JPH1112853A - 炭素繊維前駆体用油剤 - Google Patents

炭素繊維前駆体用油剤

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JPH1112853A
JPH1112853A JP16425197A JP16425197A JPH1112853A JP H1112853 A JPH1112853 A JP H1112853A JP 16425197 A JP16425197 A JP 16425197A JP 16425197 A JP16425197 A JP 16425197A JP H1112853 A JPH1112853 A JP H1112853A
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芳人 大沢
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敏 桑田
Masaki Tanaka
正喜 田中
Tomoyuki Kotani
知之 小谷
Yoshitaka Kageyama
義隆 景山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐熱性が良好で、炭素繊維前駆体の段階で単
糸間融着がなく、毛羽が実質的に存在せず、耐炎化工程
での前駆体繊維の毛羽、糸切れ及び単糸間融着を効果的
に抑え、耐炎化工程でのシリコーン分解物の飛散量が少
なく、同工程での工程通過性が著しく改善される炭素繊
維前駆体用油剤。 【解決手段】 (A)アミノ変性シリコーン、(B)酸
化防止剤(A)の0.01〜20重量%、(C)HLB6〜16
の非イオン性界面活性剤(A)の5〜 100重量%を水中
に乳化分散してなる炭素繊維前駆体用油剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、品質及び物性の優
れた炭素繊維を製造するのに好適な、耐熱性の良好な炭
素繊維前駆体用油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維の製造は前駆体繊維を酸化性雰
囲気中で 200〜 400℃で加熱処理することにより耐炎性
繊維に転換する耐炎化工程、それに引き続いて少なくと
も 1,000℃の不活性雰囲気中で炭素化を行ういわゆる炭
素化工程などからなる方法で、従来から行われている。
上記耐炎化工程において単繊維間融着が発生し、焼成が
不均一になったり、毛羽や糸切れといった障害が発生す
る。この融着を回避するためには、耐炎化前の炭素繊維
前駆体に付与する油剤の選択が重要なことが知られてお
り、多くの油剤が紹介されている。例えば良好な耐熱性
を有し、単繊維間融着を効果的に抑えることから特開平
5-140821号公報に開示されているシリコーン系油剤が、
炭素繊維前駆体用油剤として広く使用されている。
【0003】しかし炭素繊維前駆体用油剤には、耐炎化
工程において単繊維間融着がないことが必要なばかりで
なく、該炭素繊維前駆体繊維自身に融着がなく、実質的
に毛羽を発生させないことも必要である。例えば、炭素
繊維前駆体の紡糸工程に用いられる油剤には、紡糸ノズ
ルから吐出された糸条を凝固浴中で凝固させ、水洗、も
しくは、延伸−水洗した水膨潤状態の脆弱な繊維を乾
燥、加熱して緻密化する乾燥工程において、単繊維間相
互の融着を防止して、均一で緻密な繊維構造を形成せし
め、工程通過性の良好な繊維を与える性能が要求される
が、シリコーン系油剤は加熱処理したときにゲル化しや
すく、前記乾燥工程において、ゲル化したシリコーン系
油剤が、毛羽、糸切れを誘発することがあるので、炭素
繊維前駆体用油剤としてシリコーン系油剤を使用する場
合は、耐熱性が高く、ゲル化しにくいことが必要であ
る。一般に耐炎化工程においてシリコーン系油剤の分解
物である酸化珪素等が生成し、耐炎化炉壁や排ガス処理
ラインに堆積し、操業性の低下をもたらすため、上記性
能に加えて炭素繊維前駆体用油剤に対しては、耐炎化工
程での分解物量が少ないことが要求される。しかし、以
上のような性能を全て満足する炭素繊維前駆体用油剤
は、これまでに報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、炭素
繊維前駆体の段階で単糸間融着がなく、毛羽が実質的に
存在せず、耐炎化工程での前駆体繊維の毛羽、糸切れ及
び単糸間融着を効果的に抑え、且つ耐炎化工程でのシリ
コーン分解物の生成量を抑えることにより耐炎化工程で
の工程通過性が著しく改善された、炭素繊維前駆体用油
剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、特定のアミ
ノ変性シリコーンに特定の酸化防止剤及び界面活性剤を
添加することにより、アミノ変性シリコーン混合物のゲ
ル化温度が格段に向上し、炭素繊維前駆体の段階で単糸
間融着がなく、毛羽が実質的に存在せず、また耐炎化工
程での前駆体繊維の毛羽、糸切れ及び単糸間融着を効果
的に抑え、耐炎化工程でのシリコーン分解物の生成量を
抑えることにより耐炎化工程における工程通過性が著し
く改善されることを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち本発明の要旨は、下記(A)〜(C)
成分を水中に乳化分散してなる耐熱性アミノ変性シリコ
ーン混合物からなる炭素繊維前駆体用油剤にある。 (A)下記一般式(化1)で示されるアミノ変性シリコ
ーン、
【化5】 [式中、Rは同一または異種の炭素数1〜20のアルキル
基または炭素数6〜20のアリール基、Xは一般式 -Q-(N
H-Q')p-NH2で表され、Q及びQ’は同一または異種の炭
素数1〜10の2価炭化水素基であり、YはX、R、炭素
数1〜5のアルコキシ基、水酸基のいずれかであり、p
は0、1、2のいずれかである。また10≦m≦10,000、
0≦n≦100 である。] (B)酸化防止剤 (A)の0.01〜20重量%、 (C)HLB6〜16の非イオン性界面活性剤 (A)の5〜 100重量%。 上記(C)成分としてはポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル及びまたはポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルなどが挙げられる。上記(B)成分としては芳
香族アミノ基含有オルガノポリシロキサンなどが挙げら
れるが、特に好ましいものは下記一般式(化6)で示さ
れる芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキサンであ
る。
【化6】 [式中、R’は同一または異種の炭素数1〜20のアルキ
ル基または炭素数6〜20のアリール基であり、ZはR’
または-O-Ph-NH-Ph 、-O-Ph-NH-Ph-NH-Ph 、下記式(化
7)および(化8)で示される基から選択される1価の
芳香族アミノ基である。さらにq、rは1≦q≦50、0
≦r≦10であるが、分子中に少なくとも1個以上の芳香
族アミノ基を有する必要があることからr=0の場合に
式中のZの少なくとも一方は上記の1価芳香族アミノ基
である。]
【化7】
【化8】
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)成分の一般式(化1)において式
中のRは同一または異種の炭素数1〜20のアルキル基又
は炭素数6〜20のアリール基であり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、テトラデシル基、オクタデシル基、フェニル基、ト
リル基、ナフチル基等あるいはこれらの炭素原子に結合
した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、水酸基
などで置換した1価の炭化水素基などが挙げられるが、
好ましくはメチル基である。Xは一般式 -Q-(NH-Q')p-N
H2で表されるアミノ基であり、Q及びQ’は同一または
異種の炭素数1〜10の2価炭化水素基であり、具体的に
はメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘ
プタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、
デカメチレン基及びこれらの炭素原子の一部を酸素原
子、硫黄原子のような他の原子で置換したもの、これら
の炭素原子の有する水素原子の一部または全部をハロゲ
ン原子、水酸基などで置換した置換炭化水素基等が挙げ
られる。好ましくは、ジメチレン基又はトリメチレン基
である。Yは前出のX、Rまたは炭素数1〜5のアルコ
キシ基、水酸基のいずれかであり、炭素数1〜5のアル
コキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基、プロポキシ基等が挙げられる。pは0、1、2のい
ずれかである。製造面からpとしては0又は1が好まし
い。また、10≦m≦10,000、0≦n≦100 であり、好ま
しくは50≦m≦1,000 、0≦n≦10である。
【0008】このような(A)成分のアミノ変性シリコ
ーンの具体例としては、下記一般式(化9)〜(化1
9)で示される化合物を挙げることができるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【0009】次に本発明における(B)成分の酸化防止
剤はアミノ基の熱酸化性の劣化を抑制する為に使用する
ものであり、下記式(化20)、(化21)などで示さ
れるヒンダードフェノール類、PhNHPhNHPh、PhNHPh、下
記式(化22)及び(化23)などで示される芳香族ア
ミン類、ヒンダードフェノール基含有オルガノポリシロ
キサン、芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキサンな
どが挙げられるが、特に好ましいものは一般式(化2)
で示される芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキサン
である。
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【0010】本発明における(B)成分の添加量として
は(A)成分のアミノ変性シリコーンの0.01〜20重量%
である。0.01%未満では耐熱性の向上効果が弱く、20%
を超えて添加しても耐熱性の向上効果は変わらず、かえ
ってシリコーンエマルジョンの安定性が悪くなるため0.
01〜20%が好ましく、より好ましくは、 0.1〜5%であ
る。
【0011】次に本発明における(C)成分のHLB6
〜16の非イオン性界面活性剤は、(A)、(B)両成分
を水中で乳化分散させるための界面活性剤であるが、こ
のHLBが16を超えると、得られるシリコーンエマルジ
ョンの耐熱性が不十分なものとなるし、HLBが6未満
であるとシリコーンエマルジョンの乳化安定剤が悪くな
るため、HLBは6〜16であることが好ましく、より好
ましくは10〜14である。
【0012】本発明における(C)成分の非イオン性界
面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。中で
もポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。この添加
量は(A)成分のアミノ変性シリコーンの5から 100重
量%である。5重量%未満ではアミノ変性シリコーンの
乳化安定性が悪くなり、 100重量%を超えるとアミノ変
性シリコーンの特性を阻害するおそれがあるから5〜 1
00重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50
重量%である。なお、これらの成分からなるシリコーン
エマルジョン組成物にその特性向上のために各種添加剤
として帯電防止剤、浸透剤、増粘剤、消泡剤、顔料、無
機粉体、防腐剤等を適宜配合することは差し支えない。
【0013】本発明の油剤を用いて処理する炭素繊維前
駆体としては、公知のレーヨン繊維、アクリル繊維、ビ
ニロン繊維、各種ピッチ糸繊維等が挙げられ、特に限定
されるものではないがこれらの繊維とアクリル繊維との
組み合わせがより好ましい。アクリル繊維としては、公
知の炭素繊維前駆体アクリル繊維を例示することがで
き、特に限定されないが、アクリロニトリル単量体95重
量%以上とアクリロニトリルと共重合可能なビニル系単
量体5重量%以下から成るアクリル繊維が好ましい。さ
らにこのビニル系単量体が、耐炎化反応を促進する作用
を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、また
は、これらの酸のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム
塩及びアクリルアミド等の単量体群から選ばれる1種以
上の単量体であることが耐炎化反応を促進する上で好ま
しい。このような繊維の製造方法も特に限定されるもの
ではなく、公知の湿式、乾式及び乾湿式の各紡糸方法が
採用される。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の炭素繊維前駆体用油剤はこれらに
よって限定されるものではない。なお、油剤のゲル化
度、重量保持率、融着数、耐炎化工程前工程通過性、シ
リコーン系油剤分解物飛散量及びストランド強度は以下
の方法により評価した。
【0015】[耐熱性の測定、評価方法(ゲル化度)]
アルミシャーレ(直径60mm、深さ10mm)に本発明の油剤
エマルジョン2.0gを精秤し、 105℃で1時間予備乾燥
後、 150℃で24時間加熱した後の残分について、クロロ
ホルムへの不溶分含有率をゲル化度として算出し、耐熱
性を評価した。ゲル化度が小さいほど、耐熱性に優れて
いて、油剤エマルジョン付着後の乾燥工程での工程通過
性が良いこと、即ちゲル化したシリコーン系油剤により
誘発される毛羽、糸切れが少ないことを示す。
【0016】[分解飛散物の測定、評価方法(重量保持
率)]アルミシャーレ(直径60mm、深さ10mm)に本発明
の油剤エマルジョン2.0gを精秤し、 105℃で1時間予備
乾燥後、 250℃で1時間加熱した後の残分について重量
保持率を算出し、分解物の飛散挙動を評価した。重量保
持率が大きいほど耐炎化工程でのシリコーン系油剤の分
解物の生成量の少ないことを意味する。
【0017】[単繊維間融着の測定、評価方法(融着
数)]炭素繊維トウを3mm長に切断し、アセトン中に分
散させ、マグネティックスターラーを用い10分間撹拌し
た後の全単繊維数と融着数を計数し、繊維 100本当たり
の融着数を算出した。評価基準は下記の通りである。 ○:融着数(個/100本)≦1 ×:1<融着数(個/100本)
【0018】[耐炎化工程前工程通過性]炭素繊維前駆
体のアクリル繊維を用いて、1週間連続サンプリングし
た時の耐炎化工程前、炭素繊維前駆体アクリル繊維の段
階でのロール等への巻き付き回数により、前駆体アクリ
ル繊維の段階での毛羽、糸切れの量を評価した。評価基
準は下記の通りである。 ○:巻き付き回数(回/1日)≦1 △:1<巻き付き回数(回/1日)≦10 ×:10<巻き付き回数(回/1日)
【0019】[シリコーン系油剤分解物飛散状況]炭素
繊維を1週間連続サンプリングした時の耐炎化炉の掃除
頻度により、耐炎化炉内のシリコーン系油剤分解物量を
表した。評価基準は下記の通りである。 ○:掃除回数(回/1週間)≦1 ×:1<掃除回数(回/1週間)
【0020】[炭素繊維物性の測定、評価方法(ストラ
ンド強度)]JIS−R−7601に規定されているエポキ
シ樹脂含浸ストランド法に準じて測定した値である。
(なお、測定回数は10回であり、物性値はその平均値を
以て示した。)
【0021】(実施例1)下記(化24)で示されるア
ミノ変性シリコーン150g、
【化24】 酸化防止剤として下記(化25)で示される芳香族アミ
ノ基含有オルガノポリシロキサン0.5g、
【化25】 乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル[E
O:5モル、HLB:10.8]30g 、水820gの混合物をホ
モミキサーで乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで、30
0kg/cm2 で2次乳化を行ない油剤エマルジョンを得た。
この油剤の耐熱性(ゲル化度、以下同様)を測定し、結
果を表1に示した。
【0022】(実施例2)実施例1で使用した式(化2
4)で示されるアミノ変性シリコーン150g、式(化2
5)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキ
サン0.5g、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル[EO:10モル、HLB:14.0]50g、水800gの
混合物を実施例1と同様の方法でホモミキサーで乳化
し、さらに高圧ホモジナイザーで2次乳化を行ない油剤
エマルジョンを得た。この油剤の耐熱性を測定し、結果
を表1に示した。
【0023】(実施例3)下記式(化26)で示される
アミノ変性シリコーン150g、
【化26】 式(化25)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポ
リシロキサン0.5g、乳化剤としてポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル[EO:5モル、HLB:10.8]50g 、
水820gの混合物を実施例1と同様にしてホモミキサーで
乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで2次乳化を行ない
油剤エマルジョンを得た。この油剤の耐熱性を測定し、
結果を表1に示した。
【0024】(実施例4)下記式(化27)で示される
アミノ変性シリコーン150g、
【化27】 式(化25)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポ
リシロキサン3g 、乳化剤としてポリオキシエチレント
リデシルエーテル[EO:10モル、HLB:13.7]50g
、水797gの混合物を実施例1と同様にしてホモミキサ
ーで乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで2次乳化を行
ない油剤エマルジョンを得た。この組成物の耐熱性を測
定し、結果を表1に示した。
【0025】(実施例5)下記式(化28)で示される
アミノ変性シリコーン150g、
【化28】 式(化25)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポ
リシロキサン3g 、乳化剤としてポリオキシエチレント
リデシルエーテル[EO:10モル、HLB:13.7]50g
、水797gの混合物を実施例1と同様にしてホモミキサ
ーで乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで2次乳化を行
ない油剤エマルジョンを得た。この油剤耐熱性を測定
し、結果を表1に示した。
【0026】(実施例6)下記式(化29)で示される
アミノ変性シリコーン150g、
【化29】 式(化25)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポ
リシロキサン3g 、乳化剤としてポリオキシエチレント
リデシルエーテル[EO:10モル、HLB:13.7]50g
、水797gの混合物を実施例1と同様にしてホモミキサ
ーで乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで2次乳化を行
ない油剤エマルジョンを得た。この油剤の耐熱性を測定
し、結果を表1に示した。
【0027】(比較例1)実施例1で使用した式(化2
4)で示されるアミノ変性シリコーン150g、式(化2
5)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキ
サン0.5g、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル[EO:4モル、HLB:9.6 ]15g、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル[EO:23モル、HLB:
16.9]15g 、水820gの混合物を実施例1と同様にしてホ
モミキサーで乳化し、さらに高圧ホモジナイザーで2次
乳化を行ない油剤エマルジョンを得た。この油剤の耐熱
性を測定し、結果を表1に示した。
【0028】(比較例2)実施例1で使用した式(化2
4)で示されるアミノ変性シリコーン150g、乳化剤とし
てポリオキシエチレンラウリルエーテル[EO:10モ
ル、HLB:14.0]15g 、水835gの混合物を実施例1と
同様にしてホモミキサーで乳化し、さらに高圧ホモジナ
イザーで2次乳化を行ない油剤エマルジョンを得た。こ
の油剤の耐熱性を測定し、結果を表1に示した。
【0029】(比較例3)実施例1で使用した式(化2
4)で示されるアミノ変性シリコーン150g、式(化2
5)で示される芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキ
サン0.1g、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル[EO:10モル、HLB:14.0]5g、水845gの
混合物を実施例1と同様にしてホモミキサーで乳化し、
さらに高圧ホモジナイザーで2次乳化を行ない油剤エマ
ルジョンを得た。この油剤の耐熱性を測定し、結果を表
1に示した。
【0030】(実施例7)アクリロニトリル共重合体
(アクリロニトリル/メタクリル酸/アクリルアミドの
重量比97.1/0.9 /2.0 )をジメチルアセトアミドに溶
解し、重合体濃度21重量%、60℃における粘度が 500ポ
イズの紡糸原液を調製し、孔径0.15mmφ、孔数 1,500の
紡糸口金を通じて一旦空気中に吐出させ約5mm空間を通
過させたのち、35℃の69重量%ジメチルアセトアミド水
溶液を満たした凝固浴中を通過させて凝固糸とした。凝
固糸は水洗槽中で脱溶媒するとともに 3.5倍に延伸して
水膨潤状態のアクリル繊維とした。この水膨潤状態にあ
るアクリル繊維を実施例1で示した油剤エマルジョンを
満たした油浴に導き、エマルジョンを付着させた後、表
面温度 130℃の加熱ロールで乾燥緻密化し、さらに表面
温度 170℃の加熱ロール間で 2.0倍に延伸を施し前駆体
アクリル繊維を得た。この前駆体アクリル繊維は、単糸
繊度 1.1デニール、引張り強度7g/デニール、伸度1
2.5%で油剤の繊維への付与量は 1.0重量%であった。
この前駆体アクリル繊維を 230〜 270℃の温度勾配を有
する耐炎化炉に60分かけて通し、さらに窒素雰囲気中で
300〜 1,300℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して
炭素繊維とした。ここで得られた炭素繊維の融着数及び
ストランド強度、耐炎化工程前工程通過性、耐炎化工程
でのシリコーン分解物飛散量の評価(炉の掃除回数によ
り評価、以下同様)を表2に示した。
【0031】(比較例4)実施例1と同じ(化24)で
示されるアミノ変性シリコーン3kg、乳化剤としてポリ
オキシエチレンラウリルエーテル[EO:5モル、HL
B:10.8]600g、水 16.4kg 、の酸化防止剤を含んでい
ない混合物を同様に乳化し油剤エマルジョンを得た。こ
の油剤エマルジョンを実施例7と同じ紡糸原液を調製
し、同様に操作して得られた繊維に付着させて、前駆体
アクリル繊維を得た。この前駆体アクリル繊維は、単糸
繊度 1.1デニール、引張り強度6.8g/デニール、伸度1
1.8%で油剤の繊維への付着量は 1.0重量%であった。
この前駆体アクリル繊維を実施例7と同様の操作で焼成
して炭素繊維とした。ここで得られた炭素繊維の融着数
及びストランド強度、耐炎化工程前工程通過性、耐炎化
工程でのシリコーン分解物飛散量の評価を表2に示し
た。
【0032】(比較例5)実施例5で使用した式(化2
8)で示されるアミノ変性シリコーン3kg、乳化剤とし
てポリオキシエチレンラウリルエーテル[EO:5モ
ル、HLB:10.8]600g、水 16.4kg 、の酸化防止剤を
含んでいない混合物を同様に乳化し油剤エマルジョンを
得た。この油剤エマルジョンを実施例7と同じ紡糸原液
を調製し、同様に操作して得られた繊維に付与したエマ
ルジョン前駆体アクリル繊維を得た。この前駆体アクリ
ル繊維は、単糸繊度 1.1デニール、引張り強度6.7g/デ
ニール、伸度11.5%で油剤の繊維への付与量は 1.0重量
%であった。この前駆体アクリル繊維を実施例7と同様
の操作で焼成して炭素繊維とした。ここで得られた炭素
繊維の融着数及びストランド強度、耐炎化工程前工程通
過性、耐炎化工程でのシリコーン分解物飛散量の評価を
表2に示した。
【0033】(実施例8)実施例7と同じ紡糸原液を調
製し、35℃の69重量%ジメチルアセトアミド水溶液を満
たした凝固浴中に孔径 0.075mmφ、孔数12,000の紡糸口
金より吐出し凝固糸とした。凝固糸は水洗槽中で脱溶媒
するとともに5倍に延伸して水膨潤状態のアクリル繊維
とした。この水膨潤状態にあるアクリル繊維を実施例1
で示したエマルジョンを満たした油浴に導き、エマルジ
ョンを付着させた後、表面温度 130℃の加熱ロールで乾
燥緻密化し、さらに表面温度 170℃の加熱ロール間で
1.7倍延伸を施し前駆体アクリル繊維を得た。この前駆
体アクリル繊維は、単糸繊度 1.1デニール、引張り強度
7g/デニール、伸度10.5%で油剤の繊維への付着量は
1.0重量%であった。 この前駆体アクリル繊維を実施
例7と同様の操作で焼成して炭素繊維とした。ここで得
られた炭素繊維の融着数及びストランド強度、耐炎化工
程前工程通過性、耐炎化工程でのシリコーン分解物飛散
量の評価を表2に示した。
【0034】
【表1】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の炭素繊維前駆体用油剤は耐熱性
が良好なため、炭素繊維前駆体の段階で単糸間融着がな
く、毛羽が実質的に存在せず、耐炎化工程での前駆体繊
維の毛羽、糸切れ及び単糸間融着を効果的に抑え、耐炎
化工程でのシリコーン分解物の飛散量が少ないため、該
工程での工程通過性が著しく改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑田 敏 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 田中 正喜 東京都千代田区大手町2丁目6番1号 信 越化学工業株式会社内 (72)発明者 小谷 知之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 景山 義隆 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(C)成分を水中に乳化分
    散してなる炭素繊維前駆体用油剤 (A)下記一般式(化1)で示されるアミノ変性シリコ
    ーン、 【化1】 [式中、Rは同一または異種の炭素数1〜20のアルキル
    基または炭素数6〜20のアリール基、Xは一般式 -Q-(N
    H-Q')p-NH2で表され、Q及びQ’は同一または異種の炭
    素数1〜10の2価炭化水素基であり、YはX、R、炭素
    数1〜5のアルコキシ基、水酸基のいずれかであり、p
    は0、1、2のいずれかである。また10≦m≦10,000、
    0≦n≦100 である。] (B)酸化防止剤 (A)の0.01〜20重量%、 (C)HLB6〜16の非イオン性界面活性剤 (A)の5〜 100重量%。
  2. 【請求項2】 炭素繊維前駆体がポリアクリロニトリル
    系繊維であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊
    維前駆体用油剤。
  3. 【請求項3】 (C)成分がポリオキシエチレンアルキ
    ルエーテル及びまたはポリオキシエチレンアルキルフェ
    ニルエーテルであることを特徴とする請求項1および2
    に記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  4. 【請求項4】 (B)成分が芳香族アミノ基含有オルガ
    ノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  5. 【請求項5】 (B)成分が下記一般式(化2)で示さ
    れる芳香族アミノ基含有オルガノポリシロキサンである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の炭
    素繊維前駆体用油剤。 【化2】 [式中、R’は同一または異種の炭素数1〜20のアルキ
    ル基または炭素数6〜20のアリール基、ZはR’または
    -O-Ph-NH-Ph 、-O-Ph-NH-Ph-NH-Ph 、下記式(化3)お
    よび(化4)で示される基から選択される1価の芳香族
    アミノ基、q、rは1≦q≦50、0≦r≦10であり、分
    子中に少なくとも1個以上の芳香族アミノ基を有する必
    要があることからr=0の場合に、式中のZの少なくと
    も一方は上記の1価芳香族アミノ基である。但しPhはフ
    ェニル基を示す。] 【化3】 【化4】
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