JPH11101323A - トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造 - Google Patents

トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造

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JPH11101323A
JPH11101323A JP9265479A JP26547997A JPH11101323A JP H11101323 A JPH11101323 A JP H11101323A JP 9265479 A JP9265479 A JP 9265479A JP 26547997 A JP26547997 A JP 26547997A JP H11101323 A JPH11101323 A JP H11101323A
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trunnion
ring
needle bearing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾転用ニードルベアリングが回転中に傾いて
生じたスキューによる力がトラニオンとリンクとの間に
作用することのないような支持構造とする。 【解決手段】 ニードル9aを、トラニオン5の外周面
5aと球面リング8の内周面8bとの間に円周方向へ配
列して、ニードルベアリング9の内輪をトラニオン外周
面5aで構成し、外輪を球面リング8により構成する。
ベアリング9の外輪をなすリング8の一端面8cを、ト
ラニオン肩部5bに支持し、両者間にスペーサ12を介
在させる。リング8の他端面8dは、トラニオン5に係
止したリテーナ13により支持し、スペーサ12で、ト
ラニオン外周面5aに対するリング8の傾転軸線O3
向における相対移動範囲を、ニードルベアリング9の内
部クリアランスに起因した傾きが抑制される範囲とす
る。よって、スキューによる力が肩部5bまたはリテー
ナ13で受け止められ、リンクに至ることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル型無段
変速機のパワーローラを回転自在に支持し、ストローク
により変速制御を司るトラニオンの支持構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は通常、例えば
特開昭57−47060号公報に記載されているよう
な、そして図1に例示するようなトラニオン支持構造を
持つ構成にするのが普通である。
【0003】図1により説明すると、トロイダル型無段
変速機は変速機ケース1内に入出力ディスク2を軸線O
1 上で回転し得るよう収納して備える。但し、図1では
断面のため手前側の出力ディスクが見えておらず、これ
に同軸対向する入力ディスクのみが見えている。これら
入出力ディスク2間に複数(図では2個)のパワーロー
ラ3を挟圧して介在させ、各パワーローラ3をピボット
シャフト4により個々のトラニオン5上に回転自在に支
持する。
【0004】ここでパワーローラ3は、軸線O2 の周り
に回転しながら入出力ディスク2間で摩擦により動力の
伝達を行い、この動力伝達中において個々のトラニオン
5をサーボピストン6により、パワーローラ回転軸線O
2 が入出力ディスク2の回転軸線O1 と交差した図示の
中立位置からオフセットするようストロークさせると、
該ストローク方向に延在する軸線O3 周りにおけるトラ
ニオン5およびパワーローラ3の傾転が生起され、入出
力ディスク2に対するパワーローラ3の接触軌跡円径が
連続的に変化することで所定の変速を行うことができ
る。
【0005】次にトラニオン5の支持構造を説明する
に、トラニオン5の隣り合う上端同士および下端同士
を、それぞれのリンク7により相互に連結し、トラニオ
ン5の上記ストロークを同位相で同期させるようにす
る。この際、トラニオン5およびリンク7間の連結は、
上記ストローク時の関節運動が軽快になるような球面リ
ング8および前記傾転が軽快になるようなニードルベア
リング9を介してこれを行う。
【0006】なお、パワーローラ3およびトラニオン5
の傾転を同期させるために、各トラニオン5にワイヤプ
ーリ10を取付け、これらプーリ10間に傾転同期ワイ
ヤ11を掛け渡す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで図2に明示す
るように、球面リング8の外球面8aが上記の関節運動
を提供するようなものであることもあり、ニードルベア
リング9は回転中その内部クリアランスAに起因して傾
く。これによりニードルベアリング9は、その回転に伴
い所謂スキュー(一種のネジ作用)を発生し、受けてい
る荷重の10%程度の傾転軸線(O3 )方向の力をトラ
ニオン5とリンク7との間に作用させる。
【0008】ここでニードルベアリング9のスキューに
より発生する力を考察するに、パワーローラ3に働く上
下方向の力は、トラニオン5から受ける力とトルク伝達
により発生する力が釣り合うので、複数のパワーローラ
3を持つトロイダル型無段変速機は各パワーローラ3が
均等にトルクを伝達するようサーボピストン6に同じ力
を作用させている。一方で、入出力ディスク2とパワー
ローラ3の間のトラクション係数は0.1程度までしか
期待できないので、それに見合ったパワーローラ挟圧力
が必要である。これがため、ニードルベアリング9に作
用する荷重はトルク伝達で発生する上下方向力に対して
10倍程度になる。これがため、ニードルベアリング9
のスキューにより発生する力は、トルク伝達で発生する
上下方向の力と同程度の大きさとなり、従来のトラニオ
ン支持構造にあっては、以下の理由からスキューによる
力がトラニオン5とリンク7との間に作用して、各パワ
ーローラによる伝達トルクを大きくばらつかせるという
問題を生じていた。
【0009】スキューによる力がトラニオン5とリンク
7との間に作用する原理を説明するに、当該スキューに
よる力は先ず球面リング8およびトラニオン5間を傾転
軸線方向へ相対変位させようとする。球面リング8が抵
抗なく変位し得る場合は、球面リング8およびトラニオ
ン5間に力は作用しないが、球面リング8はリンク7に
嵌合しているため抵抗なく変位することができず、球面
リング8およびリンク7間に摩擦力が働き、これがスキ
ューによる力となる。そして、これと同じ力が球面リン
グ8とトラニオン5との間にも働き、結果として、スキ
ューによる力がトラニオン5とリンク7との間に作用す
ることになる。この力は、パワーローラ3にサーボピス
トン6からの力以外の外力を付加することとなり、各パ
ワーローラによる伝達トルクを大きくばらつかせるとい
う上記の問題を生ずる原因となる。
【0010】請求項1に記載の第1発明は、傾転用のニ
ードルベアリングが内部クリアランスに起因して発生し
たスキューによる力をニードルベアリングの内部で相殺
させ、これにより当該力がトラニオンとリンクとの間に
作用することのないようにして、上記ニードルベアリン
グのスキューによる問題を解消し得るようにしたトラニ
オン支持構造を提案することを目的する。
【0011】請求項2に記載の第2発明は、特にニード
ルベアリングの内輪をトラニオンの外周面により構成
し、外輪を球面リングの内周面により構成する場合にお
いて、第1発明の作用効果を達成し得るトラニオン支持
構造を提案することを目的とする。
【0012】請求項3に記載の第3発明は、既存の傾転
同期用ワイヤプーリを利用して第2発明を具体化し得る
トラニオン支持構造を提案することを目的とする。
【0013】請求項4に記載の第4発明は、第3発明に
おける傾転同期用ワイヤプーリの取付け構造をも既存の
ものを利用し得るようにすると共に、傾転用のニードル
ベアリングの傾きを抑制するための寸法管理を簡易化し
得るようにしたトラニオン支持構造を提案することを目
的とする。
【0014】請求項5に記載の第5発明は、第2発明に
おけるクリアランス調整用のスペーサがトラニオンの肩
部を摩耗させて調整クリアランスが狂い、所期の目的が
達成されなくなることのないようにしたトラニオン支持
構造を提案することを目的とする。
【0015】請求項6に記載の第6発明は、クリアラン
ス調整用なしに所期の目的が達成されるようにしたトラ
ニオン支持構造を提案することを目的とする。
【0016】請求項7に記載の第7発明は、リテーナの
回転を阻止してこれによる関連部分を摩耗をなくし、耐
久性を向上させるようにしたトラニオン支持構造を提案
することを目的とする。
【0017】請求項8に記載の第8発明は、ニードルベ
アリングの内輪をトラニオンの外周面により構成し、外
輪を球面リングの内周面により構成する場合において、
第1発明の作用効果を達成し得るようにした、他のトラ
ニオン支持構造を提案することを目的とする。
【0018】請求項9に記載の第9発明は、ニードルベ
アリングの内輪を球面リングの外球面に嵌合し、外輪
を、前記リンクのトラニオン貫通孔内周面により構成す
る場合において、第1発明の作用効果を達成し得るよう
にしたトラニオン支持構造を提案することを目的とす
る。
【0019】請求項10に記載の第10発明は、第9発
明においてクリアランス調整用なしに所期の目的が達成
されるようにしたトラニオン支持構造を提案することを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明によるトロイダル型無段変速機のトラニオン
支持構造は、入出力ディスク間で摩擦により動力伝達を
行う複数のパワーローラを個々のトラニオンに回転自在
に支持し、これらトラニオンを、パワーローラ回転軸線
が入出力ディスクの回転軸線と交差した中立位置からオ
フセットするようストロークさせることで、該ストロー
ク方向に延在する軸線周りにおけるトラニオンおよびパ
ワーローラの傾転を生起させて変速を行うようにし、ト
ラニオンの隣り合う一端同士および他端同士を、それぞ
れのリンクにより相互に連結して前記各トラニオンのス
トロークを同位相で同期させると共に、トラニオンおよ
びリンク間の連結を、前記ストローク時の関節運動が軽
快になるような球面リングおよび前記傾転が軽快になる
ようなニードルベアリングを介して行ったトロイダル型
無段変速機において、前記ニードルベアリングの内輪お
よび外輪間における傾転軸線方向の相対移動範囲を制限
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0021】第2発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明において、前記ニード
ルベアリングの内輪をトラニオンの外周面により構成
し、外輪を球面リングの内周面により構成する場合、球
面リングの一端面をトラニオンに形成した肩部に支持
し、他端面をトラニオンに取付けたリテーナに支持し、
球面リングの前記一端面とトラニオンの前記肩部との間
に、クリアランス調整のためのスペーサを介在させたこ
とを特徴とするものである。
【0022】第3発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第2発明において、トラニオン
の前記肩部から遠い球面リングの前記他端面を、トラニ
オン間の傾転同期を取るためのワイヤを掛け渡すべくト
ラニオンに取付けたワイヤプーリにより支持したことを
特徴とするものである。
【0023】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第3発明において、前記ワイヤ
プーリを、トラニオンの対応端部に螺合したネジにより
締め上げてトラニオンに取り付けるよう構成したことを
特徴とするものである。
【0024】第5発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第2発明乃至第4発明のいずれ
かにおいて、前記スペーサの外径を球面リングの対応す
る端面外径よりも大きく、球面の最大外径よりも小さく
したことを特徴とするものである。
【0025】第6発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第2発明乃至第5発明のいずれ
かにおいて、前記リテーナまたはワイヤプーリをトラニ
オンの前記肩部に向けて付勢する弾性手段を設けたこと
を特徴とするものである。
【0026】第7発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第2発明において、前記リテー
ナをスナップリングでトラニオンに係着する場合、リテ
ーナとスナップリングとの間に廻り止めを設けたことを
特徴とするものである。
【0027】第8発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明において、前記ニード
ルベアリングの内輪をトラニオンの外周面により構成
し、外輪を球面リングの内周面により構成する場合、球
面リングを、トラニオンに形成した肩部と、トラニオン
に螺合したナットとの間に、スラストベアリングを介し
て挟圧したことを特徴とするものである。
【0028】第9発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明において、前記ニード
ルベアリングの内輪を球面リングの外球面に嵌合し、外
輪を、前記リンクのトラニオン貫通孔内周面により構成
する場合、ニードルベアリングの内輪を、リンクのトラ
ニオン貫通孔内周面に径方向内方へ張り出させて形成し
た鍔部と、トラニオンに係着したリテーナとの間に挟ん
で取付けたことを特徴とするものである。
【0029】第10発明によるトロイダル型無段変速機
のトラニオン支持構造は、第9発明において、前記リテ
ーナをニードルベアリングの内輪に向けて付勢する弾性
手段を設けたことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の効果】複数のパワーローラが個々に入出力ディ
スク間で摩擦伝動を行っている間、これらパワーローラ
を回転自在に支持したトラニオンを、パワーローラ回転
軸線が入出力ディスクの回転軸線と交差する中立位置か
らオフセットさせることで、トラニオンおよびパワーロ
ーラの傾転を生起させ、変速を行うことができる。
【0031】また、各トラニオンのオフセットを同位相
で同期させるためにトラニオンの隣り合う一端同士およ
び他端同士をそれぞれ相互に連結するリンクと、トラニ
オンとの間の連結を、球面リングおよびニードルベアリ
ングを介して行うことから、上記オフセット時の関節運
動が球面リングにより軽快になり、上記傾転がニードル
ベアリングにより軽快になる。
【0032】ところで第1発明においては、特に上記ニ
ードルベアリングの内輪および外輪間における傾転軸線
方向の相対移動範囲を制限するよう構成したことから、
ニードルベアリングの傾きに起因したスキューにより内
輪および外輪が傾転軸線方向に相対移動しようとして
も、移動限界に至ったところで相対移動不能となってス
キューによる力を発生する。しかるに当該力は、ニード
ルベアリングの内部における力であり、ニードルベアリ
ング内で相殺されるため、トラニオンとリンクとの間に
作用することがなく、勿論トラニオン上のパワーローラ
に至ることがない。よって、前記ニードルベアリングの
スキューによる問題、つまり、当該スキューによる力が
パワーローラに及ぶことにより各パワーローラ間で伝達
トルクがばらつき、トロイダル型無段変速機の動力伝達
能力が低下するという問題を最小限にすることができ
る。
【0033】第2発明においては、特に上記ニードルベ
アリングの内輪をトラニオンの外周面により構成し、外
輪を球面リングの内周面により構成する場合、球面リン
グの一端面をトラニオンに形成した肩部に支持し、他端
面をトラニオンに取付けたリテーナに支持し、球面リン
グの前記一端面とトラニオンの前記肩部との間に、クリ
アランス調整のためのスペーサを介在させたことから、
かかる特定のニードルベアリングにおいて、ニードルベ
アリングの内外輪間における傾転軸線方向の相対移動を
リテーナとトラニオン肩部との間に挟んで抑制すること
ができ、上記第1発明の作用効果を達成することができ
ると共に、スペーサにより当該抑制の程度を確実に所定
のものにすることができる。
【0034】第3発明においては、トラニオンの上記肩
部から遠い球面リングの上記他端面を、トラニオン間の
傾転同期を取るためのワイヤを掛け渡すべくトラニオン
に取付けたワイヤプーリにより支持したことから、既存
のワイヤプーリによりトラニオン肩部との間に上記特定
のニードルベアリングを挟んで、該ニードルベアリング
の内外輪がスキューによって傾転軸線方向に大きく相対
移動されるのを抑制することができ、コスト上有利であ
る。
【0035】第4発明においては、上記ワイヤプーリ
を、トラニオンの対応端部に螺合したネジにより締め上
げてトラニオンに取り付けることから、ワイヤプーリの
取付け構造も既存のものを利用することができる共に、
当該構造により取付けたワイヤプーリの側面がそのまま
ニードルベアリングの位置決めを行い得るために、ニー
ドルベアリング内外輪の傾転軸線方向における相対移動
を制限するための寸法管理が簡便になる。
【0036】第5発明においては、前記スペーサの外径
を球面リングの対応する端面外径よりも大きく、球面の
最大外径よりも小さくしたことから、スペーサが球面リ
ングとの接触面積よりもトラニオン肩部との接触面積を
大きくされて、スペーサがトラニオン肩部に対して相対
回転するのを防止することができ、当該トラニオン肩部
の摩耗によりニードルベアリング内外輪の傾転軸線方向
における相対移動が大きくなって所期の目的を達成でき
なくなる不都合を回避することができる。なおこの場
合、スペーサと球面リングとの間で相対回転が発生する
が、これらは同じ硬質の材質により作ることから、問題
となるような摩耗を生ずることはない。
【0037】第6発明においては、前記リテーナまたは
ワイヤプーリをトラニオンの前記肩部に向けて付勢する
弾性手段を設けたことから、ニードルベアリング内外輪
の傾転軸線方向における相対移動に関与するクリアラン
スを常時不変に皆無にしておくことができ、寸法管理を
全く要することなしに、そして長期不変にニードルベア
リングのスキューに関する問題を解消することができ
る。
【0038】第7発明においては、前記リテーナをスナ
ップリングでトラニオンに係着する場合、リテーナとス
ナップリングとの間に廻り止めを設けたことから、リテ
ーナがスナップリングに対し相対回転してこれを摩耗さ
せるのを防止することができ、もって、当該スナップリ
ングの摩耗によりニードルベアリング内外輪の傾転軸線
方向における相対移動が大きくなって所期の目的を達成
できなくなる不都合を回避することができる。
【0039】第8発明においては、前記ニードルベアリ
ングの内輪をトラニオンの外周面により構成し、外輪を
球面リングの内周面により構成する場合、球面リング
を、トラニオンに形成した肩部と、トラニオンに螺合し
たナットとの間に、スラストベアリングを介して挟圧す
ることから、ニードルベアリング内外輪の傾転軸線方向
における相対移動が大きくなるのを防止して、ベアリン
グスキューによる傾転軸線方向の力がリンクおよびトラ
ニオン間に作用するのを防止することができ、パワーロ
ーラ間で伝達トルクがばらついてトロイダル型無段変速
機の動力伝達能力が低下するのを回避し得る。加えて、
第8発明においては面倒なクリアランスの管理を要する
ことなしに上記の作用効果を確実に達成し得る点で大い
に有利である。
【0040】第9発明においては、前記ニードルベアリ
ングの内輪を球面リングの外球面に嵌合し、外輪を、前
記リンクのトラニオン貫通孔内周面により構成する場
合、ニードルベアリングの内輪を、リンクのトラニオン
貫通孔内周面に径方向内方へ張り出させて形成した鍔部
と、トラニオンに係着したリテーナとの間に挟んで取付
けたことから、当該特定のニードルベアリングにおい
て、その内外輪の傾転軸線方向における相対移動が大き
くなるのをリンク鍔部とリテーナとの間に挟んで抑制す
ることができ、上記第1発明と同様に、ニードルベアリ
ングのスキューに関する問題を解消するという作用効果
を達成することができる。
【0041】第10発明においては、第9発明における
リテーナをニードルベアリングの内輪に向けて付勢する
弾性手段を設けたことから、ニードルベアリング内外輪
の傾転軸線方向における相対移動に関与するクリアラン
スを常時不変に皆無にしておくことができ、寸法管理を
全く要することなしに、そして長期不変にニードルベア
リングのスキューに関する問題を解消することができ
る。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図3(a),(b)は、本発
明の一実施の形態になるトラニオン支持構造を、要部に
関して詳細に示すもので、図中、図1および図2におけ
ると同様の部分を同一符号にて示す。本実施の形態にお
いては、図1および図2におけると同様に、ニードルベ
アリング9を成すベアリングニードル9aを、トラニオ
ン5の外周面5aと球面リング8の内周面8bとの間に
円周方向へ配列し、ニードルベアリング9の内輪をトラ
ニオン5の外周面5aにより構成し、外輪を球面リング
8により構成した型式のトラニオン支持構造に対して以
下の改良を加えることとする。
【0043】つまり球面リング8の一端面8cを、トラ
ニオン5に形成した肩部5bに支持し、これら球面リン
グ端面8cおよびトラニオン肩部5b間にスペーサ12
を介在させる。そして球面リング8の他端面8dを、ト
ラニオン5に取付けたリテーナ13に支持し、該リテー
ナ13は、トラニオン5に係止したスナップリング14
により抜け止めすることで、トラニオン5に取着する。
【0044】ここでスペーサ12は、トラニオン5の外
周面5a(ニードルベアリング9の内輪を構成する)に
対する球面リング8(ニードルベアリング9の外輪を構
成する)の傾転軸線O3 方向における相対移動範囲を制
限するクリアランス調整の用をなすもので、この相対移
動範囲が、図2に示すニードルベアリング9の内部クリ
アランスAに起因した傾きに伴う倒れ量Bよりも小さく
なるようスペーサ12の厚さを決定し、結果としてニー
ドルベアリング9の回転中における内部クリアランスA
に起因した傾きを抑制するよう制限するようなニードル
ベアリング9の取着構造とする。
【0045】スペーサ12によりトラニオン5の外周面
5a(ニードルベアリング9の内輪)および球面リング
8(ニードルベアリング9の外輪)の傾転軸線O3 方向
における相対移動範囲をかように制限する理由を以下に
説明する。前記した本発明の目的を完全に達成するため
には、ニードルベアリング9の内外輪5a,8間の傾転
軸線O3 方向における相対移動範囲を0にするのが最も
良いが、スペーサ12による限りこれを実現することは
困難であることから、以下のような妥協点を模索した。
つまり、球面リング8の外球面がリンク7に対して転動
し得る領域ではこれら両者間が相対移動しても摩擦力が
小さく、球面リング8およびリンク7間に大きな力が働
くことはないことから、ベアリングスキューによる問題
を無視できるとの事実認識にもとづき、そして図2に示
すニードルベアリング9の内部クリアランスAに起因し
た最大傾斜時の倒れ量Bまでは球面リング8の外球面が
リンク7に対して転動する領域であるとの事実認識にも
とづき、ニードルベアリング9の内外輪5a,8間の傾
転軸線O3 方向における相対移動範囲をスペーサ12に
より上記の如くに定めたものである。
【0046】かかる本実施の形態によれば、ニードルベ
アリング9の回転中におけるスキューに起因した内外輪
5a,8間の傾転軸線O3 方向における相対移動範囲を
上記のごとくに制限することから、ニードルベアリング
9の傾きに起因したスキューによる力がニードルベアリ
ング9内で受け止められこととなり、従ってこの力がト
ラニオン5およびリンク7間に作用することがない。こ
れがため、パワーローラにニードルベアリング9のスキ
ューによる力が及ぶことがなく、パワーローラはサーボ
ピストンからの力のみを受けて変速制御を行うことがで
き、各パワーローラ間で伝達トルクがばらついてトロイ
ダル型無段変速機の動力伝達能力が低下するのを最小限
にすることができる。そして、スペーサ12により球面
リング8の傾転軸線方向における変位を確実に上記の通
りにすることが可能で、上記の作用効果を完璧に達成す
ることができる。
【0047】図4は、本発明の他の実施の形態を示し、
本実施の形態においては、トラニオン肩部5bから遠い
球面リング8の端面8dを以下のようにして支持する構
成とする。つまり、トラニオン5間で傾転を同期させる
ために掛け渡すワイヤ11用のプーリ10は通常通り、
トラニオン5の下端面から突出するトラニオンシャフト
15に螺合したナット16で当該トラニオンシャフト1
5にサーボピストン6を取り付ける際に、ワッシャ17
を介して締め上げるが、このときワイヤプーリ10が、
トラニオン肩部5bから遠い球面リング8の端面8dを
押して、球面リング8をトラニオン肩部5bとの間に挟
んで、傾転軸線O3 方向に拘束するようにする。
【0048】かかる実施の形態においても、球面リング
8の端面8cとトラニオン肩部5bとの間に介在させた
スペーサ12は、球面リング8の傾転軸線方向における
変位が、図2に示すニードルベアリング9の内部クリア
ランスAに起因した傾きに伴う倒れ量Bよりも小さくな
るようにクリアランス調整を行うことができ、結果とし
てニードルベアリング9の回転中における内部クリアラ
ンスAに起因した傾きに伴うスキューによる力がトラニ
オン5およびリンク7間に作用するのを最小限にするこ
とができる。従って、パワーローラにニードルベアリン
グ9のスキューによる力が及ぶことがなく、パワーロー
ラはサーボピストンからの力のみを受けて変速制御を行
うことができ、各パワーローラ間で伝達トルクがばらつ
いてトロイダル型無段変速機の動力伝達能力が低下する
のを最小限にすることができる。そして、スペーサ12
により球面リング8の傾転軸線方向における変位を確実
に上記の通りにすることが可能で、上記の作用効果を完
璧に達成することができる。
【0049】しかも本実施の形態においては、既存のワ
イヤプーリ10によりトラニオン肩部5bとの間に球面
リング8を挟んで、ニードルベアリング9の回転中にお
ける傾きを抑制することとしたから、コスト上有利であ
るし、さらにワイヤプーリ10の取付け構造も既存のも
のを利用することができる共に、当該構造により取付け
たワイヤプーリ10の側面がそのまま球面リング8の位
置決めを行い得るために、ニードルベアリング9の内外
輪相対移動を抑制するための寸法管理が簡便になる。
【0050】図5および図6はそれぞれ、図3および図
4の実施形態に対して弾性手段としての皿バネ18,1
9を付加し、これらによりリテーナ13またはワイヤプ
ーリ10をトラニオン肩部5bに向けて付勢するように
したものである。これら実施の形態においては、ニード
ルベアリング9の傾きに関与するクリアランスを常時不
変に皆無にしておくことができ、クリアランスに関する
寸法管理を全く要することなしに、そして長期不変にニ
ードルベアリングのスキューに関する問題を解消するこ
とができる。
【0051】図7は、本発明の更に他の実施の形態を示
し、本実施の形態においては球面リング8を、トラニオ
ン肩部5bと、トラニオン5に螺合したナット20との
間に挟圧し、トラニオン肩部5bと球面リング8の対応
端面8cとの間、およびナット20と球面リング8の対
応端面8dとの間にそれぞれスラストニードルベアリン
グ21を介在させる。かかる構成においても、球面リン
グ8がトラニオン肩部5bとナット20との間に挟まれ
て傾転軸線方向の動きを制限されるから、ニードルベア
リング9のスキューによる傾転軸線O3 方向の力がリン
クおよびトラニオン間に作用するのを防止することがで
き、パワーローラ間で伝達トルクがばらついてトロイダ
ル型無段変速機の動力伝達能力が低下するのを回避し得
る。加えて、本実施の形態においては面倒なクリアラン
スの管理を要することなしに上記の作用効果を確実に達
成し得る点で大いに有利である。
【0052】図8は、基本的に図4の構成を踏襲する
が、球面リング8の端面8cとトラニオン肩部5bとの
間、および球面リング8の端面8dとワッシャ17との
間にそれぞれスラストニードルベアリング22を介在さ
せ、且つ、ナット16によるピストン6およびワイヤプ
ーリ10の締め上げ時に、隙間αを残して、これら両ス
ラストニードルベアリング22間に球面リング8を挟圧
するようになす。かかる構成においても、球面リング8
がスラストニードルベアリング22間に挟まれて傾転軸
線方向の移動を制限されることから、ニードルベアリン
グ9のスキューによる傾転軸線O3 方向の力がリンクお
よびトラニオン間に作用するのを防止することができ、
パワーローラ間で伝達トルクがばらついてトロイダル型
無段変速機の動力伝達能力が低下するのを回避し得る。
そして、本実施の形態においても図7の場合と同様に、
面倒なクリアランスの管理を要することなしに上記の作
用効果を確実に達成し得る点で大いに有利である。
【0053】なお、図3乃至図6におけるスペーサ12
の外径は、球面リング8の対応する端面8cの外径より
も大きく、しかし、球面8aの最大外径よりも小さくす
るのが良い。この場合、スペーサ12が球面リング8と
の接触面積よりもトラニオン肩部5bとの接触面積を大
きくされて、スペーサ12がトラニオン肩部5bに対し
て相対回転するのを防止することができ、当該トラニオ
ン肩部5bの摩耗によりニー球面リング8の傾きが大き
くなって所期の目的を達成できなくなる不都合を回避す
ることができる。なおこの場合、スペーサ12と球面リ
ング8との間で相対回転が発生するが、これらは同じ硬
質の材質により作ることから、問題となるような摩耗を
生ずることはない。
【0054】また、図3におけるリテーナ13について
は図示しなかったが、これとスナップリング14との間
に廻り止めを設けて、リテーナ13がスナップリング1
4に対し相対回転するのを防止するのが良い。この場
合、リテーナ13がスナップリング14を摩耗させるの
を防止することができ、もって、当該スナップリング1
4の摩耗により球面リング8の傾きが大きくなって所期
の目的を達成できなくなる不都合を回避することができ
る。
【0055】図9は、球面リング8の外側に傾転用ニー
ドルベアリング9を配置したトラニオン支持構造に本発
明を適用して実施する場合の形態を示す。本実施の形態
においては、球面リング8をトラニオン5の外周に嵌合
し、球面リング8の外球面8a上にニードルベアリング
9の内輪9bを嵌合する。そして、ベアリングニードル
9aをリンク7のトラニオン貫通孔内周面7aに沿って
直接配置することで、トラニオン貫通孔内周面7aをニ
ードルベアリング9の外輪となす。
【0056】ここでニードルベアリング9の内輪9b
を、リンク7のトラニオン貫通孔内周面7aに径方向内
方へ張り出させて形成した鍔部7bと、トラニオン5に
スナップリング23を介して係着したリテーナ24との
間に挟んで取付け、この際、ニードルベアリング内輪9
bの傾転軸線O3 方向における変位を前記各実施の形態
におけると同様に制限するようになす。かかる構成にお
いては、ニードルベアリング9の内輪9bが鍔部7bと
リテーナ24との間に挟まれて傾転軸線方向の移動を制
限されることから、ニードルベアリング9のスキューに
よる傾転軸線O3 方向の力がリンクおよびトラニオン間
に作用するのを防止することができ、パワーローラ間で
伝達トルクがばらついてトロイダル型無段変速機の動力
伝達能力が低下するのを回避し得る。
【0057】なお本実施の形態においても図示しなかっ
たが、図5につき前述したと同様な皿バネ18をリテー
ナ24に作用させて、ニードルベアリング内外輪の傾転
軸線方向における相対移動に関与するクリアランスを常
時不変に皆無にしておくことができ、寸法管理を全く要
することなしに、そして長期不変にニードルベアリング
のスキューに関する問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロイダル型無段変速機の一般的な構造を示す
縦断正面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機におけるトラニオン
支持部を、傾転用ニードルベアリングが回転により傾い
た状態で示す拡大図である。
【図3】(a)は、本発明の一実施の形態になるトラニ
オン支持構造を示す詳細縦断側面図、(b)は、同じく
その平面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態になるトラニオン支持
構造を示す詳細縦断側面図である。
【図5】本発明の更に他の実施の形態になるトラニオン
支持構造を示す詳細縦断側面図である。
【図6】本発明の更に別の実施の形態になるトラニオン
支持構造を示す詳細縦断側面図である。
【図7】本発明の更に他の実施の形態になるトラニオン
支持構造を示す詳細縦断側面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態になるトラニオン支持
構造を示す詳細縦断側面図である。
【図9】本発明の更に他の実施の形態になるトラニオン
支持構造を示す詳細縦断側面図である。
【符号の説明】
1 変速機ケース 2 入出力ディスク 3 パワーローラ 5 トラニオン 6 サーボピストン 7 リンク 8 球面リング 9 傾転用ニードルベアリング 10 ワイヤプーリ 11 傾転同期ワイヤ 12 スペーサ 13 リテーナ 14 スナップリング 15 トラニオンシャフト 16 ナット 17 ワッシャ 18 皿バネ(弾性手段) 19 皿バネ(弾性手段) 20 ナット 21 スラストニードルベアリング 22 スラストニードルベアリング

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入出力ディスク間で摩擦により動力伝達
    を行う複数のパワーローラを個々のトラニオンに回転自
    在に支持し、これらトラニオンを、パワーローラ回転軸
    線が入出力ディスクの回転軸線と交差した中立位置から
    オフセットするようストロークさせることで、該ストロ
    ーク方向に延在する軸線周りにおけるトラニオンおよび
    パワーローラの傾転を生起させて変速を行うようにし、 トラニオンの隣り合う一端同士および他端同士を、それ
    ぞれのリンクにより相互に連結して前記各トラニオンの
    ストロークを同位相で同期させると共に、トラニオンお
    よびリンク間の連結を、前記ストローク時の関節運動が
    軽快になるような球面リングおよび前記傾転が軽快にな
    るようなニードルベアリングを介して行ったトロイダル
    型無段変速機において、 前記ニードルベアリングの内輪および外輪間における傾
    転軸線方向の相対移動範囲を制限するよう構成したこと
    を特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオン支持
    構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ニードルベアリ
    ングの内輪をトラニオンの外周面により構成し、外輪を
    球面リングの内周面により構成する場合、球面リングの
    一端面をトラニオンに形成した肩部に支持し、他端面を
    トラニオンに取付けたリテーナに支持し、球面リングの
    前記一端面とトラニオンの前記肩部との間に、クリアラ
    ンス調整のためのスペーサを介在させたことを特徴とす
    るトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造。
  3. 【請求項3】 請求項2において、トラニオンの前記肩
    部から遠い球面リングの前記他端面を、トラニオン間の
    傾転同期を取るためのワイヤを掛け渡すべくトラニオン
    に取付けたワイヤプーリにより支持したことを特徴とす
    るトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ワイヤプーリ
    を、トラニオンの対応端部に螺合したネジにより締め上
    げてトラニオンに取り付けるよう構成したことを特徴と
    するトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか1項におい
    て、前記スペーサの外径を球面リングの対応する端面外
    径よりも大きく、球面の最大外径よりも小さくしたこと
    を特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオン支持
    構造。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか1項におい
    て、前記リテーナまたはワイヤプーリをトラニオンの前
    記肩部に向けて付勢する弾性手段を設けたことを特徴と
    するトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造。
  7. 【請求項7】 請求項2において、前記リテーナをスナ
    ップリングでトラニオンに係着する場合、リテーナとス
    ナップリングとの間に廻り止めを設けたことを特徴とす
    るトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記ニードルベアリ
    ングの内輪をトラニオンの外周面により構成し、外輪を
    球面リングの内周面により構成する場合、球面リング
    を、トラニオンに形成した肩部と、トラニオンに螺合し
    たナットとの間に、スラストベアリングを介して挟圧し
    たことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオ
    ン支持構造。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記ニードルベアリ
    ングの内輪を球面リングの外球面に嵌合し、外輪を、前
    記リンクのトラニオン貫通孔内周面により構成する場
    合、ニードルベアリングの内輪を、リンクのトラニオン
    貫通孔内周面に径方向内方へ張り出させて形成した鍔部
    と、トラニオンに係着したリテーナとの間に挟んで取付
    けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニ
    オン支持構造。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記リテーナをニ
    ードルベアリングの内輪に向けて付勢する弾性手段を設
    けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニ
    オン支持構造。
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