JPH11124603A - 焼結金属合金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金歯車 - Google Patents

焼結金属合金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金歯車

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JPH11124603A
JPH11124603A JP9325122A JP32512297A JPH11124603A JP H11124603 A JPH11124603 A JP H11124603A JP 9325122 A JP9325122 A JP 9325122A JP 32512297 A JP32512297 A JP 32512297A JP H11124603 A JPH11124603 A JP H11124603A
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Japan
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metal alloy
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toughness
sintered
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Muneo Mizuta
宗男 水田
Koji Yabe
康志 矢部
Yoshihisa Tomihari
義久 富張
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JATCO Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】じん性の異なる層を分離させることなく、略均
等に各剛性を有する組織を分布させることにより、応力
荷重を点で支持することが可能なじん性を有する焼結金
属合金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属合金
を用いた焼結合金歯車を提供する。 【解決手段】所定形状に形成された焼結金属材料を焼結
炉14にて焼結後に、徐冷を行うことにより、略室温雰
囲気下まで冷却されたインターナルギヤ1を、高じん性
を有する組織が略均等に分布するように、昇温するじん
性安定化処理が、低温温熱炉18において行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、遊星歯車装置等のイ
ンターナルギヤに用いて好適な焼結金属合金、該焼結金
属合金の製造方法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金
歯車に関するものである。
【従来の技術】従来のこの種の焼結金属合金、該焼結金
属合金の製造方法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金
歯車としては、例えば、図12に示す様な製造工程を経
て製作されるものが知られている。すなわち、図中
(a)に示すような焼結インターナルギヤ10の焼結金
属原料(鉄粉やその他の金属粉及び潤滑剤)が、図中
(b)に示すように、ミキサー11にて、所定割合に配
合,混合されて、図中(c)に示すように、金型12内
へ一定重量充填される。そして、金型12の各上パンチ
型12a等と、各下パンチ型12b等とをコアロッド1
3に沿わせてスライド移動させて上下方向から、3〜7
tonf/平方cmの圧力を加えることにより圧縮成型
が行われる。次に、圧縮成型された粉末成形体15は、
図中(d)に示すように、焼結炉14にて溶融点以下の
高温で一定時間加熱されることにより、金属粒子の拡散
結合が進行して固化される。そして、品質や特性を更に
高めて、使用目的や用途に応じた完成品を得るため、後
処理が行われる。次に、この焼結インターナルギヤ10
では、図中(e)に示すように、固化された粉末成形体
15を、サイジング金型16に入れて、このサイジング
金型16の各上パンチ型16a等と、各下パンチ型16
b等とをコアロッド17に沿わせてスライド移動させて
上下方向から再度圧力を加えることにより、サイジング
が行われる。サイジング後、図中(f)に示すように検
査が行われて、完成品としての焼結インターナルギヤ1
0等の焼結合金部品が得られる(図中(9))。そし
て、上記後処理に関連するものとしては、特開昭58−
19412号公報等に記載されているものが知られてい
る。このようなものでは、焼結炉による焼結後、再び8
60℃まで昇温して高温状態下として、焼き入れを行
い、その後、約180℃で焼き戻しを行うことで焼結合
金金属を用いた歯車の高面圧への耐性を向上させてい
る。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして構成された焼結金属合金、該焼結金属合金の製
造方法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金歯車では、
焼き入れ及び、その後の焼き戻しにより、表面から内部
に向けて0.02〜0.3mmの範囲の組織をなじみ性
を有するオーステナイト層としているため、内部の高脆
性を有するマルテンサイトを高密度に含むマルテンサイ
ト層の表面に、じん性が全く異なるオーステナイトを高
密度に含むオーステナイト層が薄層状に形成されて、部
品内外の組織が分離されてしまう。このため、インター
ナルギヤ等の比較的、接触部分面積が狭く高圧力がかか
るギヤ面等の表面が、このマルテンサイト層で構成され
ることになり、微細部分でのじん性が不足して、応力荷
重を点で支持することが困難であった。そこで、この発
明は、じん性の異なる層を分離させることなく、略均等
に各剛性を有する組織を分布させることにより、応力荷
重を点で支持することが可能なじん性を有する焼結金属
合金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属合金を
用いた焼結合金歯車を提供することを課題とするもので
ある。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1に記載されたものでは、高じん性を
有する組織を表面から内部に向けて略均等に分布させる
焼結金属合金を特徴としている。このように構成された
請求項1記載のものでは、剛性の異なる層が分離される
ことなく、略均等に各剛性を有する組織が分布されるこ
とにより、点で入力された応力荷重も面全体で支持され
る。このため、応力集中により一部が凹む等無く、接触
面積の小さい部材間の応力支持を可能とすることが出来
る。また、請求項2に記載されたものでは、所定形状に
形成された焼結金属材料を焼結炉にて焼結後に、徐冷を
行うことにより、略室温雰囲気下まで冷却された焼結金
属合金を、高じん性を有する組織が略均等に分布するよ
うに、昇温してじん性安定化処理を行う請求項1記載の
焼結金属合金の製造方法を特徴としている。このように
構成された請求項2記載のものでは、所定形状に形成さ
れた焼結金属材料が焼結炉にて焼結された後に、徐冷に
よって略室温雰囲気下まで冷却される。そして、再び所
定温度まで昇温することにより、主に高剛性組織部分
が、剛性を保持しつつ、高じん性を有する組織に変化し
て、焼結金属合金内の高じん性を有する組織が略均等に
分布される。このため、略均等に各剛性を有する組織が
分布されて、面状にじん性が向上する。また、請求項3
に記載されたものでは、略中央にボス部を形成する略円
盤状のフランジ部を、略リング状を呈して内側面部にギ
ヤ面を形成した内歯歯車本体の一側端面に、一体に形成
する請求項1記載の焼結金属合金を用いた焼結合金歯車
を特徴としている。このように構成された請求項3記載
のものでは、略中央にボス部を形成する略円盤状のフラ
ンジ部が、略リング状を呈して内側面部にギヤ面を形成
した内歯歯車本体の一側端面に、一体に形成されていて
も、前記剛性の異なる層が分離されることなく、略均等
に各剛性を有する組織が分布されているので、成形スト
レスが少なく、冷却後の花開きが抑制される。このた
め、寸法精度を向上させることが出来る。そして、請求
項4に記載されたものでは、前記じん性安定化処理が行
われる前に、サイジングを行う請求項2記載の焼結金属
合金の製造方法を特徴としている。このように構成され
た請求項4記載のものでは、前記じん性安定化処理が行
われる前に、サイジングが行われるので、サイジング時
に付与されるストレスが、じん性安定化処理を行うこと
によって解放されて、例えば、フランジ付き内歯歯車の
花開き等が抑制される等、寸法精度を良好なものとする
ことが出来る。更に、請求項5に記載されたものでは、
前記じん性安定化処理が行われた後に、サイジングを行
う請求項2記載の焼結金属合金の製造方法を特徴として
いる。このように構成された請求項5記載のものでは、
前記じん性安定化処理が行われた後に、サイジングが行
われるので、例えば、サイジングをじん性安定化処理の
前に行うものに比して、サイジングを行う際に付着する
油の脱脂を必要とせず、脱脂工程を一回減少させること
が出来る。また、請求項6に記載されたものでは、前記
昇温させる温度は、使用環境条件下の温度に所定幅の温
度を加えた温度である請求項2記載の焼結金属合金の製
造方法を特徴としている。このように構成された請求項
6記載のものでは、前記昇温させる温度が、使用環境条
件下の温度に所定幅の温度を加えた温度であるので、使
用環境下における温度の上昇によっても、鈍ってしまう
虞がない。また、請求項7に記載されたものでは、前記
昇温させる温度は、焼結金属合金の脆性点よりも所定幅
低い温度である請求項2記載の焼結金属合金の製造方法
を特徴としている。このように構成された請求項7記載
のものでは、前記昇温させる温度が、焼結金属合金の脆
性点よりも所定幅低い温度であるので、前記じん性安定
化処理によって脆性が増してじん性を向上させることが
出来る。
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施の形態1に
ついて、図面を参照しつつ説明する。なお、従来例と同
一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明す
る。図1乃至図10は、この発明の実施の形態1の焼結
金属合金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属合
金を用いた焼結合金歯車を示すものである。まず、この
実施の形態1の焼結金属合金、該焼結金属合金の製造方
法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金歯車としてのイ
ンターナルギヤ1では、高じん性を有する組織を表面か
ら内部に向けて略均等に分布させる焼結金属合金で形成
されている。このインターナルギヤ1は、図3又は図4
に示すように、略リング状を呈して内側面部にギヤ面1
bを形成する内歯歯車本体1aと、この内歯歯車本体1
aの一側端面1cに、一体に形成されて略中央にボス部
1dが設けられた略円盤状のフランジ部1eとから主に
構成されている。このインターナルギヤ1を構成する投
入成分は、鉄を主成分としてニッケル4(wt%),銅
1.5(wt%),モリブデン0.5(wt%),炭素
(0.5〜0.8)(wt%)であり、これらの原材料
を混合して焼結することにより、拡散結合して所定の形
状が得られる。このインターナルギヤ1の細部の組成を
図1及び図2を用いて説明する。図2中、水色着色部分
は、フェライト組織部2、青紫色着色部分は、パーライ
ト組織部3、赤色着色部分はマルテンサイト組織部4、
黄色着色部分はベイナイト組織部5、緑色着色部分は高
合金部6であり、一般に、フェライト組織部2及び、パ
ーライト組織部3がベース部を形成する比較的硬度の低
い組織で、マルテンサイト組織部4、ベイナイト組織部
5、高合金部6の順に硬度が増大する。なお、図中黒点
部分は、ポーラス(空孔)7…である。次に、このイン
ターナルギヤ1の製造方法を製造工程に沿って説明し、
この実施の形態1の焼結金属合金、該焼結金属合金の製
造方法及び該焼結金属合金を用いた焼結合金歯車の作用
について詳述する。このようなインターナルギヤ1で
は、図10中(a)に前記各金属粉等からなる焼結金属
原料(鉄粉やその他の金属粉及び潤滑剤)が、図中
(b)に示すように、ミキサー11にて、所定割合に配
合,混合されて、図中(c)に示すように、金型12内
へ一定重量充填される。そして、金型12の各上パンチ
型12a等と、各下パンチ型12b等とをコアロッド1
3に沿わせてスライド移動させて上下方向から、3〜7
tonf/平方cmの圧力を加えることにより圧縮成型
が行われる。次に、圧縮成型された粉末成形体15は、
図中(d)に示すように、焼結炉14にて溶融点以下の
高温で一定時間加熱されることにより、金属粒子の拡散
結合が進行して固化される。この実施の形態1では、焼
結炉14内の温度を約1000+α℃としている。そし
て、焼結炉14内を通過させるベルトコンベア装置14
aの転動速度を通常の4/7〜1/2に落として、焼結
炉14の出口付近14bでの滞在時間を延長することに
より、この固化した粉末成形体15の徐冷が行われて、
半完成のインターナルギヤ1が得られる。この実施の形
態1では、室温の範囲を0℃〜50℃として、略室温雰
囲気下まで冷却された状態を、前記粉末成形体15の肉
厚方向中心付近の温度が約50℃前後まで低下した状態
としている。次に、この実施の形態1では、品質や特性
を更に高めて、使用目的や用途に応じた完成品を得るた
め、後処理が行われる。すなわち、図10中(e)に示
すように、低温温熱炉18内へ、前記徐冷された状態の
インターナルギヤ1が、ベルトコンベア装置18aにて
搬入,搬出される。この低温温熱炉18内の温度は、約
200±5℃まで加熱されている。この昇温させる温度
は、インターナルギヤ1が自動変速機等の遊星歯車装置
内で使用される使用環境条件下の温度が、最高で約18
0℃まで昇温することを考慮して、この約180℃に所
定幅の約20℃の安全係数温度を加えた温度として設定
されている。また、このじん性安定化処理で昇温させる
温度は、焼結金属合金の脆性点である約250〜300
℃よりも所定幅約50〜100℃低い温度に設定されて
いる。また、搬入されたインターナルギヤ1が昇温され
てじん性安定化処理が行われ、高じん性を有する組織の
略均等な分布を促進するため、肉厚方向中心部分が炉内
温度約200℃近辺まで昇温して、外側面と略同一温度
に所定時間維持される。この実施の形態1では、肉厚方
向中心部分が、外側面と略同一温度に所定時間維持され
るように、前記低温温熱炉18内を通過させるベルトコ
ンベア装置18aの転動速度を設定している。この際、
焼結終了による拡散結合状態では、図5に示すように、
鉄固溶体19…中に炭化物20…が侵入固溶しているい
わゆる一次マルテンサイト状態であるのに対し、じん性
安定化処理後は、図6に示すように、炭化物20…が、
前記鉄固溶体19…から析出して、いわゆる二次マルテ
ンサイト状態となると考えられる。このため、図7に示
すように、ビッカース測定法で、焼結終了後を表す点線
で描かれた高硬度部分と、低硬度部分とが、じん性安定
化処理後を表す実線部分の略中央にドリフトして、中硬
度部分の分布密度を上昇させる。この図7の測定値は、
全自動ビッカース・マトリックス試験によって得られ、
試験点数500、試験加重50gf、保持時間15秒、
打点間距離50μmによって行われている。そして、最
小硬度値9.3HV、最大硬度値644.0HV、平均
硬度値255.3、標準偏差107.69を得た。同様
に、図8に示すように、ロックウエル測定法で、焼結終
了後を表す図中左側の白抜き方形点の集合で描かれた高
硬度部分と、低硬度部分とが、じん性安定化処理後を表
す図中白抜き方形点の集合で描かれるようにドリフトし
て、中硬度部分の分布密度を上昇させる。この際、最低
硬度部分の硬度は殆ど変わらない。更に、図9の組織別
微小硬度が示すように、焼結終了後を表す図中各白抜き
点は、じん性安定化処理後を表す図中黒色点に示すよう
に、中硬度部分に向けてドリフトして、中硬度部分の分
布密度を上昇させる。この際、最低硬度部分の硬度は殆
ど変わらない。このため、図1及び図2に示すように、
主に高合金部6に次ぐ高剛性組織部分であるベイナイト
組織部5及びマルテンサイト組織部4が、剛性を保持し
つつ、ベースとなる前記フェライト組織部2及びパーラ
イト組織部3と、前記高合金部6との橋渡しをするかの
ように周囲を取り囲む形状で高じん性を有する組織に変
化して、焼結金属合金内の高じん性を有する組織が略均
等に面状に分布される。従って、略均等に各剛性を有す
る組織が、インターナルギヤ1内で分布されて、表面部
も面状に結合してじん性が向上する。次に、この焼結イ
ンターナルギヤ1では、図中(f)に示すように、固化
された粉末成形体15を、サイジング金型16に入れ
て、このサイジング金型16の各上パンチ型16a等
と、各下パンチ型16b等とをコアロッド17に沿わせ
てスライド移動させて上下方向から再度圧力を加えるこ
とにより、サイジングが行われる。サイジング後、図中
(9)に示すように検査が行われて、完成品としての焼
結インターナルギヤ1が得られる(図中(h))。この
ようにして成形されたインターナルギヤ1では、剛性の
異なる層が分離されることなく、略均等に各剛性を有す
る組織が分布されることにより、点で入力された応力荷
重も面全体で支持される。このため、応力集中により一
部が凹む等無く、接触面積の小さい部材間の応力支持を
可能とすることが出来る。例えば、この実施の形態1の
インターナルギヤ1では、ギヤ面1bに付与されるピニ
オンの応力が、少ない面積に集中して応力集中しても、
ギヤ面1bが表面層から内部層にかけて面状に高じん性
を呈するので、一部が凹む等無く、使用耐久性が良好で
ある。また、この実施の形態1では、略中央にボス部1
dを形成する略円盤状のフランジ部1eが、略リング状
を呈して内側面部にギヤ面1bを形成した内歯歯車本体
1aの一側端面1cに、一体に形成されていて、花開き
を起こしやすい形状となっていても、前記剛性の異なる
層が分離されることなく、略均等に各剛性を有する組織
が分布されているので、成形ストレスが少なく、冷却後
の花開きが抑制される。このため、寸法精度を向上させ
ることが出来る。図3及び図4に示すインターナルギヤ
1の内歯歯車本体1aの回転中心線からピッチ線までの
各距離,各外径寸法,スラストベアリング受け部である
B面の平面度,及びボス部1d内周側に形成されるスプ
ライン部の回転中心線からピッチ線までの各距離は、下
記表1に示すように、焼結終了後の初期値としての測定
値Aとして測定されると共に、じん性安定化処理後にも
同一各箇所で測定が行われ、測定値Bとして併記されて
いる。また、差Cは、前記測定値Bと測定値Aとの差を
示し、じん性安定化処理によって、変化した形状を表し
ている。
【表1】 この表1からも読みとれるように、成形及び焼結によっ
て、内歯歯車本体1a開放端及びボス部1d内側のスプ
ライン部が拡開して、一旦花開き状に変形したインター
ナルギヤ1を、再び、じん性安定化処理によって、収縮
させて花開きを緩和させている。しかも、この実施の形
態1では、前記低温温熱炉18内で、インターナルギヤ
1が加熱されることにより、粉末圧縮成型時の内部スト
レスが解放されて、通常でも、鋳造,鍛造部品に比して
内部ストレスが少ない焼結合金歯車の内部ストレスを更
に減少させることが出来る。更に、この実施の形態1で
は、前記じん性安定化処理が行われた後に、サイジング
が行われるので、例えば、サイジングをじん性安定化処
理の前に行うものに比して、サイジングを行う際に、イ
ンターナルギヤ1に付着する油の脱脂を必要とせず、脱
脂工程を一回減少させることが出来る。また、この実施
の形態1では、前記じん性安定化処理で昇温させる温度
が、使用環境条件下の温度180℃に所定幅の温度20
℃を加えた温度約200℃であるので、使用環境下にお
ける温度が、約180℃まで上昇しても、鈍ってしまう
虞がない。また、この実施の形態1では、前記じん性安
定化処理で、昇温させる温度が、焼結金属合金の脆性点
である約250〜300℃よりも所定幅約50〜100
℃低い温度に設定されている。このため、前記焼結後の
徐冷と合わせて、前記じん性安定化処理によって脆性が
増してじん性を向上させることが出来る。
【実施の形態2】図11はこの発明の実施の形態2の焼
結金属合金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属
合金を用いた焼結合金歯車を示すものである。なお、前
記実施の形態1と同一乃至均等な部分については、同一
符号を付して説明する。この実施の形態2では、前記じ
ん性安定化処理が、低温温熱炉18で行われる前に、サ
イジング金型16によってサイジングが行われるように
構成されている。次に、この実施の形態2の焼結金属合
金、該焼結金属合金の製造方法及び該焼結金属合金を用
いた焼結合金歯車の作用について説明する。このように
構成された実施の形態2のものでは、前記じん性安定化
処理が行われる前に、サイジングが行われるので、サイ
ジング時に付与されるストレスが、じん性安定化処理を
行うことによって解放されて、例えば、フランジ付き内
歯歯車の花開き等が、更に抑制される等、寸法精度を、
更に良好なものとすることが出来る。他の構成及び作
用,効果については、前記実施の形態1と略同様である
ので説明を省略する。以上、この発明の実施の形態1及
び2を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの
実施の形態1及び2に限らず、この発明の要旨を逸脱し
ない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれ
る。例えば、前記実施の形態1及び2では、サイジング
金型16によるサイジングが、じん性安定化処理の前後
に行われているが、特にこれに限らず、例えば、サイジ
ングが行われなくてもよい。また、前記実施の形態1で
は、焼結合金内の炭素量を望ましくは0.6(wt/
%)としているが、特にこれに限らず、例えば、約0.
5〜0.8(wt/%)内のいかなる分量であっても、
本願発明の目的である焼結金属合金のじん性向上が達成
できる範囲内であればよい。
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項1記載のものによれば、剛性の異なる層が分離され
ることなく、略均等に各剛性を有する組織が分布される
ことにより、点で入力された応力荷重も面全体で支持さ
れる。このため、応力集中により一部が凹む等無く、接
触面積の小さい部材間の応力支持を可能とすることが出
来る。また、請求項2に記載されたものでは、所定形状
に形成された焼結金属材料が焼結炉にて焼結された後
に、徐冷によって略室温雰囲気下まで冷却される。そし
て、再び所定温度まで昇温することにより、主に高剛性
組織部分が、剛性を保持しつつ、高じん性を有する組織
に変化して、焼結金属合金内の高じん性を有する組織が
略均等に分布される。このため、略均等に各剛性を有す
る組織が分布されて、面状にじん性が向上する。また、
請求項3に記載されたものでは、略中央にボス部を形成
する略円盤状のフランジ部が、略リング状を呈して内側
面部にギヤ面を形成した内歯歯車本体の一側端面に、一
体に形成されていても、前記剛性の異なる層が分離され
ることなく、略均等に各剛性を有する組織が分布されて
いるので、成形ストレスが少なく、冷却後の花開きが抑
制される。このため、寸法精度を向上させることが出来
る。そして、請求項4に記載されたものでは、前記じん
性安定化処理が行われる前に、サイジングが行われるの
で、サイジング時に付与されるストレスが、じん性安定
化処理を行うことによって解放されて、例えば、フラン
ジ付き内歯歯車の花開き等が抑制される等、寸法精度を
良好なものとすることが出来る。更に、請求項5に記載
されたものでは、前記じん性安定化処理が行われた後
に、サイジングが行われるので、例えば、サイジングを
じん性安定化処理の前に行うものに比して、サイジング
を行う際に付着する油の脱脂を必要とせず、脱脂工程を
一回減少させることが出来る。また、請求項6に記載さ
れたものでは、前記昇温させる温度が、使用環境条件下
の温度に所定幅の温度を加えた温度であるので、使用環
境下における温度の上昇によっても、鈍ってしまう虞が
ない。また、請求項7に記載されたものでは、前記昇温
させる温度が、焼結金属合金の脆性点よりも所定幅低い
温度であるので、前記じん性安定化処理によって脆性が
増してじん性を向上させることが出来る、という実用上
有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の焼結金属合金の組織構
成を説明するための切断面の状態を示し、図面に代えて
提出する写真印刷である。
【図2】実施の形態1の焼結金属合金で、図1の写真印
刷を説明のため、各組織部毎に着色して色分けした写真
印刷である。
【図3】実施の形態1の焼結金属合金を用いた焼結合金
歯車としてのインターナルギヤで、回転中心線に沿った
位置での断面図である。
【図4】実施の形態1の焼結金属合金を用いた焼結合金
歯車としてのインターナルギヤで、回転中心線に沿った
位置での断面図である。
【図5】実施の形態1の焼結金属合金の組織内構成を説
明し、焼結後、じん性安定化処理前の微細部分の拡大模
式図である。
【図6】実施の形態1の焼結金属合金の組織内構成を説
明し、じん性安定化処理後の微細部分の拡大模式図であ
る。
【図7】実施の形態1の焼結金属合金の全自動ビッカー
ス・マトリックス試験結果を示すグラフ図である。
【図8】実施の形態1の焼結金属合金のロックウエル試
験結果を示すグラフ図である。
【図9】実施の形態1の焼結金属合金の組織別微細硬度
のドラフトを説明するグラフ図である。
【図10】実施の形態1の焼結金属合金の製造方法を説
明する流れ図である。
【図11】本発明の実施の形態2の焼結金属合金の製造
方法を説明する流れ図である。
【図12】従来例の焼結金属合金の製造方法を説明する
流れ図である。
【符号の説明】
1 インターナルギヤ 1a 内歯歯車本体 1b ギヤ面 1c 一側端面 1d ボス部 1e フランジ部 高じん性を有する組織 4 マルテンサイト組織部 5 ベイナイト組織部 じん性安定化処理手段 14a ベルトコンベア装置 18 低温熱炉

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高じん性を有する組織を表面から内部に向
    けて略均等に分布させることを特徴とする焼結金属合
    金。
  2. 【請求項2】所定形状に形成された焼結金属材料を焼結
    炉にて焼結後に、徐冷を行うことにより、略室温雰囲気
    下まで冷却された焼結金属合金を、高じん性を有する組
    織が略均等に分布するように、昇温してじん性安定化処
    理を行うことを特徴とする請求項1記載の焼結金属合金
    の製造方法。
  3. 【請求項3】略中央にボス部を形成する略円盤状のフラ
    ンジ部を、略リング状を呈して内側面部にギヤ面を形成
    した内歯歯車本体の一側端面に、一体に形成すること特
    徴とする請求項1記載の焼結金属合金を用いた焼結合金
    歯車。
  4. 【請求項4】前記じん性安定化処理が行われる前に、サ
    イジングを行うことを特徴とする請求項2記載の焼結金
    属合金の製造方法。
  5. 【請求項5】前記じん性安定化処理が行われた後に、サ
    イジングを行うことを特徴とする請求項2記載の焼結金
    属合金の製造方法。
  6. 【請求項6】前記昇温させる温度は、使用環境条件下の
    温度に所定幅の温度を加えた温度であることを特徴とす
    る請求項2記載の焼結金属合金の製造方法。
  7. 【請求項7】前記昇温させる温度は、焼結金属合金の脆
    性点よりも所定幅低い温度であることを特徴とする請求
    項2記載の焼結金属合金の製造方法。
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