JPH11115084A - 積層多孔質フイルム - Google Patents

積層多孔質フイルム

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JPH11115084A
JPH11115084A JP9280190A JP28019097A JPH11115084A JP H11115084 A JPH11115084 A JP H11115084A JP 9280190 A JP9280190 A JP 9280190A JP 28019097 A JP28019097 A JP 28019097A JP H11115084 A JPH11115084 A JP H11115084A
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JP
Japan
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porous
film
laminated
polyethylene
melting
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JP9280190A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kiuchi
政行 木内
Teruaki Fujii
輝昭 藤井
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無孔化温度域でのフイルム強度が大きく、溶
融時の形状保持性等に優れており、しかも無孔化温度域
で完全な無孔化を達成することができ、電池用セパレー
タとして使用された場合に無孔化温度域で実質的に収縮
することができ、異常発生時に確実に無孔化される積層
多孔質フイルムを提供することを課題とする。 【解決手段】 融点が20℃以上異なる高融点多孔質ポ
リオレフィンと低融点多孔質ポリオレフィンとからな
り、表層部が多孔質ポリエチレンである三層以上積層さ
れた積層多孔質フイルムであって、全層のガーレー値が
100〜700sec/100ccであり、かつ表層部
の多孔質ポリエチレンの無孔化温度域における弾性率が
104 dyne/cm2 以上である積層多孔質フイルム
に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
や電解コンデンサ用隔膜等として有用な積層多孔質フイ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池用セパレータや電解コンデン
サ用隔膜等としてポリオレフィン系多孔質フイルムが使
用されている。特に、近年技術の高度化に伴い、リチウ
ム電池等においては高精度、高機能のセパレータが要求
されるようになり、従来の単層多孔質フイルムに代えて
積層多孔質フイルムのセパレータが注目されるようにな
ってきた。
【0003】電池を例にとってみると、電池には正負両
極の短絡防止のためにセパレータが介在しているが、近
年高エネルギー密度、高起電力、自己放電の少ないリチ
ウム電池のような非水電解液電池、特にリチウム二次電
池が開発、実用化されている。リチウム電池の負極とし
ては例えば金属リチウム、リチウムと他の金属との合
金、カーボンやグラファイト等のリチウムイオンを吸着
する能力又はインターカレーションにより吸蔵する能力
を有する炭素材料、リチウムイオンをドーピングした導
電性高分子材料等が知られており、また正極としては例
えば(CFx nで示されるフッ化黒鉛、MnO2 、V
2 5 、CuO、Ag2 CrO4 、TiO 2 、LiCo
4 、LiMn2 4 等の金属酸化物や硫化物、塩化物
が知られている。
【0004】また非水電解液として、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、
アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒にLiPF6 、LiBF4 、L
iClO4 、LiCF3 SO 3 等の電解質を溶解したも
のが使用されている。しかしリチウムは特に反応性が強
いため、外部短絡や誤接続等により異常電流が流れた場
合、電池温度が著しく上昇して発火等の事故につながっ
たり、これを組み込んだ機器に熱的ダメージを与える懸
念がある。このような危険性を回避するために、従来セ
パレータとして下記のような種々の多孔質フイルムの使
用が提案されている。
【0005】ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂の単層の多孔質フイルム(特公昭46−401
19号公報、特公昭55−32531号公報、特公昭5
9−37292号公報、特開昭60−23954号公
報、特開平2−75151号公報、米国特許第3679
538号明細書等)。 分子量の異なるポリエチレン混合物やポリエチレンと
ポリプロピレンの混合物を素材とした多孔質フイルム
(特開平2−21559号公報、特開平5−33130
6号公報等)。 支持体に熱可塑性樹脂や不織布を用いた多孔質フイル
ム(特開平3−245457公報、特開平1−2583
58公報等)。 材質の異なる熱可塑性樹脂の多孔質膜が複数枚積層さ
れた積層多孔質フイルム(特開昭62−10857号公
報、特開昭63−308866号公報、特開平2−77
108号公報、特開平5−13062号公報、特公平3
−65776号公報、特開平6−55629号公報、特
開平6−20671号公報、特開平7−307146号
公報等)。 上記多孔質フイルムは、一般に未延伸のフイルムを延伸
により多孔化する延伸法や、抽出可能な充填剤、可塑剤
等を配合した未延伸フイルムから溶媒で充填剤、可塑剤
等を抽出して多孔化する抽出法で製造されている。
【0006】単層又は積層多孔質フイルムをセパレータ
として使用する基本的な考え方は、両極間の短絡防止、
電池電圧の維持等を図ると共に、異常電流等で電池の内
部温度が所定温度以上に上昇したときに、多孔質フイル
ムを無孔化させて、換言すると孔を塞いで、両極間にイ
オンが流れないように電気抵抗を増大させ、電池機能を
停止させて過度の温度上昇による発火等の危険を防止し
安全性を確保することにある。過度の温度上昇による危
険防止機能は、電池用セパレータとして極めて重要な機
能であり、一般に無孔化或いはシャットダウン(SDと
略称)と呼ばれている。
【0007】電池用セパレータにおいては、無孔化温度
が低すぎると、僅かな温度上昇でイオンの流れが阻止さ
れるため実用性の面で問題があり、また逆に高すぎると
リチウム電池等においては発火等を引き起こす危険性が
あるため安全性の面で問題がある。一般に無孔化温度は
110〜160℃、好ましくは120〜150℃が好適
と認識されている。セパレータに多孔質フイルムを使用
した電池において、電池内の温度が多孔質フイルムの耐
熱温度を越えて上昇した場合、フイルムが溶断して破れ
が生じ、無孔化状態が喪失して、再びイオンが流れだし
更なる温度上昇を招く。それ故電池用セパレータとして
は適当な無孔化温度を有し、耐熱温度が高いという特性
と共に無孔化温度域で確実に無孔化することが要求され
ている。また電池用セパレータとしては、前記無孔化に
関する特性の他に、電気抵抗が低いこと、引張弾性率、
突き刺し強度等の機械的強度が高いこと、厚みムラや電
気抵抗等のバラツキが小さいこと等が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】多孔質フイルムは前記
〜のように種々のものが提案されているが、電池用
セパレータとして、ポリオレフィン、例えばポリプロピ
レンの単層多孔質フイルムは無孔化温度が170℃程度
以上とリチウムの融点に近いという難点があり、ポリエ
チレンの単層多孔質フイルムは無孔化温度が135℃前
後と適当な温度ではあるが、耐熱温度が145℃程度で
あるという他に、突き刺し強度が低いため電池の生産工
程及び使用中に穴があきやすいという難点があり、ポリ
オレフィン単層の多孔質フイルムは電池用セパレータと
して安全面及び強度面等で更に改良の余地がある。
【0009】また、分子量の異なるポリエチレン混合物
を多孔化した多孔質フイルムは、耐熱温度が150℃程
度と上記ポリエチレンの単層多孔質フイルムよりも若干
高くなる程度である。またポリエチレンとポリプロピレ
ンの混合物を延伸して多孔化した海島構造の多孔質フイ
ルムは、耐熱温度180℃程度でポリエチレン混合物の
場合よりもSD機能は改良されるが機械的性質等は未だ
十分とは言えず、また混合物を延伸して多孔化した海島
構造の形成は品質面でのバラツキが生じやすくその再現
性に難点がある。また、支持体に不織布等を用いた多孔
質フイルムは、不織布等に起因する安全性に難点がある
だけでなく、安全面等に関しても上記ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の多孔質フイルムの場合と同様に高温で
の信頼性の面で改良が必要である。
【0010】材質の異なる熱可塑性樹脂の多孔質膜が複
数枚重ね合わされて積層された積層多孔質フイルムにつ
いては、予めフイルムを延伸法、抽出法等で多孔化して
2種類の材質や融点の異なる多孔質フイルムを製造した
後これを重ね合わせ、延伸、圧着、接着剤による接着等
によって製造されるか、融点の異なるポリオレフィンを
熱圧着した積層フイルムを延伸法等により多孔化する等
の方法で製造されている。
【0011】これらの積層多孔質フイルムは融点の異な
る2種類の多孔質フイルムを組み合わせることにより、
135℃程度の無孔化温度と180℃程度の耐熱温度を
持ち安全性に優れた電池用セパレータを提供する。また
機械的強度の異なる2種類の多孔質フイルムを組み合わ
せることにより突き刺し強度等の機械的強度の高い電池
用セパレータを提供することもでき、基本的には電池用
セパレータとして優れた特性を有している。
【0012】また、これらの積層多孔質フイルムの多孔
化方法には大別して延伸法(乾式法)と抽出法(湿式
法)とがある、湿式法は材質や融点の異なる熱可塑性樹
脂に充填剤や可塑剤を配合した樹脂組成物を共押出して
積層フイルムを製造し、その後フイルムから充填剤や可
塑剤を抽出して多孔化して、積層多孔質フイルムを得る
方法であるが、これらの方法では充填剤や可塑剤の配合
や抽出を必要とし、微細で均一な孔径を有する積層多孔
質フイルムにするためには操作工程が複雑化するだけで
なく、抽出液の処理等の問題がある。これに対して延伸
法は、融点の異なる熱可塑性樹脂を共押出するかあるい
はそれぞれ別々に押出した後にラミネートしたものを延
伸多孔化するか、もしくは融点の異なる熱可塑性樹脂を
それぞれ別々に押出して延伸多孔化した後ラミネートす
る方法で製造される。これらの延伸法は全く溶剤を使用
しない乾式プロセスであるため極めて簡便で安全性に優
れ且つ低コストのプロセスである上に、微細で均一な孔
径の多孔質膜が得られる点で電池用セパレータの製造方
法として湿式法に比較して優れている。しかしながら、
延伸法による場合でも、更に無孔化温度域が比較的狭
く、確実に無孔化できるセパレータの開発が望まれてい
る。
【0013】特に、材質の異なる熱可塑性樹脂の多孔質
膜が複数枚積層された積層多孔質フイルムは、SD特性
と耐熱性等に複数の機能を合わせ持つ材料として電池用
セパレータ等に好ましく用いられている。なかでも、中
間層に多孔質ポリエチレン、その両外層に多孔質ポリプ
ロピレンを使用したものがそれらの融点の違いをうまく
生かし実用化されている。しかし、表層部(外層部)が
多孔質ポリプロピレンからなる積層多孔質フイルムは電
解液等の濡れ性、浸透性に劣ることが指摘されていた。
本発明は上記課題を解決し、耐熱性を維持しながら電解
液に対する濡れ性が改良された積層多孔質フイルムを提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、融点が20℃
以上異なる高融点多孔質ポリオレフィンと低融点多孔質
ポリオレフィンとからなり、表層部が多孔質ポリエチレ
ンである三層以上積層された積層多孔質フイルムであっ
て、全層のガーレー値が100〜700sec/100
ccであり、かつ表層部の多孔質ポリエチレンの無孔化
温度域における弾性率が104 dyne/cm2 以上で
あることを特徴とする積層多孔質フイルムに関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、高融点多孔質ポ
リオレフィンと低融点多孔質ポリオレフィンとは、融点
差が小さいと無孔化して破膜するまでの無孔化維持温度
領域が狭くなるので、両者の融点が20℃以上、好まし
くは30℃以上異なっているものが使用される。本明細
書において、ポリオレフィンの融点とは、示差走査熱量
計(島津製作所製、DSC−50)を用いて、試料約1
0mgを窒素気流下で、昇温速度10℃/分で室温から
昇温して測定したときの、融解に伴う吸熱ピーク温度を
意味する。高融点多孔質ポリオレフィンとしては、例え
ばポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ
3−メチルブテン−1等が使用され、また低融点ポリオ
レフィンとしてはポリエチレン、ポリブテン、エチレン
プロピレン共重合体等が使用される。好適には高融点多
孔質ポリオレフィンとしてポリプロピレン、低融点多孔
質ポリオレフィンとしてポリエチレンが好ましく使用さ
れる。ポリプロピレンは立体規則性の高いものが好まし
く、またポリエチレンは高密度ポリエチレンが好ましい
が中密度ポリエチレンでもよい。高融点多孔質ポリオレ
フィン及び低融点多孔質ポリオレフィンには、界面活性
剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤等の添加剤が
適宜含まれていてもよい。
【0016】本発明において、表層部の多孔質ポリエチ
レンとしては、無孔化温度域において弾性率が104
yne/cm2 以上のものが使用される。
【0017】本発明における弾性率の測定方法は、以下
のような記載の方法で行う。
【0018】多孔質ポリエチレンの弾性率が過度に小さ
い場合には、溶融時の形状保持性及びフイルム強度が悪
化するので、104 dyne/cm2 以上の弾性率を有
する多孔質ポリエチレンが使用される。なお、弾性率が
高すぎるとフイルムとして脆くなるため、無孔化温度域
において弾性率が1011dyne/cm2 以下のものが
好ましく用いられる。
【0019】一般的にポリマー材料は融点付近まで加熱
されたとき、結晶部分が溶融しても低分子物質のように
いきなり流動状態を示さず、いわゆるゴム状状態といわ
れる領域が存在する。したがって、一般的に融点付近に
ある無孔化温度域において、多孔質ポリマーフイルムは
容易に流動をおこさず完全な無孔化の達成は困難であ
る。
【0020】本発明において多孔質ポリマーフイルムと
して、無孔化温度域において104dyne/cm2
上の弾性率を有する多孔質ポリエチレンが使用された場
合には、フイルム強度が大きく、比較的粘度が高く、溶
融時の形状保持性等に優れており、しかも無孔化温度域
で実質的に収縮により完全な無孔化を達成することがで
きる。特に、収縮力の働きにより容易に流動しない状態
にある多孔質ポリマーフイルムを縮める作用をもたらし
完全な無孔化を達成することができる。
【0021】したがって、本発明の多孔質ポリマーフイ
ルムが電池用セパレータとして使用された場合、異常発
生時に確実に多孔質ポリマーフイルムは無孔化される。
【0022】無孔化に必要な収縮率は無孔化温度におい
て通常数%以上、好ましくは5%以上であることが好ま
しい。収縮率は大きいほど収縮力も大きく作用する点で
は好ましいが、あまり大きくなりすぎると寸法変化が大
きくなりすぎるため一般的には90%以下であることが
好ましい。本発明における無孔化温度とは、多孔質ポリ
マーフイルムの電解液中での常温における抵抗値の10
0倍以上となる温度であり、その測定方法および抵抗測
定装置は、以下の通りである。
【0023】 測定方法:電解液 1mol濃度の過塩素酸リチウムを溶解したプロピレンカー ボネートとジメトキシエタンの等容積混合液を使用。 電極面積 1cm2 抵抗測定装置:LCRハイテスタ(日置電気(株)製) 測定周波数 1kHz 多孔質ポリマーフイルム試料を5分間電解液に浸漬した
後電極間にセットし、オーブン中で2℃/分の速度で昇
温しながら抵抗値を測定した。
【0024】電解液に対する濡れ性の評価は以下のよう
な測定方法により行った。 測定条件:温度 23℃、湿度 50% 電解液 1mol濃度の過塩素酸リチウムを溶解したプロピレンカー ボネートとジメトキシエタンの等容積混合液を使用。 測定装置:画像処理式接触角計 CA−X型 協和界面化学(株)製
【0025】接触角が小さいほどセパレータの電解液に
対する濡れ性に優れる。濡れ性が悪いとセパレータに対
する電解液の浸透性に劣り、浸透に要する時間が長くな
ったり、電解液の枯渇が生じやすくなり好ましくない。
【0026】積層多孔質フイルムのガーレー値は100
〜700sec/100ccであることが好ましい。ガ
ーレー値がこれより過度に大きくなると濡れ性が低下す
るばかりでなく、電解液中でのイオンの移動速度が遅く
なり好ましくない。またガーレー値がこれより過度に小
さくなると機械的強度が低下して好ましくない。ガーレ
ー値を上記の範囲とし、表層部が必ず多孔質ポリエチレ
ンとなるように配置した積層多孔質フイルムとすること
により、電解液に対する濡れ性が向上し、セパレータに
対する電解液の浸透性が良好となる。
【0027】表層部の多孔質ポリエチレンの空孔率を4
0〜60%とするとさらに濡れ性が良くなり好ましい。
空孔率がこれより過度に大きくなると機械的強度が低下
し好ましくない。空孔率がこれより過度に小さくなると
濡れ性が低下するばかりでなくイオンの移動速度が遅く
なり好ましくない。
【0028】破膜温度は以下のような測定方法により求
めた。 測定方法:試料幅 25mm、試料長さ 100mm 長さ方向両端部を固定した状態で昇温する。室温から1
0℃毎昇温する。各温度で約10分間保持する。破膜状
態を肉眼で観察する。破膜した時の温度を破膜温度とす
る。
【0029】無孔化温度域において弾性率が104 dy
ne/cm2 以上である多孔質ポリエチレンを表層部に
配置した積層多孔質フイルムとすることにより、多孔質
ポリエチレンが無孔化した温度域以上の温度において
も、高融点多孔質ポリオレフィンと積層することにより
破膜せず、高融点多孔質ポリオレフィンの融点以上の耐
熱性を維持することができる。
【0030】静摩擦係数は以下の測定方法により求め
た。 測定方法:JIS K7125に準じて測定 動・静摩擦係数測定器 理学工業(株) 試料寸法63mm角、荷重200g、移動速度 100mm/min 相手材 クロムメッキステンレススチール
【0031】静摩擦係数の小さなものが、電池組立時に
電極とセパレータとをともに巻き込むときのピン抜け性
等に優れ好ましい。表層部に多孔質ポリエチレンを配置
した場合、静摩擦係数も小さくすることができ、電池組
立時の特性が改善される。
【0032】以下に実施例および比較例を示し、本発明
についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら一実
施例に限定されるものではない。
【0033】実施例1 吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを
使用し、数平均分子量70000、重量平均分子量48
0000、メルトインデックス3、融点166℃のポリ
プロピレン(宇部興産株式会社製、宇部ポリプロF10
3EA)を、200℃で溶融押出した。吐出フイルムは
90℃の冷却ロールに導かれ、25℃の冷風が吹きつけ
られて冷却された後、40m/minで引き取られた。
得られた未延伸ポリプロピレンフイルムの膜厚は11.
5μmであった。この未延伸ポリプロピレンフイルム
は、これを熱処理するために、3インチ径紙管に350
0m巻いた状態で120℃に保持した熱風循環式オーブ
ン(田葉井製作所製PS−222型)にいれて24時間
放置した後、オーブンから取り出し室温まで冷却した。
【0034】吐出幅1000mm、吐出リップ開度2m
mのTダイを使用し、密度0.964、メルトインデッ
クス0.33、融点132℃の高密度ポリエチレン(三
井石油化学株式会社製、ハイゼックス5202B)を、
173℃で溶融押出した。吐出フイルムは115℃の冷
却ロールに導かれ、25℃の冷風が吹きつけられて冷却
された後、20m/minで引き取られた。得られた未
延伸ポリエチレンフイルムの膜厚は10.5μmであっ
た。この未延伸ポリエチレンフイルムは、これを熱処理
するために、3インチ径紙管に3500m巻いた状態で
95℃に保持した熱風循環式オーブン(田葉井製作所製
PS−222型)にいれて24時間放置した後、オーブ
ンから取り出し室温まで冷却した。
【0035】次いで、両外層がポリエチレンで内層がポ
リプロピレンのサンドイッチ構造の3層の積層フイルム
を次のようにして製造した。三組の原反ロールタンドか
ら、前記熱処理した未延伸ポリプロピレンフイルムと未
延伸ポリエチレンフイルムとを、それぞれ巻きだし速度
4.0m/minで巻きだし、加熱ロールに導き温度1
28℃、線圧1.5kg/cmで熱圧着し、その後同速
度で50℃の冷却ロールに導いて巻き取った。このとき
の速度は4.0m/min、巻きだし張力はポリプロピ
レンフイルムが3kg、ポリエチレンフイルムが0.9
kgであった。
【0036】この3層の積層フイルムは、35℃に保持
されたニップロール間で原寸に対して30%低温延伸さ
れた。このときのロール間は350mm、供給側のロー
ル速度は1.6m/minであった。引き続き120℃
に加熱された熱風循環オーブン中に導かれ、ロール周速
差を利用してローラ間で総延伸量200%になるまで高
温延伸された後、120℃に加熱されたロールで25%
緩和させ、25秒間熱固定して、連続的に積層多孔質フ
イルムを得た。
【0037】得られた積層多孔質フイルムの全層ガーレ
ー値、表層部の空孔率(%)、接触角(度)、破膜温度
(℃)、静摩擦係数の測定結果を表1に示す。
【0038】また、得られた積層多孔質ポリマーフイル
ムにおいて、多孔質ポリエチレンフイルムは、無孔化温
度域133℃で弾性率6.8×108 dyne/cm2
であった。接触角(度)、破膜温度(℃)、静摩擦係数
の測定は上記の方法により行った。また、表層部の空孔
率(%)、全層ガーレー値の測定は以下の方法により行
った。
【0039】 空孔率及び極大孔径 空孔率及び極大孔径は、水銀ポロシメータ(ユアサアイ
オニック社製)で測定した細孔分布曲線の極大値から求
めた。詳しくは、MD30mm、TD300mmの試料
片を採取し、セルの中に入れ、細孔径に対する水銀量と
圧力から空孔率と極大孔径を求めた。 ガーレー値 JIS P8117に準じて測定した。測定装置として
B型ガーレーデンソメーター(東洋精機社製)を使用し
た。試料片を直径28.6mm、面積645mm2 の円
孔に締め付ける。内筒重量567gにより、筒内の空気
を試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが
通過する時間を測定し透気度(ガーレー値)とした。
【0040】
【表1】
【0041】実施例2 延伸倍率の条件を250%延伸、20%緩和と設定した
以外は、実施例1と同様にして積層多孔質フイルムを製
造した。得られた積層多孔質フイルムの全層ガーレー
値、表層部の空孔率(%)、接触角(度)、破膜温度
(℃)、静摩擦係数の測定結果を表1に示す。また、得
られた積層多孔質フイルムにおいて、多孔質ポリエチレ
ンフイルムは、無孔化温度域133℃で弾性率6.8×
108 dyne/cm2 であった。上記評価の方法は実
施例1と同様に行った。
【0042】実施例3 原反のポリプロピレンの厚さを14.3μm、原反のポ
リエチレンの厚さを9.5μmとし、また、延伸倍率の
条件を270%延伸、20%緩和と設定した以外は、実
施例1と同様にして積層多孔質フイルムを製造した。得
られた積層多孔質フイルムの全層ガーレー値、表層部の
空孔率(%)、接触角(度)、破膜温度(℃)、静摩擦
係数の測定結果を表1に示す。また、得られた積層多孔
質フイルムにおいて、多孔質ポリエチレンフイルムは、
無孔化温度域133℃で弾性率6.8×108 dyne
/cm2 であった。
【0043】比較例1 積層ポリマーフイルムとして、両外層がポリプロピレン
で内層がポリエチレンのサンドイッチ構造の3層の積層
フイルムを次のようにして製造した。三組の原反ロール
タンドから、前記熱処理した未延伸ポリプロピレンフイ
ルムと未延伸ポリエチレンフイルムとを、それぞれ巻き
だし速度4.0m/minで巻きだし、加熱ロールに導
き温度134℃、線圧1.8kg/cmで熱圧着し、そ
の後同速度で50℃の冷却ロールに導いて巻き取った。
このときの速度は4.0m/min、巻きだし張力はポ
リプロピレンフイルムが3kg、ポリエチレンフイルム
が0.9kgであった。
【0044】この3層の積層フイルムは、35℃に保持
されたニップロール間で20%低温延伸された。このと
きのロール間は350mm、供給側のロール速度は1.
6m/minであった。引き続き126℃に加熱された
熱風循環オーブン中に導かれ、ロール周速差を利用して
ローラ間で総延伸量180%になるまで高温延伸された
後、126℃に加熱されたロールで17%緩和させ、2
5秒間熱固定して、連続的に積層多孔質フイルムを得
た。また、得られた積層多孔質フイルムにおいて、無孔
化温度域135℃で多孔質ポリエチレンの弾性率は6.
7×108 dyne/cm2 であった。
【0045】得られた積層多孔質フイルムの全層ガーレ
ー値、表層部の空孔率(%)、接触角(度)、破膜温度
(℃)、静摩擦係数の測定結果を表1に示す。
【0046】比較例2 吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを
使用し、密度0.964、メルトインデックス0.3
3、融点132℃の高密度ポリエチレン(三井石油化学
株式会社製、ハイゼックス5202B)を、163℃で
溶融押出した。吐出フイルムは125℃の冷却ロールに
導かれ、25℃の冷風が吹きつけられて冷却された後、
10m/minで引き取られた。
【0047】この未延伸ポリエチレンフイルムは、これ
を熱処理するために、3インチ径紙管に3500m巻い
た状態で125℃に保持した熱風循環式オーブン(田葉
井製作所製PS−222型)にいれて10%の緊張下で
150秒通過熱処理された。次いで熱処理したフイルム
は、35℃に保持されたニップロール間で50%低温延
伸された。このときのロール間は350mm、供給側の
ロール速度は1.2m/minであった。引き続き80
℃に加熱された熱風循環オーブン中に導かれ、ロール周
速差をりようしてローラ間で総延伸量200%まで高温
延伸された後、108℃に加熱されたロールで25%緩
和させて28秒間熱固定され、連続的にポリエチレン単
層多孔質フイルムを得た。
【0048】得られた積層多孔質フイルムの全層ガーレ
ー値、表層部の空孔率(%)、接触角(度)、破膜温度
(℃)、静摩擦係数の測定結果を表1に示す。
【0049】
【発明の効果】本発明の多孔質ポリマーフイルムは、フ
イルム強度が大きく、比較的粘度が高く、溶融時の形状
保持性等に優れており、しかも無孔化温度域で完全な無
孔化を達成することができる。したがって、電池用セパ
レータとして使用された場合、無孔化温度域で実質的に
収縮することができ、異常発生時に確実に多孔質ポリマ
ーフイルムは無孔化される。また、本発明の多孔質ポリ
マーフイルムは、電解液に対する濡れ性に優れており、
電池製造時の作業性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 2/16 H01M 2/16 P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が20℃以上異なる高融点多孔質ポ
    リオレフィンと低融点多孔質ポリオレフィンとからな
    り、表層部が多孔質ポリエチレンである三層以上積層さ
    れた積層多孔質フイルムであって、全層のガーレー値が
    100〜700sec/100ccであり、かつ表層部
    の多孔質ポリエチレンの無孔化温度域における弾性率が
    104 dyne/cm2 以上であることを特徴とする積
    層多孔質フイルム。
  2. 【請求項2】表層部の多孔質ポリエチレンの空孔率が4
    0〜60%であることを特徴とする請求項1記載の積層
    多孔質フイルム。
  3. 【請求項3】高融点多孔質ポリオレフィンが多孔質ポリ
    プロピレンである請求項1記載の積層多孔質フイルム。
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