JPH11116667A - ポリエステル樹脂及びこの樹脂を用いた粉体塗料組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂及びこの樹脂を用いた粉体塗料組成物

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JPH11116667A
JPH11116667A JP9067598A JP9067598A JPH11116667A JP H11116667 A JPH11116667 A JP H11116667A JP 9067598 A JP9067598 A JP 9067598A JP 9067598 A JP9067598 A JP 9067598A JP H11116667 A JPH11116667 A JP H11116667A
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JP
Japan
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polyester resin
acid
acid anhydride
powder coating
coating composition
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JP9067598A
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English (en)
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Takashi Inomata
敬司 猪股
Shingo Harada
新吾 原田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗面状態、密着性、耐水性、硬化性、耐腐食
性、風味保持性などに優れ、かつ高度の加工性を有する
塗膜を形成できる粉体塗料組成物を提供すること。 【解決手段】 (A) 軟化点50〜140 ℃及びエポキシ当量
180 〜4,000 のエポキシ樹脂;(B) 芳香族ジカルボン酸
を80〜100 モル%含有する酸成分と脂肪族ジオールを92
〜100 モル%含有するアルコール成分とを反応させてな
るポリエステル樹脂(a) に、分子中に2個以上のカルボ
ン酸無水基を含有するエステル化合物(b)を反応させて
なる、数平均分子量3,400 〜12,000、全酸価30〜90mgKO
H/g 、酸無水基当量2,000 〜6,000 g/当量及び軟化点50
〜140 ℃の酸無水基含有ポリエステル樹脂;及び(C) 硬
化触媒を含有し、エポキシ樹脂(A) 中のエポキシ基/酸
無水基含有ポリエステル樹脂(B) 中の酸無水基のモル比
が2/1 〜1/2 である粉体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温短時間焼付け
における硬化性に優れた粉体塗料組成物、該粉体塗料組
成物に適した酸無水基含有ポリエステル樹脂、及び該粉
体塗料組成物による缶内面、缶内面の缶胴溶接部の塗装
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
食用缶や飲料缶などの金属缶には、金属の溶出や缶の腐
食を防止するために缶用塗料が塗装されている。使用さ
れる塗料としては、エポキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂な
どの樹脂を溶剤に溶解ないしは分散させた液体塗料が一
般的である。
【0003】近年、これらの液体塗料に含まれる有機溶
剤が塗装時に大気中に揮散し、大気汚染の原因となる問
題や、缶内面においては該有機溶剤が塗膜中に残留し、
これが加熱殺菌処理によって缶内容物に移行するという
衛生面における問題を有していることから、無公害、無
溶剤型塗料への移行が急速に進められている。
【0004】また、従来公知の粉体は、一般に、食品缶
及び飲料缶内面用として衛生上不適切な材料が使用され
ており、さらに、製缶ライン速度上及びその他工程上必
要な短時間焼付けでは、良好なる滑らかな塗面、耐食
性、製缶加工性が得られないことから、食品及び飲料に
直接接触する缶内面用塗料に適した短時間の焼付けで硬
化する粉体塗料の開発が望まれている。
【0005】そこで、本発明者らは、短時間の焼付けで
も、塗面状態、密着性、加工性、耐水性、硬化性、耐腐
食性、風味保持性等に優れた塗膜を形成できる缶用塗料
組成物として、先に、ビスフェノール型エポキシ樹脂
と、硬化剤としての無水トリメリット酸残基を2個以上
有する低分子量の有機酸成分と、硬化触媒である塩化コ
リンとを含有する缶用粉体塗料組成物を提案した(特開
平8−3514号公報参照)。この先に提案した組成物
においては、エポキシ樹脂との短時間の反応性を向上さ
せるために、硬化剤として、低分子量、高酸価のものが
使用されているが、かかる硬化剤によっては、他の性能
を維持しながら、高度の加工性を確保することが困難で
あるという問題があった。
【0006】また、本発明者らは、同様の目的で、先
に、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、硬化剤としての
無水トリメリット酸残基を2個以上有する低分子量の有
機酸成分又は高酸価のポリエステル樹脂と、硬化触媒で
ある有機カルボン酸金属塩とを含有する缶用粉体塗料組
成物を提案した(特開平8−3514号公報参照)。こ
の組成物において、硬化剤として低分子量の有機酸成分
を使用する場合には、上記と同様に高度の加工性を確保
することが困難であり、一方、硬化剤として高酸価のポ
リエステル樹脂を使用する場合には、高酸価にする必要
性から分岐度の大きいポリエステル樹脂とする必要があ
り、やはり高度の加工性の確保が困難であるという問題
があった。
【0007】そこで、本発明者らは、塗面状態、密着
性、耐水性、硬化性、耐腐食性、風味保持性などの性能
に優れ、かつ高度の加工性を有する塗膜を形成できる缶
用粉体塗料組成物を開発すべく鋭意研究を行なった結
果、今回、硬化剤として、分子中に2個以上の酸無水基
を有する分岐の少ない特定のポリエステル樹脂を用い、
これをエポキシ樹脂と組合わせることにより、上記目的
を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芳香
族ジカルボン酸を80〜100モル%の割合で含有する
酸成分と脂肪族ジオールを92〜100モル%の割合で
含有するアルコール成分とを反応させてなる、数平均分
子量3,000〜10,000及び水酸基価10〜40
mgKOH/g(そして好ましくは、酸価5mgKOH
/g以下)のポリエステル樹脂(a)に、分子中に2個
以上のカルボン酸無水基を含有する分子量400〜70
0のエステル化合物(b)を、ポリエステル樹脂(a)
中の水酸基1モルに対してエステル化合物(b)中の酸
無水基が1.5〜3.0モルとなる割合で反応させてな
る、数平均分子量3,400〜12,000、全酸価3
0〜90mgKOH/g、酸無水基当量2,000〜
6,000g/当量及び軟化点50〜140℃の粉体塗
料用酸無水基含有ポリエステル樹脂を提供するものであ
る。
【0009】また本発明は、(A)軟化点50〜140
℃で及びエポキシ当量180〜4,000の、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂か
ら選ばれるエポキシ樹脂、(B)上記酸無水基含有ポリ
エステル樹脂、及び(C)硬化触媒を含有し、エポキシ
樹脂(A)中のエポキシ基/酸無水基含有ポリエステル
樹脂(B)中の酸無水基のモル比が2/1〜1/2であ
ることを特徴とする粉体塗料組成物を提供するものであ
る。
【0010】さらに本発明は、上記粉体塗料組成物を缶
の内面又は外面に塗装し、焼き付けることを特徴とする
缶の塗装方法、並びに上記粉体塗料組成物を缶の缶胴溶
接部に塗装し、焼き付けることを特徴とする缶胴溶接部
の塗装方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の粉体塗料組成物に
おける各成分についてさらに詳細に説明する。
【0012】エポキシ樹脂(A) 本発明組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂とし
ては、軟化点が50〜140℃、好ましくは80〜13
0℃で、エポキシ当量が180〜4,000、好ましく
は900〜2,000であるエポキシ樹脂であって、か
つビスフェノール型エポキシ樹脂及びノボラック型エポ
キシ樹脂から選ばれるものが使用される。上記エポキシ
樹脂の軟化点が50℃未満では貯蔵中に粉体塗料がブロ
ッキングしやすくなり、一方、140℃を超えると、塗
料化時に混練不良を起したり、粉体塗料の加熱硬化時の
熱流動性が悪くなって平滑な塗膜が得られ難くなる。ま
た、エポキシ樹脂のエポキシ当量が180未満では粉体
塗料の貯蔵中の耐ブロッキング性が悪くなり、一方、
4,000を超えると、粉体塗料の加熱硬化時の熱流動
性が悪くなったり、得られる塗膜の耐腐食性が悪くなっ
たりするので好ましくない。
【0013】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例
えば、エピハロヒドリン、ビスフェノール類および必要
に応じて飽和脂肪族モノカルボン酸、二塩基酸、重合脂
肪酸などの変性剤を常法に従い反応させて得ることがで
きる。原料として用いられる上記エピハロヒドリンとし
ては特にエピクロルヒドリンが好ましい。また、ビスフ
ェノール類としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン[略称、ビスフェノールF]、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[略称、ビスフェ
ノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン[略称、ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒド
ロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキ
シビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス
(4−ヒドロキシフェニル)、4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフェノンなどを挙げることができる。缶内面用と
しては、これらのうち、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールFが衛生性の点から好ましい。
【0014】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の製造
に際して必要に応じて用いられる変性剤としては、重合
性脂肪酸であるダイマー酸が得られる塗膜の加工性の点
から好ましい。ダイマー酸は、乾性油又は半乾性油から
得られる精製植物油脂肪酸等の高級不飽和脂肪酸を二量
化したものであり、該不飽和脂肪酸としては、主として
18の不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸、リノレン
酸、オレイン酸などが挙げられる。ダイマー酸は上記不
飽和脂肪酸の二量体を主体とするものであるが、場合に
より、三量体等の他のオリゴマーやモノマー脂肪酸を含
有していてもよい。
【0015】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂のう
ち、変性剤で変性されていない樹脂の市販品としては、
例えば、エピコート#1001、同#1002、同#1
003、同#1004、同#1007(以上、いずれも
油化シェルエポキシ社製、商品名)、エピクロン#10
50、同#3050、同#4050、同#7050(以
上、いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)、エ
ポトートYDF−2004(東都化成社製、商品名)な
どを挙げることができる。
【0016】一方、エポキシ樹脂(A)として使用でき
るノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフ
ェノールグリオキザール型エポキシ樹脂などの各種のノ
ボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0017】上記ノボラック型エポキシ樹脂の市販品と
しては、フェノールノボラック型として、EPPN−2
01(日本化薬(株)製、商品名)などが挙げられ、ク
レゾールノボラック型としては、エピコート#180S
65、同#180H65(以上、いずれも油化シェルエ
ポキシ社製、商品名)、EOCN−102S、同−10
3S、同−104S(以上、いずれも日本化薬(株)
製、商品名)、エポトートYDCN−701、同−70
2、同−703、同−704(以上、いずれも東都化成
社製、商品名)などを挙げることができる。
【0018】酸無水基含有ポリエステル樹脂(B) 本発明組成物において、(B)成分の酸無水基含有ポリ
エステル樹脂は、上記エポキシ樹脂(A)の硬化剤とし
て働くものであり、特定の酸成分とアルコール成分を反
応させてなるポリエステル樹脂(a)に、分子中に2個
以上のカルボン酸無水基を含有するエステル化合物
(b)を反応させて、樹脂中に酸無水基を導入してなる
酸無水基含有ポリエステル樹脂である。
【0019】上記ポリエステル樹脂(a)は、酸成分中
に芳香族ジカルボン酸を80〜100モル%含有する酸
成分と、アルコール成分中に脂肪族ジオールを92〜1
00モル%含有するアルコール成分とを反応させること
により得られる。
【0020】上記酸成分として用いられる芳香族ジカル
ボン酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等、及びこれらの酸の低級アルキルエ
ステル化物を挙げることができる。これらは単独で又は
2種以上を混合して使用することができる。
【0021】酸成分として、芳香族ジカルボン酸に加え
て、必要に応じて他の酸を併用することができ、使用で
きる酸としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無
水マレイン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの芳香族以外
のジカルボン酸;安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチ
ル安息香酸などの一塩基酸;無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン
酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸など
を挙げることができる。上記酸成分中の芳香族ジカルボ
ン酸の割合が80モル%未満となると、一般に生成する
樹脂が軟質化しやすくなり、樹脂(a)の軟化点と塗膜
性能とのバランスをとることが困難となる。
【0022】上記アルコール成分として用いられる脂肪
族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2−
メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,
3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,
3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、エ
ステルジオール204(ユニオンカーバイド社、製品)
などを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で又
は2種以上を混合して使用することができる。
【0023】アルコール成分として、上記脂肪族ジオー
ルに加えて、必要に応じて他のアルコールを併用するこ
ともでき、使用できるアルコールとしては、例えば、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェ
ノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、マンニトー
ル、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなど
を挙げることができる。上記アルコール成分中の脂肪族
ジオールの割合が92モル%未満となると、一般に生成
する樹脂の分岐が多くなり形成される塗膜の加工性が低
下する。
【0024】上記酸成分とアルコール成分とを常法によ
り直接エステル化法又はエステル交換法により反応させ
ることによってポリエステル樹脂(a)を作成すること
ができる。例えば、上記酸成分とアルコール成分とを水
酸基過剰下で重縮合し、主として水酸基末端のポリエス
テル樹脂とすることができる。この重縮合反応は加圧又
は減圧操作あるいは不活性ガスを流入させて促進させる
こともできる。さらに、反応の際にジ−n−ブチル錫オ
キサイドなどの有機金属触媒などをエステル化触媒とし
て使用することもできる。工業的には、通常、直接エス
テル化法が有利に使用され、加圧せずに反応を行う際に
は、通常、エステル交換法が有利に使用される。
【0025】ポリエステル樹脂(a)としては、数平均
分子量が3,000〜10,000、好ましくは5,0
00〜9,000及び水酸基価が10〜40mgKOH
/g、好ましくは10〜25mgKOH/gのものが用
いられる。したがって、上記の重縮合反応は、かかる性
状をもつポリエステル樹脂が得られるように、上記酸成
分とアルコール成分との配合比、各成分の種類などが適
宜選択される。
【0026】本発明組成物における酸無水基含有ポリエ
ステル樹脂(B)を得るために、上記ポリエステル樹脂
(a)に反応させるエステル化合物(b)としては、分
子中に2個以上のカルボン酸無水基を含有する分子量が
400〜700、好ましくは400〜600のエステル
化合物が使用される。そのようなエステル化合物(b)
の代表例としては、下記式(1)で表される化合物を挙
げることができる。
【0027】R(−O−X)k (1) 式中、Rは炭素原子数2〜6のアルキレン基又はアルカ
ントリイル基であり、Xは下記式(2)で表される無水
トリメリット酸残基を示し、kは2または3である。
【0028】
【化2】
【0029】上記式(1)で表される化合物は、例え
ば、炭素原子数2〜6のアルキレングリコール又はアル
カントリオールを無水トリメリット酸とエステル化反応
させることにより得ることができる。このエステル化反
応に用いられる上記炭素原子数2〜6のアルキレングリ
コールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2
−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,
2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオールなどを挙げることができ、これらの
うちエチレングリコールが特に好ましい。また、上記の
アルカントリオールとしては、例えば、グリセリン、
1,2,3−ブタントリオール、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオールなど
を挙げることができ、これらのうちグリセリンが特に好
ましい。
【0030】酸無水基含有ポリエステル樹脂(B)を得
るための、前記ポリエステル樹脂(a)と上記エステル
化合物(b)との反応は、ポリエステル樹脂(a)中の
水酸基にエステル化合物(b)の酸無水基を反応させて
樹脂中に酸無水基を導入する反応であり、それ自体既知
のエステル化法によって行うことができる。上記反応に
おけるポリエステル樹脂(a)とエステル化合物(b)
との配合割合は、水酸基に対して酸無水基が過剰となる
割合、通常、水酸基1モルに対して酸無水基が1.5〜
3.0モル、好ましく1.7〜2.3モルとなる割合と
することができる。
【0031】本発明において、酸無水基含有ポリエステ
ル樹脂(B)としては、上記の如くして製造される、数
平均分子量が3,400〜12,000、好ましくは
6,000〜10,000;全酸価が30〜90mgK
OH/g、好ましくは35〜65mgKOH/g;酸無
水基が当量2,000〜6,000g/当量、好ましく
は3,000〜5,500g/当量;及び軟化点が50
〜140℃、好ましくは80〜130℃の酸無水物基含
有ポリエステル樹脂が使用される。
【0032】上記樹脂(B)において、数平均分子量が
3,400未満となると得られる塗膜の塗膜強度、加工
性が十分でなくなり、一方、数平均分子量が12,00
0を超えると得られる塗膜の被塗物との密着性、耐水性
が低下する。樹脂(B)の全酸価が30mgKOH/g
未満となると硬化性が低下して、得られる塗膜の耐水性
が低下し、一方、全酸価が70mgKOH/gを超える
と得られる塗膜の加工性が低下する。また、樹脂(B)
における酸無水基当量が2,000g/当量未満となる
と得られる塗膜の加工性が低下し、一方、6,000g
/当量を超えると塗膜の硬化性が低下する。さらに、樹
脂(B)の軟化点が50℃未満となると貯蔵時にブロッ
キングしやすくなり、一方、140℃を超えると塗料化
時に混練不良を起こしたり、加熱硬化時において樹脂
(B)が溶融されにくくなり硬化性が劣ったり塗面平滑
性が低下しやすくなるという問題がある。
【0033】硬化触媒(C) 硬化触媒(C)としては、本発明粉体塗料組成物の加熱
硬化時において、前記エポキシ樹脂(A)と上記酸無水
基含有ポリエステル樹脂(B)との架橋反応を促進でき
るものであればよく、例えば、塩化コリン、有機カルボ
ン酸金属塩、イミダゾール化合物などを挙げることがで
きる。
【0034】上記塩化コリンは化学式[HOCH2CH2
N(CH3)3]+・Cl-で表される化合物であり、また、
上記有機カルボン酸金属塩としては炭素原子数5〜24
の脂肪酸の金属塩が好ましく、その具体例としては、2
−エチルヘキサン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジオ
クチレート、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキ
サン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムなどを挙げることが
できる。イミダゾール化合物としては、例えば、イミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソ
プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・ト
リメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダ
ゾリウム・トリメリテート、1−シアノエチル−2−フ
ェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾ
リル−(1)]−エチルS−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−
エチルS−トリアジン、1−ドデシル−2−メチル−3
−ベンジルイミダゾリウム・クロライド、1,3−ジベ
ンジル−2−メチルイミダゾリウム・クロライドなどを
挙げることができる。上記硬化触媒のうち、塩化コリ
ン、2−エチルヘキサン酸錫が特に好適である。
【0035】本発明粉体塗料組成物 本発明粉体塗料組成物における前記エポキシ樹脂(A)
と上記酸無水基含有ポリエステル樹脂(B)との配合割
合は、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基/ポリエステ
ル樹脂(B)中の酸無水基のモル比が、一般に2/1〜
1/2、好ましくは1.3/1〜1/1.6となるよう
にすることができる。上記配合割合が上記範囲から外れ
ると、塗料の硬化性が不十分となり、缶体への密着性、
加工性、耐水性、耐腐食性、風味保持性などが低下する
ので好ましくない。
【0036】本発明粉体塗料組成物において、硬化触媒
(C)の配合割合は、特に制限されるものではないが、
通常、前記エポキシ樹脂(A)と前記酸無水基含有ポリ
エステル樹脂(B)との総和100重量部に対して、
0.01〜5重量部、特に0.1〜2.0重量部である
ことが、触媒効果、得られる塗膜の平滑性、耐水性など
の点から好ましい。
【0037】本発明粉体塗料組成物は、前記エポキシ樹
脂(A)、前記酸無水基含有ポリエステル樹脂(B)及
び硬化触媒(C)のみからなっていてもよいが、必要に
応じて、塗面改良剤、固形ワックス類、着色顔料、体質
顔料、軟化点が50〜140℃の改質樹脂などを含有し
てもよい。体質顔料として、シリカ微粉末又は酸化アル
ミニウム微粉末を配合すると、塗料粉末の流動性が良く
なるので有利である。シリカ微粉末及び酸化アルミニウ
ム微粉末は、それぞれ単独で又は混合して配合すること
ができ、その配合量は、両者の合計量が、樹脂(A)と
樹脂(B)との和100重量部に対して、0.1〜5.
0重量部の範囲内となるようにすることが好ましい。
【0038】本発明粉体塗料組成物を得るためには、本
発明組成物を形成する各成分を、例えば、通常のニーダ
ーやエクストルーダーなどのよって、増粘、ゲル化現象
の起らない温度、時間条件(通常、50〜160℃で3
〜60秒)にて溶融、混練し、冷却後、粉砕し、分級機
にかければよく、これによって所望の粒度分布をもつ粉
体塗料を得ることができる。粉体塗料の粒径は、通常、
1〜80μm程度であることが好ましい。
【0039】塗装 本発明粉体塗料組成物を塗布する缶を形成する金属素材
としては、例えば、無処理鋼板、錫メッキ鋼板、亜鉛メ
ッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、鋼板、燐酸塩処理鋼板、
クロム酸処理鋼板、無処理アルミニウム板、クロム酸処
理アルミニウム板などが挙げられる。金属素材への本発
明組成物の塗装は、例えば静電塗装によって行うことが
でき、塗装後、通常、約160〜約350℃の温度で約
7〜約180秒間焼付け乾燥することによって硬化塗膜
を形成することができる。
【0040】本発明粉体塗料組成物は、一般に、缶内面
及び缶外面の塗装に使用することができる。缶内面及び
缶外面への塗装としては、例えば、2ピース缶や3ピー
ス缶の内面及び外面への塗装、缶胴や蓋を形成するシー
ト状金属板への塗装、塗膜を形成したシート状金属板を
切断し、その両端を重ね合せて溶接した缶内外面の缶胴
溶接部(サイドシーム部)の補修塗装などを挙げること
ができる。
【0041】本発明粉体塗料組成物は、エポキシ樹脂
(A)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ
樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を使用すること
によって衛生性に問題のない材料とすることができ、缶
内面塗装性、加工性が良好なことから2ピース缶内面塗
装にも適した組成物とすることができる。
【0042】本発明粉体塗料組成物は、硬化塗膜厚が、
缶内面及び缶外面の一般部においては、通常、2〜20
μm、サイドシーム部の補修塗装においては溶接段差を
十分に被覆するために、通常、30〜100μmの範囲
内となるように塗装することが望ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例中、「部」及び「%」はいずれも重量
基準によるものとする。
【0044】酸無水基含有ポリエステル樹脂(B)の製
実施例1〜9及び比較例1〜4 後記表1に示すアルコール成分を、撹拌装置、加熱装
置、温度計、窒素ガス導入管、分溜装置及び溜出液貯槽
を備えたステンレス製耐圧反応容器に仕込み、撹拌しな
がら160℃まで昇温し内容物を溶液状態とした。
【0045】この反応容器内に後記表1に示すテレフタ
ル酸量の1/2量のテレフタル酸及び反応触媒であるジ
ブチル錫オキサイドを仕込み、反応器を密閉し、加圧用
窒素ガスを導入して2kg/cm2に加圧した。反応器
内の温度が上昇するに従い反応器内の圧力も上昇する
が、240℃に達する時点で圧力が3.5kg/cm2
になるよう窒素ガスを導入しながら反応器内の圧力を調
整した。分溜装置頂部の温度が150℃を超えないよう
に反応器内の温度、圧力を調整するとともに、生成する
縮合水を溜出液貯槽に溜めながら、反応を続行した。温
度が240℃に達してから1.5時間後、縮合水の溜出
量が理論値の90%を超えたところで冷却し、180℃
になったところで系の圧力を放出した。
【0046】次いで、反応器中へ後記表1に示す残量の
テレフタル酸及びその他の酸成分を仕込み、分溜装置頂
部の温度が100℃を超えないようにして、窒素ガス気
流により生成する縮合水を系外に除去しながら徐々に2
40℃まで昇温し、その温度でエステル化反応を続行し
た。反応の途中で適時、反応物サンプルを採取し、ピリ
ジンを溶媒として1/10規定のアルコール性KOH溶
液で滴定する方法により反応物の酸価を測定し、この値
が所定の範囲内に入った後、190℃に内容物を冷却し
て、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂(a)を得
た。得られたポリエステル樹脂(a)の数平均分子量、
水酸基価及び酸価を後記表1に示す。
【0047】次いで、反応器中へカルボン酸無水基を含
有する各エステル化合物(b)を添加して2時間撹拌を
行い付加反応させ、酸無水基含有ポリエステル樹脂
(B)を得た。得られた樹脂(B)の数平均分子量、全
酸価、酸無水基当量及び軟化点を後記表1に示す。表1
における各成分の配合量はモル量による表示である。
【0048】また、表1における(註)は下記の意味を
有する。
【0049】(注1)エステル化合物(b)−1:1分
子中に無水トリメリット酸残基を2個有する下記式で表
されるエステル化合物、分子量410。
【0050】X−O−CH2 CH2 −O−X 上記式中、Xは前記式(2)で表される無水トリメリッ
ト酸残基を示す。
【0051】(注2)エステル化合物(b)−2:1分
子中に無水トリメリット酸残基を3個有する下記式で表
されるエステル化合物、分子量614。
【0052】
【化3】
【0053】上記式中、Xは前記式(2)で表される無
水トリメリット酸残基を示す。
【0054】
【表1】
【0055】粉体塗料の製造 実施例10 エピコート1004(商品名、油化シェルエポキシ
(株)製、数平均分子量約1400、エポキシ当量約9
20のビスフェノールA型エポキシ樹脂、融点約97
℃、後記表2及び3において「E1004」と略記す
る)20部、製造例1で得たポリエステル樹脂B−1
95.6部、カープレックスFPS500(シオノギ製
薬(株)製、シリカ微粉末、後記表2及び3において
「FPS500」と略記する)0.6部、塩化コリン
0.6部及びモダフロー(米国、モンサント社製、粉末
状表面調整剤)1.2部をドライブレンドした後、ブス
コニーダーPR46(ブス社製)で溶融混練した。次い
で冷却後、粉砕機及び分級機を用いて粒径5〜75μ
m、平均粒径約40μmの粉体塗料を得た。
【0056】実施例11〜31及び比較例5〜16 実施例10において、原料配合を後記表2に示すとおり
とする以外は実施例10と同様の操作を行なって粒径5
〜75μm、平均粒径約40μmの粉体塗料を得た。
【0057】実施例32〜39及び比較例17〜28 実施例10において、原料配合を後記表3に示すとおり
とし、粉砕機及び分級機によって粒径1〜30μm、平
均粒径約15μmの粉体塗料する以外は実施例1と同様
の操作を行なって粉体塗料を得た。
【0058】後記表2及び表3中における(註)は下記
の意味を有する。
【0059】(注1)及び(注2)は前記と同様の意味
を有する。
【0060】(注3)YD177:東都化成(株)製、
商品名「エポトートYD177」、数平均分子量334
0、融点100℃のダイマー酸変性エポキシ樹脂。
【0061】試験方法 実施例10〜31及び比較例5〜16で得た各粉体塗料
について、缶内面のサイドシーム部の補修塗装用として
の適応性について試験するため下記方法(1)に従って
塗装板を作成した。
【0062】塗装板の作成方法(1) 実施例10〜31及び比較例5〜16で得た各粉体塗料
を#25ブリキ板に乾燥塗膜厚が約45μmとなるよう
に静電塗装し、板温195〜205℃を30秒間保持す
る条件で焼き付けて硬化させ各塗装板を作成した。
【0063】実施例32〜39及び比較例17〜28で
得た各粉体塗料については、缶胴内面部の塗装用として
の適応性について試験するため下記方法(2)に従って
塗装板を作成した。
【0064】塗装板の作成方法(2) 実施例32〜39及び比較例17〜28で得た各粉体塗
料を#25ブリキ板に乾燥塗膜厚が約15μmとなるよ
うに静電塗装し、215℃で60秒間焼き付けて硬化さ
せ各塗装板を作成した。
【0065】上記塗装板の作成方法(1)及び(2)で
得た各塗装板について、塗面状態、ゲル分率、加工性、
加工部の耐水性、耐水性(一般部)、密着性、耐水試験
後の密着性について下記方法に従って試験を行った。
【0066】1) 塗面状態:塗装板の塗面を目視観察
し、下記の基準によって評価した。
【0067】 ○:塗面全面が滑らかで、発泡なども認められない △:塗面全面に僅かに凹凸がみられ、小さい発泡が認め
られる ×:塗面全面に僅かに凹凸がみられ、大きい発泡が認め
られる。
【0068】2) ゲル分率:フラスコ内に、重量W2
塗装板を入れ、メチルエチルケトン/塗装板の塗装面積
=100cc/100cm2 となるようにメチルエチル
ケトンを入れ、加熱還流下で1時間抽出を行った後、塗
装板を取出し120℃で30分間乾燥させ室温まで冷却
後、重量W3 を測定した。塗装板に塗料を塗装する前の
ブリキ板の重量をW1 とし、ゲル分率(%)は下記式に
よって求めた。 ゲル分率(%)={(W3 −W1 )/(W2 −W1 )}
×100 3) 加工性:塗装板の下部に塗膜面を外側にして180
度折曲げ部を設け、特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験機
を用いて、この折曲げ部に接触面が平らな重さ1kgの
鉄の錘を高さ50cmから落下させた時に生ずる折曲げ
部分の塗膜の亀裂の長さを測定し、以下の基準で評価し
た。
【0069】 ◎:5mm未満 ○:5mm以上で10mm未満 △:10mm以上で20mm未満 ×:20mm以上。
【0070】4) 加工部の耐水性:上記加工性の試験を
行った塗装板をオートクレーブ中、125℃の脱イオン
水に35分間浸漬し、引上げた後、塗膜の亀裂の長さを
測定した。評価は上記加工性試験の評価基準により行っ
た。
【0071】5) 耐水性(一般部):塗装板をオートク
レーブ中、125℃の脱イオン水に35分間浸漬し引上
げた後、塗膜の白化状態を観察し以下の基準により評価
した。
【0072】◎:塗膜に全く白化が認められない。
【0073】〇:塗膜に僅かな白化が認められる。
【0074】△:塗膜にかなりの白化が認められる。
【0075】×:塗膜に著しい白化が認められる。
【0076】6) 密着性:塗装板の塗膜にナイフを使用
して約1.5mmの幅で縦、横それぞれ11本の切り目
をゴバン目に入れ、24mm幅のセロハン粘着テープを
密着させ、強く剥離した時のゴバン目部の塗膜を観察
し、以下の基準により評価した。
【0077】◎:全く剥離が認められない。
【0078】〇:僅かな剥離が認められる。
【0079】△:かなりの剥離が認められる。
【0080】×:著しい剥離が認められる。
【0081】7) 耐水試験後の密着性:塗装板をオート
クレーブ中、125℃の脱イオン水に35分間浸漬し引
上げた後、塗膜にナイフを使用して約1.5mmの幅で
縦、横それぞれ11本の切り目をゴバン目に入れ、24
mm幅のセロハン粘着テープを密着させ、強く剥離した
時のゴバン目部の塗膜を観察した。評価は上記密着性試
験の評価基準により行った。
【0082】耐腐食性及び風味保持性試験のための缶胴
の作成 缶内面のサイドシーム部を補修塗装した缶胴の作成 #25ブリキ板に溶接のためのマージン部を残し、缶内
面用溶液型エポキシ−フェノール樹脂塗料を乾燥膜厚が
5μmとなるよう塗装、焼付けを行い硬化塗膜を形成し
た。この塗板をスリーピース缶用缶胴に溶接し、この溶
接缶体の内面溶接部に実施例10〜31及び比較例5〜
16で得た各粉体塗料を乾燥膜厚が約45μm、塗布幅
が約15mmとなるように静電塗装し、板温180〜2
00℃を30秒間保持する条件で焼き付け硬化させて補
修塗装した各缶胴を作成した。
【0083】2ピース缶の缶胴の作成 内容量250ccのスチール製2ピース缶の内面に、実
施例32〜39及び比較例17〜28で得た各粉体塗料
を乾燥膜厚が約15μmとなるように静電塗装し、21
5℃で60秒間焼き付けて硬化させ2ピース缶の缶胴を
作成した。
【0084】上記補修塗装した缶胴及び2ピース缶の缶
胴に各試験液を入れ、巻き締めして下記耐腐食性及び風
味保持性の試験を行った。なお補修塗装した缶胴につい
ては上下の蓋を巻き締めし、2ピース缶の缶胴について
は上蓋を巻き締めた。
【0085】8) 耐腐食性:上記それぞれの缶胴を用
い、10%パインジュースを98℃でホットパック充填
巻き締めし、37℃で6ケ月間保存後、開缶し、内面の
腐食の状態を観察し、以下の基準により評価した。
【0086】〇:腐食が認められない。
【0087】△:腐食が僅かに認められる。
【0088】×:腐食が著しい。
【0089】9) 風味保持性:上記それぞれの缶胴を用
い、水道水を活性炭で処理した水を250cc充填し、
巻き締めを行い、125℃で30分間殺菌処理後、37
℃で6ケ月間保存した後、風味試験を実施し、以下の基
準により評価した。
【0090】◎:全く変化が認められない。
【0091】〇:僅かに変化が認められる。
【0092】△:かなりの変化が認められる。
【0093】×:著しい変化が認められる。
【0094】また、各実施例及び比較例で得られた粉体
塗料について、粉体流動性及び粉体貯蔵性の試験を下記
方法に基づいて行った。
【0095】10) 粉体流動性:温度20℃、湿度60
%RHの条件下で、粉体塗料の安息角を測定した。評価
は下記基準に従って行った。
【0096】〇:安息角が45度以下である。
【0097】△:安息角が45度を超え、50度以下で
ある。
【0098】×:安息角が50度を超える。
【0099】11) 粉体貯蔵性:粉体塗料を40℃の雰
囲気下に7日間貯蔵した後、取出して状態を調査した。
【0100】○:固まりが全く認められない。
【0101】△:粉体塗料が融着しているが、指でほぐ
れる。
【0102】×:粉体塗料が融着しており指でほぐれな
い。
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
【発明の効果】上記のとおり、本発明粉体塗料組成物
は、短時間焼付けで、基材上へ塗面状態、密着性、高度
の加工性、耐水性、硬化性、耐腐食性、風味保持性等に
優れた塗膜を形成することができるものである。本発明
塗料組成物は、エポキシ樹脂と組合わせる硬化剤とし
て、酸無水基を有する分岐の少ないポリエステル樹脂を
使用することにより、塗膜の硬化性と高度の加工性とを
両立させることに成功したものである。
【0109】また、本発明組成物は、残留溶剤がほとん
どなく、材料を選択することによって缶内面塗膜として
食品、飲料等に直接接触しても衛生上問題のない塗膜を
形成することができる。さらに、本発明組成物は、サイ
ドシーム部の補修塗装においても、硬化時の発泡がな
く、塗膜性能の優れた塗膜を形成することができる。
【0110】また、本発明組成物は粉体塗料であるた
め、塗装時に有機溶剤の揮散による大気汚染の問題がな
いという効果を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を80〜100モル
    %の割合で含有する酸成分と脂肪族ジオールを92〜1
    00モル%の割合で含有するアルコール成分とを反応さ
    せてなる、数平均分子量3,000〜10,000及び
    水酸基価10〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂
    (a)に、分子中に2個以上のカルボン酸無水基を含有
    する分子量400〜700のエステル化合物(b)を、
    ポリエステル樹脂(a)中の水酸基1モルに対してエス
    テル化合物(b)中の酸無水基が1.5〜3.0モルと
    なる割合で反応させてなる、数平均分子量3,400〜
    12,000、全酸価30〜90mgKOH/g、酸無
    水基当量2,000〜6,000g/当量及び軟化点5
    0〜140℃の粉体塗料用酸無水基含有ポリエステル樹
    脂。
  2. 【請求項2】 エステル化合物(b)が、下記式(1) R(−O−X)k (1) 式中、Rは炭素原子数2〜6のアルキレン基又はアルカ
    ントリイル基であり、Xは下記式(2) 【化1】 で表される無水トリメリット酸残基を示し、kは2また
    は3である、で表される化合物である請求項1記載のポ
    リエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 (A)軟化点50〜140℃及びエポキ
    シ当量180〜4,000の、ビスフェノール型エポキ
    シ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂から選ばれるエポ
    キシ樹脂、(B)請求項1記載の酸無水基含有ポリエス
    テル樹脂、及び(C)硬化触媒を含有し、エポキシ樹脂
    (A)中のエポキシ基/酸無水基含有ポリエステル樹脂
    (B)中の酸無水基のモル比が2/1〜1/2であるこ
    とを特徴とする粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、(D)微粉末シリカ及び微粉末
    酸化アルミニウムから選ばれる無機質微粉末を含有する
    ことを特徴とする請求項3記載の粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の粉体塗料組成物を缶の内
    面又は外面に塗装し、焼き付けることを特徴とする缶の
    塗装方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の粉体塗料組成物を缶の缶
    胴溶接部に塗装し、焼き付けることを特徴とする缶の缶
    胴溶接部の塗装方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246802A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Toyo Ink Mfg Co Ltd ポリエステル樹脂およびその製造方法
WO2020175329A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 テルモ株式会社 医療用具の製造方法および医療用具

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