JPH109903A - 地層境界レベルの推定方法 - Google Patents
地層境界レベルの推定方法Info
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- JPH109903A JPH109903A JP8158374A JP15837496A JPH109903A JP H109903 A JPH109903 A JP H109903A JP 8158374 A JP8158374 A JP 8158374A JP 15837496 A JP15837496 A JP 15837496A JP H109903 A JPH109903 A JP H109903A
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- Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】コンピュータを援用できるシステムを作成する
ことにより、作業の効率化や労力を軽減する。 【解決手段】調査ボーリングにより得られた地層境界レ
ベルの測定データと、ボーリング位置における地表面レ
ベルの測定データとの相関性を検討し、相関性が高い場
合に両方のデータを用いて地層境界レベルを推定する。
ことにより、作業の効率化や労力を軽減する。 【解決手段】調査ボーリングにより得られた地層境界レ
ベルの測定データと、ボーリング位置における地表面レ
ベルの測定データとの相関性を検討し、相関性が高い場
合に両方のデータを用いて地層境界レベルを推定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地形情報を用いて
基礎地盤レベル等の地層境界レベルを推定する技術分野
に属する。
基礎地盤レベル等の地層境界レベルを推定する技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】建設サイトにおける地質調査は、建設プ
ロジェクトの正否にかかわる重要な調査項目の一つであ
る。最近では、土木技術の進歩とともに大規模な構造物
が計画されることも多くなってきたので、これに伴う基
礎の大型化や深層化が進んでいる。一般に、地盤は層状
や塊状の地層や岩体から構成され、その中に断層や破砕
帯等の不連続面が分布し、地域によっては褶曲、浸食等
の作用を受けて複雑な構造となっている。地質調査にお
ける要点は、限られたデータからいかに効率よく地質構
造をとれるかということにある。
ロジェクトの正否にかかわる重要な調査項目の一つであ
る。最近では、土木技術の進歩とともに大規模な構造物
が計画されることも多くなってきたので、これに伴う基
礎の大型化や深層化が進んでいる。一般に、地盤は層状
や塊状の地層や岩体から構成され、その中に断層や破砕
帯等の不連続面が分布し、地域によっては褶曲、浸食等
の作用を受けて複雑な構造となっている。地質調査にお
ける要点は、限られたデータからいかに効率よく地質構
造をとれるかということにある。
【0003】基礎地盤が深いところに構造物を構築する
ときには、杭基礎が用いられることが多い。従って、限
られた調査ボーリングデータから支持杭の基礎地盤レベ
ルを精度よく推定することが非常に重要である。
ときには、杭基礎が用いられることが多い。従って、限
られた調査ボーリングデータから支持杭の基礎地盤レベ
ルを精度よく推定することが非常に重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、起伏の
急峻な山岳地域に変電所などを建設する場合、調査ボー
リング結果だけでは基礎地盤を精度よく推定するのは困
難なことがあり、従来は、地質専門家が地表調査や弾性
波探査も参考にして、やや主観的に推定していることが
多い。そのため、専門家の労力を要するばかりでなく、
人による推定の差が生じたり、追加の調査ボーリング結
果を取り入れたときなどの変更にも労力を要していた。
さらに、推定された基礎地盤レベルから杭長を求めると
きなども人力が必要であった。
急峻な山岳地域に変電所などを建設する場合、調査ボー
リング結果だけでは基礎地盤を精度よく推定するのは困
難なことがあり、従来は、地質専門家が地表調査や弾性
波探査も参考にして、やや主観的に推定していることが
多い。そのため、専門家の労力を要するばかりでなく、
人による推定の差が生じたり、追加の調査ボーリング結
果を取り入れたときなどの変更にも労力を要していた。
さらに、推定された基礎地盤レベルから杭長を求めると
きなども人力が必要であった。
【0005】また、古くは鉱山工学の分野で地盤統計学
として、地質構造などを推定しようとする試みがなされ
てきた。最近では、地質学における情報科学的なアプロ
ーチを専門とする情報地質学という研究分野が提唱され
ており、地質学を理論的かつ定量的な科学として位置付
けるようになってきている。さらに、コンピュータを用
いて3次元的に起伏に富む基礎地盤面を、限られた調査
ボーリングデータから推定を行うクリッギングと呼ばれ
る推定法も知られているが、ボーリング間を非常になめ
らかに補間するため、精度が悪いという問題を有してい
る。
として、地質構造などを推定しようとする試みがなされ
てきた。最近では、地質学における情報科学的なアプロ
ーチを専門とする情報地質学という研究分野が提唱され
ており、地質学を理論的かつ定量的な科学として位置付
けるようになってきている。さらに、コンピュータを用
いて3次元的に起伏に富む基礎地盤面を、限られた調査
ボーリングデータから推定を行うクリッギングと呼ばれ
る推定法も知られているが、ボーリング間を非常になめ
らかに補間するため、精度が悪いという問題を有してい
る。
【0006】本発明は、上記問題を解決するものであっ
て、コンピュータを援用できるシステムを作成すること
により、作業の効率化や労力を軽減することができると
共に、精度が良い地層境界レベルの推定方法を提供する
ことを目的とする。
て、コンピュータを援用できるシステムを作成すること
により、作業の効率化や労力を軽減することができると
共に、精度が良い地層境界レベルの推定方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の地
層境界レベルの推定方法は、調査ボーリングにより得ら
れた地層境界レベルの測定データと、ボーリング位置に
おける地表面レベルの測定データとの相関性を検討し、
相関性が高い場合に両方のデータを用いて地層境界レベ
ルを推定することを特徴とする。
層境界レベルの推定方法は、調査ボーリングにより得ら
れた地層境界レベルの測定データと、ボーリング位置に
おける地表面レベルの測定データとの相関性を検討し、
相関性が高い場合に両方のデータを用いて地層境界レベ
ルを推定することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明の地層境界レベ
ルの推定方法の1実施例を示し、処理の流れを説明する
ための図である。なお、本実施例では、基礎地盤レベル
を例にしているが、地層境界レベルであっても同様の処
理となる。
を参照しつつ説明する。図1は、本発明の地層境界レベ
ルの推定方法の1実施例を示し、処理の流れを説明する
ための図である。なお、本実施例では、基礎地盤レベル
を例にしているが、地層境界レベルであっても同様の処
理となる。
【0009】図1において、概略、左側は作業の手順を
右側はデータの流れを示している。最初に、ステップS
1で調査ボーリングを実施し、ボーリング位置のデータ
として、基礎地盤レベルに関しては、標準貫入試験によ
る基礎地盤レベルのN値、風化、硬度、割れ目データで
ある岩級区分、弾性波探査による速度データを得る。ま
た、地表面レベルに関しては等高線の地形データを得
る。
右側はデータの流れを示している。最初に、ステップS
1で調査ボーリングを実施し、ボーリング位置のデータ
として、基礎地盤レベルに関しては、標準貫入試験によ
る基礎地盤レベルのN値、風化、硬度、割れ目データで
ある岩級区分、弾性波探査による速度データを得る。ま
た、地表面レベルに関しては等高線の地形データを得
る。
【0010】次に、ステップS2で、ステップS1で得
られた基礎地盤レベルのデータについて、基礎地盤レベ
ルと地表面レベルとの相関性を検討する。例えば、図5
に示すような場合には、相関係数が0.93と相関の度
合いが高いことを示している。
られた基礎地盤レベルのデータについて、基礎地盤レベ
ルと地表面レベルとの相関性を検討する。例えば、図5
に示すような場合には、相関係数が0.93と相関の度
合いが高いことを示している。
【0011】次にステップS3で、相関係数が所定の値
(例えば0.7)より大きいか否かを判定し、相関性が
小さければステップS4で基礎地盤レベルのデータのみ
を用いた推定法(以下、クリッギングによる推定法とい
う)を適用する。相関性が大きければステップS6で地
表面レベルおよび基礎地盤レベルの両方のデータを用い
た推定法(以下、コ・クリッギングによる推定法とい
う)を適用する。なお、相関係数が大きいか否かは0.
65〜0.75で判断し、この範囲内にある場合には、
両方の推定法により算定し、両者の推定値を比較するよ
うにしてもよい。
(例えば0.7)より大きいか否かを判定し、相関性が
小さければステップS4で基礎地盤レベルのデータのみ
を用いた推定法(以下、クリッギングによる推定法とい
う)を適用する。相関性が大きければステップS6で地
表面レベルおよび基礎地盤レベルの両方のデータを用い
た推定法(以下、コ・クリッギングによる推定法とい
う)を適用する。なお、相関係数が大きいか否かは0.
65〜0.75で判断し、この範囲内にある場合には、
両方の推定法により算定し、両者の推定値を比較するよ
うにしてもよい。
【0012】本発明は、地表面レベルおよび基礎地盤レ
ベルの両方のデータを用いてコ・クリッギングによる推
定を行うことを特徴とするもので、地表面レベルと地層
境界レベルの2変量確率場を仮定する手段と、前記2変
量確率場を仮定するに際して複数の関数モデル(トレン
ド関数、自己共分散関数、相互分散関数)を設定する手
段と、前記複数の関数モデルのパラメータを最尤法によ
り推定する手段と、前記複数の関数モデルの中からパラ
メータ数と尤度で定義されるAIC基準により最良モデ
ルを選択する手段と、前記最良モデルを用い前記レベル
の測定データから任意点の地層境界レベルを推定する手
段とを備えたことを特徴とする。以下に、クリッギング
による推定法を説明し、その後にコ・クリッギングによ
る推定法について説明する。
ベルの両方のデータを用いてコ・クリッギングによる推
定を行うことを特徴とするもので、地表面レベルと地層
境界レベルの2変量確率場を仮定する手段と、前記2変
量確率場を仮定するに際して複数の関数モデル(トレン
ド関数、自己共分散関数、相互分散関数)を設定する手
段と、前記複数の関数モデルのパラメータを最尤法によ
り推定する手段と、前記複数の関数モデルの中からパラ
メータ数と尤度で定義されるAIC基準により最良モデ
ルを選択する手段と、前記最良モデルを用い前記レベル
の測定データから任意点の地層境界レベルを推定する手
段とを備えたことを特徴とする。以下に、クリッギング
による推定法を説明し、その後にコ・クリッギングによ
る推定法について説明する。
【0013】(A)クリッギングによる推定法 (A-1)基礎地盤面のモデル化 まず、基礎地盤レベルzが平面空間座標を用いて、以下
のようにトレンド成分とランダム成分の和で表現できる
確率場と仮定する。
のようにトレンド成分とランダム成分の和で表現できる
確率場と仮定する。
【0014】
【数1】
【0015】ここで、bはトレンド成分を表現するパラ
メータベクトルであり、また、Xは平面空間座標(x,
y)に関する多項式で表現される平面空間座標ベクトル
であり、例えば、平面空間座標(x,y)に関する次数
により次のように表現できる。
メータベクトルであり、また、Xは平面空間座標(x,
y)に関する多項式で表現される平面空間座標ベクトル
であり、例えば、平面空間座標(x,y)に関する次数
により次のように表現できる。
【0016】
【数2】
【0017】また、εは2次の定常確率過程に伴うラン
ダム成分とし、平均値0で共分散マトリックスQ(θ)
(=E[εεT])とする。なお、θは共分散関数のパラ
メータである。例えば、2点間の共分散が距離の関数C
(Δx)で表現できるとすると、σ2とaがパラメータθ
となる。
ダム成分とし、平均値0で共分散マトリックスQ(θ)
(=E[εεT])とする。なお、θは共分散関数のパラ
メータである。例えば、2点間の共分散が距離の関数C
(Δx)で表現できるとすると、σ2とaがパラメータθ
となる。
【0018】
【数3】
【0019】この他、種々の共分散関数が提案されてい
る。また、地盤統計学では、この共分散関数を少し条件
を緩めたバリオグラム(variogram)2γ(Δx)を用い
ている。バリオグラムは、次式で示すようにN(Δx)個
のz(x)とz(x+Δx)のデータペアからの不偏推定量
を求めるものである。
る。また、地盤統計学では、この共分散関数を少し条件
を緩めたバリオグラム(variogram)2γ(Δx)を用い
ている。バリオグラムは、次式で示すようにN(Δx)個
のz(x)とz(x+Δx)のデータペアからの不偏推定量
を求めるものである。
【0020】
【数4】
【0021】もちろん、定常の場合には共分散関数C
(Δx)との間に次の関係がある。
(Δx)との間に次の関係がある。
【0022】
【数5】
【0023】(A-2)パラメータの推定 zの統計パラメータbとθを求めるため、ここでは最尤
法を用いる。N個の測定データから同時確率密度関数で
ある尤度が次式で求めることができる。
法を用いる。N個の測定データから同時確率密度関数で
ある尤度が次式で求めることができる。
【0024】
【数6】
【0025】次に、平均値と共分散の関数形を選択す
る。関数パラメータは上式の尤度を最大にすることによ
り決定できるが、計算上から次式で示す負の対数尤度を
最小化することにより決定する。
る。関数パラメータは上式の尤度を最大にすることによ
り決定できるが、計算上から次式で示す負の対数尤度を
最小化することにより決定する。
【0026】
【数7】
【0027】また、トレンド成分の係数ベクトルbは次
式の最小二乗法によって求める。
式の最小二乗法によって求める。
【0028】
【数8】
【0029】すなわち繰り返し計算により負の対数尤度
を最小化するbとθを求める。
を最小化するbとθを求める。
【0030】(A-3)最良モデルの選択 最尤法による統計量推定では予め設定したモデルに対し
て対数尤度を最大とするようにパラメータを決定する
が、現実の問題においては統計量の推定以前に、適用す
べき最良のモデルの選択という問題が存在する。地盤統
計学では一般的に必要となる統計モデルは複数個提案さ
れており、これらのモデルを評価する基準として本発明
ではAIC(Akaike Infomation Criterion:赤池情報量
基準)を導入する。
て対数尤度を最大とするようにパラメータを決定する
が、現実の問題においては統計量の推定以前に、適用す
べき最良のモデルの選択という問題が存在する。地盤統
計学では一般的に必要となる統計モデルは複数個提案さ
れており、これらのモデルを評価する基準として本発明
ではAIC(Akaike Infomation Criterion:赤池情報量
基準)を導入する。
【0031】最尤法の理論からわかるように、特定のモ
デルにおけるパラメータは平均対数尤度で評価できる。
すなわち、平均対数尤度の値が大きいほどパラメータの
値は良いといえる。ここで平均対数尤度とは測定データ
zに関する対数尤度の期待値であり、したがって不偏推
定量としてこの対数尤度をとればよい。
デルにおけるパラメータは平均対数尤度で評価できる。
すなわち、平均対数尤度の値が大きいほどパラメータの
値は良いといえる。ここで平均対数尤度とは測定データ
zに関する対数尤度の期待値であり、したがって不偏推
定量としてこの対数尤度をとればよい。
【0032】複数個のモデルが考えられる場合、その各
モデルの比較を行う評価基準として、それぞれのモデル
で最尤モデル(最尤推定値をパラメータとするモデル)
を求め、その平均対数尤度の測定データzに関する期待
値(期待平均対数尤度という)を考えることができる。
すなわち、期待平均対数尤度の値が大きいほどより良い
モデルといえる。
モデルの比較を行う評価基準として、それぞれのモデル
で最尤モデル(最尤推定値をパラメータとするモデル)
を求め、その平均対数尤度の測定データzに関する期待
値(期待平均対数尤度という)を考えることができる。
すなわち、期待平均対数尤度の値が大きいほどより良い
モデルといえる。
【0033】モデルの最大対数尤度は期待平均対数尤度
の1つの推定量と考えることができるが、最大対数尤度
そのものは期待平均対数尤度の不偏推定量とはならな
い。モデルの最大対数尤度はそのモデルの持つ自由パラ
メータの数に依存しており、一般的には自由パラメータ
が多ければ多いほど大きくなる。しかしながら、本発明
においては、実際の分布を測定データからの統計的推定
により求めようとするものであるため、データとの適合
が同程度(最大対数尤度の値が同程度)のときには自由
パラメータ数の少ないモデルの方がより良いモデルとす
るのが妥当である。モデルの最大対数尤度から自由パラ
メータ数を引いたものが近似的に期待平均対数尤度の不
偏推定量となることから、 AIC=−2×(モデルの最大対数尤度)+2×(モデ
ルの自由パラメータ数) がモデル選択の基準となる。AICの最小化によって得
られるモデルを最小AIC推定(MAICE)と呼び、
それがより最適なモデルを与えると考えることができ
る。
の1つの推定量と考えることができるが、最大対数尤度
そのものは期待平均対数尤度の不偏推定量とはならな
い。モデルの最大対数尤度はそのモデルの持つ自由パラ
メータの数に依存しており、一般的には自由パラメータ
が多ければ多いほど大きくなる。しかしながら、本発明
においては、実際の分布を測定データからの統計的推定
により求めようとするものであるため、データとの適合
が同程度(最大対数尤度の値が同程度)のときには自由
パラメータ数の少ないモデルの方がより良いモデルとす
るのが妥当である。モデルの最大対数尤度から自由パラ
メータ数を引いたものが近似的に期待平均対数尤度の不
偏推定量となることから、 AIC=−2×(モデルの最大対数尤度)+2×(モデ
ルの自由パラメータ数) がモデル選択の基準となる。AICの最小化によって得
られるモデルを最小AIC推定(MAICE)と呼び、
それがより最適なモデルを与えると考えることができ
る。
【0034】(A-4)空間分布の推定 基礎地盤レベルの空間分布を限られた調査ボーリングの
測定データから推定する手法の一つにクリッギングがあ
る。クリッギングは測定データの線形和で任意位置での
値を推定する手法であり、測定データz0が得られたと
きのzの条件つき確率である推定値と推定誤差共分散マ
トリックスにより表現できる。推定量を次式のように重
み係数λによる測定データz0の線形和で表現できると
仮定する。そしてこの重み係数λを推定量の不偏性と推
定誤差を最小とする条件より求められる。
測定データから推定する手法の一つにクリッギングがあ
る。クリッギングは測定データの線形和で任意位置での
値を推定する手法であり、測定データz0が得られたと
きのzの条件つき確率である推定値と推定誤差共分散マ
トリックスにより表現できる。推定量を次式のように重
み係数λによる測定データz0の線形和で表現できると
仮定する。そしてこの重み係数λを推定量の不偏性と推
定誤差を最小とする条件より求められる。
【0035】
【数9】
【0036】推定誤差は次のようになる。
【0037】
【数10】
【0038】推定量の不偏性から、
【0039】
【数11】
【0040】また、この制約条件下で、次式で示す推定
誤差分散を最小とする。
誤差分散を最小とする。
【0041】
【数12】
【0042】ここでは、ラグランジェの未定係数μを用
いた次式を最小とする。
いた次式を最小とする。
【0043】
【数13】
【0044】これより、μは次のように求められる。
【0045】
【数14】
【0046】また、重み係数λは次のようになる。
【0047】
【数15】
【0048】よって、これを(数11)と(数12)に
代入すると、測定データz0が得られたときの基礎地盤
レベルzの条件付き確率である推定値と推定誤差共分散
マトリックスは次のように表現できる。
代入すると、測定データz0が得られたときの基礎地盤
レベルzの条件付き確率である推定値と推定誤差共分散
マトリックスは次のように表現できる。
【0049】
【数16】
【0050】(B)コ・クリッギングによる推定法 コ・クリッギングは、互いに相関性の強い2変量以上の
確率場に対して、相互相関関係から空間分布を推定する
手法であり、対象とする確率場のデータ数が限られる場
合、それと相関性の強い別のデータを容易に得ることが
できれば、より精度の高い推定ができる。本発明におい
ては、基礎地盤レベルが地表レベルと強い相関性を有す
ることに着目してコ・クリッギングを適用するものであ
る。
確率場に対して、相互相関関係から空間分布を推定する
手法であり、対象とする確率場のデータ数が限られる場
合、それと相関性の強い別のデータを容易に得ることが
できれば、より精度の高い推定ができる。本発明におい
ては、基礎地盤レベルが地表レベルと強い相関性を有す
ることに着目してコ・クリッギングを適用するものであ
る。
【0051】(B-1)2変量確率場のモデル化 ある領域Sにおける2つの測定データz1,z2の空間分
布を以下のように、全体的な挙動をマクロ的にとらえた
トレンド成分と統計的に均質な確率場で扱うランダム成
分の和で表現できると仮定する。ここで統計的に均質な
とは位置により確率特性が変化しない定常性を意味す
る。
布を以下のように、全体的な挙動をマクロ的にとらえた
トレンド成分と統計的に均質な確率場で扱うランダム成
分の和で表現できると仮定する。ここで統計的に均質な
とは位置により確率特性が変化しない定常性を意味す
る。
【0052】
【数17】
【0053】いま2つの測定データz1(x),z2(x)
が、測定点xの位置において測定されているとすると、
これらの測定データは確率場Z1(x),Z2(x)の1つの
実現データと考えられる。これら確率場Z1(x),Z
2(x)の2次モーメントまでの定常性を仮定すると、次
式が定義できる。
が、測定点xの位置において測定されているとすると、
これらの測定データは確率場Z1(x),Z2(x)の1つの
実現データと考えられる。これら確率場Z1(x),Z
2(x)の2次モーメントまでの定常性を仮定すると、次
式が定義できる。
【0054】
【数18】
【0055】これらは2点間の距離ベクトルhで表さ
れ、一般に種々の共分散関数モデルが提案されている。
れ、一般に種々の共分散関数モデルが提案されている。
【0056】このような確率場の推定では、設定したモ
デルのパラメータθを測定データz1(x),z2(x)から
求めることになるが、一般に次式に示すセミバリオグラ
ム及び相互セミバリオグラムを用いて行われることが多
い。
デルのパラメータθを測定データz1(x),z2(x)から
求めることになるが、一般に次式に示すセミバリオグラ
ム及び相互セミバリオグラムを用いて行われることが多
い。
【0057】
【数19】
【0058】すなわちh離れた地点の測定データの対
[z1(x),z1(x+h)],[z2(x),z2(x+h)]が
N(h)個与えられたとき、セミバリオグラムは次式のよ
うに推定される。
[z1(x),z1(x+h)],[z2(x),z2(x+h)]が
N(h)個与えられたとき、セミバリオグラムは次式のよ
うに推定される。
【0059】
【数20】
【0060】このようにセミバリオグラムによる推定
は、母集団の統計的均質性や確率分布を仮定する必要が
ないため、ある程度強力な推定が可能であり、一般に広
く用いられている。しかし、h離れた地点の測定データ
の対z1,z2ともにN(h)個得られる必要があり、任意
の2点間の値を求めようとするときには、最小二乗法な
どにより関数近似をしなければならないため、推定精度
に問題がある。また、セミバリオグラムと相互セミバリ
オグラムをそれぞれ独立に推定することになるため、後
述する相関特性のモデル化の条件を満たさない可能性が
ある。そこで、本発明においては、次に示す最尤法によ
る推定手法を用いる。
は、母集団の統計的均質性や確率分布を仮定する必要が
ないため、ある程度強力な推定が可能であり、一般に広
く用いられている。しかし、h離れた地点の測定データ
の対z1,z2ともにN(h)個得られる必要があり、任意
の2点間の値を求めようとするときには、最小二乗法な
どにより関数近似をしなければならないため、推定精度
に問題がある。また、セミバリオグラムと相互セミバリ
オグラムをそれぞれ独立に推定することになるため、後
述する相関特性のモデル化の条件を満たさない可能性が
ある。そこで、本発明においては、次に示す最尤法によ
る推定手法を用いる。
【0061】(B-2)パラメータの統計的推定 限られたデータから(数17)で示した確率場Z1(x),
Z2(x)のトレンド成分とランダム成分を決定するため
に、自己共分散関数と相互共分散関数のモデルを仮定し
て最尤法によりパラメータの推定を行う。2つの測定デ
ータz1(xi),z2(xi)から相関特性を求めるために
は、それぞれ測定点xiの共通なN個の標本値を用い
る。このN個の測定データの組から同時確率密度関数で
る尤度が次式で与えられる。
Z2(x)のトレンド成分とランダム成分を決定するため
に、自己共分散関数と相互共分散関数のモデルを仮定し
て最尤法によりパラメータの推定を行う。2つの測定デ
ータz1(xi),z2(xi)から相関特性を求めるために
は、それぞれ測定点xiの共通なN個の標本値を用い
る。このN個の測定データの組から同時確率密度関数で
る尤度が次式で与えられる。
【0062】
【数21】
【0063】(数21)におけるQは次式で示すような
自己共分散マトリクスと相互共分散マトリクスを統合し
たマトリクスである。
自己共分散マトリクスと相互共分散マトリクスを統合し
たマトリクスである。
【0064】
【数22】
【0065】パラメータθは(数21)の尤度を最大化
することにより推定される。計算上から次式で示す負の
対数尤度を最小化することにより決定する。
することにより推定される。計算上から次式で示す負の
対数尤度を最小化することにより決定する。
【0066】
【数23】
【0067】上式を最小化するため、ここではガウスニ
ュートン法を用いる。(数23)のパラメータθjに対
する1階微係数は次式で表される。
ュートン法を用いる。(数23)のパラメータθjに対
する1階微係数は次式で表される。
【0068】
【数24】
【0069】ここで上式は次のような関係を用いてい
る。
る。
【0070】
【数25】
【0071】対数尤度の最小化のための基本的な計算
は、次式を用いて行う。
は、次式を用いて行う。
【0072】
【数26】
【0073】ヘッセマトリクスを近似して次のように表
現する。
現する。
【0074】
【数27】
【0075】各々の繰り返しで1次探索法を行わなけれ
ばρi=1に固定されるので、繰り返し計算は次のよう
になる。
ばρi=1に固定されるので、繰り返し計算は次のよう
になる。
【0076】
【数28】
【0077】トレンド成分は次のように空間座標による
多項式でモデル化し、最小二乗法で上記の繰り返し計算
の中で同時に求める。まず、平均値関数μを次式のよう
に表現する。
多項式でモデル化し、最小二乗法で上記の繰り返し計算
の中で同時に求める。まず、平均値関数μを次式のよう
に表現する。
【0078】
【数29】
【0079】例えば、1次元の場合には空間座標xに関
する次数により次のように表現される。
する次数により次のように表現される。
【0080】
【数30】
【0081】いま2つの変数を1つにまとめて
【0082】
【数31】
【0083】とおくと、最小二乗法による係数ベクトル
bの推定値は、次式によって求められる。
bの推定値は、次式によって求められる。
【0084】
【数32】
【0085】(B-3)コ・クリッギングによる推定法 例えば、変数Z1に比べて変数Z2の測定が経済的あるい
はその他の理由で困難を要し、データ数が限られるよう
な場合を考える。このような場合、変数Z1とZ2の測定
データとこれらの相互相関関数から変数Z2を推定でき
れば、変数Z2の測定コストを抑えてより精度の良い推
定が可能となる。このような推定法がコ・クリッギング
による推定法である。コ・クリッギングでは、次式に示
されるように任意の点の推定値は、各測定データの線形
和で表される。
はその他の理由で困難を要し、データ数が限られるよう
な場合を考える。このような場合、変数Z1とZ2の測定
データとこれらの相互相関関数から変数Z2を推定でき
れば、変数Z2の測定コストを抑えてより精度の良い推
定が可能となる。このような推定法がコ・クリッギング
による推定法である。コ・クリッギングでは、次式に示
されるように任意の点の推定値は、各測定データの線形
和で表される。
【0086】
【数33】
【0087】上式の重み係数λ1とλ2は、
【0088】
【数34】
【0089】(数33)を(数34)に代入すると、
【0090】
【数35】
【0091】であり、E[Z(x)]=μ(x)であること
を考慮すると、
を考慮すると、
【0092】
【数36】
【0093】となる。従って、
【0094】
【数37】
【0095】また、(数34)の推定誤差分散σE 2は、
次式のように展開され、
次式のように展開され、
【0096】
【数38】
【0097】となる。(数37)の条件の下、(数3
8)を最小化するためにラグランジュの未定係数法を用
いると、以下の式を満たすλ1、λ2を決定すればよいこ
とになる。
8)を最小化するためにラグランジュの未定係数法を用
いると、以下の式を満たすλ1、λ2を決定すればよいこ
とになる。
【0098】
【数39】
【0099】これを展開すると、
【0100】
【数40】
【0101】となり、これは未知定数λ1,λ2および
η1,η2の線形方程式であり、コ・クリッギングの定式
化である。そして、最小化された推定誤差分散は次式で
表される。
η1,η2の線形方程式であり、コ・クリッギングの定式
化である。そして、最小化された推定誤差分散は次式で
表される。
【0102】
【数41】
【0103】
【実施例】以下、本発明におけるコ・クリッギングを適
用した実施例について説明する。図2はある対称建設サ
イトと調査ボーリングの配置および弾性波探査測線の位
置を示している。ボーリング位置での弾性波速度値から
N値50以上の基礎地盤面は、弾性波速度1.2〜1.
7km/sec以上に対応しており、この速度帯上限面
が基礎地盤レベルとして考えてよい。そこで、本手法の
適用性の評価として、弾性波探査による基礎地盤面の推
定レベルを真値として、推定結果を比較した。また、露
頭調査、弾性波探査のデータを用いた推定も実施した。
図3は、対称建設サイト領域(200×200m)にお
ける推定結果の評価点を示したものである。●印が弾性
波探査による基礎地盤面の推定点である。また、沢沿い
にはCL、CM級岩盤の露出が認められており、○印を沢
沿いの基礎地盤露頭の測定点として基礎地盤面の入力デ
ータとする。
用した実施例について説明する。図2はある対称建設サ
イトと調査ボーリングの配置および弾性波探査測線の位
置を示している。ボーリング位置での弾性波速度値から
N値50以上の基礎地盤面は、弾性波速度1.2〜1.
7km/sec以上に対応しており、この速度帯上限面
が基礎地盤レベルとして考えてよい。そこで、本手法の
適用性の評価として、弾性波探査による基礎地盤面の推
定レベルを真値として、推定結果を比較した。また、露
頭調査、弾性波探査のデータを用いた推定も実施した。
図3は、対称建設サイト領域(200×200m)にお
ける推定結果の評価点を示したものである。●印が弾性
波探査による基礎地盤面の推定点である。また、沢沿い
にはCL、CM級岩盤の露出が認められており、○印を沢
沿いの基礎地盤露頭の測定点として基礎地盤面の入力デ
ータとする。
【0104】(1)基礎地盤面のモデル化 本サイトの基礎地盤面の境界は、地質学的には地表面か
らの風化帯と風化をあまり受けていない岩盤との境界で
あり、したがって基礎地盤面はほぼ地表面の起伏に準じ
て分布していると考えられる。図4は、調査ボーリング
データによる地表面レベルと基礎地盤面レベルをプロッ
トしたもので、この図から明らかに2つのデータ間に
は、直線近似で相関係数0.9以上の強い正の相関性が
認められる。
らの風化帯と風化をあまり受けていない岩盤との境界で
あり、したがって基礎地盤面はほぼ地表面の起伏に準じ
て分布していると考えられる。図4は、調査ボーリング
データによる地表面レベルと基礎地盤面レベルをプロッ
トしたもので、この図から明らかに2つのデータ間に
は、直線近似で相関係数0.9以上の強い正の相関性が
認められる。
【0105】そこで、基礎地盤面のモデル化として(数
17)のZ1(x)を地表面レベル、Z2(x)を基礎地盤面
レベルとした2変量確率場を仮定する。確率場の推定に
あたっては、トレンド成分とランダム成分の関数モデル
を幾つか設定して、対数尤度とパラメータ数で定義され
るAIC基準により最良モデルの選択を行う。ここでは
次に示すモデルを設定した。
17)のZ1(x)を地表面レベル、Z2(x)を基礎地盤面
レベルとした2変量確率場を仮定する。確率場の推定に
あたっては、トレンド成分とランダム成分の関数モデル
を幾つか設定して、対数尤度とパラメータ数で定義され
るAIC基準により最良モデルの選択を行う。ここでは
次に示すモデルを設定した。
【0106】
【数42】
【0107】以上の各2種類の組み合わせで計4種類の
モデルである。ここでランダム成分の自己共分散関数と
相互共分散関数は、空間的な相関性を表すパラメータで
あるaiを共通とするモデルを設定した。これは、それ
ぞれ2変量の空間的相関性が異なると仮定すると相互の
相関性は小さくなるという制約条件が生じ、このため、
2変量の間の相関が強く、同時に自己の空間的相関性が
ほぼ同様と認められる場合には、パラメータ数を減らす
という観点で相関パラメータを共通にする方が良いから
である。表1は地表面および基礎地盤面をそれぞれ独立
の確率場と仮定してモデルを設定し、AICが最小とな
る最良モデルのパラメータを推定した結果を示したもの
である。
モデルである。ここでランダム成分の自己共分散関数と
相互共分散関数は、空間的な相関性を表すパラメータで
あるaiを共通とするモデルを設定した。これは、それ
ぞれ2変量の空間的相関性が異なると仮定すると相互の
相関性は小さくなるという制約条件が生じ、このため、
2変量の間の相関が強く、同時に自己の空間的相関性が
ほぼ同様と認められる場合には、パラメータ数を減らす
という観点で相関パラメータを共通にする方が良いから
である。表1は地表面および基礎地盤面をそれぞれ独立
の確率場と仮定してモデルを設定し、AICが最小とな
る最良モデルのパラメータを推定した結果を示したもの
である。
【0108】
【表1】
【0109】この結果から最良モデルはトレンドを1
次、共分散関数を1次元のExpornential型モデルとした
ものである。空間的相関性パラメータa(相関距離と呼
ばれることもある)の推定値は、地表面38.55m、
基礎地盤面46.99mと大きな差はない。このような
結果から自己共分散関数と相互共分散関数は空間的相関
パラメータaを共通とするモデル化を行った。
次、共分散関数を1次元のExpornential型モデルとした
ものである。空間的相関性パラメータa(相関距離と呼
ばれることもある)の推定値は、地表面38.55m、
基礎地盤面46.99mと大きな差はない。このような
結果から自己共分散関数と相互共分散関数は空間的相関
パラメータaを共通とするモデル化を行った。
【0110】(2)パラメータの推定とモデル選択 (数42)のモデルにおいて、推定すべきパラメータ
は、トレンド成分のパラメータベクトルbとランダム成
分の地表面および基礎地盤面それぞれの分散σ1 2,
σ2 2,空間的相関パラメータaおよび相互相関係数ρで
ある。推定に用いたデータは調査ボーリング27本の位
置での地表面データ、基礎地盤面データの組である。表
2に各モデルのパラメータ推定結果を示す。
は、トレンド成分のパラメータベクトルbとランダム成
分の地表面および基礎地盤面それぞれの分散σ1 2,
σ2 2,空間的相関パラメータaおよび相互相関係数ρで
ある。推定に用いたデータは調査ボーリング27本の位
置での地表面データ、基礎地盤面データの組である。表
2に各モデルのパラメータ推定結果を示す。
【0111】
【表2】
【0112】表2ではAICを求めた結果を示してお
り、1変量の独立な確率場で求めたときと同じく、最良
モデルはトレンドを1次、共分散関数を1次元のExporn
ential型モデルが選択された。トレンド0次(平均値一
定)と1次のAICを比べると差が30近くあり、北東
方向に傾斜している斜面を捉えるために1次のトレンド
が不可欠であることがわかる。ランダム成分は1次元と
2次元でAICは1.5〜2程度と大きな差はないが、
1次元の方が小さく、空間的相関性を2次元に拡張して
パラメータを増やすに見合う効果がないことを示してい
る。最良モデルの推定値のうち相互相関係数ρは0.8
89とかなり大きく、これはコ・クリッギングによる基
礎地盤面の推定が非常に有効であることを示唆してい
る。
り、1変量の独立な確率場で求めたときと同じく、最良
モデルはトレンドを1次、共分散関数を1次元のExporn
ential型モデルが選択された。トレンド0次(平均値一
定)と1次のAICを比べると差が30近くあり、北東
方向に傾斜している斜面を捉えるために1次のトレンド
が不可欠であることがわかる。ランダム成分は1次元と
2次元でAICは1.5〜2程度と大きな差はないが、
1次元の方が小さく、空間的相関性を2次元に拡張して
パラメータを増やすに見合う効果がないことを示してい
る。最良モデルの推定値のうち相互相関係数ρは0.8
89とかなり大きく、これはコ・クリッギングによる基
礎地盤面の推定が非常に有効であることを示唆してい
る。
【0113】(3)基礎地盤面の推定 前述の統計量を用いてコ・クリッギングによる基礎地盤
面の空間分布を推定した。統計量の推定には調査ボーリ
ング位置での地表面、基礎地盤面データの組を用いる必
要があったが、コ・クリッギングによる空間分布推定に
は(数33)からも分かるように、地表面および基礎地
盤面のデータ数と測定位置とは一致している必要はな
い。ここでは、地表面のデータとして対称領域の10m
間隔格子点の位置、計441点の標高を地形図から読み
取ったものを用いた。
面の空間分布を推定した。統計量の推定には調査ボーリ
ング位置での地表面、基礎地盤面データの組を用いる必
要があったが、コ・クリッギングによる空間分布推定に
は(数33)からも分かるように、地表面および基礎地
盤面のデータ数と測定位置とは一致している必要はな
い。ここでは、地表面のデータとして対称領域の10m
間隔格子点の位置、計441点の標高を地形図から読み
取ったものを用いた。
【0114】比較のために(A)項で説明した1変量の
クリッギングによる基礎地盤レベルの推定結果も同時に
示す。図5はクリッギングにより調査ボーリングデータ
のみを用いた推定結果を示す等高線図であり、図5
(A)は基礎地盤レベルの推定値、図5(B)は推定誤
差である。北東方向への傾斜傾向は良く捉えられている
が全体になめらかな分布となっており、地表面の起伏が
反映されていない。推定誤差は調査ボーリング位置(等
高線の頂点)近傍では4〜5mあるが、30m以上離れ
ると8m以上の誤差となっている。
クリッギングによる基礎地盤レベルの推定結果も同時に
示す。図5はクリッギングにより調査ボーリングデータ
のみを用いた推定結果を示す等高線図であり、図5
(A)は基礎地盤レベルの推定値、図5(B)は推定誤
差である。北東方向への傾斜傾向は良く捉えられている
が全体になめらかな分布となっており、地表面の起伏が
反映されていない。推定誤差は調査ボーリング位置(等
高線の頂点)近傍では4〜5mあるが、30m以上離れ
ると8m以上の誤差となっている。
【0115】これに対して、図6は、コ・クリッギング
による調査ボーリングデータと地表面データを用いた推
定結果を示す等高線図であり、図6(A)は基礎地盤レ
ベルの推定値、図6(B)は推定誤差である。推定値の
等高線図をみると、地表面の起伏とかなる類似してお
り、大まかに対象領域の南側で地表面レベルから−10
m、北側で−5m程度に基礎地盤面が分布しているのが
わかる。推定誤差の分布は、地表面のデータを対象領域
全体に一様に与えているため、ボーリングのみによるク
リッギングの推定誤差の分布と形は同じであるが、推定
誤差の値は、調査ボーリング位置近傍で2〜4m、対象
領域全体でも5〜6m以内であり、クリッギングの推定
誤差の約60〜70%程度である。
による調査ボーリングデータと地表面データを用いた推
定結果を示す等高線図であり、図6(A)は基礎地盤レ
ベルの推定値、図6(B)は推定誤差である。推定値の
等高線図をみると、地表面の起伏とかなる類似してお
り、大まかに対象領域の南側で地表面レベルから−10
m、北側で−5m程度に基礎地盤面が分布しているのが
わかる。推定誤差の分布は、地表面のデータを対象領域
全体に一様に与えているため、ボーリングのみによるク
リッギングの推定誤差の分布と形は同じであるが、推定
誤差の値は、調査ボーリング位置近傍で2〜4m、対象
領域全体でも5〜6m以内であり、クリッギングの推定
誤差の約60〜70%程度である。
【0116】コ・クリッギングによる推定結果の妥当性
を検討するために、真値と考えられている弾性波探査に
よる基礎地盤面データおよび沢沿いの基礎地盤露頭デー
タとの比較を行った。図3に示した弾性波探査測線(C
-1〜C-5)と沢沿いの基礎地盤露頭(S-1〜S-3)の計
8断面について、真値と推定値との比較を図7〜図14
に示す。それぞれ図(A)がボーリングのみによるクリ
ッギングによる推定結果、図(B)がコ・クリッギング
による推定結果である。また、破線で囲まれた網掛け部
分は推定誤差の範囲を示している。
を検討するために、真値と考えられている弾性波探査に
よる基礎地盤面データおよび沢沿いの基礎地盤露頭デー
タとの比較を行った。図3に示した弾性波探査測線(C
-1〜C-5)と沢沿いの基礎地盤露頭(S-1〜S-3)の計
8断面について、真値と推定値との比較を図7〜図14
に示す。それぞれ図(A)がボーリングのみによるクリ
ッギングによる推定結果、図(B)がコ・クリッギング
による推定結果である。また、破線で囲まれた網掛け部
分は推定誤差の範囲を示している。
【0117】まず、弾性波探査測線の断面のうち図9、
図10に示されるようような斜面方向(北東)の断面で
は、クリッギング、コ・クリッギングによる推定とも
に、ほとんど真値との差が5m以内であり非常に良く推
定できている。これは斜面方向のトレンドの影響が大き
く、地形の起伏による影響が小さいためと考えられる。
一方、図7、図8、図11に示す沢地形を横断する方向
の断面では、クリッギングによる推定が起伏の地形を滑
らかに補間し、真値との差が大きいところで15m以上
あるのに対して、コ・クリッギングによる推定は非常に
正確に真値を捉えている。沢地形のために、基礎地盤面
は平均的なトレンドよりも実際には低く、地形の影響を
考慮しないクリッギングでは地表面より上位に基礎地盤
面が推定されるという矛盾が生じるのである。
図10に示されるようような斜面方向(北東)の断面で
は、クリッギング、コ・クリッギングによる推定とも
に、ほとんど真値との差が5m以内であり非常に良く推
定できている。これは斜面方向のトレンドの影響が大き
く、地形の起伏による影響が小さいためと考えられる。
一方、図7、図8、図11に示す沢地形を横断する方向
の断面では、クリッギングによる推定が起伏の地形を滑
らかに補間し、真値との差が大きいところで15m以上
あるのに対して、コ・クリッギングによる推定は非常に
正確に真値を捉えている。沢地形のために、基礎地盤面
は平均的なトレンドよりも実際には低く、地形の影響を
考慮しないクリッギングでは地表面より上位に基礎地盤
面が推定されるという矛盾が生じるのである。
【0118】以上のように、全ての断面でコ・クリッギ
ングの推定結果はクリッギングによる推定結果よりも精
度が良く、地表面とのコ・クリッギングによる推定の妥
当性を確認できた。図15はコ・クリッギングによる推
定結果と真値との差のヒストグラムを示し、これを見て
も真値との差は平均で1.7m、ほとんどが2〜3m以
内であり、精度良く推定ができていると考えられる。実
設計への適用を目的とすた場合、与えられている全ての
データを用いた精度の高い基礎地盤面の推定が必要であ
る。そこで、ボーリングデータ、弾性波探査結果データ
および露頭データの全てを用いたコ・クリッギングによ
る推定を行った。図16は推定結果を地表面と同時に透
視図として示したものである。
ングの推定結果はクリッギングによる推定結果よりも精
度が良く、地表面とのコ・クリッギングによる推定の妥
当性を確認できた。図15はコ・クリッギングによる推
定結果と真値との差のヒストグラムを示し、これを見て
も真値との差は平均で1.7m、ほとんどが2〜3m以
内であり、精度良く推定ができていると考えられる。実
設計への適用を目的とすた場合、与えられている全ての
データを用いた精度の高い基礎地盤面の推定が必要であ
る。そこで、ボーリングデータ、弾性波探査結果データ
および露頭データの全てを用いたコ・クリッギングによ
る推定を行った。図16は推定結果を地表面と同時に透
視図として示したものである。
【0119】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、地層境界レベルや基礎地盤レベルを調査ボーリ
ングなどの測定データの線形和で表現する数学モデルを
導入し、推定作業をシステム化することにより作業の効
率化や労力の軽減を図ることができる。また、専門家に
頼らなければならないような直接入力できない地表面レ
ベルのデータも、相関性という統計量を用い、客観的に
推定に取り入れることができる。その結果、専門家でな
くても専門家とほぼ同様な推定を簡単に行なうことがで
きる。
よれば、地層境界レベルや基礎地盤レベルを調査ボーリ
ングなどの測定データの線形和で表現する数学モデルを
導入し、推定作業をシステム化することにより作業の効
率化や労力の軽減を図ることができる。また、専門家に
頼らなければならないような直接入力できない地表面レ
ベルのデータも、相関性という統計量を用い、客観的に
推定に取り入れることができる。その結果、専門家でな
くても専門家とほぼ同様な推定を簡単に行なうことがで
きる。
【図1】本発明の地層境界レベルの推定方法の1実施例
を示し、処理の流れを説明するための図である。
を示し、処理の流れを説明するための図である。
【図2】ある対称サイトと調査ボーリングの配置および
弾性波探査測線の位置を示す図である。
弾性波探査測線の位置を示す図である。
【図3】対称サイト領域における推定結果の評価点を示
した図である。
した図である。
【図4】調査ボーリングデータによる地表面レベルと基
礎地盤面レベルをプロットした図である。
礎地盤面レベルをプロットした図である。
【図5】クリッギングにより調査ボーリングデータのみ
を用いた推定結果を示す等高線図であり、図5(A)は
基礎地盤レベルの推定値、図5(B)は推定誤差であ
る。
を用いた推定結果を示す等高線図であり、図5(A)は
基礎地盤レベルの推定値、図5(B)は推定誤差であ
る。
【図6】コ・クリッギングによる調査ボーリングデータ
と地表面データを用いた推定結果を示す等高線図であ
り、図6(A)は基礎地盤レベルの推定値、図6(B)
は推定誤差である。
と地表面データを用いた推定結果を示す等高線図であ
り、図6(A)は基礎地盤レベルの推定値、図6(B)
は推定誤差である。
【図7】クリッギング、コ・クリッギングのついて真値
と推定値との比較を示した図である。
と推定値との比較を示した図である。
【図8】クリッギング、コ・クリッギングのついて真値
と推定値との比較を示した図である。
と推定値との比較を示した図である。
【図9】クリッギング、コ・クリッギングのついて真値
と推定値との比較を示した図である。
と推定値との比較を示した図である。
【図10】クリッギング、コ・クリッギングのついて真
値と推定値との比較を示した図である。
値と推定値との比較を示した図である。
【図11】クリッギング、コ・クリッギングのついて真
値と推定値との比較を示した図である。
値と推定値との比較を示した図である。
【図12】クリッギング、コ・クリッギングのついて真
値と推定値との比較を示した図である。
値と推定値との比較を示した図である。
【図13】クリッギング、コ・クリッギングのついて真
値と推定値との比較を示した図である。
値と推定値との比較を示した図である。
【図14】クリッギング、コ・クリッギングのついて真
値と推定値との比較を示した図である。
値と推定値との比較を示した図である。
【図15】コ・クリッギングによる推定結果と真値との
差のヒストグラムを示す図である。
差のヒストグラムを示す図である。
【図16】ボーリングデータ、弾性波探査結果データお
よび露頭データの全てを用いたコ・クリッギングによる
推定結果を地表面と同時に示した透視図(ディスプレイ
上に表示した中間調画像)である。
よび露頭データの全てを用いたコ・クリッギングによる
推定結果を地表面と同時に示した透視図(ディスプレイ
上に表示した中間調画像)である。
フロントページの続き (72)発明者 本多 眞 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】調査ボーリングにより得られた地層境界レ
ベルの測定データと、ボーリング位置における地表面レ
ベルの測定データとの相関性を検討し、相関性が高い場
合に両方のデータを用いて地層境界レベルを推定するこ
とを特徴とする地層境界レベルの推定方法。 - 【請求項2】地表面レベルと地層境界レベルの2変量確
率場を仮定する手段と、前記2変量確率場を仮定するに
際して複数の関数モデルを設定する手段と、前記複数の
関数モデルのパラメータを最尤法により推定する手段
と、前記複数の関数モデルの中からパラメータ数と尤度
で定義されるAIC基準により最良モデルを選択する手
段と、前記最良モデルを用い前記レベルの測定データか
ら任意点の地層境界レベルを推定する手段とを備えたこ
とを特徴とする請求項1記載の地層境界レベルの推定方
法。 - 【請求項3】前記最良モデルに露頭調査、弾性波探査等
の地層境界レベルの追加データを入力する手段とを備え
たことを特徴とする請求項2記載の地層境界レベルの推
定方法。 - 【請求項4】相関性が低い場合には、調査ボーリングに
より得られた地層境界レベルの測定データのみにより地
層境界レベルを推定することを特徴とする請求項1記載
の地層境界レベルの推定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8158374A JPH109903A (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 地層境界レベルの推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8158374A JPH109903A (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 地層境界レベルの推定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH109903A true JPH109903A (ja) | 1998-01-16 |
Family
ID=15670315
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8158374A Pending JPH109903A (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 地層境界レベルの推定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH109903A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002057614A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-22 | Scoreboard Inc | 無線通信システム中のrf伝播評価方法と装置 |
| WO2003038730A1 (en) | 2001-11-01 | 2003-05-08 | Soil And Topography Information, Llc | Soil and topography surveying |
| KR101656862B1 (ko) * | 2016-03-15 | 2016-09-13 | 한국지질자원연구원 | 추계학적 지진 단층 파열 모델링 장치 및 방법 |
| JP2018004494A (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 株式会社奥村組 | 地質境界面または断層面の予測方法 |
| JP2019100011A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | 清水建設株式会社 | 地盤調査位置の決定方法、決定装置、地盤推定方法および地盤推定装置 |
| JP2019210762A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-12 | 国立大学法人北海道大学 | 地盤物性推定システム、地盤物性推定方法、三次元地盤情報推定システム、三次元地盤情報推定方法、プログラム及び記録媒体 |
-
1996
- 1996-06-19 JP JP8158374A patent/JPH109903A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002057614A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-22 | Scoreboard Inc | 無線通信システム中のrf伝播評価方法と装置 |
| WO2003038730A1 (en) | 2001-11-01 | 2003-05-08 | Soil And Topography Information, Llc | Soil and topography surveying |
| EP1451752A4 (en) * | 2001-11-01 | 2010-09-01 | Soil And Topography Informatio | SOIL AND TOPOGRAPHY MEASUREMENT |
| KR101656862B1 (ko) * | 2016-03-15 | 2016-09-13 | 한국지질자원연구원 | 추계학적 지진 단층 파열 모델링 장치 및 방법 |
| JP2018004494A (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 株式会社奥村組 | 地質境界面または断層面の予測方法 |
| JP2019100011A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | 清水建設株式会社 | 地盤調査位置の決定方法、決定装置、地盤推定方法および地盤推定装置 |
| JP2019210762A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-12 | 国立大学法人北海道大学 | 地盤物性推定システム、地盤物性推定方法、三次元地盤情報推定システム、三次元地盤情報推定方法、プログラム及び記録媒体 |
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| A02 | Decision of refusal |
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