサイズ変換領域B
に活性領域Aと同じ層厚の活性層3があるため、全領域
に電流を流すことにより、光学的損失をもたらす領域の
ない半導体レーザが実現でき、しきい値電流の低減、効
率の向上が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に異
なる機能の複数の光機能素子を集積化した半導体光集積
素子、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機金属気相成長法(MOVPE)にお
ける選択成長は、同一基板上に組成や層厚の異なる半導
体結晶を同時に形成できるため、光集積素子等を作製す
る基本技術として研究が盛んに行われている。図2は、
この種選択成長で用いる誘電体マスク20のパターンの
模式図である。この選択成長法では、InP等の半導体
基板上に、幅1.5μmの成長領域21を挟んで対向す
る一対のストライプ状誘電体膜のマスク20を形成し、
MOVPEを用いて、InGaAsP等の四元結晶を成
長領域21に選択的に成長させる。この時、成長される
結晶の組成波長、及び結晶層厚は、前記誘電体マスク2
0の幅を変えることで制御でき、半導体レーザ、光変調
器、光増幅器等の光素子を集積した光集積素子を一括形
成できるため、光集積素子の作製法として非常に有望で
ある。参考文献としては、例えば、(報告例1)ジャー
ナルオブクリスタルグロース(JCG),第132巻,
第435頁〜第443頁,1993年が挙げられる。
【0003】このような選択成長において、図2のマス
クパターンで多重量子井戸(MQW)層を成長すると、
誘電体マスク20の幅が広い場合に、成長領域21では
ウエル層の層厚が厚くなるため、そこに成長されるMQ
W層のバンドギャップ波長が、より長波長側にシフトす
る。例えば、InP基板上にInGaAsP/InGa
AsPのMQW層を選択成長すると、マスク幅の広い領
域aのMQW層のバンドギャップ波長を1.55μmと
し、マスク幅の狭い領域bのMQW層のバンドギャップ
波長を1.48μmとすることができ、領域aを半導体
レーザに、領域bを光変調器とすることで、簡単に半導
体レーザ/光変調器集積化光源が作製できる。
【0004】選択成長を用いて作製される代表的な光デ
バイスとしてスポットサイズ変換器を集積した半導体レ
ーザ(Spot-size Converted Laser Diodes:SC−LD
s)がある。SC−LDsの模式図を図7に示す。SC
−LDsは、活性領域とスポットサイズ変換領域からな
り、InP基板1上に下部光閉じ込め層2、MQW活性
層3、上部光閉じ込め層4、上部InPクラッド層5が
積層形成されている。従来の選択成長でSC−LDsを
作製する場合、スポットサイズ変換領域は、光導波路で
の光閉じ込めを弱くするため、縦方向に活性層3と光閉
じ込め層2,4の層厚が変化するテーパ構造を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、活性層3
と光閉じ込め層2,4の層厚が縦方向にテーパ状に変化
されると、活性層AであるMQW層3の発光波長は、活
性領域端からスポットサイズ変換領域Bの出力端へ向け
てだんだん短波長化する構造となる。この場合、スポッ
トサイズ変換領域Bの途中の層厚が緩やかに変化してい
るテーパ構造部では、MQW層3の発光波長が十分短波
長化できておらず、電流を活性領域Aにのみ流す場合、
この部分が光損失層となり、レーザのしきい値電流の上
昇、効率の低下といったレーザ特性の劣化を招いてい
る。これを防ぐために、遷移領域部分にも電流を流す方
法が試みられているが、この場合には、遷移領域のMQ
W層は活性層として機能させるためには、発光波長が短
波長化しており、利得特性が悪いため、効率の低下を招
くという問題が生じる。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、低しきい値で高効率のス
ポットサイズ変換器付き半導体レーザ、及びその構造を
実現するための光集積素子の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光導波路方向
に連続する少なくとも2つの光機能領域からなり、各光
機能領域は単層または多層の量子井戸層とそれを挟む光
閉じ込め層からなる多層構造の光導波層を有する半導体
光集積素子において、少なくとも1つの光機能領域にお
ける前記光導波層は層厚が光導波方向にテーパ状に薄く
なる光ビームのスポットサイズ変換構造をなしており、
かつそのテーパ部の層厚変化率は、前記量子井戸層より
も前記光閉じ込め層の方が大きいことを特徴とする。あ
るいは、少なくとも1つの光機能領域における前記光導
波層は、前記光閉じ込め層の組成波長が光導波方向に向
かって短波長化する光ビームのスポットサイズ変換構造
をなしていることを特徴とする。
【0008】また、本発明の製造方法では、半導体基板
上に形成されたストライプ状誘電体薄膜に挟まれた光導
波路領域へ、光閉じ込め層、半導体多重量子井戸層等の
多層の半導体結晶を選択的に有機金属気相成長法により
結晶成長する工程を含む半導体光集積素子の製造方法に
おいて、該多層の半導体結晶を選択的に結晶成長する
際、各層でV族とIII 族の原料比であるV/III 比を変
えることを特徴とする。あるいは、多層の半導体結晶を
選択的に結晶成長する際、各層で成長圧力を変えること
を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の光集積素子として、
スポットサイズ変換器付き半導体レーザ(SC−LD
s)に適用した場合の基本構成を示す断面図であり、活
性領域Aとスポットサイズ変換領域Bとで構成される。
すなわち、InP基板1上に、下部光閉じ込め層2,M
QR活性層3、上部光閉じ込め層4、上部InPクラッ
ド層5を積層形成した構成とされており、スポットサイ
ズ変換領域では、上下の各光閉じ込め層2,4が光導波
路方向にその層厚が徐々に薄くされ、その一方でMQW
活性層3はその層厚が殆ど変化されない状態とされてい
る。また、スポットサイズ変換領域では、上下の各光閉
じ込め層2,4は光導波路方向に短波長化する組成構造
として構成されている。
【0010】すなわち、光ビームのスポットサイズ変換
機能は、(1)スポットサイズ変換領域の光閉じ込め層
の層厚を薄くし、光閉じ込めを弱くする構成を用いる
か、(2)スポットサイズ変換領域の光閉じ込め層の組
成波長を活性領域の光閉じ込め層の組成波長より短波長
化し、光閉じ込めを弱くする構成を用いることで実現す
る。また、活性領域及びスポットサイズ変換領域のMQ
W活性層は、層厚及び組成が同じで、同じ発光波長を有
する構成となっている。
【0011】したがって、この構成を採用することで、
この実施形態のSC−LDsでは、スポットサイズ変換
領域にも活性領域と同じ活性層があるため、全領域に電
流を流すことにより、光学的損失をもたらす領域のない
SC−LDsを実現でき、しきい値電流の低減、効率の
向上が可能となる。
【0012】次に、図1に示したSC−LDsの製造方
法を説明する。この実施形態においては、図2に示すよ
うに、半導体基板上に対向するストライプ状の誘電体マ
スク20を形成する。マスク20の幅は、領域Aで
m1、領域BでWm2と、領域A側で幅広となっており、
開口幅は両領域に共通にWg となっている。ここで、S
C−LDsを作製する場合は、例えば活性領域AでWm1
=50μm、スポットサイズ変換領域BでWm2=4μ
m、Wg =1.5μmに設定される。このマスク20を
介して、InP基板1上にMOVPEを用いて光導波層
(下部光閉じ込め層2、MQW層3、上部光閉じ込め層
4)を構成するInGaAsP等の混晶半導体層を順次
選択成長させると、領域A,Bの開口部にマスク幅に応
じた成長層厚及び組成の異なった四元半導体層が形成さ
れる。この際に、反応管圧力、又は、成長時の原料V/
III 比を変えることにより、マスク幅に対する結晶層厚
変化率、結晶組成変化率を制御することができる。
【0013】まず、成長圧力変化を用いた結晶組成変化
率、及び結晶層厚変化率の制御について説明する。図3
(a),(b)に、成長圧力を2通り(20torr及
び150torr)に変えて、InP基板上に組成波長
1.27μmのInGaAsP四元混晶を成長した時の
マスク幅に対する結晶組成波長の変化、及び結晶層厚の
変化を測定した結果をそれぞれ示す。この実験では、V
/III 比は100、成長温度は635度を用いた。成長
圧力20torrの場合よりも、成長圧力150tor
rの場合のほうが、マスク幅に対する結晶組成変化率、
及び結晶層厚変化率が大きくなることが見出された。す
なわち、成長圧力が大きい条件で選択成長すると、マス
ク幅に対する結晶組成変化率、結晶層厚変化率を大きく
することができ、成長圧力が小さい成長条件で選択成長
すると、マスク幅に対する結晶組成変化率、結晶層厚変
化率を小さくすることができる。この原理を利用する
と、例えば、光閉じ込め層を高い圧力で、MQW層を低
い圧力で選択成長することで、前述したような光閉じ込
め層の層厚だけがスポットサイズ変換領域で変化する理
想的なSC−LDsが作製できる。
【0014】次に、原料V/III 比の変化を用いた結晶
組成変化率の制御について説明する。図4は、InP基
板上に成長させた組成波長1.27μmのInGaAs
P四元混晶のマスク幅に対する組成波長変化量のV/II
I 比依存性を調べた結果である。この実験では、成長温
度635度、成長圧力150torrを用いている。こ
の過程において、V/III 比が1500の条件で成長し
た場合よりも、V/III 比が100の条件で成長した方
がマスク幅に対するる結晶組成変化率が大きいことが見
出された。この時、結晶層厚変化率には大きな違いは見
られなかった。このV/III 比の違いに伴う組成波長変
化率の違いの原因は、次のように考えられる。
【0015】InGaAsPの四元系の選択成長におい
て、誘電体マスク20の幅に対する結晶層厚変化は、主
として反応管内の気相中のGa、In等の III族原料種
の横方向拡散によって生じる。つまり、誘電体マスク2
0上では原料種が消費(成長)されないため高濃度とな
り、誘電体マスク20に挟まれた成長領域21では原料
種が消費(成長)されるため低濃度となる。これによ
り、横方向に原料種の濃度勾配ができ、横方向拡散が生
じる。この時、誘電体マスク20の幅が広いほど、横方
向拡散によって成長領域に供給される III族原料種の量
が大きくなるため、結晶層厚が厚くなる。一方、結晶組
成は、マスク幅が広くなるにつれてIn組成が増加する
ため、結晶組成成長は長波長側へシフトする。これは、
In原料の拡散長の方が、Ga原料の拡散長よりも短い
ために、横方向Inの濃度勾配が大きくなり、より多く
のInが成長領域に取り込まれるために生じる。ところ
が、V/III 比が大きい条件で成長を行うと、V族が触
媒の役割をはたして、III 族の分解が促進される。その
結果、InとGaの取り込まれの相対的な差が小さくな
り、選択成長におけるマスク幅に対する組成変化量の増
大を抑制する働きをするのである。
【0016】このように、V/III 比が大きい成長条件
で選択成長すると、マスク幅に対する結晶組成波長の変
化率を小さくすることができ、V/III 比が小さい成長
条件で選択成長すると、マスク幅に対する結晶組成波長
の変化率を大きくすることができる。この原理を利用す
ると、例えば、光閉じ込め層を高いV/III 比で、MQ
W層を低いV/III 比で選択成長することで、前述した
ような光閉じ込め層の組成だけがスポットサイズ変換領
域で短波長側へ変化する理想的なSC−LDsが作製で
きる。
【0017】図5は本発明の第1の実施形態を示す図で
あり、本発明をスポットサイズ変換器付き半導体レーザ
に適用した例である。同図(b)はその共振器方向の断
面図、同図(a)はその製造に用いる選択成長用のマス
クパターンである。まず、〈011〉方向に、SiO2
成長阻止マスク20を、マスク幅が活性領域Aで50μ
m、スポットサイズ変換領域Bで4μmとなるようにパ
ターン化し、1.5μm幅の成長領域21を挟んで対向
するように形成する。次に、このマスクが形成された基
板1上に、本発明の圧力変化による結晶組成、層厚制御
法を用いて、次の工程で各層を選択成長する。まず、n
−InGaAsP下部光閉じ込め層2を成長圧力150
torrの条件で、次いでInGaAsPウエル/In
GaAsPバリアの5層MQW層3を成長圧力15to
rrの条件で、さらにi−InGaAsP上部光閉じ込
め層4、p−InPクラッド層6を成長圧力150to
rrの条件で選択成長する。この時、MQW層3のバン
ドギャップ波長は、活性領域Aで1.3μmとなるよう
に設定されている。
【0018】この製造工程では、MQW層3を選択成長
する時の成長圧力は、15torrと十分に低いため、
マスク幅に対する結晶組成変化、結晶層厚変化がほとん
ど無く、スポットサイズ変換領域BのMQW層も活性領
域AのMQW層とほぼ同じ組成、層厚となり、バンドギ
ャップ波長を1.3μmとすることができた。一方、上
下光閉じ込め層2,4は、高い成長圧力で成長されたた
め、層厚は、活性領域Aで各50nmであるのに対し、
スポットサイズ変換領域Bの光出射端では各10nm
と、スポットサイズ変換機能を果たすに十分な層厚にま
で低減することができた。次に、フォトリソグラフィ等
を用いて、成長領域21の開口幅を6μmに広げ、成長
阻止マスク20のマスク幅を全領域で2μmになるよう
に再度形成し、このマスクを用いてp−InP埋め込み
クラッド層5(層厚3μm)を選択成長する。その後、
上部電極7、下部電極8を通常のスパッタ法等により形
成する。
【0019】こうして作製した素子長400μmのスポ
ットサイズ変換器付き半導体レーザ(活性領域300μ
m、スポットサイズ変換領域100μm)は、全領域の
MQW層を活性層として用いることができ、全領域(活
性領域とスポットサイズ変換領域の両方)に電流を注入
することにより、従来の遷移領域でMQW構造の層厚が
テーパ状に薄くなっていたレーザに比べ、発振しきい値
電流で1/2、効率は1.3倍に改善された。また、前
方端面に低反射率、後方端面に高反射率のコーティング
を施した素子では室温25℃での最高出力は従来の60
mWからの100mWまで向上した。
【0020】なお、この実施形態では、スポットサイズ
変換領域Bの上下光閉じ込め層2,4の層厚が、スポッ
トサイズ変換領域Bの光出射端へ向けてテーパ状に薄く
なり、光閉じ込めが弱くなる構成をとったが、本発明
は、スポットサイズ変換領域Bの上下光閉じ込め層の組
成波長が、スポットサイズ変換領域の光出射端へ向けて
短波長化し、光閉じ込めが弱くなる構造に対しても有効
である。
【0021】図6はV/III 比の変化を利用した選択成
長による光集積素子として、本発明を波長可変階段型導
波路構造DBRレーザと呼ばれる波長可変レーザに適用
したものであり、同図(b)はその共振器方向の断面
図、同図(a)はこれを製造する際に用いられる選択成
長用マスクパターンを示す。まずn−InP基板1上へ
〈011〉方向に活性領域A、位相調整(PC)領域
C、DBR領域Dを設け、DBR領域Dにのみピッチ約
240nmの回折格子30を形成する。次に、同図
(a)のSiO2 成長阻止マスク20を、1.5μm開
口部(成長領域11)を挟んで対向するように形成す
る。この時、マスク20の幅は、活性領域Aで30μ
m、PC領域Cで20μm、DBR領域Dで4μmとし
ている。
【0022】このマスク20が形成された基板1上に、
本発明のV/III 比変化による結晶組成制御法を用い
て、次の工程で各層を選択成長する。まず、n−InG
aAsP下部光閉じ込め層2をV/III =1500の条
件で、次いでn−InPスペーサ層9、InGaAsP
/InGaAsPMQW層3(活性領域のInGaAs
P量子井戸の組成波長1.6μm、層厚7nm/InG
aAsPバリアの組成波長1.3μm、層厚10nm)
をV/III =100の条件で、さらにi−InGaAs
P上部光閉じ込め層4をV/III =1500の条件で、
最後にp−InPクラッド層8をV/III =100の条
件で選択成長する。この時、開口部(成長領域11)に
成長される下部、及び上部のInGaAsP光閉じ込め
層2,4の組成は、V/III 比を1500と大きくとっ
ているため、図3の実験結果に示したようにマスク幅に
対する組成変化量を小さくすることができ、DBR領域
Dで1.27μm、活性領域Aで1.3μmとなった。
【0023】従来の選択成長では、光閉じ込め層もMQ
W層と同じV/III =100の条件で成長していたた
め、DBR領域の上下光閉じ込め層2,4の組成波長を
1.27μmとすると、活性領域の光閉じ込め層の組成
波長は1.37μm程度に長波長化し、電流注入効率の
低下、光出力の飽和といったレーザ特性の劣化を生じて
いたが、本発明によって、活性領域の光閉じ込め層の組
成成長の過剰な長波長化を抑制する事ができた。また、
層厚は2,4の両層ともDBR領域Dで0.1μm、活
性領域Aで0.25μmである。一方、MQW層3は、
V/III 比が小さい条件で成長しているため、その発光
波長は、活性領域Aで1.55μm、DBR領域Dで、
1.55μmの光に対して光損失を生じない程度に十分
短波長である1.38μmに設定することができた。
【0024】このようにして、各半導体層を形成した
後、成長阻止マスク20のマスク開口幅を全領域(活性
領域、PC領域、DBR領域)で6μmに広げ、成長阻
止マスク20の幅を全領域で2μmになるように再度形
成し、このマスクを用いて、p−InP埋め込みクラッ
ド層5(層厚1.5μm)をMOVPEで結晶成長す
る。その後、SiO2 膜10を形成し、上部電極7、下
部電極8を通常のスパッタ法等により形成して波長可変
階段型導波路構造DBRレーザを得ることができた。素
子長700μm(活性領域長300μm、位相調整領域
長200μm、DBR領域長200μm)の素子を作製
したところ、従来、発振しきい値電流10mAであった
ものが、しきい値電流6mAでレーザ発振を示し、最大
光出力は従来の1.5倍の25mW、位相調整領域及び
DBR領域への単一電流注入連続波長可変幅は従来の
1.7倍の6.8nmが得られた。
【0025】ここで、本発明は、InGaAsP/In
P系以外の材料、例えばInGaAsN/GaAs系、
InGaAlAs/InGaAsP系等の材料を用いた
光集積素子及び、それを実現する選択成長においても有
効である。また、実施形態例では、成長領域の幅が1.
5μmの場合について述べたが、成長領域の幅が1.5
μmに限定されることはない。成長領域の幅が10μm
を超えると、マスク幅に対する結晶組成変化率、層厚変
化率の変化量が小さくなるため、本発明は選択成長領域
幅が10μm以下の時に特に有効である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体光集積素子によれば、光ビームのスポットサイズ変換
領域では、光導波層の層厚が光導波方向にテーパ状に薄
くなる一方で、そのテーパ部の層厚変化率は、量子井戸
層よりも光閉じ込め層の方が大きくされ、あるいは光閉
じ込め層の組成波長が光導波方向に向かって短波長化す
る構成とされているので、スポットサイズ変換器付き半
導体レーザの低しきい値電流化、高効率化が可能とな
る。更に、スポットサイズ変換領域も活性領域として機
能しているため、従来のSC−LDsに比べて全共振器
長を短くでき、2インチでの収量の増加、歩留まりの向
上も可能なる。したがって、この光集積素子を用いた光
アクセス系システムの光ネットワークユニットの高性能
化や低価格化が可能となる。
【0027】また、本発明の光集積素子の製造方法によ
れば、選択成長においてマスク幅に対する結晶組成変化
率、結晶層厚変化率を自由に制御できるという利点があ
る。つまり、個々の機能素子を集積した光集積素子を作
製する場合に、各機能素子に最も適した設計の構造を複
雑なプロセスを採用することなく、選択成長によって一
括形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をSC−LDsに適用した場合のその基
本構成の模式断面図である。
【図2】図1のSC−LDsを製造するためのマスクパ
ターン図である。
【図3】本発明におけるマスク幅に対する結晶組成変化
特性と結晶層変化特性を示す図である。
【図4】本発明におけるマスク幅に対するIII/V組成変
化特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の断面図とそのマスク
パターン図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の断面図とそのマスク
パターン図である。
【図7】従来のSC−LDsの基本構成の模式断面図で
ある。
【符号の説明】 1 InP半導体基板 2 下部光閉じ込め層 3 MQW層 4 上部光閉じ込め層 5 埋め込みクラッド層 6 クラッド層 7 上部電極 8 下部電極 9 スペーサ層 10 SiO2 膜 20 誘電体マスク 21 成長領域 30 回折格子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路方向に連続する少なくとも2つ
    の光機能領域からなり、各光機能領域は単層または多層
    の量子井戸層とそれを挟む光閉じ込め層からなる多層構
    造の光導波層を有する半導体光集積素子において、少な
    くとも1つの光機能領域における前記光導波層は層厚が
    光導波方向にテーパ状に薄くなる光ビームのスポットサ
    イズ変換構造をなしており、かつそのテーパ部の層厚変
    化率は、前記量子井戸層よりも前記光閉じ込め層の方が
    大きいことを特徴とする半導体光集積素子。
  2. 【請求項2】 光導波路方向に連続する少なくとも2つ
    の光機能領域からなり、各光機能領域は単層または多層
    の量子井戸層とそれを挟む光閉じ込め層からなる多層構
    造の光導波層を有する半導体光集積素子において、少な
    くとも1つの光機能領域における前記光導波層は、前記
    光閉じ込め層の組成波長が光導波方向に向かって短波長
    化する光ビームのスポットサイズ変換構造をなしている
    ことを特徴とする半導体光集積素子。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に形成されたストライプ状
    誘電体薄膜に挟まれた光導波路領域へ、光閉じ込め層、
    半導体多重量子井戸層等の多層の半導体結晶を選択的に
    有機金属気相成長法により結晶成長する工程を含む半導
    体光集積素子の製造方法において、該多層の半導体結晶
    を選択的に結晶成長する際、各層でV族とIII 族の原料
    比であるV/III 比を変えることを特徴とする半導体光
    集積素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 光閉じ込め層の成長時のV/III 比が、
    多重量子井戸層の成長時のV/III 比よりも大きいこと
    を特徴とする請求項3に記載の半導体光集積素子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に形成されたストライプ状
    誘電体膜に挟まれた光導波路領域へ、光閉じ込め層、半
    導体多重量子井戸層等の多層の半導体結晶を選択的に有
    機金属気相成長法により結晶成長する工程を含む半導体
    光集積素子の製造方法において、該多層の半導体結晶を
    選択的に結晶成長する際、各層で成長圧力を変えること
    を特徴とする半導体光集積素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 光閉じ込め層の成長時の成長圧力が、多
    重量子井戸層の成長時の成長圧力よりも大きいことを特
    徴とする請求項5に記載の半導体光集積素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 光導波路領域幅が10μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の半
    導体光集積素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板がInPであり、結晶成長時
    に用いるIII 族原料が、Ga、In、またはAlを含む
    有機金属であり、V族原料がAs、P、またはNを含ん
    でいることを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに
    記載の半導体光集積素子の製造方法。
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