JPH11128679A - 非連続燃焼式ごみ焼却施設のダイオキシン類削減装置及びその削減方法 - Google Patents

非連続燃焼式ごみ焼却施設のダイオキシン類削減装置及びその削減方法

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JPH11128679A
JPH11128679A JP9300485A JP30048597A JPH11128679A JP H11128679 A JPH11128679 A JP H11128679A JP 9300485 A JP9300485 A JP 9300485A JP 30048597 A JP30048597 A JP 30048597A JP H11128679 A JPH11128679 A JP H11128679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非連続燃焼式ごみ焼却施設において、主として
立上げ・立下げ時に生成されるダイオキシン類の排出量
を簡単な設備で削減する。 【解決手段】焼却炉1からの排ガスを再燃室2に導入し
て再燃焼させた後、高温用の空気予熱器31と熱交換器
群32及びガス冷却室33より成るガス減温設備3を介
して除じん設備に導いて浄化させるように構成された非
連続燃焼式ごみ焼却施設において、除じん設備を通常運
転用バグフィルタ4と、立上げ・立下げ時及び通常運転
時にも使用する副バグフィルタ5の2群となし、立上げ
・立下げ時に該副バグフィルタ5から払落された副捕集
灰94を再燃室2に返送して、ダイオキシン類の熱分解
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物や産業
廃棄物等のごみを焼却するごみ焼却施設における排ガス
及び捕集灰中に含まれるダイオキシン類の削減方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却施設から排出される排ガス中に
は、ばいじんや酸性有害ガスのほか、有毒物質であるダ
イオキシン類が含まれており、集じん設備の捕集灰中に
もダイオキシン類が含まれている。
【0003】厚生省は、これらダイオキシン類の排出を
制御するためにガイドラインを定め、焼却炉においては
全連続燃焼式を基本として燃焼の安定化を計り、燃焼ガ
スが850℃以上で2秒間滞留可能な再燃室を設けると
ともに、排ガス処理設備にはダイオキシン類除去能力の
高いバグフィルタを使用し、さらに休炉の際は焼却炉内
に未燃物を残さない焚切り方式を推奨している。
【0004】さらに、上記バグフィルタの捕集灰は特別
管理廃棄物として、安定化処理が義務づけられている。
【0005】上記ガイドラインによる指導は、処理能力
が大きく燃焼が安定している全連続燃焼式焼却炉の場合
は遵守可能であるが、ごみ処理量や要員が少くて、1日
8時間程度しか操業できない機械化バッチ炉や16時間
操業が限度である准連続燃焼式焼却炉の場合は多くの難
点がある。特に、上記焚切り方式採用の結果、翌朝の炉
内温度は150〜300℃に、バグフィルタ入口温度は
80〜150℃まで低下しているために、設備昇温に長
時間を要し、その間の機器の低温腐食及び潮解性の高い
中和用薬剤反応生成物の濾布への固着等の問題が生じて
いる。
【0006】そのために、上記機械化バッチ炉や准連続
燃焼式、即ち毎日所定時間休炉する非連続燃焼式ごみ焼
却施設においては、焼却炉内温度が上昇して、バグフィ
ルタ流入ガス温度が130℃程度に達する迄の立上げ作
業中と熱源が無くなる焚切り作業後とは、バグフィルタ
をバイパスして排ガスを流すことにより、バグフィルタ
の低温腐食と反応生成物の濾布への固着を防止する方式
が採用されており、そのために、ばいじん及びダイオキ
シン類を長時間放出する事態を招いていた。
【0007】この立上げ作業中のバイパス対策として、
図6にその概要を示す「焼却炉用バグフィルタ」が特開
平6−79118号公報に開示されている。
【0008】即ち、通常のバイパス煙道BPLに、消石
灰を噴霧しないバグフィルタまたは電気集じん機による
低温用フィルタLTFを設けることにより、低温時の排
ガス中のばいじんを捕促せんとするものであり、通常運
転時は、切換弁COVによって、主バグフィルタMBF
に通ガスし、通常の濾過・中和作業を行う方式である。
【0009】これらのバイパス煙道処理方式は、非連続
燃焼式ごみ焼却施設の立上げ及び立下げ時の低温ガスに
よるバグフィルタ損傷対策には効果を上げるものの、本
願が目的とするダイオキシン類削減には利用できない技
術である。
【0010】そこで、ダイオキシン類を除去する排ガス
処理法の典型的な一例として、特開平8−243341
号公報に開示された排ガス処理工程図を図7に示す。
【0011】図7において、焼却炉aからの排ガスは、
減温装置bにより150℃程度まで減温されて、バグフ
ィルタや電気集じん器等の除じん設備cで除じんされ
る。
【0012】引続き、吸着剤添加装置dから供給された
活性炭や消石灰等から成る新鮮吸着剤eを、一次除じん
後のガスに添加して、後続のバグフィルタfで再除じん
して清浄化した後、煙突gから大気中に放出される。
【0013】ここで除じん設備cで捕集されたダストh
は灰処理設備iで処理され、バグフィルタfで捕集され
た吸着剤を主とする捕集灰jは、脱着・再生設備kによ
って、還元雰囲気下で400℃以上に加熱して再生処理
され、再生吸着剤mは、バグフィルタfの上流側に添加
される。
【0014】また、2点鎖線で示す如く、捕集灰jの一
部または全量を除じん設備cの上流側に還流する方法も
あり、何れも新鮮吸着剤eの消費量を節減する効果があ
る。
【0015】さらに、脱着・再生設備kから発生する排
ガスは、重金属処理施設nで処理される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の排ガス処理方式では、除じん設備が2重に必要とな
るほか、捕集灰の脱着・再生設備kや重金属処理施設n
が必要になるなど、複雑で設備費と運転経費が嵩むとい
う問題がある。
【0017】また、水噴射式ガス冷却室を前置し、空気
予熱器及び白煙防止用空気加熱器等を後置する一般的な
機器配列の場合、上記空気予熱器及び白煙防止用空気加
熱器等の内部を通過する排ガスは、450℃程度から1
70℃付近まで徐々に降温させられるため、ダイオキシ
ン類が再合成される温度条件に合致し、除じん設備に高
濃度のダイオキシン類が到来することになる。
【0018】さらに、図6に示すバイパス方式は、ダイ
オキシン対策が施されておらず、図7に示す従来の技術
の場合は、全連続燃焼方式を対象としたバイパス回路を
設けないものである。これに対して非連続燃焼方式の場
合は、前述の如く、休炉時には焼却炉内を始め全設備が
降温する宿命にあるため、立上げ初期及び立下げ時に焼
却炉内で発生した有機塩素化合物が、低温域で再合成さ
れて高濃度のダイオキシンを生成する現象には配慮され
ていない。
【0019】そのため、特に前記除じん設備cのバグフ
ィルタには大量のダイオキシン類が吸着されて、ダイオ
キシン処理能力のない灰処理設備iに排出されるだけで
なく、立上げ・立下げ時に発生し易い低温腐食や濾布表
面の潮解現象のために、除じん設備c及び後置バグフィ
ルタf全体の維持管理の費用が増大するという問題があ
った。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
非連続燃焼式ごみ焼却施設のダイオキシン類削減装置
は、一般廃棄物や産業廃棄物等のごみを焼却処理するに
当り、毎日所定時間休炉する非連続燃焼式ごみ焼却炉か
ら排出される排ガスを、再燃室及びガス減温設備を経て
バグフィルタに導き、該バグフィルタに供給される有害
ガス中和用薬剤と炭素系吸着剤とにより、排ガス中に含
まれるばいじんと酸性有害ガス及びダイオキシン類を、
濾過・中和・吸着して除去するように構成された非連続
燃焼式ごみ焼却施設において、前記バグフィルタは、立
上げ・立下げ時及び通常運転時にも使用する副バグフィ
ルタと、当該副バグフィルタよりも大容量の通常運転用
主バグフィルタとの2群として構成され、該副バグフィ
ルタの捕集灰を排出する排出手段が切替手段及び捕集灰
移送機構を介して前記再燃室に連接されたものである。
【0021】本発明の請求項2記載の非連続燃焼式ごみ
焼却施設のダイオキシン類削減装置では、前記ガス減温
設備は、高温用の空気予熱器及び白煙防止用空気加熱器
等の熱交換器群が前置され、水噴射式ガス冷却室が後置
されてなるものである。
【0022】本発明の請求項3記載の非連続燃焼式ごみ
焼却施設のダイオキシン類削減方法は、一般廃棄物や産
業廃棄物等のごみを焼却処理するに当り、毎日所定時間
休炉する非連続燃焼式ごみ焼却炉から排出される排ガス
を、再燃室及びガス減温設備を経てバグフィルタに導
き、該バクフィルタに供給される有害ガス及びダイオキ
シン類を、濾過・中和・吸着して除去するように構成さ
れた非連続燃焼式ごみ焼却施設のダイオキシン類削減方
法であって、上記非連続燃焼式ごみ焼却施設による立上
げ・立下げ時においては、副バグフィルタのみに排ガス
を導入して処理させ、当該期間中の捕集灰は再燃室に返
送して、未燃物の再燃焼及びダイオキシン類の熱分解を
行うとともに、通常運転時においては、主バグフィルタ
と上記副バグフィルタとで排ガスを処理し、両バグフィ
ルタの捕集灰は飛灰処理装置に送入して安定化処理を行
うものである。
【0023】本発明の請求項4記載の非連続燃焼式ごみ
焼却施設のダイオキシン類削減方法では、前記副バグフ
ィルタの濾布表面は、立上げ及び立下げ運転に移行する
前に、立上げ・立下げ運転中に発生するダイオキシン類
の吸着に必要な炭素系吸着剤及び有害ガス中和用薬剤に
よりプレコートされる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を参照して説明する。
【0025】図1は、本発明に係る非連続燃焼式ごみ焼
却施設のダイオキシン類削減装置の概要を示す概要構成
図であり、図2は、該焼却施設のガス・空気・飛灰類及
び水の流れを主体とする概略フロー図である。
【0026】図1及び図2において、1は、一般廃棄物
や産業廃棄物等のごみを焼却する焼却炉であり、該焼却
炉1上に設置された再燃室2は、その後流のガス減温設
備3を通り、主バグフィルタ4と副バグフィルタ5の2
群で構成された除じん設備を経て、図示しない混合煙
道、誘引通風機及び煙突へと連接されている。
【0027】上記焼却炉1は、竪型の焼却炉本体11
と、ごみを供給するホッパ12と、乾燥火格子13と、
焼却炉本体11の底部で燃焼中のごみを支持するごみ支
持手段14と、該ごみ支持手段14下方に位置する焼却
灰排出手段15と、立上げ・焚切り用助燃バーナ16
と、再燃室2との結合口である炉出口17及び炉出口1
7付近に設けられた炉内温度計18(図2参照)等によ
り構成されている。
【0028】再燃室2は、上記炉出口17上方に設けら
れ、焼却炉1から排出された燃焼ガス61と、後述する
副バグフィルタ5の捕集灰とを再燃焼させる装置であ
り、再燃室本体21と、炉出口17上方に設けられた混
合板22と、再燃室本体21の上部に取付けられた上記
捕集灰の供給機構23と、再燃室昇温用の再燃バーナ2
4及び再燃室本体21の出口に接続された高架煙道25
と、再燃室温度計26(図2参照)等によって構成され
ている。
【0029】ガス減温設備3は、前置される高温用の空
気予熱器31と白煙防止用空気加熱器等の熱交換器群3
2及び後置される水噴射式のガス冷却室33とが主体と
なって連接されている。
【0030】空気予熱器31と熱交換器群32は、高温
の再燃ガス62と熱交換するため、例えば炭化珪素質ま
たは高アルミナ系等の不定形耐火物により伝熱管表面を
被覆して耐熱性を高めており、貫流する再燃ガス62を
減温して降温ガス63となし、不足する減温分を後続の
ガス冷却室33に委ねるようになされている。
【0031】一方、図2に示すように、押込送風機34
から空気予熱器31に送入された常温の空気は昇温され
て、焼却炉1には燃焼空気35を、再燃室2には再燃空
気36を供給し、図示しない他の送風機から熱交換器群
32に送入された常温の空気は、同じく図示しない清浄
ガス昇温及び暖房・給湯等の余熱利用に供せられる。ガ
ス冷却室33は、前記熱交換器群32を出た降温ガス6
3を、後続する主バグフィルタ4の除去効率を最高にす
る温度まで減温する装置であり、上流側に複数の直圧式
水噴射ノズル37を、下流側に2流体水噴射ノズル38
を備えている。
【0032】主バグフィルタ4は、複数の濾布41を懸
架する濾過室42と、該濾過室42の下方に取付けられ
た排出手段43を備えたホッパ室44と、濾過室42の
上方に位置する払落し手段45を備えた清浄ガス室46
等から成る複数(図1は3室を例示)の単位集じん機構
で構成されている。
【0033】副バグフィルタ5は、上記主バグフィルタ
4と同様の構造、つまり、複数の濾布51を懸架する濾
過室52、排出手段53を備えたホッパ室54と、払落
し手段55を備えた清浄ガス室56等から構成されてお
り、通常は複数の単位集じん機構が集合したバグフィル
タ装置の一区画を、副バグフィルタとして使用する。こ
のようにして構成された主バグフィルタ4及び副バグフ
ィルタ5は、前記熱交換器群33の出口に配設された煙
道基部73に、煙道及び清浄ダクト群を介して連結され
ている。
【0034】上記煙道及び清浄ダクト群は、主煙道7
4、副煙道76、バイパス煙道78、主清浄ダクト75
及び副清浄ダクト77とで構成されている。
【0035】前記主煙道74は、煙道基部73に連結さ
れており、主排ガスダンパ74dを備え、通常運転時に
主バグフィルタ4に排ガス64を導入する。
【0036】前記副煙道76は、主煙道74から分岐さ
れており、副排ガスダンパ76dを備え、立上げ及び立
下げ操作時に、副バグフィルタ5に中温排ガス66を導
入する。
【0037】前記バイパス煙道78は、煙道基部73か
ら主清浄ダクト75に連通されており、バイパスダンパ
78dを備え、始動時及び焚切り後の低温ガス68を、
煙道基部73から主清浄ダクト75に直接排出する。
【0038】前記主清浄ダクト75は、主清浄ガスダン
パ75dを備え、通常運転時に主バグフィルタ4からの
清浄ガス65を排出する。
【0039】前記副清浄ダクト77は、副清浄ガスダン
パ77dを備え、立上げ及び立下げ操作時に、副バグフ
ィルタ5からの中温清浄ガス67を主清浄ダクト75に
排出する。
【0040】上記バイパス煙道78の分岐点と副煙道7
6の分岐点の中間にあたる主煙道74には、薬剤輸送用
の配管81の一端が接続されており、該配管81の途中
には、例えば消石灰の如き酸性有害ガス中和用薬剤82
を貯留する薬剤貯槽83と、例えば粉末の活性炭や活性
コークスの如き炭素系吸着剤84を貯留する吸着剤貯槽
85とが、それぞれ排出手段を介して接続されている。
【0041】そして、これら薬剤貯槽83と吸着剤貯槽
85とからそれぞれ排出される各粉体は、常温の空気を
吸引する薬剤送風機86からの移送空気69によって主
煙道74中に圧送され、主バグフィルタ4及び副バグフ
ィルタ5の濾布41、51の表面に薬剤層を形成させ
る。
【0042】主バグフィルタ4の複数の排出手段43の
下方には、共通の排出コンベア47が設けられ、通常運
転時に主バグフィルタ4が捕集した捕集灰と、酸性有害
ガスを中和し、ダイオキシン類を吸着した上記薬剤層と
を払落した主飛灰91を飛灰処理装置92に排出して安
定化処理するようになされている。
【0043】副バグフィルタ5の排出手段53の下方に
は、切替手段57が設けられており、この切替手段57
は、立上げ・立下げ運転時に副バグフィルタ5が捕集し
た捕集灰と、ダイオキシン類を吸着し、酸性有害ガスを
中和した薬剤層とを払落した副捕集灰93を、捕集灰移
送機構58及び供給機構23を経て再燃室本体21に返
送する一方、通常運転時に主バグフィルタ4と同様に払
落された副飛灰94を上記排出コンベア47に送るよう
に切替自在に構成されている。
【0044】次に、このように構成された非連続燃焼式
ごみ焼却施設における初期の立上げから最終の立下げ迄
の間の排ガス処理方法について説明する。
【0045】焼却炉の構造及び休炉時間等により異なる
が、始業時の焼却炉本体11内の温度は前述の如く15
0〜300℃迄低下しているため、まず助燃バーナ16
によって、焼却灰のみが残留している焼却炉本体11内
を、ごみ着火温度まで昇温させる。
【0046】次に、図示しないごみ貯留場内で予め区分
しておいた立上げ用の燃え易いごみを、ホッパ12から
乾燥火格子13上に少量ずつ供給して燃焼させることに
より、焼却炉本体11内を加熱し、発生した燃焼ガス6
1は、炉出口17を通り再燃室2へ送出され、焼却灰は
ごみ支持板14を経て焼却灰排出手段15から適時炉外
へと排出される。
【0047】再燃室2内では、供給された高温の再燃空
気36と再燃バーナ24の火焔により、混合板22で撹
拌混合された燃焼ガス61は850℃以上に加熱され、
その高温雰囲気下でダイオキシン類生成の前駆物質であ
る未燃炭素類及び悪臭の原因となる未燃ガス等が完全燃
焼される。
【0048】同時に含有するダイオキシン類も熱分解さ
れて再燃ガス62となり、高架煙道25から空気予熱器
31と熱交換器群32とを昇温させることにより、当該
再燃ガス62はダイオキシン類が再合成されない温度ま
で減温されて降温ガス63となり、ガス冷却室33を通
過して更に一挙に減温されて低温ガス68となり、煙道
基部73からバイパス煙道78を経て主清浄ダクト75
へと送られる。
【0049】この際の低温ガス68の温度を、煙道基部
73に設けられた煙道温度計79(図2参照)で計測
し、低温腐食及び潮解等による主・副バグフィルタ4、
5への悪影響が回避できる温度130℃以上であれば、
バイパス煙道78から副煙道76へとガス通路を切替
え、昇温した中温排ガス66を副バグフィルタ5に流
す。この副バグフィルタ5の濾布51表面には、予め、
中和用薬剤82及び炭素系吸着剤84による十分な厚さ
のプレコート層が形成されており、上記中温排ガス66
中に含まれるばいじん、酸性有害ガス及び上記熱分解後
に再合成された少量のダイオキシン類は、上記プレコー
ト層により、濾過・中和・吸着されて中温清浄ガス67
となって、副清浄ダクト77を経て清浄ダクト75に排
出される。
【0050】この状態における再燃ガス62の温度を、
再燃室本体21の出口付近に設けられた再燃室温度計2
6で確認し、安定して850℃以上を保っていれば、一
般ごみによる通常運転に切替える。
【0051】切替時には、まず、副バグフィルタ5の濾
布51表面のプレコート層及び捕集灰を払落し手段55
で払落し、払落された副捕集灰93を、排出手段53及
び切替手段57を経て捕集灰移送機構58上に滞留させ
ておき、濾布51表面には通常厚さのプレコート層を再
形成させる。
【0052】また、滞留させた上記副捕集灰93は、炉
内温度計18の計測により、焼却炉1内の燃焼状態が安
定しておれば、捕集灰移送機構58及び供給機構23に
より再燃室2に送って再燃焼される。
【0053】通常運転においては、定格量の一般ごみを
焼却することにより、排ガス64の量が増加するため、
主バグフィルタ4に続いて上記プレコート層を再形成し
た副バグフィルタ5を運転参加させる。
【0054】この際、主バグフィルタ4は、前述の副バ
グフィルタ5と同様に、予めプレコート層が形成されて
いるため、排ガス64は主及び副バグフィルタ4、5に
より、濾過・中和・吸着されて清浄ガス65となって、
主及び副清浄ダクト75、77から図示しない誘引通風
機を経て煙突から大気中に放出される。
【0055】この通常運転を継続して、図示しない検出
器群により、濾布41、51部の内外差圧または清浄ガ
ス65中の有害ガス濃度が規定値を超過すれば、払落し
手段45、55により、各濾布表面のプレコート層及び
捕集灰を払落した後、各濾布表面に中和用薬剤82と炭
素系吸着剤84によりプレコート層を再形成して、通常
の濾過作業に戻る。
【0056】この通常運転中は、焼却炉1の燃焼状態が
比較的安定し、焼却炉1及び再燃室2内におけるダイオ
キシン類とその前駆物質の熱分解が完全に行われて(ダ
イオキシン類の毒性当量:以降DXQと略称=約1ng
−TEQ/Nm3 )いるだけでなく、熱交換器群32出
口の降温ガス63の温度は、ダイオキシン類再合成の虞
のない550〜650℃であり、その後、ガス冷却室3
3で一挙に170℃程度迄降下させるため、排ガス64
中のダイオキシン類再合成は殆ど阻止でき(DXQ<2
ng−TEQ/Nm3 )、主・副バグフィルタ4、5で
の吸着による清浄ガス65中のDXQ<0.1ng−T
EQ/Nm3 の達成が容易となる。
【0057】従って、通常運転時に主バグフィルタ4か
ら払落された主飛灰91及び副バグフィルタ5から払落
された副飛灰94には、従来方式の1/10乃至1/5
程度しかダイオキシン類が含まれていないため、炭素系
吸着剤84の供給量が少なくてすむだけでなく、飛灰処
理装置92での安定化処理も容易となる。
【0058】しかし、立上げ・立下げ時に副バグフィル
タ5から排出された副捕集灰93は、焼却施設全体が比
較的低温で不安定な時期の排ガスを処理したものであ
り、再燃室2内で熱分解を行っていても、ガス減温設備
3内でダイオキシン類が再合成され、副捕集灰93中に
吸着される虞が大である。
【0059】従って、濾布51表面のダイオキシン類を
吸着した炭素系吸着剤84を含む副捕集灰93は、通常
運転中の燃焼状態安定時に再燃室2に返送して、ダイオ
キシン類を熱分解するとともに、炭素系吸着剤84と、
捕集灰中の未燃物を燃焼させて排ガス64中の飛灰量を
減少させる。
【0060】ここで、立上げ工程の後期から通常運転に
かけての、ガス冷却室33における降温ガス63の冷却
は、上流側の直圧式水噴射ノズル37と下流側の2流体
式水噴射ノズル38との連係による完全蒸発式自動制御
が行われているため、未蒸発水分が除じん装置側に流入
して処理性能等を損うことはない。
【0061】この様な通常運転を行い、所定量のごみ焼
却作業が終われば、ごみの供給を停止し、助燃バーナ1
6を点火して、乾燥火格子13とごみ支持手段14上の
ごみが完全に灰になる迄、焚切り運転を行う。
【0062】その結果、ごみ中の揮発成分による火炎燃
焼が終り、固定炭素によるおき燃焼に移行すれば、副バ
グフィルタ5の単独運転に切替えて、残存ガスの濾過・
中和・吸着を行わせる。
【0063】その後、残存ガスの発生量が少くなり、煙
道基部73の温度が規定値を下回われば、低温腐食及び
潮解現象を避けるため、バイパス運転に切替えて休転状
態とする。
【0064】この間の操作手順の概要を、図3乃至図5
のフローチャートを参照して説明する。
【0065】図3は昇温及び立上げ工程を、図4は通常
運転工程を、図5は立下げ工程を表すチャートであり、
表示された温度は標準的な値を示す。 〔昇温工程〕まず、操業開始に当り、焼却炉本体11内
を始め、全設備が降温しているため、助燃バーナ16及
び再燃バーナ24に点火して、焼却炉1内と再燃室2内
を昇温させることにより、前日からバイパス運転となっ
ている全設備を昇温させ(ステップS1 )、炉内温度計
18の計測値が400℃を超すまで、バーナ加熱が続け
られる(ステップS2 )。 〔立上げ工程〕焼却炉1内の温度が400℃以上になっ
た状態で、立上げ用の燃え易いごみを少量ずつ供給すれ
ば、該ごみは直ちに着火して焼却炉1内で燃焼を始め、
焼却炉本体11内を加熱するとともに、再燃室2及びガ
ス減温設備3の昇温を加速する(ステップS3 )ととも
に、副バグフィルタ5の濾布51表面に、低温時に合成
される多量のダイオキシン類に対応するために増量され
た炭素系吸着剤84と普通量の中和用薬剤82とによる
プレコート層を形成させる(ステップS4 )。
【0066】上記昇温作業の結果、100℃以下にも低
下していた煙道基部73、即ち副バグフィルタ5の入口
温度が通ガス可能な130℃を越える状態となると(ス
テップS5 )、副排ガスダンパ76d及び副清浄ガスダ
ンパ77dを開放してバイパスダンパ78dを閉止し、
副煙道76から副バグフィルタ5に通ガスし、上記プレ
コート層により、立上げ時の中温排ガス66を濾過・中
和・吸着して中温清浄ガス67となし、副清浄ダクト7
7に排出する(ステップS6 )。
【0067】この状態で立上げ用ごみの供給量を次第に
増加させ(ステップS7 )、当初変動し易かった再燃室
出口温度が850℃以上を継続するまで続ける(ステッ
プS 8 )。
【0068】この時点は、立上げ用ごみの燃焼によるダ
イオキシン類や未燃物質が完全に熱分解され、ガス減温
設備3で減温後の中温排ガス66が副バグフィルタ5に
よって浄化される状態であり、立上げ運転は終了し、図
4の通常運転工程に移る(ステップA)。 〔通常運転工程〕まず、昇温した焼却炉本体11内に一
般ごみを所定量ずつ投入し(ステップS 9 )、燃焼が安
定していれば、助燃バーナ16及び再燃バーナ24を停
止する(ステップS10)。なお、助燃バーナ16及び再
燃バーナ24は、途中で燃焼が不安定になれば適時点火
する。
【0069】ごみ供給量が増加し、燃焼ガス61と排ガ
ス64の排出量も増加するため、主排ガスダンパ74d
と主清浄ガスダンパ75dを開放し、副排ガスダンパ7
6dと副清浄ガスダンパ77dとを閉止することによ
り、副バグフィルタ5から主バグフィルタ4に運転系統
を切替え(ステップS11)、プレコート層形成を行いな
がら通常運転に入る(ステップS12)。
【0070】通ガスを停止された副バグフィルタ5系統
は(ステップS13)、濾布51表面に付着したプレコー
ト層及び捕集灰を払落して(ステップS14)、排出手段
53及び切替手段57を経て捕集灰移送機構58上に滞
留させておき(ステップS15)、濾布51表面には中和
用薬剤82と炭素系吸着剤84とによるプレコート層を
形成させ(ステップS16)た後、副排ガスダンパ76d
と副清浄ガスダンパ77dとを開放して、主バグフィル
タ4との並列運転に入る。
【0071】上記ステップS15で滞留された副捕集灰9
3は、焼却炉1内の燃焼状態が850℃を超えて安定し
ていることを確認して(ステップS17)、捕集灰移送機
構58及び供給機構23により再燃室本体21内に返送
され、燃焼ガス61と共に再燃焼されることにより無害
化される(ステップS18)。
【0072】一方、ステップS12で、所定量のごみ燃焼
により通常運転状態に入った主バグフィルタ4系統は、
運転の継続により払落し条件に達すれば、濾布41表面
のプレコート層及び捕集灰を払落した後、再びプレコー
ト層を形成して、排ガス64の濾過・中和・吸着処理を
行う(ステップS19)。
【0073】ここで、上記の払落されたプレコート層及
び捕集灰は主飛灰91となり、併列運転に入った副バグ
フィルタ5から払落された副飛灰94と共に、排出コン
ベア47から飛灰処理装置92に送られて安定化処理さ
れる(ステップS20)。
【0074】以上の焼却〜濾過・中和・吸着〜払落し〜
プレコート層形成の一連の工程を繰返すことにより、所
定量のごみ焼却作業を終り通常運転が終了し(ステップ
21)、図5の立下げ工程に移る(ステップB)。 〔立下げ工程〕まず、乾燥火格子13及びごみ支持手段
14上のごみ層厚が薄くなるように操作した後ごみの供
給を停止し(ステップS22)、助燃バーナ16を点火し
て、焼却炉1内のごみが灰になる迄焼き尽す焚切り運転
を行う(ステップS23)。
【0075】その結果、ごみ中の揮発成分燃焼による炉
内の火炎が見えなくなれば(ステップS24)、火炎燃焼
からおき燃焼に移行したものと判断して、助燃バーナ1
6を消火し(ステップS25)、主排ガスダンパ74dと
主清浄ガスダンパ75dを閉止して、主バグフィルタ4
系統を休止し、副バグフィルタ5系統のみの運転とする
(ステップS26)。
【0076】通ガスが停止された主バグフィルタ4は、
通常運転による捕集灰とプレコート層を払落す(ステッ
プS27)とともに、主飛灰91を安定化処理する(ステ
ップS28)。
【0077】上述のステップS26により単独運転となっ
た副バグフィルタ5系統では、次第に減量し降温するお
き燃焼による中温排ガス66の濾過・中和・吸着を続け
(ステップS29)、煙道基部温度が130℃を割れば
(ステップS30)、バイパスダンパ78dを開放して副
排ガスダンパ76dと副清浄ガスダンパ77dとを開止
することにより、バイパス運転に切替え(ステップ
31)、低温ガス68による除じん設備への悪影響を防
止する。
【0078】その後、中温排ガス66の処理のため、ダ
イオキシン類含有量が増加している副バグフィルタ5の
プレコート層及び捕集灰を払落して副捕集灰93とな
し、捕集灰移送機構58側に切替えられた切替手段57
を経て捕集灰移送機構58上に貯留し(ステップ
32)、全作業を終了する。
【0079】なお、本説明における焼却炉1と再燃室2
及びガス減温設備3の形状は、図1の形状に限定される
ものではなく、主バグフィルタ4及び副バグフィルタ5
の煙道側及び清浄ダクト側の両方に1個ずつのダンパを
設けたが、片方を省略してもよい。
【0080】また、薬剤層形成方法は、全てプレコート
方式で説明したが、通常運転時には、排ガス同伴方式を
採用してもよく、図5におけるステップS27、S32での
払落し作業は、作業終了時に限らず、翌日の通ガス前に
行ってもよく、各薬剤の移送空気69は常温空気を吸引
すると説明したが、清浄ガス65の一部を分岐吸引して
もよい。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ダ
イオキシン類の生成量が多い時期だけ副バグフィルタを
使用し、生成量が少い時期は主・副両バグフィルタを併
用する方式であるため、従来の2段構成式よりも設備費
が節減できる。
【0082】また、ダイオキシン類含有量の多い副捕集
灰は、再燃室において熱分解処理するとともに、飛灰処
理装置では、ダイオキシン類含有量の少い通常運転時の
飛灰のみを処理するために、設備が簡素化されるだけで
なく、捕集灰の脱着・再生設備や重金属処理装置を別途
設置する必要もない。
【0083】さらに、ダイオキシン類生成の危険性が高
い立上げ・立下げ時の副バグフィルタの副捕集灰を、焼
却炉の燃焼安定時にのみ、再燃室で熱分解するだけでな
く、ガス減温設備の構成を、高温用の空気予熱器及び白
煙防止用空気加熱器等の熱交換器群を前置し、水噴射式
ガス冷却室を後置することで、ダイオキシン類再合成の
危険温度範囲を避けた配列としているため、除じん装置
入口のダイオキシン類含有量を大幅に削減して、少量の
炭素系吸着剤の使用で、ダイオキシン類排出量の低減を
可能にしている。
【0084】また、高濃度のダイオキシン類の吸着処理
及び低温腐食や潮解現象によるバグフィルタの損傷は、
小容量の副バグフィルタのみに限定され、大容量の主バ
グフィルタは安全側にあるため、補修作業費が節減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイオキシン類対策を施した非連
続燃焼式ごみ焼却施設の概要を示す概要構成図である。
【図2】焼却施設のガス・空気・飛灰類及び水の流れを
主体とする概略フロー図である。
【図3】昇温及び立上げ工程を表すチャート図である。
【図4】通常運転工程を表すチャート図である。
【図5】立下げ工程を表すチャート図である。
【図6】立上げ作業中のバイパス対策として利用されて
いる従来の焼却炉用バグフィルタの概要を示す図であ
る。
【図7】ダイオキシン類を除去する従来の排ガス処理法
の典型的な一例を示す排ガス処理工程図である。
【符号の説明】
1 焼却炉 2 再燃室 3 ガス減温設備 31 空気予熱器 32 熱交換器群 33 ガス冷却室 4 主バグフィルタ 5 副バグフィルタ 53 排出手段 57 切替手段 82 酸性有害ガス中和用薬剤(有害ガス中和用薬剤) 84 炭素系吸着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23J 15/06 F23J 15/00 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般廃棄物や産業廃棄物等のごみを焼却
    処理するに当り、毎日所定時間休炉する非連続燃焼式ご
    み焼却炉から排出される排ガスを、再燃室及びガス減温
    設備を経てバグフィルタに導き、該バグフィルタに供給
    される有害ガス中和用薬剤と炭素系吸着剤とにより、排
    ガス中に含まれるばいじんと酸性有害ガス及びダイオキ
    シン類を、濾過・中和・吸着して除去するように構成さ
    れた非連続燃焼式ごみ焼却施設において、 前記バグフィルタは、立上げ・立下げ時及び通常運転時
    にも使用する副バグフィルタと、当該副バグフィルタよ
    りも大容量の通常運転用主バグフィルタとの2群として
    構成され、該副バグフィルタの捕集灰を排出する排出手
    段が切替手段及び捕集灰移送機構を介して前記再燃室に
    連接されたことを特徴とする非連続燃焼式ごみ焼却施設
    のダイオキシン類削減装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス減温設備は、高温用の空気予熱
    器及び白煙防止用空気加熱器等の熱交換器群が前置さ
    れ、水噴射式ガス冷却室が後置されてなることを特徴と
    する請求項1記載の非連続燃焼式ごみ焼却施設のダイオ
    キシン類削減装置。
  3. 【請求項3】 一般廃棄物や産業廃棄物等のごみを焼却
    処理するに当り、毎日所定時間休炉する非連続燃焼式ご
    み焼却炉から排出される排ガスを、再燃室及びガス減温
    設備を経てバグフィルタに導き、該バクフィルタに供給
    される有害ガス及びダイオキシン類を、濾過・中和・吸
    着して除去するように構成された非連続燃焼式ごみ焼却
    施設のダイオキシン類削減方法であって、 上記非連続燃焼式ごみ焼却施設による立上げ・立下げ時
    においては、副バグフィルタのみに排ガスを導入して処
    理させ、当該期間中の捕集灰は再燃室に返送して、未燃
    物の再燃焼及びダイオキシン類の熱分解を行うととも
    に、通常運転時においては、主バグフィルタと上記副バ
    グフィルタとで排ガスを処理し、両バグフィルタの捕集
    灰は飛灰処理装置に送入して安定化処理を行うことを特
    徴とする非連続燃焼式ごみ焼却施設のダイオキシン類削
    減方法。
  4. 【請求項4】 前記副バグフィルタの濾布表面は、立上
    げ及び立下げ運転に移行する前に、立上げ・立下げ運転
    中に発生するダイオキシン類の吸着に必要な炭素系吸着
    剤及び有害ガス中和用薬剤によりプレコートされること
    を特徴とする請求項3記載の非連続燃焼式ごみ焼却施設
    のダイオキシン類削減方法。
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