JPH11112877A - 骨計測方法および装置 - Google Patents

骨計測方法および装置

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JPH11112877A
JPH11112877A JP9266565A JP26656597A JPH11112877A JP H11112877 A JPH11112877 A JP H11112877A JP 9266565 A JP9266565 A JP 9266565A JP 26656597 A JP26656597 A JP 26656597A JP H11112877 A JPH11112877 A JP H11112877A
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tissue
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猛 大久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨部組織の構造状態を、放射線画像に基づい
て、精度よくかつ定量的に把握する。 【解決手段】 モーフォロジー演算手段10が、入力され
た骨部画像情報Sbを含む画像情報Sに対してスケルトン
処理を施して骨部画像情報Sbを抽出し、得られた骨部画
像情報Sbに基づいて、骨構造指標値算出手段20が骨部組
織Paの構造状態を表す1つの指標値であるVt値を、下
記式により求められる骨梁上の任意の点jにおける指標
値Vtjの平均値として求める。 Vtj=(π/3)×Σl1 4/Σl1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は骨計測方法および装
置に関し、詳しくは骨粗鬆症等の診断に有用な人体等の
骨部組織の構造を、放射線画像に基づいて、定量的な指
標値として求める方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】骨塩定量、すなわち骨の中のカルシウム
の量を定量的に測定することは骨折予防の診断のために
有用である。
【0003】つまり、骨塩量は、骨の内部を構成する海
綿質である骨梁の疎密、すなわち骨密度によってに定ま
るため、骨密度が疎であれば骨部画像における骨部の陰
影の濃度が高くなり、骨密度が密であれば骨部画像にお
ける骨部の陰影の濃度は低くなる。
【0004】したがって、骨中のカルシウムの微量変化
を知ることは骨粗鬆症の早期発見を可能にし、骨折予防
のうえでも重要な効果がある。
【0005】そこで従来、MD法(Microdensitometry)
、SPA法(Single Photon Absorptiometry)、DPA
法(Dual Photon Absorptiometry)、QDR法(Quantitat
ive Digited Radiography)、QCT法(Quantitative Co
mputer Tomography)、DQCT法(Dual energy Quantit
ative Computer Tomography)等、数々の骨塩定量の方法
が提案され、実施されている。
【0006】ところで、これらの各手法はいわゆる骨密
度を計量するものであり、確かに骨粗鬆症の診断の指標
値として従来から広く一般に用いられているが、最近
は、この骨密度値の他に、骨構造状態を指標値として定
量的に表すことが提案されている。
【0007】すなわち、骨密度値は、単純には体積に対
する質量の比の値であるから、荷重を支持する骨として
の実体である骨梁の分布状態(骨構造)の差異が反映さ
れるものではないが、骨粗鬆症は本来は骨の強度の問題
であって、この強度は骨梁の分布状態に大きく依存する
ものであるから、骨構造状態を指標値化することは、骨
粗鬆症の診断においては極めて有用な技術である。
【0008】このような骨構造状態を表す指標値として
は、例えば、スターボリューム(Star volume )、ノー
ドストラット解析(Node-strut analysis )により得ら
れる指標置などが知られている。
【0009】なお、本明細書においては、説明の冗長を
避けるため、指標値であるスターボリュームを算出する
処理方法をスターボリューム法と、ノードストラット解
析により指標置を算出する処理方法をノードストラット
解析法と、それぞれ称するものとする。
【0010】スターボリューム法では、図3に示すよう
に、骨髄腔内の所定の点aから全ての方向について骨梁
に遮られることなく見渡せる範囲の骨髄腔体積の平均を
意味するVm(marrow space star volume)、およびこ
れと同様に骨梁の中の点bから全ての方向に骨梁の端に
至る範囲の骨梁体積の平均を意味するVt(trabecular
star volume)の2種類の指標値が定義されている。な
お、図3においては斜線部が骨梁を、その他の部分が骨
髄腔を示す。Star volume は、標本のサンプリング法の
工夫により骨髄腔の骨梁の大きさをmm3 あるいはμm
3 といった3次元の値として表す隔たりのない立体学的
指標とされている。Vmは骨梁の連続性が高い場合は小
さく、骨梁の消滅や穿孔が多いときは大きくなり、逆に
Vtは骨梁の連続性が高い場合は大きく、骨梁の消滅や
穿孔が多いときは小さくなる。
【0011】骨髄腔内の任意の点iにおけるVmiは以
下の式(1)により定義される。
【0012】 Vmi=(π/3)×l0m 3 (1) 但し、点iを中心とする任意の方向において、骨髄腔が
連続する長さをl0 としたとき、l0m 3 は点iを中心と
して放射状に全ての方向においてl0 3を求めた場合の平
均値を表す。
【0013】また、骨梁上の任意の点jにおけるVtj
は以下の式(2)により定義される。
【0014】 Vtj=(π/3)×Σl1 4/Σl1 (2) 但し、l1 は点jを中心とする任意の方向において、骨
梁が連続する長さを示す。また、l1 は点jを中心とし
て放射状に全ての方向において求められ、Σはその全て
の方向における和を求めることを表す。そして、Vmi
およびVtjをサンプリング点ごとに算出し、その平均
値をVmおよびVtとすればよい。
【0015】なお、骨梁構造の指標値としては、Vmと
Vtのいずれを用いてもよい。
【0016】そして例えば図4に示すように、被検体の
年齢、骨密度値およびVtを軸とする三次元座標系が形
成され、入力された結果がこの三次元座標内のいずれの
位置に存在するかに応じて、骨部組織の状態を判定す
る。すなわち、被検体の年齢、骨密度値およびVtが点
P1で示す位置にあれば状態A(例えば、骨粗鬆症の疑
いがある状態)にあり、点P2で示す位置にあれば状態
B(注意を要する状態)にあり、点P3で示す位置にあ
れば状態C(正常な状態)にある、と判定するものであ
る。
【0017】一方、ノードストラット解析法は、骨梁の
連続性を二次元的に評価する方法であり、3個以上の骨
梁の結合点をNd(Node;ノード、図5における白
点)、他の骨梁と結合していない終末点をTm(Termin
us、図5における黒点)と定義する。そして、図5に示
すように、これらをつなぐ骨梁の中心線(strut ;スト
ラット)を、NdNd(結合点同士をつなぐストラッ
ト)、NdTm(結合点と終末点とをつなぐストラッ
ト)、TmTm(終末点同士をつなぐストラット)、C
tNd(皮質骨(Ct)と結合点とをつなぐストラッ
ト)、およびCtTm(皮質骨と終末点とをつなぐスト
ラット)に分類し、各ストラットの長さを測定する。
【0018】次いでこれらの各ストラットの長さと結合
点Ndの数NNdおよびTmの数NTmに基づいて以下の指
標値を定義する。
【0019】(1)長さの指標値 すべてのストラットの長さの和TSLに対する各ストラッ
トの長さの割合(%) NdNd/TSL NdTm/TSL TmTm/TSL CtNd/TSL CtTm/TSL (2)面積に対する長さの指標値 骨部組織(骨梁および皮質骨の和、または骨梁のみ)の
面積TVに対するストラットの長さの割合(mm/mm
2 ) TSL/TV NdNd/TV NdTm/TV TmTm/TV CtNd/TV CtTm/TV (3)数の指標値 NNd/TV;骨部組織の面積当たりの結合点の数(/m
2 ) NTm/TV;骨部組織の面積当たりの終末点の数(/m
2 ) NNd/NTm;結合点の数と終末点の数との比 以上の指標値は、結合点Nd関連の指標値が大きいほど
骨梁の連続性が高く、終末点Tmの関連のパラメータが
大きいほど骨梁の連続性が低いことを示す。
【0020】このノードストラット解析法は、骨梁の連
続性を直接かつ簡便に計測できる方法として有用性が高
い。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した骨構
造の状態を表す指標値を求める方法は、骨のスライス試
片という実体の標本を対象とするものであるため、被検
体から非侵襲的に求めることができないという、実用上
の問題があった。
【0022】一方、上記骨部組織を含む放射線画像に基
づいて上記骨部組織の構造状態を指標値化する試みもあ
るが、放射線画像における、軟部組織との重なり、濃度
・コントラストの変動等の要因のため、実用上の計測精
度を確保することができないという問題がある。
【0023】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あって、骨部組織の構造状態を、放射線画像に基づいて
精度よく指標値化することを可能にした骨計測方法およ
び装置を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の骨計測方法は、
放射線画像を表す画像情報に対してモーフォロジー演算
に基づく骨部組織の強調処理を施すことにより、骨部組
織の構造を抽出または強調処理し、その抽出または強調
処理された骨部組織の構造を表す画像に基づいて、当該
構造状態を表す指標値を算出するものである。
【0025】すなわち本発明の骨計測方法は、骨部組織
の構造の状態を表す指標値を取得する骨計測方法であっ
て、少なくとも前記骨部組織を含む被検体を被写体とす
る放射線画像に対してモーフォロジー演算に基づく骨部
組織の強調処理を施し、前記強調処理された骨部組織の
構造を表す骨部組織画像に対して、前記指標値を取得す
る処理を施すことを特徴とするものである。
【0026】ここで、骨部組織とは、骨梁とそれ以外の
空洞部分である骨髄腔、およびこれらの外周を覆う皮質
骨等を意味し、骨部組織の構造の状態とは主として骨梁
と骨髄腔との分布状態を意味する。
【0027】骨部組織の構造の状態を表す指標値として
は、前述したスターボリューム法によるVm若しくはV
t、またはノードストラット解析法によるNdNd/T
SL、NdTm/TSL、TmTm/TSL、CtNd/
SL、CtTm/TSL、TSL/TV、NdNd/TV、
NdTm/TV、TmTm/TV、CtNd/TV、C
tTm/TV、NNd/TV、NTm/TV、NNd/NTm
を適用することができる。
【0028】また、モーフォロジー演算に基づく骨部組
織の強調処理としては、スケルトン処理を適用すること
ができる。ここでモーフォロジー演算について説明す
る。
【0029】モーフォロジー演算(以下、モーフォロジ
ー処理ともいう)とは、原画像のうち異常な陰影等の特
定の画像部分だけを選択的に抽出する、モーフォロジー
(Morphology;モフォロジーまたはモルフォロジーとも
称する)のアルゴリズムに基づく処理であり、特に乳癌
における特徴的形態である微小石灰化像を検出するのに
有効な手法として研究されているが、対象画像としては
このようなマンモグラムにおける微小石灰化像に限るも
のではない。
【0030】そしてこのモーフォロジー処理は、抽出し
ようとする画像部分の大きさ、形状に対応した構造要素
Bを用いた処理を行なうものであり、複雑なバックグラ
ウンド情報に影響されにくい、抽出した画像が歪まな
い、などの特徴がある。
【0031】すなわち、この手法は一般の微分処理に比
べて、石灰化像のサイズ・形状・濃度分布などの幾何学
的情報をよりよく保って検出することができる。
【0032】以下、このモーフォロジー処理の概要を、
マンモグラムにおける微小石灰化像の検出に適用した例
について説明する。
【0033】(モーフォロジーの基本演算)モーフォロ
ジー処理は一般的にはN次元空間における集合論として
展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像
を対象として説明する。
【0034】濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f
(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここ
で、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示
した場合には輝度が高い)程大きな画像信号値となる高
輝度高信号レベルの信号とする。
【0035】まず、簡単のため上記2次元の濃淡画像の
断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モーフ
ォロジー演算に用いる構造要素gは次式(3)に示すよ
うに、原点について対称な対称関数
【0036】
【数1】
【0037】であり、定義域内で値が0で、その定義域
Gが下記式(4)であるとする。
【0038】
【数2】
【0039】このとき、モーフォロジー演算の基本形は
式(5)〜(8)に示すように、非常に簡単な演算とな
る。
【0040】
【数3】
【0041】すなわち、ダイレーション(dilation)処
理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じ
て決定される値であって、図6中のマスクサイズに相
当)の幅の範囲内の最大値を探索する処理であり(同図
(A)参照)、一方、エロージョン(erosion )処理
は、注目画素を中心とした、±mの幅の範囲内の最小値
を探索する処理である(同図(B)参照)。また、オー
プニング(opening )処理はエロージョン処理後にダイ
レーション処理を行なう処理、すなわち最小値の探索の
後に最大値を探索する処理であり、クロージング(clos
ing )処理は、ダイレーション処理後にエロージョン処
理を行なう処理、すなわち最大値の探索の後に最小値を
探索する処理に相当する。
【0042】つまりオープニング処理は、低輝度側から
濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより
空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲
部分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する
(同図(C)参照)。
【0043】一方、クロージング処理は、高輝度側から
濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより
空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲
部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する
(同図(D)参照)。
【0044】なお、構造要素gが原点に対して対称では
ない場合の、式(5)に示すダイレーション演算をミン
コフスキー(Minkowski )和、式(6)に示すエロージ
ョン演算をミンコフスキー差という。
【0045】ここで、濃度の高いもの程大きな値となる
高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f
(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対し
て大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号
に対するダイレーション処理と高輝度高信号レベルに対
するエロージョン処理(同図(B))とは一致し、高濃
度高信号レベルの信号に対するエロージョン処理と高輝
度高信号レベルに対するダイレーション処理(同図
(A))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対す
るオープニング処理と高輝度高信号レベルに対するクロ
ージング処理(同図(D))とは一致し、高濃度高信号
レベルの信号に対するクロージング処理と高輝度高信号
レベルに対するオープニング処理(同図(C))とは一
致する。
【0046】なお、本項では高輝度高信号レベルの画像
信号(輝度値)の場合について説明する。
【0047】(石灰化陰影検出への応用)石灰化陰影の
検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法
が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い
形状の非石灰化陰影(乳腺、血管および乳腺支持組織
等)との識別が困難であるため、東京農工大の小畑ら
は、多重構造要素を用いたオープニング処理に基づく下
記式(9)で表されるモーフォロジーフィルターを提案
している(「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィ
ルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文
誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7
月、「モルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理へ
の応用」MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 Jan
uary 1994 等)。
【0048】
【数4】
【0049】ここでBi (i=1,2,…,n)は、直
線状の大きさがm画素でn個(例えば図7に示すもので
は、9画素4方向でありm=9,n=4)の構造要素
(これらを全体として以下、m画素n方向の多重構造要
素という)である。構造要素Bi を検出対象である石灰
化陰影よりも大きく設定すれば、上記オープニング演算
による処理で、構造要素Bi よりも細かな信号変化部分
(空間的に狭い範囲で信号が変動する画像部分)であっ
て周囲よりも輝度値の大きい凸状の部分である石灰化陰
影は取り除かれる。一方、細長い形状の乳腺の陰影等の
非石灰化陰影はその長さが構造要素Bi よりも長く、そ
の傾きが4つの構造要素Bi のいずれかに一致すればオ
ープニング処理(式(9)の第2項の演算)をしてもそ
のまま残る。したがってオープニング処理によって得ら
れた平滑化画像(石灰化陰影のみが取り除かれた画像)
を原画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影のみ
が含まれる画像が得られる。これが式(9)の考え方で
ある。
【0050】なお、前述したように、高濃度高信号レベ
ルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部
分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対
して濃度値の小さい凹状の信号変化部分となるため、オ
ープニング処理に代えてクロージング処理を適用し、式
(9)に代えて式(10)を適用する。
【0051】
【数5】
【0052】なお、モーフォロジー演算の一例である式
(10)のクロージング処理を具体的に説明する。
【0053】すなわち、高濃度高信号レベルの画像信号
である濃度値Sorg についてのモーフォロジー演算によ
れば、例えば図8(1)の実線に示すような濃度値Sor
g の分布を有する画像データに対して、同図(2)に示
すような直線状の3画素の構造要素Bで、最大値処理
(ダイレーション処理)を行うことにより、ある注目画
素の濃度値Si は、その注目画素を中心として互いに隣
接する3画素(構造要素Bにより決定される)の中の最
大値Si+1 を採用したSi ′に変換される。この演算を
全画素について行うことにより、濃度値Sorg ′の分布
を有する同図(1)の破線で示す最大値信号に変換され
る。
【0054】次に、この最大値処理により得られた最大
値信号に対してさらに構造要素Bによる最小値処理(エ
ロージョン処理)を考えると、同図(1)の破線で示さ
れた注目画素の最大値信号Si ′は、その注目画素を中
心として互いに隣接する3画素の中の最小値Si-1 ′を
採用したSi ″(=Si )に変換される。この演算を全
画素について行うことにより、最大値処理後の最小値信
号Sorg ″の分布は同図(1)の一点鎖線で示すものと
される。この一点鎖線で示された画像信号は、もとの実
線のオリジナルの画像データに対して、構造要素Bより
も空間的に狭い範囲で信号が変動する画像部分が消え、
構造要素Bよりも空間的に広い範囲で変動する信号値の
変化部分である画像部分や変動のない画像部分はもとの
形状のまま残っていることを示している。すなわち、以
上の処理(クロージング処理)は、画像濃度の分布を高
濃度側から平滑化する処理として作用する。
【0055】このようにクロージング処理で得られた値
(Sorg に対して最大値処理を行なった後にさらに最小
値処理を行なった値)を原画像信号Sorg から差し引く
ことにより得られた値Smor は、上記クロージング処理
で消された空間的に狭い範囲で変動する信号値の変化部
分である画像部分を表す。
【0056】ここで、本来、画像信号は2次元の要素で
ある位置(x,y)と、3次元目の要素である信号値f
(x,y)を有するが、上記説明においては、理解の容
易化のために、この2次元上に展開された画像の所定の
断面に現れた、1次元状の画像信号分布曲線について説
明した。
【0057】したがって実際には、以上の説明を2次元
画像に適用する必要があり、多重構造要素を用いるのも
2次元画像に対応させるためである。
【0058】次にモーフォロジー演算に基づくスケルト
ン処理について説明する。
【0059】スケルトン処理とは一般に図形の骨格(sk
eleton)を抽出する処理であり、骨格とは図形に内接す
る円盤の中心の集合としてとらえることができる。すな
わち例えば図9(A)〜(E)に示す各図形(中太の実
線で表記)の骨格はそれぞれ太い実線で示すものとな
る。
【0060】以下、このスケルトン処理を、上述したモ
ーフォロジー演算により行なう場合について説明する。
この場合、スケルトン処理は下記式(11)または(12)
で表すことができる。
【0061】
【数6】
【0062】
【数7】
【0063】ここで式(11)と式(12)とは前述した、
画像を高濃度高信号レベルの画像信号として表すか、ま
たは高輝度高信号レベルの画像信号として表すかの差異
によるものであり、高濃度高信号レベルの画像信号で表
された画像から低濃度(高輝度)の画像部分の骨格を抽
出する場合は式(11)を適用し、一方、高輝度高信号レ
ベルの画像信号で表された画像から低輝度(高濃度)の
画像部分の骨格を抽出する場合は式(12)を適用するも
のであり、作用自体の実質的な差はない。
【0064】例えばネガフイルム(高濃度高信号レベ
ル)上においては骨部は他の画像部分に比べてその濃度
は低いものとなり、骨梁の存在する部分は濃度が低く、
存在しない部分は濃度が高くなる。したがって、周囲よ
りも濃度の低い部分となる骨梁を対象としてスケルトン
処理を行なうことに該当するため式(11)を適用すれば
よい。
【0065】ここで式(11)における構造要素Bを半径
rの円とし、図10に示す図形に対してスケルトン処理を
施した状態を示す。図10に示す図形は、その輪郭よりも
外側領域が濃度の高い部分であり、内側が濃度の低い部
分である。
【0066】この図形に対してまず図示上段では構造要
素Bによるエロージョン処理が施される。λ=0(構造
要素Bによる0回のエロージョン処理)では図形は何ら
変化がない。
【0067】λ=1(構造要素Bによる1回のエロージ
ョン処理)では図形が構造要素Bの半径r分だけ内側に
埋め込められる。
【0068】λ=2(構造要素Bによる2回のエロージ
ョン処理)では図形の円から突出した部分が完全に消失
する。
【0069】同様の操作を繰り返すことにより、λ=N
−1(構造要素BによるN−1回のエロージョン処理)
で図形は半径r以下の円のみとなる。
【0070】一方、図示中段は、この構造要素Bによる
各回(λ=0,1,2,…,N−1,N)のエロージョ
ン処理を施した画像に対して、さらにそれぞれ構造要素
Bによるオープニング処理を施した図形である。
【0071】この図示上段の図形から図示中段の図形
を、処理の回数を対応させて差し引いた図形が図示下段
である。
【0072】λ=1において、元の図形の円から突出し
た部分の骨格要素が抽出され、λ=N−1において、元
の図形の円の骨格要素が抽出されていることが分かる。
【0073】このように元の図形に対してエロージョン
処理を施し、さらにオープニング処理を施し、処理回数
を対応させて差し引き、この結果の和集合を求めたもの
が式(11)の意味するところである。
【0074】式(12)では濃度の高低が式(11)とは逆
転した図形から骨格要素を抽出するのに有効であり、元
の図形に対してダイレーション処理を施し、さらにクロ
ージング処理を施し、処理回数を対応させて差し引き、
この結果の和集合を求めることにより骨格要素を抽出す
ることを意味する。
【0075】なお上記式(11)、(12)中の和集合とし
て、n1 の値が比較的大きいもののみの和集合、すなわ
ち例えばn1 =0,1の場合を除いたλ=2,3,4,
5等の和集合を採用し、この場合に得られる骨格要素を
表示することにより、骨梁の変化をより見易くすること
ができ、好ましい。これは、λが0や1のときは特に、
非常に空間周波数の高いノイズ成分も抽出されるため、
和集合からこれらのノイズ成分を除外することによっ
て、より読影性能の高い画像を得ることができるからで
ある。
【0076】以上がモーフォロジー演算およびスケルト
ン処理の内容である。
【0077】なお、モーフォロジー演算に基づく強調処
理の対象としては、骨部組織を含む被検体を被写体とし
た通常の放射線画像に代えて、エネルギーサブトラクシ
ョン処理用の、放射線エネルギー分布が互いに異なる2
つ以上の放射線画像に基づいて骨部組織が抽出又は強調
処理されたエネルギーサブトラクション画像を適用する
こともできる。
【0078】本発明の骨計測装置は、放射線画像を表す
画像情報に対してモーフォロジー演算に基づく骨部組織
の強調処理を施すことにより、骨部組織の構造を抽出
し、その抽出(強調処理)された骨部組織の構造を表す
画像に基づいて、当該構造状態を表す指標値を算出する
ものである。
【0079】すなわち本発明の骨計測装置は、骨部組織
の構造の状態を表す指標値を算出する骨構造指標値算出
手段を備えた骨計測装置であって、少なくとも前記骨部
組織を含む被検体を被写体とする放射線画像に対してモ
ーフォロジー演算に基づく骨部組織の強調処理を施すモ
ーフォロジー演算手段をさらに備え、前記骨構造指標値
算出手段が、前記強調処理された骨部組織の構造を表す
骨部組織画像に対して、前記指標値を取得する処理を施
すものであることを特徴とするものである。
【0080】ここで、骨部組織、骨部組織の構造の状
態、指標値、モーフォロジー演算に基づく骨部組織の強
調処理、およびスケルトン処理については、上述した本
発明の骨計測方法におけるものと同義である。
【0081】
【発明の効果】本発明の骨計測方法および装置によれ
ば、放射線画像を表す画像情報に対して、スケルトン処
理等の、モーフォロジー演算に基づく骨部組織の強調処
理を施すことにより、被検体に非侵襲で骨部組織の構造
状態を精度よく抽出または強調処理することができ、そ
の抽出または強調処理された骨部組織の構造を表す画像
に基づいて、スターボリューム法による指標値やノード
ストラット解析法による指標値等の、当該骨部組織の構
造状態を表す指標値を算出することにより、特に骨粗鬆
症の診断に有用な情報である骨部組織の構造状態を、定
量的な指標値として提供することができる。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、本発明の骨計測装置の具体
的な実施の形態について図面を用いて説明する。
【0083】図1は本発明の骨計測装置の一実施形態の
構成を示すブロック図である。
【0084】図示の骨計測装置100 は、入力された、軟
部組織Paと骨部組織Pbとを含む人体等を被写体とした放
射線画像Pを表す画像信号(以下、放射線画像情報とい
う)Sに対して、モーフォロジー演算に基づいたスケル
トン処理を施すことにより当該骨部組織Pbに相当する画
像(スケルトン画像)を表す画像情報Sbを抽出するモー
フォロジー演算手段10と、このモーフォロジー演算手段
10により抽出された画像情報Sbに対して、当該骨部組織
Paの構造状態を表す指標値Vtを求める骨構造指標値算
出手段20とを備えた構成である。
【0085】ここで、上記本実施形態の骨計測装置 100
に入力される画像情報Sは、例えば、放射線を照射する
とこの放射線のエネルギーの一部が蓄積され、その後、
可視光やレーザー光等の励起光を照射すると蓄積された
放射線エネルギーに応じた輝尽発光を示す蓄積性蛍光体
(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の少なくとも骨部
組織を含む被写体の放射線画像情報を一旦、シート状の
蓄積性蛍光体(蓄積性蛍光体シート)に記録し、この蓄
積性蛍光体シートをレーザー光等の励起光で走査して輝
尽発光光を生じせしめ、この輝尽発光光を光電的に読み
取って得られた画像信号である。なお、この画像情報と
しては、単一の放射線画像に基づいて得られた画像情報
だけでなく、同一被写体についての、エネルギー分布状
態が互いに異なる2つのエネルギーサブトラクション処
理用画像情報に基づいて得られる、骨部組織をある程度
抽出した画像情報を適用することもでき、また、骨部組
織の構造状態の指標値を求めようとする画像部分が、全
体画像のうちの一部である場合は、当該画像部分にRO
I(region of interest;関心領域)設定を行ったうえ
で、当該ROI内の画像部分に対応する画像情報のみを
適用してもよい。
【0086】モーフォロジー演算手段10によるスケルト
ン処理は、具体的には図2に示すように、処理対象であ
る画像情報Sに対して、ダイレーション処理を8回(n
=0〜7)行い、各ダイレーション処理後の各画像情報
A(0)、A(1)、…、A(7)に対してそれぞれエ
ロージョン処理を施して画像情報B(0)、B(1)、
…、B(7)を得、これらの各結果B(n)をそれぞれ
のダイレーション処理前の画像情報A(n−1)(ただ
し、A(−1)はSに等しい)から減じる演算を行って
差分画像情報S(n)={A(n−1)−B(n)}を
求める。
【0087】そして得られた各差分画像情報S(n)を
それぞれ予め設定された閾値により2値化してスケルト
ン画像情報Skl(n)={Skl(0),Skl(1),S
kl(2),Skl(3),Skl(4),Skl(5),Skl
(6),Skl(7)}を得る。
【0088】さらにこれらのスケルトン画像情報Skl
(n)のうち、i≦n≦jなる(i,j)を用いて、論
理和SUM(i,j)=Skl(i)+Skl(i+1)+
…+Skl(j)が表すサムセット画像情報を得る。一例
としては、SUM(0,1)、SUM(2,5)、SU
M(3,6)、SUM(4,7)の4つが適当である。
【0089】そしてこれらの4つのサムセット画像情報
SUM(0,1)、SUM(2,5)、SUM(3,
6)、SUM(4,7)と8つのスケルトン画像情報S
kl(0),Skl(1),Skl(2),Skl(3),Skl
(4),Skl(5),Skl(6),Skl(7)が、スケ
ルトン処理の結果である骨部画像情報Sbとして、モーフ
ォロジー演算手段10から出力される。
【0090】また、骨構造指標値算出手段20による、骨
部画像情報Sbが表す骨部組織Paの構造状態を表す指標値
Vtを求める処理としては、本実施形態においては、前
述したスターボリューム法が適用される。そして本実施
形態のスターボリューム法では、骨梁の中の点から延ば
す放射状の全方向として、例えば9度ごとの40方向を設
定し、骨梁の中の点からこれらの全ての方向(40方向)
について、骨梁の端に至る範囲(図3参照)の体積の平
均を意味する、骨部組織の構造状態を表す1つの指標値
Vtを求める。
【0091】ここでまず、任意のサンプリング点jにつ
いての指標値Vtjを次式(2)にしたがって求める。
【0092】 Vtj=(π/3)×Σl1 4/Σl1 (2) 但し、l1 は点jを中心とする任意の方向において、骨
梁が連続する長さを示す。また、l1 は点jを中心とし
て放射状に全ての方向において求められ、Σはその全て
の方向における和を求めることを表す。
【0093】そして、Vtjを各サンプリング点ごとに
算出し、それらの平均値を指標値Vtとすればよい。
【0094】次に本実施形態の骨計測装置100 の作用に
ついて説明する。
【0095】まず、前述した骨部画像情報Sbを含む放射
線画像情報Sがモーフォロジー演算手段10に入力され、
このモーフォロジー演算手段10は入力された画像情報S
に対してスケルトン処理(図2)を施して骨部画像情報
Sbを抽出する。
【0096】得られた骨部画像情報Sbは骨構造指標値算
出手段20に入力され、骨構造指標値算出手段20は、入力
された骨部画像情報Sbに基づき、骨部組織Paの構造状態
を表す1つの指標値であるVt値を上記式(2)にした
がって算出する。
【0097】このように算出された指標値Vtは骨計測
装置100 から出力され、骨粗鬆症の診断等に供される。
【0098】このように本実施形態の骨計測装置100 に
よれば、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理に
より、放射線画像中における骨部組織を軟部組織から精
度よく分離した画像情報を得ることができ、そしてこの
ように精度よく抽出された骨部組織を表す画像情報に基
づいて当該骨部組織の構造を表す指標値を求めることに
より、骨構造の診断に有用な情報を定量的なものとし
て、かつ放射線画像から精度よく得ることができる。
【0099】なお、上記実施形態における骨構造指標値
算出手段20は、骨部組織の構造を表す指標値として骨梁
体積の平均を意味するVt値を算出するものとしたが、
本発明の骨計測装置はこの実施形態に限るものではな
く、骨髄腔体積の平均を意味するVm値(式(1))
や、ノードストラット解析法による、すべてのストラッ
トの長さの和TSLに対する各ストラットの長さの割合
(%)、骨部組織(ここでは、骨梁および皮質骨の和、
または骨梁のみ)の面積に対するストラットの長さ、結
合点または終末点の数等を骨部組織の構造を表す指標値
として求める骨構造指標値算出手段を適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の骨計測装置の一実施形態を示すブロッ
ク図
【図2】図1に示した骨計測装置におけるモーフォロジ
ー演算手段10によるスケルトン処の流れを示すフローチ
ャート
【図3】スターボリューム法による指標値を説明するた
めの図
【図4】骨部組織の状態を判定する方法を示す図
【図5】ノードストラット解析法による指標値を説明す
るための図
【図6】モーフォロジー処理の基本的な作用を示す図、
(A)ダイレーション(dilation)処理、(B)エロー
ジョン(erosion )処理、(C)オープニング(openin
g )処理、(D)クロージング(closing )処理
【図7】モーフォロジー処理に用いる構造要素Bi の一
例を示す図
【図8】クロージング処理を具体的に説明する図
【図9】種々の図形とその骨格(skeleton;スケルト
ン)を示す図
【図10】スケルトン処理を具体的に説明する図
【符号の説明】
10 モーフォロジー演算手段 20 骨構造指標値算出手段 100 骨計測装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨部組織の構造の状態を表す指標値を取
    得する骨計測方法であって、 少なくとも前記骨部組織を含む被検体を被写体とする放
    射線画像に対してモーフォロジー演算に基づく骨部組織
    の強調処理を施し、 前記強調処理された骨部組織の構造の状態を表す骨部組
    織画像に対して、前記指標値を取得する処理を施すこと
    を特徴とする骨計測方法。
  2. 【請求項2】 前記強調処理が、スケルトン処理である
    ことを特徴とする請求項1記載の骨計測方法。
  3. 【請求項3】 前記指標値を取得する処理が、スターボ
    リューム法に基づく処理であることを特徴とする請求項
    1または2記載の骨計測方法。
  4. 【請求項4】 前記指標値を取得する処理が、ノードス
    トラット解析法に基づく処理であることを特徴とする請
    求項1または2記載の骨計測方法。
  5. 【請求項5】 骨部組織の構造の状態を表す指標値を算
    出する骨構造指標値算出手段を備えた骨計測装置であっ
    て、 少なくとも前記骨部組織を含む被検体を被写体とする放
    射線画像に対してモーフォロジー演算に基づく骨部組織
    の強調処理を施すモーフォロジー演算手段をさらに備
    え、 前記骨構造指標値算出手段が、前記強調処理された骨部
    組織の構造を表す骨部組織画像に対して、前記指標値を
    取得する処理を施すものであることを特徴とする骨計測
    装置。
  6. 【請求項6】 前記モーフォロジー演算手段による強調
    処理が、スケルトン処理であることを特徴とする請求項
    5記載の骨計測装置。
  7. 【請求項7】 前記骨構造指標値算出手段による指標値
    を取得する処理が、スターボリューム法に基づく処理で
    あることを特徴とする請求項5または6記載の骨計測装
    置。
  8. 【請求項8】 前記指標値を取得する処理が、ノードス
    トラット解析法に基づく処理であることを特徴とする請
    求項5または6記載の骨計測装置。
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