JPH11113920A - 多周波調和振動を用いる超音波手術装置 - Google Patents

多周波調和振動を用いる超音波手術装置

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JPH11113920A
JPH11113920A JP9315769A JP31576997A JPH11113920A JP H11113920 A JPH11113920 A JP H11113920A JP 9315769 A JP9315769 A JP 9315769A JP 31576997 A JP31576997 A JP 31576997A JP H11113920 A JPH11113920 A JP H11113920A
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vibration
frequency
cutting edge
vibration system
wave
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Yasuto Takeuchi
康人 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刃先を多周波調和振動により駆動することに
より、同じ投入電力で単一周波数駆動の場合より切れ味
を改良した超音波手術装置が述べられている。 【構成】 一例として、振動子(11)、伝達棒(1
2)、刃先(13)の成す振動系を両端が自由な開放端
となる放置棒の構成をとらしめ、これをなるべく少数
の、しかし少なくとも2か所以上の支持点にてインピー
ダンスフランジ(21)やオーリング(14)などの支
持手段により支持する。これらの支持手段のある位置
(支持点)が必ず節になるような振動モードの中から選
ばれた複数の振動モードが採用され、各々の振幅と位相
を管理されつつ同時に駆動される。例えば両支持点を基
本波の節に設定すると、基本波のほかにその奇数次高調
波が選択の対象となる。この様に刃先を多周波調和振動
により駆動することにより、同じ投入電力で単一周波数
駆動の場合より切れ味を改良した超音波手術装置が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は超音波手術装置に関し、特に刃
先を複数の周波数で駆動出来る様にする事により作業性
や電力利用効率などを改良した該装置に関する。超音波
加熱装置ではない、いわゆる超音波手術装置という物
は、棒状の振動伝達系の一端に刃物を配置し、また他端
にボルト締めランジュバン振動子などの駆動手段を配置
し、全体を共振駆動して刃物に高いレベルの超音波振動
をもたらし、これによりさもなくば大きな力や並進運動
を必要とする組織を切るもしくは破壊する作業をその様
な努力なしに容易に行わせしめる物である。
【0002】超音波手術装置には大別して2種類の物が
あり、一方は商品名キューサーと言われる超音波破砕吸
引装置より借名してキューサー型、また他方は外科医の
持つ剪刀の一般名称より借名してスカルペル型、と俗称
される。キューサー型においてはその動作は字義どおり
振動する管の先端部を目的とする生体組織にぶつけて相
手を破砕し、破片を作業液(水)の流れにより吸引除去
するという物である。一方スカルペル型においては振動
する刃先を目的物に当接せしめ、主として接触面直下の
局所の生体組織をその強制振動による局所発熱ないし化
学変化により凝固、また破断せしめるという物である。
【0003】両者は生体に対する作用の機序は本質的に
異なるが、音響学的にはかなり共通の面がある。しか
し、刃先を接触点として接触と離脱を繰り返す事が主た
る動作であるキューサー型の動作には刃先が大振幅で動
いている事が重要であるが、刃先とその手前の一部区間
において組織に接触したままで摩擦熱ないしは音響学的
損失に基づく局所発熱および関連する化学変化により組
織を凝固、変性の上、結果として機械的に脆弱化せしめ
て切開するスカルペル型の動作においては、刃先の相手
に及ぼす応力ないし加速度がより重要であると考えられ
ている。しかしまたこれらの事情は負荷の状況にも大い
に依存し、特に作用を及ぼさんとする目的の生体組織が
何であるかにも依存する。
【0004】しかしながら従来の超音波手術装置におい
ては、その動作周波数が予定されたあるスポット周波数
でしか可能でなかった。もちろん負荷の状況により振動
系の共振周波数が微変する事への自動追従もなされる
が、それも含めて本質的に、振動系の1つの振動モード
に由来する1つの共振周波数を採用している、という意
味である。この様にする理由は、長い棒状の振動系の機
械的保持のために、保持手段を置かんとする予定された
位置に振動の節がなければならない事、また電気的駆動
系に共振性の強い電気回路を併用している事、などに由
来する。
【0005】そこで本発明においては使用者において周
波数選択が可能な、また複数周波数の同時使用が可能な
超音波手術装置を実現せんとするものであり、言い換え
れば多数ある振動モードの中から少なくとも複数個の振
動モードを、またそれらの組み合わせを、選択的に実施
できる該装置を実現せんとする物である。
【0006】この様な装置は、振動系の機械的保持点の
数を極力少なくする事でもって実現可能であり、最も好
ましくは高々2点(両端が自由端の“放置棒”のモデル
において)ないし1点(一端が固定され他端が自由端の
“片持ち梁”のモデルにおいて)で保持された刃先およ
び駆動系を含む振動系により実現される。もちろんこの
様な機械的保持点のほかに非接触的な保持手段を併用す
る事を妨げないが、採用できる振動モードの数や種類に
関する制約事項となる機械的保持点の数は、本発明にお
いては極力少数に止められる。
【0007】機械的保持点の数を減らせば減らすほど、
それらを節として立てられる振動モードの数は増える。
両端を自由端とする放置棒モデルにおいては、中央の一
点で支持するならば全長を半波長とする基本波とその奇
数次高調波とにおいてこれを節とする無害保持が可能で
ある。しかし1点だけでは棒の方位角の揺れを吸収でき
ないので、実用性に乏しい。しかし全長を1波長とする
モードを基本波とすると長手方向の1/4および3/4
の位置で節が得られ、やはりその奇数次高調波で無害保
持が可能であり、利用可能周波数が多数得られる。
【0008】一端を固定、他端を自由端とした片持ち梁
モデルにおいては、固定端のみで保持すれば全長を1/
4波長とするモードを基本波としてその整数倍、すなわ
ち全ての高調波において共振が得られる。しかし実質的
に底点ないし底面での一点支持は密度が無限大の支持材
料がない以上困難である。しかし適切な近似の範囲内に
おいて、非常に重い金属(例えば鉛、劣化ウランなど)
の適切量の塊を適切な吸音材とともに併用すれば実現可
能である。この場合、更に振動系の先端部近くでにおい
て流体軸受けや磁気軸受けの原理を援用した、軸方向の
振動を妨害しない非接触的保持を併用すれば棒の揺れを
実用上問題ない程度に抑える事が出来る。
【0009】放置棒モデルの場合も、機械的保持を1点
だけとして、他をこのような非接触保持とする事も可能
である。その場合、機械的保持点が節となる全てのモー
ドが利用可能である。
【0010】しかしながら利用可能周波数は厳密にある
可能なモードの共振周波数である必要はなく、各々の場
合の機械的なQの許す範囲内で僅かに異なる周波数でも
問題なく稼働可能である。また共振系の、具体的には棒
の、高次モードの共振周波数は必ずしも厳密に基本波の
整数倍ではない事が多いので、この様なずれの許容は必
要とされ、また有益に利用される。
【0011】図1は従来例における振動系の構造の概要
を示す物で、これにおいて、振動子(11)自身は別と
して、その端面から刃物(刃先)(13)に至る振動伝
達棒(12)は略一定間隔でオーリング(円環状のゴ
ム)(14)により外套管(15)との間に機械的な保
持が行われている。このため大略60KHzにあり、こ
れらの保持点が全て節となる所の実用上可能な唯一の振
動モードでしか稼働出来ない。そのため用途も比較的限
定され、例えば腹部の内視鏡手術における軟部組織の凝
固切開などに専用される。
【0012】図2は本発明に成る好ましい実施例の一つ
を示す物で、これにおいて、振動系の両端が開放端すな
わち自由振動となる振動モードを採用し、少なくとも2
か所以上の振動の節において振動系を機械的に支持する
手段を有し、爾してこれらの支持手段ある位置が採用さ
れるどの調和振動モードにおいても常に節になる如く
に、基本波とその奇数次高調波の中から選択された複数
個の周波数を採用する如く構成された該装置が示されて
いる。すなわち振動子(11)と伝達棒(12)および
刃先(13)は全体として放置棒の構成を採用するもの
の、図1の例とは異なり、全体として2か所の支持点で
のみ外套管(15)に機械的連結を持つ。この例では振
動子(11)の伝達棒との接続点においてインピーダン
スフランジ(21)による保持が、また刃物(13)に
近い側で1か所だけオーリング(14)による支持が行
われている。
【0013】インピーダンスフランジとは、振動系をそ
の半径方向には拘束するが長手方向には超音波的にはな
るべく拘束しない構造の同心円状の機械部片である。こ
れは最も簡単には単なる薄い円板である事も出来るが、
無数の穴を開けたり、周方向に溝を切ったりした円板が
より好ましい。また背丈の低い厚肉の蛇腹なども好まし
い設計である事ができる。しかしインピーダンスフラン
ジには刃先の位置を確定するための静力学的な保持能力
もある程度必要なので、軸方向に全く無拘束である事は
できない。しかしながら本発明においてはこのインピー
ダンスフランジ(21)として如何な物を用いるかは実
施上の自由度の内である。一方、他端の側のオーリング
(14)による支持は従来例と本質的に同様な物であ
る。この様にたった2点で支持すると前述の如く1つで
はなく多数の振動モードが実行可能となる。
【0014】一方、図3の実施例においては、振動系の
刃先の側の先端が開放端となり、他端が拘束端となる振
動モードを採用し、少なくとも該拘束端を含む1か所以
上の振動の節において振動系を機械的に支持する手段を
有し、爾してこれらの支持手段ある位置が採用されるど
の調和振動モードにおいても常に節になる如くに、基本
波とその高調波の中から選択された複数個の周波数を採
用する如く構成された事を特徴とする該装置が示されて
いる。すなわち 振動子(11)、伝達棒(12)、刃
物(13)の成す振動系は片持ち梁の構成を採用し、振
動子側の端において堅固にバッキングマス(31)に固
定されている。この、片持ち梁構造の振動系の固定の相
手方となるバッキングマスは、音波の固定端完全反射を
望むからには、理想的には密度無限大の無限半空間を成
す事が原理であるが、実用上実現可能な物として、なる
だけ密度の高い(即ち重い)重金属、例えば鉛、タング
ステン、劣化ウランなどが好ましい。
【0015】更に理想的な終端が出来ないせいで僅かに
漏洩して内部に侵入する音波を鎮めるために、バッキン
グマスの素材には適宜音響損失がある事が好ましい。か
かる音響損失は、該物質の中に混ぜ物をしておくとか、
該物質を音響損失の大きい物質の中に閉じ込める、ない
しその周囲にまぶす、などの方法で実現できる。これは
一般のハードバッキング型の超音波探触子における設計
上の常識事項と共通である。爾してこの様な片持ち梁構
造によれば原理上全ての振動モードが特別な拘束条件な
く利用できる。しかし固定端がやや非理想的な終端条件
で終端されているので各モードの周波数比が完全に整数
比にならない等の問題が派生するが、これは後述の如く
適宜工夫することにより実用上の解決が可能である。
【0016】図4は本発明の実施において併用する事が
好ましい電気的駆動手段の概要を示すブロック図であ
り、これにおいて、駆動信号における各周波数の成分を
その合計結果が刃先の振動において瞬時速度最大値が最
大になる如き位相および振幅の組み合わせとする事が示
されている。即ち、最も簡素で確実な手法として、その
ような波形がディジタル的に保持されている波形記憶装
置から成る波形発生器(41)から、必要の都度、駆動
波形が読み出され、D/A変換器(42)においてアナ
ログ波形に変換され、爾してリニヤパワーアンプ(4
3)により必要程度の大振幅信号と成し、これを振動子
(11)に印加する。
【0017】例えば基本波と第2高調波を併用する場合
には、ともに正弦波と見なすとして、刃先の振動におい
て前者の位相角の0度(ないし180度)と後者の位相
角の0度が対応する如き位相関係となる事が好ましい。
この場合、両者の0度があわさる点で刃先の瞬時速度の
最大値を迎え、また所定の注入電力においてかかる“刃
先の瞬時速度の最大値”が最大となる。しかしながら、
この様な波形発生器および電力増幅器の具体的な構成が
本発明を規定するものではない。
【0018】波形発生器(41)の発生する波形とし
て、主旨により、励起したいモードに対応する周波数
の、調和関係にある、多数の正弦波を加算した信号波形
を発生するものであるが、採用する最も高次のモードの
周波数を最優先し、他の、より低次のモードの周波数は
それと整数比関係にある(即ち比=n/mとして、n、
mともに整数)周波数とする。さもなくば全体として成
す振動にビートが発生するので、好ましくない。しかし
ながらこの様にすると、各モードの真の共振周波数とは
僅かに異なる周波数になる。何とならば、棒の中の超音
波はその太さその他の影響で伝搬速度が僅かに周波数特
性を持つので、高次のモードほど基本波の共振周波数の
整数倍より僅かに低い周波数にある。これは発振用ない
しフィルタ用の厚み滑り水晶振動子などにおいても一般
的に見られる傾向である。
【0019】しかるにビート様の振幅変調を来す事を避
けるために、全体の同期化ないし位相整合化が計られ
る。実際にはその様な波形を、レベル関係も規定して,
波形発生器(41)に設定しておけば良いまでである。
かかる同期化ないし位相整合化の結果、低いモードほど
やや高目にずれた周波数で駆動される事になる。しかし
このずれは、経験的に見ると、より低次のモードほど機
械的なQ(Qm)が低いという一般傾向により一部ある
いは全部が救済され、そのQmの規定する周波数帯域の
範囲内で許容される振動を立てる事が出来る。この場
合、電気的駆動信号の中の各モードの成分の位相と振幅
は、最終的に振動系の側の上記の共振点からの僅かなず
れに伴う位相推移と振幅低下を相殺する逆向きの事前補
正の処理(すなわち逆等化ないしプリイコライゼーショ
ンの処理)を、各々の成分毎に行った物である事が好ま
しい。またこの様にしないと最終的に刃先の振動波形が
所望の波形になる様に制御する事は困難である。
【0020】しかし一方で上記とは逆に、基本波を最高
効率となる様にその共振点に設定し、そこから起算して
高次の成分の位相と振幅を低い順に決めて行く事も、ま
た中間のあるモードを最高効率となる様にその共振点に
設定し、そこから起算して高次と低次の両成分の位相と
振幅を離れる順に決めて行く事も、各々最適化手法とし
て可能である。しかし結局、振動して欲しい最も高次の
成分が内部損失やQmの鋭さの点で最も制約が大きいの
で、これを優先して他を従属させる波形設計が最も好ま
しい。
【0021】一方でこの様に広い周波数範囲に渡る多数
の振動モードを励起せんとする場合、機械的駆動源とな
る電気音響変換器(例えばPZT素子による圧電振動
子)の最適位置がモード毎に異なるという問題を生ず
る。即ち駆動源が応力発生形か変位発生形かによる違い
もあるが、応力発生形の物が振動の腹に、または変位発
生形の物が振動の節に、来た場合には駆動を行う事が困
難である、という盲点を生ずる。そこで図5の実施例で
は、採用するボルト締めランジュバン振動子(51)と
して、複数の位置にPZT同心円板(板状のドーナツ)
(52a,52b)を配置し、これに電気的駆動源(5
3a,53b)を各々独立に設けて接続している。波形
発生器(54a,54b)も各々に独立に設けられてい
る。
【0022】即ちこの様な構成によればあるモードがど
ちらの振動子からも駆動困難であるという様な事態はほ
ぼ避けられる。この場合、各振動子の駆動波形はお互い
に得意とするモードを、もしくは全体として刃先の駆動
における和において最適になる様に、分担する。ここで
図5においては振動子はPZT同心円板を2対しか用い
ていないが、これは更に多数ないし無数にある事も出
来、また電気的駆動源も同様で、さらにそれらの間の接
続関係も個別にもしくはグループ別に独立の関係になる
様にすれば十分で、一体一対応は必ずしも必須ではな
い。
【0023】いづれにせよこの様に多数のモードを個別
にあるいは同時に利用せんとする場合には、実行直前
に、負荷がある状態すなわち刃先を被手術生体組織に当
接した状態で実行可能な振動モードとその周波数、共振
曲線ないし負荷Qの値などを計測する計測手段を有し、
また該手段の計測結果に関する情報を表示する表示手段
を有する事が好ましい。操作者は該測定結果を勘案して
どのモードで、あるいはその組み合わせで、刃先を励起
するかを視認、手動的に決める事ができる。またこの判
断の一部あるいは全部を機械任せにする様に構成する事
も出来る。例えば駆動点から見て幾ら以上のQmなら
ば、または幾ら以上のQmでかつ個々の周波数のずれが
完全な調和関係から幾ら以内ならば駆動に参加させる、
とかの判断を行う事が好ましい。
【0024】図6、図7および図8においてはかかる実
行直前の、あるいは実行中の負荷と振動系の状況を測定
する手段を含む実施例を示す物で、図6においてはスイ
ッチ(61)が振動子(11)の電気端子を電気的駆動
源(53)とインピーダンススペクトラム測定系(6
2)との間を随時切り替える。
【0025】また図7においては振動子の負荷電圧と負
荷電流がポテンシャルトランスフォーマー(71)とカ
レントトランスフォーマー(72)にて抽出され、イン
ピーダンススペクトラム測定系(62)に結合される。
この場合、電気的駆動源(53)および波形発生器(4
1)の与える駆動波形の選択枝には、この様なオンピー
ダンススペクトラムの測定に適した広帯域信号、例えば
疑似雑音もしくは周波数スイープ信号を含む事ができ
る。
【0026】また図8においてはかかる測定を振動系の
実際の振動を別途検出して行う例が示されている。即ち
この場合、変位あるは速度、加速度のセンサ(81)が
振動系の適宜箇所に結合されていて、その検出する信号
が、必要ならば振動子の負荷電圧とともに、インピーダ
ンススペクトラム測定系(62)に結合される。
【0027】図6、図7および図8の何れの場合も、駆
動信号の内容は改めて計測せずとも、波形発生器(4
1)の与える駆動波形の内容でもって代替えする事も実
用上十分な精度と再現性でもって可能である。
【0028】また図6、図7および図8の何れの場合
も、測定されたインピーダンススペクトラムを操作者の
視認識のために表示する表示器(63)が付随してお
り、好ましくはこの表示装置は、例えばタッチセンサを
併設した液晶ディスプレイなどの如く入力手段を兼ねた
物である事ができ、操作者は、例えば表示されたインピ
ーダンススペクトラムの中の実行したいモードのピーク
ないし共振曲線の所を指で押すなどして、実行のために
採用すべきモードを入力する。
【0029】インピーダンススペクトラム測定系(6
2)はこの様に電気音響変換器の駆動点インピーダンス
の周波数スペクトラムを求める2端子ないし4端子ネッ
トワークアナライザである事ができ、また表示する内容
は該スペクトラムまたはその抜粋、簡略化、ないし数値
化または記号化されたものである事が出来る。また前述
の如く電気音響変換器の駆動点インピーダンスの測定に
代えて、実際の振動を変位、速度あるいは加速度のセン
サ(81)で検出する形の伝達関数測定系である事も出
来る。
【0030】インピーダンススペクトラム測定系(6
2)の測定結果を自動判断して実行のために採用すべき
モードを決定するためには、該測定結果を受入れ、該判
断を行うための、図示を省略するがたとえば組込み用マ
イクロコンピューターなどのアルゴリズム手段が併設さ
れ、装置の制御の一部あるいは全部がこれに任される構
成もまた好ましい実施例である事ができる。該アルゴリ
ズム手段は、これも図示せぬキーボードなどの、目的と
する用途、患者由来の制約条件などの関連情報を設定す
るための入力手段を有する事が好ましい。
【0031】前記の如くして多数の振動モードを同時に
励起する使い方の、最も目的意識に適ったやり方は、選
択されたある次数以下の全ての励起可能な振動モードを
励起し、結果として刃先の振動波形が大略のこぎり波状
あるいは矩形波状の振動が得られる如くする事である。
のこぎり波においてある単方向の、矩形波において往復
の、刃先速度瞬時値が与えられた駆動パワーにおいて最
大値となる。こぎり波状あるいは矩形波を調和振動の群
として近似実現するためのフーリエ展開形式は公知であ
り、これらを前述の如く逆補正した上で波形発生器にて
実施する。
【0032】また前記の如くして多数の振動モードを同
時に励起する場合の最も簡素にして確実な手法は、複数
の電気音響変換器および電気的駆動手段を一体として、
これにより振動系に刃先に向けて進行する波を励起する
如く進行波結合を成すように構成する事である。
【0033】図9はこの様な進行波結合を行う場合の例
を示すもので、これにおいて、多数のPZT素子が積み
重ねられた物をバッキングマスおよび伝達棒の間に挟ん
で採用し、これらを電気的に独立にリニヤアンプの群に
接続し、同じ電気的駆動波形を伝搬時間分だけずらしつ
つ順々に印加する。進行波結合の原理は公知の通りであ
るので詳細な説明は省略する。また、これらの多数のP
ZT素子の中から、例えば伝達棒側の最後の1つを振動
の状況を検出するためのセンサとして用いる事が、1つ
の好ましい実施例を与える。
【0034】また以上の様に振動系の振動の状況を常時
ないし頻繁に監視するならば、その異常状態を速やかに
検出する事が出来、安全管理上好ましい。異常状態と
は、振動系のどこかの破損、特にPZT振動子のヒビ割
れや脱分極、刃先の欠け、また刃先は交換可能でなけれ
ばならないので捩じ込み式、嵌め込み式ないし咬え込み
式にせざるを得ないが、そのような着脱可能な機構の緩
み、また錆、垢、燃え滓などの異物の付着などが検出の
対象となる。これらのいづれかの理由による異常事態の
検出も前期と同様にアルゴリズム手段において測定され
つつあるインピーダンススペクトラムを適宜判断する事
で可能である。異常事態に際しては警告を発するととも
に刃物に向けての電力投入を制限ないし停止する。
【0035】以上により明らかにされた如く、本発明の
実施によれば多周波調和振動により刃先が駆動されるの
で、従来の単一周波数の超音波手術装置より同じ投入電
力でより切れ味の良い該装置が、安全性の管理なども含
めて実現され、有益である。しかしながら本発明の装置
は、かかる調和関係にある多数の連続波正弦波超音波の
中から、選択された単一の周波数の物を、切り替えつつ
刃先に印加する様な使用方法も可能である事にも注目し
なければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の典型例における振動系の構造の概要を
示す。
【図2】 本発明に成る好ましい実施例の一つを示す。
【図3】 本発明に成る今一つの好ましい実施例のを示
す。
【図4】 本発明の実施において併用する事が好ましい
電気的駆動手段の概要を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施に適したボルト締めランジュバ
ン振動子とその周辺の構造の一例を示す。
【図6】 本発明の実施に適した実行直前にあるいは実
行中に負荷と振動系の状況を測定する手段の一例を示
す。
【図7】 本発明の実施に適した実行直前にあるいは実
行中に負荷と振動系の状況を測定する手段の今一つの例
を示す。
【図8】 本発明の実施に適した実行直前にあるいは実
行中に負荷と振動系の状況を測定する手段の更に又別の
例を示す。
【図9】 本発明の実施において進行波結合を行う場合
の一例を示す。これらにおいて、 (11) 振動子 (12) 振動伝達棒 (13) 刃物(刃先) (14) オーリング (15) 外套管 (21) インピーダンスフランジ (31) バッキングマス (41) 波形発生器 (42) D/A変換器 (43) リニヤパワーアンプ (51) ボルト締めランジュバン振動子 (52a,b) PZT同心円板 (53a,b) 電気的駆動源 (54a,b) 波形発生器 (61) スイッチ (62) インピーダンススペクトラム測定系 (63) 表示器 (81) 変位、速度あるいは加速度のセンサ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 お互いに調和関係にある多数の周波数の
    連続波正弦波超音波を、お互いにレベルおよび位相関係
    を規定しつつ刃先に印加する如く構成された事を特徴と
    する、超音波手術装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定された装置において、振
    動系の両端が開放端すなわち自由振動となる振動モード
    を採用し、少なくとも2か所以上の振動の節において振
    動系を機械的に支持する手段を有し、爾してこれらの支
    持手段ある位置が採用されるどの調和振動モードにおい
    ても常に節になる如くに、基本波とその奇数次高調波の
    中から選択された複数個の周波数を採用する如く構成さ
    れた事を特徴とする、該装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に規定された装置において、振
    動系の刃先の側の先端が開放端となり、他端が拘束端と
    なる振動モードを採用し、少なくとも該拘束端を含む1
    か所以上の振動の節において振動系を機械的に支持する
    手段を有し、爾してこれらの支持手段ある位置が採用さ
    れるどの調和振動モードにおいても常に節になる如く
    に、基本波とその高調波の中から選択された複数個の周
    波数を採用する如く構成された事を特徴とする、該装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1および、2または3、に規定さ
    れた装置において、各周波数の振動成分はその合計結果
    が刃先において瞬時速度最大値を最大にする如き位相お
    よび振幅の組み合わせにおいて実施せられる如く構成さ
    れた事を特徴とする、該装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいづれかに規定され
    た装置において、同時に使用せんとする振動モードの中
    の最高次の、ないし最高周波数のものの周波数を振動系
    全体の成す共振点をもって規定し、以下、併用するより
    低次の、より低周波数の調和成分の周波数を順次その最
    高周波数の整数比分割の周波数として規定する如く構成
    された事を特徴とする、該装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいづれかに規定され
    た装置において、次数の異なる振動モードを励起するた
    めに、振動系の中に駆動位置の異なる複数個の電気音響
    変換器(例えば圧電振動子)を有する事を特徴とする、
    該装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に規定の装置において、該変換
    器が個別にあるいはグループ別に独立の電気的駆動手段
    と結合されている事を特徴とする、該装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいづれかに規定され
    る装置において、実行可能な振動モードとその周波数、
    共振曲線ないし負荷Qの値などを、負荷がある状態で実
    行直前に計測する計測手段を有し、また該手段の計測結
    果に関する情報を表示する表示手段を有する事を特徴と
    する、該装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に規定の装置において、該計測
    手段は該電気音響変換器の駆動点インピーダンスの周波
    数スペクトラムを求める2端子ネットワークアナライザ
    であり、また表示する内容は該スペクトラムまたはその
    抜粋、簡略化、ないし数値化または記号化された表示で
    ある事を特徴とする、該装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に規定の装置において、該表
    示手段は採用すべき振動モード等の関連情報を入力する
    手段としても用いられる事を特徴とする、該装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に規定の装置において、該計
    測結果から別途指定された用途に応じて自動的にあるい
    は半自動的に採用する調和振動モード群を決定するアル
    ゴリズム手段を有し、また該アルゴリズム手段に目的と
    する用途などの関連情報を設定するための入力手段を有
    する事を特徴とする、該装置。
  12. 【請求項12】 請求項2または3に規定の装置におい
    て、選択されたある次数以下の全ての励起可能な振動モ
    ードを励起し、結果として大略のこぎり波状あるいは矩
    形波状の振動が得られる如くに構成された事を特徴とす
    る、該装置。
  13. 【請求項13】 請求項7に規定の装置において、該複
    数の電気音響変換器および電気的駆動手段は、一体とし
    て、振動系に、刃先に向けて進行する波を励起する進行
    波結合を成す如く構成されている事を特徴とする、該装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項8に規定の装置において、該測
    定結果に基づき振動系の破損や異物の接触などの異常を
    検出し、また必要に応じて警告を発する手段を併置した
    事を特徴とする、該装置。
  15. 【請求項15】 お互いに調和関係にある多数の周波数
    の連続波正弦波超音波の中から、選択された物を切り替
    えつつ刃先に印加する如く構成された事を特徴とする、
    超音波手術装置。
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