JPH11100309A - パック剤 - Google Patents

パック剤

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JPH11100309A
JPH11100309A JP21286598A JP21286598A JPH11100309A JP H11100309 A JPH11100309 A JP H11100309A JP 21286598 A JP21286598 A JP 21286598A JP 21286598 A JP21286598 A JP 21286598A JP H11100309 A JPH11100309 A JP H11100309A
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water
pack
weight
copolymer
resin component
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JP21286598A
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English (en)
Inventor
Takashi Azuma
孝 東
Shinichi Sato
眞市 左藤
Yasushi Hayashi
康 林
Kozo Sakai
幸三 酒井
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、皮膚表面の汚れ、中でも毛穴の汚
れ成分(角栓)を効果的に除去するに際し、皮膚表面か
ら剥離する際の痛みの問題と角栓の除去効果のバランス
のとれたパック剤を提供する。 【解決手段】 主剤としての樹脂成分が、アニオン性を
示すエチレン系不飽和単量体と、アニオン性あるいはノ
ニオン性を示すエチレン系不飽和単量体からなる水溶性
共重合体(A)単独、または樹脂成分中30重量%まで
のアニオン性あるいはノニオン性を示すエチレン系不飽
和単量体からなる水溶性単独重合体あるいは水溶性共重
合体(B)との組み合わせで、その樹脂成分が、濃度3
5重量%の水溶液において、25℃で3,000〜10
0,000mPa・Sの粘度と3.0〜5.5のpH値
を示すことからなるパック剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パック剤に関す
る。更に詳しくは、本発明は、皮膚表面の汚れ、中でも
毛穴の汚れ成分(角栓)を効果的に除去することができ
るパック剤に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、ピールオフタイプのパック剤として、様々な親水性
高分子化合物を含有した皮膜形成性のクリーム状組成物
が多く用いられている。これらのパック剤は指などによ
り皮膚表面に塗布した後、乾燥させ、形成した皮膜ごと
皮膚表面の汚れや余分な皮脂を除去することを主な機能
としている。しかし、従来のこれらパック剤の多くは、
保湿などの皮膚を健やかにする効果を主眼においている
ため、皮膚表面の垢や皮脂などの除去のような皮膚の清
浄化作用はある程度期待できるが、毛穴汚れのような、
皮膚内部にある、付着力が著しく強い汚れの除去効果は
十分とは言えなかった。また、例えば、ポリアクリル酸
を多価金属塩により架橋して作った含水ゲルを、不織布
上に積層してシート状とした、保湿機能に優れたパック
剤も報告されている(特開昭54−49334号公報、
特開昭59−93012号公報など)。これら公報も皮
膚表面の汚れの除去効果について言及してはいるが、こ
れら公報に記載されたパック剤は、接着力をむやみに上
げると、剥離時にゲルが破壊されるという問題があっ
た。更に、ゲル状のため毛穴内部には浸透せず、毛穴の
汚れを除去する性能が著しく劣っていた。上記パック剤
以外に、目的を鼻およびその周辺(特に小鼻のまわり)
の毛穴の汚れ除去に限定したパック剤が開発されてい
る。このパック剤は、使用部位が鼻およびその周辺に限
定されているので、通常のパック剤よりはるかに強い接
着力をもつ樹脂成分を使用することができる。そのた
め、毛穴の汚れ(角栓)を効果的に除去することができ
る。このようなパック剤として、粘着剤を使用するも
の、塩生成基を有する高分子化合物を使用するものなど
が知られている。それらのうち、粘着剤を使用したパッ
ク剤として、ポリアクリル酸エステル類などの粘着剤を
基材上に塗布したシート状のパック剤が知られている。
このパック剤は、基本的にシート表面の粘着剤に接触す
る部位の汚れの除去性能には優れているが、毛穴の奥の
汚れに対しては、粘着剤が接触しにくいため、除去効果
が大きいとは言えなかった。
【0003】一方、塩生成基を有する高分子化合物を使
用した角栓除去用のパック剤は、例えば、特開平5−9
7627号公報、特開平5−221843号公報、特開
平5−286842号公報などに記載されている。この
タイプのパック剤は、例えば、高分子化合物を水などの
溶剤に溶解させて鼻に塗布し、高分子化合物が乾燥した
後に剥離する方法で使用される。そのため、毛穴の奥に
まで高分子化合物が流れ込みやすく、かつ剥離時には乾
燥により皮膜が固化しているため、角栓の除去効果は高
められている。しかし、高分子化合物を鼻に直接塗布す
る場合、高分子化合物により形成された皮膜が、その強
い接着力により、被着体からの剥離時に破れて、パック
剤の除去がスムーズに行えないという問題がある。その
ため、不織布などの基材に高分子化合物を塗布してシー
トとし、それを鼻に貼付け、シートごと除去することも
考えられている(特開平7−330575号公報な
ど)。具体的には、シート状の基材上に高分子化合物を
塗布し、乾燥させて得られたパック剤を、水などの溶剤
で湿らせてから肌に添付し、高分子化合物が乾燥した後
に剥離する方法で使用される。しかし、これらのパック
剤をもってしても、皮膚表面から剥離する際の痛みの問
題と角栓の除去効果のバランスを取ることはかなり困難
であった。即ち、肌表面への接着力が強くても、痛みを
感じやすかったり、痛みはマイルドでも角栓の除去効果
は十分でなかったりした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであって、主剤としての樹脂
成分が、アニオン性を示すエチレン系不飽和単量体と、
アニオン性あるいはノニオン性を示すエチレン系不飽和
単量体からなる水溶性共重合体(A)単独、または樹脂
成分中30重量%までのアニオン性あるいはノニオン性
を示すエチレン系不飽和単量体からなる水溶性単独重合
体あるいは水溶性共重合体(B)(但し、(A)と同じ
水溶性共重合体との組み合わせを除く)との組み合わせ
で、その樹脂成分が、濃度35重量%の水溶液におい
て、25℃で3,000〜100,000mPa・Sの
粘度と3.0〜5.5のpH値を示すことからなるパッ
ク剤である。すなわち、本発明のパック剤は、皮膚に対
して粘着性を示し、毛穴への浸透性に優れ、毛穴中の角
栓に対して強い接着性を示し、かつ、乾燥につれて形成
される皮膜が皮膚に与える緊張感により適切な剥離タイ
ミングを掴みやすく、乾燥し過ぎによる痛みや、未乾燥
状態で剥離することによる失敗を防ぐなどの効果を有す
る。本発明によるパック剤は、主剤の樹脂成分として、
全体として特定のアニオン性の共重合体を使用すること
を特徴としている。ここで、カチオン性の重合体を使用
した場合、重合体の乾燥速度が非常に遅く、角栓が除去
できるまで(重合体が乾燥するまで)に時間がかかり、
利便性に問題がある。また、アニオン性の単独重合体の
みを使用した場合、この重合体をシート状に成膜する際
の乾燥時に皮膜が硬くなってしまう。そのため、使用時
にシートを皮膚の曲面に沿って粘着させることが困難で
ある。更に、水に浸し、その後皮膚への粘着力が得られ
るまに時間がかかり、しばらく押さえていなければなら
ず不便であるという問題がある。これに対して、本発明
のパック剤は、瞬時に粘着力が得られ使用時に短時間に
シートを皮膚の曲面に沿って粘着させることができ、ま
た、皮膚から剥離する際の痛みが和らげられ、かつ角栓
を効果的に除去することができる。
【0005】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の樹脂成分は、アニオン性を示すエチレン系不飽和単量
体とアニオン性あるいはノニオン性を示すエチレン系不
飽和単量体からなる水溶性共重合体(A)単独、または
樹脂成分中30重量%までのアニオン性あるいはノニオ
ン性を示すエチレン系不飽和単量体からなる水溶性単独
重合体あるいは水溶性共重合体(B)(但し、(A)と
同じ水溶性共重合体との組み合わせを除く)との組み合
わせからなる。まず、水溶性共重合体(A)について、
以下で説明する。水溶性共重合体(A)(以下、単に成
分(A)とも称する)は、共重合体自体が水溶性である
限り、それを構成する単量体のいずれか一方が水溶性で
なくてもよい。ここで、本発明において、水溶性共重合
体、水溶性単独重合体などにおいて用いた用語“水溶
性”とは、パック剤として皮膚ことに鼻に使用した状態
で、パック剤ならびに皮膚から由来する水分によって樹
脂成分としての共重合体または共重合体と単独重合体の
組み合わせにおいて、水に溶解した状態になりうること
を意味する。本発明の樹脂成分の粘度を特定した際に
は、35重量%の樹脂水溶液としているが、少なくとも
このような濃度では水溶液を示すことはいうまでもな
い。より好ましくは、アニオン性を示すエチレン系不飽
和単量体として、カルボキシル基を含むアクリル酸、メ
タクリル酸、(無水)フタル酸、マレイン酸、イタコン
酸などや、スルホン酸基を含むビニルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸など、およびこれら単量体の誘導体など
が挙げられる。
【0006】一方、上記単量体と共重合させるアニオン
性またはノニオン性を示すエチレン系不飽和単量体とし
ては、次のような単量体が挙げられる。まず、アニオン
性のエチレン系不飽和単量体としては、上記と同様の単
量体を使用することができる。ノニオン性を示すエチレ
ン系不飽和単量体としては、アクリルアミド、ビニルピ
ロリドンなどの水溶性単量体、その他に酢酸ビニル、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチルなどのエステル類、およびこれら
単量体の誘導体などが挙げられる。上記単量体は、所望
するパック剤の性質を実現するために適宜組み合わせて
使用することができる。なお、単一のアニオン性を示す
単量体を重合させた単独重合体の使用は、乾燥時に結晶
化により高分子間の結合が強くなり、皮膜強度が上がる
反面、乾燥時のしなやかさに欠ける傾向がある。しか
し、異なる単量体と共重合させた水溶性共重合体を使用
することで乾燥時もある程度のしなやかさを示すように
なる。ここで、水溶性共重合体として、メタクリル酸の
ような側鎖を有する単量体由来の成分を含む水溶性共重
合体は、よりしなやかさを与えることができる。また、
アニオン性の単量体同士からなる水溶性共重合体や、ア
ニオン性の単量体と水溶性のノニオン性の単量体との水
溶性共重合体は、皮膜のしなやかさと水溶性の程度のバ
ランスをとりやすいので好ましい。更に、アニオン性の
単量体と親水性でないアニオン性またはノニオン性の単
量体との水溶性共重合体は、親水性でない単量体由来の
成分により油性成分を多く含む角栓とのなじみが良好で
ある。但し、この場合、水溶性共重合体全体として、水
溶性を失わない範囲で共重合させることが必要である。
なお、水溶性共重合体のうち、上記アニオン性を示すエ
チレン系不飽和単量体由来の成分は、全部または部分的
に塩を形成していてもよい。塩の具体例としては、ナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられ
る。また、水溶性共重合体中に含まれる、アニオン性を
示すエチレン系不飽和単量体由来の成分の比率は、60
重量%以上であることが好ましい。この比率が60重量
%以上であれば、皮膚や皮膚表面の汚れ成分への十分な
接着力を得ることでき、角栓除去性能がより向上するか
らである。
【0007】上記水溶性共重合体を得るための単量体と
しては、アクリル酸と、メタクリル酸および/またはビ
ニルスルホン酸の組み合わせが特に好ましい。より具体
的には、水溶性共重合体は、アクリル酸と、メタクリル
酸および/またはビニルスルホン酸(それぞれの塩も含
む)とを、9:1〜6:4(重量比率)で共重合させた
ものであることが好ましい。アクリル酸の比率が9を超
えると、該アクリル酸由来の成分の結晶化が起こりやす
く、乾燥時には非常に皮膜が固くなり、しなやかさに欠
けるものとなるため好ましくない。更に、アクリル酸の
比率が9を超えると、一度乾燥させたシートを再び湿ら
せて使用するタイプのパック剤では、湿らせてからの水
溶性共重合体の溶解速度が遅く、使用可能になるまでの
時間が長くなり、利便性に劣るため好ましくない。ま
た、アクリル酸由来の成分の比率が6を下回ると、角栓
への接着性が低下する上、水溶性も低下するため好まし
くない。特に好ましい水溶性共重合体は、アクリル酸と
メタクリル酸の共重合体である。
【0008】次に、水溶性単独重合体および水溶性共重
合体(B)(以下、単に成分(B)とも称する)につい
て、以下で説明する。まず、成分(B)が共重合体であ
る場合は、共重合体自体が水溶性である限り、それを構
成する単量体のいずれか一方が水溶性でなくてもよい。
より好ましくは、アニオン性を示すエチレン系不飽和単
量体として、カルボキシル基を含むアクリル酸、メタク
リル酸、(無水)フタル酸、マレイン酸、イタコン酸な
どや、スルホン酸基を含むビニルスルホン酸、スチレン
スルホン酸など、およびこれら単量体の誘導体などが挙
げられる。一方、ノニオン性を示すエチレン系不飽和単
量体としては、アクリルアミド、ビニルピロリドンなど
の水溶性単量体の他、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チルなどのエステル類、およびこれら単量体の誘導体な
どが挙げられる。上記単量体は、所望するパック剤の性
質を実現するために適宜組み合わせることができる。な
お、成分(A)のみで所望特性のパック剤を得ることが
できる場合は、成分(B)を添加しなくてもよい。成分
(B)を添加する場合、その配合割合は、30重量%ま
でである。次に、本発明のパック剤に含まれる樹脂成分
は、濃度35%の水溶液で25℃のとき3,000〜1
00,000mPa・Sの粘度を有している。角栓除去
用のパック剤として利用する場合、毛穴の奥に詰まった
角栓を引き抜くためには、水に溶解した樹脂成分が毛穴
の奥にまで十分浸透していく必要がある。この観点にお
いて、粘度が100,000mPa・Sを超えると、こ
の毛穴への浸透性が不十分となってしまい好ましくな
い。
【0009】一方、角栓の引き抜きを完結させるために
は、樹脂成分による皮膜形成後に、皮膚からの剥離と一
緒に角栓を引き抜き得る樹脂成分の皮膜の強度が必要に
なる。しかし、粘度が3,000mPa・S未満の樹脂
成分では十分な強度が得られないため好ましくない。更
に、皮膚表面やシートなどに塗布する際に、樹脂成分が
流れたりはじかれたりしやすいなどの問題点もある。樹
脂成分の粘度は上記の範囲内であればよいが、特に好ま
しいのは、10,000〜100,000mPa・Sの
範囲である。本発明の目的の1つである角栓除去性能を
向上させるために、比較的高分子量の上記成分(A)
と、比較的低分子量の成分(B)を混合することが好ま
しい。すなわち、乾燥固化した後の皮膜強度に優れる上
記成分(A)と毛穴への浸透性や水溶性に優れる低分子
量の成分(B)とが、相乗的に働くことにより、角栓除
去性能と使用性のバランスに優れたパック剤を得ること
ができる。比較的高分子量の成分(A)と低分子量の成
分(B)の好ましい混合比率は、前者が70〜99重量
%であって、後者が1〜30重量%の割合である。それ
ぞれの成分の好ましい重量平均分子量の範囲は、前者が
100,000〜350,000(いずれも水系GPC
によるプルラン換算の値)であって、後者が5,000
〜50,000である。より好ましい重量平均分子量の
範囲は、比較的高分子量の成分(A)が150,000
〜300,000、低分子量の成分(B)が8,000
〜30,000である。
【0010】ここで、本明細書において、分子量ではな
く、水溶液状態での粘度の範囲で樹脂成分を規定してい
るのは次の理由による。すなわち、一般に、樹脂成分の
分子量は、その水溶液の粘度と密接に関連するという意
味で重要である。しかし、水溶液の粘度は、樹脂成分の
分子構造によって同じ分子量であっても異なる。従っ
て、使用時に一旦水で溶解する本発明の使用形態に最適
な樹脂成分を規定するのには、分子量の範囲で規定する
より、水溶液状態での粘度の範囲をもって規定する方が
好ましいからである。濃度35重量%の樹脂成分の水溶
液は、3.0〜5.5のpH値を有する。また、原理の
詳細については不明であるが、本発明のパック剤に使用
される樹脂成分の水溶液のpH値が5.5を超える領域
では、角栓などの皮膚表面の汚れ成分を除去する能力が
著しく低下することがわかっている。これらの条件から
本発明のパック剤はpH値が3.0〜5.5の間になけ
ればならない。pH値が3.0未満の場合、皮膚表面へ
の影響が大きく、パック剤などの短時間の添付用途に用
いる場合でも皮膚のかぶれなどの症状が出やすく、実用
的ではない。長時間皮膚表面に添付する場合を考慮する
と、更に好ましいpHの範囲は4.0〜5.5である。
本発明のパック剤の主剤である樹脂成分は、皮膚表面で
の使用が前提となるものであり、そのpH値はできる限
り5.5に近いものであることが望ましい。なお、樹脂
成分の上記濃度の水溶液のpH値がもともと3.0〜
5.5の間にある場合はそのまま使用できるが、pH値
がこの範囲よりも低い場合には、塩基性物質を適宜添加
して調整すればよい。そのような塩基性物質としては、
アルカリ金属の水酸化物やアンモニアなどの1価の塩基
を用いるのが好ましい。pH値の調整は、成分(A)及
び/又は(B)の重合の後に行ってもよく、重合前の単
量体の段階で行ってもよい。
【0011】本発明のパック剤に含まれる樹脂成分は、
それを構成する単量体を公知のラジカル重合の手法に基
づいて、ラジカル重合開始剤を用いて熱、光、紫外線な
どにより重合させて得ることができる。本発明のパック
剤の使用形態は、皮膚表面に添付するピールオフタイプ
のパック剤であることが好ましい。本発明のパック剤
は、使用時には水分により水溶液状となった樹脂成分
が、毛穴内部に浸透した後、乾燥することで角栓と強力
に接着し、皮膜を引き剥がす際に優れた角栓除去性能を
発揮することができる。具体的なパック剤の使用形態と
しては、一般的なペースト、パック剤を基材上に塗布・
成形したシートなどが挙げられる。これらの内、パック
剤が、強力な接着作用をもつ場合でも、ピールオフ時に
樹脂皮膜の破壊などが起こりにくいシート状であること
が好ましい。シートの基材としては、不織布や織布など
が挙げられる。また、上記のごとき基材にパック剤を塗
布する際には、接着性材料として本発明の樹脂成分を5
〜95重量部、水を5〜95重量部の割合としたものを
使用することが好ましく、必要に応じてこれを乾燥させ
て樹脂成分を調整する。更に、パック剤は、通常の化粧
料に使用される成分を他の添加剤として含んでいてもよ
い。そのような他の成分としては、乾燥性能や接着性能
の改善のためのシリカ、タルク、酸化チタンなどの無機
粉体、皮膜形成時の柔軟性や皮膚表面との馴染み易さを
改善するための界面活性剤や、それと併用して用いる油
脂類など、着色のための顔料および染料、香料、保存中
の腐敗を防止するためのパラベンや安息香酸類などの防
腐剤などが挙げられる。
【0012】以下では、本発明のパック剤の好適な使用
形態であるシート状パック剤の場合について説明する。
まず、シート基材上に塗布・成形されるパック剤からな
る接着剤層には、水分をあらかじめ含ませておけば、皮
膚への添付時の初期粘着性と、接着剤の毛穴への十分な
浸透性を確保することができる。更に好ましくは、使用
時に皮膚、あるいは接着剤層表面を、水で濡らしてから
皮膚へ添付することが好ましい。ここで、接着剤層に
は、60〜95重量%の樹脂成分、少量の添加剤、残部
の水が含まれていることが好ましい。また、接着剤層の
樹脂成分は65〜75重量%であることがより好まし
い。上記の内、接着剤層には、5〜40重量%の水を含
むことが好ましい。5重量%未満ではシート全体が固く
なり、水への溶解速度も低下して貼付時の初期粘着性が
低下するので好ましくない。一方、40重量%を超える
と接着剤層が十分固まっておらず、使用性が悪化するの
で好ましくない。なお、シート状パック剤の乾燥を防ぐ
ために、シートの一枚一枚が使用時の形態で、滅菌密封
状態の個別包装がなされていることが望ましい。
【0013】また、シート状パック剤の場合には、接着
剤層の表面は、通常、剥離紙やプラスチックフィルムな
どが貼り付けられる。これら剥離紙やフィルムは、皮膚
との十分な密着性や接着性、柔軟性を有するよう水分含
量などで調整した接着剤層に対して、剥離性が不十分な
ため、はがれなかったり、はがす際に接着剤層を破壊す
る恐れがある。従って、接着剤層にノニオン系親油性界
面活性剤を0.1〜5重量%添加することにより、水分
含量を増やしてソフトな感触を得られるようにした接着
剤層でも、剥離紙や保護用フィルムとの剥離性を容易に
確保することができる。上記のノニオン系親油性界面活
性剤の具体的な例としては、糖脂肪酸エステル類、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体
類が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例)以下、実施例により発明の効果を具体的に示
す。 (水溶性重合体の合成例)親水性重合性単量体を表1に
示す配合量で混合し、水溶液の状態で重合を行った。具
体的には、以下の方法で水溶性重合体を合成した。即
ち、容量200mlのガラス製容器に開始剤(過硫酸カリ
ウム、ピロ亜硫酸カリウム)以外の原料(単量体)を表
1に示した重量部入れた。次に、開始剤も含んだ全体が
100重量部となるよう残分をイオン交換水で補って単
量体が混合した水溶液とした。この水溶液を均一に撹拌
した後、指定量の開始剤を加えた。更に、均一に撹拌し
て40℃の加熱機中で2時間撹拌することにより重合を
完了させて水溶性重合体を得た。なお、得られた水溶性
重合体の重量平均分子量も表1に示す。重量平均分子量
は、水系GPCによるプルラン換算の値であり、その測
定条件は、HPLC:島津製LC−6A、カラム:Shod
ex Ohpak SB−806M HQ×2本、カラム温度:
40℃、溶媒:0.2MのNaNO3、流量:0.7ml/min、
検出器:ShodexSE−61 RI検出器、標準物質:Shodex
プルランとした。
【0015】
【表1】
【0016】上記水溶性重合体を含む水溶液に、表2に
示す量の塩基性物質(水酸化ナトリウム)やイオン交換
水(pH6.5)を添加して、樹脂濃度35%の水溶液
に調整した。更に、水溶液を25℃に温度調整した後、
pHと粘度を測定した。pH値はガラス電極付きpHメ
ーターを用い、粘度はB型粘度計を用いて測定対象の温
度を25℃に調整してから測定した。測定結果を表2に
示す。
【0017】
【表2】
【0018】(剥離時の痛み、角栓のとれ方および初期
溶解性の試験)上記配合例1〜14の樹脂成分のそれぞ
れに、表3に示す量の他の成分を添加してペーストとし
た。このペーストを、樹脂純分の塗布量が63g/m2とな
るように、厚さ50μmのPETフィルム(剥離紙)に
塗布した。この後、70℃の乾燥機中で20分乾燥させ
た。次に、シート基材として目付量25g/m2のポリ
エステル/ポリエチレン混紡の不織布を半乾燥状態のペ
ースト面に圧着して、更に10分乾燥することにより1
4組のシート状パック剤を得た。
【0019】
【表3】
【0020】これらシート状パック剤を、15×30m
mの大きさの小片にそれぞれ裁断して、PETフィルム
を剥がした。この後、シート状パック剤を、洗顔後の水
で濡れた小鼻の部分に押しあてた。前記のシート状パッ
ク剤のうち、配合例1〜8のものは、瞬時に小鼻に貼着
し、20分間の乾燥中も外れることはなかった。これに
対して、配合例10のものは、すぐに小鼻に貼着せず、
しばらく押さえていなければならなかった。また配合例
9のものは、20分間の乾燥中に外れそうになり、押さ
えていなければならなかった。乾燥後、シート状パック
剤をはがした結果を剥離時の痛みおよび角栓のとれ方に
つき、以下のような基準で感覚的に3段階で評価した。 (1)剥離時の痛み 1.激しい痛みを感じる 2.痛みを感じる。 3.引きはがす際ほとんど痛みがない。 評価は各パネラーの感覚により申告してもらった。
【0021】(2)角栓のとれ方 1.角栓が全くとれない。(角栓数 0個) 2.角栓は少し取れる。(角栓数 1〜20個) 3.角栓が良く取れる。(角栓数 20個以上) なお、角栓は、紫外線を照射すると蛍光を発するので、
この性質を利用して、ウッドランプによりパック剤に紫
外線を照射し、その部分の個数をカウントすることによ
り角栓数を測定した。なお毛の部分は除いてカウントし
た。評価は女性パネラー20名による評価結果の平均に
より算出した。なお、1サンプルの測定に際して、パネ
ラーはその直前1週間に同様の評価を行わない状態で測
定を行った。また、特定の2サンプル間の比較には、試
験品と比較品とを鼻の中心線を境に左右対称に貼付し、
上述の方法で角栓数をカウントして個数を比較し、両者
のとれかたに有意な差があるかどうかを比較した。 (3)水への初期溶解性 一旦乾燥させたシートを水で濡らした後、水溶性重合体
が溶解して接着されるまでの時間の目安とするため、以
下の方法で初期溶解性能を測定した。上記と同様に作成
したパック剤を、30×60mmに裁断し、一旦120
℃の乾燥機中に30分間において乾燥させたのち重量を
精秤した。次に、25℃の脱イオン水500mlを入れ
たガラスビーカー中に、このパック剤を30秒間浸漬し
た。更に、パック剤を取り出して再び120℃の乾燥機
中に60分間入れて乾燥させのち重量を精秤した。脱イ
オン水の浸漬前に対する浸漬後の重量減少分を重合体溶
出量とした。 上記(1)〜(3)の測定結果を表4に示す。
【0022】
【表4】
【0023】また、表5に特定2サンプル間の比較を行
った結果を示す。
【0024】
【表5】
【0025】上記表4および5から、実施例のパック剤
が、剥離時の痛み、角栓のとれ方および初期溶解性のい
ずれも優れていることが判った。 (剥離紙との剥離性試験)実施例1の樹脂成分に、以下
の表6の量のノニオン系親油性界面活性剤を含む他の添
加物を加えペーストを作成した。
【0026】
【表6】
【0027】上記実施例9および10のペーストとPE
Tフィルムとの剥離性を、実施例1のペーストと併せ
て、以下の方法で調べた。即ち、樹脂成分の塗布量が6
3g/m2となるよう厚さ50μmのPETフィルムに
塗布した。その上に目付量25g/m2のポリエステル
/ポリエチレン混紡の不織布を乗せ、70℃の乾燥機中
に入れて乾燥させた。この乾燥操作において、5分から
30分の間で乾燥時間を変えることにより、様々な含水
率のシート状パック剤を作成した。なお、含水率は、シ
ート状パック剤を各々半分に切り分け、一方の切片を1
20℃で3時間乾燥させその重量減少から求めた。更
に、他方の切片についたPETフィルムを剥がし、その
剥離時の膏体の状態を観察して以下の基準に基づいて評
価した。結果を表7に示す。 × 膏体がPETフィルム側に全面的に付着して剥離で
きない。 △ 膏体の一部がPETフィルム側に付着して剥離でき
ない。 ○ 膏体とフィルムは容易に剥離できる。
【0028】
【表7】
【0029】表7から、ノニオン性親油性界面活性剤を
含むパック剤が、剥離紙との剥離性に優れていることが
判った。 (市販品およびカチオン性の水溶性重合体からなるパッ
ク剤と、実施例1のパック剤との角栓のとれ方の比較)
比較例7として、市販のシート状パック剤(ビオレ毛穴
すっきりパック;花王製)を使用した。また、市販のカ
チオン性ポリマー(商品名シャロール(ポリ塩化メタク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム:QD
M);第一工業製薬製)の35重量%水溶液を使用する
こと以外は、表3と同様の配合でペースト作成し、実施
例1と同様の方法でシート状パック剤を作成した。この
シート状パック剤を比較例8とした。比較例7および8
に対する実施例1のシート状パック剤の角栓のとれ方の
優位性を以下の方法で確認した。40名のパネラーを2
0名ずつ2グループに分け、洗顔後、20mm×30m
mに裁断したサンプルを、実施例1と、比較例7および
8とを鼻の中心線を境に左右対称に貼りつけた。一方の
グループは、貼り付け後10分で、他方のグループは貼
り付け後20分で剥がしてもらった。実施例1のパック
剤は鼻に押しあてると、すぐに粘着性を発揮し貼着し、
10分後、20分後も良好に貼着していたのに対し、比
較例7、8のパック剤は、いずれも鼻に押しあてても、
すぐには貼着せず、粘着力が得られるまでしばらく押さ
えていなければならなかった。剥がしたサンプルを上記
方法で角栓数をカウントして個数を比較することによ
り、剥がれ方と角栓のとれ方に有為な差があるかどうか
比較した。結果を表8に示す。なお、試験は、温度23
℃、湿度60%の室内で行った。
【0030】
【表8】
【0031】上記表8から、実施例1のシート状パック
剤が、市販されているシート状パック剤より優れた角栓
除去力を有することが判った。更に、アニオン性の樹脂
成分からなるパック剤が、カチオン性の樹脂成分からな
るパック剤より優れた角栓除去力および乾燥性を有する
ことが判った。 (市販品と実施例1のパック剤の乾燥速度の比較)シャ
ーレに入れて乾燥させることにより、含水量25重量%
に調整した実施例1のシート状パック剤の作成に使用し
た樹脂溶液と、市販品(比較例7)より抽出した樹脂溶
液とを、37℃、湿度35%の恒温恒湿機に入れた。両
樹脂溶液の経時時間毎の重量減少率を測定した。結果を
図1に示す。図1より、実施例1のパック剤に使用した
樹脂溶液は、市販品より水分がより早く蒸発することが
判った。この結果は、使用時において、実施例1のパッ
ク剤が、市販品と比較して、早く乾燥することを意味す
る。
【0032】
【発明の効果】本発明は、主剤としての樹脂成分が、ア
ニオン性を示すエチレン系不飽和単量体と、アニオン性
あるいはノニオン性を示すエチレン系不飽和単量体から
なる水溶性共重合体(A)単独、または樹脂成分中30
重量%までのアニオン性あるいはノニオン性を示すエチ
レン系不飽和単量体からなる水溶性単独重合体あるいは
水溶性共重合体(B)との組み合わせで、その樹脂成分
が、濃度35重量%の水溶液において、25℃で3,0
00〜100,000mPa・Sの粘度と3.0〜5.
5のpH値を示すことからなるパック剤であって、皮膚
に対して粘着性を示し、毛穴への浸透性に優れ、毛穴中
の角栓に対して強い接着性を示し、かつ、乾燥時間が早
く、かつ、乾燥につれて形成される皮膜が皮膚に与える
緊張感により適切な剥離タイミングを掴みやすく、乾燥
し過ぎによる痛みや、未乾燥状態で剥離することによる
失敗を防ぐなどの優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明と市販品のパック剤を構成する
樹脂成分の乾燥速度を比較したグラフである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主剤としての樹脂成分が、アニオン性を
    示すエチレン系不飽和単量体とアニオン性あるいはノニ
    オン性を示すエチレン系不飽和単量体とからなる水溶性
    共重合体(A)単独、または樹脂成分中30重量%まで
    のアニオン性あるいはノニオン性を示すエチレン系不飽
    和単量体からなる水溶性単独重合体あるいは水溶性共重
    合体(B)との組み合わせで、その樹脂成分が、濃度3
    5重量%の水溶液において、25℃で3,000〜10
    0,000mPa・Sの粘度と3.0〜5.5のpH値
    を示すことからなるパック剤。
  2. 【請求項2】 水溶性共重合体(A)が、アクリル酸、
    メタクリル酸またはビニルスルホン酸から選択されるア
    ニオン性を示すエチレン系不飽和単量体と、アクリル
    酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド
    またはビニルピロリドンから選択されるアニオン性ある
    いはノニオン性を示すエチレン系不飽和単量体との共重
    合体である請求項1に記載のパック剤。
  3. 【請求項3】 水溶性共重合体(A)が、アクリル酸
    と、メタクリル酸および/またはビニルスルホン酸との
    共重合体である請求項2に記載のパック剤。
  4. 【請求項4】 水溶性共重合体(A)が、アクリル酸
    と、メタクリル酸および/またはビニルスルホン酸とを
    9:1〜6:4の重量比率で共重合させて得られる共重
    合体である請求項3に記載のパック剤。
  5. 【請求項5】 樹脂成分が、100,000〜350,
    000の重量平均分子量(水系GPCによるプルラン換
    算、以下同じ)の水溶性共重合体(A)と、樹脂成分中
    30重量%までの5,000〜50,000の重量平均
    分子量の水溶性単独重合体あるいは共重合体(B)とか
    らなる請求項1〜4いずれか1つに記載のパック剤。
  6. 【請求項6】 パック剤が、更に添加剤としてノニオン
    系親油性界面活性剤を0.1〜5重量%含む請求項1〜
    5いずれか1つに記載のパック剤。
  7. 【請求項7】 ノニオン系親油性界面活性剤が、糖脂肪
    酸エステル類またはポリオキシエチレンポリオキシプロ
    ピレンブロック共重合体類である請求項6に記載のパッ
    ク剤
  8. 【請求項8】 60〜95重量%の樹脂成分、少量の添
    加剤、残部の水からなる請求項1〜7いずれか1つに記
    載のパック剤。
  9. 【請求項9】 パック剤が、角栓の除去に使用される請
    求項1〜8いずれか1つに記載のパック剤。
  10. 【請求項10】 パック剤が、シート状基材に積層され
    てなる請求項1〜9いずれか1つに記載のパック剤。
  11. 【請求項11】 シート状基材が、不織布である請求項
    10に記載のパック剤。
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