JPH11104830A - 溶接アーク長制御方法及びアーク溶接装置 - Google Patents

溶接アーク長制御方法及びアーク溶接装置

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JPH11104830A
JPH11104830A JP28467097A JP28467097A JPH11104830A JP H11104830 A JPH11104830 A JP H11104830A JP 28467097 A JP28467097 A JP 28467097A JP 28467097 A JP28467097 A JP 28467097A JP H11104830 A JPH11104830 A JP H11104830A
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arc
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JP28467097A
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Kougun Dou
紅軍 仝
Toshiro Uesono
敏郎 上園
Toshiaki Nakamata
利昭 中俣
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Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被溶接材の表面状況の不均一、被溶接材の温
度変化等によって発生する見かけのアーク長の変動を抑
制する。 【解決手段】 所定のアーク長に対応したアーク電圧平
均値Vaに相当するアーク電圧設定信号Vs及び溶接電
流Iwを検出して平滑した溶接電流平均値Iaに相当す
る平均溶接電流信号Iavを入力として、電源外部特性の
傾斜信号K及び電源外部特性の出力電流が零のときの出
力電圧を定める出力電圧定数Voを算出し、出力電圧定
数Voから溶接電流平均値Iaと電源外部特性の傾斜K
との積を減算した出力端子電圧Vt=Vo−K×Iaに
相当する出力端子電圧信号Vtを出力する電源外部特性
演算回路KCを備え、溶接負荷電圧Vwを検出して平滑
した検出電圧平均信号Vavと上記の出力端子電圧信号V
tとによって溶接電源PSの溶接電流Iwを制御してア
ーク長の変化を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク長の変化を
抑制する消耗電極ガスシールドアーク溶接の溶接アーク
長制御方法及びアーク溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム及びその合金の消耗電極ガ
スシールドアーク溶接では、被溶接材の表面状況の不均
一、その被溶接材の温度変化等によって、陰極点が移動
する範囲が異なり、アークの発生状態も大きく変化する
ので、同じアーク電圧平均値Vaであっても、見かけの
アーク長(以下、アーク長という)Laが異なり、溶接
結果も異なるために、溶接不良が発生する。
【0010】図1は、ワイヤの先端1aが、チップから
突き出し、突き出し長さExを流れる溶接電流Iwによ
るジュール熱と突き出し長さExのアーク熱とによっ
て、溶融して被溶接材の溶融部に移行する説明図であ
る。
【0012】図1において、送給ロールによって送給し
た溶接用ワイヤ1は、ノズルの中にあるチップを通過
し、チップから溶接電流Iwを給電する。溶接用ワイヤ
1はチップから突き出し、その先端と被溶接材との間に
アークを発生する。突き出し長さExを流れる溶接電流
Iwによるジュール熱と突き出し長さExのアーク熱と
によって、ワイヤの先端1aは溶融して被溶接材の溶融
部に移行する。
【0014】従来では、アーク長Laが溶接負荷電圧V
wに比例するという仮定に基づいて、溶接中のアーク長
Laを一定に保つために、溶接負荷電圧Vwを一定に維
持させるように制御している。即ち、適切な溶接負荷電
圧Vwを設定し、実際の溶接負荷電圧値をフィードバッ
クして設定した溶接負荷電圧Vwと比較し、その差を小
にすように制御している。
【0020】図2は、溶接電源の外部特性(以下、電源
外部特性という)と溶接アークの負荷特性(以下、アー
ク負荷特性という)とワイヤ溶融特性との関係を示す電
源外部・アーク特性図である。同図において、横軸は溶
接電流平均値Ia[A]であり、縦軸はアーク電圧設定
値Vs及びアーク電圧平均値Va[V]であって、電源
外部特性V1S及びV2Sとアーク負荷特性L1及びL
2とワイヤ溶融特性Wmとの関係を示す。
【0022】ワイヤ送給速度Wsを一定速度で送給する
と、通常のアーク発生状態で平均的には、ワイヤ溶融速
度Wmもワイヤ送給速度Wsと等しくなる。図2におい
て、溶接電流平均値Ia1[A]を通電するアーク電圧設
定値Vs1を設定すると、溶接電源は外部特性V1Sの出
力電流及び出力電圧を出力する。このときのワイヤ溶融
速度がWmであると、アーク負荷特性は、電源外部特性
V1Sとワイヤ溶融特性Wmとの交差点C1を通る直線
となり、アーク長La1が定まる。
【0024】同様に、溶接電流平均値Ia2[A]を通電
するアーク電圧設定値Vs2を設定すると、溶接電源は外
部特性V2Sの出力電流及び出力電圧を出力する。この
ときのワイヤ溶融速度がWmであると、負荷特性は、電
源外部特性V2Sとワイヤ溶融特性Wmとの交差点C2
を通る直線となり、アーク長La2が定まる。
【0026】図2において、ワイヤ溶融速度Wmを定め
るワイヤ送給速度Wsとアーク長Laを定めるチップ被
溶接材間距離とを一定値にすると、アーク電圧設定値
(Vs1、Vs2等)を設定することによって、アーク長
(La1、La2等)を制御することができる。
【0027】なお、点線で示すアーク負荷特性Ln、ワ
イヤ溶融速度がWn等については、後述する図5ととも
に説明する。
【0028】したがって、通常の消耗電極ガスシールド
アーク溶接方法においては、溶接負荷電圧Vwを検出し
フィードバック制御して一定値に制御すると、アーク長
Laも一定値に維持することができる。電源外部特性の
傾斜は、溶接電源の電源外部特性と溶接電流通電回路の
インピーダンス値Zとによって決まり、アーク電圧設定
値とは関係しない。
【0029】しかし、アルミニウム及びその合金の消耗
電極ガスシールドアーク溶接では、被溶接材の表面状況
の不均一、その被溶接材の温度変化等によって、陰極点
が移動する範囲が異なり、アークの発生状態も大きく変
化するので、同じアーク電圧平均値Vaであっても、見
かけのアーク長Laが異なり、溶接結果も異なるため
に、溶接不良が発生する。
【0030】図3は、図2の電源外部・アーク特性図か
ら定まるアーク長を制御する従来の溶接装置のブロック
図である。溶接負荷電圧Vwを検出して平滑したアーク
電圧平均値Vaと、所定のアーク長を得るための予め設
定したアーク電圧設定値Vsとを比較して、その差の設
定・検出電圧比較信号Cm2によって、パルス電流の周波
数、ベース電流通電時間等を増減させて、アーク電圧設
定値Vsとアーク電圧平均値Vaとが等しくなるように
制御する。
【0032】以下、図3のブロック図の動作について説
明する。ワイヤ送給速度設定回路WSは、ワイヤ送給速
度信号Wsを出力してモータMWに入力し、ワイヤ送給
速度を制御する。溶接電圧瞬時値検出回路VDは、溶接
負荷電圧Vwを検出して溶接電圧瞬時値信号Vdを出力
する。アーク電圧設定回路VSは、所定のアーク長に対
応したアーク電圧平均値を設定して、アーク電圧設定値
Vsに相当するアーク電圧設定信号Vsを出力する。
【0034】検出電圧平滑回路VDAは、この溶接電圧
瞬時値信号Vdを入力して平滑したアーク電圧平均値V
aに相当する検出電圧平均信号Vavを出力する。設定・
検出電圧比較回路CM2は、検出電圧平均信号Vavとア
ーク電圧設定信号Vsとを入力して、アーク電圧平均値
Vaとアーク電圧設定値Vsとを比較してその差の設定
・検出電圧比較信号Cm2を出力する。
【0036】電圧・周波数変換回路VFは、設定・検出
電圧比較信号Cm2を入力して、次のピーク電流Ipの通
電を指令する周波数制御信号Vf信号を出力する。
【0038】ピーク通電時間設定回路TPは、ピーク通
電時間(パルス幅)Tpを設定してピーク通電時間設定
信号Tpを出力する。ピーク電流値設定回路IPSは、
ピーク電流値Ipを設定してピーク電流値設定信号Ips
を出力する。ベース電流値設定回路IBSは、ベース電
流値Ibを設定してベース電流値設定信号Ibsを出力す
る。
【0040】パルス周波数・幅制御回路DFは、ピーク
通電時間設定信号Tp及び周波数制御信号Vfを入力し
て、パルス周波数・幅制御信号Dfを出力する。ピーク
・ベース電流値切換回路SW1は、パルス周波数・幅制
御信号Dfが入力されている期間だけピーク電流値設定
信号Ipsを通電し、パルス周波数・幅制御信号Dfが停
止されている期間はベース電流値設定信号Ibsを通電す
るピーク・ベース電流値切換信号Sw1を出力する。
【0042】設定・検出電流比較回路CM1は、溶接電
流検出回路IDの出力である溶接電流検出信号Idとピ
ーク・ベース電流値切換信号Sw1入力して溶接電流制御
信号Cm1を出力して、PWM制御のインバータ回路を備
えた溶接電源PSに入力して溶接電流Iwを制御する。
【0050】図4は、前述した図3の従来の溶接装置の
各回路の出力信号の時間的経過を示すタイミングチャー
トである。同図(A)は溶接電圧瞬時値検出信号Vdで
あり、同図(B)は検出電圧平滑信号Vav及びアーク電
圧設定信号Vsであり、同図(C)は周波数制御信号V
fであり、同図(D)はパルス周波数・幅制御信号Df
であり、同図(E)はピーク・ベース電流値切換信号S
w1であり、同図(F)は溶接電流検出信号Idである。
【0052】図4に示す各信号は次の回路から出力され
る。設定・検出電圧比較回路CM2は、溶接負荷電圧V
wを平滑したアーク電圧平均値Vaとアーク電圧設定値
Vsとを比較して、その差の設定・検出電圧比較信号C
m2を出力し、電圧・周波数変換回路VFは、この設定・
検出電圧比較信号Cm2に対応した周波数制御信号Vfを
出力する。パルス周波数・幅制御回路DFは、この周波
数制御信号Vfとピーク通電時間設定信号Tpとからパ
ルス周波数とピーク期間Tp(パルス幅)とを制御する
パルス周波数・幅制御信号Dfを出力する。
【0054】ピーク・ベース電流値切換回路SW1は、
パルス周波数・幅制御信号Dfが入力されているときに
ピーク電流値設定信号Ipsを出力し、パルス周波数・幅
制御信号Dfが入力されていないときにベース電流値設
定信号Ibsを出力する。設定・検出電流比較回路CM1
は、ピーク電流値設定信号Ipsとベース電流値設定信号
Ibsとを繰り返すピーク・ベース電流値切換信号Sw1と
溶接電流検出回路IDの出力である溶接電流検出信号I
dとを比較して、その差の溶接電流制御信号Cm1を出力
する。溶接電源PSは、溶接電流制御信号Cm1を入力し
て溶接電流を出力する。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】前述した図2乃至図4
で示した消耗電極ガスシールドアーク溶接の従来のアー
ク長制御方法では、以下の問題がある。前述したよう
に、アルミニウム及びその合金の消耗電極ガスシールド
アーク溶接では、被溶接材の表面状況の不均一、その被
溶接材の温度変化等によって、陰極点が移動する範囲が
異なり、アークの発生状態も大きく変化するので、同じ
アーク電圧平均値Vaであっても、見かけのアーク長L
aが異なり、溶接結果も異なるために、溶接不良が発生
する。
【0062】一般に、アーク長が増加すると、溶接負荷
電圧値Vwも略直線的に増加することは周知であるが、
このアーク長は、正確に言うと、通常の見かけのアーク
長L1、L2等ではなく、実際のアーク長Lbである。
【0064】図5は、同じ溶接負荷電圧値Vwであって
も、見かけのアーク長がLa1からLa2まで変化して、溶
接線WLの両側のビード幅もWaからWbに変化してし
まう現象を説明する図である。同図において、溶接の進
行にしたがって、被溶接材の温度が高くなり、ビード両
端から離れた位置も温度が高くになる。その結果、陰極
点の動く範囲が拡大してアークが広がる。アルミニウム
及びその合金の導電率が高くて突き出し長さExの抵抗
値が小さいために、同じ溶接負荷電圧値Vwのときは、
アークが広がるにしたがって突き出し長さExが長くな
り、見かけのアーク長がLa1からLa2まで短くなってし
まう。
【0066】同じ溶接負荷電圧値Vwであっても、見か
けのアーク長がLa1からLa2まで変化する理由は次のと
おりである。アルミニウム及びその合金の表面は、酸化
物で覆われており、他方、陰極点は酸化物上に発生しや
すい。陰極点は非常に高温になるために、一度、陰極点
が発生すると、陰極点の酸化物が破壊してしまうため
に、新たな陰極点に移る。時間の経過とともに、新たな
陰極点が周辺に移っていく。溶接開始時は、図5(A)
に示すように、陰極点が2aの位置にあるが、上記の新
たな陰極点はビード両端から離れた位置に移る。新たな
陰極点はビード両端から離れた位置に移ると、実際のア
ークが広がり、後述するように、溶接電流平均値が減少
するので、溶融幅(ビード幅)も広がる。
【0068】しかし、新たな陰極点はビード両端から離
れた位置に移ると、前述した図2に示すように、実際の
アーク長Lbのアーク電圧が大になるために、アーク負
荷特性はLnとなる。このとき、アーク電圧設定値Vs1
が一定値であると、外部特性はV1Sである。このとき
のワイヤ溶融速度がWnに低下し、アーク負荷特性は、
電源外部特性V1Sとワイヤ溶融特性Wnとの交差点C
nを通る直線となり、実際のアーク長Lbはアーク負荷
特性Ln上で定まる。
【0070】上記の電源外部特性V1Sとワイヤ溶融特
性Wnとの交差点Cnでの溶接電流平均値はIan[A]
に減少するので、ワイヤ溶融速度がWnに低下して、見
かけのアーク長が、図5(B)及び(A)に示すよう
に、La1からLa2に減少してしまう。
【0072】図5の(A)と(B)とを対比すると、溶
接負荷電圧値Vwは両者同じであるにもかかわらず、同
(A)の見かけのアークが長La1であり、同(B)の見
かけのアーク長がLa2であって、両者異なっている。溶
接負荷電圧値Vwが両者同じである理由は、両者とも、
実際のアーク長Lbが同じであるためである。
【0074】逆に、溶接負荷電圧値Vwが両者同じであ
るにもかかわらず、同(B)の見かけのアーク長La2が
同(A)の見かけのアーク長La1よりも小になると、実
際のアーク長Lbが同じであるので、同(B)の陰極点
2bがビード両端から離れ、ビード幅が広くなり、溶け
込み深さが浅くなる。場合によっては、長い短絡が多発
してスパッタが多くなり、アークは不安定になる。
【0076】上記のように、被溶接材表面の酸化被膜の
分布は、不均一であり、さらに、溶接する前の表面清浄
作業は、この不均一性を高め、ビード両側の遠い位置に
酸化物があると、その位置に陰極点が集中する。このよ
うに、被溶接材表面の酸化被膜分布状態によってアーク
の広がりが異なり、同一の溶接負荷電圧値であっても見
かけのアーク長は不定になってしまう。
【0078】上述したように、従来技術では、溶接負荷
電圧値を一定値に制御するだけであるために、見かけの
アーク長の変化を抑制することができないので、アーク
を安定に維持し、溶接結果を均一にすることができな
い。
【0080】そこで、本発明の目的は、被溶接材の表面
状況の不均一、被溶接材の温度変化等によって、見かけ
のアーク長の変動を抑制したアーク長制御方法及びアー
ク溶接装置を提供する。特に、消耗電極アーク溶接が、
アルゴンガスを主成分とするシールドガスでガスシール
ドして、アルミニウム又はその合金の消耗電極を予め設
定した一定の送給速度でアルミニウム又はその合金の被
溶接材に送給し、アーク長を短く設定して溶接する消耗
電極アーク溶接のアーク長制御方法及びアーク溶接装置
に適している。
【0101】
【課題を解決するための手段】請求項1の溶接アーク長
制御方法は、図8に示すように、アーク電圧設定値Vs
(V1〜V4)ごとの溶接電源の電源外部特性(外部特
性1〜外部特性4)の傾斜を、図6に示すアーク負荷特
性(L1〜L4)の傾斜と同じ値に連動させることによ
って、アークの広がりの影響を受けないで見かけのアー
ク長の変化を抑制する溶接アーク長制御方法である。
【0102】請求項2の溶接アーク長制御方法は、所定
の見かけのアーク長を得るためのアーク電圧設定値Vs
を設定し、図8に示すように、アーク電圧設定値Vs
(V1〜V4)ごとの溶接電源の電源外部特性(外部特
性1〜外部特性4)の傾斜Kを、図6に示すアーク負荷
特性(L1〜L4)の傾斜と同じ値にする出力端子電圧
値Vtを算出し、溶接負荷電圧Vwを検出して平滑した
アーク電圧平均値Vaと上記の出力端子電圧値Vtとの
差の値によって、上記のアーク電圧設定値Vsと上記の
アーク電圧平均値Vaとが等しくなるように制御するこ
とによって、アークの広がりの影響を受けないで見かけ
のアーク長の変化を抑制する溶接アーク長制御方法であ
る。
【0103】請求項3の溶接アーク長制御方法は、所定
の見かけのアーク長を得るためのアーク電圧設定値Vs
を設定し、図8に示すように、アーク電圧設定値Vs
(V1〜V4)ごとの溶接電源の電源外部特性(外部特
性1〜外部特性4)の傾斜Kを、図6に示すアーク負荷
特性(L1〜L4)の傾斜と同じ値に定めるとともに、
電源外部特性の出力電流が零のときの出力電圧に相当す
る出力電圧定数Voを算出し、上記の出力電圧定数Vo
から溶接電流平均値Iaと電源外部特性の傾斜Kとの積
を減算した出力端子電圧値Vt=Vo−K×Iaを算出
し、溶接負荷電圧Vwを検出して平滑したアーク電圧平
均値Vaと上記の出力端子電圧値Vtとの差の値によっ
て、上記のアーク電圧設定値Vsと上記のアーク電圧平
均値Vaとが等しくなるように制御することによって、
アークの広がりの影響を受けないで見かけのアーク長の
変化を抑制する溶接アーク長制御方法である。
【0104】請求項4のアーク長を制御するアーク溶接
装置は、図7に示すように、所定のアーク長に対応した
アーク電圧平均値Vaに相当するアーク電圧設定信号V
s及び溶接電流Iwを検出して平滑した溶接電流平均値
Iaに相当する平均溶接電流信号Iavを入力として、電
源外部特性の傾斜K及び電源外部特性の出力電流が零の
ときの出力電圧を定める出力電圧定数Voを算出し、出
力電圧定数Voから溶接電流平均値Iaと電源外部特性
の傾斜Kとの積を減算した出力端子電圧値Vt=Vo−
K×Iaに相当する出力端子電圧信号Vtを出力する電
源外部特性演算回路KCを備え、溶接負荷電圧Vwを検
出して平滑した検出電圧平滑信号Vavと上記の出力端子
電圧信号Vtとによって溶接電源PSの溶接電流Iwを
制御してアーク長の変化を抑制するアーク溶接装置であ
る。
【0105】請求項5のアーク長を制御するアーク溶接
装置は、溶接電圧瞬時値信号Vdを入力して平滑したア
ーク電圧平均値Vaに相当する検出電圧平滑信号Vavを
出力する検出電圧平滑回路VDAと、所定のアーク長に
対応したアーク電圧平均値Vaに相当するアーク電圧設
定信号Vsを出力するアーク電圧設定回路VSと、溶接
電流Iwを検出して平滑した溶接電流平均値Iaに相当
する平均溶接電流信号Iavを出力する溶接電流平滑回路
IDAと、アーク電圧設定信号Vs及び平均溶接電流信
号Iavを入力として、電源外部特性の傾斜K及び電源外
部特性の出力電流が零のときの出力電圧を定める出力電
圧定数Voを算出し、出力電圧定数Voから溶接電流平
均値Iaと電源外部特性の傾斜Kとの積を減算した出力
端子電圧値Vt=Vo−K×Iaに相当する出力端子電
圧信号Vtを出力する電源外部特性演算回路KC検出電
圧平滑信号Vavと出力端子電圧信号Vtとによって溶接
電源PSの溶接電流Iwを制御してアーク長の変化を抑
制するアーク溶接装置である。
【0106】請求項6のアーク長を制御するアーク溶接
装置は、溶接負荷電圧Vwを検出して溶接電圧瞬時値信
号Vdを出力する溶接電圧瞬時値検出回路VDと、この
溶接電圧瞬時値信号Vdを入力して平滑したアーク電圧
平均値Vaに相当する検出電圧平滑信号Vavを出力する
検出電圧平滑回路VDAと、所定のアーク長に対応した
アーク電圧平均値Vaに相当するアーク電圧設定信号V
sを出力するアーク電圧設定回路VSと、溶接電流Iw
を検出して溶接電流検出信号Idを出力する溶接電流検
出回路IDと、この溶接電流検出信号Idを平滑して溶
接電流平均値Iaに相当する平均溶接電流信号Iavを出
力する溶接電流平滑回路IDAと、アーク電圧設定信号
Vs及び平均溶接電流信号Iavを入力として、電源外部
特性の傾斜K及び電源外部特性の出力電流が零のときの
出力電圧を定める出力電圧定数Voを算出し、出力電圧
定数Voから溶接電流平均値Iaと電源外部特性の傾斜
Kとの積を減算した出力端子電圧値Vt=Vo−K×I
aに相当する出力端子電圧信号Vtを出力する電源外部
特性演算回路KCと、上記の検出電圧平滑信号Vavと出
力端子電圧信号Vtとを入力して、アーク電圧平均値V
aと出力端子電圧値値Vtとを比較してその差の設定・
検出電圧比較信号Cm2を出力する設定・検出電圧比較回
路CM2と、溶接電流検出信号Id及び設定・検出電圧
比較信号Cm2を入力して溶接電流制御信号Cm1を出力す
る設定・検出電流比較回路CM1と、この溶接電流制御
信号Cm1によって溶接電源PSの溶接電流Iwを制御し
てアーク長の変化を抑制するアーク溶接装置である。
【0107】請求項7のアーク長を制御するアーク溶接
装置は、溶接負荷電圧Vwを検出して溶接電圧瞬時値信
号Vdを出力する溶接電圧瞬時値検出回路VDと、この
溶接電圧瞬時値信号Vdを入力して平滑したアーク電圧
平均値Vaに相当する検出電圧平滑信号Vavを出力する
検出電圧平滑回路VDAと、所定のアーク長に対応した
アーク電圧平均値Vaに相当するアーク電圧設定信号V
sを出力するアーク電圧設定回路VSと、溶接電流Iw
を検出して溶接電流検出信号Idを出力する溶接電流検
出回路IDと、この溶接電流検出信号Idを平滑して溶
接電流平均値Iaに相当する平均溶接電流信号Iavを出
力する溶接電流平滑回路IDAと、アーク電圧設定信号
Vsを入力として、電源外部特性の出力電流が零のとき
の出力電圧に相当する出力電圧定数信号Vo及び電源外
部特性の傾斜信号Kを出力する電源外部特性設定回路K
Tと、電源外部特性の傾斜信号K及び出力電圧定数信号
Vo及び平均溶接電流信号Iavを入力して、出力電圧定
数Voから溶接電流平均値Iaと電源外部特性の傾斜K
との積を減算した出力端子電圧値Vt=Vo−K×Ia
に相当する出力端子電圧信号Vtを出力する減算回路V
Tと、上記の検出電圧平滑信号Vavと出力端子電圧信号
Vtとを入力して、アーク電圧平均値Vaと出力端子電
圧値Vtとを比較してその差の設定・検出電圧比較信号
Cm2を出力する設定・検出電圧比較回路CM2と、溶接
電流検出信号Id及び設定・検出電圧比較信号Cm2を入
力して溶接電流制御信号Cm1を出力する設定・検出電流
比較回路CM1と、この溶接電流制御信号Cm1によって
溶接電源PSの溶接電流Iwを制御してアーク長の変化
を抑制するアーク溶接装置である。
【0108】請求項8の溶接アーク長制御方法は、請求
項1又は請求項2又は請求項3の溶接アーク制御方法
が、アルゴンガスを主成分とするシールドガスでガスシ
ールドして、アルミニウム又はその合金の消耗電極を予
め設定した一定の送給速度でアルミニウム又はその合金
の被溶接材に送給し、アーク長を短く設定して溶接する
溶接アーク長制御方法である。
【0109】請求項9のアーク溶接装置は、請求項4又
は請求項5又は請求項6は請求項7の消耗電極アーク溶
接装置が、アルゴンガスを主成分とするシールドガスで
ガスシールドして、アルミニウム及びその合金の消耗電
極を予め設定した一定の送給速度でアルミニウム及びそ
の合金の被溶接材に送給し、アーク長を短く設定して溶
接するアーク溶接装置である。
【0110】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、図7に示
すように、溶接負荷電圧Vwを検出して溶接電圧瞬時値
信号Vdを出力する溶接電圧瞬時値検出回路VDと、こ
の溶接電圧瞬時値信号Vdを入力して平滑したアーク電
圧平均値Vaに相当する検出電圧平均信号Vavを出力す
る検出電圧平滑回路VDAと、所定のアーク長に対応し
たアーク電圧平均値Vaに相当するアーク電圧設定信号
Vsを出力するアーク電圧設定回路VSと、溶接電流I
wを検出して電流検出信号Idを出力する溶接電流検出
回路IDと、 電流検出信号Idを入力として溶接電流
平均値Iaに相当する平均溶接電流信号Iavを出力する
溶接電流平滑回路IDAと、上記のアーク電圧設定信号
Vsを入力して、電源外部特性の出力電流が零のときの
出力電圧に相当する出力電圧定数信号Vo及び電源外部
特性の傾斜信号Kを出力する電源外部特性設定回路KT
と、上記の電源外部特性の傾斜信号K及び出力電圧定数
信号Vo及び平均溶接電流信号Iavを入力して、出力電
圧定数Voから溶接電流平均値Iaと電源外部特性の傾
斜Kとの積を減算した出力端子電圧値Vt=Vo−K×
Iaに相当する出力端子電圧信号Vtを出力する減算回
路VTと、上記の検出電圧平滑信号Vavと出力端子電圧
信号Vtとを入力して、アーク電圧平均値Vaと出力端
子電圧値Vtとを比較してその差の設定・検出電圧比較
信号Cm2を出力する設定・検出電圧比較回路CM2と、
溶接電流検出信号Id及び設定・検出電圧比較信号Cm2
を入力して溶接電流制御信号Cm1を出力する設定・検出
電流比較回路CM1と、この溶接電流制御信号Cm1によ
って溶接電源PSの溶接電流Iwを制御してアーク長の
変化を抑制するアーク溶接装置である。
【0120】
【実施例】従来技術は、電源外部特性の傾斜がアーク電
圧設定値に関係なく予め設定した一定値にしていたが、
本発明は、電源外部特性の傾斜をアーク電圧設定値に連
動して変化させることによって、見かけのアーク長の変
化を抑制する溶接アーク長制御方法及びアーク溶接装置
である。
【0122】図6は、アーク電圧平均値Vaが低くなる
にしたがって、ワイヤ溶融特性Wmの湾曲して、アーク
負荷特性の傾斜が変化することを示すアーク負荷特性傾
斜変化図である。この図6は、正常アークのワイヤ溶融
特性と広がりアークのワイヤ溶融特性について、見かけ
のアーク長の溶接電流平均値Ia(横軸)とアーク電圧
設定値Vs及びアーク電圧平均値Va(縦軸)との関係
を示す実験データに基づいて作成している。
【0124】ワイヤ送給速度Wsを一定にしたときのワ
イヤ溶融特性Wmは、前述した図5(A)のような広が
りが大きくない正常アーク形状の場合においては、図6
の太線の曲線(以下、正常アークワイヤ溶融特性とい
う)となる。ワイヤ溶融特性Wmが図6の太線の曲線と
なる現象は、請求項8及び請求項9に記載したように、
アルゴンガスを主成分とするシールドガスでガスシール
ドして、アルミニウム又はその合金の消耗電極を予め設
定した一定の送給速度でアルミニウム又はその合金の被
溶接材に送給し、アーク長を短く設定して溶接した場合
に顕著に現れる。この現象は、アーク長を短く設定して
溶接するので、溶滴移行がスプレー移行と短絡移行との
中間にあるので、本出願人は「メソ・スプレー移行」と
呼んでいる。
【0125】上記の正常アークワイヤ溶融特性Wm上
に、アーク電圧設定値V1乃至V4を設定すると、アー
ク負荷特性は、アーク電圧設定値V1の場合はL1とな
り、V2の場合はL2となり、V3の場合はL3とな
り、V4の場合はL4となる。
【0126】これに対して、アークが前述した図5
(B)のような広がりが大きくなると、正常アーク形状
のときと同じワイヤ送給速度Wsであるにもかかわら
ず、ワイヤ溶融特性Wnは、図6の細線の曲線(以下、
広がりアークワイヤ溶融特性という)となる。この広が
りアークワイヤ溶融特性曲線Wn上に、アーク電圧平均
値V1n乃至V4nを設定すると、アーク負荷特性はアーク
電圧平均値V1nの場合はL1となり、V2nの場合はL2
となり、V3nの場合はL3となり、V4nの場合はL4と
なる。正常アークワイヤ溶融特性Wmと広がりアークワ
イヤ溶融特性Wnとを対比すると、アーク電圧設定値V
1が高いときは、両者のアーク負荷特性L1は同じであ
る。
【0128】しかし、アーク電圧設定値が低くなると、
正常アークワイヤ溶融特性Wmでのアーク電圧設定値V
3では、アーク負荷特性はL3であるにもかかわらず、
広がりアークワイヤ溶融特性Wnでは、アーク負荷特性
はL4となり、広がりアークワイヤ溶融特性Wnでのア
ーク電圧平均値V4nは、正常アークワイヤ溶融特性Wm
でのアーク電圧設定値V3となる。ここで、仮にアーク
電圧設定値V3を高くしてV3nにすれば、アーク負荷特
性は変化しないでL3を維持することができる。
【0130】ワイヤ送給速度Wsを一定値に設定してア
ーク広がりを変化させたて調べた結果、例えば、アーク
電圧設定値をV4に設定したときに、正常アークワイヤ
溶融特性Wmでのアーク負荷特性はL4であり、広がり
アークワイヤ溶融特性Wn上のアーク電圧平均値がV4n
になったときも、アーク負荷特性はL4である。言い換
えると、正常アークワイヤ溶融特性Wmのアーク電圧設
定値V4は勿論、広がりアークワイヤ溶融特性Wn上の
アーク電圧平均値V4nも、同じアーク負荷特性L4の直
線上に存在する。したがって、正常アークワイヤ溶融特
性Wmのアーク電圧設定値V1乃至V4は勿論、広がり
アークワイヤ溶融特性Wn上のアーク電圧平均値V1n乃
至V4nは、それぞれ同じアーク負荷特性L1乃至L4の
直線上に存在する。
【0132】上記のアーク負荷特性L1の傾斜は、正常
アークワイヤ溶融特性Wmと略直交し、アーク負荷特性
L1は略水平な直線であり、アーク負荷特性L4は略垂
直な直線である。上記のアーク負荷特性L1乃至L4の
傾斜は、正常アークワイヤ溶融特性Wmと略直交し、ア
ーク電圧設定値(V1乃至V4)が低くなるにしたがつ
て、アーク負荷特性は略水平な直線から、略垂直な直線
に変化することがわかった。
【0134】この実験結果を利用して、アーク電圧設定
値(V1乃至V4)ごとの電源外部特性の傾斜を、アー
ク負荷特性L1乃至L4の傾斜と同じにすることによっ
て、アークの広がりの影響を受けないで、見かけのアー
ク長の変化を抑制することができる。
【0140】図7は、本発明のアーク長制御方法を実施
する溶接装置のブロック図である。本発明は、従来の制
御方法と異なり、電源外部特性を、アーク負荷特性と対
応させた傾斜にすることによって、アーク負荷に応じた
適正なアーク電圧値及び電流値を供給するアーク長制御
方法である。以下、図7を参照して、本発明のアーク長
制御方法を実施する溶接装置のブロック図について説明
する。同図において、点線で示される電源外部特性演算
回路KCは、本発明の変更部分であり、この点線で示さ
れる部分以外は従来の溶接装置と同様である。
【0142】溶接電流検出回路IDは、溶接電流Iwを
検出して電流検出信号Idを出力する。溶接電流平滑回
路IDAは電流検出信号Idを入力として平滑した溶接
電流平均値Iaに相当する平均溶接電流信号Iavを出力
する。電源外部特性設定回路KTは、アーク電圧設定信
号Vsを入力として、電源外部特性の出力電流が零のと
きの出力電圧に相当する出力電圧定数信号Vo及び電源
外部特性の傾斜信号Kを出力する。上記の電源外部特性
の傾斜信号K及び出力電圧定数信号Voは、ワイヤ送給
速度Ws、溶接電流通電回路のインピーダンスZ等の影
響も考慮に入れると誤差を少なくし、また広範囲のアー
クの広がりにも適応させることができる。
【0144】減算回路VTは、電源外部特性の傾斜信号
K及び出力電圧定数信号Voと平均溶接電流信号Iavと
を入力して、出力電圧定数Voから溶接電流平均値Ia
と電源外部特性の傾斜Kとの積を減算した出力端子電圧
値Vt=Vo−K×Iaに相当する出力端子電圧信号V
tを出力する。
【0146】インピーダンスZの影響も考慮に入れる場
合は、電源出力端子電圧Vpは、溶接負荷電圧Vwに、
インピーダンスZと溶接電流平均値Iaとの積のインピ
ーダンス降下Vzを加算した値を出力する。
【0150】図8は、本発明のアーク長制御方法を適応
したアーク電圧設定値に連動して、電源外部特性の傾斜
を変化させることによって、見かけのアーク長の変化を
抑制する特性傾斜制御電源外部特性を示す。図8におい
て、ワイヤ送給速度Wsを予め設定した一定値にしてお
き、アーク電圧設定値をV1に設定したとき、電源外部
特性は略定電圧の電源外部特性1を出力する。アーク電
圧設定値をV2からV4に向かって低い値に設定してい
くと、電源外部特性の傾斜は外部特性2から外部特性4
に向かって略定電圧特性から垂下特性の方向に変化して
いる。また、いずれの電源外部特性も、正常アークワイ
ヤ溶融特性Wmと略直交している。
【0152】電源外部特性の傾斜が外部特性4のように
垂下特性になっていると、陰極点がビード両端から離れ
た位置に移動して、前述した図2に示すように、実際の
アーク長Lbのアーク電圧が大になるために、アーク負
荷特性はLnとなり、電源外部特性V1とワイヤ溶融特
性Wnとの交差点Cnでの溶接電流平均値はIanに減少
するために、ワイヤ溶融速度がWnに低下して、見かけ
のアーク長が、図5(B)及び(A)に示すように、L
a1からLa2に減少してしまうことを抑制することができ
る。
【0154】前述したように、電源外部特性の外部特性
1乃至外部特性4が、正常アークワイヤ溶融特性Wmと
略直交していると、ワイヤ送給速度Ws、溶接電源の出
力電流、出力電圧等が変動して、ワイヤ送給速度Wsと
正常アークワイヤ溶融特性Wmとのバランスが過渡的に
崩れたときでも、交差する動作点の変動が小さいので、
陰極点の移動範囲の拡大及びアーク形状の広がりに起因
する見かけアーク長の変化を抑制することができる。見
かけアーク長が一定であれば、アークの安定性及び溶接
結果の均一性を確保することができる。
【1000】
【本発明の効果】図9は、アーク電圧設定値Vsが予め
設定した一定値であっても、電源外部特性を変化させ
て、陰極点の移動による実際のアーク長Lbの変化に対
応した溶接負荷電圧を出力することによって、見かけの
アーク長Laの変化を抑制して、ビード幅をほとんど変
化させていない現象を説明する図である。
【1001】前述した図5においては、同じ溶接負荷電
圧値Vwであっても、見かけのアーク長がLa1からLa2
まで変化して、ビード幅もWaからWbに変化してしま
っていた。
【1002】図9に示す本発明のアーク長制御では、溶
接の進行にしたがって、被溶接材の温度が高くなり、ビ
ード両端から離れた位置が高温になっても、見かけのア
ーク長は一定に維持されるていることを示す。溶接の進
行にしたがって、アークは広がり、実際のアーク長はL
b1からLb2に増加して、アークの広がりと一致するクリ
ーニング幅はWc1からWc2に増加するが、アーク負荷特
性に対応させた電源外部特性を設定しているので、チッ
プと被溶接材間に出力する溶接負荷電圧Vwが電源外部
特性上を自動的に変化するので、見かけのアーク長の変
化は抑制される。その結果、溶接アークは安定し、均一
な溶け込み深さ及びビード幅を得ることができる。ま
た、被溶接材表面の酸化物分布が不均一であっても、見
かけのアーク長の変化は少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ワイヤの先端1aが、チップから突き
出し、突き出し長さExを流れる溶接電流Iwによるジ
ュール熱と突き出し長さExのアーク熱とによって、溶
融して被溶接材の溶融部に移行する説明図である。
【図2】図2は、電源外部特性とアーク負荷特性とワイ
ヤ溶融特性との関係を示す電源外部・アーク特性図であ
る。
【図3】図3は、図2の電源外部・アーク特性図から定
まるアーク長を制御する従来の溶接装置のブロック図で
ある。
【図4】図4は、前述した図3の従来の溶接装置の各回
路の出力信号の時間的経過を示すタイミングチャートで
ある。
【図5】図5は、同じ溶接負荷電圧値Vwであっても、
見かけのアーク長がLa1からLa2まで変化して、ビード
幅もWaからWbに変化してしまう現象を説明する図で
ある。
【図6】図6は、アーク電圧平均値Vaが低くなるにし
たがって、ワイヤ溶融特性Wmの湾曲して、アーク負荷
特性の傾斜が変化することを示すアーク負荷特性傾斜変
化図である。
【図7】図7は、本発明のアーク長制御方法を実施する
溶接装置のブロック図である。
【図8】図8は、本発明のアーク長制御方法を適応した
アーク電圧設定値に連動して、電源外部特性の傾斜を変
化させることによって、見かけのアーク長の変化を抑制
する特性傾斜制御電源外部特性を示す。
【図9】図9は、アーク電圧設定値Vsが予め設定した
一定値であっても、電源外部特性を変化させて、陰極点
の移動による実際のアーク長Lbの変化に対応した溶接
負荷電圧を出力することによって、見かけのアーク長L
aの変化を小にして、ビード幅をほとんど変化させてい
ない現象を説明する図である。
【符号の説明】 1…溶接用ワイヤ 1a、1b…ワイヤの先端 2…被溶接材 2a、2b…陰極点 AC…商用電源 CM1…設定・検出電流比較回路 Cm1…溶接電流制御信号 CM2…設定・検出電圧比較回路 Cm2…設定・検出電圧比較信号 DF…パルス周波数・幅制御回路 Df…パルス周波数・幅制御信号 Ex…突き出し長さ Ia、Ia1、Ia2…平均溶接電流/溶接電流平均値 Iav…平均溶接電流信号 Ib…ベース電流/ベース電流値 IBS…ベース電流値設定回路 Ibs…ベース電流値設定信号 ID…溶接電流検出回路 Id…溶接電流検出信号 IDA…溶接電流平滑回路 Ip…ピーク電流値 IPS…ピーク電流値設定回路 Ips…ピーク電流値設定信号 Iw…溶接電流(瞬時値) K…電源外部特性の傾斜/電源外部特性の傾斜信号 KC…電源外部特性演算回路 KT…電源外部特性設定回路 La、La1、La2…見かけのアーク長 L1乃至L4、Ln…アーク負荷特性 Lb、Lb1、Lb2…実際のアーク長 PS…溶接電源 SW1…ピーク・ベース電流値切換回路 Sw1…ピーク・ベース電流値切換信号 Tb…ベース期間/ベース通電時間設定信号 TP…ピーク通電時間設定回路 Tp…ピーク期間/ピーク通電時間設定信号 V1n乃至V4n…アーク電圧平均値 V1S、V2S…電源外部特性 Va、Va1、Va2…アーク電圧/アーク電圧平均値 Vav…検出電圧平滑信号 Vo…出力電圧定数/出力電圧定数信号 VD…溶接電圧瞬時値検出回路 VDA…検出電圧平滑回路 Vd…溶接電圧瞬時値検出信号 VF…電圧・周波数変換回路 Vf…周波数制御信号 Vp…電源出力端子電圧 VS…アーク電圧設定回路 Vs、Vs1、Vs2、V1乃至V4…アーク電圧設定値/
アーク電圧設定信号 VT…減算回路VT Vt…出力端子電圧(値)/出力端子電圧信号 Vw…溶接負荷電圧(値) Vw1、Vw2…溶接電圧平均値 Vz…インピーダンス降下 Wa、Wb…ビード幅 Wc1、Wc2…クリーニング幅 WL…溶接線 WM…ワイヤ送給モータ WS…ワイヤ送給速度設定回路 Ws…ワイヤ送給速度/ワイヤ送給速度設定信号 Wm…ワイヤ溶融速度/ワイヤ溶融特性 Wn…ワイヤ溶融速度/ワイヤ溶融特性 Z…インピーダンス

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給して溶接する溶接アーク長制御方法に
    おいて、アーク電圧設定値ごとの溶接電源の電源外部特
    性の傾斜を、アーク負荷特性の傾斜と同じ値に連動させ
    ることによって、アークの広がりの影響を受けないで見
    かけのアーク長の変化を抑制する溶接アーク長制御方
    法。
  2. 【請求項2】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給して溶接する溶接アーク長制御方法に
    おいて、所定の見かけのアーク長を得るためのアーク電
    圧設定値を設定し、前記アーク電圧設定値ごとの溶接電
    源の電源外部特性の傾斜を、アーク負荷特性の傾斜と同
    じ値にする出力端子電圧値を算出し、溶接負荷電圧を検
    出して平滑したアーク電圧平均値と前記出力端子電圧値
    との差の値によって、前記アーク電圧設定値と前記アー
    ク電圧平均値とが等しくなるように制御することによっ
    て、アークの広がりの影響を受けないで見かけのアーク
    長の変化を抑制する溶接アーク長制御方法。
  3. 【請求項3】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給して溶接する溶接アーク長制御方法に
    おいて、所定の見かけのアーク長を得るためのアーク電
    圧設定値を設定し、前記アーク電圧設定値ごとの溶接電
    源の電源外部特性の傾斜を、アーク負荷特性の傾斜と同
    じ値に定めるとともに、電源外部特性の出力電流が零の
    ときの出力電圧に相当する出力電圧定数を算出し、前記
    出力電圧定数から溶接電流平均値と前記電源外部特性の
    傾斜との積を減算した出力端子電圧値を算出し、溶接負
    荷電圧を検出して平滑したアーク電圧平均値と前記出力
    端子電圧値との差の値によって、前記アーク電圧設定値
    と前記アーク電圧平均値とが等しくなるように制御する
    ことによって、アークの広がりの影響を受けないで見か
    けのアーク長の変化を抑制する溶接アーク長制御方法。
  4. 【請求項4】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給してアーク長を制御して溶接する消耗
    電極アーク溶接装置において、所定のアーク長に対応し
    たアーク電圧平均値に相当するアーク電圧設定信号及び
    溶接電流を検出して平滑した溶接電流平均値に相当する
    平均溶接電流信号を入力として、電源外部特性の傾斜及
    び電源外部特性の出力電流が零のときの出力電圧を定め
    る出力電圧定数を算出し、前記出力電圧定数から前記溶
    接電流平均値と前記電源外部特性の傾斜との積を減算し
    た出力端子電圧値に相当する出力端子電圧信号を出力す
    る電源外部特性演算回路を備え、溶接負荷電圧を検出し
    て平滑した検出電圧平滑信号と前記出力端子電圧信号と
    によって溶接電源の溶接電流を制御してアーク長の変化
    を抑制するアーク溶接装置。
  5. 【請求項5】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給してアーク長を制御して溶接する消耗
    電極アーク溶接装置において、溶接電圧瞬時値信号を入
    力して平滑したアーク電圧平均値に相当する検出電圧平
    滑信号を出力する検出電圧平滑回路と、所定のアーク長
    に対応したアーク電圧平均値に相当するアーク電圧設定
    信号を出力するアーク電圧設定回路と、溶接電流を検出
    して平滑した溶接電流平均値に相当する平均溶接電流信
    号を出力する溶接電流平滑回路と、前記アーク電圧設定
    信号及び前記平均溶接電流信号を入力として、電源外部
    特性の傾斜及び電源外部特性の出力電流が零のときの出
    力電圧を定める出力電圧定数を算出し、前記出力電圧定
    数から前記溶接電流平均値と前記電源外部特性の傾斜と
    の積を減算した出力端子電圧値に相当する出力端子電圧
    信号を出力する電源外部特性演算回路と、前記検出電圧
    平滑信号と前記出力端子電圧信号とによって溶接電源の
    溶接電流を制御してアーク長の変化を抑制するアーク溶
    接装置。
  6. 【請求項6】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給してアーク長を制御して溶接する消耗
    電極アーク溶接装置において、溶接負荷電圧を検出して
    溶接電圧瞬時値信号を出力する溶接電圧瞬時値検出回路
    と、前記溶接電圧瞬時値信号を入力して平滑したアーク
    電圧平均値に相当する検出電圧平滑信号を出力する検出
    電圧平滑回路と、所定のアーク長に対応したアーク電圧
    平均値に相当するアーク電圧設定信号を出力するアーク
    電圧設定回路と、溶接電流を検出して溶接電流検出信号
    を出力する溶接電流検出回路と、前記溶接電流検出信号
    を平滑して溶接電流平均値に相当する平均溶接電流信号
    を出力する溶接電流平滑回路と、前記アーク電圧設定信
    号及び前記平均溶接電流信号を入力として、電源外部特
    性の傾斜及び電源外部特性の出力電流が零のときの出力
    電圧を定める出力電圧定数を算出し、前記出力電圧定数
    から前記溶接電流平均値と前記電源外部特性の傾斜との
    積を減算した出力端子電圧値に相当する出力端子電圧信
    号を出力する電源外部特性演算回路と、前記検出電圧平
    滑信号と前記出力端子電圧信号とを入力して、前記アー
    ク電圧平均値と前記出力端子電圧値とを比較してその差
    の設定・検出電圧比較信号を出力する設定・検出電圧比
    較回路と、前記溶接電流検出信号及び設定・検出電圧比
    較信号を入力して溶接電流制御信号を出力する設定・検
    出電流比較回路と、前記溶接電流制御信号によって溶接
    電源の溶接電流を制御してアーク長の変化を抑制するア
    ーク溶接装置。
  7. 【請求項7】 消耗電極を予め設定した一定の送給速度
    で被溶接材に送給してアーク長を制御して溶接する消耗
    電極アーク溶接装置において、溶接負荷電圧を検出して
    溶接電圧瞬時値信号を出力する溶接電圧瞬時値検出回路
    と、前記溶接電圧瞬時値信号を入力して平滑したアーク
    電圧平均値に相当する検出電圧平滑信号を出力する検出
    電圧平滑回路と、所定のアーク長に対応したアーク電圧
    平均値に相当するアーク電圧設定信号を出力するアーク
    電圧設定回路と、溶接電流を検出して溶接電流検出信号
    を出力する溶接電流検出回路と、前記溶接電流検出信号
    を平滑して溶接電流平均値に相当する平均溶接電流信号
    を出力する溶接電流平滑回路と、前記アーク電圧設定信
    号を入力として、電源外部特性の出力電流が零のときの
    出力電圧に相当する出力電圧定数信号及び電源外部特性
    の傾斜信号を出力する電源外部特性設定回路と、前記電
    源外部特性の傾斜信号及び前記出力電圧定数信号及び前
    記平均溶接電流信号を入力して、前記出力電圧定数から
    前記溶接電流平均値と前記電源外部特性の傾斜との積を
    減算した出力端子電圧値に相当する出力端子電圧信号を
    出力する減算回路と、前記検出電圧平滑信号と前記出力
    端子電圧信号とを入力して、前記アーク電圧平均値と前
    記出力端子電圧値とを比較してその差の設定・検出電圧
    比較信号を出力する設定・検出電圧比較回路と、前記溶
    接電流検出信号及び設定・検出電圧比較信号を入力して
    溶接電流制御信号を出力する設定・検出電流比較回路
    と、前記溶接電流制御信号によって溶接電源の溶接電流
    を制御してアーク長の変化を抑制するアーク溶接装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項2又は請求項3の溶
    接アーク制御方法が、アルゴンガスを主成分とするシー
    ルドガスでガスシールドして、アルミニウム又はその合
    金の消耗電極を予め設定した一定の送給速度でアルミニ
    ウム又はその合金の被溶接材に送給しアーク長を短く設
    定して溶接する溶接アーク長制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項4又は請求項5又は請求項6又は
    請求項7の消耗電極アーク溶接装置が、アルゴンガスを
    主成分とするシールドガスでガスシールドして、アルミ
    ニウム及びその合金の消耗電極を予め設定した一定の送
    給速度でアルミニウム及びその合金の被溶接材に送給し
    アーク長を短く設定して溶接するアーク溶接装置。
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