JPH11116619A - ポリビニルアセタール樹脂溶液の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール樹脂溶液の製造方法

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JPH11116619A
JPH11116619A JP28196597A JP28196597A JPH11116619A JP H11116619 A JPH11116619 A JP H11116619A JP 28196597 A JP28196597 A JP 28196597A JP 28196597 A JP28196597 A JP 28196597A JP H11116619 A JPH11116619 A JP H11116619A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、光沢性に優れた塗膜を形成すること
ができるポリビニルアセタール樹脂溶液の効率的な製造
方法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアセタール樹脂を水とアルコ
ールとの混合溶媒に溶解してなるポリビニルアセタール
樹脂溶液の製造方法であって、上記ポリビニルアセター
ル樹脂は、ポリビニルアルコール水溶液中において、酸
触媒を濃度0.05〜0.03重量%となるように添加
して上記ポリビニルアルコールを芳香族アルデヒドを用
いてアセタール化することにより得られるものであり、
上記混合溶媒は、水:アルコールの重量比が、80:2
0〜20:80であり、上記ポリビニルアセタール樹脂
溶液中のポリビニルアセタール樹脂の固形分が、10〜
25重量%であるポリビニルアセタール樹脂溶液の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、光沢性に
優れた塗膜を得ることができるポリビニルアセタール樹
脂溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアセタール樹脂溶液は、ポリ
ビニルアセタール樹脂を溶媒に溶解して製造される。従
来、ポリビニルアセタール樹脂の製造方法としては、沈
殿法及び溶解法が広く知られている。沈殿法では、ポリ
ビニルアルコール水溶液に酸触媒を添加し、更に、アル
デヒド化合物を加えて反応させ、ポリビニルアセタール
樹脂を生成し、このポリビニルアセタール樹脂を析出さ
せた後、水洗、乾燥等の工程を経てポリビニルアセター
ル樹脂を得ることができる。
【0003】また、溶解法では、ポリビニルアルコール
を有機溶媒に分散させ、酸触媒を添加し、更に、アルデ
ヒド化合物を加えて反応させた後、ポリビニルアセター
ル樹脂を析出させ、更に、水洗、乾燥等の工程を経てポ
リビニルアセタール樹脂を得ることができる。
【0004】上述の方法において、特に、アルデヒド化
合物として芳香族アルデヒドを用いる場合には、沈殿法
が好ましく用いられる(特開昭63−221077号公
報等)。これは、溶解法を用いた場合には、アルデヒド
化合物である芳香族アルデヒドが有機溶媒に非常に溶解
し易く、ポリビニルアルコールへの反応に関与しにくく
なるため、アセタール化反応の進行が困難となるためと
考えられている。
【0005】従来、溶解法や沈殿法によりポリビニルア
セタール樹脂を製造するときに用いられる酸触媒は、
0.5〜4重量%の濃度となるように反応系に加えられ
ている。従って、反応を終了させるために添加した中和
剤により過剰の塩が生成し、乾燥ポリビニルアセタール
樹脂を得るためには、生成した過剰の塩を水洗により充
分に除去する工程が必要であった。
【0006】ところで、ポリビニルアセタール樹脂溶液
の製造は、上述した沈殿法や溶解法で得られた乾燥ポリ
ビニルアセタール樹脂を、目的の溶媒に溶解することに
より行われている。
【0007】しかしながら、アセタール化度が10モル
%以下のポリビニルアセタール樹脂の場合には、親水性
が強いため、実際の工業的な製造においては、 乾燥ポリビニルアセタール樹脂を得るための水洗工程
において、ポリビニルアセタール樹脂が水とともに流出
する 水洗、乾燥した後、ポリビニルアセタール樹脂を目的
の溶媒に溶解する間に、反応槽や水洗槽にポリビニルア
セタール樹脂がかなりの量付着し、収率が低下する等の
問題があった。
【0008】そこで、水洗、乾燥工程を実施せずにポリ
ビニルアセタール樹脂が析出しているポリビニルアセタ
ール樹脂溶液を、例えば、塗膜を形成するための溶液と
してそのまま用いればよいと考えられる。この場合に
は、水洗によりポリビニルアセタール樹脂が水とともに
流出したりすることがなく、かつ、反応槽や水洗槽への
ポリビニルアセタール樹脂の付着量を低減することがで
きる。しかしながら、得られたポリビニルアセタール樹
脂溶液では、上記酸触媒の中和により生成した過剰の塩
が含まれているため、このポリビニルアセタール樹脂溶
液で塗膜をひくと、塩の影響により塗膜が白く濁るとい
う問題があった。
【0009】また、ポリビニルアセタール樹脂溶液中の
ポリビニルアセタール樹脂の固形分が10重量%以下の
ものは、製造が比較的容易なものの、このポリビニルア
セタール樹脂溶液で塗膜をひいた場合、乾燥後の膜厚が
30μm以下である場合は特に問題はないが、30μm
を超えると、揮発溶剤が多いため、乾燥に時間がかか
り、また、乾燥スピードを速めると塗膜表面が波打ち、
塗膜の光沢性が劣るという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、透明性、光沢性に優れた塗膜を形成することができ
るポリビニルアセタール樹脂溶液の効率的な製造方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリビニルア
セタール樹脂を水とアルコールとの混合溶媒に溶解して
なるポリビニルアセタール樹脂溶液の製造方法であっ
て、上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアル
コール水溶液中において、酸触媒を濃度0.005〜
0.03重量%となるように添加して上記ポリビニルア
ルコールを芳香族アルデヒドを用いてアセタール化する
ことにより得られるものであり、上記混合溶媒は、水:
アルコールの重量比が、80:20〜20:80であ
り、上記ポリビニルアセタール樹脂溶液中のポリビニル
アセタール樹脂の固形分が、10〜25重量%であるポ
リビニルアセタール樹脂溶液の製造方法である。以下に
本発明を詳述する。
【0012】本発明のポリビニルアセタール樹脂溶液の
製造方法は、ポリビニルアルコールを芳香族アルデヒド
を用いてアセタール化することによりポリビニルアセタ
ール樹脂を得、このポリビニルアセタール樹脂を水とア
ルコールとの混合溶媒に溶解するものである。
【0013】上記ポリビニルアルコールは、重合度が2
00〜3500のものが好ましい。重合度が200未満
であると、ポリビニルアルコールの合成が困難となるこ
とがあり、3500を超えると、これを水溶液としたと
きにその粘度が高くなりすぎることがある。
【0014】上記ポリビニルアルコールは、ケン化度が
75〜99.8モル%のものが好ましい。ケン化度が7
5モル%未満であると、水に対する溶解性が充分でない
ことがあり、99.8モル%を超えると、ポリビニルア
ルコールの合成が困難となることがある。
【0015】本発明において、上記ポリビニルアルコー
ルは2種以上の重合度の異なるポリビニルアルコールを
混合して用いてもよい。その場合、見かけ上の重合度が
上記範囲内にある2種以上の重合度の異なるポリビニル
アルコールを用いることが好ましい。
【0016】上記芳香族アルデヒドとしては特に限定さ
れず、例えば、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズア
ルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベ
ンズアルデヒド等のアルキル置換ベンズアルデヒド;ク
ロルベンズアルデヒド等のハロゲン置換ベンズアルデヒ
ド;フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオ
ンアルデヒド等のフェニル置換アルキルアルデヒド;p
−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズ
アルデヒド等のヒドロキシル基が置換した芳香族アルデ
ヒド;アルコキシ基、アミノ基、シアノ基等の置換基を
有する芳香族アルデヒド等が挙げられる。これらは単独
でも2種以上併用して用いてもよい。
【0017】上記アセタール化は、ポリビニルアルコー
ル水溶液中において酸触媒を濃度0.005〜0.03
重量%となるように添加して行う。上記酸触媒の濃度が
0.005重量%未満であると、アセタール化反応が殆
ど進まず、0.03重量%を超えると、後工程において
酸触媒の中和により生成する塩の量が多くなり、ポリビ
ニルアセタール樹脂溶液が濁ったり、この溶液を用いて
塗膜を形成した場合等に塗膜が白く濁ったりするため、
上記範囲に限定される。
【0018】上記酸触媒としては特に限定されず、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;酢酸、安息香酸、p
−トルエンスルホン酸、尿酸、バルビツール酸等の有機
酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用して
用いてもよい。
【0019】上記ポリビニルアルコール水溶液は、20
℃での粘度が10000mPa・s以下が好ましい。1
0000mPa・sを超えると、高粘度となり合成が困
難となる。
【0020】上記ポリビニルアルコール水溶液の濃度と
しては、得られるポリビニルアセタール樹脂溶液の樹脂
固形分が10〜25重量%の範囲となるものであれば特
に限定されるものではない。
【0021】上記アセタール化の方法としては特に限定
されず、例えば、溶解法、沈殿法、均一法等の従来公知
の方法等が挙げられる。なかでも、本発明においては、
透明性、収率に優れたポリビニルアセタール樹脂が得ら
れることから、沈殿法が好適に用いられる。
【0022】上記アセタール化は、芳香族アルデヒドの
添加温度は、40〜60℃、その後、冷却スピード5〜
30℃/時間で15〜35℃まで冷却し、反応時間は、
3〜10時間程度で行われるのが好ましい。上記芳香族
アルデヒドの添加温度が40℃未満であると、酸触媒の
濃度が非常に低いので目標のアセタール化度までなかな
か進行しないことがあり、60℃を超えると、アセター
ル化反応が必要以上に進むため、不均一なアセタール化
度のポリビニルアセタール樹脂が生成されることがあ
る。
【0023】上記冷却スピードが5℃/時間未満である
と、反応系内でのポリビニルアルコール樹脂の固形分濃
度が高いため、反応が速く進み、樹脂同士が合着し、不
均一なアセタール化度のポリビニルアセタール樹脂が生
成されることがあり、30℃/時間を超えると、急激に
系内の温度が下がるため、酸触媒の濃度が非常に低いこ
の反応系においては、目標のアセタール化度までなかな
か進行しない。
【0024】上記反応温度が15℃未満であると、酸触
媒濃度が非常に低いので目標のアセタール化度までなか
なか進行しないことがあり、35℃を超えると、反応系
内の温度が高過ぎるため樹脂同士が合着し、不均一なア
セタール化度のポリビニルアセタール樹脂が生成される
ことがある。上記反応時間が3時間未満であると、酸触
媒濃度が非常に低いのでアセタール化反応が殆ど進行し
ないことがあり、10時間を超えると、反応が全て終了
し、それ以上アセタール化反応が進行しないことが多
い。
【0025】本発明において上記アセタール化反応を停
止させるためには、反応系に酸触媒を中和するための中
和剤を添加する。上記中和剤としては特に限定されず、
例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化
物;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のア
ルキレンオキサイド等が挙げられる。これらは単独でも
2種以上併用して用いてもよい。
【0026】上記中和剤の添加量としては、反応溶液の
pHを6〜8とし得る限り特に限定されず、通常、酸触
媒と等量の中和剤を添加する。
【0027】本発明において用いられるポリビニルアセ
タール樹脂は、上記芳香族アルデヒドを単独で用いた場
合であっても、混合して用いた場合であっても、上記芳
香族アルデヒドによるアセタール化度は、10モル%以
下が好ましい。10モル%を超えると、耐水性が比較的
高くなり、従来法において水洗したとしても耐水性が高
いため、水とともにポリビニルアセタール樹脂を流出さ
せるのが困難となったり、水及びアルコールを後述の割
合で含む混合溶媒にポリビニルアセタール樹脂が溶解し
難くなる。
【0028】上記アセタール化度10モル%以下のポリ
ビニルアセタール樹脂は、単独では水には溶解せず、ア
ルコール系の有機溶剤単独にも溶解しないが、親水性及
び耐水性の双方を併せ持ったポリビニルアセタール樹脂
である。
【0029】本発明のポリビニルアセタール樹脂溶液の
製造方法は、上述の製造方法により得られたポリビニル
アセタール樹脂を、水:アルコールが重量比で80:2
0〜20:80であるアルコール水溶液に溶解するもの
である。
【0030】本発明において用いられるアルコールとし
ては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、
n−ブチルアルコール等が挙げられる。これらは単独で
も2種以上併用して用いてもよい。
【0031】上記アルコールの添加量は、水とアルコー
ルとの混合溶媒において、水の含有割合が80重量%を
超えたり、20重量%未満であると、ポリビニルアセタ
ール樹脂を溶解させることができなくなるため、上記範
囲に限定される。
【0032】本発明においては、上記アルコールは、ア
セタール化反応終了後の反応液に水とアルコールとの重
量比が上記範囲内となるように添加することが好まし
い。
【0033】本発明により得られるポリビニルアセター
ル樹脂溶液中のポリビニルアセタール樹脂の固形分は、
10〜25重量%である。10重量%未満であると、上
記ポリビニルアセタール樹脂溶液を用いて塗膜等をひい
た場合、乾燥後の膜厚が30μm以上であると、揮発成
分が多いため、乾燥時に塗膜が波打ち、光沢性が乏しく
なり、25重量%を超えると、反応時のポリビニルアル
コール水溶液の粘度が高粘度となり、合成が困難とな
る。好ましくは、15〜20重量%である。
【0034】(作用)本発明の製造方法では、ポリビニ
ルアルコール水溶液中の酸触媒の濃度を0.005〜
0.03重量%と非常に低くしてアセタール化反応を行
っているため、得られるポリビニルアセタール樹脂を水
洗、乾燥する必要がない。従って、水洗、乾燥工程を経
ることなく反応系にアルコールを添加してポリビニルア
セタール樹脂溶液を得ることができるため、ポリビニル
アセタール樹脂溶液の収率を高めることができ、且つ、
中和により生成する塩が少なくなるので、ポリビニルア
セタール樹脂溶液の透明性が高められる。従って、ポリ
ビニルアセタール樹脂溶液を用いて塗膜等をひいた場合
においても、透明性に優れた塗膜を得ることができる。
【0035】また、ポリビニルアセタール樹脂溶液中の
樹脂固形分が10〜25重量%と高いことから、乾燥後
の塗膜の厚みが30μm以上のものにおいても乾燥効率
が良く、光沢性に優れた塗膜を得ることができる。
【0036】更に、本発明の製造方法では、水洗、乾燥
工程を省略することができるので、アセタール化度が1
0モル%以下の親水性の高いポリビニルアセタール樹脂
であるにもかかわらず、流出や反応槽への付着等による
収率の低下も生じにくい。
【0037】本発明において用いられるポリビニルアセ
タール樹脂は、単独では水に溶解せず、アルコール系の
有機溶剤単独にも溶解しないが、親水性、耐水性、双方
の性質を有したものである。従って、本発明の製造方法
により得られるポリビニルアセタール樹脂溶液は、紙や
フィルム等の支持体上に塗工することにより、プリンタ
やX−Yプロッターの記録材に好適に用いられることが
でき、特に、インクジェット方式やペン方式等で記録す
るオーバーヘッドプロジェクター用として好適な透明記
録材又はその他のスライドや液晶等のカラーディスプレ
イで用いられるカラーモザイクフィルター用の透明記録
材として好適である。特に、インクジェット方式等にお
いては、高解像度化に伴い、記録材の単位面積当たりの
インク量が多くなってきており、膜厚を30μm以上の
厚塗りにすることで対応可能となる。また、このような
記録材以外にも、ビニルハウスの防曇材やストリッパブ
ルペイント等にも好適に用いることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
(実施例)以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0039】実施例1 重合度500、ケン化度88モル%のポリビニルアルコ
ール280gを、純水1500gに加え、90℃の温度
で約2時間攪拌しつつ溶解した。得られた溶液を50℃
まで冷却し、濃度35重量%の塩酸0.3gを加え、更
に、45℃まで冷却し、ベンズアルデヒド35gを加
え、冷却スピード20℃/時間で25℃まで冷却し、2
5℃で5時間アセタール化反応を行った。その結果、溶
液中にスポンジ状の沈殿物が生成した。しかる後、液温
が20℃となるように冷却し、攪拌下でイソプロピルア
ルコール450gを加え、スポンジ状の樹脂を完全に溶
解し、しかる後、濃度10重量%の水酸化ナトリウム水
溶液1.2gを加え、15重量%のポリビニルアセター
ル樹脂の水−イソプロピルアルコール(水とイソプロピ
ルアルコールとの割合は重量比で7:3)透明溶液を得
た。
【0040】得られた透明溶液をポリエチレンフィルム
に塗布し、乾燥した後、ポリエチレンフィルムから剥離
し、透明フィルムを作製した。この透明フィルムを、D
MSO−d6 (ジメチルスルホキシド)に溶解し、13
−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用い、アセタール
化度を測定したところ、アセタール化度は6モル%であ
った。上記塗膜の透明性、光沢性の評価、収率の算出を
下記の方法により行った。結果を表1に示した。
【0041】塗膜の透明性の評価 上記のようにして得られた透明溶液を厚み100μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚み
が20μmとなるように塗布した。このようにして形成
されたフィルムの透明性を目視により観察した。この目
視による観察結果については、以下の判定基準により3
段階評価した。 ○:濁りや曇りが全くなく、無色透明である。 △:一部が白っぽく曇っている。 ×:全体がかなり曇っている。
【0042】塗膜の光沢性の評価 上記のようにして得られた透明溶液を厚み100μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚み
が50μmとなるように塗布し、110℃の乾燥機で1
0分間乾燥した。このようにして形成されたフィルムの
光沢性を目視により観察した。この目視による観察結果
については、以下の判定基準により3段階評価した。 ○:光沢あり。 △:一部光沢のない部分がある。 ×:全体的に光沢がない。
【0043】収率 上記のようにして得られたポリビニルアセタール樹脂溶
液の量及びその固形分から実質的な樹脂量を算出し、そ
の樹脂量と上記で測定したアセタール化度を用いて、反
応したポリビニルアルコール量を算出した。このポリビ
ニルアルコール量を、反応仕込み時に用いたポリビニル
アルコール量で割り、この反応で得られたポリビニルア
セタール樹脂の収率を求めた。
【0044】実施例2〜6 ポリビニルアルコール、アルデヒド及びアルコールを表
1に示したようにしたこと以外は実施例1と同様にして
ポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、評価した。結
果を表1に示した。
【0045】比較例1 重合度2000、ケン化度88モル%のポリビニルアル
コール200gを、純水1500gに加え、90℃の温
度で約2時間攪拌し、溶解した。得られた溶液を40℃
に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸50gを加え、
更に、30℃まで冷却し、ベンズアルデヒド27gを1
時間かけて滴下し、25℃で3時間アセタール化反応を
行った。その結果、スポンジ状の沈殿物が得られた。し
かる後に、液温が20℃となるように冷却し、攪拌下で
イソプロピルアルコールを720g加え、スポンジ状の
樹脂を完全に溶解し、しかる後、濃度10重量%の水酸
化ナトリウム水溶液192gを加え、8重量%濃度のポ
リビニルアセタール樹脂溶液水−イソプロピルアルコー
ル(水とイソプロピルアルコールとの割合は重量比で
7:3)溶液を得た。この溶液は白濁していた。上記の
ようにして得られたポリビニルアセタール樹脂溶液の評
価を実施例1と同様にして行った。結果を表1に示し
た。
【0046】比較例2、3 ポリビニルアルコール、アルデヒド及びアルコールを表
1に示したようにしたこと以外は比較例1と同様にして
ポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、評価した。結
果を表1に示した。
【0047】比較例4 比較例1と同様にしてスポンジ状の沈殿物を得た後、濃
度10重量%の水酸化ナトリウム水溶液192gを加
え、中和した。次に、純水1000gをこれに加え、よ
く攪拌した後、デカンテーションにより水2000gを
除去した。次に、純水2000gを加え、よく攪拌した
後、デカンテーションにより水を除去する工程を合計3
回繰り返した。しかる後、イソプロピルアルコールを加
え、樹脂を完全に溶解し、透明な8重量%のポリビニル
アセタール樹脂の水−イソプロピルアルコール(水とイ
ソプロピルアルコールとの割合は重量比で7:3)溶液
を得た。上記のようにして得られたポリビニルアセター
ル樹脂溶液の評価を実施例1と同様にして行った。結果
を表1に示した。
【0048】比較例5、6 ポリビニルアルコール、アルデヒド及びアルコールを表
1に示したようにしたこと以外は比較例4と同様にして
ポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、評価した。結
果を表1に示した。
【0049】比較例7 比較例4と同様にして反応させ、中和及びデカンテーシ
ョンを行った後、ポリビニルアセタール樹脂を乾燥し
た。乾燥後、水−イソプロピルアルコール混合溶媒(水
とイソプロピルアルコールとの割合は重量比で6:4)
に乾燥されたポリビニルアセタール樹脂を加え、攪拌下
で完全に溶解し、透明な15重量%の濃度のポリビニル
アセタール樹脂の水−イソプロピルアルコール(水とイ
ソプロピルアルコールとの割合は重量比で6:4)溶液
を得た。上記のようにして得られたポリビニルアセター
ル樹脂溶液の評価を実施例1と同様にして行った。結果
を表1に示した。
【0050】比較例8、9 ポリビニルアルコール、アルデヒド及びアルコールを表
1に示したようにしたこと以外は比較例7と同様にして
ポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、評価した。結
果を表1に示した。
【0051】比較例10 重合度2000、ケン化度88モル%のポリビニルアル
コール200gを純水1500gに加え、90℃の温度
で約2時間攪拌しつつ溶解した。得られた溶液を55℃
に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸0.3gを加
え、更に50℃まで冷却し、ベンズアルデヒド27gを
1時間かけて滴下し、45℃で5時間アセタール化反応
を行った。その結果、溶液中にスポンジ状の沈殿物が生
成した。しかる後、液温が20℃となるように冷却し、
攪拌下でイソプロピルアルコール920gを加え、スポ
ンジ状の樹脂を完全に溶解し、しかる後、濃度10重量
%の水酸化ナトリウム水溶液1.2gを加え、8重量%
のポリビニルアセタール樹脂の水−イソプロピルアルコ
ール(水とイソプロピルアルコールの割合は、重量比で
6:4)透明溶液を得た。上記のようにして得られたポ
リビニルアセタール樹脂溶液を、実施例1と同様にして
評価した。結果を表1に示した。
【0052】比較例11、12 ポリビニルアルコール、アルデヒド及びアルコールを表
1に示したようにしたこと以外は比較例10と同様にし
てポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、評価した。
結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】比較例1〜3では、酸触媒の濃度が1.0
重量%と高いため、ポリビニルアセタール樹脂溶液は白
濁しており、従って、フィルムの透明性も大きく損なわ
れていた。また、収率も96%に留まった。比較例4〜
6においても、同様に酸触媒の濃度が1.0重量%と高
く、従って、水酸化ナトリウム水溶液を多量に用いて中
和しており、多量の塩が発生したため、水洗工程を多数
回実施しなければならなかった。そのため、収率が84
%以下と低かった。
【0055】比較例7〜9においても、酸触媒の濃度が
1.0重量%と高く、従って、反応後に比較例4と同様
に多量の水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和してお
り、多量の塩が発生したため、水洗工程を多数回実施し
なければならなかった。そのため、収率が77%以下と
低かった。
【0056】比較例10〜12においては、酸触媒の濃
度が0.01重量%と低く、従って、中和により生成し
た塩が少ないためか、本発明に従ってアルコールを加え
て生成したポリビニルアセタール樹脂を溶解して得られ
たポリビニルアセタール樹脂溶液は透明であり、かつ、
得られた塗膜の透明性も良好であった。しかし、樹脂固
形分が8重量%と低いため光沢性は良くなかった。収率
は98%と高かった。これに対し、実施例1〜6では、
酸触媒の濃度が0.01重量%と低く、従って、中和に
より生成した塩が少ないためか、本発明に従ってアルコ
ールを加えて生成したポリビニルアセタール樹脂を溶解
して得られたポリビニルアセタール樹脂溶液は透明であ
り、かつ、得られた塗膜の透明性、光沢性いずれも良好
であった。また、水洗及び乾燥工程を実施していないた
め、収率も98%と高かった。
【0057】
【発明の効果】本発明のポリビニルアセタール樹脂溶液
の製造方法は、上述の構成からなるものであるので、ポ
リビニルアセタール樹脂溶液を用いて塗膜をひいた場合
等においても、透明性、光沢性に優れた塗膜を形成する
ことができ、水洗、乾燥等の工程を含まず、高収率でポ
リビニルアセタール樹脂溶液を製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタール樹脂を水とアルコ
    ールとの混合溶媒に溶解してなるポリビニルアセタール
    樹脂溶液の製造方法であって、前記ポリビニルアセター
    ル樹脂は、ポリビニルアルコール水溶液中において、酸
    触媒を濃度0.005〜0.03重量%となるように添
    加して前記ポリビニルアルコールを芳香族アルデヒドを
    用いてアセタール化することにより得られるものであ
    り、前記混合溶媒は、水:アルコールの重量比が、8
    0:20〜20:80であり、前記ポリビニルアセター
    ル樹脂溶液中のポリビニルアセタール樹脂の固形分が、
    10〜25重量%であることを特徴とするポリビニルア
    セタール樹脂溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールは、重合度が20
    0〜2500であり、ケン化度が75〜99.8%であ
    る請求項1記載のポリビニルアセタール樹脂溶液の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアセタール樹脂のアセタール
    化度は、10モル%以下である請求項1又は2記載のポ
    リビニルアセタール樹脂溶液の製造方法。
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