JPH11100647A - 転がり軸受およびその製造方法 - Google Patents

転がり軸受およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11100647A
JPH11100647A JP27994097A JP27994097A JPH11100647A JP H11100647 A JPH11100647 A JP H11100647A JP 27994097 A JP27994097 A JP 27994097A JP 27994097 A JP27994097 A JP 27994097A JP H11100647 A JPH11100647 A JP H11100647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
rolling
tempering
bearing
cementite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27994097A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Tsushima
全之 対馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP27994097A priority Critical patent/JPH11100647A/ja
Publication of JPH11100647A publication Critical patent/JPH11100647A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間の高温保持による圧痕や、落下や衝撃
による圧痕の発生を防止し、音響性能劣化に対する抵抗
性に優れ、しかも硬度および耐錆性に優れ、かつ転送面
における表面粗さの小さい転がり軸受およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 転がり軸受を構成する軌道輪および転動
体の少なくともいずれかは、粉末ステンレス鋼を成形し
た鋼からなり、かつミクロ組織がフェライトとセメンタ
イトとからなる鋼材よりなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばハードデ
ィスク装置などの情報処理機器に使用される回転スピン
ドル支承用として適する転がり軸受およびその製造方法
に関するものであり、特に、振動や音響の発生を効果的
に防止できる転がり軸受およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】たとえば磁気記録媒体であるハードディ
スク装置などの情報処理機器に使用されるハードディス
ク駆動モータ用の軸受や、レーザビームプリンタのポリ
ゴンミラーモータ用の軸受は、小型で比較的軽荷重で使
用されるが、高速で回転するスピンドルを支承して駆動
する際に軸受自身から発生する振動や音響が可能な限り
低いことが要求される。こうした要求に対応するため、
従来では軸受鋼を焼入焼戻して所定の表面硬さと表面寸
法精度とを確保してきた。
【0003】近年、情報処理機器は、小型化される傾向
があり、可搬型や携帯型が普及するにつれて、その使用
環境も多様化しており、50℃以上の高温環境で長時間
停止状態で放置された後に軸受が使用される頻度が多く
なっている。このように軸受の環境温度が高くなると、
転がり軸受からの機械的振動や音響的な振動が目立って
大きくなる傾向がある。また可搬型や携帯型の機器で
は、持ち運びの途中で落下させたり、何物かにぶつけた
りする場合があり、その後使用する際に軸受から発生す
る音響が大きくなることがある。そして情報処理機器な
どの精密機器に使用される軸受の場合には、軸受の転が
り疲労寿命よりも軸受から発生する音響が使用者の認容
限界を超えることによって寿命が決まってしまうので、
上記のような音響性能劣化が生じないように改善する必
要がある。
【0004】転がり軸受において音響性能劣化が生じる
のは、次のような現象に起因していると考えられる。た
とえば60〜90℃の高温で100時間もの長時間にわ
たって軸受が停止状態で放置されると、内外の軌道輪の
間に介挿された転動体(たとえば、鋼球)と、前記両軌
道輪との接触面における集中応力によって、軌道輪と転
動体との転送面に極めて浅いが凹陥状である圧痕が転動
体の数だけ形成され、軸受作動時に鋼球が回転しつつ複
数の圧痕を同時に通過することによって、音響的な振動
が発生するものと思われる。また落下や衝撃が加わった
場合においても、上記と同様な凹陥状の圧痕が転動体と
の接触位置に発生することがあり、これも軸受作動時に
おける音響性能劣化の原因となる。
【0005】上述のように、音響性能劣化の原因になる
圧痕は、軌道輪と転動体との接触による集中応力による
ものであるが、この集中応力は軸受を構成する鋼材の弾
性限の1/2以下の応力であるのが通常であり、理論的
には圧痕は形成されないはずである。また機器が物体に
ぶつかったときの衝撃力も、軸受の静負荷容量に比較す
れば1/3以下程度であり、大きな衝撃力とはいえな
い。しかしながら、このように通常は問題にならないと
思われるような微小な圧力による微小な圧痕の形成が、
高度の精密さが要求される情報処理機器では音響性能劣
化として問題になるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
高炭素クロム鋼について、ミクロ組織をフェライトとセ
メンタイトとからなる(以下、「フェライト+セメンタ
イト」組織と表記する)ようにして、圧痕形成に対する
抵抗性を高めた軸受およびその製造方法が提案されてい
る。一方、情報機器においては、しばしば耐錆性も要求
される。従来、耐食軸受には440C鋼や13%Cr含
有のステンレス鋼が使用されているが、これらのステン
レス鋼に上記の「フェライト+セメンタイト」組織とす
るための熱処理を施すと、硬度はHR C56より小さく
なってしまう。
【0007】また、440C鋼や13%Cr含有ステン
レス鋼には、大きな炭化物が存在し、転送面の表面粗さ
が小さくならないという欠点もあった。表面粗さが小さ
いことは、このような精密な情報機器用軸受にとっては
音響・振動性能向上に極めて重要なものである。
【0008】それゆえ、本発明の目的は、長時間の高温
保持による圧痕や、落下や衝撃による圧痕の発生を防止
し、音響性能劣化に対する抵抗性に優れしかも硬度およ
び耐錆性に優れ、かつ転送面における表面粗さの小さ
い、情報処理機器用として最適な転がり軸受およびその
製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、音響性能
劣化に対する抵抗性を高めるとともに高硬度を得るべく
鋭意検討した結果、転がり軸受において、ミクロ組織が
「フェライト+セメンタイト」である鋼材によって軌道
輪(内輪と外輪)と転動体との少なくともいずれかを構
成すれば音響性能劣化に対する抵抗性を高められること
を利用し、その組織をステンレス鋼よりなる粉末を用い
て製造することで硬さをHR C56以上にすることがで
きることを見出し、本発明を完成した。
【0010】それゆえ、本発明の転がり軸受では、軌道
輪および転動体の少なくともいずれかはステンレス鋼よ
りなる粉末を成形した鋼からなり、かつミクロ組織がフ
ェライトとセメンタイトとからなる鋼材よりなってい
る。
【0011】本発明の転がり軸受では、転動体と軌道輪
との少なくともいずれかが「フェライト+セメンタイ
ト」組織からなる鋼材より構成されているため、長時間
の高温保持による圧痕や、落下や衝撃による圧痕の発生
を防止することができ、音響性能劣化に対して優れた抵
抗性が得られる。
【0012】また、このような「フェライト+セメンタ
イト」組織をステンレス鋼よりなる粉末を成形すること
で得ているため、「フェライト+セメンタイト」組織を
得るための熱処理が施されても、組織中の炭化物が微細
均一に分布しており、高い硬度を得ることができる。
【0013】また組織中の炭化物が微細均一となり、通
常の溶製鋼からなる場合と異なり、炭化物の粗大化がな
いため、転送面の表面粗さも小さくなる。
【0014】さらに転動体と軌道輪との少なくともいず
れかは、ステンレス鋼よりなる粉末を用いて製造される
ため優れた耐錆性を有することになる。
【0015】上記局面において好ましくは、表層部の硬
さがロックウェル硬度(HR C)で56以上である。
【0016】本発明の転がり軸受の製造方法は、軌道輪
と転動体とを有する転がり軸受の製造方法において、以
下の工程を備えている。
【0017】まず材質がステンレス鋼よりなる粉末が準
備される。そして粉末を成形し成形体が形成される。そ
して成形体を焼入した後、鋼の焼戻の第3段階の温度以
上で焼戻を行なうことによって、ミクロ組織がフェライ
トとセメンタイトとからなる鋼材よりなる軌道輪および
転動体の少なくともいずれかが形成される。
【0018】本発明の転がり軸受の製造方法では、ステ
ンレス鋼よりなる粉末を用いているため、「フェライト
+セメンタイト」組織を得るための熱処理が施されて
も、組織中の炭化物が微細均一に分布しており、高い硬
度を得ることができる。
【0019】また組織中の炭化物が微細均一であるた
め、転送面の表面粗さも小さくなる。さらに、転動体と
軌道輪との少なくともいずれかはステンレス鋼よりなる
粉末を用いて製造されるため、優れた耐錆性を有するこ
とになる。
【0020】また上記の「フェライト+セメンタイト」
組織は、粉末ステンレス鋼を焼入した後、焼戻の第3段
階の温度以上で焼戻を行なうことによって得られる。焼
戻の第3段階の温度以上で焼戻を行なえば、ミクロ組織
は焼入直後に存在する残留セメンタイト(「球状セメン
タイト」とも呼ばれる)と、焼入マルテンサイトが焼戻
により分解して生成したフェライトおよび微小なセメン
タイト(この混合組織は「焼戻トルースタイト」と呼ば
れる)と、焼入時の残留オーステナイトが焼戻で分解し
て生成したフェライトおよび微小なセメンタイトとから
なっている。すなわち鋼材のミクロ組織は、球状セメン
タイト、フェライトおよび微小なセメンタイト(実質的
にはフェライトとセメンタイトとの2層組織)からなっ
ており、その大部分はフェライトである。
【0021】上述のように焼戻の第3段階の温度以上の
高温焼戻によって焼入組織中のマルテンサイトは分解し
てフェライトとセメンタイトとの混合組織(すなわち
「フェライト+セメンタイト」組織)となる。これによ
り、組織が一層安定化され、硬度測定においては軟化し
ているのであるが、本発明のように極めて小さい量の塑
性変形を問題とする場合には、組織の安定化がむしろ微
小応力の下での塑性変形に対する抵抗性を高くするもの
と考えられる。これにより、長時間の高温保持による圧
痕や、落下や衝撃による圧痕の発生を防止することがで
き、音響性能劣化に対して優れた抵抗性を得ることがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の転がり軸受を構成する転
動体および軌道輪の少なくともいずれかは、ステンレス
鋼よりなる粉末を成形した鋼からなり、かつミクロ組織
がフェライトとセメンタイトとからなる鋼材よりなって
いる。この粉末ステンレスを成形した鋼と溶製ステンレ
ス鋼との金属組織の差は明瞭である。すなわち、溶製ス
テンレス鋼では状態図からわかるように共晶反応で生じ
る巨大炭化物M7 3 が存在し、このM7 3 は後の熱
処理で消滅させることができない。
【0023】一方、粉末ステンレスを成形した鋼では粉
末を作製するとき、極めて急速に液体から固体になるた
め、炭化物M7 3 が成長する時間がなく、非常に細か
くなる。したがって、M7 3 は微細均一に分布し、こ
の鋼材のミクロ組織は炭化物の分布状態においてほぼS
UJ2と同じとなる。
【0024】なお、コスト面を考えると、この鋼材の成
分は440Cの組成が望ましい。また、高温焼戻による
硬度低下を小さくするためには、Mo(モリブデン)、
V(バナジウム)を添加することが望ましい。
【0025】本発明の転がり軸受においては、軌道輪と
転動体との少なくともいずれかが上記要件を満足する鋼
材よりなることを規定したが、少なくとも軌道輪に上記
の要件を満足する鋼材を使用すれば、本発明の目的を達
成することができる。しかし、転動体においても上記の
要件を満足する鋼材を使用することは有効である。これ
によって、転動体の表面における圧痕形成を阻止するこ
とができ、音響性能劣化に対する抵抗性をさらに高める
ことができる。
【0026】ただし、転動体は鋼製ばかりでなく、セラ
ミックス製のものを使用することも有効である。セラミ
ックス製転動体を使用すれば、転がり軸受を高温下に放
置した場合であっても、転動体自身には軌道輪との接触
による圧痕がほとんど形成されず、また耐摩耗性も優れ
たものとなる。こうした転動体に使用できるセラミック
スとしては、転がり軸受に通常使用されているものがそ
のまま使用できるが、たとえば窒化珪素、炭化珪素、ア
ルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。
【0027】図1は、本発明の転がり軸受の製造方法を
示す工程図である。図1を参照して、本発明の転がり軸
受の製造方法では、まず材質がステンレス鋼よりなる粉
末が準備される(ステップ1:S1)。そしてその粉末
を成形することにより成形体が形成される(ステップ
2:S2)。そして成形体に焼入が施される(ステップ
3:S3)。この焼入の後、鋼の焼戻の第3段階の温度
以上で焼戻を行なうことによって(ステップ4:S
4)、ミクロ組織がフェライトとセメンタイトとからな
る鋼材よりなる軌道輪および転動体の少なくともいずれ
かが形成される。
【0028】上記において粉末ステンレスを成形した鋼
の具体的な製造方法は以下のとおりである。
【0029】まず溶融鋼を滴下し、これにガスを吹付け
て粉として飛ばし、その粉を収拾することで、ステンレ
ス鋼よりなる粉末が作製される。そしてその粉末が炭素
鋼管に入れられて密封される。この後、熱間押出または
HIP(Hot Isostatic Pressing)により、密度が高め
られる。そして炭素鋼管が切削により除去された後、圧
延で所定の寸法に仕上げられる。
【0030】上記の処理を経た後、上述したように焼入
および焼戻(ステップ3、4:S3、S4)が施され
る。
【0031】本発明の製造方法において実施される焼入
処理(焼入硬化処理)としては、通常の焼入(ずぶ焼
入)を採用してもよいが、これらの代わりに浸炭窒化焼
入を行ない、表面直下に高窒素組織を形成してもよい。
このように表面直下を高窒素濃度とすることによって、
焼戻の第3段階終了後も表面層硬さをHR C58以上に
することができ、音響性能劣化に対する抵抗性とともに
転がり疲労寿命をさらに優れたものとすることができ
る。
【0032】
【実施例】実施例1 通常の方法で溶製した440C鋼とステンレス鋼よりな
る粉末を成形して鋼材とした440C鋼とについて焼入
を行なった後焼戻しを行なった。そして、この焼戻の温
度を変化させた場合の硬度変化について調べた。その結
果を図1に示す。
【0033】図1を参照して、この結果より、溶製した
440C鋼よりも、粉末を成形して鋼材にした440C
鋼の方が、各焼戻温度について硬度が高くなることが判
明した。焼戻硬さは、焼戻温度が500℃以上の場合に
急激に低下した。これは焼戻の第3段階によりミクロ組
織がフェライトとセメンタイトとに変化するからであ
る。溶製した440C鋼に比べて、粉末ステンレスを成
形した鋼は、同一成分であるが硬さは500℃以下の焼
戻においてHR C60以上を保った。これは、炭化物が
微細均一に分布しているからである。焼戻の第3段階を
経過することにより硬度は急激に低下するが、粉末ステ
ンレスを成形した鋼は、なお溶製鋼よりも高硬度を保っ
た。
【0034】実施例2 転がり軸受を使用して音響試験を行なった。試料とし
て、通常の方法で溶製した440C鋼(鋼B)、および
同一組成の粉末鋼をHIP処理により鋼材にした鋼(鋼
A)を用いてミニチュア玉軸受696を作製した。この
とき用いた鋼A、Bの化学成分組成を表1に示す。
【0035】
【表1】 次に本発明者は、音響試験を行なって試験軸受の加熱前
後の音響劣化について調査した。まず鋼AおよびBの各
々を使用して内輪、外輪および転動体からなる転がり軸
受を作製した。このとき、1100℃で0.5時間加熱
した後、油中で急冷して焼入処理を施し、冷却後に下記
表2に示すように180〜600℃の温度範囲にて12
0分の焼戻を行ない、研磨仕上げをして軸受番号696
の小型の軸受に組立てて試験軸受とした。
【0036】音響試験は、所定の面圧が負荷されるよう
に試験軸受2個を組込み、軸受単体のアキシャル方向振
動速度を軸受の発する音響として測定した。振動測定に
使用した測定器は、回転軸にアキシャル方向振動速度を
測定する検出器が内蔵されており、軸受の内輪の側面に
測定器の回転軸を軽く押し当てて測定した。このときの
測定条件は、転動体と内輪・外輪との間の最大接触面圧
を1.3GPaとし、回転数は2200rpmとし、測
定周波数範囲は、300〜6300Hzの可聴音域とし
た。
【0037】上記の玉軸受を用いて上記の測定方法およ
び条件にて、高温放置前に音響試験を行ない、次いで9
0℃に加熱して120時間放置した後に再度音響試験を
行なって、各々振動速度を測定した。加熱後の測定振動
速度Vhと加熱前の測定振動速度Vcとの比Vh/Vc
を音響劣化量とし、デシベルで表示した(20 log
[Vh/Vc])。
【0038】表2に残留オーステナイト量、および表層
部の硬さと共に音響試験の結果を示す。
【0039】
【表2】 この結果より、鋼A、鋼Bともに焼戻温度が高いほど音
響劣化は小さくなる。しかし、通常の製鋼方法である溶
製して作った鋼Bでは500℃以上で焼戻した硬さがH
R C56.0より小さくなり、軸受製造工程で傷がつき
やすく、音響劣化量が少ないとしても初期の音響が大き
く、好ましくない。
【0040】前記表2に示した結果から明らかである
が、単に焼戻の第2段階で焼戻を行ない、残留オーステ
ナイト量を実質的に0%にするよりも、さらに焼戻温度
を高めた方が音響劣化量が小さくなるので、焼戻温度が
高くなるほど音響劣化量が小さくなるのは、残留オース
テナイト量以外の影響があることは確実であり、高温焼
戻による生地組織の安定化が圧痕発生の防止に大きく寄
与していると考えられる。
【0041】実施例3 粉末ステンレスを成形した鋼材を焼入れした後、鋼の焼
戻の第3段階の温度以上で焼戻を行なった440C鋼と
通常の方法で溶製した440C鋼との金属顕微鏡組織を
調べた。その結果として粉末ステンレス鋼を成形した4
40C鋼を図3に、溶製した440C鋼を図4に示す。
【0042】なお、図3と図4とは400倍の金属顕微
鏡組織である。図3より明らかなように、本発明の方法
で製造された鋼は、ミクロ組織がフェライトとセメンタ
イトとの混合組織よりなる鋼材によって構成されてお
り、かつ炭化物M7 3 が微細均一に分布していた。
【0043】一方、溶製した440Cでは、図4に示す
ように巨大炭化物M7 3 が存在していた。
【0044】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0045】
【発明の効果】本発明の転がり軸受では、転動体と軌道
輪との少なくともいずれかがフェライトとセメンタイト
とからなる鋼材により構成されているため、長時間の高
温保持による圧痕や、落下や衝撃による圧痕の発生を防
止することができ、音響性能劣化に対して優れた抵抗性
が得られる。
【0046】またこのような組織をステンレス鋼よりな
る粉末を成形することで得ているため、この組織を得る
ための熱処理が施されても組織中の炭化物が微細均一に
分布することになるため高い硬度を得ることができる。
【0047】また組織中の炭化物が微細均一であり、転
送面の表面粗さも小さくなる。さらに転動体と軌道輪と
の少なくともいずれかは、粉末ステンレス鋼を用いて製
造されるため優れた耐錆性を有することになる。
【0048】本発明の転がり軸受の製造方法では、フェ
ライトとセメンタイトとからなる組織をステンレス鋼よ
りなる粉末を成形することで得ているため、フェライト
とセメンタイトとからなる組織を得るための熱処理が施
されても、組織中の炭化物が微細均一に分布することに
なるため高い硬度を得ることができる。
【0049】また焼戻の第3段階の温度以上の高温焼戻
によって「フェライト+セメンタイト」組織を得ている
ため、長時間の高温保持による圧痕や、落下や衝撃によ
る圧痕の発生を防止することができ、音響性能劣化に対
して優れた抵抗性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の製造方法を示す工程図で
ある。
【図2】溶製した440C鋼とステンレス鋼よりなる粉
末を成形して鋼材とした440C鋼とで焼戻温度を変化
させた場合の硬度の変化を示すグラフである。
【図3】本発明の転がり軸受の金属顕微鏡組織を示す写
真である。
【図4】溶製鋼の金属顕微鏡組織を示す写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道輪と転動体とを有する転がり軸受に
    おいて、 前記軌道輪および前記転動体の少なくともいずれかは、
    ステンレス鋼よりなる粉末を成形した鋼からなり、かつ
    ミクロ組織がフェライトとセメンタイトとからなる鋼材
    よりなっていることを特徴とする、転がり軸受。
  2. 【請求項2】 表層部の硬さがロックウェル硬度(HR
    C)で56以上である、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 【請求項3】 軌道輪と転動体とを有する転がり軸受の
    製造方法において、 材質がステンレス鋼よりなる粉末を準備する工程と、 前記粉末を成形し成形体を形成する工程と、 前記成形体を焼入した後、鋼の焼戻の第3段階の温度以
    上で焼戻を行なって、ミクロ組織がフェライトとセメン
    タイトとからなる鋼材よりなる前記軌道輪および前記転
    動体の少なくともいずれかを形成する工程とを備えた、
    転がり軸受の製造方法。
JP27994097A 1997-09-26 1997-09-26 転がり軸受およびその製造方法 Withdrawn JPH11100647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27994097A JPH11100647A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 転がり軸受およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27994097A JPH11100647A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 転がり軸受およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11100647A true JPH11100647A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17618045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27994097A Withdrawn JPH11100647A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 転がり軸受およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11100647A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000049304A1 (en) * 1999-02-17 2000-08-24 Nsk Ltd. Rolling bearing
JP2001090736A (ja) * 1999-07-19 2001-04-03 Nsk Ltd 玉軸受
JP2007170680A (ja) * 1999-07-19 2007-07-05 Nsk Ltd 玉軸受
CN102764892A (zh) * 2011-05-04 2012-11-07 山东金聚粉末冶金有限公司 一种滑块及其制造方法
JP2012533688A (ja) * 2009-07-21 2012-12-27 アクチボラゲット エス ケイ エフ 軸受鋼

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000049304A1 (en) * 1999-02-17 2000-08-24 Nsk Ltd. Rolling bearing
GB2352781A (en) * 1999-02-17 2001-02-07 Nsk Ltd Rolling bearing
US6592684B1 (en) 1999-02-17 2003-07-15 Nsk Ltd. Rolling bearing
GB2352781B (en) * 1999-02-17 2003-09-24 Nsk Ltd Rolling bearing
JP2001090736A (ja) * 1999-07-19 2001-04-03 Nsk Ltd 玉軸受
JP2007170680A (ja) * 1999-07-19 2007-07-05 Nsk Ltd 玉軸受
JP2012533688A (ja) * 2009-07-21 2012-12-27 アクチボラゲット エス ケイ エフ 軸受鋼
CN102764892A (zh) * 2011-05-04 2012-11-07 山东金聚粉末冶金有限公司 一种滑块及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
GB2281106A (en) Ball bearing for supporting a spindle rotating at high speed
US5108491A (en) Rolling bearing composition
JP2002115030A (ja) 工作機械主軸用転がり軸受
US6051082A (en) Rolling bearing
US5725688A (en) Rolling bearing
US6174089B1 (en) Rolling bearing having rolling elements whose major component is zirconia
JP2002180203A (ja) 針状ころ軸受構成部品およびその製造方法
JP2001280348A (ja) 転がり軸受
JP3519548B2 (ja) 転がり軸受およびその製造方法
JPH11100647A (ja) 転がり軸受およびその製造方法
CN120826540A (zh) 滚动构件和滚动轴承
JP3391345B2 (ja) 転がり軸受
JP3548918B2 (ja) 転がり軸受
JP2009057589A (ja) 針状ころ軸受および針状ころ
US6855214B2 (en) Anti-friction bearing
JPWO1999063125A1 (ja) 転がり軸受
JPH11344037A (ja) 情報機器のスピンドルモータの回転支持装置
EP1001181B1 (en) Rolling or sliding parts
JP4360178B2 (ja) トロイダル型無段変速機の製造方法
JP2001012475A (ja) 転がり軸受
JP2000248954A (ja) ターボチャージャのロータ支持装置
JP2004092888A (ja) 転がり軸受
JP2002276674A (ja) 転がり軸受
JP2002013538A (ja) 転がり軸受
JP2000199524A (ja) 転動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041207