JPH11117120A - バクテリアセルロース含有高分子組成物からなる繊維 - Google Patents
バクテリアセルロース含有高分子組成物からなる繊維Info
- Publication number
- JPH11117120A JPH11117120A JP28035597A JP28035597A JPH11117120A JP H11117120 A JPH11117120 A JP H11117120A JP 28035597 A JP28035597 A JP 28035597A JP 28035597 A JP28035597 A JP 28035597A JP H11117120 A JPH11117120 A JP H11117120A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- polymer
- bacterial cellulose
- main chain
- cellulose
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】伸度や柔軟性を有するバクテリアセルロース系
繊維を提供する。 【解決手段】バクテリアセルロースに主鎖が柔軟な高分
子をブレンドした高分子組成物によりなる繊維を提供す
る。ブレンドする主鎖が柔軟な高分子としてはポリビニ
ルアルコール系高分子が好ましい。
繊維を提供する。 【解決手段】バクテリアセルロースに主鎖が柔軟な高分
子をブレンドした高分子組成物によりなる繊維を提供す
る。ブレンドする主鎖が柔軟な高分子としてはポリビニ
ルアルコール系高分子が好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はある種の微生物により産
生されるバクテリアセルロースからなる繊維に関する。
生されるバクテリアセルロースからなる繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースは天然に最も多量に存在する
高分子素材で、古くから衣料、産業資材、紙などの素材
として広く利用されてきた。しかし、セルロースの消費
量の増加は森林資源の枯渇を招き大きな環境問題となる
可能性をはらんでいる。このような状況から、現在セル
ロースを生産する微生物を利用して工業的にセルロース
を生産する研究が精力的に行われており、特許第261
7431号公報にみられるようなバクテリアセルロース
を含有する高力学強度シートをスピーカーの振動板とし
て利用することはすでに実用化段階にある。また、その
他のバクテリアセルロースの工業的利用の試みとして特
開平7−119067号公報にみられるように紙にバク
テリアセルロースを配合して高強度あるいは高機能性の
紙を得るものや、特開平3−40872号公報にみられ
るように合成繊維の表面を架橋したバクテリアセルロー
スで被覆して肌触りなどの特性を改善するものがある。
高分子素材で、古くから衣料、産業資材、紙などの素材
として広く利用されてきた。しかし、セルロースの消費
量の増加は森林資源の枯渇を招き大きな環境問題となる
可能性をはらんでいる。このような状況から、現在セル
ロースを生産する微生物を利用して工業的にセルロース
を生産する研究が精力的に行われており、特許第261
7431号公報にみられるようなバクテリアセルロース
を含有する高力学強度シートをスピーカーの振動板とし
て利用することはすでに実用化段階にある。また、その
他のバクテリアセルロースの工業的利用の試みとして特
開平7−119067号公報にみられるように紙にバク
テリアセルロースを配合して高強度あるいは高機能性の
紙を得るものや、特開平3−40872号公報にみられ
るように合成繊維の表面を架橋したバクテリアセルロー
スで被覆して肌触りなどの特性を改善するものがある。
【0003】しかし、バクテリアセルロースをそのまま
工業材料として用いる場合、この素材は強度やヤング率
は非常に高いが伸度がほとんどなく非常にもろいため、
曲げや剪断に対して非常に弱いという弱点があった。こ
のため、上記のスピーカーの振動板など限られた用途以
外へのバクテリアセルロースの利用、特にセルロースの
主要な用途である繊維への適用は困難であり、バクテリ
アセルロースに伸度や柔軟性を付与することが求められ
ていた。
工業材料として用いる場合、この素材は強度やヤング率
は非常に高いが伸度がほとんどなく非常にもろいため、
曲げや剪断に対して非常に弱いという弱点があった。こ
のため、上記のスピーカーの振動板など限られた用途以
外へのバクテリアセルロースの利用、特にセルロースの
主要な用途である繊維への適用は困難であり、バクテリ
アセルロースに伸度や柔軟性を付与することが求められ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
み、本発明ではバクテリアセルロースに伸度や柔軟性を
与えて、曲げや剪断の応力を受ける材料、特に繊維への
適用をより容易にすることを目的とする。バクテリアセ
ルロースを繊維の形態にして現在セルロース系素材が大
量に用いられている衣料に用いれば、将来予想される綿
花生産の不足やパルプの不足に対し有力な代替技術とな
る可能性がある。
み、本発明ではバクテリアセルロースに伸度や柔軟性を
与えて、曲げや剪断の応力を受ける材料、特に繊維への
適用をより容易にすることを目的とする。バクテリアセ
ルロースを繊維の形態にして現在セルロース系素材が大
量に用いられている衣料に用いれば、将来予想される綿
花生産の不足やパルプの不足に対し有力な代替技術とな
る可能性がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的達成のため、
本発明は次の構成を有する。すなわち、本発明はバクテ
リアセルロースに主鎖が柔軟な高分子をブレンドした高
分子組成物からなる繊維である。ここで主鎖が柔軟な高
分子としてポリビニルアルコール系高分子であることが
望ましい。
本発明は次の構成を有する。すなわち、本発明はバクテ
リアセルロースに主鎖が柔軟な高分子をブレンドした高
分子組成物からなる繊維である。ここで主鎖が柔軟な高
分子としてポリビニルアルコール系高分子であることが
望ましい。
【0006】本発明におけるバクテリアセルロースと
は、微生物により産生されるセルロース全般をいう。こ
のようなセルロースを産生する微生物の代表例は酢酸菌
と呼ばれる一群の微生物(Acetobacter属など)であ
る。この酢酸菌により産生されたバクテリアセルロース
のミクロフィブリルは、1個の菌体の表層にあるセルロ
ース生成サイトから生成するセルロース高分子が集合し
て形成されるもので、20nm〜50nmという非常に
細い繊維状形態をしている。その生成過程や形態の詳細
は化学と生物Vol.32(6),367(1994)
に示されているように、特定の培地中で静置培養するこ
とにより培地表面にゲル膜状に生成するもので、その膜
を洗浄・乾燥することで不織布状の内部構造を持つシー
トが得られる。この不織布状シートは繊維学会誌Vo
l.52(3),P−115(1996)などに述べら
れているように高い強度とヤング率という特徴を持つ。
本発明においては上記のミクロフィブリルおよびミクロ
フィブリルの集合体の両方を総称してバクテリアセルロ
ースと呼ぶ。
は、微生物により産生されるセルロース全般をいう。こ
のようなセルロースを産生する微生物の代表例は酢酸菌
と呼ばれる一群の微生物(Acetobacter属など)であ
る。この酢酸菌により産生されたバクテリアセルロース
のミクロフィブリルは、1個の菌体の表層にあるセルロ
ース生成サイトから生成するセルロース高分子が集合し
て形成されるもので、20nm〜50nmという非常に
細い繊維状形態をしている。その生成過程や形態の詳細
は化学と生物Vol.32(6),367(1994)
に示されているように、特定の培地中で静置培養するこ
とにより培地表面にゲル膜状に生成するもので、その膜
を洗浄・乾燥することで不織布状の内部構造を持つシー
トが得られる。この不織布状シートは繊維学会誌Vo
l.52(3),P−115(1996)などに述べら
れているように高い強度とヤング率という特徴を持つ。
本発明においては上記のミクロフィブリルおよびミクロ
フィブリルの集合体の両方を総称してバクテリアセルロ
ースと呼ぶ。
【0007】本発明で用いる主鎖が柔軟な高分子におい
て、主鎖が柔軟であるとは高分子の骨格を構成する主鎖
の自由度が高く、外力に応じて変形しやすいことをい
う。このための分子構造としては主鎖の構成単位中に回
転可能な部位が複数含まれることが望ましい。このよう
な主鎖の骨格の例としては、ポリエチレン骨格、ポリエ
チレンより長鎖のポリアルキレン骨格、ポリアミド骨
格、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリウレタ
ン骨格などを挙げることができる。それに対し、セルロ
ース、デンプン、キタンサンガムなどの糖鎖を有する骨
格、ポリイミド骨格などは主鎖の構成単位中に回転可能
な部位が1つしかないため本発明で用いるには好ましく
ない。本発明で用いる高分子の主鎖が柔軟であること
は、バクテリアセルロースにブレンドされた際、該高分
子が繊維の変形応力を吸収してバクテリアセルロースに
伸度や柔軟性を与えるために必要である。
て、主鎖が柔軟であるとは高分子の骨格を構成する主鎖
の自由度が高く、外力に応じて変形しやすいことをい
う。このための分子構造としては主鎖の構成単位中に回
転可能な部位が複数含まれることが望ましい。このよう
な主鎖の骨格の例としては、ポリエチレン骨格、ポリエ
チレンより長鎖のポリアルキレン骨格、ポリアミド骨
格、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリウレタ
ン骨格などを挙げることができる。それに対し、セルロ
ース、デンプン、キタンサンガムなどの糖鎖を有する骨
格、ポリイミド骨格などは主鎖の構成単位中に回転可能
な部位が1つしかないため本発明で用いるには好ましく
ない。本発明で用いる高分子の主鎖が柔軟であること
は、バクテリアセルロースにブレンドされた際、該高分
子が繊維の変形応力を吸収してバクテリアセルロースに
伸度や柔軟性を与えるために必要である。
【0008】本発明で用いる主鎖が柔軟な高分子として
は、上記の骨格を有する高分子全般を用いることができ
るが、例としてはポリエチレン系高分子、ポリビニルア
ルコール系高分子、ポリアクリル酸系高分子、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアミド系高分子(ナイロン6、ナイ
ロン4、水溶性ナイロンなど)、ポリエステル系高分子
(ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、
親水性ポリエステル樹脂など)、ポリエーテルエステル
アミド系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリエーテル
系高分子(ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリオキシメチレンなど)、およびこれらの
高分子の共重合体などを挙げることができる。
は、上記の骨格を有する高分子全般を用いることができ
るが、例としてはポリエチレン系高分子、ポリビニルア
ルコール系高分子、ポリアクリル酸系高分子、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアミド系高分子(ナイロン6、ナイ
ロン4、水溶性ナイロンなど)、ポリエステル系高分子
(ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、
親水性ポリエステル樹脂など)、ポリエーテルエステル
アミド系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリエーテル
系高分子(ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリオキシメチレンなど)、およびこれらの
高分子の共重合体などを挙げることができる。
【0009】本発明で用いる主鎖が柔軟な高分子として
は、ポリビニルアルコール系高分子を用いるのがより好
ましい。この分子論的な機構は明らかではないが、他の
高分子に比べてポリビニルアルコール系高分子を用いた
場合にバクテリアセルロースの伸度や柔軟性の改善度が
大きくなる。ここでポリビニルアルコール系高分子と
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重
合体、ポリビニルアルコールと他の高分子のブレンドな
どのことをいう。
は、ポリビニルアルコール系高分子を用いるのがより好
ましい。この分子論的な機構は明らかではないが、他の
高分子に比べてポリビニルアルコール系高分子を用いた
場合にバクテリアセルロースの伸度や柔軟性の改善度が
大きくなる。ここでポリビニルアルコール系高分子と
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重
合体、ポリビニルアルコールと他の高分子のブレンドな
どのことをいう。
【0010】本発明においてバクテリアセルロースに主
鎖が柔軟な高分子がブレンドされている状態とは、ミク
ロフィブリル内でバクテリアセルロースと主鎖が柔軟な
高分子が複合化されて高分子組成物を形成してもよい
し、あるいはミクロフィブリルの集合体の中でミクロフ
ィブリル間に主鎖が柔軟な高分子が存在して全体の高分
子組成物を形成してもよい。あるいは、ミクロフィブリ
ルを適当な溶媒で完全に溶解し、ミクロフィブリルの形
態の存在しないような完全な高分子ブレンドとしてもよ
い。この場合、主鎖が柔軟な高分子とバクテリアセルロ
ースの相溶性の違いにより、高分子ブレンドは完全相溶
体になることもあれば相分離体になることもある。
鎖が柔軟な高分子がブレンドされている状態とは、ミク
ロフィブリル内でバクテリアセルロースと主鎖が柔軟な
高分子が複合化されて高分子組成物を形成してもよい
し、あるいはミクロフィブリルの集合体の中でミクロフ
ィブリル間に主鎖が柔軟な高分子が存在して全体の高分
子組成物を形成してもよい。あるいは、ミクロフィブリ
ルを適当な溶媒で完全に溶解し、ミクロフィブリルの形
態の存在しないような完全な高分子ブレンドとしてもよ
い。この場合、主鎖が柔軟な高分子とバクテリアセルロ
ースの相溶性の違いにより、高分子ブレンドは完全相溶
体になることもあれば相分離体になることもある。
【0011】本発明における主鎖が柔軟な高分子のブレ
ンド割合は2重量%以上50重量%以下が望ましい。こ
の理由はブレンド割合が2重量%未満では繊維の伸度や
柔軟性が不足するからであり、ブレンド割合が50重量
%より大きくなるとバクテリアセルロースの特徴である
高い強度やヤング率の特性が大きく低下するからであ
る。また、より好ましくは、ブレンド割合は7重量%以
上が望ましい。この理由はブレンド割合が7重量%以上
になると繊維の伸度や柔軟性の改善が顕著になり、この
繊維の適用用途が大きく広がるからである。
ンド割合は2重量%以上50重量%以下が望ましい。こ
の理由はブレンド割合が2重量%未満では繊維の伸度や
柔軟性が不足するからであり、ブレンド割合が50重量
%より大きくなるとバクテリアセルロースの特徴である
高い強度やヤング率の特性が大きく低下するからであ
る。また、より好ましくは、ブレンド割合は7重量%以
上が望ましい。この理由はブレンド割合が7重量%以上
になると繊維の伸度や柔軟性の改善が顕著になり、この
繊維の適用用途が大きく広がるからである。
【0012】本発明においてブレンドされた高分子を同
定したりブレンド割合を評価したりするためには、一般
的に使われる有機化学、物理化学の分析手法を総合的に
用いればよい。例えばブレンドされた高分子の同定には
元素組成分析や各種官能基分析、さらには赤外分光測定
やNMR測定などを用いて総合的に判断すればよいし、
ブレンド割合を評価するには適当な溶媒に材料を溶解し
て液体クロマトグラフィーで解析したり、適当な染色法
でバクテリアセルロースとブレンドされた高分子を区別
してからSEMやTEMで観察するなどすればよい。な
お、これらの分析の際、バクテリアセルロースをセルラ
ーゼで分解して低分子であるグルコースに変換するとブ
レンドされた高分子と分離しやすくなり、効率的な分析
が行える。
定したりブレンド割合を評価したりするためには、一般
的に使われる有機化学、物理化学の分析手法を総合的に
用いればよい。例えばブレンドされた高分子の同定には
元素組成分析や各種官能基分析、さらには赤外分光測定
やNMR測定などを用いて総合的に判断すればよいし、
ブレンド割合を評価するには適当な溶媒に材料を溶解し
て液体クロマトグラフィーで解析したり、適当な染色法
でバクテリアセルロースとブレンドされた高分子を区別
してからSEMやTEMで観察するなどすればよい。な
お、これらの分析の際、バクテリアセルロースをセルラ
ーゼで分解して低分子であるグルコースに変換するとブ
レンドされた高分子と分離しやすくなり、効率的な分析
が行える。
【0013】本発明において繊維とはバクテリアセルロ
ースのミクロフィブリルのようなものではなく、衣料用
あるいは産業用材料として通常使われる太さのものをい
う。つまり本発明の繊維とは、ミクロフィブリルの集合
体としてのバクテリアセルロースに主鎖が柔軟な高分子
がブレンドされ、繊維状に成形されたものである。ここ
で、繊維の太さは衣料用あるいは産業用材料で通常使用
されている範囲で、例えば0.01tex以上100t
ex以下で用いられる。
ースのミクロフィブリルのようなものではなく、衣料用
あるいは産業用材料として通常使われる太さのものをい
う。つまり本発明の繊維とは、ミクロフィブリルの集合
体としてのバクテリアセルロースに主鎖が柔軟な高分子
がブレンドされ、繊維状に成形されたものである。ここ
で、繊維の太さは衣料用あるいは産業用材料で通常使用
されている範囲で、例えば0.01tex以上100t
ex以下で用いられる。
【0014】本発明の繊維において、その強度は0.2
g/tex以上、伸度は3.0%以上であることが望ま
しい。この理由は、本発明の繊維を衣料用あるいは産業
用材料として使用する際に繊維の特性がこれらの値以上
でないと実用性に乏しいからである。繊維の特性がこれ
ら未満であると、例えば衣服などに使用した場合にわず
かな力や変形で破れてしまう。
g/tex以上、伸度は3.0%以上であることが望ま
しい。この理由は、本発明の繊維を衣料用あるいは産業
用材料として使用する際に繊維の特性がこれらの値以上
でないと実用性に乏しいからである。繊維の特性がこれ
ら未満であると、例えば衣服などに使用した場合にわず
かな力や変形で破れてしまう。
【0015】バクテリアセルロースと主鎖が柔軟な高分
子をブレンドする方法に特に限定はないが、例えば次の
2つの方法により製造できる。1つは静置培養あるいは
攪拌培養によって産生されたバクテリアセルロースに後
から主鎖が柔軟な高分子を加える方法である。この場合
主鎖が柔軟な高分子を加えるには直接それらを混合して
攪拌してもよいし、適当な溶媒に溶解、あるいは分散媒
に分散などして攪拌して、最後にその溶媒を除去しても
よい。またもう1つの方法は静置培養あるいは攪拌培養
の培地中に主鎖が柔軟な高分子を溶解あるいは分散させ
ておき、その中で微生物にバクテリアセルロースを産生
させる方法である。この方法は後での混合操作が不要で
あるため、より好ましい方法である。
子をブレンドする方法に特に限定はないが、例えば次の
2つの方法により製造できる。1つは静置培養あるいは
攪拌培養によって産生されたバクテリアセルロースに後
から主鎖が柔軟な高分子を加える方法である。この場合
主鎖が柔軟な高分子を加えるには直接それらを混合して
攪拌してもよいし、適当な溶媒に溶解、あるいは分散媒
に分散などして攪拌して、最後にその溶媒を除去しても
よい。またもう1つの方法は静置培養あるいは攪拌培養
の培地中に主鎖が柔軟な高分子を溶解あるいは分散させ
ておき、その中で微生物にバクテリアセルロースを産生
させる方法である。この方法は後での混合操作が不要で
あるため、より好ましい方法である。
【0016】ブレンドした高分子組成物を繊維に成形す
る方法には特に限定はないが、一般に紡糸と呼ばれる手
法を用いればよい。即ち、高分子組成物あるいはその溶
液を融解あるいは溶解状態にし、その液体を高分子組成
物が押し出されるための細孔の開いた口金と呼ばれる装
置から吐出して繊維を形成し、それを巻き取り機で巻き
取る操作により繊維を得ることができる。例えば高分子
組成物が加熱で溶融する場合は、その溶融状態で口金か
ら一定の速度で吐出することで繊維が得られる。一方、
高分子組成物が加熱で溶融しない場合は適当な溶媒に高
分子組成物を溶解し、同様に溶解状態で口金から一定の
速度で吐出すればよい。この場合形成された繊維から溶
媒を除去する方法として空気中に溶媒を揮散させる方法
と他の溶媒中に溶解させる方法とがあるが、ブレンドす
る高分子や溶媒の種類によりこれを適当に選定すればよ
い。例えば、本発明のバクテリアセルロースを含有する
高分子組成物を溶解する溶媒としてN−メチルモルホリ
ンを用いて、この溶媒を空気中に揮散させて除去する方
法が挙げられる。
る方法には特に限定はないが、一般に紡糸と呼ばれる手
法を用いればよい。即ち、高分子組成物あるいはその溶
液を融解あるいは溶解状態にし、その液体を高分子組成
物が押し出されるための細孔の開いた口金と呼ばれる装
置から吐出して繊維を形成し、それを巻き取り機で巻き
取る操作により繊維を得ることができる。例えば高分子
組成物が加熱で溶融する場合は、その溶融状態で口金か
ら一定の速度で吐出することで繊維が得られる。一方、
高分子組成物が加熱で溶融しない場合は適当な溶媒に高
分子組成物を溶解し、同様に溶解状態で口金から一定の
速度で吐出すればよい。この場合形成された繊維から溶
媒を除去する方法として空気中に溶媒を揮散させる方法
と他の溶媒中に溶解させる方法とがあるが、ブレンドす
る高分子や溶媒の種類によりこれを適当に選定すればよ
い。例えば、本発明のバクテリアセルロースを含有する
高分子組成物を溶解する溶媒としてN−メチルモルホリ
ンを用いて、この溶媒を空気中に揮散させて除去する方
法が挙げられる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。こ
れらの実施例における強度、伸度、曲げ柔軟性の評価な
どの測定はすべて20℃、30%RHの環境下で行っ
た。
れらの実施例における強度、伸度、曲げ柔軟性の評価な
どの測定はすべて20℃、30%RHの環境下で行っ
た。
【0018】実施例1 Hestrin-Schrammの標準培地(グルコース2.0重量
%、ペプトン0.5重量%、イースト抽出物0.5重量
%、リン酸2ナトリウム塩0.15重量%、クエン酸
0.27重量%)50mlを200mlの三角フラスコ
に分注しオートクレーブで120℃、20分間滅菌し
た。これに試験管斜面寒天培地で生育させたAcetobacte
r xylinum(ATCC23769)を1白金耳接種し、28℃で7
日間静置培養した。7日後、培養液の上層にゲル膜状の
バクテリアセルロースが生成した。
%、ペプトン0.5重量%、イースト抽出物0.5重量
%、リン酸2ナトリウム塩0.15重量%、クエン酸
0.27重量%)50mlを200mlの三角フラスコ
に分注しオートクレーブで120℃、20分間滅菌し
た。これに試験管斜面寒天培地で生育させたAcetobacte
r xylinum(ATCC23769)を1白金耳接種し、28℃で7
日間静置培養した。7日後、培養液の上層にゲル膜状の
バクテリアセルロースが生成した。
【0019】このゲル状のバクテリアセルロースを1重
量%NaOH水溶液中に4時間浸漬したのち水洗し、さ
らにガラスフィルター上でアスピレーションを行い脱水
した。得られた精製バクテリアセルロースの水分率は7
0%であった。
量%NaOH水溶液中に4時間浸漬したのち水洗し、さ
らにガラスフィルター上でアスピレーションを行い脱水
した。得られた精製バクテリアセルロースの水分率は7
0%であった。
【0020】次にこの精製バクテリアセルロースに乾燥
重量比で3重量%のポリビニルアルコール(ゴーセノー
ルKL−05、日本合成化学)をブレンドし、このブレ
ンドをN−メチルモルホリンに70重量%の濃度で溶解
し、口金より吐出した。吐出中にその吐出された繊維に
熱風を吹き付けN−メチルモルホリンを揮散させた。得
られた繊維の太さは0.21texであった。
重量比で3重量%のポリビニルアルコール(ゴーセノー
ルKL−05、日本合成化学)をブレンドし、このブレ
ンドをN−メチルモルホリンに70重量%の濃度で溶解
し、口金より吐出した。吐出中にその吐出された繊維に
熱風を吹き付けN−メチルモルホリンを揮散させた。得
られた繊維の太さは0.21texであった。
【0021】この繊維について引張り試験機で伸長試験
を行った結果、その強度は0.51g/tex、伸度は
3.2%であった。またこの繊維は曲率半径2.0程度
まで容易に湾曲させることができ、非常に柔軟なもので
あった。
を行った結果、その強度は0.51g/tex、伸度は
3.2%であった。またこの繊維は曲率半径2.0程度
まで容易に湾曲させることができ、非常に柔軟なもので
あった。
【0022】実施例2 精製バクテリアセルロースに乾燥重量比で10重量%の
ポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本
合成化学)をブレンドした以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた繊維の太さは0.21texであった。
ポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本
合成化学)をブレンドした以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた繊維の太さは0.21texであった。
【0023】実施例1と同様にこの繊維について引張り
試験機で伸長試験を行った結果、その強度は0.38g
/tex、伸度は7.0%であった。またこの繊維は曲
率半径0.5cm程度まで容易に湾曲させることがで
き、非常に柔軟なものであった。
試験機で伸長試験を行った結果、その強度は0.38g
/tex、伸度は7.0%であった。またこの繊維は曲
率半径0.5cm程度まで容易に湾曲させることがで
き、非常に柔軟なものであった。
【0024】実施例3 精製バクテリアセルロースに乾燥重量比で40重量%の
ポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本
合成化学)をブレンドした以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた繊維の太さは0.21texであった。
ポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05、日本
合成化学)をブレンドした以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた繊維の太さは0.21texであった。
【0025】実施例1と同様にこの繊維について引張り
試験機で伸長試験を行った結果、その強度は0.27g
/tex、伸度は14.2%であった。またこの繊維は
曲率半径がほぼゼロとなる程度まで容易に湾曲させるこ
とができ、非常に柔軟なものであった。
試験機で伸長試験を行った結果、その強度は0.27g
/tex、伸度は14.2%であった。またこの繊維は
曲率半径がほぼゼロとなる程度まで容易に湾曲させるこ
とができ、非常に柔軟なものであった。
【0026】比較例1 精製バクテリアセルロース5gに対してポリビニルアル
コールを全く加えないこと以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた繊維の太さは0.21texであった。
コールを全く加えないこと以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた繊維の太さは0.21texであった。
【0027】実施例1と同様にこの繊維について引張り
試験機で伸長試験を行った結果、その強度は0.81g
/tex、伸度は0.1%であった。またこの繊維はわ
ずかな湾曲で破壊してしまい、柔軟性はほとんどなかっ
た。
試験機で伸長試験を行った結果、その強度は0.81g
/tex、伸度は0.1%であった。またこの繊維はわ
ずかな湾曲で破壊してしまい、柔軟性はほとんどなかっ
た。
【0028】
【発明の効果】従来バクテリアセルロースは伸度がほと
んどなく非常にもろい性質を有しており繊維として用い
られていなかったが、本発明によれば伸度や柔軟性を有
するバクテリアセルロース系繊維を提供することができ
る。
んどなく非常にもろい性質を有しており繊維として用い
られていなかったが、本発明によれば伸度や柔軟性を有
するバクテリアセルロース系繊維を提供することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】バクテリアセルロースに主鎖が柔軟な高分
子をブレンドした高分子組成物からなる繊維。 - 【請求項2】主鎖が柔軟な高分子がポリビニルアルコー
ル系高分子であることを特徴とする請求項1記載の繊
維。 - 【請求項3】主鎖が柔軟な高分子のブレンド割合が2重
量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項
1または2記載の繊維。 - 【請求項4】太さが0.01tex以上100tex以
下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載
の繊維。 - 【請求項5】強度が0.2g/tex以上、伸度が3.
0%以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか
に記載の繊維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28035597A JPH11117120A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | バクテリアセルロース含有高分子組成物からなる繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28035597A JPH11117120A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | バクテリアセルロース含有高分子組成物からなる繊維 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11117120A true JPH11117120A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17623859
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28035597A Pending JPH11117120A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | バクテリアセルロース含有高分子組成物からなる繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11117120A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100402724B1 (ko) * | 2001-04-02 | 2003-10-22 | 주식회사 효성 | 셀룰로오즈 섬유의 제조방법 |
| KR100611889B1 (ko) * | 2001-04-18 | 2006-08-11 | 주식회사 효성 | 셀룰로오스 섬유의 제조방법 |
| CN101492837B (zh) | 2009-03-03 | 2012-05-30 | 江苏盛丰登泰生物技术有限公司 | 一种高聚合度细菌纤维素纤维的制备方法 |
| CN118087084A (zh) * | 2024-01-23 | 2024-05-28 | 兰州大学 | 一种抗菌复合纤维及其制备方法和应用 |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP28035597A patent/JPH11117120A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100402724B1 (ko) * | 2001-04-02 | 2003-10-22 | 주식회사 효성 | 셀룰로오즈 섬유의 제조방법 |
| KR100611889B1 (ko) * | 2001-04-18 | 2006-08-11 | 주식회사 효성 | 셀룰로오스 섬유의 제조방법 |
| CN101492837B (zh) | 2009-03-03 | 2012-05-30 | 江苏盛丰登泰生物技术有限公司 | 一种高聚合度细菌纤维素纤维的制备方法 |
| CN118087084A (zh) * | 2024-01-23 | 2024-05-28 | 兰州大学 | 一种抗菌复合纤维及其制备方法和应用 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Zheng et al. | Preparation and characterization of chitosan/poly (vinyl alcohol) blend fibers | |
| KR950001311B1 (ko) | 세균 생성-셀룰로오스를 함유하는 성형된 재료의 제조방법 | |
| Van Hai et al. | Physical and bio-composite properties of nanocrystalline cellulose from wood, cotton linters, cattail, and red algae | |
| Liu et al. | Chitosan coated cotton fiber: preparation and physical properties | |
| Lee et al. | Application of electrospun silk fibroin nanofibers as an immobilization support of enzyme | |
| Hirai et al. | In situ crystallization of bacterial cellulose III. Influences of different polymeric additives on the formation of microfibrils as revealed by transmission electron microscopy | |
| Wang et al. | Chitosan/starch fibers and their properties for drug controlled release | |
| US20040241436A1 (en) | Nano-porous fibers and protein membranes | |
| JPH11513425A (ja) | 表面改質されたセルロースミクロフィブリル、その製造方法及び複合材料におけるその使用方法 | |
| Wang et al. | Toughen and strengthen alginate fiber by incorporation of polyethylene glycol grafted cellulose nanocrystals | |
| AU2012362513A1 (en) | Fiber composition comprising 1,3-glucan and a method of preparing same | |
| Tajima et al. | One-step production of amphiphilic nanofibrillated cellulose using a cellulose-producing bacterium | |
| Hasegawa et al. | Preparation of cellulose-chitosan blend film using chloral/dimethylformamide | |
| Erdoğmuş et al. | Production of fungal chitosan and fabrication of fungal chitosan/polycaprolactone electrospun nanofibers for tissue engineering | |
| Hadipour‐Goudarzi et al. | Fabrication and DOE optimization of electrospun chitosan/gelatin/PVA nanofibers for skin tissue engineering | |
| Fein et al. | Thiol-norbornene reactions to improve natural rubber dispersion in cellulose nanofiber coatings | |
| Hirai et al. | COMMUNICATION: Culture conditions producing structure entities composed of Cellulose I and II in bacterial cellulose | |
| CN101215736A (zh) | 一种糖基修饰丙烯腈基纳米纤维及其制备方法和应用 | |
| Wang et al. | Controllable biotinylated poly (ethylene-co-glycidyl methacrylate)(PE-co-GMA) nanofibers to bind streptavidin–horseradish peroxidase (HRP) for potential biosensor applications | |
| CN118515880B (zh) | 一种苯硼酸基交联剂及其制备方法和应用 | |
| Gong et al. | Room-temperature and recyclable preparation of cellulose nanofibers using deep eutectic solvents for multifunctional sensor applications | |
| CN118087084A (zh) | 一种抗菌复合纤维及其制备方法和应用 | |
| Zhang et al. | Swelling Resistance and Water‐Induced Shape Memory Performances of Sisal Cellulose Nanofibers/Polyethylene Glycol/Citric Acid Nanocellulose Papers | |
| Tabuchi et al. | Acetylation of bacterial cellulose: preparation of cellulose acetate having a high degree of polymerization | |
| Goto et al. | Development of chitinous nanofiber-based flexible composite hydrogels capable of cell adhesion and detachment |