JPH11111191A - 進行波型偏向装置 - Google Patents

進行波型偏向装置

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JPH11111191A
JPH11111191A JP9287735A JP28773597A JPH11111191A JP H11111191 A JPH11111191 A JP H11111191A JP 9287735 A JP9287735 A JP 9287735A JP 28773597 A JP28773597 A JP 28773597A JP H11111191 A JPH11111191 A JP H11111191A
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traveling wave
transmission line
dielectric constant
wave type
traveling
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JP9287735A
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Tsutomu Tobari
勉 戸張
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Iwatsu Electric Co Ltd
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Iwatsu Electric Co Ltd
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    • H01J2225/34—Travelling-wave tubes; Tubes in which a travelling wave is simulated at spaced gaps
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    • H01J2229/587—Electron beam control inside the vessel between the source and the screen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 進行波型偏向装置において分散特性が最適で
ないために広帯域化が阻害された。 【解決手段】 進行波型偏向装置の偏向体を絶縁性基体
23、26に螺旋状導体24、27を設けることによっ
て構成する。絶縁性基体23、26の比誘電率を調整し
て進行波型伝送線路の分散特性を最適にする。伝送線路
の特性インピーダンスと比誘電率との間に一定の関係を
持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管(CRT)
の進行波型偏向装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偏向装置を電子ビームが通過する間に、
偏向電圧が変化しないとすれば、偏向電圧の大きさに比
例した電子ビームの偏向装置を得ることができる。しか
し、偏向電圧の周波数が高いために偏向装置を電子ビー
ムが通行する間に偏向電圧が変化すると、所望の偏向が
不可能となる。この問題を解決するために、DC〜数百
MHzの信号を観測するためのCRTでは、進行波型偏
向装置が使用されている。進行波型偏向装置は、螺旋型
等の進行波型偏向導体(進行波型伝送線路)の一端から
他端に伝搬する偏向信号の位相速度と電子ビームの速度
とをほぼ一致させる。これによって偏向作用時間が長く
なり、電子ビームを充分に偏向することができ、広帯域
偏向装置を提供することが可能となる。
【0003】このような進行波型偏向装置を容易且つ強
固に形成するために、長手の絶縁性基体に帯状導体を螺
旋状に巻き回し内部にグランド導体を挿入し、前記グラ
ンド導体によりZ軸方向に対して特性インピーダンスを
均一にした構造が特公昭57−10539号公報に開示
されている。またグラド導体の形状により、進行波型伝
送線路端部の螺旋状インダクタンスの低下を補償して、
進行波型伝送線路が全長に渡ってほぼ一定の特性インピ
ーダンスにした構成が特公平6−75379号公報に開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の装置
は、進行波型伝送線路の特性インピーダンスの均一化の
みを考慮しており、進行波型伝送線路の分散特性(進行
波の伝送線路中の速度変化)に関して考慮されていな
い。つまり、進行波型伝送線路の広帯域化には、進行波
型伝送線路の特性インピーダンスの不整合による偏向信
号波形の反射の問題だけではなく、偏向信号波形を忠実
に伝送するために、進行波型伝送線路の分散特性の改善
が必要である。また、電子ビームの速度と進行波型伝送
線路の分散特性による周波数の位相速度の不整合による
波形歪み(電子走行時間効果)の低減が必要である。
【0005】進行波型伝送線路に分散がない場合には、
位相速度は周波数によらず一定の値をとり、角周波数ω
と位相定数βから、位相速度uは次の(1)式で示され
る。 u=ω/β (1) ここで、伝送線路の性質は位相定数βによって表され
る。単位長さ当たりのインダクタンスと容量がそれぞれ
L、Cで表される伝送線路の場合には、位相定数βは β={1/(LC)1/2 }ω で表される。分散がある場合には、位相速度uは角周波
数ωの関数で表される。パルス波形を位相歪みなく伝送
線路を伝送するには、(1)式に示されるように、位相
速度が周波数によらず一定で、位相特性が直線である必
要があることが、伝送線路解析から知られている。ま
た、伝送線路の性質が(1)式で表すことができれば、
この伝送線路は信号波形を歪みなく伝送でき、位相速度
は周波数に拘らず一定になる。
【0006】図10には、位相定数βがβ=ω/c、位
相速度uがu=cの特性を持つ伝送線路で入力パルスP
0 を伝送した時の応答波形Aのシミュレーション結果が
示されている。また、図10には、位相定数βが β=ω/(c+aω+bω2 )、 また、位相速度uが u=c+aω+bω2 のように位相速度uが角周波数ωの関数になっている伝
送線路で入力パルスP0を伝送した時の応答波形Bのシ
ミュレーション結果が示されている。なお、上記β及び
uを示す式におけるa、b、cは定数である。
【0007】図10に示したように、位相速度uが角周
波数ωに対して一定の場合は、応答波形Aに示すように
波形歪みなく伝送することがわかる。それに対して、位
相速度uが角周波数ωに対して早くなる特性の伝送線路
を伝送したプリシュートと言われる波形歪みが生じると
ともに、立ち上がり時間が遅くなり、帯域が制限されて
くる。
【0008】CRTで用いる進行波型伝送線路は入力信
号の位相速度を電子ビームの速度に整合させるために、
光速の1割程度まで遅らせる必要がある。このために進
行波型伝送線路の構成は、螺旋状に信号を伝送させ、Z
方向(電子ビーム方向)に対して位相速度を遅くしてい
る。近似的には、螺旋状導体のピッチが周囲の長さの1
/10にすれば、Z方向の位相速度は光の1/10にな
る。このように、進行波型伝送線路は導体を螺旋状に形
成した構造なので、螺旋状導体間の電気的な結合が生じ
る。低周波であれば、螺旋状導体間に電位差が生じない
ので、螺旋間の結合は無視することができる。しかし、
高周波になると、螺旋状導体間に電位差が生じてくるの
で、螺旋状導体間に電界結合が生じ隣接間容量を無視す
ることができなくなる。この隣接間の容量により、進行
波型伝送線路の位相速度は、高周波数になるのに従い早
くなる。そのために、進行波型伝送線路のパルス応答波
形は図10に示したパルスの応答波形Bのような位相歪
みを生じるとともに帯域が制限されると言う欠点があ
る。また、信号の周波数の位相速度が電子ビームの速度
と整合しなくなり、電子走行効果による帯域制限が生じ
るという欠点がある。
【0009】そこで、本発明の目的は、進行波型伝送線
路の分散特性を容易に最適にできる広帯域の進行波型偏
向装置の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、電子ビームの通路を挟
んで対向配置された第1及び第2の偏向体から成り、前
記第1及び第2の偏向体が、前記電子ビームの進行方向
に延びている絶縁性基体と、前記絶縁性基体に巻き回さ
れた螺旋状導体と、前記螺旋状導体の内側に配置され且
つ前記絶縁性基体と同一方向に延びているグランド導体
とをそれぞれ備え、前記絶縁性基体の比誘電率が、進行
波型伝送線路の分散特性を最適にするように決定されて
いることを特徴とする進行波型偏向装置に係わるもので
ある。なお、請求項2に示すように第1及び第2の偏向
体の進行波型伝送線路の特性インピーダンスZ0 と絶縁
性基体の比誘電率εr との間に、80Ω≦Z0 ≦120
Ωの時にはεr を9〜14、120Ω<Z0 ≦140Ω
の時にはεr を5〜10、140Ω<Z0 ≦160Ωの
時にはεr を4〜6の関係があることが望ましい。ま
た、請求項3に示すように第1及び第2の偏向体に絶縁
性被覆体を設けることができる。
【0011】
【発明の効果】各請求項の発明によれば、螺旋状導体の
隣接間容量C0 が絶縁性基体の比誘電率に依存している
ことに着目し、比誘電率の調整によって隣接間容量が調
整され、この結果として分散特性が改善されている。従
って、分散特性が最適化された進行波型偏向装置を容易
に得ることができ、広帯域化を容易に達成することがで
きる。また、請求項2の発明によれば、特性インピーダ
ンスと分散特性との両方を満足する進行波型偏向装置を
提供することができる。また、請求項3の発明によれ
ば、隣接間容量C0 を絶縁性被覆体の比誘電率によって
も制御できるので、分散特性を改善するための設計の自
由度が大きくなる。
【0012】
【実施形態及び実施例】次に、図面を参照して本発明の
実施形態及び実施例を説明する。
【0013】
【第1の実施例】図1〜図6、図8及び図9は本発明の
第1の実施例に係わる進行波型偏向装置を示し、図7は
この偏向装置を含む陰極線管(CRT)を示す。このC
RT1は、図7に示すように、排気した管体2と、この
中に組み込まれた陰極線管用電極構体3と、蛍光スクリ
ーン4とから成る。陰極線管用構体3は、カソードと制
御グリッドとの組立体5とアノード6とから成る電子銃
7、第1の四極レンズ8、第2の四極レンズ9、本発明
に関する垂直偏向装置10、第3の四極レンズ11、水
平偏向装置12及び偏向拡大電子レンズ13を備えてお
り、これ等は共通の絶縁支持体14、15で支持されて
いる。蛍光スクリーンは、フェースプレート16と蛍光
物質層17と導体層18とから成る。導体層18は、拡
大レンズ13の近傍まで延在する後段加速電極19に接
続されている。
【0014】本発明に係わる垂直偏向装置10は、図1
及び図2から明らかなように、ビ−ム通路20を挟むよ
うに配置された第1及び第2の偏向体21、22を備え
ている。第1の偏向体21は第1の絶縁性基体23と第
1の螺旋状導体24と第1のグランド導体25を備え、
ビーム走行方向(Z軸方向)に延びるように配置されて
いる。第2の偏向体22も同様に、第2の螺旋状導体2
7と第2のグランド導体28と第2の絶縁性基体29を
備え、ビーム走行方向(Z軸方向)に延びているように
配置されている。
【0015】第1及び第2の絶縁性基体23、26はビ
ーム入口側にそれぞれ一対の脚部23a、26aを有す
ると共に、ビーム出口側にもそれぞれ一対の脚部23
b、26bを有し、これ等の脚部23a、26a、23
b、26bを突き合わせることによって一体化されてい
る。勿論、脚部23a、26a、23b、26bはビー
ムの通過を妨害しないように形成されている。また、第
1及び第2の絶縁性基体23、26にはそれぞれ長手方
向に延びる溝20、30が形成され、ここにグランド導
体25、28が配置され、このグランド導体25、28
を囲むように第1及び第2の絶縁性基体23、26の外
周に第1及び第2の螺旋状導体24、27が巻き回され
ている。
【0016】グランド導体25、28は第1及び第2の
絶縁性基体23、26のビーム入口端面と出口端面に固
定部材31、32によって固定されている。また、グラ
ンド導体25、28は折り曲げ端部25a、25b、2
8a、28bを有し、第1及び第2の偏向体21、22
の支持脚として機能し、図7の絶縁支持体14、15に
取り付けられている。なお、ビーム対向面における螺旋
状導体24、27の相互間隔(ギャップ)の好適な具体
例は0.9mmである。
【0017】この実施例では、図1及び図7から示すよ
うに第1及び第2の偏向体21、22は平行配置され、
相互間隔は、ビーム進行方向に対して均一である。この
ように偏向体21、22を平行に配置しても、CRTが
四極レンズを含み、ビームはY方向にしぼられた状態で
一対の偏向体21、22間を通過するので、偏向体2
1、22によってビームが偏向されても、偏向体21、
22でカットされることなくスクリーンに到達する。勿
論、一対の偏向体21、22の相互間隔をスクリーンに
向って徐々に広がるように配置すること、又は一対の偏
向体21、22の途中(例えば1/2)から広がり始め
るように配置することも可能である。
【0018】図3に示すように第1及び第2の偏向体2
1、22は幅1.6mmの帯状金属板からなる螺旋状導
体24、27を第1及び第2の絶縁性基体23、26に
巻き回したものからなる。図7に示したように螺旋状導
体の入力端は入力導体32a、32bを介して、ネック
ピン33a、33bに接続され、その出力端は出力導体
34a、34bを介してネックピン35a、35bに接
続されている。なお、第1及び第2の螺旋状導体24、
27を容易に且つ正確に形成するために図4に示すよう
に第1及び第2の絶縁性基体23、26の一対の側面に
は溝31が設けられ、隣り合う帯状導体の間隔及び形状
を偏向体の長さに沿って一定に維持している。好適な具
体例では、偏向体21、22における螺旋状導体24、
27のピッチは一定の2.38mm、この断面形状は幅
5mm、高さ4mmの矩形状であり、螺旋状導体24、
27はZ方向に螺旋状になるように巻回されている。
【0019】第1及び第2のグランド導体25、28は
第1及び第2の絶縁性基体23、26と第1及び第2の
螺旋状導体24、27とを支持することが可能な強度を
有する帯状金属板からなり、ビーム走行方向(Z軸方
向)に延びるように第1及び第2の絶縁性基体23、2
6に設けられた溝29、30内に配置され、図2及び図
3に示したように背面の螺旋状導体24、27に近づけ
て配置されている。
【0020】本発明に関係する進行波型伝送線路の特性
を決定づけるパラメータとして特性インピーダンスと位
相速度がある。特性インピーダンスは、主にドライブ回
路から決まるパラメータであり、広帯域のCRTの進行
波型偏向導体になるほど特性インピーダンスの値は小さ
くなる。具体的な例としては、帯域が約1500MHz
のCRTの進行波型偏向導体の特性インピーダンスは約
150Ωである。それより広帯域のものでは100Ωで
ある。
【0021】進行波型伝送線路の位相速度は電子ビーム
の速度で決まるもので、CRTの加速電圧から決まるパ
ラメータである。加速電圧Vが2.5kVであれば、電
子の速度はv=5.931×105 V1/2 m/sとな
る。これから、進行波型伝送線路の位相速度が決まって
くる。進行波型伝送線路の特性は、形状が非常に複雑で
あるので解析は非常に困難である。ここでは進行波型伝
送線路の特徴である周期構造に着目して図8に示す近似
モデルから、進行波型伝送線路の基本特性を示す。ここ
では、比誘電率を1としている。図8から、進行波型伝
送線路の伝送方程式は次の(2)式及び(3)で表すこ
とができる。
【0022】
【数1】
【0023】上記(2)式及び(3)式及び図8におい
て、nは螺旋状導体24、27のnターン目の線路、S
は螺旋状導体24、27の長さ、Lは螺旋状導体24、
27の単位長さ当りのインダクタンス、Cは螺旋状導体
24、27の単位長さ当りのグランド導体25、28に
対する容量、C0 は螺旋状導体24、27の単位長さ当
りの隣接導体間の容量、Mは螺旋状導体24、27の単
位長さ当りの隣接導体との相互インダクタンスを示す。
Vn 、Vn-1 、Vn+1 はnターン目、n−1ターン目、
n+1ターン目の電圧、in 、in-1 、in+1 はnター
ン目、n−1ターン目、n+1ターン目の電流、tは時
間を示す。
【0024】初期条件として、周知のFloquet の定理か
ら、次に示す(4)式の周期条件を用いる。なお、例え
ば丸善株式会社発行、小山次郎著の「進行波管」第14
頁等から明らかなように、進行波型伝送線路は螺旋状導
体を巻き回した構造であるので、周期的な伝送系であ
る。この伝送系では、周期構造を伝搬する一つの固有伝
送モ−ドに対して、ある周波数における、ある点での電
磁界は、それより1周期離れた場所の電磁界にある複素
定数を掛けた物に等しいことが、フランスの数学者のFl
oquet によって導かれ、Floquet の定理として知られて
いる。 Vn =V0 exp −jβ(s+ml)exp jωt (4) ここで、lは螺旋状導体24、27の1ターン当りの長
さ、mは整数、V0 は電圧の初期値である。上記(4)
式から分散特性は次の(5)式で表される。 β2 /ω2 =(L・C+2L・C0 −2M・C0 ) +2(−LC0 +MC+2MC0 )cos βl−2MC0 cos βl (5) この(5)式の近似式として次の(6)式が得られる。 β/ω≠[{(L+2M)・C} −{(L+2M)C0 −MC}(βl)2 ]1/2 (6) ここで≠は近似を示す記号である。(6)式から、分散
項は(L+2M)C0 −MCに比例することがわかる。
この項が無視できれば、分散特性はなくなり、位相速度
uは(6)式から、 u=ω/β=1/{(L+2M)・C}1/2 となり、周波数に依存せずに一定になる。従って、分散
項(L+2M)C0 −MCが小さくなるように進行波型
伝送線路を形成できれば、分散がない良好な進行波型伝
送線路が実現できる。実際に、この分散項を低減するこ
とは非常に大変である。図8に示す近似モデルからわか
るように、各L、M、C、C0 のパラメータを独自に制
御することができない。例えばC0 を大きくするには、
螺旋状導体24、27の幅を広げ、隣接間の距離を狭く
すれば、C0 の値は大きくなるが、Cも大きくなり、分
散項が小さくなるかはわからないし、更に特性インピー
ダンスが小さくなってしまう。又は、螺旋状導体24、
27の幅を固定して、ピッチを小さくして、同様に隣接
間の距離を狭くすれば、C0 の値は大きくなるが、L、
Mが大きくなり、位相速度が遅くなり、いずれも再設計
が必要になる。このように、特性インピーダンスの値と
位相速度の値を固定して、分散特性を改善することは、
非常に大変である。
【0025】本発明に従う進行波型伝送線路は、図2と
図3から分るように、絶縁性基体23、26に螺旋状導
体24、27を巻き回した構造をもつ。それ故に螺旋状
導体24、27の一部分は、図4に示す絶縁性基体2
3、26の溝31に配置されている。図2のB−Bの断
面を示す図9から明らかなように螺旋状導体24の隣接
間容量C0 は絶縁性基体23を介して得られる第1の容
量C01と絶縁性基体23とは異なる比誘電率の真空中を
介して得られる第2の容量C02との合成になる。絶縁性
基体23を介して得られる第1の容量C01は絶縁性基体
23の比誘電率εr に比例する。従って、隣接間容量C
0 は絶縁性基体23、26の比誘電率εrで制御するこ
とが可能である。そこで、本発明では、絶縁性基体2
3、26の比誘電率εr を制御して分散特性を最適にし
ている。但し、絶縁性基体23、26の比誘電率εr が
変化すると、螺旋状導体24、27とグランド導体2
5、28間の容量Cも変化し、この容量Cに起因して特
性インピーダンスの値も変化する。それ故、分散特性を
最適化するには、特性インピーダンスの値を考慮して隣
接間容量C0 即ち絶縁性基体23、26の比誘電率εr
を制御することが必要になる。
【0026】分散特性を最適にするための絶縁性基体2
3、26の比誘電率εr と特性インピーダンスZ0 とを
実験で求めたところ、次の結果が得られた。 但し、実験に使用した進行波型偏向装置の加速電圧は
2.5kV、偏向板ギャップは0.9mm、偏向体2
1、22の断面形状の幅は5mm、高さは4mm、螺旋
状導体24、27のピッチは2.38mm、螺旋状導体
24、27の幅は1.6mmである。また、絶縁性基体
23、26の材料として、例えばεr が3.0の窒化ボ
ロン、εr が4.7のマシナックス(三井鉱山マテリア
ル株式会社のセラミックの商品名)、εr が6.0のマ
セライト(三井鉱山マテリアル株式会社の商品名)、ε
r が7.1のシェーパルM(徳山曹達株式会社のセラミ
ックの商品名)、εr が9.0のアルミナ、εr が1
2.0のローテックTM(石原薬品株式会社のセラミッ
クの商品名)等を使用した。
【0027】
【第2の実施例】次に、図11及び図12を参照して第
2の実施例の進行波型偏向装置を説明する。但し、図1
1及び図12において図1〜図9と実質的に同一の部分
には同一の符号を付してその説明を省略する。第2の実
施例の偏向装置は、第1の実施例の偏向装置に絶縁性の
被覆体41、42を付加した他は第1の実施例と実質的
に同一に構成されている。絶縁性被覆体41、42は第
1及び第2の偏向体21、22の側面を覆うように配置
され、螺旋状導体24、27に隣接配置されている。従
って、図12に説明的に示すように螺旋状導体24の隣
接間容量C0 は内側の絶縁性基体23を介して得られる
第1の容量C01′と外側の絶縁性被覆体41、42を介
して得られる第2の容量C02′との合成になる。外側の
絶縁性被覆体41、42の比誘電率も材料の選択によっ
て調整可能であるので、分散特性を最適にするための隣
接間容量C0 =C01′+C02′を内側の絶縁性基体2
3、26と外側の絶縁性被覆体41、42との両方の比
誘電率で調整することができ、設計の自由度が大きくな
る。
【0028】この第2の実施例は、第1の実施例と同様
に進行波型伝送線路の分散特性を改善して進行波型偏向
装置の広帯域化を図ることができるという効果を有する
他に、外側の絶縁性被覆体41、42の助けを借りて分
散特性の最適化を容易に達成できるという効果を有す
る。
【0029】
【変形例】本発明は、上述の実施例に限定されるもので
なく、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 図11において、螺旋状導体24、27のビー
ム通路20に対向する部分以外の全てを覆うように絶縁
性被覆体41、42を設けることができる。また、絶縁
性被覆体41、42を第1の偏向体21の上面、第2の
偏向体22の下面のみに設けることができる。 (2) 絶縁性基体23、26の隣接間容量C0 に対す
る関与の程度を調整するために溝31の深さを調整する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の偏向装置を示す平面図
である。
【図2】図1の偏向装置のA−A線の拡大断面図であ
る。
【図3】偏向体の一部を示す斜視図である。
【図4】絶縁性基体を示す一部切欠斜視図である。
【図5】グランド導体の平面図である。
【図6】グランド導体の側面図である。
【図7】本発明に係わるCRTの縦断面図である。
【図8】進行波型伝送線路の近似モデルである。
【図9】図2のB−B線を示す断面図である。
【図10】パルス応答波形のシミュレーション結果を示
す図である。
【図11】第2の実施例の偏向装置の断面図である。
【図12】図11のB−B線を示す断面図である。
【符号の説明】
21、22 第1及び第2の偏向体 23、26 絶縁性基体 24、27 螺旋状導体 25、28 グランド導体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームの通路を挟んで対向配置され
    た第1及び第2の偏向体から成り、 前記第1及び第2の偏向体が、前記電子ビームの進行方
    向に延びている絶縁性基体と、前記絶縁性基体に巻き回
    された螺旋状導体と、前記螺旋状導体の内側に配置され
    且つ前記絶縁性基体と同一方向に延びているグランド導
    体とをそれぞれ備え、 前記絶縁性基体の比誘電率が、進行波型伝送線路の分散
    特性を最適にするように決定されていることを特徴とす
    る進行波型偏向装置。
  2. 【請求項2】 前記進行波型伝送線路の特性インピーダ
    ンスZ0 と前記絶縁性基体の比誘電率εr との関係が、
    前記特性インピーダンスが80Ω〜120Ωの範囲の時
    には前記比誘電率が9〜14、前記特性インピーダンス
    が120Ωよりも大きく且つ140Ω以下の範囲の時に
    は前記比誘電率が5〜10、前記特性インピーダンスが
    140Ωよりも大きく且つ160Ω以下の範囲の時には
    前記比誘電率が4〜6となるように決定されていること
    を特徴とする請求項1記載の進行波型偏向装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の偏向体の前記電子ビ
    ーム通路に対向する面を除いた外周面の少なくとも一部
    に絶縁性被覆体が設けられていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の進行波型偏向装置。
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