JPH11124047A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置

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JPH11124047A
JPH11124047A JP29127897A JP29127897A JPH11124047A JP H11124047 A JPH11124047 A JP H11124047A JP 29127897 A JP29127897 A JP 29127897A JP 29127897 A JP29127897 A JP 29127897A JP H11124047 A JPH11124047 A JP H11124047A
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修 鶴宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間の運転にも疲れなく、緊急時のハンド
ルの切り過ぎを防止でき、快適で安定性に優れたハンド
ル操作を実現してドライバの意志に応じた従来に無い新
たな操舵フィーリングを得ることができるステアリング
装置を提供する。 【解決手段】 車速センサ16と、ハンドルの操作位置
を検出する操作位置センサまたは操舵角を検出する操舵
角センサからなる操作量センサ17と、操舵トルクセン
サ18と、目標伝達比設定手段21、偏差演算手段2
2、駆動制御手段23、転舵量信号変換手段24を備え
た伝達制御手段14と、電動機駆動手段15と、電動機
5と、転舵量センサ19、20とからなるステアリング
装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハンドル操作に
応じて電動機を駆動してステアリング系の伝達比を変更
可能なステアリング装置に係り、特に操舵トルクに基づ
いて伝達比を変更するステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のステアリング装置において、特開
平4−283168号公報に開示されているように、車
速、およびタイヤと路面間の摩擦係数に対応してハンド
ル操舵角に対する車輪転舵角の目標伝達比を設定し、実
際の伝達比を目標伝達比に近付けるようアクチュエータ
を駆動制御するように構成されたものは知られている。
【0003】このように構成されたステアリング装置
は、目標伝達比の設定にタイヤと路面間の摩擦係数が考
慮されているので、ハンドルを所定量(水平状態に握っ
た位置から持ち替えなく操作可能な90度)操舵した場
合に、車輪転舵角が車両に設定限界横G(例えば、低μ
路で0.25G、中μ路で0.5G、高μ路で1.0Gに
設定)を発生させる値となる伝達比(車速に応じて変化
する)に目標伝達比を設定することにより、任意の車速
および路面状態においてもハンドルを持ち替えることな
く操作できる範囲において、それぞれの路面状態の設定
限界横G内での操舵が可能であり、いわゆるハンドルの
切り過ぎを防止して適切な旋回性能が得られるとしてい
る。
【0004】また、従来のステアリング装置において、
特開平6−336175号公報に開示されているよう
に、車速に対応してハンドル操舵角に対する車輪転舵角
の伝達比を設定し、検出した操舵トルクの値によって車
両が直進時かコーナリング時かを判定して伝達比を変更
したり同じ状態を保つように構成されたものは知られて
いる。
【0005】例えば、操舵トルクが所定値以下の場合に
は、車両が直進時と判定して伝達比が変更可能となり、
操舵トルクが所定値を超える場合にはコーナリング時と
判定して伝達比の変更が禁止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−28316
8号公報に開示されたステアリング装置は、ハンドルを
水平状態に握った位置から持ち替えない範囲(例えば、
90度)で、任意の車速および路面状態に対してそれぞ
れの路面状態の設定限界横G内での操舵が可能である
が、ドライバの操舵意志としてはハンドル操舵角のみを
採用している。
【0007】また、特開平6−336175号公報に開
示されたステアリング装置は、操舵トルクの有無で車両
が直進状態かコーナリング状態かを判定し、ステアリン
グギヤのギヤ比(変速比)の変更を行なったり、禁止し
たりできるものであるが、操舵トルクでステアリング系
の転舵量を変更するものではない。
【0008】このように、従来のステアリング装置は、
ドライバの操舵意志としてハンドルの操舵角のみを検出
してステアリング系の転舵角(転舵量)を変更してお
り、新しい操舵フィーリングを有するステアリング装置
が望まれている。
【0009】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的はドライバの操舵意志の情報
として操舵トルクを採用し、これによりステアリング系
の転舵量を変更することによって従来にない操舵フィー
リングを有するステアリング装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係るステアリング装置の伝達比制御手段は、
少なくとも前記操舵トルクセンサからの操舵トルク信号
基づいて前記電動機の操作量を制御することを特徴とす
る。
【0011】この発明に係るステアリング装置は、少な
くとも前記操舵トルクセンサからの操舵トルク信号基づ
いて前記電動機の操作量を制御する伝達比制御手段を備
えたので、ドライバの意志に応じた従来に無い新たな操
舵フィーリングを得ることができる。
【0012】また、この発明に係るステアリング装置
は、ハンドルの操作量を検出する操作量センサおよび車
速を検出する車速センサを備え、伝達比制御手段は、少
なくとも操舵トルクセンサからの操舵トルク信号に基づ
いて電動機の操作量を制御するとともに、車速が増加す
るにつれて操舵トルク信号に対応する転舵量のゲインが
増加するように設定する目標伝達比設定手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0013】この発明に係るステアリング装置は、ハン
ドルの操作量を検出する操作量センサおよび車速を検出
する車速センサを備え、伝達比制御手段は、少なくとも
操舵トルクセンサからの操舵トルク信号に基づいて電動
機の操作量を制御するとともに、車速が増加するにつれ
て操舵トルク信号に対応する転舵量のゲインが増加する
ように設定する目標伝達比設定手段を備えたので、車両
が低速走行時にはハンドル操作量に対するステアリング
系の転舵量のゲインを大きく設定してドライバの車線追
従能力を確保し、車両が高速走行時には操舵トルクに対
するステアリング系の転舵量のゲインを大きく設定して
従来に無い新たな操舵フィーリングを有するようにする
ことができる。
【0014】さらに、この発明に係るステアリング装置
は、路面摩擦係数を検出する路面摩擦係数センサまたは
車両挙動を検出する車両挙動センサを備えるとともに、
伝達比制御手段は、路面摩擦係数センサからの路面摩擦
係数信号または車両挙動センサからの車両挙動信号に基
づいてステアリング系の転舵量の最大値を制限する最大
転舵量制限手段を備えたことを特徴とする。
【0015】この発明に係るステアリング装置は、路面
摩擦係数を検出する路面摩擦係数センサまたは車両挙動
を検出する車両挙動センサを備えるとともに、伝達比制
御手段は、路面摩擦係数センサからの路面摩擦係数信号
または車両挙動センサからの車両挙動信号に基づいてス
テアリング系の転舵量の最大値を制限する最大転舵量制
限手段を備えたので、路面状態の変化、または横加速度
等の車両挙動に対応して車両の転舵量の最大値を制限
し、ステアリングホイールの切り過ぎに対しても車両の
走行状態を適切に保つことができる。
【0016】また、この発明に係るステアリング装置
は、ステアリング系の転舵量を検出する転舵量センサを
備え、伝達比制御手段は、転舵量センサからの転舵量信
号と目標伝達比設定手段からの目標転舵量信号が等しく
なるように制御する駆動制御手段を備えたことを特徴と
する。
【0017】この発明に係るステアリング装置は、ステ
アリング系の転舵量を検出する転舵量センサを備え、伝
達比制御手段は、転舵量センサからの転舵量信号と目標
伝達比設定手段からの目標転舵量信号が等しくなるよう
に制御する駆動制御手段を備えたので、伝達比を所望の
値に設定して車両の走行状態に応じて車両の転舵量を適
切に決定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。なお、本発明は、操舵トル
クに対応してステアリング系の転舵量を設定することに
より、ステアリングホイールの操作量が小さくても車両
の転舵量を自由に設定することができ、従来に無い新た
な操舵フィーリングが得られるステアリング装置を提供
するものである。
【0019】図1はこの発明に係るステアリング装置の
全体構成図である。図1において、ステアリング装置1
は、ステアリング系から機械的に独立したステアリング
ホイール2に一体的に設けた操作量センサ17、操舵ト
ルクセンサ18を備える。操作量センサ17は、ステア
リングホイール2の操作に対応した操舵角を電気信号に
変換した操舵角信号(θS)、または操舵位置を電気信
号に変換した操舵位置信号(PS)である操作量信号OS
を発生する。
【0020】また、ステアリング装置1は、操舵力伝達
軸3に設けたウォームギヤ4、自在継ぎ手6A、6Cを
備えた連結軸6Bを備え、電動機5で伝達比(転舵角/
操舵角)に対応した操作量を発生し、ウォームギヤ4を
介して操舵力伝達軸3の回転運動力に変換し、この回転
運動力を連結軸6Bを介してラック&ピニオン機構7に
伝達する。
【0021】ラック&ピニオン機構7は、連結軸6Bか
ら伝達されるピニオンギヤ8の回転運動力をラック軸1
0に設けたラック歯9で水平方向の直線運動力に変換
し、ラック軸10を水平方向に往復運動させ、タイロッ
ド11を介して操向車輪である、例えば前輪12を転動
させて車両の向きを変えている。
【0022】ピニオンギヤ8の近傍には、ステアリング
系の転舵量を検出する転舵量センサを構成する転舵角セ
ンサ19を設け、ピニオンギヤ8の回転角(転舵角θD
に対応)を検出するよう構成する。また、車両の速度
(車速)を検出する車速センサ16を設ける。
【0023】なお、転舵角センサ19の代りに、ラック
軸10の端部に切り欠き部13を設け、この切り欠き部
13に接触してラック軸10の転舵量を検出する転舵位
置センサ20を設けてもよい。
【0024】伝達比制御手段14は、マイクロプロセッ
サを基本にして各種演算機能、処理機能、メモリ機能を
備え、操作量センサ17から供給されるステアリングホ
イール2の操作量に対応した電気信号の操作量信号
OS、操舵トルクセンサ18から供給される操舵トルク
に対応した電気信号の操舵トルク信号TSに基づいて目
標転舵量信号(IMT)を発生するとともに、この目標転
舵量信号(IMT)に対応したオン信号(VON)およびP
WM(Pulse Width Modulation)信号(VPWM)の混成
信号からなる電動機制御信号VOを電動機駆動手段15
に供給する。
【0025】また、伝達比制御手段14は、車速センサ
16から供給される車速に対応した電気信号の車速信号
VSで目標転舵量信号(IMT)を補正するとともに、転
舵角センサ19から供給される転舵角信号θD、または
転舵位置センサ20から供給される転舵位置信号
(PD)に対応した実転舵量信号(IJO)を目標転舵量
信号(IMT)にフィードバック(負帰還)し、ステアリ
ング系の実転舵量信号(IJO)が目標転舵量信号
(IMS)となるよう(IJO=IMS)制御する。
【0026】電動機駆動手段15は、FET(電界効果
トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート・バイポーラト
ランジスタ)等のスイッチング素子でブリッジ回路を構
成し、伝達比制御手段14から供給される電動機制御信
号VOに基づいて操作量信号VAを出力し、この操作量信
号VAで電動機5をPWM駆動することによって電動機
5の操作量を制御する。
【0027】電動機5は、操作量信号VAでPWM駆動
され、操作量に対応した補助トルクをウォームギヤ4に
作用させることによって操舵力伝達軸3に回転運動力を
付勢し、伝達比制御手段14で設定した伝達比となるよ
うステアリング系を駆動する。
【0028】図2はこの発明に係るステアリング装置に
適用するステアリングホイールの一実施の形態イメージ
図である。図2において、ステアリングホイール2は、
運転者の操作量(例えば、操舵角)が小さい形状として
操作量OPで停止するよう構成し、操作量OPを超えるス
テアリング操作は、ステアリングホイール2に加えられ
る運転者の操舵トルクに依存するよう構成する。
【0029】なお、ステアリングホイール2に適当な反
力手段(例えば、ダンパ機構や反力スプリング)を設け
ることにより、操作量OPの範囲内でも操舵トルクが発
生するように構成することもできる。
【0030】ステアリング操作を操作量(例えば、操舵
角)と操舵トルクで実行する構成とすることにより、ス
テアリング操作の範囲を大幅(例えば、45度以内)に
減少することができ、従来のステアリングホイールのよ
うな円形状のものから開放されて形状の自由度、小型化
を実現できるとともに、従来のステアリングホイールの
ような、例えば2回転を超えるような回転操作からも開
放される。
【0031】このことは、ステアリングホイールとステ
アリング系を機械的に独立させ、ドライバの操舵意志を
ハンドル操作量(例えば、操舵角)と操舵トルクで検出
し、これらの検出量に対応してステアリング系に作用す
る操作量を電動機5から発生させ、車両の転舵量を決定
するものである。
【0032】なお、図2に示すステアリング系ホイール
2の形状は、時計方向および反時計方向に対象な操作量
OPの可動部を有するものであれば、任意形状のもので
よい。
【0033】図3はこの発明に係るステアリング装置の
基本要部ブロック構成図である。図3において、ステア
リング装置1は、車速センサ16、ハンドルの操作位置
を検出する操作位置センサまたは操舵角を検出する操舵
角センサからなる操作量センサ17、操舵トルクセンサ
18、伝達比制御手段14、電動機駆動手段15、電動
機5、転舵量センサ19、20を備える。
【0034】伝達比制御手段14は、目標伝達比設定手
段21、偏差演算手段22、駆動制御手段23、転舵量
信号変換手段24を備える。
【0035】目標伝達比設定手段21は、ROM等のメ
モリ、ソフト制御の加算機能や乗算機能を備え、操作量
センサ17から供給される操作量信号OS、操舵トルク
センサ18から供給される操舵トルク信号TSおよび車
速センサ16から供給される車速信号VSに基づいて目
標転舵量信号IMTを設定し、この目標転舵量信号IMT
を偏差演算手段22に供給する。
【0036】目標転舵量信号IMTは、操舵トルク信号
TSを車速信号VSで補正した値と、操作量信号OSを車
速信号VSで補正した値とを加算した値に対応し、転舵
角θDと操舵角θSとの比で決定される伝達比TH(=θD
/θS)の目標転舵角信号θDMに対応するように設定す
る。
【0037】図4はこの発明に係る目標伝達比設定手段
の一実施の形態要部ブロック構成図である。図4におい
て、目標伝達比設定手段21は、トルク−転舵量変換手
段30、トルク変化量演算手段31、変化量−転舵量変
換手段32、加算手段33、車速係数発生手段34、乗
算手段35、車速係数発生手段36、操作量−転舵量変
換手段37、乗算手段38、加算手段39を備える。
【0038】トルク−転舵量変換手段30は、ROM等
のメモリを備え、予め実験値や設計値に基づいて、例え
ば図5に示す操舵トルク信号(TS)−転舵量信号
(XT)特性図のデータを設定しておき、操舵トルク信
号TSが供給されると対応する転舵量信号XTを読み出し
て加算手段33に供給する。
【0039】トルク変化量演算手段31は、微分演算機
能を備え、操舵トルク信号TSに1回の微分演算(dTS
/dt)、または2回の微分演算(dTS 2/dt)を施
し、演算した結果を操舵トルク変化量信号DTとして変
化量−転舵量変換手段32に供給する。
【0040】変化量−転舵量変換手段32は、ROM等
のメモリを備え、予め実験値や設計値に基づいて、例え
ば図6に示す操舵トルク変化量(信号)DT−転舵量信
号XD特性図のデータを設定しておき、操舵トルク変化
量信号DTが供給されると対応する転舵量信号XDを読み
出して加算手段33に供給する。
【0041】加算手段33は、ソフト制御の加算機能を
備え、トルク−転舵量変換手段30から供給される転舵
量信号XTと、変化量−転舵量変換手段32から供給さ
れる転舵量信号XDとを加算処理し、転舵量信号XQ(=
XT+XD)を乗算手段35に提供する。
【0042】車速係数発生手段34は、ROM等のメモ
リを備え、予め実験値や設計値に基づいて、図7に示す
車速信号(VS)−車速係数(KT)特性図のデータを設
定しておき、車速信号VSが供給されると対応する車速
係数KTを発生して乗算手段35に提供する。
【0043】乗算手段35は、ソフト制御の乗算機能を
備え、加算手段33から提供される転舵量信号XQ(=
XT+XD)に、車速係数発生手段34から提供される車
速係数KTを乗算処理し、転舵量信号XA{=KT*(XT
+XD)}を加算手段39に供給する。
【0044】なお、車速係数KTは、図7に示すように
車速信号VSが増加するにつれて増加するよう設定する
ので、車速信号VSが小さい場合(低車速領域)には、
操舵トルク信号TSに対応した転舵量信号XQ(=XT+
XD)を減少補正する。
【0045】一方、車速係数KTは、車速信号VSが大き
な場合(高車速領域)には、操舵トルク信号TSに対応
した転舵量信号XQ(=XT+XD)を大きな値に補正す
る。
【0046】このように、車速係数KTで転舵量信号XQ
を補正することによって、低車速領域では転舵量信号X
Qを減少補正した転舵量信号XA{=KT*(XT+
XD)}となり、高車速領域では転舵量信号XQと同等の
転舵量信号XA{=KT*(XT+XD)}が得られ、高車
速領域における操舵トルク信号TSおよびトルク変化量
信号DTに対応する転舵量信号XQを大きな値に補正して
操舵トルク信号成分に対する転舵量のゲインを大きな値
に設定することができる。
【0047】車速係数発生手段36は、ROM等のメモ
リを備え、予め実験値や設計値に基づいて、図8に示す
車速信号(VS)−車速係数(KS)特性図のデータを設
定しておき、車速信号VSが供給されると対応する車速
係数KSを発生して乗算手段38に提供する。
【0048】操作量−転舵量変換手段37は、ROM等
のメモリを備え、予め実験値や設計値に基づいて、例え
ば操作量センサ17を操舵角センサで構成した場合の図
9に示す操舵角信号(θS)−転舵量(XS)特性図のデ
ータを設定しておき、操舵角信号θSが供給されると対
応する転舵量信号XSを読み出して乗算手段38に提供
する。
【0049】乗算手段38は、ソフト制御の乗算機能を
備え、操作量−転舵量変換手段37から供給される転舵
量信号XSに、車速係数発生手段36から供給される車
速係数KSを乗算処理し、転舵量信号XB(=KS*XS)
を加算手段39に供給する。
【0050】なお、車速係数KSは、図8に示すように
車速信号VSが増加するにつれて減少するよう設定する
ので、車速信号VSが小さい場合(低車速領域)には、
車速係数KSは大きな値となり、転舵量信号XB(=KS
*XS)は、図9に示す転舵量XSの値になる。
【0051】一方、車速係数KSは、車速信号VSが大き
な場合(高車速領域)には、小さな値となるので、操舵
角信号θSに対する転舵量信号XSを小さな値に補正し、
転舵量信号XB(=KS*XS)を出力する。
【0052】このように、車速係数KSで転舵量信号XS
を補正することによって、低車速領域では転舵角信号θ
Sに対応した転舵量信号XSと同等の転舵量信号XB(=
KS*XS)となり、高車速領域では転舵角信号θSに対
応した転舵量信号XSを減少させた転舵量信号XB(=K
S*XS)が得られ、低車速領域における転舵量信号XS
に対応する転舵量信号XBを大きな値に補正して操作量
信号(操舵角または操舵位置)成分に対する転舵量のゲ
インを大きな値に設定することができる。
【0053】加算手段39は、ソフト制御の加算手段を
備え、乗算手段35から供給される転舵量信号XAと、
乗算手段38から供給される転舵量信号XBを加算処理
し、目標転舵量信号IMT(=XA+XB)を図3に示す偏
差演算手段22に供給する。
【0054】なお、目標転舵量信号IMTは、目標転舵角
信号θDMに対応する値、または目標転舵位置信号PDMに
対応する値である。
【0055】このように、目標伝達比設定手段21は、
車速が増加するにつれて操舵トルク信号に対する転舵量
のゲインが増加するよう設定するので、車両が低速走行
時には操作量に対する転舵量のゲインを大きく設定する
ことによってドライバは従来の操舵フィーリングと余り
変化がないので車両前方の車線に車両を適切に追従させ
ることができ、ドライバの車線追従能力を確保すること
ができる。また、車両が高速走行時には操舵トルクに対
するステアリング系の転舵量のゲインを大きく設定して
従来に無い新たな操舵フィーリングを有するようにする
ことができる。
【0056】偏差演算手段22は、ソフト制御の減算機
能を備え、目標伝達比設定手段21から供給される目標
転舵量信号IMTと、転舵量信号変換手段24から供給さ
れる実転舵量信号IJOとの偏差(=IMT−IJO)を演算
し、偏差信号ΔI(=IMT−IJO)を駆動制御手段23
に提供する。
【0057】駆動制御手段23は、PID(比例・積分
・微分)コントローラ、PWM信号発生器等で構成し、
偏差演算手段22から供給される偏差信号ΔI(IMT−
IJO)にPID制御を施した後、対応したPWM信号を
電動機制御信号VOとして電動機駆動手段15に供給す
る。
【0058】また、駆動制御手段23は、電動機駆動手
段15、転舵量センサ19、20、転舵量信号変換手段
24および偏差演算手段22とともにフィードバック
(負帰還)ループを形成し、偏差信号ΔI(=IMT−I
JO)を速やかに0(IMT=IJO)にして実転舵量信号I
JOを目標転舵量信号IMTに等しくなるよう制御する。
【0059】電動機駆動手段15は、図1で説明したよ
うに、FET(電界効果トランジスタ)やIGBT(絶
縁ゲート・バイポーラトランジスタ)等のスイッチング
素子でブリッジ回路を構成し、伝達比制御手段14から
供給される電動機制御信号VOに基づいて操作量信号VA
を出力し、この操作量信号VAで電動機5をPWM駆動
することによって電動機5の操作量を制御する。
【0060】転舵量センサ19は、転舵角センサで構成
し、電動機5からステアリング系に供給される電動機操
作量TMをピニオンギヤ8の回転角(転舵角θDに対応)
として検出し、回転角(転舵角θDに対応)に対応した
電気信号の転舵角信号TDを転舵量信号変換手段24に
供給する。
【0061】また、転舵量センサ19は、ポテンショメ
ータ等の転舵位置センサ20で構成し、図1に示すラッ
ク軸10の切り欠き部13の位置を検出し、電気信号の
転舵位置信号TDを転舵量信号変換手段24に供給す
る。
【0062】このように、この発明に係るステアリング
装置1は、少なくとも操舵トルクセンサ18からの操舵
トルク信号TSに基づいて電動機5の操作量を制御する
伝達比制御手段14を備えたので、従来に無い新たな操
舵フィーリングを有するようにすることができる。
【0063】図10は路面摩擦係数または車両挙動の影
響を考慮したこの発明に係る伝達比制御手段の要部ブロ
ック構成図である。図10において、伝達比制御手段4
0は、目標伝達比設定手段21、最大転舵量制限手段4
1、偏差演算手段22、駆動制御手段23、転舵量信号
変換手段24を備える。
【0064】なお、伝達比制御手段40は、目標転舵量
信号IMT、路面摩擦係数センサ42または車両挙動セン
サ43からのセンサ信号(摩擦係数信号μSまたは車両
挙動信号MS)に基づいて目標転舵量信号IMTの最大値
を制限する最大転舵量制限手段41を設けた点が図3に
示す伝達比制御手段14と異なる。
【0065】最大転舵量制限手段41は、路面摩擦係数
センサ42から供給される路面摩擦係数信号μS、また
は車両挙動センサ43から供給される車両挙動信号MS
に基づいて目標伝達比設定手段21から供給される目標
転舵量信号IMTの最大値を制限した目標転舵量最大信号
IMTMを偏差演算手段22に供給する。
【0066】図11はこの発明に係る最大転舵量制限手
段の要部ブロック構成図である。図11において、最大
転舵量制限手段41は、最大値記憶手段44、最大値制
限手段45を備える。
【0067】最大値記憶手段44は、ROM等のメモリ
で構成し、予め路面摩擦係数信号μS、または車両挙動
信号MSの値に対応した目標転舵量信号IMTの最大値I
MMを設定してしておき、路面摩擦係数センサ42で検出
した路面摩擦係数信号μS、または車両挙動センサ43
で検出した車両挙動信号MSに基づいて最大値IMMを読
み出し、最大値信号IMMを最大値制限手段45に供給す
る。
【0068】図12はこの発明に係る最大値記憶手段の
路面摩擦係数信号(μS)−最大値信号(IMM)特性図
である。図12において、最大値信号IMMは、路面摩擦
係数信号μSのそれぞれの値に対して設定し、路面摩擦
係数信号μSに比例して増加する特性に設定する。
【0069】このように、路面摩擦係数信号μSが小さ
い低μ路面状態では、最大値信号IM Mを小さく設定する
ことにより、車両の転舵量(転舵角、または転舵位置)
が小さく制限されるようにする。一方、路面摩擦係数信
号μSが大きい高μ路面状態では、最大値信号IMMを大
きく設定することにより、車両の転舵量(転舵角、また
は転舵位置)が大きくなるようにする。
【0070】図13はこの発明に係る最大値記憶手段の
車両挙動信号(MS)−最大値信号(IMM)特性図であ
る。図13において、最大値信号IMMは、車両挙動信号
MSのそれぞれ値に対して設定し、車両挙動信号MSに反
比例して減少する特性に設定する。
【0071】このように、車両挙動信号MSが小さく、
車両に作用する横加速度、ヨーレイトが小さい場合に
は、最大値信号IMMを大きく設定することにより、車両
の転舵量(転舵角、または転舵位置)が大きくなるよう
にする。一方、車両挙動信号MSが大きく、車両に作用
する横加速度、ヨーレイトが大きい場合には、最大値信
号IMMを小さく設定することにより、車両の転舵量(転
舵角、または転舵位置)が小さく制限されるようにす
る。
【0072】最大値制限手段45は、コンパレータ、ク
リップ回路を備え、目標伝達比設定手段21から供給さ
れる目標転舵量信号IMTと最大値記憶手段44から供給
される最大値信号IMMとを比較する。
【0073】目標転舵量信号IMTが最大値信号IMMを下
回る場合(IMT<IMM)には、目標転舵量信号IMTをそ
のまま目標転舵量信号IMTMとして出力し、目標転舵量
信号IMTが最大値信号IMM以上の場合((IMT≧IMM)
には、目標転舵量信号IMTを最大値信号IMMに制限し、
この最大値信号IMMを目標転舵量信号IMTMとして出力
する。
【0074】このように、伝達比制御手段40に、路面
摩擦係数センサ42、または車両挙動センサ43からの
出力信号(μS、MS)に基づいて車両の転舵量(転舵
角、または転舵位置)の最大値を制限する最大転舵量制
限手段41を備えたので、路面状態の変化、または横加
速度等の車両挙動に対応して車両の転舵量(転舵角、ま
たは転舵位置)の最大値を制限してステアリングホイー
ルの切り過ぎに対しても車両の走行状態を適切に保つこ
とができる。
【0075】本実施の形態では、ステアリングホイール
2がステアリング系から機械的に独立した構成を示した
が、図14に示すようにステアリングホイール2とステ
アリング系が可変ギア比機構42を介して機械的に結合
されたステアリング装置50でも本願発明を適用するこ
とができる。
【0076】なお、図14に示す実施の形態では、図1
に示す転舵角センサ19、転舵位置センサ20に代えて
伝達比検出手段を可変ギア比機構42に設け、伝達比制
御手段14は目標転舵量信号の代わりに車速センサ1
6、操作量センサ17および操舵トルクセンサ18から
目標伝達比を求め、この目標伝達比と伝達比検出手段か
らの実伝達比との偏差が0になるように電動機駆動手段
15を介して駆動制御するよう構成することもできる。
【0077】また、本実施の形態では、操作量センサ1
7、操舵トルクセンサ18、車速センサ16、転舵量セ
ンサ19、20、伝達比制御手段14、電動機駆動手段
15をそれぞれ1個で構成したが、実用化に際してはそ
れぞれ複数個設け、切り替え可能な構成としてもよい。
【0078】さらに、本実施の形態では、ドライバの操
舵意志の情報としてハンドル操作量と操舵トルクを検出
したが、操舵トルクのみを検出するようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】この発明に係るステアリング装置は、少
なくとも前記操舵トルクセンサからの操舵トルク信号基
づいて前記電動機の操作量を制御する伝達比制御手段を
備え、ドライバの意志に応じた従来に無い新たな操舵フ
ィーリングを得ることができるので、例えばハンドル操
作量が少なくて長時間の運転にも疲れなく、緊急時のハ
ンドルの切り過ぎを防止でき、快適で安定性に優れたハ
ンドル操作を実現することができる。
【0080】また、この発明に係るステアリング装置
は、ハンドルの操作量を検出する操作量センサおよび車
速を検出する車速センサを備え、伝達比制御手段は、少
なくとも操舵トルクセンサからの操舵トルク信号に基づ
いて電動機の操作量を制御するとともに、車速が増加す
るにつれて操舵トルク信号に対応する転舵量のゲインが
増加するように設定する目標伝達比設定手段を備え、車
両が低速走行時にはハンドル操作量に対するステアリン
グ系の転舵量のゲインを大きく設定してドライバの車線
追従能力を確保し、車両が高速走行時には操舵トルクに
対するステアリング系の転舵量のゲインを大きく設定し
て従来に無い新たな操舵フィーリングを有するようにす
ることができるため、ドライバの意志を忠実に実現して
快適で安定性に優れたハンドル操作を実現することがで
きる。
【0081】さらに、この発明に係るステアリング装置
は、路面摩擦係数を検出する路面摩擦係数センサまたは
車両挙動を検出する車両挙動センサを備えるとともに、
伝達比制御手段は、路面摩擦係数センサからの路面摩擦
係数信号または車両挙動センサからの車両挙動信号に基
づいてステアリング系の転舵量の最大値を制限する最大
転舵量制限手段を備え、路面状態の変化、または横加速
度等による車両挙動の変化に対応して車両の転舵角の最
大値を制限し、ステアリングホイールの切り過ぎに対し
ても車両の走行状態を適切に保つことができるので、様
々な走行条件においても安定した走行を実現することが
できる。
【0082】また、この発明に係るステアリング装置
は、ステアリング系の転舵量を検出する転舵量センサを
備え、伝達比制御手段は、転舵量センサからの転舵量信
号と目標伝達比設定手段からの目標転舵量信号が等しく
なるように制御する駆動制御手段を備え、伝達比を所望
の値に設定して車両の走行状態に応じて車両の転舵量を
適切に決定することができるので、安定した操舵フィー
リングを得ることができる。
【0083】よって、長時間の運転にも疲れなく、緊急
時のハンドルの切り過ぎを防止でき、快適で安定性に優
れたハンドル操作を実現してドライバの意志に応じた従
来に無い新たな操舵フィーリングを得ることができるス
テアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るステアリング装置の全体構成図
【図2】この発明に係るステアリング装置に適用するス
テアリングホイールの一実施の形態イメージ図
【図3】この発明に係るステアリング装置の基本要部ブ
ロック構成図
【図4】この発明に係る目標伝達比設定手段の一実施の
形態要部ブロック構成図
【図5】操舵トルク信号(TS)−転舵量信号(XT)特
性図
【図6】操舵トルク変化量(信号)DT−転舵量信号XD
特性図
【図7】車速信号(VS)−車速係数(KT)特性図
【図8】車速信号(VS)−車速係数(KS)特性図
【図9】操舵角信号(θS)−転舵量(XS)特性図
【図10】路面摩擦係数または車両挙動の影響を考慮し
たこの発明に係る伝達比制御手段の要部ブロック構成図
【図11】この発明に係る最大転舵量制限手段の要部ブ
ロック構成図
【図12】この発明に係る最大値記憶手段の路面摩擦係
数信号(μS)−最大値信号(IM M)特性図
【図13】この発明に係る最大値記憶手段の車両挙動信
号(MS)−最大値信号(IMM)特性図
【図14】ステアリングホイール2とステアリング系が
機械的に結合されたステアリング装置の全体構成図
【符号の説明】
1…ステアリング装置、2…ステアリングホイール、3
…操舵力伝達軸、4…ウォームギヤ、5…電動機、6
A,6C…自在継ぎ手、6B…連結軸、7…ラック&ピ
ニオン機構、8…ピニオンギヤ、9…ラック歯、10…
ラック軸、11…タイロッド、12…前輪、13…切り
欠き部、14,40…伝達比制御手段、15…電動機駆
動手段、16…車速センサ、17…操作量センサ、18
…操舵トルクセンサ、19…転舵角センサ、20…転舵
位置センサ、21…目標伝達比設定手段、22…偏差演
算手段、23…駆動制御手段、24…転舵量信号変換手
段、30…トルク−転舵量変換手段、31…トルク変化
量演算手段、32…変化量−転舵量変換手段、33…加
算手段、34…車速係数発生手段、35…乗算手段、3
6…車速係数発生手段、37…操作量−転舵量変換手
段、38…乗算手段、39…加算手段、41…最大転舵
量制限手段、42…路面摩擦係数センサ、43…車両挙
動センサ、IMM…最大値、IJO…実転舵量信号、IMT…
目標転舵量信号、IMTM…目標転舵量最大信号、ΔI
(IMT−IJO)…偏差信号、MS…車両挙動信号、OS…
操作量信号、PD…転舵位置信号、PS…操舵位置信号、
TD…転舵角信号、TM…電動機操作量、TS…操舵トル
ク信号、VA…操作量信号、VO…電動機制御信号、VS
…車速信号、θD…転舵角、θS…操舵角信号、μS…路
面摩擦係数信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 119:00 (72)発明者 伊澤 将隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルに作用する操舵トルクを検出す
    る操舵トルクセンサと、前記ハンドルの操作に対応して
    ステアリング系の転舵量を可変可能な電動機と、この電
    動機の駆動を制御する伝達比制御手段と、を備えたステ
    アリング装置において、 前記伝達比制御手段は、少なくとも前記操舵トルクセン
    サからの操舵トルク信号基づいて前記電動機の操作量を
    制御することを特徴とするステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記ハンドルの操作量を検出する操作量
    センサおよび車速を検出する車速センサを備え、前記伝
    達比制御手段は、少なくとも前記操舵トルクセンサから
    の操舵トルク信号に基づいて前記電動機の操作量を制御
    するとともに、車速が増加するにつれて操舵トルク信号
    に対応する転舵量のゲインが増加するように設定する目
    標伝達比設定手段を備えたことを特徴とする請求項1記
    載のステアリング装置。
  3. 【請求項3】 路面摩擦係数を検出する路面摩擦係数セ
    ンサまたは車両挙動を検出する車両挙動センサを備える
    とともに、前記伝達比制御手段は、前記路面摩擦係数セ
    ンサからの路面摩擦係数信号または前記車両挙動センサ
    からの車両挙動信号に基づいてステアリング系の転舵量
    の最大値を制限する最大転舵量制限手段を備えたことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のステアリング
    装置。
  4. 【請求項4】 ステアリング系の転舵量を検出する転舵
    量センサを備え、前記伝達比制御手段は、前記転舵量セ
    ンサからの転舵量信号と前記目標伝達比設定手段からの
    目標転舵量信号が等しくなるように制御する駆動制御手
    段を備えたことを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項3記載のステアリング装置。
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