JPH1099096A - 生存細胞数の測定方法 - Google Patents

生存細胞数の測定方法

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JPH1099096A
JPH1099096A JP35904696A JP35904696A JPH1099096A JP H1099096 A JPH1099096 A JP H1099096A JP 35904696 A JP35904696 A JP 35904696A JP 35904696 A JP35904696 A JP 35904696A JP H1099096 A JPH1099096 A JP H1099096A
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nucleic acid
cells
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acid fluorescent
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JP35904696A
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Inventor
Fuminori Kato
文法 加藤
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、簡便かつ迅速に生存細胞数および/
または細胞生存率の測定を行う方法を提供する。 【解決手段】死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作
用させた測定試料が発する蛍光の強度と、該核酸蛍光染
色剤を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を
施した測定試料が発する蛍光の強度とを各々測定し、両
強度を対比することにより生存細胞数および/または細
胞生存率を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞に対し、死細胞の
みを染色する核酸蛍光染色剤を作用させる処理および細
胞膜を損傷させる処理を施すことにより、簡便かつ迅速
に多検体の生存細胞数および/または細胞生存率を測定
する方法を提供するものであり、医薬、農薬、化粧品、
食品などの研究開発分野、医学、薬学、生物学上の研究
分野、および臨床的な検査・診断分野などにおける細胞
毒性の評価などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】医薬品、農薬、化粧品、食品などの安全
性、薬効などはそれらのおよぼす細胞毒性によって評価
されることが多く、この細胞毒性の指標として生存細胞
数が測定されることが多い。生存細胞数または細胞生存
率を検出定量する方法としては、トリパンブルー染色
法、MTTアッセイ法(Journal of Im
munological Methods、65巻、5
5〜63頁、1983年)、米国特許公報第5,31
4,805号に記載の方法、Molecular M
edicine 32巻 1340〜1342頁、19
95年に記載の方法、米国特許公報第5,534,4
16号に記載の方法などが提案されている。の方法
は、顕微鏡視野内で、死細胞のみを青色に染色する色素
トリパンブルーによって染色された細胞数を肉眼で計測
する方法であり、の方法は、MTTが細胞内のミトコ
ンドリアの脱水素酵素の基質となり、その酵素反応の結
果生じる青紫色のホルマザンの量を吸光度計で定量する
ものであり、の方法は、同一の試料中に2種類の蛍光
物質(カルセインAMおよびエチジウム ホモダイマ
ー)を作用させ、生細胞の発する蛍光と死細胞の発する
蛍光とを同時に計測することにより、生存細胞数を測定
する方法である。カルセインAMは通常ほとんど蛍光を
発しない物質であるが、生細胞内ではエステラーゼの作
用でカルセインに分解され、強い蛍光を発する。エチジ
ウム ホモダイマーは、損傷部を有する細胞膜のみしか
通過できない性質を持つ核酸蛍光染色剤であり、死細胞
のみに特異的に侵入して核酸と結合し、通常の約40倍
の蛍光を発する。これらの測定法により、薬剤等による
細胞毒性をマルチプレート上で簡便かつ迅速に測定する
ことが可能となった。また、の方法は、死細胞のDN
Aのみを染色するヨウ化プロピジウムを作用させた測定
試料の発する蛍光の強度と、死細胞と生細胞のDNAを
染色するHoechst 33258を作用させた測定
試料の発する蛍光の強度とを各々測定し、両強度を対比
することにより、細胞生存率を測定する方法である。さ
らに、の方法は、生細胞および死細胞の両方のDNA
を染色する米国特許公報第5,436,134号記載の
シアニン系核酸蛍光染色剤(Dye I)を作用させた
測定試料が発する蛍光の強度と、死細胞のDNAのみを
染色する米国特許公報第5,321,130号記載のシ
アニン系核酸蛍光染色剤または生細胞に作用させると蛍
光を発する染色剤(両者を総称してDye IIと呼んで
いる)を作用させた測定試料が発する蛍光の強度とを各
々測定し、両強度を対比することにより、細胞生存率を
測定する方法である。
【0003】しかしながら、の方法は色素トリパンブ
ルーによる染色を判別するのが難しく、肉眼によらなけ
れば計測が困難であるので測定に非常に時間がかかり、
およびの方法は原理的に酵素反応に依存するので、
測定温度、測定pH、酵素反応時間、細胞種による酵素
活性の差異等の影響を受けやすい。また、の方法では
遠心分離操作が必要な上、酵素反応の結果生じた難溶性
のフォルマザンを溶解する操作が必要である。の方法
においては、(1) 細胞培養液中の血清由来のエステラー
ゼがカルセインAMを分解するので、数回の細胞洗浄に
よって血清を除く必要があるが、死細胞は洗浄により除
外されやすいため、無血清の細胞培養液を使用した系以
外でないと正確な測定が行えない、(2) 二種類の蛍光に
ついて測定を行っているため、測定が煩雑になるなどの
欠点がある。さらに、およびの方法においては、
(1) 2種類の蛍光について測定を行わなければならない
ため操作が煩雑である、(2) 1つの試料に2種類の蛍光
色素を作用させて細胞生存率を測定する場合には、後で
作用させた蛍光色素に対し前に作用させた蛍光色素が悪
影響を及ぼす、(3) 生存率を求めるためには各測定毎に
検量線を作成する必要があるなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、(1) 簡便
かつ迅速に、多くの検体の試料中の生存細胞数を正確に
測定できる、(2) 細胞培養液中に血清が共存している測
定試料についても測定可能である、(3) 測定試料に対し
て細胞洗浄、細胞遠心分離、色素溶解など煩雑な操作が
不要である、(4) 測定結果が、測定温度、測定pH、試
薬反応時間、細胞種による差異等の影響を受けにくいな
どの条件を満足できる生存細胞数の測定方法を提供すべ
く種々検討した結果、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 死細胞の
みを染色する核酸蛍光染色剤を作用させた測定試料が発
する蛍光の強度と、該核酸蛍光染色剤を作用させる処理
および細胞膜を損傷させる処理を施した測定試料が発す
る蛍光の強度とを各々測定し、両強度を対比することを
特徴とする生存細胞数および/または細胞生存率の測定
方法、(2)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作
用させた測定試料が発する蛍光の強度と、該染色剤およ
び細胞膜を損傷する薬剤を作用させた測定試料が発する
蛍光の強度とを各々測定し、両強度を対比することで生
存細胞数および/または細胞生存率の測定を行うための
死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤および細胞膜を損
傷する薬剤から構成された含む生存細胞数および/また
は細胞生存率測定用キット並びに(3)(a)死細胞の
みを染色する核酸蛍光染色剤を測定対象試料に供給する
手段、(b)該核酸蛍光染色剤を作用させた測定対象試
料が発する蛍光の強度を測定する手段、(c)細胞膜を
損傷させることを可能にする手段、(d)死細胞のみを
染色する核酸蛍光染色剤を作用させ且つ細胞膜を損傷さ
せる処理を施した測定対象試料が発する蛍光の強度を測
定する手段を、少なくとも備えており且つ測定された各
々の蛍光の強度につき上記(b)と上記(d)の両強度
を対比する手段を備えていることを特徴とする生存細胞
数および/または細胞生存率の測定装置に関する。
【0006】本発明を適用することのできる測定試料
は、細胞壁を有しない細胞であればよく、例えば、動物
細胞、一部の微生物細胞、細胞壁を除去された微生物や
植物のプロトプラストなどが挙げられる。特に動物の細
胞であれば何でも測定試料とすることができ、例えば動
物の体液細胞(血液、リンパ液などの細胞)、癌細胞な
どを典型的なものとして挙げることができる。これら試
料は細胞が生存できる環境にあるものなら何でもよく、
例えば培養液中の細胞などが挙げられる。これら試料の
生存環境内に細胞毒性がある医薬品、農薬、化粧品、食
品などを共存させた場合、試料中の一部あるいは全部の
細胞が死細胞となる。このような環境内で生存細胞数を
測定すると、細胞毒性の評価を行うことができる。
【0007】死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤と
は、(1) 損傷した細胞膜は通過するが、無傷の細胞膜は
通過しない、(2) 核酸と結合していない状態では弱い蛍
光を発するかあるいは蛍光をほとんど発しない、(3) 核
酸と結合すると強い蛍光を発するなどの特徴を持つもの
を意味する。具体的には、エチジウム ホモダイマー、
シアニン系核酸蛍光染色剤などの陽イオン性核酸蛍光染
色剤;臭化エチジウムのようなハロゲン化エチジウム;
ヨウ化プロピジュウムのようなハロゲン化プロピジュウ
ムなどが使用できるが、エチジウム ホモダイマーまた
は死細胞のみを染色するシアニン系核酸蛍光染色剤を使
用するのが望ましく、死細胞のみを染色するシアニン系
核酸蛍光染色剤が特に望ましい。死細胞のみを染色する
シアニン系核酸蛍光染色剤としては、米国特許公報第
5,321,130号に記載のものなどが挙げられ、具
体的にはBOBO−1Iodide、BOBO−3 I
odide、BO−PRO−1 Iodide、BO−
PRO−3Iodide、POPO−1 Iodid
e、POPO−3 Iodide、PO−PRO−1
Iodide、PO−PRO−3 Iodide、TO
TO−1Iodide、TOTO−3 Iodide、
TO−PRO−1 Iodide、TO−PRO−3
Iodide、YOYO−1 Iodide、YOYO
−3 Iodide、YO−PRO−1 Iodid
e、YO−PRO−3 Iodide(以上全て商品
名;Molecular Probes社製)などが挙
げられる。測定すべき細胞の種類や医薬品、農薬、化粧
品、食品など細胞毒性を評価すべき対象の種類などの測
定条件の違いにより、蛍光測定波長は異なるが、各核酸
蛍光染色剤は、それぞれ固有の励起波長、蛍光放射波長
を有するので、測定条件に応じ適切なものを適宜選択し
て使用することができる。また、細胞毒性を評価すべき
対象や培養液のほか核酸蛍光染色剤自体が固有の蛍光を
持つ場合があるので、予めそれらに由来するバックグラ
ウンドの蛍光強度(Fb)を蛍光測定計で測定しておく
必要がある。
【0008】前記核酸蛍光染色剤は、損傷した細胞膜即
ち死細胞の細胞膜は通過するが、無傷の細胞膜即ち生細
胞の細胞膜は通過できない性質を持つので、生細胞およ
び死細胞が共存する試料にこの染色剤を作用させると、
死細胞に染色剤が選択的に侵入し、核酸と結合して強い
蛍光が発せられる。この蛍光の強度(Fd’)を蛍光測
定計で測定することにより死細胞数を定量することがで
きる。具体的にはFd=Fd’−Fbという計算式によ
り、死細胞数に相当する蛍光強度(Fd)を求め、この
値から死細胞数を検量線などによって定量することがで
きる。また、死細胞数を求めることなく直接細胞生存率
を求めることができる。
【0009】測定試料の細胞膜を損傷する方法として
は、細胞膜を損傷させる薬剤を作用させる方法、超音波
を作用させるなどの物理的方法によって細胞膜を損傷さ
せる方法などがある。
【0010】細胞膜を損傷させる薬剤は、生細胞の細胞
膜に傷害を与え系内の全ての生細胞を死滅させる薬剤で
あれば何でもよく、界面活性剤;塩酸、硫酸などの酸;
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのような塩基な
どが挙げられる。しかしながら、後記蛍光強度の測定を
明瞭に行うためには前述の薬剤中、界面活性剤を使用す
るのが望ましく、具体的にはトリトンX−100、トリ
トンX−114、トリトンX−305、トリトンX−4
05、Brij−35、Brij−56、Brij−5
8(以上全て商品名;PIERCECHEMICAL社
製)などのポリオキシエチレンエーテル型非イオン性界
面活性剤;ツウィーン−20、ツウィーン−80、スパ
ン−20(以上全て商品名;PIERCECHEMIC
AL社製)などのエステル型非イオン性界面活性剤;ノ
ニデットp−40(商品名;PIERCECHEMIC
AL社製)のようなアルコール型非イオン性界面活性
剤;CHAPS、CHAPSO、BIGCHAP、DE
OXY−BIGCHAP(以上全て商品名;PIERC
ECHEMICAL社製)などのコール酸型非イオン性
界面活性剤;ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、オ
クチル−β−D−グルコピラノシド、オクチル−β−グ
ルコシド、オクチル−β−チオグルピラノシド、オクチ
ルグルコピラノシドなどのグリコシド型非イオン性界面
活性剤;N−ラウロイルサルコシン、N−ラウロイルサ
ルコシンナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸リチウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどの陰イオ
ン界面活性剤;サポニン、オタネニンジンサポニン類、
グリチルリチン、グリチルリチン酸またはサイコサポニ
ン類などのサポニン類が挙げられるが、ポリオキシエチ
レンエーテル型非イオン性界面活性剤またはアルコール
型非イオン性界面活性剤を使用するのが望ましく、トリ
トンX−100(商品名)、トリトンX−114(商品
名)またはノニデットp−40(商品名)を使用するの
が特に望ましい。これら細胞膜を損傷する薬剤は単独で
あるいは混用して使用することができる。
【0011】細胞膜を損傷する薬剤を作用させる場合、
該薬剤は所定の濃度の溶液として、静置された細胞など
を含有する培養液中に滴下されたり、攪拌されている培
養液中に滴下されたりすることで作用させることができ
る。また該薬剤を所定の濃度で含有する液体中に、細胞
などを含有する培養液を静かに加えたり、あるいは攪拌
下に培養液を加えて、混合することもできる。こうした
場合、例えばピペット、注射器(シリンジ)、ピペッタ
ー、分注器、スポイトなどを使用して添加を行うことが
できる。また、細胞は該細胞膜を損傷する薬剤に一時的
に接触、例えば該薬剤含有液に浸漬するだけでよいこと
もある。好ましくは、マイクロプロセッサーを備えた自
動化された装置を用いて予め決められた手順に従い該薬
剤の溶液を培養液中に所定量加えることにより行うこと
ができ、当該分野で知られた装置の中から選んで適宜利
用して用いることができる。
【0012】物理的方法によって細胞膜を損傷させた場
合、細胞膜を損傷するばかりでなく細胞内のDNA等ま
で破壊する場合があり、必要に応じて、処理条件を吟味
する。例えば、超音波を作用させる場合は、振動子を試
料に浸したり、振動子を取り付けたカップ状容器に試料
を入れるなどして処理することが可能である。また連続
処理の可能な装置を使用することもでき、当該分野で知
られた装置の中から選んで適宜利用して用いることがで
きる。さらに細胞膜を損傷させるには、浸透圧ショック
法、凍結融解法などを用いることも可能である。
【0013】また、測定値から直接細胞生存率を求める
ことができない場合は、必要に応じて、処理条件ごとに
検量線を新たに作成し、測定値を補正する。
【0014】死細胞の測定を行った後の測定試料中に存
在する生細胞の細胞膜を損傷させる処理を行い、細胞を
死滅させると、核酸蛍光染色剤がかつての生細胞内にも
侵入し、核酸と結合し蛍光を発する。従って、測定試料
からはかつての生細胞が発する蛍光の分だけ増強された
蛍光が発せられることになる。この増強された蛍光の強
度(Ft’)を蛍光測定計により測定することにより、
測定試料中に存在する全細胞数を定量することができ
る。そして全細胞数から死細胞数を減じることにより生
細胞数を定量することができる。具体的にはFt=F
t’−Fb’およびFl=Ft−Fd=(Ft’−F
b’)−(Fd’−Fb)という計算式により、全細胞
数に相当する蛍光強度(Ft)および生細胞数に相当す
る蛍光強度(Fl)をそれぞれ求め、これらの値から全
細胞数および生細胞数即ち生存細胞数を検量線などによ
って定量することができる。なお、Fb’は細胞毒性を
評価すべき対象、培養液、核酸蛍光染色剤および細胞膜
を損傷する薬剤に由来するバックグラウンドの蛍光強度
である。細胞膜を損傷するために、界面活性剤を作用さ
せた場合には、Fb=Fb’となる場合が多いので、そ
ういった場合にはFl=Ft’−Fd’という計算式に
よりFlを求めることができる。
【0015】同一条件の測定試料を何点か用意し、その
中の半数の試料につき前記方法で前記死細胞数を測定
し、一方残りの半数の試料に核酸蛍光染色剤を作用させ
る処理および細胞膜を損傷させる処理を施し、前記方法
の場合と同様に全細胞数を求める。このようにして求め
た全細胞数から死細胞数を減じることにより生存細胞数
を測定することもできる。この方法では死細胞数の測定
工程と全細胞数の測定工程とを並行することが可能なの
で効率のよい測定ができる。しかしながら、多くの試料
につき測定を行わなければならないこと、測定誤差が大
きくなるなどの問題点を生ずる可能性がある。一方、同
一試料について死細胞数の測定を行った後、全細胞数の
測定を行う場合、先の測定工程と後の測定工程の時間間
隔が問題となる。該時間間隔は測定すべき細胞種、核酸
蛍光染色剤、細胞膜を損傷する薬剤などの各種条件によ
って異なるが、短時間がよく、望ましくは2時間以内で
あり、さらに望ましくは一時間以内である。従って、測
定すべき細胞種、核酸蛍光染色剤、細胞膜を損傷する薬
剤などの各種条件を考慮して、いずれの方法が、それら
の条件にもっとも適した測定法であるかを選択するのが
望ましい。
【0016】細胞生存率は定量された全細胞数および生
存細胞数の値から算出できる。また、死細胞数が殆ど0
と推定される場合、Fl≒Ftとなるので、核酸蛍光染
色剤と細胞膜を損傷する薬剤とを一度に同時に作用させ
て蛍光強度を測定すると、一回の蛍光測定だけで全細胞
数即ち生存細胞数が定量できる。なお、医薬品、農薬、
化粧品、食品などでは、生存細胞数および細胞生存率の
値によって、それらのおよぼす細胞毒性を評価する場合
があり、例えば生存細胞数から50%の細胞が死細胞と
なる薬剤等の濃度IC50を求める場合があるが、本発明
の方法によれば、それらの細胞毒性を簡便かつ効率的に
評価することができる。 本発明では、生存細胞数を算
出することなく、直接細胞生存率を測定することが可能
である。
【0017】死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作
用させる処理を施した測定試料が発する蛍光の強度と、
該核酸蛍光染色剤を作用させる処理および細胞膜を損傷
させる処理を施した測定試料が発する蛍光の強度とをそ
れぞれ測定する第1工程(本工程は各測定前に施される
各々の処理を含む)並びに両強度を対比する第2工程よ
り成る一連の工程における各操作を組み合わせてシステ
ム化し、生存細胞数または細胞の生存率を出力する機能
を有する測定器により本発明を行うことができる。該測
定器においては、前記システム第1工程各測定前に施さ
れる各々の処理を行うべく予め死細胞のみを染色する核
酸蛍光染色剤と細胞膜を損傷する薬剤とをセットしたシ
ステムを利用して本発明を行うのが望ましい。このよう
な測定器には、生存細胞数測定用キットおよび/または
細胞生存率測定用キットを適用できるので、本発明の生
存細胞数および/または細胞生存率の測定を効率的に行
うことができる。本発明の測定を自動的に行う装置とし
ては、例えば第1図に示した装置や第2図に示した装置
が挙げられる。なお該装置では、生存細胞数測定装置と
表現しているが、細胞生存率測定装置、あるいは生存細
胞数および/または細胞生存率測定装置というものと理
解してもよい。本明細書および特許請求の範囲において
は該装置は広い意味で理解されるべきである。
【0018】第1図において、同一試料について死細胞
数の測定を行った後、全細胞数の測定を行う方法で本発
明を行う場合の生存細胞数測定装置の一例が示してあ
る。このように該装置は、その装置内に組み込まれた分
光蛍光光度計からなるもので、そこでは攪拌装置付き測
定キュベット(6)、励光側分光器(14)、蛍光分光
器(15)、光源(10)、レンズ(5、9および1
1)、偏光板(4および12)および光電子倍増管(1
3)によって構成されている。図中の1は細胞膜を損傷
する薬剤、3は死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を
示し、それぞれの薬剤は装置中のタンクまたは脱着可能
な容器内にセットされている。これらタンクまたは脱着
可能な容器内にセットされた薬剤は、薬剤注入器(2)
により攪拌装置付き測定キュベット(6)中に注入する
ことができる。装置には適宜制御のためのバルブやポン
プ(図示されていない)が備え付けられている。また、
必要に応じて洗浄ポンプ、排液ポンプ、切替えバルブ、
攪拌用エアーポンプ、ノズルなどが備え付けられている
こともできる。また、図中の7は、アナログ信号をデジ
タル信号に変換する装置を示し、8は制御システムであ
る。また測定キュベット(6)は、必要に応じて連続的
に移動しうるようにされ、複数のキュベットについて自
動的に測定が行えるようにしてあることができる。測定
キュベット(6)は、恒温槽に保持されるようになって
いることもできる。さらに、測定キュベット(6)を固
定し、薬剤注入器および分光蛍光光度計が必要に応じて
連続的に移動しうるようにして、自動的に測定を行うこ
とができる。
【0019】第2図において、同一条件の測定試料を何
点か用意し、その中の半数の試料につき前記方法で前記
死細胞数を測定し、一方残りの半数の試料に核酸蛍光染
色剤を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を
施し、前記方法の場合と同様に死細胞数を求める場合の
試料について死細胞数の測定を行った後、全細胞数の測
定を行う方法で本発明を行う場合の生存細胞数測定装置
の一例が示してある。このように該装置は、その装置内
に組み込まれた分光蛍光光度計からなるもので、そこで
はプレート攪拌器付き96ウェルマイクロプレート(1
6)、励光側分光器(14)、蛍光分光器(15)、光
源(10)、レンズ(5、9および11)、偏光板(4
および12)および光電子倍増管(13)によって構成
されている。図中の21は細胞希釈懸濁液であり、装置
中のタンクまたは脱着可能な容器内にセットされてい
る。均一濃度の懸濁液を各ウェルへ供給するために、タ
ンクまたは脱着可能な容器内には攪拌器が取り付けられ
ている。また、1は細胞膜を損傷する薬剤、3は死細胞
のみを染色する核酸蛍光染色剤であり、それぞれの薬剤
は装置中のタンクまたは脱着可能な容器内にセットされ
ている。これらタンクまたは脱着可能な容器内にセット
された懸濁液または薬剤は、分注器(22)によってプ
レート攪拌器付き96ウェルマイクロプレート(16)
中の各ウェルへ分注することができる。分注器(22)
の先端部分にはディスポーザブルチップまたはノズルが
装着されており、必要に応じてこれらは交換又は洗浄が
可能である。また、分注器(22)の先端部分は分岐し
ていてもよく、複数の試料ウェルに同に薬剤を分注する
ことが可能である。図中の7は、アナログ信号をデジタ
ル信号に変換する装置であり、8は制御システムであ
る。該マイクロプレート(16)は、必要に応じて連続
的に移動しうるようにされ、複数のマイクロプレートに
ついて自動的に測定が行えるようにしてあることができ
る。さらに、該マイクロプレートを固定し、分注器(2
2)および分光蛍光光度計が必要に応じて連続的に移動
しうるようにして、自動的に測定を行うことができる。
【0020】同一試料について死細胞数の測定を行った
後、全細胞数の測定を行う方法で本発明を行う場合に
は、第1図に示した装置を用いて測定を行うと効率的で
ある。この装置の使用方法の一例を以下に示す。 〔1〕培養液中の細胞などの測定試料を、攪拌器がセッ
トされた測定用キュベット(6)にセットし、攪拌す
る。また、死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤(3)
および細胞膜を損傷する薬剤(1)は予め装置中のタン
ク内にセットしてある。 〔2〕死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤(3)を薬
剤注入器(2)によって、測定試料がセットされた測定
用キュベット(6)に注入し測定試料を染色する。その
後、このものが発する蛍光の強度を分光蛍光光度計にて
測定する。測定結果はアナログ信号からデジタル信号に
変換され、制御システム(8)に送られる。なお、死細
胞のみを染色する核酸蛍光染色剤(3)の使用量は、蛍
光強度測定の制御システム(8)と連動して自動的に制
御される。 〔3〕〔2〕の測定終了後の測定キュベット(6)に
は、細胞膜を損傷する薬剤(1)が薬剤注入器(2)に
よって注入され、測定試料中の全ての細胞が死細胞とさ
れる。その後、このものが発する蛍光の強度を分光蛍光
光度計にて測定する。測定結果はアナログ信号からデジ
タル信号に変換され、制御システム(8)に送られ、
〔2〕の測定結果と対比して、細胞生存率が測定され
る。また必要に応じて細胞数が既知であり且つ適当な細
胞数であるいくつかの試料について前記の測定を行い、
本装置に検量線を与え、細胞数が不明な試料について生
存細胞数等を測定することができる。
【0021】同一条件の測定試料を何点か用意し、その
中の半数の試料につき前記方法で前記死細胞数を測定
し、一方残りの半数の試料に核酸蛍光染色剤を作用させ
る処理および細胞膜を損傷させる処理を施し、前記方法
の場合と同様に全細胞数を求める場合には、第2図に示
した装置を用いて測定を行うと効率的である。この装置
の使用方法の一例を以下に示す。 〔1〕同一条件の測定試料を用意するため、測定試料を
細胞希釈懸濁液(21)として分注器(22)により、
プレート攪拌器付き96ウェルマイクロプレート(1
6)の各々のウェルに分注する。分注後、マイクロプレ
ートをプレート攪拌器で攪拌する。また、死細胞のみを
染色する核酸蛍光染色剤(3)および細胞膜を損傷する
薬剤(1)は予め装置中のタンク内にセットしてある。 〔2〕細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤(3)を分注
器(22)によって、測定試料がセットされた96ウェ
ルマイクロプレート(16)に分注し測定試料を染色す
る。その後、各々のウェル中の試料が発する蛍光の強度
を分光蛍光光度計にて測定する。測定結果はアナログ信
号からデジタル信号に変換され、制御システム(8)に
送られる。なお、死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤
(3)の使用量は、蛍光強度測定の制御システム(8)
と連動して自動的に制御される。なお、分注器には薬剤
ごとに別々の分注管がついており、1回の操作で複数の
ウェルに薬剤を分注することができる。 〔3〕細胞膜を損傷する薬剤(1)および死細胞のみを
染色する核酸蛍光染色剤(3)をそれぞれ分注器によっ
て、〔2〕の測定で使用したものと同一条件の測定試料
がセットされた96ウェルマイクロプレート(16)に
分注し、測定試料中の細胞を全て死細胞とすると同時に
染色する。その後、各々のウェル中の試料が発する蛍光
の強度を分光蛍光光度計にて測定する。測定結果はアナ
ログ信号からデジタル信号に変換され、制御システム
(8)に送られる。なお、細胞膜を損傷する薬剤(1)
および死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤(3)の使
用量は、蛍光強度測定の制御システム(8)と連動して
自動的に制御される。測定結果はアナログ信号からデジ
タル信号に変換され、制御システム(8)に送られ、
〔2〕の測定結果と対比して、細胞生存率が測定され
る。また必要に応じて細胞数が既知であり且つ適当な細
胞数であるいくつかの試料について前記の測定を行い、
本装置に検量線を与え、細胞数が不明な試料について生
存細胞数等を測定することができる。
【0022】このように本発明に従えば、(a)死細胞
のみを染色する核酸蛍光染色剤を測定対象試料に供給す
る手段、(b)該核酸蛍光染色剤を作用させた測定対象
試料が発する蛍光の強度を測定する手段、(c)細胞膜
を損傷させることを可能にする手段、(d)死細胞のみ
を染色する核酸蛍光染色剤を作用させ且つ細胞膜を損傷
させる処理を施した測定対象試料が発する蛍光の強度を
測定する手段を、少なくとも備えており且つ測定された
各々の蛍光の強度につき上記(b)と上記(d)の両強
度を対比する手段を備えていることを特徴とする生存細
胞数および/または細胞生存率の測定装置が提供される
が、こうした装置のうちの各構成要素は、自動化された
免疫測定装置、自動化された生化学的測定装置などの分
野で知られたもののうちから選んで適用して使用するこ
ともできるし、あるいは必要に応じて適宜改変を加えて
使用することもできる。好ましくはプログラムされたコ
ンピューター、例えばマイクロコンピューターによっ
て、上記(a)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を
測定対象試料に供給する手段、(b)該核酸蛍光染色剤
を作用させた測定対象試料が発する蛍光の強度を測定す
る手段、(c)細胞膜を損傷させることを可能にする手
段、(d)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作用
させ且つ細胞膜を損傷させる処理を施した測定対象試料
が発する蛍光の強度を測定する手段、及び測定された各
々の蛍光の強度につき上記(b)と上記(d)の両強度
を対比する手段のいずれか一あるいはその内の複数、も
しくは全部が制御されているものが挙げられる。
【0023】なお、本発明の生存細胞数および/または
細胞生存率の測定法並びに生存細胞数および/または細
胞生存率測定用キットにおいては、前記した種々の死細
胞のみを染色する核酸蛍光染色剤と前記した種々の細胞
膜を損傷する薬剤とをそれぞれ相互に組み合わせて使用
することができるが、前記した種々の死細胞のみを染色
する核酸蛍光染色剤と前記した種々の界面活性剤とを組
み合わせて使用するのが望ましい。また、死細胞のみを
染色する核酸蛍光染色剤と前記した種々の界面活性剤を
必要に応じて予め混合したものを使用することもでき
る。
【0024】さらに、前記第1図または第2図で示され
る生存細胞数測定装置(あるいは生存細胞数および/ま
たは細胞生存率測定装置)に対応する前記生存細胞数お
よび/または細胞生存率測定用キットの望ましい形態の
一つとして、死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤およ
び細胞膜を損傷する薬剤のそれぞれが、該生存細胞数測
定装置の脱着可能な容器に予め充填されているものが挙
げられる。この場合、該染色剤、該薬剤はそれぞれ別の
該脱着可能な容器に充填されるが、必要に応じて同一の
該脱着可能な容器に充填されてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態のうちい
くつかを例示する。 〔1〕. 死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作用
させた測定試料が発する蛍光の強度と、該核酸蛍光染色
剤を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を施
した測定試料が発する蛍光の強度とを各々測定し、両強
度を対比することを特徴とする生存細胞数および/また
は細胞生存率の測定方法。 〔2〕. (i) 測定試料に対し死細胞のみを染色する核
酸蛍光染色剤を作用させ、その結果発せられる蛍光の強
度を測定した後、(ii)次いで、この試料の細胞膜を損傷
させる処理を施し、細胞を死滅させることにより増強さ
れた蛍光の強度を測定する上記〔1〕記載の測定方法。 〔3〕. (i) 測定試料に対し死細胞のみを染色する核
酸蛍光染色剤を作用させ、このものが発する蛍光の強度
を測定し、(ii)別の測定試料に対し該核酸蛍光染色剤を
作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を施し、
このものが発する蛍光の強度を測定する上記〔1〕記載
の測定方法。 〔4〕. 前記核酸蛍光染色剤が、陽イオン性核酸蛍光
染色剤である上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の測
定方法。 〔5〕. 細胞膜を損傷する薬剤を用いて細胞膜を損傷
させる上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一記載の測定方
法。 〔6〕. 細胞膜を損傷する薬剤が界面活性剤である上
記〔5〕記載の測定方法。 〔7〕. 死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作用
させた測定試料が発する蛍光の強度と、該核酸蛍光染色
剤を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を施
した測定試料が発する蛍光の強度とを各々測定し、両強
度を対比することから成る一連の工程中の各々の操作を
自動化された装置にて行う上記〔1〕〜〔6〕のいずれ
か一記載の測定方法。 〔8〕. 死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作用
させた測定試料が発する蛍光の強度と、該染色剤および
細胞膜を損傷する薬剤を作用させた測定試料が発する蛍
光の強度とを各々測定し、両強度を対比することで生存
細胞数および/または細胞生存率の測定を行うための死
細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤および細胞膜を損傷
する薬剤とから構成された生存細胞数および/または細
胞生存率測定用キット。
【0026】
〔9〕. 前記核酸蛍光染色剤がエチジウ
ム ホモダイマーまたは死細胞のみを染色するシアニン
系核酸蛍光染色剤である上記〔1〕〜〔3〕のいずれか
一記載の測定方法。 〔10〕. 前記核酸蛍光染色剤が死細胞のみを染色す
るシアニン系核酸蛍光染色剤である上記〔1〕〜〔3〕
のいずれか一記載の測定方法。 〔11〕. 細胞膜を損傷する薬剤がポリオキシエチレ
ン型非イオン性界面活性剤またはアルコール型非イオン
性界面活性剤である上記〔5〕、〔6〕、
〔9〕及び
〔10〕のいずれか一記載の測定方法。 〔12〕. 細胞膜を損傷する薬剤がトリトンX−10
0(商品名)、トリトンX−114(商品名)またはノ
ニデットp−40(商品名)から選ばれる少なくとも1
種の界面活性剤である上記〔5〕、〔6〕、
〔9〕及び
〔10〕のいずれか一記載の測定方法。 〔13〕. 前記核酸蛍光染色剤が、陽イオン性核酸蛍
光染色剤である上記〔8〕記載の生存細胞数および/ま
たは細胞生存率測定用キット。 〔14〕. 前記核酸蛍光染色剤がエチジウム ホモダ
イマーまたは死細胞のみを染色するシアニン系核酸蛍光
染色剤である上記〔8〕記載の生存細胞数および/また
は細胞生存率測定用キット。 〔15〕. 前記核酸蛍光染色剤が死細胞のみを染色す
るシアニン系核酸蛍光染色剤である上記〔8〕記載の生
存細胞数および/または細胞生存率測定用キット。 〔16〕. 細胞膜を損傷する薬剤がポリオキシエチレ
ン型非イオン性界面活性剤またはアルコール型非イオン
性界面活性剤である上記〔8〕、〔13〕、〔14〕及
び〔15〕のいずれか一記載の生存細胞数および/また
は細胞生存率測定キット。 〔17〕. 細胞膜を損傷する薬剤がトリトンX−10
0(商品名)、トリトンX−114(商品名)またはノ
ニデットp−40(商品名)から選ばれる少なくとも1
種の界面活性剤である上記〔8〕、〔13〕、〔14〕
及び〔15〕のいずれか一記載の生存細胞数および/ま
たは細胞生存率測定用キット。 〔18〕. (a)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色
剤を測定対象試料に供給する手段、(b)該核酸蛍光染
色剤を作用させた測定対象試料が発する蛍光の強度を測
定する手段、(c)細胞膜を損傷させることを可能にす
る手段、(d)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を
作用させ且つ細胞膜を損傷させる処理を施した測定対象
試料が発する蛍光の強度を測定する手段を、少なくとも
備えており且つ測定された各々の蛍光の強度につき上記
(b)と上記(d)の両強度を対比する手段を備えてい
ることを特徴とする生存細胞数および/または細胞生存
率の測定装置。 〔19〕. (i) 測定試料に対し死細胞のみを染色する
核酸蛍光染色剤を作用させ、その結果発せられる蛍光の
強度を測定した後、(ii)次いで、この試料の細胞膜を損
傷させる処理を施し、細胞を死滅させることにより増強
された蛍光の強度を測定することを行うことを特徴とす
る上記〔18〕記載の測定装置。 〔20〕. 上記(i) 及び(ii)を自動化された形態で行
うようにされたことを特徴とする上記〔18〕または
〔19〕記載の測定装置。 〔21〕. マイクロプロセッサーを使用して予め保存
されているプログラムに従い自動的に制御されて各処理
が行われるようにされたことを特徴とする上記〔20〕
記載の測定装置。 〔22〕. (a)細胞膜を損傷する薬剤を保持する装
置、(b)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を保持
する装置、(c)上記装置(a)あるいは(b)からの
薬剤を測定対象試料に供給する薬剤注入器、(d)測定
対象試料を保持できる攪拌装置付き測定キュベットある
いはマイクロプレートなどの容器、及び(e)分光蛍光
光度計を備えることを特徴とする上記〔18〕〜〔2
1〕のいずれか一記載の測定装置。 〔23〕. (a)同一の測定対象試料に対して、(i)
死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作用させ、その
結果発せられる蛍光の強度を測定した後、(ii)次いで、
この試料の細胞膜を損傷させる処理を施し、細胞を死滅
させることにより増強された蛍光の強度を測定すること
を行うことを可能にする装置、あるいは(b)(i) ある
測定対象試料に対して死細胞のみを染色する核酸蛍光染
色剤を作用させ、その結果発せられる蛍光の強度を測定
し、(ii)それとは別の測定対象試料に対して該死細胞の
みを染色する核酸蛍光染色剤を作用させ且つ細胞膜を損
傷させる処理を施し、その結果発せられる蛍光の強度を
測定することを行うことを可能にする装置を備えること
を特徴とする上記〔18〕記載の測定装置。
【0027】〔24〕. 毒性評価の求められる物質を
細胞に作用せしめ、次に得られた測定試料に死細胞のみ
を染色する核酸蛍光染色剤を作用させ、該測定試料が発
する蛍光の強度と、該核酸蛍光染色剤を作用させる処理
および細胞膜を損傷させる処理を施した測定試料が発す
る蛍光の強度とを各々測定し、両強度を対比することに
より、生存細胞数および/または細胞生存率を測定する
ことを特徴とする物質の毒性評価方法。 〔25〕. (i) 毒性評価の求められる物質を細胞に作
用せしめ、(ii)得られた測定試料に対し死細胞のみを染
色する核酸蛍光染色剤を作用させ、その結果発せられる
蛍光の強度を測定した後、(iii) 次いで、この試料の細
胞膜を損傷させる処理を施し、細胞を死滅させることに
より増強された蛍光の強度を測定する上記〔24〕記載
の毒性評価方法。 〔26〕. (i) 毒性評価の求められる物質を細胞に作
用せしめ、(ii)測定試料に対し死細胞のみを染色する核
酸蛍光染色剤を作用させ、このものが発する蛍光の強度
を測定し、(iii) 別の測定試料に対し該核酸蛍光染色剤
を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を施
し、このものが発する蛍光の強度を測定する上記〔2
4〕記載の毒性評価方法。
【0028】
【実施例】本発明をより詳しく述べるため、以下に実施
例を記載するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
【0029】実施例1(細胞生存率の測定) (1)方法、結果 MOLT−4細胞(ヒト急性リンパ芽球性白血病細
胞:大阪大学微生物研究所より入手)を37℃、5%二
酸化炭素、飽和水蒸気条件下、シャーレ上で培養した。
培養液は10%牛胎児血清を含むRPMI液(GIBC
O社製、No.31800−071;以下培養液と記載
する)を使用した。 細胞濃度が高密度になった時適宜培養液を交換したシ
ャーレ上の試料(良い培養条件下の試料)と、培養液の
交換なしに培養を行ったシャーレ上の試料2点(悪い培
養条件下(1)および(2)の試料)を細胞生存率測定
用試料とした。 各試料をシャーレから採取し、蛍光測定用キュベット
に入れ、回転攪拌子で攪拌しながら以下の測定を行っ
た。なお、蛍光強度の測定は、分光蛍光光度計(日立F
−4000型)にて、励起波長420nm、蛍光放射波
長460nmの測定条件下で行った。 先ず、PO−PRO−1 Iodide(商品名;M
olecular Probes社製、No.P−35
81)を添加し(最終濃度2.5μM)、Fd’を測定
した。引き続き、同じ測定系にトリトンX−100(商
品名;PIERCE CHEMICAL社製)を添加し
(最終濃度0.05%)、Ft’を測定し、前述の計算
式より細胞生存率を求め結果を第1表に示した。 比較のため、各試料につきトリパンブルー染色法によ
る細胞生存率を顕微鏡下で測定し、結果を表1に示し
た。トリパンブルー染色法による測定値は、実施例1の
測定値とほぼ同一の値を示し、本発明による方法は細胞
生存率の測定に十分適用できることが判明した。なお、
この測定は第1図に示した装置により自動化しても行う
ことが可能である。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2(核酸蛍光染色剤と細胞との反応
の定量性) (1)方法および結果 MOLT−4、HL−60(ヒト前骨髄性白血病細
胞)、U937(ヒト組織球性リンパ腫細胞)、HT−
1080(ヒト繊維肉腫細胞)を測定用試料として使用
した。MOLT−4以外は、大日本製薬より入手した。 測定用試料の細胞濃度を培養液で2倍ずつ希釈して、
細胞希釈懸濁液を作製し、96ウェルのマイクロプレー
トの各ウェルに180μlずつ分注した。 各ウェルに10μlずつPO−PRO−1 Iodi
de(商品名)を添加し(最終濃度2.5μM)、更に
各ウェルに10μlずつトリトンX−100(商品名)
を添加し(最終濃度0.05%)、プレート攪拌器にて
約30秒間攪拌後、蛍光測定を行い、結果を第3図およ
び第4図に示した。
【0032】第3図は、浮遊性細胞の細胞数と蛍光強度
との間に比例関係があることを示している。HL−60
およびU−937は、細胞数1.25×104 〜4×1
5個の範囲内で細胞数と蛍光強度との間に比例関係が
ある。また、MOLT−4は、細胞数1.25×104
〜2×105 個の範囲内で細胞数と蛍光強度との間に比
例関係がある。
【0033】第4図は、接着性細胞の細胞数と蛍光強度
との間に比例関係があることを示している。HT−10
80は、細胞数300〜1×105 個の範囲内で細胞数
と蛍光強度との間に比例関係がある。 なお、蛍光強度
の測定は励起波長420nm、蛍光放射波長460nm
の測定条件下で、MTP−32コロナマイクロプレート
リーダー(コロナ電気社製)にて行った。この測定は第
2図に示した装置により自動化しても行うことが可能で
ある。
【0034】(2)考察 第3図および第4図の結果から、浮遊性細胞と接着性細
胞とは異なった測定範囲で蛍光強度を測定する必要があ
るものの、細胞数と蛍光強度との間には比例関係がある
ため、本方法により正確に生存細胞数が測定できること
が判明した。
【0035】実施例3(薬剤による細胞毒性の評価) (1)方法および結果 抗癌剤であるマイトマイシンC(協和醗酵工業製)を
培養液にて希釈し、96ウェルのマイクロプレートに各
ウェル当たり50μlずつ分注した。 続いて、MOLT−4細胞を各ウェル当たり3×10
4 個/150μlずつ分注した。 各ウェルを37℃、5%炭酸ガス、飽和水蒸気条件下
で2日間培養し、以下の測定を行った。尚、蛍光測定は
MTP−32蛍光測定器(コロナ電気社製)を使用し
た。 各ウェルに10μlずつPO−PRO−1 Iodi
de(商品名)を添加し(最終濃度2.5μM)、プレ
ート攪拌器にて約30秒間攪拌後、蛍光測定を行いF
d’を求めた。 更に各ウェルに10μlずつトリトンX−100(商
品名)を添加し(最終濃度0.05%)、プレート攪拌
器にて約30秒間攪拌後、蛍光測定を行いFt’を求め
た。 前述した計算式により、生存細胞数と細胞生存率を算
出し、結果を第2表に示した。 比較のため、各試料につきCancer Resea
ch、47巻、936〜942頁、1987年を参考に
MTTアッセイ法による生存細胞数を測定し、結果を表
2に示した。また、本発明による方法とMTTアッセイ
法による生存細胞数の測定ステップの概略を表3に示し
た。なお、本発明による前記の測定は第2図に示した装
置により自動化しても行うことが可能である。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】(2)考察 第2表に示す如く、マイトマイシンCの細胞毒性は本発
明による方法において、IC50値が2.2μg/mlと算
定された。この値は、現在薬剤の細胞毒性評価に最も汎
用されているMTT法による測定値(5.5μg/ml)と
対比すれば、μg/mlのオーダーに止まり、当該技術分野
では許容される数値差であった。以上のことから、本発
明による方法は、薬剤による細胞毒性評価に十分適用で
きることが判明した。更に本発明は、各薬剤濃度におい
ての細胞生存率が同時に算定可能であり、薬効を評価す
る上で多くの情報が得られるという利点がある。一方、
測定に要する時間は第3表の如く、本発明による方法で
は約5分で完了し、既存のMTT法(3時間20分)と
比べ飛躍的な時間短縮が可能となった。また、操作性の
面においても、本発明による方法は、遠心分離、洗浄操
作、色素溶解が不要であり一層簡便性が増している。
【0039】実施例4(超音波による細胞膜の損傷) (1)方法、結果 5×106 個のMOLT−4細胞を含む40mlの培
養液を測定試料として蛍光測定用キュベットに分取し、
超音波破砕器(SONICATOR ULTRASON
IC PROCESSOR,Model W−225,
Serial No.G6453,20kHz,HEA
T SYSTEMS−ULTRASONIC IN
C.)で10秒間処理した(破砕強度レベル3)。 超音波処理を施したキュベット中の試料を、回転攪拌
子で攪拌しながら以下の測定を行った。なお、蛍光強度
の測定は、分光蛍光光度計(日立F−4000型)に
て、励起波長420nm、蛍光放射波長460nmの測
定条件下で行った。 先ず、PO−PRO−1 Iodide(商品名;M
olecular Probes社製、No.P−35
81)を添加し(最終濃度2.5μM)、蛍光強度を測
定したところ、410(バックグラウンドの蛍光強度は
10)であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、死細胞のみを染色する
核酸蛍光染色剤と細胞膜を損傷する薬剤を使用すること
により、多検体の生存細胞数および/または細胞生存率
を簡便かつ迅速な上正確に測定することができ、医薬、
農薬、化粧品、食品などの細胞毒性の評価などに利用で
きる。またその細胞毒性の評価も簡便かつ迅速に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は生存細胞数測定装置の一例を示す図で
ある。
【図2】第2図は生存細胞数測定装置の別の一例を示す
図である
【図3】第3図は浮遊性細胞の細胞数と蛍光強度との関
係を示す図である。
【図4】第4図は接着性細胞の細胞数と蛍光強度との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 細胞膜を損傷する薬剤 2 薬剤注入器 3 死細胞のみを染色する核酸蛍光染色 4、12 偏光板 5、9、11 レンズ 6 攪拌装置付き測定キュベット 7 アナログ信号をデジタル信号に変換する装置 8 制御システム 10 光源 13 光電子倍増管 14 励光側分光器 15 蛍光分光器 16 プレート攪拌器付き96ウェルマイクロプレート 21 細胞懸濁液 22 分注器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作
    用させた測定試料が発する蛍光の強度と、該核酸蛍光染
    色剤を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を
    施した測定試料が発する蛍光の強度とを各々測定し、両
    強度を対比することを特徴とする生存細胞数および/ま
    たは細胞生存率の測定方法。
  2. 【請求項2】(i) 測定試料に対し死細胞のみを染色する
    核酸蛍光染色剤を作用させ、その結果発せられる蛍光の
    強度を測定した後、(ii)次いで、この試料の細胞膜を損
    傷させる処理を施し、細胞を死滅させることにより増強
    された蛍光の強度を測定することを特徴とする請求項1
    記載の測定方法。
  3. 【請求項3】(i) 測定試料に対し死細胞のみを染色する
    核酸蛍光染色剤を作用させ、このものが発する蛍光の強
    度を測定し、(ii)別の測定試料に対し該核酸蛍光染色剤
    を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を施
    し、このものが発する蛍光の強度を測定することを特徴
    とする請求項1記載の測定方法。
  4. 【請求項4】前記核酸蛍光染色剤が、陽イオン性核酸蛍
    光染色剤である請求項1乃至3のいずれか一記載の測定
    方法。
  5. 【請求項5】前記核酸蛍光染色剤がエチジウム ホモダ
    イマーまたは死細胞のみを染色するシアニン系核酸蛍光
    染色剤である請求項1乃至4のいずれか一記載の測定方
    法。
  6. 【請求項6】細胞膜を損傷する薬剤を用いて細胞膜を損
    傷させる請求項1乃至5のいずれか一記載の測定方法。
  7. 【請求項7】細胞膜を損傷する薬剤が界面活性剤である
    請求項6記載の測定方法。
  8. 【請求項8】細胞膜を損傷する薬剤がポリオキシエチレ
    ン型非イオン性界面活性剤またはアルコール型非イオン
    性界面活性剤である請求項6または7記載の測定方法。
  9. 【請求項9】死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を作
    用させた測定試料が発する蛍光の強度と、該核酸蛍光染
    色剤を作用させる処理および細胞膜を損傷させる処理を
    施した測定試料が発する蛍光の強度とを各々測定し、両
    強度を対比することから成る一連の工程中の各々の操作
    を自動化された装置にて行う請求項1乃至8のいずれか
    一記載の測定方法。
  10. 【請求項10】死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を
    作用させた測定試料が発する蛍光の強度と、該染色剤お
    よび細胞膜を損傷する薬剤を作用させた測定試料が発す
    る蛍光の強度とを各々測定し、両強度を対比することで
    生存細胞数および/または細胞生存率の測定を行うため
    の死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤および細胞膜を
    損傷する薬剤から構成される生存細胞数および/または
    細胞生存率測定用キット。
  11. 【請求項11】(a)死細胞のみを染色する核酸蛍光染
    色剤を測定対象試料に供給する手段、(b)該核酸蛍光
    染色剤を作用させた測定対象試料が発する蛍光の強度を
    測定する手段、(c)細胞膜を損傷させることを可能に
    する手段、(d)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤
    を作用させ且つ細胞膜を損傷させる処理を施した測定対
    象試料が発する蛍光の強度を測定する手段を、少なくと
    も備えており且つ測定された各々の蛍光の強度につき上
    記(b)と上記(d)の両強度を対比する手段を備えて
    いることを特徴とする生存細胞数および/または細胞生
    存率の測定装置。
  12. 【請求項12】(a)細胞膜を損傷する薬剤を保持する
    装置、(b)死細胞のみを染色する核酸蛍光染色剤を保
    持する装置、(c)上記装置(a)あるいは(b)から
    の薬剤を測定対象試料に供給する薬剤注入器、(d)測
    定対象試料を保持できる容器、および(e)分光蛍光光
    度計を備えることを特徴とする請求項11記載の測定装
    置。
JP35904696A 1995-12-29 1996-12-27 生存細胞数の測定方法 Pending JPH1099096A (ja)

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