JPH11128681A - 空気清浄機 - Google Patents

空気清浄機

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JPH11128681A
JPH11128681A JP9299918A JP29991897A JPH11128681A JP H11128681 A JPH11128681 A JP H11128681A JP 9299918 A JP9299918 A JP 9299918A JP 29991897 A JP29991897 A JP 29991897A JP H11128681 A JPH11128681 A JP H11128681A
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air purifier
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photocatalyst
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典子 嶋崎
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敬郎 石川
Tomoji Oishi
知司 大石
Takao Kawaguchi
卓男 川口
Tetsuo Ishikawa
鉄雄 石川
Yuka Hirota
由香 廣田
Hiroshi Ochi
博 越智
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性のあるプラスチック素材に塗布した場合
でも、充分に追従できる柔軟さと水洗い後も膜剥がれが
生じない密着性を有する光触媒薄膜を備え、空気清浄機
の通常の使用状態においても光触媒を効果的に作用させ
て、脱臭・抗菌を行うことのできる空気清浄機を提供す
ることにある。 【解決手段】空気清浄機の不織布フィルターに酸化チタ
ンと有機樹脂を含む光触媒を形成し、該光触媒フィルタ
ーの前面パネルを透明プラスチック部品にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒薄膜を備え
た空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気清浄機では悪臭などの日常生
活における有害物質を除去するために、おおむね活性炭
を含有するフィルターが使用されており、活性炭に有害
物質を吸着させる方法がとられている。
【0003】また、吸着以外の方法で悪臭を除去する事
例としては、特開平7−323081 号公報に示されているよ
うに、空気清浄機本体内部にオゾン発生装置を設置し、
オゾンによって、空気清浄機内部を流れる例えば煙草の
煙などの室内悪臭を含む空気を脱臭する方法が知られて
いる。
【0004】しかしながら、上記活性炭を含有するフィ
ルターを使用する場合には、長期間空気清浄機を運転す
ると活性炭の吸着能力が低下し、一定量の有害物質を吸
着すると脱臭効果が無くなっていた。このため、活性炭
を含有するフィルターを定期的に交換しなければなら
ず、フィルターの経費と交換の手間がかかるという欠点
があった。
【0005】更に特開平7−323081 号公報に記載の技術
においては、空気清浄機本体内部にオゾン発生装置を配
設するようにしているので空気清浄機が大型化したり、
発生したオゾンがPP,ABS,スチロール等の樹脂を
劣化させてしまうので、実際の製品に採用するには困難
であった。
【0006】これを解決するための手段として、近年、
TiO2 光触媒による有機物の分解作用を利用して、防
汚,脱臭,抗菌効果を発現する材料が注目を集めてい
る。空気清浄機に光触媒薄膜を応用した事例としては、
特開平8−206454 号公報に記載の技術のように、光触媒
とそれを担持する担体と該光触媒と担体の保持力を更に
高めるための微細繊維から構成される複合凝集体水溶液
を用いて、熱可塑性樹脂に塗設するかあるいは混合抄紙
して一体化する技術や、特開平5−76715号公報に示され
ているように、空気清浄機内部に紫外線ランプ及びこの
紫外線ランプによって作用する光触媒を用いた脱臭装置
を備えることによって、室内の悪臭を除去する方法など
が挙げられる。
【0007】一方、成膜法としては酸化物薄膜は基板上
にスパッタリングのような物理的方法によるものとゾル
ゲル法のような塗布法などの化学的な方法によるものと
がある。前者は真空装置等を用いて低い温度で成膜が可
能である。後者はスピンコート,スプレーなど簡単な装
置で基板上に塗布し、通常数百℃の温度で処理すること
によって膜を得ることができる。抗菌防臭用の材料であ
るTiO2 はアナターゼ型の結晶が有効であり、機能発
現には結晶化が有効であることが報告されている(Paten
t No.(PTC)WO94/11092,(PTC)WO95
/15816)。またTiO2 にV,Fe等を添加して
高性能化したものが報告されている(W.choi,A.Termin,
M.R.hoffmann,J.Phys.Chem.,98,13669−136
79(1994))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記技術を用いて、耐
熱性の低い基材、例えばプラスチック製部品上への光触
媒薄膜を形成するためには不充分な点がある。
【0009】ゾルゲル法により成膜したものには数百℃
の熱処理が必要であり、耐熱性の低い基材上への成膜は
困難である。光触媒微粒子を分散させたシリカゾルを用
いた場合、耐熱性の無い基板上への成膜は、熱処理の温
度が低いために充分な焼結ができず、形成した光触媒薄
膜の強度及び耐水性が不充分となる。いちおう、光触媒
形成基材として耐熱性のある金属やセラミックを用いる
ことも可能ではあるが、製品全体の重量や価格のアップ
につながるため、現実的でない。
【0010】一方、数百℃の熱処理を必要としないスパ
ッタリング,CVD,真空蒸着法といったような物理的
方法では、真空装置等の大がかりな装置が必要であり生
産コストが高い。また、成膜時高真空下において膜が形
成されるため、光触媒の組成比ずれが大きく、光触媒性
能が悪化する。さらに、成膜時には有機材料を基板とす
る場合、逆スパッタされ基板にダメージを与え、基板の
変形等を招く等の問題点がある。
【0011】ところで、光触媒の最大の問題点は、有機
物は分解できても無機物を処理することができないこと
である。無機物の汚れは有機物の汚れの上に極端に付着
するため、光触媒作用により有機物の汚れを除去すれ
ば、無機物の汚れの付着もある程度防止できるが、一旦
無機物が付着すれば付着した部分は光が透過することが
なく光触媒作用が失われ、有機物の汚れを分解できず、
結果として汚れが促進する。光触媒形成品が平坦なもの
であれば、Patent No.WO96129375に報告されているよう
に、超親水性光触媒を用いて親水性を向上させ、水洗に
より無機物の汚れを洗浄できる改善がなされているが、
繊維やフィルター等の目の細かいものであれば、洗い流
すだけでは汚れを落とすことができず、ブラシ等で機械
的に洗浄する必要が生じる。しかし、上記プラスチック
製品に応用した光触媒は、酸化チタンにシリカ等の無機
バインダーを添加した物であり、プラスチック表面との
密着性が不十分であるうえに、柔軟性がないためフィル
ターなど基材の変形時に剥離してしまう。しかも、この
ような酸化チタン粒子を無機バインダーに分散した光触
媒は、酸化チタンのみから構成される光触媒に比べ、酸
化チタンの占有面積が小さい分、性能が低下するという
問題があった。特に、膜強度を必要とする場合は無機バ
インダーを多く添加するため、強度は強くなるけれど
も、活性は著しく低下するという問題があった。
【0012】更なる問題点としては、前記の光触媒応用
技術の発明の中では、TiO2 を主成分とした光触媒の
有機物分解効果自体を高める工夫については、言及がな
い。従って、屋内のような光強度の低い環境において
は、TiO2 自体の有機物の分解等の分解速度が充分で
なく、特に配設した別の光源を必要とするという問題点
も抱えたものであった。例えば前述した特開平5−76715
号公報においても、光触媒自体の活性度が充分でないた
めに、紫外線ランプを併設することで分解反応を高めて
いる。紫外線ランプとしては、通常高圧水銀ランプやメ
タルハライドランプなどが用いられるが、電源装置や、
冷却機構などの機構が必要となり、応用製品全体の重量
や価格や消費電力のアップにつながる。また、ランプの
寿命が2000時間程度であり、定期交換作業が必要となる
など、実用性に問題があった。分解効率を上げるための
従来技術では、このほか、TiO2 にFe,Vを添加す
る技術が公知ではあるが、数百℃の高温処理を行うこと
により高性能化しており、耐熱性に乏しい基板材料への
応用が困難であった。
【0013】また、特開平8−206454 号公報に記載の技
術のように空気清浄機のフィルターに光触媒を用いるこ
とが提案されているが、その光源となる太陽光を光触媒
が作用するように効果的に取り入れる方法については一
切考慮されていなかった。
【0014】以上、従来技術の問題点を鑑みるに、本発
明の目的は、光分解効率がTiO2単体での分解効率よ
り向上し、従来必要とされた光強度より少ない強度でも
付着物を分解できるような高活性な性能を有し、かつバ
インダーを多量に添加しても該光触媒の性能低下を生じ
ることのない光触媒を、柔軟性の有る耐熱性の乏しい材
料、例えばプラスチック繊維部材に形成し、さらに無機
物の汚れを除去するためブラシや水洗等の機械的な洗浄
を行っても膜剥がれが生じず、従って、該光触媒薄膜形
成部材の洗浄回数及び部品交換を少なくする空気清浄機
を提供することにある。
【0015】また、通常の空気清浄機使用環境レベルの
光を効果的に取り入れて光触媒に作用させ、脱臭・抗菌
を行うことのできる空気清浄機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、外光に触れる所に位置する空気清浄機の
部品の中で、少なくとも通風路中に配設されたプラスチ
ック繊維より構成される不織布フィルターに光触媒薄膜
が形成されている空気清浄機であって、前記光触媒薄膜
として酸化チタンが分散した塗膜を形成し、該塗膜中に
有機樹脂を添加した光触媒薄膜が形成されていることと
する。
【0017】また、前記有機樹脂の添加量が10〜70
wt%であり、Tgが30℃以下で、その分子量は30
000より大きなものであることとする。また、有機樹
脂の骨格がアクリル樹脂であることとする。また、前記
有機樹脂の側鎖にシラノール基を有することとする。
【0018】更に本発明は、前記光触媒薄膜中に、酸化
チタン、Tgが30℃以下で分子量が30000より大
きなアクリル樹脂に加えて、Li,Na,Mg,K,Z
n及びATO,RSOのうち少なくとも一種が配合され
ており、前記Li,Na,Mg,K,Zn及びATO,
RSOの添加量が2〜20wt%であることとする。
【0019】また、本発明では、外光に触れる所に位置
する光触媒薄膜が形成された部品と外光との間にプラス
チック透明部品を介在させる構成とし、該プラスチック
部品の2.2(mm)厚みの透過光の色差表示法によるL値
が50以上であり、かつa値が−20以上20以下であ
り、かつb値が20以下であることとする。
【0020】また、本発明では、前記プラスチック透明
部品上に光触媒薄膜が形成されていることとする。
【0021】また、本発明では、前記プラスチック繊維
より構成されたフィルターが、アクリル,ポリエステ
ル、あるいはポリプロピレン繊維よりなる不織布である
こととする。
【0022】これらにより、光分解効率がTiO2 単体
での分解効率より向上し、従来必要とされた光強度より
少ない強度でも付着物を分解できるような高活性な性能
を有し、かつバインダーを多量に添加しても該光触媒の
性能低下を生じることのない光触媒を、柔軟性の有る耐
熱性の乏しい材料、例えばプラスチック繊維部材に形成
し、さらに無機物の汚れを除去するためブラシや水洗等
の機械的な洗浄を行っても膜剥がれが生じず、従って、
該光触媒薄膜形成部材の洗浄回数及び部品交換を少なく
する空気清浄機を提供できた。また、通常の空気清浄機
使用環境レベルの光を効果的に取り入れて光触媒に作用
させ、脱臭・抗菌を行うことのできる空気清浄機を提供
できた。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を添付の図面を参照し、説明する。
【0024】(実施例1)図1に本発明の一実施例に係
る濾過型の空気清浄機の運転時の外観斜視図である。同
図において1は本体フレーム、2は本体フレーム1の後
ケース、3は本体フレーム1の前面に取り付けられ、後
述するスライドパネル13を支持するガイドパネルであ
る。
【0025】本体フレーム1には、リモコンスイッチ4
に設けられた赤外線発光部5から発せられる赤外線信号
によって後述モータ11をオン・オフする受光センサ7
や、連続運転・タイマー運転等を選択するセレクトスイ
ッチ8,指タッチ方式による運転オン・オフ操作に必要
なメンブレムスイッチ9、更には各種表示ランプ等を備
えた操作パネル6が取り付けられている。
【0026】図2は本発明の一実施例に係る濾過型の空
気清浄機の分解図である。同図において、10は本体フ
レーム1の空気吸込口であり、モータ11は本体フレー
ム1の背部に取り付けられている。なお、モータ11の
オン・オフ動作は、リモコンスイッチ4に代えて、指タ
ッチ方式によるメンブレムスイッチ9やその他のスイッ
チ類とリモコンスイッチ4とを併用するようにしてもよ
い。
【0027】後ケース2には、シロッコファン12が収
容されており、シロッコファン12はモータ11によっ
て回転駆動される。
【0028】ガイドパネル3には、スライドパネル13
が前後方向にスライド自在に取り付けられている。
【0029】同期モータ14は、空気清浄機のスイッチ
オンと同時にシロッコファン駆動用モータ11と同期し
てあらかじめ設定の一定角度回転で停止し、空気清浄機
のスイッチオフでフリーとなる。
【0030】15は本体フレーム1とガイドパネル3と
の間にセットされたフィルターで、各種汚れや臭いを除
去するための機能を持たせるために複合構造となってい
る。フィルター15は、図4に示すように外表面を覆う
層である外フィルター15aと、外フィルター15aの
内部にある内フィルター15bより構成される。いずれ
のフィルターも基本構造は、塵埃類を濾過するために、
ポリエステルやウレタン,セルロース,ナイロンあるい
はエレクトレット化処理したポリオレフィン類などの不
織布層やスポンジ状の多孔質層が用いられる。内フィル
ター15bには、これら基本構造に加えて、臭気を吸着
するための活性炭粒子や繊維類が混合や混紡、あるいは
封入される。また、繊維自体に臭気を中和するための薬
剤が浸透あるいは、表面に展着させる場合もある。薬剤
としては、各種有機酸やフラボノイド類のアルカロイド
などのほかに、微生物の繁殖を抑制するための抗菌剤類
も合わせて用いられる。近年では安全性の高いキチン,
キトサン類やカテキン誘導体等も用いられる。
【0031】16は後ケース2に設けられた空気吐出口
である。
【0032】以上の構成において、スイッチオンによっ
てモータ11が回転し、シロッコファン12が回転して
空気吸込口10から空気を吸入して空気清浄作用が開始
されると同時に、同期モータ14が一定角度回転する。
同期モータ14が一定角度回転すると、スライドパネル
13を前方向に押し出し、スライドパネル13とガイド
パネル3との全周囲方向から、塵埃や、煙,油微粒子
や、微生物や微生物の死骸類,花粉類や悪臭などを含む
室内の汚れた空気を吸込む。この吸込まれた空気は、フ
ィルター15で濾過されて清浄な空気となり、シロッコ
ファン12により後ケース2の空気吐出口16から室内
に放出されるというサイクルを繰り返しおこなう。発生
させる風量は約2〜3(m3/分)であり、8畳の室内で
は30分間の運転で70〜95%の煙草の煙を除去する
能力を有する。
【0033】一方、スイッチオフによってモータ11が
回転を停止するとスライドパネル13を後退させ、スラ
イドパネル13とガイドパネル3間の隙間を閉鎖する。
これにより前面パネルの空気吸込口部分が常にオープン
の状態にある場合の不具合、すなわち、運転停止時、運
転中にフィルターで捕集した汚れに含まれる臭気、例え
ば煙草のヤニの臭いが空気吸込口から室内に放出される
不具合や、運転停止時でも空気吸込口には塵や埃がたま
りやすく、ガイドパネルやスライドパネルなどの狭い格
子部分にたまった汚れを掃除するには煩わしさをともな
うといった不具合をなくすことができる。
【0034】本実施例では、濾過型の空気清浄機におい
て図1のように、本体のスライドパネル13とガイドパ
ネル3を無色透明ABS部品に、光触媒外フィルター1
5aはアクリル不織布でできているが、この光触媒外フ
ィルター15a表面には後述実施例6のサンプルNo.1
7の光触媒薄膜が形成されている構成となっている。膜
の形成方法については後述の実施例4で詳細に説明する
が、所定のゾルを調整して、アクリル不織布にスプレー
で塗装した後に120℃で15分間処理して、光触媒薄
膜が形成されたフィルターを作製した。
【0035】光触媒外フィルター15aはスライドパネ
ル13とガイドパネル3との間の空気吸込口より取り入
れた汚れた空気を最初に濾過する部品であり、塵埃や、
煙,油微粒子や、微生物や微生物の死骸類,花粉類や悪
臭などの各種異物が多量に付着する。光触媒薄膜を形成
させた部品表面に光が照射されるにあたり、外光などが
直射される必要は必ずしもなく、透明な素材である透明
プラスチックやガラスからなる部品を透過させた光が照
射されるような構成にしても効果が得られる。つまり空
気清浄機本体に透明なスライドパネル13と透明なガイ
ドパネル3とを搭載することで、外光が光触媒外フィル
ター15aに到達することができる。この光によって、
光触媒外フィルター15aの表面に捕集された異物は酸
化分解される。また空気中に浮遊する細菌類や黴のよう
な各種微生物類は、高活性光触媒の分解作用によって死
滅、あるいは繁殖が抑制される。このように、空気清浄
機本体に光源を搭載することなく充分な光触媒の脱臭・
抗菌効果を得ることが可能となった。
【0036】ではここで、実施例のような、外光が透明
ABS樹脂を透過して光触媒薄膜形成フィルターに到達
するようにした構成装置の、室内空気中に存在する汚染
物質の代表である煙草の煙,アンモニア,大腸菌に対す
る除去作用について評価を行ったので以下に示す。
【0037】先ず最初に煙草の煙汚れの除去作用につい
て評価を行った。試験方法は次のとおりである。
【0038】送風量が5m3 /分の換気扇の吸いこみ側
である前面に、対象面積が10cm×10cmのアクリル繊
維不織布フィルターを貼り付けて固定した。この不織布
付きの換気扇を、容量が45,000cm3の透明ABS容
器の中に設置して密封した。この容器の中には煙草の煙
発生装置を併置した。この煙草の煙の発生装置は、着火
した煙草のフィルター側にチューブを取り付けてあり、
このチューブはダイヤフラムポンプに連結してある。こ
のダイヤフラムポンプを1,800cm3/分の風量で駆動
させて、煙草側のチューブ端を減圧すると煙草のフィル
ターを通過した煙がポンプの吐出側から排気され、約
1.5 分間で1本の煙草を燃焼する。このような構成の
容器の中で煙草の煙発生装置と換気扇を駆動すると、換
気扇の排気も同容器内に排出されるので、容器内に充満
した煙草の煙は何回も不織布フィルターを通過すること
になる。3本の煙草を連続して燃焼させ、換気扇を5分
間駆動させた後に容器を開放して不織布フィルターを取
外して汚れ付着試料とした。この不織布フィルターの繊
維表面には、本実施例で用いた光触媒サンプルNo.17
が形成してある。
【0039】このように作製した汚れ付着フィルター上
の汚れの色を色差計で経時的に測定して分解効率を評価
した。なお、本試験はJIS−Z−8730(色差表示
法)に従ったもので、用いた測定機はJIS−Z−87
22に準じた、日本電色工業(株)製のZ1001DPであ
る。
【0040】まず、煙草の煙によるフィルターの汚れ具
合を経時的に測定した結果を図5に示す。同条件で試験
を行った無処理アクリルフィルターと比較して、光触媒
薄膜形成フィルター(サンプルNo.17)は約4倍変色
が速く、すなわち約4倍煙汚れの捕集効率が向上してい
ることがわかった。
【0041】次に、この汚れ付着光触媒フィルターと蛍
光灯の間に透明ABS板を介在させた構成で蛍光灯の光
を照射し、付着した汚れの分解効率を評価した。結果を
図6に示す。図中の積算光量とは、250〜350(n
m)の波長の光が照射された積算値を表し、分解率とは
光照射前の汚れた状態からの変化量を表す。比較のため
同条件で試験を行った無処理アクリルフィルターでは殆
ど分解効果は認められないが、光触媒薄膜形成フィルタ
ー(サンプルNo.17)の場合光照射に伴って汚れが分
解されたことがわかる。
【0042】実際の環境で、上記の装置を用いた本試験
と同レベルの汚れ量を光触媒フィルターに付着させるた
めには、密閉した6畳間(約20m3)で20本の煙草を
燃焼させた後、上記の換気扇を120分間稼働させた後
の汚れ量に相当するものであった。
【0043】では、次にアンモニアの除去作用について
評価を行った。上記の煙草の場合と全く同じ構成で検討
を行い、煙草の煙発生装置のかわりにABS容器内部に
一定量のアンモニアガスを注入した。アクリルフィルタ
ーの繊維表面には、上記煙草の汚れ分解試験と同様に本
実施例で使用した光触媒サンプルNo.17が形成されて
いる。
【0044】まず最初に、アンモニアガスの捕集効果を
測定した結果を図7に示す。容器内部のアンモニアガス
濃度を25ppm に調整した上で、光触媒アクリルフィル
ターを取り付けた換気扇を駆動させ、残存アンモニア濃
度をガステック製アンモニア検知管にて測定した結果で
ある。光触媒無処理アクリルフィルターでは、1時間後
でも90%以上のアンモニアガスが残留しているのに対
して、光触媒薄膜形成アクリルフィルターの場合は、1
時間後で50%以下の濃度まで吸着除去されたことがわ
かる。すなわち光触媒薄膜形成フィルター(サンプルN
o.17)にはアンモニアガスの捕集効果が認められる。
【0045】次にこのアンモニアガスを飽和するまで吸
着させた後に、再び容器内部にアンモニアを25ppm 注
入し、換気扇を駆動させながら透明ABS容器外部に配
設した白熱灯を点灯して、フィルター面に光が当たるよ
うにした。容器内のアンモニアガス濃度を上記同様に経
時測定し、アンモニア分解効果を評価した。この結果を
図8に示す。
【0046】光触媒無処理フィルターではほとんど濃度
変化は認められないのに対して、光触媒薄膜形成アクリ
ルフィルターの場合、光照射に伴ってアンモニアガス濃
度は低下し、分解除去されたことがわかる。すなわち、
アンモニア飽和した光触媒フィルターが光照射により、
分解性能が再生したといえる。
【0047】同様の脱臭性能評価試験を別の悪臭物質と
して、アセトアルデヒド及びメチルメルカプタン,硫化
水素について評価を行ったが、アンモニアの場合同等か
それ以上の分解効果が得られており、対象とする悪臭は
アンモニアのみならず各種の悪臭を分解できることを確
認している。
【0048】最後に、光触媒薄膜形成フィルター(サン
プルNo.17)を用いて、抗菌試験を行った。このフィ
ルター上に大腸菌を植え付け、この面に光があたるよう
に蛍光灯を2m離れたところから点灯させ、大腸菌の生
存数を経時測定した。初期状態からの生存率を求め、抗
菌性の評価をした。比較として光触媒無処理フィルター
でも同様の実験を行った。
【0049】その結果を図9に示す。光触媒薄膜形成フ
ィルターでは大腸菌は8時間で85%殺菌し、16時間
で93%まで死滅する。そして24時間後には、ほぼ無
くなるのに対して、無処理フィルターでは菌数は全く減
らない。従って光触媒薄膜形成フィルターには抗菌効果
があることが認められた。
【0050】以上の結果から、スライドパネルとガイド
パネルを透明プラスチック部品にして高活性光触媒フィ
ルターを搭載することで、空気清浄機本体に光源を搭載
することなく充分な光触媒の効果を得ることができると
いえる。また、本実施例の光触媒薄膜は密着性が高いた
め、塵埃などの、光触媒が分解できない無機汚れを水洗
によって除去した後も膜剥がれが無く、分解性能の劣化
は見られずフィルターの繰り返し使用が可能であった。
従って、光触媒のセルフクリーニング作用によってフィ
ルターの交換回数が少なくてすむという効果や、光触媒
用光源の消費電力が節約できるという効果がある。
【0051】また、光触媒フィルターは、排気を脱臭す
るという能力と、居住空間に存在する菌を除去する能力
を同時に備えているため、フィルターを多層厚型にする
必要が無く空気清浄機本体をコンパクトに抑えることが
できるという効果もある。
【0052】(実施例2)前述実施例1のようにフィル
ターに光触媒薄膜を形成することに加えて、透明なガイ
ドパネルや透明なスライドパネルやその他の外装部品に
も光触媒薄膜を形成するのも好ましい。これら外装部品
に前述したような各種異物汚れが付着しても、外光が照
射されることにより光触媒フィルター表面上に付着した
汚れと同様に酸化分解されるからである。
【0053】本実施例では、図1において本体フレーム
1,後ケース2,透明なガイドパネル3,リモコンスイ
ッチ4,スイッチ操作部6,透明なスライドパネル1
3、及び外フィルター15aに実施例5の光触媒サンプ
ルNo.21を成形したものである。
【0054】特に、透明なガイドパネル3および透明な
スライドパネル13に光触媒薄膜を形成しておくと、こ
れらの上に付着した汚れが、付着するやいなや酸化分解
され常にプラスチックの透明度が保たれるという自浄作
用を有する。このため、外光は、透明ガイドパネル3お
よび透明なスライドパネル13を最大限の光量で透過し
て光触媒薄膜フィルターに到達することができる。従っ
て、フィルター上の光触媒機能を、室内環境における最
大限引き出すことができる。
【0055】また、上記外装部品は、フィルター交換時
や運転開始停止時には素手で触れる部品であり、付着し
た汗などの体脂類を栄養分として、細菌類が繁殖しやす
く、従来イミダゾール系,チアゾリン系等の有機物系の
抗菌剤や、銅系,亜鉛系,銀系等の無機物系の抗菌剤を
成形樹脂中に練り込んで抗菌効果を得ていたが、これら
の処理が不要となる。
【0056】また、空気吸込口部分には塵や埃がたまり
やすく、ガイドパネルやスライドパネルなどの狭い格子
部分にまで汚れが付着することが多い。これを防ぐため
に、従来各種界面活性剤や、ポリアミド,ポリエチレン
グリコール系等の親水性高分子類を成形樹脂中に混練
し、表面抵抗を低下させることで防止してきたが、本実
施例では、表面の抵抗値を低下させることができる光触
媒薄膜を用いているので、電気抵抗値の高いABS類の
成形樹脂でも塵埃等の付着を防止する効果も併せて得る
ことができる。
【0057】また、前記スイッチ操作部6に設けられて
いる受光センサ7と、リモコンスイッチ4に設けられた
赤外線発光部5の表面には光触媒薄膜が形成されている
ために、汚れによる赤外線信号の受発信の阻害を防止す
る効果が得られる。
【0058】次に、空気清浄機外装部品に光触媒薄膜を
形成させた場合の具体的な防汚効果を評価した結果を以
下にまとめる。試料としては、最も良く外装部品に用い
る射出成形用の熱加塑性ABS樹脂(テクノポリマー
社:タフレックス451,白色着色品)を用いた。5cm
×5cmの板状の成形品を作成し、この表面をコロナ放電
処理した。このコロナ放電処理面に、本実施例で使用し
たサンプルNo.21の組成の光触媒薄膜を形成させた。
【0059】実施例1の光触媒薄膜フィルターの汚れ分
解試験と全く同じ構成で、同様に煙草の煙による汚れ分
解の評価を行った。換気扇中央部に5cm×5cmのABS
板を固定し、10本の煙草を燃焼させた後、120分間
換気扇を駆動させ、白いABS板を茶色く汚染させた。こ
のABS板を取外し、前と同様に蛍光灯を照射して、そ
の前後の色差測定により汚れ除去率を評価した。この結
果を図10に示す。比較用に光触媒無処理ABS板につ
いても同様に成形板表面に煙汚れを付着させて評価し
た。
【0060】この結果、光触媒無処理ABS板ではほと
んど汚れ分解がみとめられないが、光触媒薄膜形成AB
S板(サンプルNo.21)の場合、光照射に伴って煙汚
れは減少し、分解除去されたことがわかる。
【0061】また本実施例で用いた光触媒サンプルNo.
21はATOを添加成分として配合してあるため抗菌性
がより優れている。照射強度0.1(mW/cm2)のブラ
ックライトで光照射したときの効果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】ATOが添加されているサンプルNo.21
はATOが添加されていないサンプルNo.17と比較す
ると、2時間後の残存大腸菌数が1/100まで減少し
ている。以上によりATO添加光触媒フィルターがより
優れた抗菌効果を有することがわかった。
【0064】(実施例3)本実施例では静電気集塵式の
空気清浄機に光触媒を応用した例を示す。
【0065】図4にその断面図を示す。全体はフロント
カバー17およびリアカバー18より構成される。フロ
ントカバー17,パネル19に空気吸込口20と空気排
出口21を設け、空気吸込口20と空気排出口21を結
ぶ通風路中には着脱自在のプレフィルター22がある。
後方には、集塵電極23と、放電電極24を対峙させて
設け、さらに、集塵電極23と、放電電極24より発生
するオゾンを除去するためのオゾン除去フィルター25
があり、プレフィルター22,集塵電極23,放電電極
24,オゾン除去フィルター25が枠体26に装着され
た集塵ユニットがある。さらに後方には、集塵ユニット
との接触部に緩衝材27,送風機28と集塵ユニットを
接続するダクト29、および送風機28があり、緩衝材
27はダクト29に取り付けられ、さらにダクト29は
送風機28に取り付けられ、同一体で構成された送風ユ
ニットがある。清浄化された空気は空気排出口21より
排気される。
【0066】該プレフィルター22は、濾過型の空気清
浄機の場合での外フィルター15aと同様の役割を果た
す。
【0067】本実施例では、このプレフィルター22は
ポリエステル製の不織布であり、この表面には後述に示
すサンプルNo.21の光触媒薄膜が形成されている。
【0068】ところで、前述実施例1においては、光触
媒フィルターに外光が届くようにスライドパネル13と
ガイドパネル3を無色透明ABS部品としたが、他に好
適な例をあげると、PMMA,AS,PC,PS,PV
C,ポリ−4メチルペンテン(TPX)がある。
【0069】また、製品デザイン的な観点からこれらの
透明プラスチック素材に顔料や染料を混練させて着色し
てもよい。しかしながら、着色させる場合には、黄色や
赤色や緑色系の着色は、短波長の光を吸収するために分
解効果を低下させるので好ましくない。着色する場合好
ましい色調は青色系或いは黒色系(スモーク)である。
以下議論する透明部品の色については、JIS−Z−8
730に示されるような、Hunter法(Lab法)で規定す
る。すなわち、無彩色である白黒の度合(明度)を表す
L値、赤色と緑色の度合を表すa値、並びに青色と黄色
の度合を表すb値によって表現するものである。この表
現法によると、L値は、大きい程好ましい。色彩につい
ては、黄色系の透明部品は他の色に比較して、光触媒に
おける分解反応に必要な短波長の光の吸収が大きく、分
解率を低下させるため、b値が少ない程好ましい。ま
た、a値については、一定値以上,一定値以下の範囲に
なるようにすることが好ましい。
【0070】本実施例では図4において、フロントカバ
ー17,パネル19を透明青色PMMA樹脂部品(三菱レー
ヨン(株);アクリペットMDライトブルー)にした。こ
の透明青色PMMA樹脂部品の色をLab法で表すと、
L=79.8,a=−6.68,b=−16.5である。
【0071】では、実際に透明プラスチック部品の色と
煙草の煙汚れ分解効率の関係を評価した。実施例1煙分
解試験と同様の条件で作製した汚れ付着フィルター上に
PMMA樹脂をベースとして各種の顔料によって着色させた
カラープレート板を置いて蛍光灯の光を照射し付着した
汚れの分解率を測定した。このPMMA樹脂は、三菱レ
ーヨン(株)のアクリペットMDを各色に着色した厚み
2.2mm のカラープレートであり、紫外線吸収剤が添加
されているため360nm付近の紫外線を吸収する。
【0072】結果を図11に示す。図中の分解率とは、
2mの距離で40ワットの蛍光灯の光を汚したフィルタ
ーに20時間照射した後の、色差変化より求めた脱色率
を表す。色差変化とは、光照射前の汚れた状態の色差を
100%とし、煙草の煙による汚れを付着させる前の色
差を0%としたものである。実際の喫煙環境では、本条
件の試験で40%以上の分解率がえられれば、煙による
汚れが蓄積することなく連続使用に耐えうるものであ
る。
【0073】この分解率結果から、L値が+50以上で
あり、かつa値が−20以上+20以下であり、かつb
値が+20となる条件の場合、40%以上の分解率を得
ることができるとわかった。また、本実施例の透明青色
(ライトブルー)は分解率88%と非常に高く、蛍光灯
という、空気清浄機が使用される光環境下で充分な汚れ
物質分解効果が得られることが認められた。
【0074】次に、上記実施例1〜3の中における、外
光が照射される部品類の表面に形成した、光触媒薄膜の
配合組成並びに、膜の硬化条件および各配合組成の特性
等について説明する。
【0075】概要をまとめると次のようになる。
【0076】光触媒をプラスチック表面にコ−ティング
する場合、無機バインダーであるシリカを用いた場合
は、有機物であるプラスチック表面との接着は不十分で
あり、バインダーとしては有機樹脂が有効で、その添加
量は10〜70wt%が良好であることがわかった。特
にフィルターなど柔軟なプラスチック素材に対しては樹
脂の硬さが重要で、硬すぎると柔軟性がなくなり変形時
に剥離する。そのために有機樹脂のTg(ガラス転移温
度)は比較的小さな値をとるのがよいと考えられ、30
℃以下が良好であることがわかった。また、プラスチッ
ク基材との密着性を保ちつつ、光触媒の性能を向上させ
るには、Li,Na,Mg,K,Zn及びATO,RS
Oの少なくとも1種類を添加すれば良く、その添加量は
2〜20wt%が良好であることがわかった。
【0077】一方、有機樹脂は基材に合わせて材料の選
択を行えば、接着力は充分となり洗浄に耐えられる強度
を生じる。しかし、有機樹脂は光触媒作用により分解し
ていく。これを防ぐためには樹脂の分子構造を安定化す
るか無機系の材料を使用することが望ましい。そこで、
樹脂の分子量を大きくすると共に、有機樹脂の側鎖に無
機系の官能基を導入して、酸化チタン表面との接触部を
無機系により結合させることで分解を抑制できる。すな
わち、分子量が30000より大きく、有機樹脂の側鎖
にシラノール基を有すると良好であることがわかった。
【0078】では、以下の実施例で詳細を説明する。
【0079】(実施例4)TiO2 微粒子分散液に有機
樹脂を添加した溶液を作製した。この溶液を用いてアク
リル繊維上にTiO2 膜を形成し、光触媒付きフィルタ
ーを作製した。以下にその手順を説明する。
【0080】まず、コーティング液の作製法について示
す。TiO2 微粒子分散液及び有機樹脂は市販のものを
用いた。TiO2 微粒子分散液は石原産業製のSTS−
21を、有機樹脂は日立化成製のAE8200を各々用いた。
コーティング液はTiO2 微粒子分散液と有機樹脂を所
定量添加し、1時間撹拌して作製した。また、固形分濃
度は5wt%とし、必要量水を加えて調整した。
【0081】次に、光触媒付フィルターの作製法を示
す。アクリル繊維に作製したコーティング液をスプレー
によりコートして、120℃で15分間処理して光触媒
膜をコートしたフィルターを形成した。
【0082】光触媒フィルターとしては、空気中に存在
する悪臭成分及び細菌,タバコの煙等の除去が可能であ
る。特に、従来のフィルターが吸着剤による吸収除去で
あるため飽和吸着後にその効果が失われ交換する必要が
あるのに対して、光触媒付きフィルターは吸着した悪臭
成分及び細菌,タバコの煙等を光触媒作用により除去で
きるためフィルター交換回数を少なくすることができ
る。そこでフィルターの性能を調べるために、たばこの
分解試験及び光触媒の密着性を評価した。
【0083】たばこの分解試験は、前述実施例1におけ
る分解試験と全く同様の構成で行い、密着性評価試験に
ついては、折曲げて剥離する程度は×、10回たたいて
剥離する程度は△、ナイロンたわしでこすって剥離する
場合は○で剥離しなければ「二重丸」と評価した。つぎ
に、フィルターを水洗して強度変化を調べた。水洗は水
中でもみ洗いした後、60℃で30分乾燥し行った。こ
の水洗を10回行った後同様の密着性試験を行い評価し
た。また、水洗後のたばこの分解試験を行い、水洗前後
の変化も調べた。
【0084】表2に樹脂の添加量に対する結果を示し
た。
【0085】
【表2】
【0086】結果は樹脂添加量は70%〜20%であれ
ば、性能に大きな変化は見られず、たばこの分解及び密
着性の良好なフィルターを得ることができることが分か
った。また、特に30〜70%が好ましいことも分かっ
た。樹脂の添加量が10%では初期のたばこの分解性は
良好であるが密着性が悪い。80%では密着性は良好で
あるがたばこの分解ができない。70〜20%であれば
初期のたばこの分解及び密着性は良好で、水洗後もほぼ
変化がない。また、30〜70%であればたばこの分解
はもちろんのことナイロンたわしで洗浄可能で有り、膜
の密着性に優れたフィルターを作製できることが分かっ
た。
【0087】光触媒は光を吸収して生じたラジカルによ
り有機物を分解することができる。しかし、無機物の汚
れについては効果がない。フィルターのような目の細か
いものの場合、埃等が目に詰まったりした場合、本実施
例の様な密着性に優れた材料で有れば、たわし,ブラシ
等で目に詰まった汚れを除去しても、光触媒の劣化はな
くフィルターとして繰り返し使用できる。従ってフィル
ターの交換回数を少なくすることができる。また、アク
リル繊維のほか、ポリエステル繊維及びポリプロピレン
繊維の表面に作製しても同様の結果がえられ効果を確認
できた。
【0088】なお、AE8200はアクリル樹脂のエマルジョ
ン溶液であり、Tgが20℃、分子量30000の特性
を有する。後述するが、本発明によれば、Tgが30℃
以下、分子量30000以上の有機樹脂の使用が好まし
く、不織布などに塗布した場合でも、充分に追従できる
柔軟さと水洗い後も膜剥がれが生じない密着性が得られ
る。また、AE8200のようなアクリル主鎖以外に、エポキ
シ主鎖の樹脂を用いても同様の結果が得られた。
【0089】また、アクリル樹脂の側鎖にシラノール基
を付加したものも用いることができる。シラノール側鎖
を付加したグレードとしてはSW6003などが挙げられる
が、これらは配合する酸化チタンやシリカ等の無機素材
と有機バインダーとの密着性を高め、膜強度を高める効
果がある。
【0090】(実施例5)添加する樹脂の性質により密
着性が変化する。特に樹脂の硬さが変化すれば柔軟性が
なくなり洗浄時の剥離が大きくなる。表3には樹脂のT
g(ガラス転移温度)を変化させ、たばこの分解及び密
着性を評価した結果を示した。
【0091】
【表3】
【0092】Tgが50℃以上では初期野密着性は不良
で、洗浄後のたばこの分解性能の変化も大きい。30℃
以下で有れば良好な結果が得られており、比較的柔かい
樹脂が有効で有ることが分かった。
【0093】(実施例6)光触媒の性能を向上させるた
めに、実施例4で用いた有機樹脂添加光触媒コーティン
グ液に添加剤を添加して実施例4同様のたばこの分解試
験及び密着性評価を行った。表4にその結果を示した。
【0094】
【表4】
【0095】この表はLiNO3,ATO添加について
調べたものである。LiNO3の添加量が2〜20%
で、さらにATOを2〜20%添加すれば、密着性に変
化がなくたばこの分解性を向上できることが分かった。
また、Li以外のNa,Mg,K,Zn及びRSOにつ
いても試験を行ったところ、同様の結果が得られ効果を
確認できた。
【0096】(実施例7)有機樹脂をバインダーに用い
る場合、バインダーである樹脂が光触媒により分解して
しまうことが多く、一般に用いられることが少ない。そ
こで、紫外線を照射して密着性の変化を調べ、フィルタ
ーの寿命を測定した。紫外線の照射条件は、360nm
の光を3mW/cm2 の強度で照射した。通常蛍光灯の紫
外線強度は10cmの距離で0.03mW/cm2であり、今
回の試験条件は生活環境に比べ約100倍以上の加速試
験に相当する。したがって、3日で1年未満、7日で約
2年、10日で3年、30日で10年以上に相当するこ
とになる。表5は、実施例4で作製した樹脂添加量30
%の光触媒付フィルターについて試験した結果である。
試験内容は、所定の紫外線照射時間経過後に、実施例4
同様に密着性試験及びたばこの分解試験を行ったもので
ある。
【0097】
【表5】
【0098】結果はたばこの分解性は10日後に若干低
下するが密着性は変化がない。20日後にはたばこの分
解及び密着性に大きな変化が見られる。このことから、
このフィルターは室内のような生活環境下では2〜3年
は使用可能で有ることが分かった。
【0099】次にフィルターの寿命と樹脂の分子量につ
いて調べた。試験条件は先と同様である。
【0100】
【表6】
【0101】結果は表6に示したように分子量が大きく
なるほどフィルターの寿命が延びることが分かる。室内
のような生活環境下での寿命に換算すると、分子量3000
0 以上ならば1年以上使用可能となり、製品的に許容で
きる範囲である。実施例4〜6で用いた樹脂は分子量3
0000のもので、さらに100000まで大きくする
ことで3年間は使用可能となる。さらに、表中のサンプ
ルNo.35のように樹脂の側鎖にシラノール基を20%
導入したものを用いると、分解率が劣化しない期間は、
紫外線照射時で20日であるから室内のような生活環境
下では6〜7年使用できることになる。このように、使
用する樹脂の分子量を大きくしたり、シラノール基のよ
うな無機物を導入することにより、光触媒により分解さ
れにくくなり、フィルターの寿命を延ばせることが分か
った。
【0102】
【発明の効果】光分解効率がTiO2 単体での分解効率
より向上し、従来必要とされた光強度より少ない強度で
も付着物を分解できるような高活性な性能を有し、かつ
バインダ−を多量に添加しても該光触媒の性能低下を生
じることのない光触媒を、柔軟性の有る耐熱性の乏しい
材料、例えばプラスチック繊維部材に形成し、さらに無
機物の汚れを除去するためブラシや水洗等の機械的な洗
浄を行っても膜剥がれが生じず、従って、該光触媒薄膜
形成部材の洗浄回数及び部品交換を少なくする空気清浄
機を提供することができた。
【0103】また、通常の空気清浄機使用環境レベルの
光を効果的に取り入れて光触媒に作用させ、脱臭・抗菌
を行うことのできる空気清浄機を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る濾過型の空気清浄機の
運転時の外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る濾過型の空気清浄機の
分解図である。
【図3】本発明の一実施例に係る濾過型の空気清浄機の
フィルターの外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の空気清浄機の外観斜視図で
ある。
【図5】煙草の煙に対する捕集率を示す図である。
【図6】煙草の煙汚れに対する光分解効果を示す図であ
る。
【図7】アンモニアに対する捕集率を示す図である。
【図8】アンモニアに対する光分解効果を示す図であ
る。
【図9】大腸菌に対する抗菌効果を示す図である。
【図10】煙付着ABS板における光分解効果を示す図
である。
【図11】各カラープレート透過光による煙付着フィル
ターの光分解効果を示す図である。
【符号の説明】
1…本体フレーム、2…後ケース、3…ガイドパネル
(透明)、4…リモコンスイッチ、5…赤外線発光部、
6…スイッチ操作部、7…受光センサ、8…セレクトス
イッチ、9…メンブレムスイッチ、10…空気吸込口、
11…モータ、12…シロッコファン、13…スライド
パネル(透明)、14…同期モータ、15…フィルター
(光触媒)、16…空気吐出口、17…フロントカバ
ー、18…リアカバー、19…パネル、20…空気吸込
口、21…空気排出口、22…プレフィルター(光触
媒)、23…集塵電極、24…放電電極、25…オゾン
除去フィルター、26…枠体、27…緩衝材、28…送
風機、29…ダクト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 敬郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大石 知司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川口 卓男 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 石川 鉄雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 廣田 由香 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内 (72)発明者 越智 博 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 日 立多賀テクノロジー株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動送風機又は電気集塵機を駆動させて発
    生する空気流によって、空気吸込口より室内の空気を取
    り入れて、通風路中に設けたフィルターを通過させて、
    空気中に浮遊する塵埃や油粒子や煙,花粉や各種微生物
    類、あるいは悪臭物質等を捕集して清浄化した後に空気
    排出口より排出する空気清浄機において、 室内照明光あるいは室外からの太陽光(以下外光とす
    る)に触れる所に位置する部品、少なくとも、通風路中
    に設けたプラスチック繊維より構成されたフィルター
    に、光触媒薄膜が形成されていることを特徴とする空気
    清浄機。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記光触媒薄膜として、酸化チタンが分散した塗膜を形
    成し、該塗膜中に有機樹脂を添加した光触媒薄膜が形成
    されていることを特徴とする空気清浄機。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記有機樹脂の添加量が10〜70wt%である、光触
    媒薄膜が形成されていることを特徴とする空気清浄機。
  4. 【請求項4】請求項2または3において、 前記有機樹脂のTg(ガラス転移温度)が30℃以下で
    ある、光触媒薄膜が形成されていることを特徴とする空
    気清浄機。
  5. 【請求項5】請求項2乃至4のいずれかにおいて、 前記有機樹脂の分子量が30000より大きい、光触媒
    薄膜が形成されていることを特徴とする空気清浄機。
  6. 【請求項6】請求項2乃至4のいずれかにおいて、 前記有機樹脂の骨格がアクリル樹脂である、光触媒薄膜
    が形成されていることを特徴とする空気清浄機。
  7. 【請求項7】請求項2乃至4のいずれかにおいて、 前記有機樹脂の側鎖にシラノール基を有する、光触媒薄
    膜が形成されていることを特徴とする空気清浄機。
  8. 【請求項8】請求項3において、 前記光触媒薄膜中に添加された有機樹脂が、Tgが30
    ℃以下で分子量が30000より大きいアクリル樹脂で
    あって、更にLi,Na,Mg,K,Zn及びATO,
    RSOのうち少なくとも一種が配合されている、光触媒
    薄膜が形成されていることを特徴とする空気清浄機。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記Li,Na,Mg,K,Zn及びATO,RSOの
    添加量が2〜20wt%である、光触媒薄膜が形成されて
    いることを特徴とする空気清浄機。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、 前記アクリル樹脂の側鎖にシラノール基を有する、光触
    媒薄膜が形成されていることを特徴とする空気清浄機。
  11. 【請求項11】請求項1において、 前記外光に触れる所に位置する光触媒薄膜が形成された
    部品と外光との間にプラスチック透明部品を介在させる
    構成とし、該プラスチック部品の2.2(mm)厚みの透過
    光の色差表示法によるL値が50以上であり、かつa値
    が−20以上20以下であり、かつb値が20以下であ
    ることを特徴とする空気清浄機。
  12. 【請求項12】請求項11において、 前記プラスチック透明部品表面に光触媒薄膜が形成され
    ていることを特徴とする空気清浄機。
  13. 【請求項13】請求項1において、 前記プラスチック繊維より構成されたフィルターが、ア
    クリル,ポリエステル,あるいはポリプロピレン繊維よ
    りなる不織布であることを特徴とする空気清浄機。
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