JPH111060A - 記録媒体、およびこの記録媒体を用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

記録媒体、およびこの記録媒体を用いたインクジェット記録方法

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JPH111060A
JPH111060A JP10052732A JP5273298A JPH111060A JP H111060 A JPH111060 A JP H111060A JP 10052732 A JP10052732 A JP 10052732A JP 5273298 A JP5273298 A JP 5273298A JP H111060 A JPH111060 A JP H111060A
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信幸 細井
Katsutoshi Sumita
勝俊 簾田
Akiyoshi Ishizaki
明美 石崎
Tsugiko Komata
亜子 小俣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の組成のインクに対応でき、インク吸収
性に優れ、印字の滲み、ビーディングの発生を抑え、高
画像濃度が得られる記録媒体およびこれを用いたインク
ジェット記録方法を提供する。 【解決手段】 基材上にアルミナ水和物を含有するイン
ク受容層を有する記録媒体において、該アルミナ水和物
が該インク受容層中で無配向に存在し、前記インク受容
層の断面に電子線を入射させたとき回折像の回折強度変
動値δが5%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方法に適する記録媒体ならびにこれを用いたインクジ
ェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴をノズルより飛翔させて、紙などの記録媒体に付
着させ、画像、文字などの記録を行うものであるが、高
速低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大き
く、現像、定着が不要などの特徴があり、プリンターへ
の展開を初めとして、複写機、ワープロ、FAX、プロ
ッター等の情報機器へ展開され、急速に普及している。
また、近年高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、
スキャナーが安価で提供されつつあり、パーソナルコン
ピュータの普及と相まって、これから得られた画像情報
をインクジェット記録方式で出力する機会が増えてい
る。このため銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較し
て遜色ない画像をインクジェット方法で出力することが
求められている。そのために、記録の高速化、高精細
化、フルカラー化など記録装置、記録方式の改良が行わ
れてきたが、記録媒体に対しても高度な特性が要求され
るようになってきた。
【0003】インクジェット記録等に用いられる記録媒
体については、従来から多種多様の形態のものが提案さ
れてきた。例えば特開昭52−53012号公報には低
サイズの原紙に表面加工塗料を浸潤させるインクジェッ
ト用紙が開示されている。特開昭53−49113号公
報には尿素−ホルマリン樹脂粉末を内添したシートに水
溶性高分子を含浸させたインクジェット用紙が開示され
ている。特開昭55−5830号公報には支持体表面に
インク吸収性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙
が開示され、特開昭55−51583号公報には被覆層
中の顔料として非晶質シリカを用いた例が開示され、特
開昭55−146786号公報には水溶性高分子塗工層
を用いた例が開示されている。
【0004】記録媒体については、近年、アルミナ水和
物を用いたものが注目を集めつつある。アルミナ水和物
は正電荷を有しているためインク染料の定着がよく、発
色性の高い、高光沢性の画像が得られるなど従来の記録
媒体に比べて長所を有するからである。特開平7−23
2475号公報には、アルミナ水和物を用いてインク吸
収性、にじみを防止した被記録媒体が開示されている。
また、米国特許明細書第4879166号、同5104
730号、特開平2−276670号公報、同4−37
576号公報、同5−32037号公報には、擬ベーマ
イト構造のアルミナ水和物を用いた層を有する記録媒体
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナ水和物を用いた記録媒体が上述のように銀塩系写真や
製版方式の多色印刷と比較して遜色ない高精細の画像を
短時間に出力するためには、以下の問題点を有してお
り、更に改善の余地がある。
【0006】(1)高精細のカラー画像を短時間に出力
するための印字ではインク量が多くなるので、印字した
インクが細孔で吸収しきれずにインク受容層表面に溢れ
出して、滲みが発生して印字の品位が悪くなってしま
う。
【0007】(2)高速印字では速いインク吸収性が要
求されるが、吸収速度が不十分であるとビーディングが
発生してしまう。ここでいうビーディングとは、先に付
与されたインクドットが記録媒体に吸収される前に、記
録媒体上で隣りのインクドットと接触して繋がってしま
い、画像濃度にムラを生じる現象である。
【0008】(3)特開平3−281384号公報に
は、柱状で、一定方向に配向した集合体を形成したアル
ミナ水和物と、そのアルミナ水和物を用いてインク受容
層を形成する方法が開示されている。更に、特開平2−
276670号公報には、束状のアルミナゾルの例が開
示されている。しかし、このような柱状構造をしたアル
ミナ水和物は粒子のエッジ部分での電荷集中が発生する
ためか、粒子同士が凝集する傾向が強くアルミナ水和物
が配向して密に詰まるため、インク受容層中へのインク
浸透の抵抗が大きくなり、高精細のカラー画像を短時間
に出力するための印字では、ビーディングが発生しやす
いと考えられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決する目的でなされたものである。すなわち、種々の
組成のインクに対応でき、インク吸収性に優れ、印字の
滲み、ビーディングの発生を抑え、高画像濃度が得られ
る記録媒体およびこれを用いたインクジェット記録方法
を提供することを目的とする。
【0010】本発明の記録媒体は、基材上にアルミナ水
和物を含有するインク受容層を有する記録媒体におい
て、該アルミナ水和物が該インク受容層中で無配向に存
在し、前記インク受容層の断面に電子線を入射させたと
き、回折像の回折強度変動値δが5%以下であることを
特徴とするものである。
【0011】また、本発明のインクジェット記録方法
は、上記記録媒体に、インク液滴を飛翔させて付着させ
ることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の記録媒体は、無配向性ア
ルミナ水和物を必須成分として含有する記録媒体であ
り、基材上に、主として上記アルミナ水和物とバインダ
ーから形成されるインク受容層が設けられている。アル
ミナ水和物はインク受容層中で無配向に存在する。すな
わち、本発明で使用するアルミナ水和物は、図1の図面
代用写真(透過電子顕微鏡観察:倍率10万倍)に示す
とおり、インク受容層中で粒子が一定方向に配列してい
ない(つまり無配向である)ために特定の結晶面が配向
しないことから、特定の結晶面での電子線回折が強調さ
れず、図2の図面代用写真(電子線回折像)に示すとお
り、どの結晶面の回折リングもそれぞれほぼ一定の強度
分布をもつ。
【0013】一方、図3の図面代用写真(透過電子顕微
鏡観察:倍率10万倍)に示すとおり、一定方向に配向
する束状のアルミナ水和物(ベーマイト)は、(02
0)面により電子線回折が強調されるために図4の図面
代用写真(電子線回折像)に示すとおり、(020)面
の回折リングに強度の強弱が観察される。
【0014】ここで、本発明で使用するアルミナ水和物
は以下の式(1)の条件を満たすものである。すなわ
ち、前記記録媒体を厚み方向に切断してインク受容層の
断面に電子線を照射すると、透過回折図形として同心円
状に並ぶリング状の回折像が得られる。このとき、各々
のリング状回折像の下記式(1)で表される回折強度変
動値δが5%以下である。 δ=(Imax−Imin)/(Imax+Imin)×100 (1) (式中、Imaxは一つのリング状の回折像における回
折強度の最大値を示し、Iminは最小値を示す) このような条件を満たす場合には、とりわけインクの吸
収速度が十分に速くなり、ビーディングの発生を効果的
に防止することができる。
【0015】本発明におけるアルミナ水和物は下記一般
式(2)により表わされる。 Al2 O3-n (OH)2n・mH2 O (2) 式中、nは1、2または3の整数のいずれかを表し、m
は0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。但し、mと
nは同時には0にはならない。mH2 Oは、多くの場合
結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すもの
であるため、mは整数または整数でない値をとることも
できる。またこの種の材料をか焼するとmは0の値に達
することがあり得る。一般的なアルミナ水和物はアルミ
ニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウム
の加水分解など公知の方法で製造することができる。R
ocekら(Collect czech Chem
Commun、56巻、1253〜1262、1991
年)はアルミナ水和物の多孔質構造は析出温度、溶液p
H、熟成時間、表面活性剤に影響されることを報告して
いる。またアルミナ水和物の中で擬ベーマイトには文献
(Rocek J al.,et.,Applied
catalysis、74巻、29〜36、1991
年)に記載されているように繊毛状とそうでない形状が
あることが一般に知られている。本発明で用いるアルミ
ナ水和物の形状は、平均アスペクト比が1〜4の紡錘形
状をしている。平均アスペクト比は粒子の長軸径を短軸
径で除することによって算出している。粒子形状の測定
は後述する方法で、透過型電子顕微鏡での観察によって
行った。
【0016】アルミナ水和物のBET比表面積、細孔径
分布、細孔容積、該アルミナ水和物および該アルミナ水
和物を含有するインク受容層の細孔径分布、細孔容積
は、窒素吸着脱離法によって同時に求めることができ
る。本発明で用いる無配向性アルミナ水和物のBET比
表面積は70〜300m2 /gの範囲が好ましい。かか
るBET比表面積が上記範囲の下限より小さい場合には
細孔径分布が大きい方に片寄ってインク中の染料を十分
に吸着・固定することができなくなることがあり、上限
より大きい場合にはアルミナ水和物を分散性よく塗工で
きなくなって細孔径分布が調整できなくなることがあ
る。
【0017】本発明に用いるアルミナ水和物の製造方法
は、例えばアルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠
法および硝酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムによ
る加水分解・解膠法を用いることができる。後述する実
施例で示すように、2段階の結晶成長工程をとることに
より平均アスペクト比1〜4の紡錘形状のアルミナ水和
物を得ることができるが、製造方法としては特にこの方
法に限定されるわけではない。例えば、アルミニウムア
ルコキシドの加水分解あるいは硝酸アルミニウムとアル
ミン酸ナトリウムによる加水分解からアルミナヒドロゲ
ルスラリーを形成した後にスプレー乾燥等の方法でアル
ミナ水和物の粉末を形成し、次にこれを酸溶液に分散さ
せてからアルミン酸ナトリウムを添加して再び結晶成長
させることにより製造することもできる。結晶成長を速
くすると、形状異方性が少なくない、無配向となる傾向
にある。
【0018】本発明の記録媒体は、基材上に、顔料とし
て前記無配向性アルミナ水和物とバインダーを配合した
塗工液(アルミナ水和物の分散液)を塗布してインク受
容層とする。インク受容層の物性値は、用いる無配向性
アルミナ水和物のみで決まるのではなく、バインダーの
種類や混合量、塗工液の濃度、粘度、分散状態、塗工装
置、塗工ヘッド、塗工量、乾燥の条件などの種々の製造
条件によって変化するので、本発明では、インク受容層
の特性を得るためには製造条件を最適な範囲に調整する
必要がある。
【0019】前記インク受容層の細孔は、細孔半径の分
布の極大が30〜200Åの範囲であることが好まし
い。極大細孔半径が上記範囲の上限よりも大きくなった
場合はインク中の染料の吸着・固定が悪くなって画像に
滲みが発生しやすく、下限より小さくなった場合にはイ
ンクの吸収性が低下してビーディングが発生しやすくな
る。
【0020】インク受容層を構成する無配向性アルミナ
水和物の細孔も、細孔半径の分布の極大がインク受容層
と同じように、30〜200Åの範囲にあることが好ま
しい。インク受容層の極大細孔半径はアルミナ水和物の
極大細孔半径に依存する。
【0021】本発明の記録媒体において、無配向性アル
ミナ水和物と組み合わせて用いることのできるバインダ
ーとしては、水溶性高分子の中から自由に選択すること
ができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変
性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性
体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース
誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン
系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、
エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラ
テックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸また
はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが好
ましい。これらのバインダーは、単独あるいは複数種混
合して用いることができる。前記無配向性アルミナ水和
物とバインダーの混合比は重量基準で1:1〜30:
1、より好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に
選択できる。バインダーの量が上記範囲よりも少ない場
合はインク受容層の機械的強度が不足して、ひび割れや
粉落ちが発生することがあり、上記範囲よりも多い場合
は細孔容積が少なくなるためインクの吸収性が低下する
場合がある。
【0022】アルミナ水和物およびバインダーには必要
に応じてアルミナ水和物分散剤、増粘剤、pH調整剤、
潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化
剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤な
どを添加してもよい。
【0023】本発明の記録媒体の基材としては、適度の
サイジングを施した紙、無サイズ紙、ポリエチレン等を
用いたレジンコート紙などの紙類、熱可塑性フィルムの
ようなシート状物質および布が使用でき、特に制限はな
い。
【0024】銀塩写真のような質感のある記録媒体とす
るには、坪量が120g/m2 以上、更には150〜1
80g/m2 の繊維状物質(例えば、木材パルプ)から
なる基材が好ましい。
【0025】本発明においては、インク受容層を多層構
成としてもよい。例えば、基材側から硫酸バリウムを含
有する多孔質の第1インク受容層と、無配向性アルミナ
水和物を含有する第2インク受容層とを積層するとよ
い。
【0026】硫酸バリウムは、白色度及び耐光性を良好
にするために、できるだけ不純物を取り除いたものを使
用することが好ましい。さらに、下層表面の平滑性を上
げるために硫酸バリウムの平均粒子径は0.4μm〜
1.0μmの範囲が好ましく、0.4μm〜0.8μm
の範囲がより好ましい。この範囲が0.4μm未満であ
ると、白色度、光沢度、溶媒吸収性が低下しやすく、
1.0μmを越えると、白色度、光沢度に影響が出てく
る。
【0027】硫酸バリウムを結着させるためのバインダ
ーとしてはゼラチンを用いることが好ましい。その理由
として、硫酸バリウムとゼラチンの屈折率が近いため、
その境界面での反射が比較的少ないことが挙げられる。
【0028】ゼラチンの種類は酸処理、アルカリ処理等
のいずれでもよく、塗工液を調製する際のゼラチンの量
は、硫酸バリウム100重量部に対して6重量部〜12
重量部が好ましい。さらに、ゼラチンの架橋剤として一
般的に硫酸クロム、クロム明礬、ホルマリン、トリアジ
ン等が使用されるが、取り扱いの簡便さから主にクロム
明礬が好ましく使用される。架橋剤の添加量は、ゼラチ
ン100重量部に対して0.2〜4重量部が好ましい。
【0029】硫酸バリウムの基材への塗工量としては、
インクの溶媒吸収性を十分に持たせるため、また、必要
な平滑性を持たせる為にも塗工液の固形分が20〜40
g/m2 の範囲となるようにするのが好ましい。塗工・
乾燥方法は特に限定されないが、仕上げ工程としてスー
パーカレンダー等の表面平滑化処理を行い、第1インク
受容層が白色度87%以上であり、表面のベック平滑度
が400秒以上とするのが好ましい。
【0030】平滑度があまり高いとインク吸収性の低下
を招きやすいので、平滑度を好ましくは600秒以下、
より好ましくは500秒以下にすることが望ましい。
【0031】また、図5に示すように、基材1の裏面
(インク受容層2の設けられた面とは反対側の面)に、
感圧性接着剤等の接着剤3を介して離型紙4を設けて、
本発明の記録媒体を貼り付け可能なシートとしてもかま
わない。すなわち、離型紙4をはずすことによって本発
明の記録媒体を、適当な場所に貼り付けることができ
る。
【0032】更に、本発明では、最表層として熱可塑性
樹脂粒子を含む多孔質層をインク受容層上に設けてもよ
い。このようにすることにより、付与されたインクが、
この多孔質層を介して下層のインク受容層に到達し、そ
こに画像を形成し、次いでこの最表層を非孔質化するこ
とで、画像濃度が高く、耐候性に優れた印字物が得られ
る。
【0033】最表層に使用される熱可塑性樹脂粒子とし
てはラテックスが好ましい。
【0034】本発明のインク受容層を有する記録媒体に
おいて、基材上にインク受容層を形成する方法として
は、上記の無配向性アルミナ水和物を含む分散溶液を塗
工装置を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いるこ
とができる。塗工方法として一般に用いられているブレ
ードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、
カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、
スプレー装置等による塗工技術を採用することができ
る。分散液の塗布量は乾燥固形分換算で0.5〜60g
/m2 、より好ましくは5〜45g/m2 である。必要
に応じて塗工後にカレンダー装置などを用いてインク受
容層の表面平滑性を良くすることもできる。
【0035】本発明のインクジェット記録方法は以上説
明した記録媒体を用いたものであり、この記録媒体に対
し、インクの微小液滴を飛翔させて付着させ、画像、文
字などの記録を行うものである。かかるインクジェット
記録方式としては、バブルジェット方式、ピエゾ方式の
どちらでもよいが、高速印字、高精細印字を可能とする
点で、バブルジェット方式を採用するのが好ましい。ま
た、インクとしては水系のものが好ましく、色素として
は染料もしくは顔料が使用できる。
【0036】本発明の記録媒体が最表層を有する場合に
は、インクを付与して画像を形成後、加熱処理により最
表層を非孔質化(透明化)する。かかる処理を施すこと
で、耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光
沢を付与することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
物性値の測定は下記の方法で行った。
【0038】(1)BET比表面積、細孔径分布、細孔
容積 測定用試料を、十分加熱・脱気してから窒素吸着脱離法
により測定した(COULTER社製、商品名オムニソ
ープ360)。
【0039】(2)アルミナ水和物の形状観察(アスペ
クト比、粒子形状) アルミナ水和物の粉末を直接、もしくはイオン交換水に
1〜2%濃度で分散させて、該溶液からコロジオン膜を
付与した銅メッシュですくい取り余分の水分を除去して
測定用試料を作った。また、測定対象がインク受容層の
場合は、記録媒体をミクロトームにて500〜4000
Åの断面薄片を形成して測定用試料とした。これら試料
を透過型電子顕微鏡で観察した(日立製作所社製、H−
800)。平均アスペクト比は粒子の長軸径を短軸径で
除して求めた。
【0040】(3)制限視野電子線回折像および回折強
度変動の測定 基材上にインク受容層を形成した記録媒体をミクロトー
ムにて700±100Åの断面薄片を形成して測定用試
料とした。なお、制限視野回折の制限領域は直径200
0Åとし、断面の異なる箇所を10箇所測定して平均を
とった。インク受容層の断面の電子線回折(日立製作所
社製、H−800)を測定し、その回折像の回折強度を
イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に転写
してから、各格子面の回折像の強度分布を測定した。回
折強度変動値は前述の式(1)により求めた。
【0041】(3)印字特性 1mmに16本の割合のノズル間隔で、128本のノズ
ルを備えたインクジェットヘッドをY、M、C、Bkの
4色分備えたインクジェットプリンターを用い、下記組
成のインクにより、インクジェット記録を行って、イン
クの吸収性、画像濃度、滲み、ビーディングについて評
価した。
【0042】インク吸収性 下記インク組成のインクについて、Y、M、C、Bkそ
れぞれのインクを単色及び混色でベタ印字した後の記録
媒体表面のインクの吸収性を記録部に指で触れて調べ
た。単色印字での単位面積あたりのインク量を100%
とし、混色のインク量300%でインクが指に付着しな
いものを○、混色のインク量300%でインクが指に付
着するが混色のインク量200%でインクが指に付着し
ないものを△とした。
【0043】画像濃度 下記インク組成1のインクについて、Y、M、C、Bk
インクでベタ印字した画像のそれぞれの画像濃度を、マ
クベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。
【0044】滲み、ビーディング 下記インク組成1について、Y、M、C、Bkそれぞれ
のインクを単色及び混色でベタ印字した後の記録媒体表
面の滲みを評価した。また下記2種類のインク組成のそ
れぞれについて、Y、M、C、Bkそれぞれのインクを
単色または混色でベタ印字した後のビーディングを目視
で評価した。単色印字でのインク量を100%とし、混
色のインク量300%で発生していなければ○、混色の
インク量300%で発生するが混色のインク量200%
で発生していなければ△とした。
【0045】以下に示すインク組成は重量基準である。
【0046】(インク組成1) 染料(下記のY、M、C又はBk) 5部 エチレングリコール 10部 ポリエチレングリコール 10部 水 75部 (インク組成2) 染料(下記のY、M、C又はBk) 5部 エチレングリコール 15部 ポリエチレングリコール 10部 水 70部 (染料) Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アシッドレッド35 C:C.I. ダイレクトブルー199 Bk:C.I.フードブラック2
【0047】〔実施例1〜3〕米国特許明細書第424
2271号、4202870号に記載された方法でアル
ミニウムオクタキシドを合成、加水分解してアルミナス
ラリーを製造した。このアルミナスラリーをアルミナ水
和物固形分が5%になるまで水を加えた。次に80℃に
昇温して10時間熟成反応を行った後、このコロイダル
ゾルをスプレー乾燥してアルミナ水和物を得た。更に、
このアルミナ水和物をイオン交換水に混合・分散し、硝
酸によりpH5に調整した後に、95℃に昇温し、アル
ミン酸ソーダを添加してpH10に調整した。熟成時間
を5時間(実施例1)、10時間(実施例2)、15時
間(実施例3)として実施例1〜3のコロイダルゾルを
得た。このコロイダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を添
加して解膠処理した。このコロイダルゾルを乾燥して得
たアルミナ水和物をX線回折により測定したところ、擬
ベーマイトであった。また、透過電子顕微鏡でアルミナ
水和物を観察すると、紡錘形状をしていた。それぞれの
アルミナ水和物の物性値を上記の方法で測定し、その結
果を表1に示す。
【0048】ポリビニルアルコールPVA117(商品
名、クラレ社製)をイオン交換水に溶解して10重量%
の溶液を得た。上記3種のアルミナ水和物のコロイダル
ゾルを濃縮して15重量%の溶液を得た。上記アルミナ
水和物のコロイダルゾルとポリビニルアルコール溶液
を、アルミナ水和物固形分とポリビニルアルコール固形
分が重量混合比で10:1になるように混合、攪拌して
分散液を得た。前記分散液を、厚み100μmのPET
フィルム(東レ社製、商品名:ルミラー)の上にダイコ
ートして乾燥厚約40μmのインク受容層を得た。図1
は、該インク受容層の断面を示す図面代用写真(透過電
子顕微鏡:倍率10万倍)であり、紡錘形状のアルミナ
水和物がインク受容層で無配向に含有されていることが
わかる。更に明確にするために、上記の方法により断面
の電子線回折を測定した。その結果を図面代用写真とし
て、図2に示す。またインク受容層の物性値を上記の方
法により測定した。その結果をまとめて表2に示す。
【0049】〔実施例4〕硝酸アルミニウム水溶液とア
ルミン酸ナトリウム水溶液とによる加水分解法によりア
ルミナ水和物のコロイダルゾルを合成した。合成はアル
ミナ水和物の固形分が5%、アルミン酸ナトリウム添加
後のpHが9になるように各材料の濃度、添加量を調整
し、反応温度は90℃で10時間熟成した。得られたコ
ロイダルゾルを脱塩処理した後、スプレー乾燥してアル
ミナ水和物を得た。更に、このアルミナ水和物をイオン
交換水に混合・分散し、硝酸によりpH5に調整した後
に95℃に昇温し、アルミン酸ソーダを添加してpH1
0に調整し、熟成時間を15時間としてコロイダルゾル
を得た。このコロイダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を
添加して解膠処理した。このコロイダルゾルを乾燥して
得たアルミナ水和物をX線回折により測定したところ、
擬ベーマイトであった。また、透過電子顕微鏡でアルミ
ナ水和物を観察すると、紡錘形状していた。このアルミ
ナ水和物の物性値を上記と同様に測定し、結果を表1に
示す。また、実施例1〜3と同様の方法でインク受容層
を形成し、該インク受容層の電子線回折および物性値を
測定した。その結果を表2に示す。
【0050】〔実施例5〕実施例4と同様に、硝酸アル
ミニウム水溶液とアルミン酸ナトリウム水溶液とによる
加水分解法によりアルミナ水和物のコロイダルゾルを合
成した。まず硝酸アルミニウム水溶液にアルミン酸ナト
リウム水溶液をpH5になるように添加してアルミナ水
和物の結晶を析出させ、攪拌しながら液温30℃で2時
間放置した。次に、アルミン酸ナトリウムを再度添加し
てpH9に調整し、液温90℃で10時間熟成した。な
お、合成後のアルミナ水和物の固形物は5%になるよう
に調整した。こうして得たコロイダルゾルから、実施例
4と同様な工程を経てアルミナ水和物を得た。
【0051】このアルミナ水和物の物性値を実施例1と
同様に測定し、結果を表1に示した。また、得られたア
ルミナ水和物を用いて実施例1と同様にして本発明の記
録媒体を作成し、このインク受容層の電子線回折および
物性値を測定した。結果を表2に示した。
【0052】〔実施例6〕実施例5で、pH5のアルミ
ナ水和物の結晶析出してからの放置時間を4時間とし、
それ以外は実施例5と同じにしてアルミナ水和物を得
た。
【0053】このアルミナ水和物の物性値を実施例1と
同様に測定し、結果を表1に示した。また、得られたア
ルミナ水和物を用いて実施例1と同様にして本発明の記
録媒体を作成し、このインク受容層の電子線回折および
物性値を測定した。結果を表2に示した。
【0054】〔実施例7〕基材として厚み75μmのP
ETフィルムを用い、インク受容層の乾燥厚を約30μ
mとした以外は、実施例1と同様に記録媒体を作成し
た。
【0055】次にアクリル酸エステル系共重合をベース
ポリマーとした粘着ラベル用感圧性接着剤を離型紙にブ
レードコーターにて約50μm厚に塗工した。この離型
紙を先に作成した記録媒体のPETフィルムの裏面に貼
り付けて記録シートを作成した。こうして得た記録媒体
は、離型紙をはがすことによって、適当な場所に貼り付
けることができた。
【0056】〔比較例1〕アルミニウムイソプロポキシ
ドの加水分解・解膠法により、毛状束(繊毛状)構造の
アルミナ水和物(ゾル)を合成した。実施例1と同様の
方法でインク受容層を形成し、記録媒体を作成した。該
インク受容層の断面の透過電子顕微鏡観察、電子線回折
および物性値を測定した。透過電子顕微鏡写真を図3
に、電子線回折像を図4にそれぞれ図面代用写真として
示す。アルミナ水和物の物性値およびインク受容層の物
性値をまとめて表1、表2に示す。実施例1と比較例1
の記録媒体について、インク吸収性を東洋精機製作所製
ブリストウ・テスターにより測定した。結果を図6に示
す。これからも明らかなようにインク受容層として無配
向性アルミナ水和物を用いた場合の方が配向性アルミナ
水和物を用いた場合よりもインクの吸収速度が速いこと
がわかる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】〔実施例8〕硫酸ナトリウムと塩化バリウ
ムから反応させて形成した平均粒径0.6μmの硫酸バ
リウム100重量部、ゼラチン10重量部、ポリエチレ
ングリコール3重量部、クロム明礬0.4重量部を配合
して塗工液とした。この塗工液を秤量150g/m2 、
ステキヒトサイズ度200秒、ベック平滑度340秒の
コート用原紙にダイコーターにて、乾燥厚20μmにな
るように塗工したのち、スーパーカレンダー処理を行っ
て表面平滑度400秒の記録媒体を得た。
【0060】米国特許明細書第4242271号、42
02870号に記載された方法でアルミニウムオクタキ
シドを合成、加水分解してアルミナスラリーを製造し
た。このアルミナスラリーをアルミナ水和物固形分が5
%になるまで水を加えた。次に80℃に昇温して10時
間熟成反応を行なった後、このコロイダルゾルをスプレ
ー乾燥してアルミナ水和物を得た。更に、このアルミナ
水和物をイオン交換水に混合・分散し、硝酸によりpH
5に調整した後に95℃に昇温し、アルミン酸ソーダを
添加してpH10に調整した後10時間熟成させてコロ
イダルゾルを得た。このコロイダルゾルを脱塩処理した
後、酢酸を添加して解膠処理し、乾燥して得たアルミナ
水和物をX線回折により測定したところ擬ベーマイトで
あった。また、透過電子顕微鏡でアルミナ水和物を観察
すると紡錘形状をしていた。
【0061】この塗工液を、前記記録媒体上にバーコー
ターを用いて、乾燥後の塗工量が20g/m2 になるよ
うに塗工し、100℃、10分間の条件でオープンで乾
燥し、その後150℃、2分間の条件で焼成処理を行っ
てアルミナ水和物の多孔質層を形成し、本発明の記録媒
体を得た。
【0062】この記録媒体について印字を行い各項目に
ついて評価した結果を第3表に示す。
【0063】表中、平滑度はBekk平滑度計(ヨシミ
ツ精機社製)を用い、高平滑試料用のレンジ“1cc”
で測定し、測定値を10倍にした値である。白色度はハ
ンターリフレクトメーター(東洋精機製作所社製)にブ
ルーフィルターを使用して測定した値である。光沢度
は、JIS−P−8142に基づき、デジタル変角光沢
計(スガ試験機社製)を使用して75°光沢を測定した
値である。
【0064】〔実施例9〕実施例8で使用した原紙およ
び硫酸バリウム塗工液を同様の手法を用いて乾燥厚13
μmになるように塗工したのち、スーパーカレンダー処
理を行って表面平滑度320秒の記録媒体を得た。
【0065】この媒体上に実施例8で使用した擬ベーマ
イトを含む塗工液をバーコーターを用いて乾燥後20g
/m2 になるように塗工し、100℃、10分間の条件
でオープンで乾燥し、その後150℃、2分間の条件で
焼成処理を行い、本発明の記録媒体を得た。
【0066】この記録媒体について実施例8と同様の評
価を行なった。その結果を第3表に示す。
【0067】
【表3】
【0068】〔実施例10〕実施例1で作製した記録媒
体のインク受容層の上にラテックス(平均粒子径:0.
2μm)溶液をバーコーターにより乾燥膜厚約5μmに
なるように塗工し、60℃、10分間オーブン乾燥し
た。得られた記録媒体にインクジェットプリンターで画
像を記録すると、前記ラテックス層をインクが透過して
インク受容層に画像が記録され、ラテックス層の白色ベ
ールがかかった画像が観察された。これを130℃、1
0分間オーブンで加熱すると、最表面のラテックス層が
融解して透明な被膜が形成され、高光沢でオゾン退色の
ない(耐オゾン性の)画像を得ることができた。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の記録媒体は、ア
ルミナ水和物がインク受容層中で回折強度変動値が5%
以下となるような無配向に存在する。このため、配向性
を有する毛状束(繊毛状)のアルミナ水和物を用いた記
録媒体に比較してインク浸透の抵抗が少なく、インクの
吸収速度が速い。これにより、ビーディングの発生を防
止するとともに優れた印字品位を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無配向性アルミナ水和物を用いたイン
ク受容層の断面の透過電子顕微鏡写真であり、無配向性
アルミナ水和物の形状およびインク受容層中での配列状
態を示す図面代用写真である。
【図2】本発明の無配向性アルミナ水和物を用いたイン
ク受容層の断面の電子線回折像を示す図面代用写真であ
る。
【図3】比較例1の配向性アルミナ水和物を用いたイン
ク受容層の断面の透過電子顕微鏡写真であり、配向性ア
ルミナ水和物の形状およびインク受容層中での配列状態
を示す図面代用写真である。
【図4】比較例1の配向性アルミナ水和物を用いたイン
ク受容層の断面の電子線回折像を示す図面代用写真であ
る。
【図5】基材の裏面に、離型紙を設けた本発明の記録媒
体である。
【図6】実施例1および比較例1の記録媒体に対し、ブ
リストウ・テスターによる測定を行った結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−101760 (32)優先日 平9(1997)4月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 小俣 亜子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にアルミナ水和物を含有するイン
    ク受容層を有する記録媒体において、該アルミナ水和物
    が該インク受容層中で無配向に存在し、前記インク受容
    層の断面に電子線を入射させたとき、回折像の回折強度
    変動値δが5%以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記アルミナ水和物が、平均アスペクト
    比が1以上4以下の紡錘形状を有する請求項1に記載の
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 窒素吸着脱離法で測定した前記インク受
    容層の細孔半径分布の極大が30Å以上200Å以下で
    ある請求項1に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 窒素吸着脱離法で測定した前記アルミナ
    水和物のBET比表面積が70m2 /g以上300m2
    /g以下である請求項1に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記インク受容層が、硫酸バリウムを含
    有する多孔質の第1インク受容層と、無配向性アルミナ
    水和物を含有する第2インク受容層とを積層して構成し
    た請求項1記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記第1インク受容層の白色度が87%
    以上で、ベック平滑度が400秒以上である請求項5記
    載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記ベック平滑度が600秒以下である
    請求項6記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記基材の裏面に、接着剤を介して離型
    紙を設けた請求項1記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1、5または8記載の記録媒体
    に、インク液滴を飛翔させて付着させることを特徴とす
    るインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7232600B2 (en) 2001-02-28 2007-06-19 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium, image-forming method employing the same, process for producing the same

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