JPH11113532A - カルシウム及びマグネシウムを主成分とする食品素材用組成物及びその製造方法 - Google Patents

カルシウム及びマグネシウムを主成分とする食品素材用組成物及びその製造方法

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JPH11113532A
JPH11113532A JP9287259A JP28725997A JPH11113532A JP H11113532 A JPH11113532 A JP H11113532A JP 9287259 A JP9287259 A JP 9287259A JP 28725997 A JP28725997 A JP 28725997A JP H11113532 A JPH11113532 A JP H11113532A
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輝男 浦野
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宏介 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドロマイト系炭酸塩鉱物組成を保持したま
ま、不純物が少なく、白色度が向上し、かつ安全性に問
題がない、カルシウム及びマグネシウムを主成分とする
食品素材用組成物を得る。 【解決手段】 天然に産するドロマイト[Ca・Mg(C
O3)2]を主成分とする鉱物を平均粒子径3.0μm以
下、最大粒子径25μm以下に微粉砕したもの、或は、
上記鉱物を平均粒子径3.0μm以下、最大粒子径25
μm以下に微粉砕し、かつ該微粉砕物を酸素含有ガスの
存在下100〜450℃の温度範囲で熱処理したもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム及びマ
グネシウムを主成分とする食品素材用組成物及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】厚生省の国民栄養調査によると、栄養
素、ビタミン・ミネラルのうちカルシウム(Ca)が不
足しており、所要量600mg/人/日に対し、500
〜550mgの摂取量であり、50〜100mg/人/
日不足している。Caは骨の主成分であり、不足すると
骨鬆症をおこす。またCaは体内で重要な生理作用を担
っている。このCaの不足を補うためにCaを添加した
食品やCa栄養補助食品が数多く市販されて栄養向上に
役立っている。
【0003】ところが、ミネラル類には他に多くのミネ
ラルとの拮抗作用があり、バランスが崩れると弊害を生
じる。Caの場合には特にマグネシウム(Mg)とのバ
ランスが大事であるとされている。Mgは体内の代謝反
応を司る多数の酸素の働きを活性化する働きを持っいる
が、ストレスによって失われてしまう。Mgの目標摂取
量は300mg/人/日とされているが、実際には20
0〜250mgの平均摂取量で、50〜100mg/人
/日不足している。
【0004】MgやCaを多量含む硬水を飲用している
場合、食品からのCa/Mgの摂取比率が健康に関係す
ることが分かっている。Ca/Mg摂取比率が高いフィ
ンランドでは虚血性心疾患の死亡率が高いのに比べて、
Ca/Mg摂取比率が低い日本では死亡率が低いという
報告がある。
【0005】これらの循環器疾患の予防や体内免疫力を
高め、ストレスに対抗するにはCaのみを多くとるので
はなく、Mgも同時に摂取するのが肝要で、その比はC
a/Mg=2/1位に均衡させるのが適切であるとされ
ている。
【0006】カルシウムの補給を目的とした無機系食品
用素材としては、炭酸カルシウム、牛骨カルシウム、魚
骨粉カルシウム、卵殻、真珠来カルシウム、ホタテ、貝
殻の粉砕物などが知られており市販されている。しか
し、これらは全て主成分はカルシウムであり、マグネシ
ウムを含んでいない。
【0007】マグネシウム含有無機系食品素材として
は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムが使用されて
いるが、これらのマグネシウム塩は食味した場合「にが
く」また潮解性があるので取り扱いにくい欠点がある。
【0008】カルシウム、マグネシウムを同時に含有す
るドロマイト[Ca・Mg(CO3)2]は、無味、無臭であり、
ミネラルの補給食品としては理想的であるにもかかわら
ず、我が国では「人」が「食」した経緯が浅く一般的で
はなかった。
【0009】我が国に於ける代表的ドロマイト鉱物は、
栃木県葛生地区に豊富に産し、これは秩父古生層に属す
る。その代表的成分は以下の通りである。
【0010】
【表1】
【0011】ドロマイト鉱物中には有害金属元素は含有
しておらず、生体安全性の高いことが分かる。しかし、
ドロマイト鉱物は代表的な堆積岩の一種で、有機物質を
含んでいる。この有機物質は、続成作用、変成作用を通
じて主に脱水素反応(石炭化作用)と水素付加反応(石
油炭化水素化作用)のいずれかを経て、究極的には石墨
(遊離炭素)とメタンとして存在している。その存在量
は産地や採堀層によって異なるが、微量のタンパク質、
アミノ酸等の有機物及び低分子炭化水素を含有している
こともある。そのために白色度は低く灰色ないし灰白色
を呈している。これらの岩石の色はだいたいにおいて遊
離炭素含有量に比例している。黒色のドロマイトで0.
038%、灰色で0.032%、白色で0.020%程
度の遊離炭素を含んでいる。これらの夾雑物は、ドロマ
イト鉱物の成因からドロマイト結晶の粒界に粘土鉱物と
共存していると推定される。これら遊離炭素及び有機物
を含有している場合、ドロマイトを食品用素材として利
用するに際し、色や安全性などに問題が生じる。
【0012】一般に鉱物由来の無機系食品用素材は、粒
子径が粗いと歯触りが悪く、また目的ミネラル成分の吸
収性(バイオアバラビリティ)が低いので、325メッ
シュ(44μm)ないし400メッシュ(37μm)程
度に粉砕しているのが現状である。微粉末にすればする
ほど生体吸収性は良いが、粉砕に際して装置、機器の摩
耗に由来するコンタミネーション(汚染)が激しくなる
ので、上記した程度に調整するのが限度であった。その
ため、結晶粒界中に粘土鉱物と存在している遊離炭素、
有機物(タンパク質、アミノ酸など)、低分子炭化水素
などの不純物の除去は困難で、これらの混入していない
食品素材用鉱物粉末を得るためには、高純度鉱物を粉砕
して用いる以外に方法がなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不純物が少
なく、白色度が向上し、かつ安全性に問題がない、カル
シウム及びマグネシウムを主成分とする食品素材用組成
物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわるカルシ
ウム及びマグネシウムを主成分とする食品素材用組成物
は、天然に産するドロマイト[Ca・Mg(CO3)2]を主成分
とする鉱物を、平均粒子径3.0μm以下、最大粒子径
25μm以下に微粉砕したもの、或は、上記鉱物を、平
均粒子径3.0μm以下、最大粒子径25μm以下に微
粉砕し、かつ該微粉砕物を酸素含有ガスの存在下100
〜450℃の温度範囲で熱処理したものであることを特
徴とする。
【0015】ドロマイト[Ca・Mg(CO3)2]は、カルシウ
ム(Ca)とマグネシウム(Mg)のモル比が1/1
(重量換算比で約2/1)のCaとMgが原子レベルで
均一に混合している炭酸塩である。ドロマイトの熱分解
は2段階反応で、500〜700℃で加熱処理すること
によって、 Ca・Mg(CO3)2 → CaCO3 + MgO + CO2 ↑ のようなMgの脱炭酸反応を行う。さらに熱処理温度を
上昇させると、700〜900℃以上で、 CaCO3 + MgO → CaO + MgO + CO2 ↑ のようなCaの脱炭酸反応を行う。各反応温度は、ガス
雰囲気や、熱処理時間、鉱物のサイズなどによって変化
する。上記の反応のように、500〜700℃における
Mgの脱炭酸反応が起きると、ドロマイト結晶中に原子
レベルで均一に混合していたCaとMgが分離する。
【0016】ドロマイト鉱物の成因についてはまだ定説
はなく、地球科学的見地からは炭酸塩堆積物の堆積後の
変質交代によって形成したのではないかと推測されてい
る。生物起源のドロマイト鉱物は化石の集合体であり、
その中に含まれる種々の有機化合物は、続成作用および
変成作用により、一部分は縮合反応を重ねて、ケロゲン
(油母)を経て最終的にはグラファイト化され、他の一
部は分解されてさらに簡単な炭素化合物を経て、CH4
等の低分子炭化水素になっている。これらの物質は炭酸
塩の結晶生成過程から推定すると、アルミニウム、鉄、
珪素などから構成される粘土鉱物と共に結晶粒界に存在
している。ドロマイト鉱物は、産地や採掘層によって異
なるが、結晶粒子径が粗晶質のもので50〜100μ
m、微晶質のもので10〜30μmであるため、鉱石を
結晶粒子径以下に微粉砕して、粒界に存在するこれら夾
雑物と炭酸塩鉱物の結晶粒子と分離することによりメタ
ンを含む低分子炭化水素ガス、タンパク質、アミノ酸な
どの有機物由来物質、遊離炭素などは除去され易くな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】粉砕粒子径は、平均粒子径3.0
μm以下、最大粒子径25μm以下、好ましくは平均粒
子径2.0μm以下、最大粒子径10μm以下とする。
平均粒子径3.0μm、最大粒子径25μmを越えた場
合には、粉砕した粒子の表面に粒界が露出する面積が少
なくなる。これによって粒界に存在している低分子炭化
水素、遊離炭素などの揮発量が少なくなる。
【0018】粉砕機はコンタミネーションの少ない堅型
ミル、例えば石川島播磨重工製堅型ミル(スーパーハイ
ブリッドミル)、栗本鐵工所製CVXミルなどを使用す
ることが好ましい。これらは、ドロマイト鉱物同士の摩
擦による粉砕を主体としているため、粉砕機に由来する
コンタミネーションの少ない微粉末が得られる。平均粒
子径3.0μm以下、最大粒子径25μm以下とした微
粉砕ドロマイトは、微粉砕に当たり、まずドロマイト結
晶粒子界面での分離・破断が生じ、その後結晶粒子自身
の粉砕が行われる。結晶粒界中に存在していたメタンの
ような低分子炭化水素ガスは、結晶粒界の露出によって
一部は解放され揮発する。さらに、粉砕過程における鉱
物同士の摩擦により粉砕機中の温度が上昇するため、揮
発性有機物の放出が促進される。粉砕後の粒子径が小さ
ければ小さいほど、また品温が高ければ高いほど、より
多くの低分子炭化水素及び揮発性有機物の除去量が増加
するので、堅型ミルに熱風を導入しさらに品温の上昇を
図ることも可能である。他の粉砕機及び粉砕方式を用い
た場合、微粉砕に際して装置、機器の摩耗に由来するコ
ンタミネーション、すなわち生体に有害な金属及び重金
属元素などの混入の恐れがあり好ましくない。
【0019】微粉砕ドロマイトからの揮発性有機物並び
に遊離炭素の除去を完全に行うためには、酸素含有ガ
ス、例えば空気の存在下、300〜450℃の温度範
囲、好ましくは400〜450℃の温度範囲で熱処理す
るのが良い。ドロマイト結晶粒界に粘土鉱物と共存して
いる有機炭素は酸素により燃焼し二酸化炭素となって放
出される。300℃以下では酸化反応性が低い。また、
500℃以上で熱処理を行った場合、無機質炭素の分解
反応は促進され短時間で除去が可能であるが、ドロマイ
トの一部が分解しMgOが生成するので好ましくない。
なお、遊離炭素の分解除去が不可能な300℃以下の、
例えば100〜300℃の加熱でもメタン、タンパク
質、アミノ酸等の熱分解除去は可能である。原料鉱石が
良質の場合には微粉砕するだけ、又は微粉砕と100〜
300℃の温度範囲での熱処理、原料鉱石中の不純物、
特に無機質炭素が多い場合には微粉砕と400〜450
℃の温度範囲での熱処理を行うと言うように、原料鉱石
の品質に応じて異なる実施態様を選択することができ
る。
【0020】粗めの粉砕物、例えば平均粒子径50μm
程度の粒子の場合でも、例えば800〜1000℃程度
の高温加熱することにより無機質炭素を分解除去するこ
とも可能であるが、先述のようにドロマイトの分解反応
が起きてしまうため好ましくない。
【0021】加熱処理することにより各種の生菌、大腸
菌群、カビ、酵母などの病原性菌類の滅菌も同時に可能
となる。
【0022】得られた食品素材用組成物の用途として、
パン、ビスケット、米、そば、小麦粉などの食品添加物
的利用、健康補助食品、有機酸などに溶解させてドリン
ク剤用等広範囲な利用が可能である。
【0023】以下実施例によって本発明組成物の具体例
及びその効果を説明するが、本発明は下記の実施例に限
定されるものではない。
【0024】
【実施例1】表1に記した成分の栃木県葛生町会沢地区
産ドロマイトをジョークラッシャーにより粒子径5mm
以下に粉砕した。粉砕したドロマイトの1mm以下の部
分は除去し、粒子径5〜1mmのものについて、表面に
付着している不純物などは水洗によって除去し、石川島
播磨重工製堅型ミルSH−150を用いて微粉末ドロマ
イトを得た。得られた微粉末ドロマイトは、デシケータ
ー中で2日間真空乾燥を行い、付着水分を完全に除去し
た。
【0025】粉砕物の粒度分布(平均粒子径及び最大粒
子径)はホリバ(HORIBA)製粒度分布測定装置LA−9
20を用い、分散媒エタノールで測定した。結果は表2
に示す通り、平均粒子径1.24μm、最大粒子径1
5.6μmであった。微粉砕ドロマイトの粉砕機由来の
コンタミネーション成分の分析を、日立製ICP発光分
光分析装置P−4000を用いて測定した。結果を表3
に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例1の微粉砕ドロマイトを約100g
採取し、3N塩酸を加えて炭酸塩を溶解し、ガラスフィ
ルタで濾過し、水洗いした。得られた残渣を1日間真空
乾燥して塩酸不溶解残渣とした。この残渣の量を表4に
示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】実施例1の微粉砕ドロマイト100gを採
取し、電気炉にて温度100℃、200℃、300℃、
400℃、500℃、600℃、700℃及び1000
℃で酸素含有ガス(空気)の存在下、2時間の熱処理を
行った。各熱処理物の結晶相の同定をマックサイエンス
製粉末X線解析装置MXP3AHF を用いて行った。結果
を図1に示す。
【0032】100〜1000℃における熱処理後の熱
重量減少を表5に示し、同じく図4に図示し、更に10
0〜400℃における熱重量減少を拡大して図5に示
す。
【0033】微粉砕ドロマイト及び各熱処理物の白色度
をケット・エレクトリック・ラボラトリー(Kett Elect
ric Jaboratry)社製白色度計C−100を用いて3回測
定し平均値を求めた。結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
【実施例2】粉砕機に栗本鐵工所製CVXミルを用いた
以外は実施例1と同様に実験を行った。粒度分布測定の
結果は表2に示す通り、平均粒子径2.10μm、最大
粒子径22.8μmであった。微粉砕ドロマイトの粉砕
機由来のコンタミネーション成分の分析結果を表3、塩
酸不溶解残渣の量を表4、結晶相の同定結果を図2、1
00〜1000℃における熱処理後の熱重量減少を表5
に示し、同じく図4に図示し、さらに100〜400℃
における熱重量減少を拡大して図5に示す。また、微粉
砕ドロマイト及び各熱処理物の白色度測定の結果を表6
に示す。
【0036】
【比較例1】粉砕機にホソカワミクロン製ハンマークラ
ッシャーを用いた以外は実施例1と同様に実験を行っ
た。粒度分布測定の結果は表2に示す通り、平均粒子径
9.01μm、最大粒子径44.0μmであった。微粉
砕ドロマイトの粉砕機由来のコンタミネーション成分の
分析結果を表3、塩酸不溶解残渣の量を表4、結晶相の
同定結果を図3、100〜1000℃における熱処理後
の熱重量減少を表5に示し、同じく図4に図示し、更に
100〜400℃における熱重量減少を拡大して図5に
示す。また、微粉砕ドロマイト及び各熱処理物の白色度
測定の結果を表6に示す。
【0037】微粉砕ドロマイトの粉砕機由来のコンタミ
ネーション成分について分析を行った結果、ハンマーク
ラッシャーのような衝撃式破砕機を用いた比較例1の場
合、Feの含有量が増加したが他の成分の増加は無視で
きる程度であった。鉱物同士の摩擦による粉砕を主体と
する粉砕機を実施例1、2を用いた場合、Fe含有量の
増加は少なかった。
【0038】塩酸不溶解残渣は、粘土鉱物と、遊離炭
素、アミノ酸、タンパク質等の有機物由来物質の含有量
と考えられる。表4から分かるように、塩酸不溶解残渣
の量は粉砕粒子径が小さいほど少なくなっている。これ
は、結晶粒子径以下に微粉砕することによって粒界が露
出し、そこに存在する低揮発性有機物等の夾雑物が粉砕
時の鉱物同士の摩擦熱により分解、放出しているためで
あり、微粉砕過程においても夾雑物が除去されているこ
とが分かる。
【0039】図1の結晶相の同定の結果から、実施例1
の微粉砕ドロマイトは500℃熱処理でドロマイトの分
解によるMgOの生成があり、600℃熱処理ではドロ
マイトが完全に分解し、700℃ではCaCO3 の分解
によるCaO生成が認められる。又、図2、図3の実施
例2、比較例1で得られたドロマイト粉末の結晶相の同
定結果から、共に600℃熱処理でドロマイトの分解に
よるMgOの生成があり、700℃でドロマイトが完全
に分解していることが確認できる。粉砕粒度が小さいほ
どドロマイトの分解は進行いやすいことが分かる。10
00℃の熱処理では、実施例、比較例共に炭酸塩が分解
し、CaOとMgOが生成していることが確認できる。
【0040】表5、図4、図5における熱重量減少は、
遊離炭素、アミノ酸、タンパク質、低分子炭化水素の合
計量、及び炭酸塩の脱炭酸反応による二酸化炭素の放出
によるものと考えられる。100℃の熱重量減少を見る
と、実施例、比較例共に低分子炭化水素の放出による重
量の減少が見られ、粉砕粒子径が小さいほど放出量が多
い。実施例では、100〜300℃の熱処理で、遊離炭
素と有機物由来物質の分解による重量減少が見られる。
また、300〜400℃の熱処理で、遊離炭素及び有機
物由来物質の分解の進行による急激な重量減少が見られ
る。粉砕粒度が小さくなるほど重量減少率が大きくなっ
ていることから、粒子径を小さくするほど100〜40
0℃の比較的低温で夾雑物の除去が容易になっている。
一方、比較例1では、この温度範囲での重量減少は少な
く、遊離炭素と有機物由来物質の分解が少ないことが分
かる。比較例1の粒子径では、100〜400℃程度の
温度範囲では夾雑物の分解除去は難しい。
【0041】実施例1では、500℃、2時間の熱処理
で少量ではあるがMgOの生成が認められており、有機
物由来物質及び遊離炭素の分解とMgOの生成による二
酸化炭素の放出が伴っている。又、実施例2では600
℃、2時間の熱処理でMgOの生成が認められ、有機物
由来物質及び遊離炭素の分解とMgO生成による二酸化
炭素の放出が伴っていることが分かる。比較例1では、
実施例2と同様に600℃、2時間の熱処理でMgOの
生成が認められており、MgO生成による二酸化炭素の
放出が伴っていることが分かるが、減少する割合が小さ
く、有機物由来物質及び遊離炭素の分解はあまり進行し
ていないと考えられる。1000℃の熱処理では、実施
例、比較例共に同様の重量減少を示しており、炭酸塩の
分解、有機物由来物質及び遊離炭素の分解が完全に行わ
れていると考えられる。
【0042】白色度は、先述の通り鉱物の遊離炭素含有
量に依存している。よって白色度が上昇することによっ
て遊離炭素の含有量の減少を推定することができる。表
6はそれぞれの微粉砕物及び熱処理物の白色度測定の結
果を示している。実施例1では200℃より少しづつ白
色度が向上し、400℃では炭酸塩が分解していないに
もかかわらず著しく白色度が向上している。また、実施
例2でも400℃以上の熱処理物で白色度の上昇が認め
られる。このことは、遊離炭素の分解除去が行われてい
ると考えられ、この結果は、熱重量減少の結果とよく一
致している。一方、比較例1では500℃の熱処理物で
わずかに白色度が上昇する程度であり、低温での熱処理
では遊離炭素の除去は困難である。1000℃熱処理物
は、実施例、比較例共に同様の数値に収束しており、ド
ロマイトを主成分とする炭酸塩鉱物の結晶粒界に粘土鉱
物と一緒に夾雑されているメタンを含む低分子炭化水素
ガス、タンパク質、アミノ酸等の有機物由来物質、遊離
炭素と炭酸塩鉱物の脱炭酸反応が全て完了し、熱重量減
少が収斂してほぼ同じ値になっている。
【0043】
【発明の効果】もとのドロマイト系炭酸塩鉱物組成を保
持したまま、不純物が少なく、白色度が向上し、かつ安
全性に問題がない、カルシウム及びマグネシウムを主成
分とする食品素材用組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の微粉砕ドロマイトの熱処理物のX線
回折パターンである。
【図2】実施例2の微粉砕ドロマイトの熱処理物のX線
回折パターンである。
【図3】比較例1の微粉砕ドロマイトの熱処理物のX線
回折パターンである。
【図4】微粉砕ドロマイトの熱重量減少(100〜10
00℃)を示す図である。
【図5】微粉砕ドロマイトの熱重量減少(100〜40
0℃)を示す拡大図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】ところが、ミネラル類には他に多くのミネ
ラルとの拮抗作用があり、バランスが崩れると弊害を生
じる。Caの場合には特にマグネシウム(Mg)とのバ
ランスが大事であるとされている。Mgは体内の代謝反
応を司る多数の酵素の働きを活性化する働きを持っいる
が、ストレスによって失われてしまう。Mgの目標摂取
量は300mg/人/日とされているが、実際には20
0〜250mgの平均摂取量で、50〜100mg/人
/日不足している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】微粉砕ドロマイトからの揮発性有機物並び
に遊離炭素の除去を完全に行うためには、酸素含有ガ
ス、例えば空気の存在下、300〜450℃の温度範
囲、好ましくは400〜450℃の温度範囲で熱処理す
るのが良い。ドロマイト結晶粒界に粘土鉱物と共存して
いる遊離炭素は酸素により燃焼し二酸化炭素となって放
出される。300℃以下では酸化反応性が低い。また、
500℃以上で熱処理を行った場合、無機質炭素の分解
反応は促進され短時間で除去が可能であるが、ドロマイ
トの一部が分解しMgOが生成するので好ましくない。
なお、遊離炭素の分解除去が不可能な300℃以下の、
例えば100〜300℃の加熱でもメタン、タンパク
質、アミノ酸等の熱分解除去は可能である。原料鉱石が
良質の場合には微粉砕するだけ、又は微粉砕と100〜
300℃の温度範囲での熱処理、原料鉱石中の不純物、
特に無機質炭素が多い場合には微粉砕と400〜450
℃の温度範囲での熱処理を行うと言うように、原料鉱石
の品質に応じて異なる実施態様を選択することができ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例1の微粉砕ドロマイト100gを採
取し、電気炉にて温度100℃、200℃、300℃、
400℃、500℃、600℃、700℃及び1000
℃で酸素含有ガス(空気)の存在下、2時間の熱処理を
行った。各熱処理物の結晶相の同定をマックサイエンス
製粉末X線回折装置MXP3AHFを用いて行った。結
果を図1に示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】微粉砕ドロマイト及び各熱処理物の白色度
をケット・エレクトリック・ラボラトリー(Kett Elect
ric Laboratry)社製白色度計C−100を用いて3回測
定し平均値を求めた。結果を表6に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【比較例1】粉砕機にホソカワミクロン製衝撃式粉砕機
ACMパルベライザーを用いた以外は実施例1と同様に
実験を行った。粒度分布測定の結果は表2に示す通り、
平均粒子径9.01μm、最大粒子径44.0μmであ
った。微粉砕ドロマイトの粉砕機由来のコンタミネーシ
ョン成分の分析結果を表3、塩酸不溶解残渣の量を表
4、結晶相の同定結果を図3、100〜1000℃にお
ける熱処理後の熱重量減少を表5に示し、同じく図4に
図示し、更に100〜400℃における熱重量減少を拡
大して図5に示す。また、微粉砕ドロマイト及び各熱処
理物の白色度測定の結果を表6に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】微粉砕ドロマイトの粉砕機由来のコンタミ
ネーション成分について分析を行った結果、衝撃式粉砕
機ACMパルベライザーのような衝撃式破砕機を用いた
比較例1の場合、Feの含有量が増加したが他の成分の
増加は無視できる程度であった。鉱物同士の摩擦による
粉砕を主体とする粉砕機を実施例1、2を用いた場合、
Fe含有量の増加は少なかった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】図1の結晶相の同定の結果から、実施例1
の微粉砕ドロマイトは500℃熱処理でドロマイトの分
解によるMgOの生成があり、600℃熱処理ではドロ
マイトが完全に分解し、700℃ではCaCO3 の分解
によるCaO生成が認められる。又、図2、図3の実施
例2、比較例1で得られたドロマイト粉末の結晶相の同
定結果から、共に600℃熱処理でドロマイトの分解に
よるMgOの生成があり、700℃でドロマイトが完全
に分解していることが確認できる。粉砕粒度が小さいほ
どドロマイトの分解は進行やすいことが分かる。10
00℃の熱処理では、実施例、比較例共に炭酸塩が分解
し、CaOとMgOが生成していることが確認できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然に産するドロマイト[Ca・Mg(C
    O3)2]を主成分とする鉱物を平均粒子径3.0μm以
    下、最大粒子径25μm以下に微粉砕したものであるこ
    とを特徴とするカルシウム及びマグネシウムを主成分と
    する食品素材用組成物。
  2. 【請求項2】 天然に産するドロマイト[Ca・Mg(C
    O3)2]を主成分とする鉱物を平均粒子径3.0μm以
    下、最大粒子径25μm以下に微粉砕し、かつ該微粉砕
    物を酸素含有ガスの存在下100〜450℃の温度範囲
    で熱処理したものであることを特徴とするカルシウム及
    びマグネシウムを主成分とする食品素材用組成物。
  3. 【請求項3】 天然に産するドロマイト[Ca・Mg(C
    O3)2]を主成分とする鉱物を平均粒子径3.0μm以
    下、最大粒子径25μm以下に微粉砕することを特徴と
    するカルシウム及びマグネシウムを主成分とする食品素
    材用組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 天然に産するドロマイト[Ca・Mg(C
    O3)2]を主成分とする鉱物を、平均粒子径3.0μm以
    下、最大粒子径25μm以下に微粉砕し、かつ該微粉砕
    物を酸素含有ガスの存在下100〜450℃の温度範囲
    で熱処理することを特徴とするカルシウム及びマグネシ
    ウムを主成分とする食品素材用組成物の製造方法。
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