JPH11116680A - ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法

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JPH11116680A
JPH11116680A JP22378998A JP22378998A JPH11116680A JP H11116680 A JPH11116680 A JP H11116680A JP 22378998 A JP22378998 A JP 22378998A JP 22378998 A JP22378998 A JP 22378998A JP H11116680 A JPH11116680 A JP H11116680A
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龍彦 足立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒径分布が単分散で、かつ分散性に優れるポ
リオルガノシロキサン微粒子が効率よく製造する方法を
提供する。 【解決手段】 一般式(I) R1nSi(OR2)4-n・・・(I) (式中、各記号は明細書に記載のとおりである。)で表
されるケイ素化合物と、アンモニアおよび/またはアミ
ンを含有する水溶液または水と有機溶剤との混合溶剤溶
液とを反応させた後に、アンモニアおよび/またはアミ
ンを反応系に添加して熟成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオルガノシロ
キサン微粒子の製造方法の改良に関し、さらに詳しく
は、液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして好適
な、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン微粒子
を高精度に、かつ効率よく製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、粒径分布が単分散状のシリカ粒子
(以下、単に単分散シリカ粒子ということがある)は、
各種充填材やセラミックス原料などとして有用であるこ
とが知られているが、特に最近では、液晶表示装置のス
ペーサとしての用途が注目され、使用され始めている。
【0003】液晶表示装置のスペーサには、従来ガラス
ファイバーチップあるいは合成樹脂の微粒子が用いられ
てきた。しかしながらガラスファイバーチップはファイ
バー径精度には優れているものの、その長さにばらつき
が大きく、余りに長いものは目視され画質を低下するお
それがあり、またその端部が鋭利であるため、基板上に
成形された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいは
電気素子などを傷つけてしまうおそれがある。また、合
成樹脂の微粒子は粒径精度が劣るため、液晶表示装置用
スペーサとして要求される性能を満たし得ないことがあ
る。したがって、より高度のギャップ精度を要求される
場合には、粒径精度が良く、かつ球形で、基板上に形成
された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはIT
O導電膜等の電気素子を傷つけるおそれのないものが要
求される。
【0004】これらの要求を満たすものとして、シリコ
ンアルコキシドを加水分解・重縮合することによって得
られたシリカ粒子が提案されている。このシリカ粒子
は、 (1)純度が高く、溶出成分による液晶への影響が少な
い (2)粒径精度が良く、下式 CV(%)=[微粒子径の標準偏差(μm)]/[平均
粒子径(μm)]×100 で得られるCV値(変動係数)を10%以下とすること
ができる (3)ほとんど完全な真球にすることができるため、基
板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあ
るいはITO導電膜等の電気素子などを傷つけるおそれ
がないなどの利点を有している。
【0005】シリコンアルコキシドの加水分解・重縮合
により得られたシリカ粒子は上記のような利点を有する
ため、これまで数多くの製造方法が提案されている。例
えば、球状ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法と
して、メチルトリアルコキシシランやその部分加水分解
縮合物と、アンモニアやアミンを含む水溶液または水と
有機溶剤との混合溶剤溶液とを、実質上混合することな
く、2層状態を保持しながら反応させる方法が提案され
ている(特公平4−70335号公報)。この方法は、
ミクロンサイズの単分散球状粒子を1段階の反応で容易
に得ることができるという利点がある。この方法におい
ては、粒子成長の後、ポリメチルシルセスキオキサン粒
子が分散したアンモニア性水溶液を、例えば50℃に加
熱して加水分解反応を促進させ、次いで生成した粒子を
溶液から分離し、乾燥して単分散球状のポリメチルシル
セスキオキサン粒子を得ている。
【0006】さらに、上記2層系の反応においては、メ
チルトリアルコキシシラン以外に、加水分解されない有
機基を有する加水分解性シラン化合物であるオルガノト
リアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、
トリオルガノアルコキシシランのそれぞれ単独または2
種以上の混合物、またはこれらとテトラアルコキシシラ
ンとの混合物を含み、かつ下層のアンモニア水やアミン
水溶液の比重より小さい混合系において、ポリメチルシ
ルセスキオキサン粒子と同様にミクロンサイズの単分散
球状ポリオルガノシロキサン微粒子を合成することが知
られている。
【0007】しかしながら、上記の製造方法において
は、水分を蒸発させて乾燥粒子を得る工程において、粒
子同士が化学的に凝集して単分散性が損なわれやすいと
いう問題があった。化学的な凝集が発生すると、ボール
ミルやジェットミルなどの機械的粉砕(=解砕)工程を
必要とするばかりか、粉砕工程において機械からのコン
タミが発生しやすく、特に異物の混入をきらう液晶スペ
ーサや標準粒子の製造方法としては不適である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術における問題を解決し、乾燥後の粒子の機械的
粉砕や解砕処理を必要とせずに、粒径分布が単分散で、
かつ分散性に優れるポリオルガノシロキサン微粒子を効
率よく得ることができる方法を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、まず従来の2層系反応法における凝
集粒子の発生原因について詳細に検討したところ、下層
のアンモニアやアミンの水溶液中で成長するポリオルガ
ノシロキサン微粒子は、成長段階ではまだ充分な固体状
態にはなっておらず、液滴に近い状態で水溶液中に分散
していることが原因であること、すなわち、粒子の成長
が終わって粒子が分散した液を加熱して熟成する工程に
おいて、粒子表面及び内部の加水分解反応および重縮合
反応が不充分であるため、乾燥工程において縮合反応が
進行して、粒子同士の接触部分に化学結合が生じるた
め、凝集体を形成しやすくなることに着目した。
【0010】本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結
果、2層系の反応において、上層が消失した後に、反応
系にアンモニアやアミンをさらに添加し、熟成すること
により、乾燥工程において凝集が生じることのないポリ
オルガノシロキサン微粒子が得られること、そして2層
系でなく混合均一系の反応においても、反応がある程度
進行した時点で、反応系にアンモニアやアミンをさらに
添加し、熟成することにより、乾燥工程において凝集が
生じることのないポリオルガノシロキサン微粒子が得ら
れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0011】すなわち、本発明は、一般式(I) R1nSi(OR2)4-n ・・・(I) (式中、R1は非加水分解性基であって、炭素数1〜2
0のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しく
はエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリー
ル基または炭素数7〜20のアラルキル基、R2は炭素
数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1
が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異な
っていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたが
いに同一であっても異なっていてもよい。)で表される
ケイ素化合物と、アンモニアおよび/またはアミンを含
有する水溶液または水と有機溶剤との混合溶剤溶液とを
反応させた後に、アンモニアおよび/またはアミンを反
応系に添加して熟成させることを特徴とするポリオルガ
ノシロキサン微粒子の製造方法を提供するものである。
【0012】また、本発明を実施するための好ましい態
様は、上記一般式(I)で表される単独物もしくは混合
物の比重(23℃)が1以下であるケイ素化合物と、ア
ンモニアおよび/またはアミンを含有する水溶液または
水と有機溶剤との混合溶剤溶液とを、実質上混合するこ
となく2層状態を保持しながら界面で反応させ、上層の
ケイ素化合物が実質上消失した後に、アンモニアおよび
/またはアミンを反応系に添加して熟成させる方法であ
る。また本発明を実施するための好ましい態様は、熟成
後に得られた粒子について焼成処理を行う方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、原料と
して、一般式(I) R1nSi(OR2)4-n ・・・(I) で表されるケイ素化合物が用いられる。
【0014】上記一般式(I)において、R1は炭素数
1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基
若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20の
アリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。
ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数
1〜10のものが好ましく、またこのアルキル基は直鎖
状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルキ
ル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基などが挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシ
基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキ
ル基としては、上記置換基を有する炭素数1〜10のア
ルキル基が好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分
岐状、環状のいずれであってもよい。この置換基を有す
るアルキル基の例としては、γ−アクリロイルオキシプ
ロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−
グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキ
シル基などが挙げられる。炭素数2〜20のアルケニル
基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好まし
く、また、このアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状の
いずれであってもよい。このアルケニル基の例として
は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、
オクテニル基などが挙げられる。炭素数6〜20のアリ
ール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、例
えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基な
どが挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基として
は、炭素数7〜10のものが好ましく、例えばベンジル
基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチ
ル基などが挙げられる。
【0015】一方、R2は炭素数1〜6のアルキル基で
あって、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよ
く、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など
が挙げられる。nは1〜3の整数であり、R1が複数あ
る場合、各R1はたがいに同一であってもよいし、異な
っていてもよく、またOR2が複数ある場合、各OR2は
たがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0016】前記一般式(I)で表されるケイ素化合物
の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチル
トリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシ
シラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが
挙げられる。
【0017】本発明においては、原料として、前記一般
式(I)で表されるケイ素化合物を1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の方
法においては、前記ケイ素化合物を加水分解・縮合させ
てポリオルガノシロキサン微粒子を生成させるため、ア
ンモニアおよび/またはアミンを含有する水溶液または
水と有機溶剤との混合溶剤溶液(以下、アンモニアおよ
び/またはアミン含有水性溶液と称す。)が用いられ
る。
【0018】上記アンモニアやアミンは、一般式(I)
で表されるケイ素化合物の加水分解、縮合反応の触媒で
ある。ここで、アミンとしては、例えばモノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミンなどを好ましく挙げることができ
る。このアンモニアやアミンは単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよいが、毒性が少な
く、除去が容易で、かつ安価なことから、アンモニアが
好適である。
【0019】このアンモニアやアミンは、水溶液または
水と有機溶剤との混合溶剤溶液として用いられる。ここ
で、有機溶剤としては、水混和性のものが好ましく、例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどの低級アルコール類、アセトン、ジメチルケト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテルなどのエーテル類などが挙げ
られる。
【0020】アンモニアやアミンの使用量としては特に
制限はないが、反応開始前の水層のpHが、7.50〜
11.0の範囲になるように選定するのが好ましい。本
発明の方法における反応形式としては特に制限はなく、
混合均一系反応および2層系反応のいずれも用いること
ができるが、反応操作が容易な点から2層系反応の方が
有利である。
【0021】まず、混合均一系反応について説明する。
この混合均一系反応においては、前記一般式(I)で表
されるケイ素化合物とアンモニアおよび/またはアミン
含有水性溶液とを混合し、撹拌しながら、混合均一系に
て反応させる。この際の反応温度は、原料のケイ素化合
物の種類などに左右されるが、一般的には0〜60℃の
範囲で選ばれる。次に、ケイ素化合物の加水分解・縮合
反応により、ポリオルガノシロキサン微粒子が生成しは
じめてから(反応液が白濁し始めてから)、ある程度反
応が進行した時点で、反応系にアンモニアおよび/また
はアミンを添加して、熟成を行う。
【0022】このアンモニアやアミンを添加する時期の
決定は重要である。すなわち、あまり反応が進行してい
ない時点で添加すると、その時点では生成粒子径が小さ
く、未反応のケイ素化合物が多量に存在するため、微小
粒子が多数発生し、歩留まりが低下する上、分級処理回
数が多くなるなどの問題が生じる。一方、反応が進行し
すぎた時点で添加すると、粒子同士の凝集が生じ、巨大
粒子が生成するようになるなどの問題が生じる。
【0023】このアンモニアやアミンの適正な添加時期
は、原料の種類、反応温度、pHなどによって左右され
るので、予め予備実験において、原料の種類、反応温
度、pHなどと適正な添加時期との関係を調べておき、
これを利用して、適正な時期にアンモニアやアミンを添
加するのが望ましい。
【0024】アンモニアやアミンの添加量は特に制限は
ないが、反応系のpHが9.0〜12.0の範囲になる
ように選ぶのが望ましい。熟成温度は上記の反応の際と
同じ温度で行ってもよいし、若干昇温して行ってもよ
い。また、熟成時間は反応温度やpHなどによって左右
され、一概に定めることはできないが、通常は1〜20
時間程度で充分である。
【0025】次に、2層系反応について説明する。この
2層系反応においては、原料のケイ素化合物として、前
記一般式(I)で表される単独物もしくは混合物の比重
(23℃)が1以下であるものが用いられる。まず、こ
のケイ素化合物とアンモニアおよび/またはアミン含有
水性溶液とを、実質上混合することなく、2層状態を保
持しながら、界面で反応させる。
【0026】この反応においては、ケイ素化合物層とア
ンモニアやアミン溶液層とが、実質上混合することな
く、2層状態を保持するように穏やかに撹拌することが
必要である。これにより、上層のケイ素化合物が加水分
解されて下層に移行し、そこでポリオルガノシロキサン
微粒子が成長する。この際の反応温度は、原料のケイ素
化合物の種類などに左右されるが、一般的には0〜60
℃の範囲で選ばれる。
【0027】この2層系反応においては、上層が消失し
たのち、反応系にアンモニアおよび/またはアミンを添
加し、熟成させる。この熟成は上記の反応の際と同じ温
度で行ってもよいし、若干昇温して行ってもよい。アン
モニアやアミンの添加量は特に制限はないが、反応系の
pHが9.0〜12.0の範囲になるように選ぶのが望
ましい。熟成時間は、反応温度やpHなどによって左右
され、一概に定めることはできないが、通常は1〜20
時間程度で充分である。
【0028】この2層系反応においては、アンモニアお
よび/またはアミンの添加を、上層が実質上消失した時
点で行えばよいので、前記混合均一系反応のように、予
備実験などを行う必要がなく、反応操作が簡単で有利で
ある。
【0029】このようにして、混合均一系反応または2
層系反応において熟成を終了した後は、常法に従い生成
した粒子に充分に洗浄したのち、必要ならば分級処理を
行い、極大粒子または極小粒子を取り除き、乾燥処理を
行う。分級処理方法としては特に制限はないが、粒径に
より沈降速度が異なるのを利用して分級を行う湿式分級
法が好ましい。乾燥処理は、通常100〜200℃の範
囲の温度で行われる。本発明においては、この乾燥処理
において、粒子の凝集が実質上生じることはない。
【0030】カーボンブラック微粒子含有ポリオルガノ
シロキサン微粒子は、液晶装置用スペーサとして必要な
圧縮強度を得るために、必要に応じ、焼成処理してもよ
い。この焼成処理は、窒素などの不活性雰囲気下または
真空中において、200〜1000℃、特に300〜8
00℃の範囲の温度で行うのが好ましい。この温度が2
00℃未満では充分な圧縮強度が得られない場合がある
し、1000℃を超えると粒子が硬くなりすぎる場合が
あり、好ましくない。焼成温度の選定は、粒子を構成す
る有機基の種類に依存しており、熱分解しやすい有機基
を有する場合、上記焼成温度範囲において比較的低い温
度で処理するのが望ましく、反対に熱分解しにくい有機
基を有する場合には上記焼成温度範囲内で高温で処理す
るのが好ましい。いずれにしても、必要となる破壊強度
や弾性率に応じて最適な条件を選定すればよい。また、
焼成装置については特に制限はなく、電気炉やロータリ
ーキルンなどを用いることができるが、粒子の攪拌が可
能なロータリーキルン中で焼成するのが有利である。
【0031】このような本発明の方法で得られたポリオ
ルガノシロキサン微粒子は、平均粒径が、通常0.5〜
30μm、好ましくは5.0〜15μmであり、また、
粒度分布の変動係数(CV値)が、通常3.0%以下で
あって、真球状の単分散粒子である。従来の2層系反応
法では、乾燥工程で凝集などが生じやすいため、CV値
が3.0%以下で、かつ平均粒径が5.0μm以上のも
のは得られにくかったが、本発明の方法によれば、容易
に製造することができる。なお、変動係数(CV値)は
下式により求められる。 CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0033】実施例1 30℃の恒温槽にセットされた5リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコにイオン交換水3200ミリリッ
トルを入れ、撹拌羽根により20rpmで撹拌し、そこ
に、25重量%アンモニア水0.615ミリリットルを
加え撹拌し、均一溶液としたのち、その上層にメチルト
リメトキシシラン280gを界面が乱れないようにゆっ
くりと加えた。界面からメチルトリメトキシシランが下
層のアンモニア水に移行し、下層で粒子が成長して溶液
が白濁化し、2時間後に上層のメチルトリメトキシシラ
ンが消失した。ただちに、25重量%アンモニア水15
ミリリットルを加え、さらに恒温槽の温度を50℃に上
げ、10時間熟成させた。
【0034】反応終了後、撹拌を止め、遠心分離機で粒
子と溶媒を分離したのち、上澄みを捨て、さらにメタノ
ールを添加して再び粒子を分散させた。再度遠心分離機
による粒子分離およびメタノール添加による粒子洗浄操
作を3回繰り返した。最後にメタノールを取り除き、オ
ーブン中で120℃にて1時間乾燥処理し、ポリメチル
シルセスキオキサン微粒子を得た。この乾燥後の粒子
は、撥水性で極めて流動性に優れた白色の粉末であり、
これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、
平均粒径5.4μm、CV値1.23%の極めて粒径の
揃ったものであった。
【0035】実施例2 30℃の恒温槽にセットされた1リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコにイオン交換水800ミリリット
ルを入れ、撹拌羽根により20rpmで撹拌し、そこ
に、1モル/リットル濃度のアンモニア水0.30ミリ
リットルを加えて撹拌し、均一溶液としたのち、その上
層にビニルトリメトキシシラン70gを界面が乱れない
ようにゆっくりと加えた。界面からビニルトリメトキシ
シランが下層のアンモニア水に移行し、下層で粒子が成
長して溶液が白濁化し、2時間後に上層のビニルトリメ
トキシシランが消失した。ただちに、25重量%アンモ
ニア水5ミリリットルを加え、さらに恒温槽の温度を5
0℃に上げ、10時間熟成させた。
【0036】反応終了後、撹拌を止め、遠心分離機によ
って粒子と溶媒を分離したのち、上澄みを捨て、さらに
メタノールを添加して再び粒子を分散させた。再度遠心
分離機による粒子分離およびメタノール添加による粒子
洗浄操作を3回繰り返した。最後にメタノールを取り除
き、オーブン中で120℃にて1時間乾燥処理し、ポリ
ビニルシルセスキオキサン微粒子を得た。この乾燥後の
粒子は、白色の粉末であり、これを走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、平均粒径4.3μm、C
V値2.08%であった。
【0037】実施例3 30℃の恒温槽にセットされた1リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコにイオン交換水800ミリリット
ルを入れ、撹拌羽根により30rpmで撹拌し、そこ
に、1モル/リットル濃度のアンモニア水0.10ミリ
リットルを加えて撹拌し、均一溶液としたのち、その上
層にメチルトリメトキシシラン40gとビニルトリメト
キシシラン40gの混合液を界面が乱れないようにゆっ
くりと加えた。界面からメチルトリメトキシシランとビ
ニルトリメトキシシランの混合物が下層のアンモニア水
に移行し、下層で粒子が成長して溶液が白濁化し、2時
間後に上層のメチルトリメトキシシランとビニルトリメ
トキシシランの混合物層が消失した。ただちに、25重
量%アンモニア水5ミリリットルを加え、さらに恒温槽
の温度を50℃に上げ、10時間熟成させた。
【0038】反応終了後、撹拌を止め、遠心分離機によ
って粒子と溶媒を分離したのち、上澄みを捨て、さらに
メタノールを添加して再び粒子を分散させた。再度遠心
分離機による粒子分離およびメタノール添加による粒子
洗浄操作を3回繰り返した。最後にメタノールを取り除
き、オーブン中で120℃にて1時間乾燥処理し、ポリ
メチルシルセスキオキサンとポリビニルシルセスキオキ
サンが分子レベルで複合化された単分散微粒子を得た。
この乾燥後の粒子は、白色の粉末であり、これを走査型
電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平均粒径3.
9μm、CV値は2.66%であった。
【0039】実施例4 30℃の恒温槽にセットされた1リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコにイオン交換水800ミリリット
ルを入れ、撹拌羽根により30rpmで撹拌し、そこ
に、1モル/リットル濃度のアンモニア水0.10ミリ
リットルを加えて撹拌し、均一溶液としたのち、その上
層にビニルトリメトキシシラン60gとジメチルジメト
キシシラン20gの混合液を界面が乱れないようにゆっ
くりと加えた。界面からビニルトリメトキシシランとジ
メチルジメトキシシランの混合物が下層のアンモニア水
に移行し、下層で粒子が成長して溶液が白濁化し、2時
間後に上層のビニルトリメトキシシランとジメチルジメ
トキシシランの混合物層が消失した。ただちに、25重
量%アンモニア水5ミリリットルを加え、さらに恒温槽
の温度を50℃に上げ、10時間熟成させた。
【0040】反応終了後、撹拌を止め、遠心分離機によ
って粒子と溶媒を分離したのち、上澄みを捨て、さらに
メタノールを添加して再び粒子を分散させた。再度遠心
分離機による粒子分離およびメタノール添加による粒子
洗浄操作を3回繰り返した。最後にメタノールを取り除
き、オーブン中で120℃にて1時間乾燥処理し、ポリ
ビニルシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンが
分子レベルで複合化された単分散微粒子を得た。この乾
燥後の粒子は、白色の粉末であり、これを走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察したところ、平均粒径5.2μ
m、CV値は2.30%であった。
【0041】実施例5 30℃の恒温槽にセットされた1リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコにイオン交換水800ミリリット
ルを入れ、撹拌羽根により30rpmで撹拌し、そこ
に、1モル/リットル濃度のアンモニア水0.10ミリ
リットルを加えて撹拌し、均一溶液としたのち、その上
層にビニルトリメトキシシラン60gとメチルフェニル
ジメトキシシラン20gの混合液を界面が乱れないよう
にゆっくりと加えた。界面からビニルトリメトキシシラ
ンとメチルフェニルジメトキシシランの混合物が下層の
アンモニア水に移行し、下層で粒子が成長して溶液が白
濁化し、2時間後に上層のビニルトリメトキシシランと
メチルフェニルジメトキシシランの混合物層が消失し
た。ただちに、25重量%アンモニア水5ミリリットル
を加え、さらに恒温槽の温度を50℃に上げ、10時間
熟成させた。
【0042】反応終了後、撹拌を止め、遠心分離機によ
って粒子と溶媒を分離したのち、上澄みを捨て、さらに
メタノールを添加して再び粒子を分散させた。再度遠心
分離機による粒子分離およびメタノール添加による粒子
洗浄操作を3回繰り返した。最後にメタノールを取り除
き、オーブン中で120℃にて1時間乾燥処理し、ポリ
ビニルシルセスキオキサンとポリメチルフェニルシロキ
サンが分子レベルで複合化された単分散微粒子を得た。
この乾燥後の粒子は、白色の粉末であり、これを走査型
電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平均粒径3.
8μm、CV値は3.23%であった。
【0043】実施例6 30℃の恒温槽にセットされた2リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコにイオン交換水1500ミリリッ
トルを入れ、撹拌羽根により150rpmで撹拌し、そ
こにメチルトリメトキシシラン150gを添加した。添
加した直後は層分離状態であったが、約30分間撹拌す
ることにより透明な均一溶液となった。ここに、1規定
アンモニア水0.6ミリリットルを添加し、さらに60
秒間撹拌したのち、撹拌回転数を20rpmにした。粒
子核が発生して反応溶液が徐々に白濁し、約4時間反応
することによって粒子が成長した。ここに、25重量%
アンモニア水10ミリリットルを加えて10時間熟成さ
せた。
【0044】反応終了後、撹拌を止め、遠心分離機で粒
子と溶媒を分離したのち、上澄みを捨て、さらにメタノ
ールを添加して再び粒子を分散させた。再度遠心分離機
による粒子分離およびメタノール添加による粒子洗浄操
作を3回繰り返した。最後にメタノールを取り除き、オ
ーブン中で120℃にて1時間乾燥処理し、ポリメチル
シルセスキオキサン微粒子を得た。この乾燥後の粒子
は、撥水性で極めて流動性に優れた白色の粉末であり、
これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、
平均粒径5.8μm、CV値2.0%の極めて粒径の揃
ったものであった。
【0045】比較例1 実施例1において、粒子成長後、25重量%のアンモニ
ア水を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て乾燥ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を得た。S
EM観察によれば、平均粒径が5.4μmで、見掛け上
球状で単分散の粒子であったものの、実際の乾燥粒子に
は凝集が多く、単独粒子のみであれば容易に分散可能な
メタノール中で超音波処理を行っても、凝集が解れなか
った。
【0046】比較例2 実施例6において、粒子成長後、25重量%のアンモニ
ア水を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にし
て乾燥ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を得た。S
EM観察によれば、平均粒径が5.8μmで、見掛け上
球状の粒子であったものの、凝集や粒子同士の癒着が多
く、単独粒子のみであれば容易に分散可能なメタノール
中で超音波処理を行っても、それらは解れなかった。
【0047】実施例7〜11 実施例1、2、3、4および6で得られたポリオルガノ
シロキサン微粒子を表1に示す条件下に焼成処理し、焼
成ポリオルガノシロキサン微粒子を得た。
【0048】
【表1】
【0049】焼成後に得られたポリオルガノシロキサン
微粒子は、表1に示すような破壊強度を有し、液晶表示
装置用スペーサとして特に好適であることが明らかとな
った。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、乾燥後の粒子が実質上
凝集体を含んでいないので、機械的粉砕や解砕処理を必
要とせずに、粒径分布が単分散で、かつ分散性に優れる
ポリオルガノシロキサン微粒子を効率よく得ることがで
きる。
【0051】本発明によれば、CV値が3.0%以下
で、かつ平均粒径が5.0μm以上のポリオルガノシロ
キサン微粒子を容易に製造することができる。
【0052】本発明で得られたポリオルガノシロキサン
微粒子は、例えば液晶表示装置用スペーサや標準粒子な
どとして好適に用いられる。
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】ポリオルガノシロキサン微粒子は、液晶装
置用スペーサとして必要な圧縮強度を得るために、必要
に応じ、焼成処理してもよい。この焼成処理は、窒素な
どの不活性雰囲気下または真空中において、200〜1
000℃、特に300〜800℃の範囲の温度で行うの
が好ましい。この温度が200℃未満では充分な圧縮強
度が得られない場合があるし、1000℃を超えると粒
子が硬くなりすぎる場合があり、好ましくない。焼成温
度の選定は、粒子を構成する有機基の種類に依存してお
り、熱分解しやすい有機基を有する場合、上記焼成温度
範囲において比較的低い温度で処理するのが望ましく、
反対に熱分解しにくい有機基を有する場合には上記焼成
温度範囲内で高温で処理するのが好ましい。いずれにし
ても、必要となる破壊強度や弾性率に応じて最適な条件
を選定すればよい。また、焼成装置については特に制限
はなく、電気炉やロータリーキルンなどを用いることが
できるが、粒子の攪拌が可能なロータリーキルン中で焼
成するのが有利である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) R1nSi(OR2)4-n ・・・(I) (式中、R1は非加水分解性基であって、炭素数1〜2
    0のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しく
    はエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭
    素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリー
    ル基または炭素数7〜20のアラルキル基、R2は炭素
    数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1
    が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異な
    っていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたが
    いに同一であっても異なっていてもよい。)で表される
    ケイ素化合物と、アンモニアおよび/またはアミンを含
    有する水溶液または水と有機溶剤との混合溶剤溶液と
    を、反応させた後に、アンモニアおよび/またはアミン
    を反応系に添加して熟成させることを特徴とするポリオ
    ルガノシロキサン微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表される単独物もしくは
    混合物の比重(23℃)が1以下であるケイ素化合物
    と、アンモニアおよび/またはアミンを含有する水溶液
    または水と有機溶剤との混合溶剤溶液とを、実質上混合
    することなく2層状態を保持しながら界面で反応させ、
    上層のケイ素化合物が実質上消失した後に、アンモニア
    および/またはアミンを反応系に添加して熟成させる請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 熟成後に得られた粒子について焼成処理
    を行う請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオルガノシロキサン微粒子が平均粒
    径5.0μm以上で、かつ粒度分布の変動係数(CV
    値)3.0%以下のものである請求項1〜3のいずれか
    に記載の製造方法。
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