JPH11104879A - レーザ切断ノズルおよびレーザ切断方法 - Google Patents

レーザ切断ノズルおよびレーザ切断方法

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JPH11104879A
JPH11104879A JP9283180A JP28318097A JPH11104879A JP H11104879 A JPH11104879 A JP H11104879A JP 9283180 A JP9283180 A JP 9283180A JP 28318097 A JP28318097 A JP 28318097A JP H11104879 A JPH11104879 A JP H11104879A
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nozzle
cutting
gas
laser
laser cutting
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JP9283180A
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Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Makoto Kabasawa
真事 樺沢
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • B23K26/14Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring using a fluid stream, e.g. a jet of gas, in conjunction with the laser beam; Nozzles therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B23K26/14Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring using a fluid stream, e.g. a jet of gas, in conjunction with the laser beam; Nozzles therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板厚の厚い鋼板を効率的に切断し、かつ良好
な切断面の品質を得るためのレーザ切断用ノズルを提供
することを課題とする。 【解決手段】 下記部材を備えたことを特徴とするレー
ザ切断ノズルである。(a)レーザ光と第1のアシスト
ガスとしての酸素ガスを共に噴射するセンターノズル
と、(b)前記センターノズルの外周に設けた第1のア
シストガスとして酸素ガスを噴射するリングノズルと、
(c)前記レーザ光によって形成された切断溝に沿って
第2のアシストガスを噴射する、前記センターノズルの
後方に設けた補助ノズル。これにより、燃焼溶融した酸
化物(ドロス)を速やかに切断溝から排出することがで
きるので、容易に厚鋼板をレーザー切断でき、かつ、そ
の良好な切断面品質を得ることができる。また、前記第
2のアシストガスとして不活性ガス、さらにはArガス
を用いると厚鋼板の切断面の品質を一層向上することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
厚鋼板等の被加工物を切断するレーザ切断装置に使用さ
れるレーザ切断ノズル、及びそのノズルを用いたレーザ
切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】造船、建築、橋梁等には多量の熱間圧延
鋼板が使用されている。これら鋼構造物の熱間圧延鋼板
を用いた施工においてはコスト、工数の多くが溶接と切
断に占められており、これら施工の合理化のため、溶接
法のみならず切断法の自動化が著しく進展しつつある。
【0003】特に鋼板の切断方法として、切断幅が非常
に狭く、切断入熱による熱変形が小さいレーザ切断法
は、他の熱切断方法に比較して、切断面の品質が良好で
あり、切断に際してヒュームの発生が少なく作業環境が
良好であり、更に切断作業の完全自動化が容易であると
いう優れた特徴を有するため、比較的板厚の薄い鋼板の
切断を中心に、急速に普及している。
【0004】このように、レーザ切断法は鋼板切断の合
理化に対し最も有力な方法であるが、鋼板の板厚が厚く
なると、レーザ切断に際しての適正な切断速度の範囲が
限定されるため、その適用に限界があった。特に、切断
の生産性を高めるために切断速度を大きくすると、単位
切断長さ当たりのエネルギ入力が小さくなるため、板厚
全体を溶融するのが困難になる。
【0005】また、溶融した金属の排除も難しくなり、
ドロスと呼ばれる酸化物が切断下面に付着する。このた
め、切断面の品質を劣化させるのみならず、それを除去
するために余分の工数を必要とするなどの問題があり、
鋼板の板厚が20mmを超えるような厚鋼板のレーザ切
断は困難であり、適用が制限されているのが現状であ
る。
【0006】ところで、レーザ切断は、レーザ光源から
レーザ光を出射し、それを集光して被加工物に照射する
ことにより、切断すべき箇所を加熱溶融する。このと
き、同時に材料の溶融燃焼を支援するアシストガスを供
給して、切断部分をガウジングするとともに、溶融部分
を排除したり、残存板厚を溶融して切断する。アシスト
ガスとしては、通常は燃焼を支援するため高純度の酸素
ガスが用いられる。従って、レーザ光を集光し同時にア
シストガスを供給する、レーザ切断用ノズルの果たす役
割は極めて大きい。
【0007】従来、レーザ切断用のノズルには、種々の
構造のノズルが開発され、使用されてきた。それらは、 (1)レーザ光とアシストガスが同軸で噴射されるシン
グルノズル方式 (2)レーザ光とアシストガスが同軸で噴射されるとと
もに、異なる経路からも噴射供給されるノズル方式に大
別できる。
【0008】一般に、レーザ切断方法においては、アシ
ストガスの圧力を十分に高めることが重要であるが、レ
ーザの集光レンズの耐圧力が小さいため、(1)のシン
グルノズル方式では、圧力を十分に高めることが難し
い。このため、レーザ光と異なる経路からもアシストガ
スを噴射する(2)の方法について種々の考案がされて
おり、それらには、サイドノズル方式、ダブルノズル方
式、マルチノズル方式等がある。
【0009】サイドノズル方式は、レーザ光を集光する
センターノズルのサイドに設けた補助ノズルからもアシ
ストガスを供給する方式である。ダブルノズル方式は、
センターノズルの外側にリング状の開口部を設け、セン
ターノズルとリング状の開口部から、アシストガスを同
軸的に噴出する方式であり、例えば特開平6−7985
号公報に開示されている。
【0010】また、マルチノズル方式は、センターノズ
ルの外側に複数個の補助ノズルを有し、この補助ノズル
からも、非同軸的にアシストガスを噴出する方式であ
り、例えば特開平4−200888号公報に開示されて
いる。
【0011】しかしながら、シングルノズル方式および
サイドノズル方式は、薄鋼板の切断には適するものの、
板厚が厚くなると切断溝にアシストガスを十分に到達さ
せるのが難しくなるため、板厚が20mmを超えるよう
な厚鋼板の切断の場合には適さない。
【0012】特開平6−7985号公報に開示されるダ
ブルノズル方式は、鋼板のレーザ切断性の改善が期待さ
れる。しかし、当該発明は、主として金属酸化物の付着
防止を図ることにより、レーザ溶接における溶接部のビ
ード形状の改善を目的としたものであり、厚鋼板のレー
ザ切断に関しては言及されておらず、その効果について
は明らかでない。
【0013】また、特開平4−200888号公報に開
示されるマルチノズル方式は、シングルノズル方式やサ
イドノズル方式と比較すると、アシストガスの高圧化が
図れるため、厚鋼板のレーザ切断を改善することが期待
される。しかし、鋼板の切断の実施例については開示さ
れていない。なお、本発明者らの研究では、後述の理由
により、この方式を用いても、板厚20mm程度の厚鋼
板の切り放しは可能であるものの、切断面の品質は満足
なものではなかった。さらに板厚が30mmの鋼板の切
断は不可能であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
あるいは先行技術に開示されているレーザ切断用のノズ
ルを用いた場合は、鋼板の板厚が20mm以上となる
と、良好な切断面の品質を得るのが困難である。そこで
本発明は、板厚の厚い鋼板を効率的に切断し、かつ良好
な切断面の品質を得るためのレーザ切断用のノズルを提
供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、厚鋼板の
レーザ切断性におよぼす切断用ノズルについて、各種の
因子を詳細に研究した結果、下記発明をするに至った。
第1の発明は、下記部材を備えたことを特徴とするレー
ザ切断ノズルである。 (a)レーザ光と第1のアシストガスとしての酸素ガス
を共に噴射するセンターノズルと、(b)前記センター
ノズルの外周に設けた第1のアシストガスとして酸素ガ
スを噴射するリングノズルと、(c)前記レーザ光によ
って形成された切断溝に沿って第2のアシストガスを噴
射する、前記センターノズルの後方に設けた補助ノズ
ル。本発明により、燃焼溶融した酸化物(ドロス)を速
やかに切断溝から排出することができるので、容易に厚
鋼板をレーザ切断でき、かつ、その良好な切断面品質を
得ることができる。
【0016】第2の発明は、前記第2のアシストガスが
不活性ガスであることを特徴とするレーザ切断ノズルで
ある。本発明により、補助ノズルから不活性ガスを噴射
することにより、特に厚鋼板の切断面の品質を一層向上
することができる。
【0017】第3の発明は、前記不活性ガスがアルゴン
ガスであることを特徴とするレーザ切断ノズルである。
不活性ガスとしてはアルゴンガス、窒素ガス、またはこ
れらの混合ガス等があるが、高純度のものが入手しやす
いという点でアルゴンガスが望ましい。
【0018】第4の発明は、前記センターノズル、前記
リングノズル、前記補助ノズルからのガスの噴射を、い
ずれも独立して、流量及び/又は圧力の調整により制御
することが可能であること特徴とするレーザ切断ノズル
である。本発明により、耐圧力の小さいセンターノズル
の集光レンズを損傷することなく、リングノズル、補助
ノズルから、高圧のアシストガスの噴射が可能となり、
特に板厚の厚い鋼板の切断が容易になるとともに、切断
条件の制御も簡単になる。
【0019】第5の発明は、厚鋼板を切断するに際し
て、レーザ光とその周囲に第1のアシストガスとしての
酸素ガスを噴射し、さらに、前記レーザ光によって形成
された切断溝に沿って第2のアシストガスを噴射するこ
とを特徴とする、レーザ切断方法である。補助ノズルか
ら不活性ガスを噴射するレーザ切断法により、特に厚鋼
板のレーザ切断を容易にし、かつ良好な切断面の品質を
確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
【0021】本発明者らは、厚鋼板のレーザ切断性にお
よぼす切断用ノズルについて、各種の因子を詳細に研究
した結果、板厚が20mmを超える厚鋼板において、切
断面が良好な状態で切り放すためには、特に次の2点が
重要であることを見出した。
【0022】第1は、レーザ光が照射される最先端部、
すなわち切断溝部の下端部付近の第1のアシストガスで
ある酸素濃度を高くすることが重要である。このために
は、上記アシストガスの圧力を高めるとともに、下端部
の周囲に存在する空気の巻き込みを防止しなければなら
ない。
【0023】第2は、レーザ光が通過した後の切断溝部
に生成した、燃焼溶融した酸化物(ドロス)を、可及的
速やかに切断溝から排出することが重要である。このた
めには、切断溝の下端部分での第2のアシストガスの圧
力を十分高くするとともに、十分な速度のガス流れを確
保しなければならない。第1、第2の条件は単独では、
良好な切断面の品質の確保はできず、この二つの条件の
いずれをも満たさなければならない。
【0024】そこで、上記知見に基づき、2つの条件を
同時に満足するノズルの構造を鋭意検討した。まず、第
1の課題である、切断溝部の下端部付近の酸素濃度を高
くするためには、レーザ光と第1のアシストガスを同軸
で噴射するシングルノズル方式で、中心の第1のアシス
トガスの圧力を単純に増加する方法が考えられる。しか
し、この方法では、第1のアシストガスによる溶融燃焼
が過剰となるため、切断溝幅が増大し、レーザ切断の特
徴の1つである非常に狭い切断溝幅が得ることができな
い。また、レーザの集光レンズの耐圧力の点から、シン
グルノズル方式のみで圧力を高めるのは難しい。
【0025】一方、マルチノズル方式では、センターノ
ズルの外周部の補助ノズルからのガス圧力を増加させて
も、酸素濃度は、通常のシングルノズル方式における酸
素濃度とほぼ同程度しか得られず、切断溝部の下端部の
酸素濃度を高めることができなかった。これは、センタ
ーノズルと外周部の補助ノズルとの間の隙間から、空気
を巻き込むためと考えられる。
【0026】そこで、本発明に係るノズルはダブルノズ
ル方式とし、センターノズルからの第1のアシストガス
として酸素ガス噴射に加えセンターノズル周囲のリング
状ノズルからのガス圧力も増加し、切断溝部の下端部付
近の酸素濃度を、効果的に高める。このリング状ノズル
は、センターノズルの外周に、切れ目のない同心円状の
スリットを設けた形状である。この形状においては、リ
ング状ノズルからの第1のアシストガスの流れで、レー
ザ光を取り囲みその遮蔽効果により、周囲の空気の巻き
込みを効果的に防止することができる。
【0027】次に第2の課題である、切断溝の下端部分
での第2のアシストガスの圧力を高くし、十分な速度の
ガス流を得るための方策を検討した。サイドノズル方式
や、上記のセンターノズルの外周に同心円上のスリット
を設けたダブルノズル方式は、シングルノズル方式に比
べれば、レーザ光が通過した後の切断溝部の第2のアシ
ストガスの圧力を高めることができる。しかし、厚鋼板
を切断するために十分な、ガス流速とガス圧力を得るに
は至らなかった。
【0028】その結果、鋼板の板厚が20mmを超える
と、いったん溶融燃焼した部分に酸化物(ドロス)が堆
積し、切断溝が閉息されるため、切り放しができない。
これを解決するためには、切断後の切断溝に、選択的に
第2のアシストガスを供給することが方式が有効であ
る。そこで、本発明においてはセンターノズルの後方
(レーザ光の進行方向の後方)に、切断溝に沿って第2
のアシストガスを供給する補助ノズルを設ける。
【0029】このように、補助ノズルから第2のアシス
トガスを噴射供給すると、燃焼溶融した酸化物(ドロ
ス)を可及的速やかに切断溝から排出させることができ
る。従って、補助ノズルから噴出する第2のアシストガ
スは、酸素ガスに限定されるものではなく、他のガスを
用いて、酸化物を除去することも可能である。ただし、
切断面がまだ高温状態にあるため、切断面表面に浸炭、
窒化するような反応性のあるガスは好ましくないといえ
る。
【0030】本発明者らは、この知見に基づき、補助ノ
ズルから噴射するガスについても検討を重ね、不活性ガ
スが望ましいが、通常の純度のアルゴン(Ar)ガス
が、経済性の点では多少不利であるが、レーザ切断面の
品質を著しく向上させることができることを見出した。
【0031】すなわち、補助ノズルから切断溝にArガ
スを噴射した場合、通常の酸素ガスを噴射した場合に比
較して、切断面へのドロスの付着がなく、また切断面表
面が滑らかであり、切断下縁部の直角度が優れることが
明らかとなった。また、酸素ガスを用いた場合には、切
断溝の幅の局所的な拡がり(ノッチ)が生ずるのに対
し、Arガスの場合には、そのようなノッチの発生が抑
えられる。
【0032】これは、補助ノズルから酸素ガスを噴射す
ると、生成し排出すべきドロス等の溶融物が火種となっ
て過剰な燃焼を引き起こし、切断面へ新たなドロスの付
着、過剰溶融による切断面の表面粗さの劣化や角部の角
落ちがおきているためと推察される。従って、補助ノズ
ルから噴射するガスとしては、酸素ガスよりも鋼板の溶
融や燃焼に不活性なガスを用いることにより、ドロスの
排除を維持しつつ、切断面の品質を向上することが可能
となる。ここで、切断面の品質は、日本溶接協会規格W
ES2801による切断面品質の項目スラグ(S)とあ
らさ(R)とノッチ(N)による評価を行った。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。レ
ーザ切断は6kWレーザ加工機を使用し、レーザ出力4
〜6kWの条件の下で、種々の切断速度にて厚鋼板の切
断を行った。本実施例では、鋼構造物に多用される引張
強さ400MPa級の、板厚10〜60mmの厚鋼板を
用いた。その代表的な化学成分は、重量%(wt%)
で、C:0.15%、Si:0.20%、Mn:0.8
0%、P:0.018%、S:0.012%、Al:
0.025%を含有し、残部が鉄及び不純物からなるも
のである。
【0034】実施例1:リングノズル及び補助ノズルか
ら、第1及び第2のアシストガスとして酸素ガスを噴射
して、厚鋼板をレーザ切断した。実施例(発明例)1に
用いたレーザ切断用ノズルの底面図と縦断面図を図1に
示す。
【0035】図1に示すように、直径2.5mmφのセ
ンターノズル2のノズル孔1、それを取り囲む同心円状
のリングノズル3のノズル孔4(内径5mmφ、外径6
mmφ、スリット幅0.5mm)及び切断溝に選択的に
アシストガスを供給するための長さ5mm幅1mmのス
リット状の補助ノズル5のノズル孔6から構成されるも
のである。このような構造においてはセンターノズル
2、リングノズル3、補助ノズル5からアシストガスを
独立して供給でき、またそれぞれの噴射圧力、流量は独
立に調整可能である。
【0036】また、第1のアシストガスはガス供給孔7
からも供給され、第2のアシストガスはガス供給孔12
から供給される。センターノズル2は、スペーサー9と
その周囲の配置されるパッキング8を介し、センターノ
ズル2のフランジ10によりリングノズル3に気密に固
定される。なお、レーザ光13はセンターノズル2の中
心軸に沿って照射される。
【0037】一方、比較例としては、下記のノズルを用
いた。 比較例1:図7に示す、センターノズルのみからなるシ
ングルノズル。 比較例2:図8に示す、センターノズルと同心円状のリ
ングノズルを有するダブルノズル。 比較例3:図9に示す、センターノズルと等間隔に円周
方向の8カ所に補助ノズルを配置したノズル
【0038】本実施例では、噴射する酸素ガス圧力は、
センターノズルでは0.01〜0.05MPa、リング
ノズルでは0〜0.12MPa、補助ノズルでは0〜
0.6MPaの範囲で、レーザ切断を行った。また、酸
素は市販されている純度99.8%以上の高純度酸素を
用いた。
【0039】レーザ切断性の評価は、種々の切断速度に
て切断を行い、その際の適正切断速度を求めることによ
り行った。すなわち、板厚全体を溶融でき、かつ、切断
下面にドロスが付着しない上限の切断速度、ならびに、
切断面にノッチと呼ばれる切断不良部が発生しない下限
の切断速度を求めた。なおノッチとは、切断幅が50%
以上拡大した箇所をいう。
【0040】板厚が一定の場合、この上限、下限の切断
速度範囲の広いものが、レーザ切断性が良好となる。ま
た板厚が厚くなると、この上限切断速度と下限切断速度
の幅が狭くなり、ある厚さで良好な切断が困難となる。
実験ではこの限界板厚を求めた。
【0041】図5として示す表1に、板厚20mmにお
けるレーザ切断試験結果を示す。発明例1のノズルを用
いた場合は、ドロスが付着しない上限切断速度が750
mm/minと高く、同時に、ノッチが発生しない下限
切断速度は600mm/minであり、高速かつ広範囲
のレーザ切断速度の範囲で、良好な切断品質が得られて
いる。さらに切断後の切断面品質は日本溶接協会が定め
る切断面品質の規格であるWES2801のスラグ
(S)、あらさ(R)、ノッチ(N)においてそれぞれ
1級をクリアしている。
【0042】これに対して、比較例1〜3では、切断速
度を落とすことで分離切断は可能であるものの切断面の
品質はいずれも本発明例より劣っており、スラグ
(S)、あらさ(R)、ノッチ(N)において1級をク
リアしていない。比較例2のセンターノズルとリングノ
ズルを有する場合、比較例3のセンターノズルと複数の
補助ノズルを円周方向に有する場合はそれぞれ、リング
ノズルあるいは補助ノズルから高圧の酸素ガスを噴射し
ても、比較例1のセンターノズルのみからなる場合に比
べて厚鋼板の切断性が改善されていない。
【0043】一方、図6として示す表2には、良好な切
断面品質を有する切断可能最大板厚を、発明例1と比較
例とで比較した結果を示す。発明例1の条件において
は、板厚40mmまで良好な切断面の品質を保持しつつ
切断可能であり、比較例よりも十分に大きいことが明ら
かである。
【0044】実施例2:センターノズル、リングノズル
から、第1のアシストガスとして酸素ガスを噴射すると
ともに、補助ノズルから第2のアシストガスとして不活
性ガスであるArガスを噴射して、厚鋼板をレーザ切断
した。このとき、発明例2に用いたレーザ切断用ノズル
は、直径2.5mmφのセンターノズル孔、それを取り
囲む同心円状のリングノズル孔(内径5mmφ、外径6
mmφ、スリット幅0.5mm)及び切断溝に選択的に
不活性ガスを供給するための2個の2mmφの円孔から
なる補助ノズルで構成されるものである。図2に、ノズ
ルの底面図と縦断面図を示す。
【0045】実施例1と同様に、センターノズル、リン
グノズル、補助ノズルからガスを独立に供給でき、それ
ぞれの噴射圧力、流量は独立に調整可能である。本実施
例では、センターノズル、リングノズルからの第1のア
シストガスとしての酸素ガスの圧力は、各々、0.03
MPa、0.12MPa、補助ノズルからの第2のアシ
ストガスであるArガス圧力は0.6MPaで切断を行
った。レーザ切断性の評価は、実施例1と同様である。
結果を表1に併せて示す。
【0046】なお、比較例4として、実施例1における
比較例3で用いたセンターノズルと等間隔に円周方向の
8カ所に補助ノズルを配置したノズル(図9)を用い、
センターノズルから酸素ガスを0.04MPa、補助ノ
ズルからArガスを0.6MPaで噴射し、レーザ切断
を試みた。しかし、この場合は、切断溝部の酸素濃度を
高めることができず、切断が不可能であった。
【0047】板厚20mmにおける発明例2のノズルを
用いた場合の上限切断速度は実施例1に示した発明例1
よりも高く、また下限切断速度は発明例1と同様であ
り、適正切断速度の範囲が十分に広い。また、発明例2
の特徴とするところは、発明例1よりも、同じ板厚20
mmにおいては適正切断速度の範囲が広く、換言すれば
厚物の鋼板の切断においても余裕があり、切断面の品質
が優れていることである。また表2に示すように、実施
例2のノズル(図2)を用いた場合には最大54mmま
での厚鋼板の切断が可能であった。
【0048】また、本発明のレーザ切断用ノズルは、切
断溝に選択的に第2のアシストガスである酸素ガス、あ
るいはArガスを供給するための補助ノズルの形状を、
他の形状のものに代えても、同様の効果が得られる。す
なわち、図3に示すように、スリットの一端が図1に示
したリングノズルに接しない形状のもの、あるいは、図
4に示すように、多数の円孔を有する円管ノズルでも、
補助ノズルとしての効果が達成できる。
【0049】ただし、第2のアシストガスとして不活性
ガスを用いる場合には、その特徴を効果的に発揮するた
めにリングノズル孔と補助ノズル孔が遮断されているこ
とが望ましい。
【0050】さらに、レーザ切断の進行方向が変化して
も、常に切断溝にガスを供給する方法として、本発明の
ノズルを回転可能とし補助ノズルが常に切断溝上を追随
するようにする方法、あるいは複数の補助ノズルを設け
て常にいずれかの補助ノズルが切断溝をカバーする方法
も考えられる。また、本発明に係るレーザ切断に供され
る鋼板は、一般の厚鋼板であり、特にその化学成分を限
定する必要はない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るノズ
ル及び切断方法によれば、従来レーザ切断では困難であ
った、板厚20mm以上の厚鋼板を、優れた切断面品質
を有しかつ効率的にレーザ切断を可能とすることができ
る。このため、鋼構造物を施工する際の施工コスト低減
に大いに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ切断用ノズルの一例の底面図及
び縦断面図である。
【図2】本発明のレーザ切断用ノズルの一例の底面図及
び縦断面図である。
【図3】本発明のレーザ切断用ノズルの一例の底面図及
び縦断面図である。
【図4】本発明のレーザ切断用ノズルの一例の底面図及
び縦断面図である。
【図5】板厚20mmの厚鋼板を切断した場合の、良好
な切断が可能な適正な上限及び下限切断速度を比較した
結果を表1として示す図である。
【図6】良好な切断が可能な鋼板の最大板厚を比較した
結果を表2として示す図である。
【図7】比較例に用いた従来のシングルノズルの底面図
及び縦断面図である。
【図8】比較例に用いた従来のダブルノズルの底面図及
び縦断面図である。
【図9】比較例に用いた従来のマルチノズル型の補助ノ
ズル有するノズルの底面図及び縦断面図である。
【符号の説明】
1 センターノズル孔 2 センターノズル 3 リングノズル 4 リングノズル孔 5 補助ノズル 6 補助ノズル孔 7 リングノズルへの第1のアシストガス供給口 8 パッキング 9 スペーサー 10 センターノズルフランジ 12 補助ノズルへの第2のアシストガス供給口 13 レーザー光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記部材を備えたことを特徴とするレー
    ザ切断ノズル。 (a)レーザ光と第1のアシストガスとしての酸素ガス
    を共に噴射するセンターノズルと、(b)前記センター
    ノズルの外周に設けた第1のアシストガスとして酸素ガ
    スを噴射するリングノズルと、(c)前記レーザ光によ
    って形成された切断溝に沿って第2のアシストガスを噴
    射する、前記センターノズルの後方に設けた補助ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記第2のアシストガスが不活性ガスで
    あることを特徴とする請求項1記載のレーザ切断ノズ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記不活性ガスがアルゴンガスであるこ
    とを特徴とする請求項2記載のレーザ切断ノズル。
  4. 【請求項4】 前記センターノズル、前記リングノズ
    ル、前記補助ノズルからのガスの噴射を、いずれも独立
    して、流量及び/又は圧力の調整により制御することが
    可能であること特徴とする、請求項1又は2記載のレー
    ザ切断ノズル。
  5. 【請求項5】 厚鋼板を切断するに際して、レーザ光と
    その周囲に第1のアシストガスを噴射し、さらに、前記
    レーザ光によって形成された切断溝に沿って第2のアシ
    ストガスを噴射することを特徴とする、レーザ切断方
    法。
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