JPH11135544A - ワイヤボンディングツール - Google Patents

ワイヤボンディングツール

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JPH11135544A
JPH11135544A JP29918597A JP29918597A JPH11135544A JP H11135544 A JPH11135544 A JP H11135544A JP 29918597 A JP29918597 A JP 29918597A JP 29918597 A JP29918597 A JP 29918597A JP H11135544 A JPH11135544 A JP H11135544A
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zirconia
groove
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    • H10W72/552Materials of bond wires comprising metals or metalloids, e.g. silver

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ワイヤの圧着を繰り返してもビルトアップが少
なく、また、適度な速度で静電気を逃がすことができる
とともに、ワイヤボンディングツールの先端面への溝加
工時やワイヤの圧着時において、溝のエッジ部に欠けや
割れのないワイヤボンディングツールを提供することに
ある。 【解決手段】ワイヤボンディングツール1の少なくとも
先端部2を、導電性付与剤としてFe、Cr、Ni、C
oの酸化物のうち一種以上を10〜35重量%の範囲で
含有するとともに、残部が実質的にY2 3 、CaO、
MgO、CeO2等の安定化剤により部分安定化された
ジルコニアからなり、その焼結体の破壊靱性値が5.5
MPam1/2 以上でかつ表面抵抗値が106 〜109 Ω
・cmである部分安定化ジルコニアセラミックスにより
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤを所定の接
合位置に圧着させるためのワイヤボンディングツールに
関するものであり、特に、磁気ディスク装置の製造工程
において、MRヘッドやGMRヘッド等の磁気ヘッドと
磁気ヘッド支持体間におけるワイヤのアッセンブリ、磁
気ヘッド支持体と信号処理部間におけるワイヤのアッセ
ンブリ、あるいは磁気ヘッドの厚み加工におけるヘッド
と測定器をつなぐワイヤのアッセンブリ等に好適なもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスク装置の製造工程にお
いて、磁気ヘッドと磁気ヘッド支持体間におけるワイヤ
のアッセンブリ、磁気ヘッド支持体と信号処理部間にお
けるワイヤのアッセンブリ、あるいは磁気ヘッドの厚み
加工におけるヘッドと測定器をつなぐワイヤのアッセン
ブリ等において、ウェッジと呼ばれるワイヤボンディン
グツール(以下、ボンディングツールと称す。)が使用
されている。
【0003】図1に一般的なボンディングツール1の形
状を示すように、長手方向に対して平面的に切りかいた
略円柱状の本体部5と、該本体部5から先細り状に絞ら
れた先端部2とからなり、図2に示すように上記先端部
2の先端面3には金属ワイヤの圧着時における押圧力を
高めるための溝4が刻設されていた。
【0004】そして、このボンディングツール1によ
り、ワイヤを圧着させるには、まず、図4(a)のよう
に、ボンディングツール1でもってワイヤWを所定の接
合位置まで案内し、図4(b)のように所定の接合位置
にワイヤWを押し付けたあと、ボンディングツール1で
もってワイヤWに押圧力を加えながら、超音波振動を付
加することにより、図4(c)のようにワイヤWを所定
の接合位置に圧着させるようになっていた。
【0005】また、従来よりこの種のボンディングツー
ル1は超硬合金により形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、超硬合金か
らなるボンディングツール1を用いて、ワイヤWの圧着
を繰り返すと、溝4の表面にワイヤWが付着する、所謂
ビルトアップが発生するために、ワイヤWを圧着させる
ことができなくなるといった不都合があった。
【0007】そこで、ビルトアップが少なく、かつ導電
性を有するボンディングツール1として、チタン及びジ
ルコニウムから選択される少なくとも1種の元素の炭化
物、窒化物、硼化物からなる導電性付与剤を含有してな
るジルコニアセラミックスによって形成することが提案
されている(特開昭64−41232号公報)。
【0008】このジルコニアセラミック製のボンディン
グツール1は、半導体装置の製造工程において、半導体
素子へのワイヤを圧着させるために提案されたものであ
り、静電気の発生に伴う塵埃の付着を防止するようにな
っていた。その為、体積固有抵抗値が10-3〜10-5Ω
・cmと非常に小さいものであった。
【0009】しかしながら、このボンディングツール1
を磁気ディスク装置の製造工程におけるワイヤWのアッ
センブリに使用することは難しかった。
【0010】即ち、近年、高密度記録のために、磁気ヘ
ッドとして磁気抵抗素子を用いたMRヘッドやGMRヘ
ッドが主流となりつつあった。このヘッドは磁界による
抵抗の変化を利用するもので、磁気抵抗素子に微小な電
流を流し、磁界の変化とともに変化する電気抵抗を検出
することによって読み取りを行うもので、上記ジルコニ
アセラミック製のボンディングツール1をMRヘッドや
GMRヘッドを備えた磁気ディスク装置の製造工程に使
用すると、ボンディングツール1の抵抗値が低すぎるた
めに静電気が一気に除去される結果、大気摩擦による超
高電圧の放電が発生する恐れがあり、圧着させるワイヤ
Wを介してヘッドに大電流が流れて磁気抵抗素子を破壊
してしまうといった課題があった。
【0011】また、ジルコニアセラミックスは一般的に
他のセラミックスと比較して破壊靱性値や強度が高いも
のの、導電性付与剤を多量に添加するとジルコニアセラ
ミックスの破壊靱性値や強度が低下するために、ボンデ
ィングツール1の先端面3への溝4の加工時(例えば、
ダイシング装置による研削加工)、あるいはワイヤWの
圧着時において、溝4のエッジ部に欠けや割れを生じる
恐れがあった。そして、溝4のエッジ部に欠けや割れが
あると、ワイヤWに加える押圧力を高めることができな
いためにワイヤWの密着強度が低下し、ワイヤWが剥離
し易かった。
【0012】また、ワイヤWの圧着部には溝4パターン
が転写されるのであるが、溝4のエッジ部に欠けや割れ
があると仕上がりあとの美観を損なうといった不都合も
あった。
【0013】さらに、上記ジルコニアセラミックスは、
導電性付与剤にチタンやジルコニウムの炭化物、窒化
物、硼化物を用いていることから、非酸化雰囲気中にて
焼成しなければならず、特殊な装置が必要になるととも
に、上記導電性付与剤は原料自体が高価であることから
製造コストが高くなるといった課題もあった。
【0014】本発明はかかる事情に鑑みて成されたもの
であり、ワイヤのビルトアップが少なく、適度な導電性
を有するとともに、酸化雰囲気中での焼成が可能で安価
に製造できる高靱性の部分安定化ジルコニアセラミック
スによりワイヤボンディングツールを製作することで、
MRヘッドやGMRヘッドを備えた磁気ディスク装置の
製造工程において使用しても、ヘッドの磁気抵抗素子に
悪影響を与えることがなく、ワイヤWを強固に圧着させ
ることができるとともに、長期間にわたって使えるよう
にすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、先端部
が先細り状をなし、その先端面にてワイヤを押圧して圧
着させるためのワイヤボンディングツールにおいて、少
なくとも先端部が、導電性付与剤としてFe、Cr、N
i、Coの酸化物のうち一種以上を10〜35重量%の
範囲で含有するとともに、残部が実質的にY2 3 、C
aO、MgO、CeO2 等の安定化剤により部分安定化
されたジルコニアからなり、その焼結体の破壊靱性値が
5.5MPam1/2 以上でかつ表面抵抗値が106 〜1
9 Ω・cmである部分安定化ジルコニアセラミックス
により形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0017】図1は本発明に係るワイヤボンディングツ
ール1の一実施形態を示す図で、(a)は正面図、
(b)は側面図であり、図2はワイヤボンディングツー
ル1の先端部2を拡大した図で、(a)は正面図、
(b)は側面図である。
【0018】このワイヤボンディングツール1(以下、
ボンディングツールと称す。)は、長手方向に対して平
面的に切りかいた略円柱状の本体部5と、該本体部5か
ら先細り状に絞られた先端部2とからなり、該先端部2
の先端面3には一方の側面から他方の側面まで貫通する
半円状の溝4を刻設してあり、ワイヤWの圧着時におけ
る押圧力を高めるようになっている。なお、溝4のパタ
ーンとしてはざまざまなものがあり、例えば、図3
(a)のように二本の溝4を平行に刻設したものや、図
3(b)のように溝4を碁盤目状に刻設したものなど、
ワイヤWの圧着時における押圧力を高めるために少なく
とも一つの溝4を備えていれば良い。
【0019】そして、このボンディングツール1により
ワイヤWを圧着させるには、まず、図4(a)のよう
に、ボンディングツール1でもってワイヤWを所定の接
合位置まで案内し、図4(b)のように所定の接合位置
にワイヤWを押し付けたあと、ボンディングツール1で
もってワイヤWに押圧力を加えながら、超音波振動を付
加することにより、図4(c)のようにワイヤWを所定
の接合位置に強固に圧着させるようになっている。
【0020】また、このボンディングツール1は全体
を、導電性付与剤としてFe、Cr、Ni、Coの酸化
物のうち一種以上を含有してなり、焼結体の破壊靱性値
が5.5MPam1/2 以上でかつ表面抵抗値が106
109 Ω・cmである部分安定化ジルコニアセラミック
スにより形成してある。
【0021】部分安定化ジルコニアセラミックスの破壊
靱性値が5.5MPam1/2 未満であると、ボンディン
グツール1の先端面3への溝4の加工時(例えば、ダイ
シング装置による研削加工)あるいはワイヤWの圧着時
において、溝4のエッジ部に欠けや割れが発生するため
に、そのようなボンディングツール1を用いてワイヤW
を圧着させても大きな押圧力を加えることができないた
めに密着強度が低くなり、ワイヤWが剥がれ易くなると
ともに、ワイヤWの圧着部には溝4パターンが転写され
るのであるが、溝4のエッジ部に欠けや割れがあると仕
上がりあとの美観を損なうからである。
【0022】また、部分安定化ジルコニアセラミックス
の表面抵抗値を106 〜109 Ω・cmするのは、10
9 Ω・cmより大きくなると、絶縁性が高すぎるために
静電気の除去効果が得られないからであり、逆に、10
6 Ω・cmより小さくなると、先端部2に溜まった静電
気が一気に逃げ易くなるため、大気摩擦による放電が発
生し易くなるからである。
【0023】なお、より好ましい部分安定化ジルコニア
セラミックスの特性としては、破壊靱性値が6.0MP
am1/2 以上でかつ表面抵抗値が107 〜109 Ω・c
mの範囲にあるものが良い。
【0024】このような特性を持たせるためには、上記
導電性付与剤を10〜35重量%、好ましくは10〜2
5重量%の範囲で含有するとともに、残部が実質的にY
2 3 、CaO、MgO、CeO2 等の安定化剤によっ
て部分安定化されたジルコニアから構成されていること
が必要で、その焼結体中の全ジルコニア量に対する単斜
晶以外のジルコニア量が90%以上、好ましくは95%
以上であるものが良い。
【0025】即ち、導電性付与剤の含有量が10重量%
未満では抵抗値を下げる効果が小さく、表面抵抗値を1
9 Ω・cm以下とすることができないからであり、逆
に、35重量%より多くなると、焼結体の破壊靱性値を
5.5MPam1/2 以上とすることができず、溝4の加
工時やワイヤWの圧着時において溝4のエッジ部に欠け
や割れが発生し易くなるとともに、表面抵抗値が106
Ω・cm未満にまで低下して大気摩擦による放電が発生
し易くなるからである。しかも、上記導電性付与剤は鉄
系金属の酸化物であるため、多量に含有させると磁気を
帯び易くなるといった不都合もあった。
【0026】一方、ジルコニアの結晶状態には立方晶、
正方晶、単斜晶の3つの状態があり、特に正方晶ジルコ
ニアは外部応力に対し、応力誘軌変態を受けて単斜晶ジ
ルコニアに相変態し、この時に生じる体積膨張によって
単斜晶ジルコニアの周囲に微小なマイクロクラックを形
成して外部応力の進行を阻止できるため、ジルコニアセ
ラミックスの破壊靱性値や強度等の機械的特性を高める
ことができる。そして、焼結体中における全ジルコニア
量に対する単斜晶以外のジルコニア量を90%以上とす
れば、導電性付与剤を含有していることによる破壊靱性
値や曲げ強度等の劣化を抑えることができる。
【0027】なお、ジルコニアセラミックス中の全ジル
コニア量に対する単斜晶以外のジルコニア量を算出する
には、X線回折により単斜晶ジルコニアのX線回折強度
と、単斜晶ジルコニア以外のジルコニア(正方晶ジルコ
ニアと立方晶ジルコニア)のX線回折強度をそれぞれ測
定し、数1により算出することができる。
【0028】
【数1】
【0029】さらに、上記ジルコニアセラミックスに
は、焼成温度抑制剤としてCa、K、Na、Mg、Z
n、Scなどの酸化物を3重量%以下の範囲で含有する
こともできる。これらの焼成温度抑制剤は、低温での焼
結を可能とするためジルコニア及び導電性付与剤の粒成
長を抑えることができ、破壊靱性値は勿論のこと、曲げ
強度や硬度等の機械的特性を高めることができる。
【0030】なお、残部が実質的にジルコニアからなる
とは、上記導電性付与剤以外の他の成分は殆どがジルコ
ニアからなり、他の成分を含んでいたとしても不可避不
純物と焼成温度抑制剤を3重量%以下の範囲で含む以外
は他の成分を積極的に添加していないことを指す。
【0031】また、圧着時におけるワイヤWのビルトア
ップを抑えるとともに、焼結体の機械的特性を高め、溝
4のエッジ部における欠けや割れを防ぐためには、ジル
コニアの平均結晶粒子径を0.2〜0.5μmとするこ
とが良い。これはジルコニアの平均結晶粒子径が0.5
μmより大きくなると、破壊靱性値や硬度等の機械的特
性が大きく低下するとともに、溝4の加工後における面
粗さが粗くなり過ぎるためにワイヤWのビルトアップが
発生し易くなるからである。なお、下限値を0.2μm
未満としたのは、0.2μmとすることは製造上難しい
からである。
【0032】さらに導電性付与剤の平均結晶粒子径が大
き過ぎても部分安定化ジルコニアセラミックスの破壊靱
性値や曲げ強度等の機械的特性を低下させるため、5μ
m以下、好ましくは3μm以下とすることが良い。
【0033】かくして本発明のボンディングツール1
は、先端面3への溝4の加工時あるいは圧着の繰り返し
において溝4のエッジ部に欠けや割れを生じることがな
く、また、ワイヤWのビルトアップも少ないために、長
期使用が可能であるとともに、静電気が発生したとして
も徐々に逃がすことができるため、大気摩擦による放電
の発生がなく、導通短絡による取り扱い不良事故を防ぐ
ことができ、さらには非磁性であることから磁気を帯び
ることもない。
【0034】その為、本発明のボンディングツール1を
MRヘッドやGMRヘッドを備えた磁気ディスク装置の
製造工程に用いても、ヘッドの磁気抵抗素子に悪影響を
及ぼすことなく、ワイヤWを所定の接合位置に強固に圧
着させることができるとともに、ワイヤWの圧着面には
ボンディングツール1の溝パターンが転写され、見た目
にも美しい仕上げ面とすることができる。
【0035】次に、図1に示すボンディングツール1の
製造方法について説明する。
【0036】まず、ZrO2 粉末に対し、安定化剤とし
てY2 3 、CaO、MgO、CeO2 を所定の範囲で
添加する。例えば、Y2 3 についてはZrO2 に対し
3〜9mol%の範囲で、CaOについてはZrO2
対し8〜12mol%の範囲で、MgOについてはZr
2 に対し16〜26mol%の範囲で、CeO2 につ
いては10〜16mol%の範囲でそれぞれ添加すれば
良く、これらの範囲で添加すればジルコニアを部分安定
化することができる。なお、安定化剤は粉末の状態で添
加する以外に、予め共沈法などによりZrO2 粉末中に
所定の範囲で固溶させても良い。
【0037】また、導電性付与剤としては、Fe
2 3 、Cr2 3 、NiO、Co3 4のうち一種以
上を10〜35重量%添加する。なお、焼成温度を下げ
るためにCa、K、Na、Mg、Zn、Scなどの酸化
物を3重量%以下の範囲で添加しても良い。
【0038】そして、これらの粉末を調合し、粉末プレ
ス成形法や射出成形法等の公知のセラミック成形手段に
て所定の形状に成形したあと、得られた成形体を焼成す
るのであるが、導電性付与剤が酸化物であることから酸
化雰囲気中で焼成することができる。
【0039】具体的には酸化雰囲気中にて1450〜1
550℃の温度で1〜数時間焼成すれば良く、焼成温度
抑制剤を添加したものにおいては、酸化雰囲気中にて1
350〜1450℃の温度で1〜数時間焼成すれば良
い。
【0040】このような条件にて焼成すれば、焼結体中
における全ジルコニア量に対する単斜晶以外のジルコニ
ア量を90%以上とすることができ、破壊靱性値5.5
MPam1/2 以上、曲げ強度700MPa以上を有する
部分安定化ジルコニアセラミックスを得ることができ
る。
【0041】なお、得られた部分安定化ジルコニアセラ
ミックスにHIP処理を施してさらに機械的特性を高め
ても良い。
【0042】しかるのち、得られたジルコニアセラミッ
クスを必要に応じて適宜研削や研磨加工を施したあと、
ダイシング装置によって先端面3の一方の側面から他方
の側面に貫通する溝4を形成することより、図1に示す
ボンディングツール1を得ることができる。
【0043】なお、図1にはボンディングツール1の全
体を部分安定化ジルコニアセラミックスにより形成した
例を示したが、例えば、ボンディングツール1の先端部
2を部分安定化ジルコニアセラミックスにより形成し、
本体部5をステンレス、アルミニウム合金、黄銅といっ
た金属や樹脂により形成し、両者を接合したものであっ
ても良いことは言うまでもない。また、図1においては
ウェッジと呼ばれるボンディングツール1を示しが、こ
れ以外に、先端部が先細り状をなし、ワイヤを挿通させ
る貫通孔を具備してなるキャピラリと呼ばれるボンディ
ングツールに適用することもできる。
【0044】(実施例)ここで、導電性付与剤の材質及
び含有量を変えて、破壊靱性値、曲げ強度、ビッカース
硬度、表面抵抗値、磁性の有無等を異ならせた部分安定
化ジルコニアセラミックスによりボンディングツール1
を試作し、先端面3への溝4の加工時における破損(欠
けや割れ)の有無、静電気の除去度合いを測定した。
【0045】本実験では、破壊靱性値をJIS R16
07に基づいて測定し、曲げ強度については別に用意し
た各試料片を用いてJIS R1601に基づいて測定
した。ただし、曲げ強度において、JISで規定する寸
法の試験片が得られない時は、ワイブル係数と有効体積
を加味した公知の手法によりJISに規定する試験片で
の曲げ強度に換算すれば良い。
【0046】また、ジルコニア焼結体中の全ジルコニア
量に対する単斜晶以外のジルコニア量は、X線回折によ
り各ジルコニアのX線回折強度を求め、前述の数1によ
り算出し、表面抵抗値については、シシド静電気製簡易
表面抵抗計(メガレスタHT−301)によって測定す
るとともに、磁性の有無については、振動試料型磁力計
により残留磁束密度を測定し、14ガウス以下であった
ものを「磁性なし」、14ガウスより高かったものを
「磁性有り」として評価した。
【0047】さらに、破損の有無については、0.3m
m×0.3mmの先端面3に、0.05mmの幅を有す
る半円状の溝4をダイシング装置によって形成した20
本のボンディングツール1のうち、溝4のエッジ部に欠
けや割れがなかったものの割合が85%未満であったも
のを×、85%以上であったものを○として評価し、静
電気の除去度合いについては、ボンディングツール1に
1000Vの電圧を印加し、その先端より3cm離れた
部位での電圧とその降下時間を測定し、その測定部位で
の電圧値が100Vとなるまでの降下時間が0.1〜2
0秒の間にあるものを○、それ以外のものを×として評
価した。
【0048】各ジルコニアセラミックスの組成と特性及
び結果は表1にそれぞれ示す通りである。
【0049】なお、本実験に用いた部分安定化ジルコニ
アセラミックスは、いずれもZrO2 に対しY2 3
3mol%添加して部分安定化したもので、導電性付与
剤として、Fe2 3 、Cr2 3 、NiO、Co3
4 のうちいずれか一種を添加した。
【0050】
【表1】
【0051】この結果、Fe2 3 の含有量が10重量
%未満である試料No.1,2は、優れた機械的特性
(曲げ強度、破壊靱性値、ビッカース硬度)を有したい
たものの、表面抵抗値が109 Ω・cmより高いために
静電気の除去効果が得られなかった。
【0052】また、Fe2 3 、NiO、Co3 4
Cr2 3 の含有量が35重量%より多い試料No.6
〜8,10,12,14は、導電性付与剤の添加量が多すぎるた
めに機械的特性が大きく低下し、中でも破壊靱性値が
5.5MPam1/2 未満にまで低下した。その為、ボン
ディングツール1への溝4加工時おいて、破損が激しか
った。しかも、表面抵抗値が106 Ω・cm未満と低い
ために、静電気が一気に逃げてしまうといった問題もあ
った。
【0053】これに対し、Fe2 3 、NiO、Co3
4 、Cr2 3 の含有量が10〜35重量%の範囲に
ある試料No.3〜5,9, 11,13 は、いずれも破壊靱
性値が5.5MPam1/2 以上であるため、ボンディン
グツール1への溝4加工時おいて、殆ど破損が見られな
かった。しかも、各材質は非磁性であり、表面抵抗値が
106 〜109 Ω・cmの範囲にあるため、静電気を適
度な速度で逃がすことができ、優れた静電気除去効果も
有していた。
【0054】この結果、導電性付与剤としてFe、N
i、Co、Crの酸化物のうち一種以上を10〜35重
量%の範囲で含有するとともに、残部がY2 3 により
部分安定化されたジルコニアからなり、その焼結体の破
壊靱性値が5.5MPam1/2以上でかつ表面抵抗値が
106 〜109 Ω・cmである部分安定化ジルコニアセ
ラミックスによりボンディングツール1を製作すれば、
先端面3における溝4のエッジ部に破損がなく、かつ適
度なスピードで静電気を除去できることが判った。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、先端部
が先細り状をなし、その先端面にてワイヤを押圧して圧
着させるためのワイヤボンディングツールにおいて、少
なくとも先端部を、導電性付与剤としてFe、Cr、N
i、Coの酸化物のうち一種以上を10〜35重量%の
範囲で含有するとともに、残部が実質的にY2 3 、C
aO、MgO、CeO2 等の安定化剤により部分安定化
されたジルコニアからなり、その焼結体の破壊靱性値が
5.5MPam1/2 以上でかつ表面抵抗値が106 〜1
9 Ω・cmである部分安定化ジルコニアセラミックス
により形成したことから、圧着の繰り返しにおいて静電
気が発生したとしても徐々に逃がすことができるため、
導通短絡による取り扱い不良事故を生じることがなく、
また、非磁性であることから磁気を帯びることもない。
【0056】しかも、ワイヤのビルトアップが少なく、
また、ボンディングツールの先端面への溝の加工時ある
いはワイヤの圧着時に溝のエッジ部に欠けや割れを生じ
ることがないため、長期間にわたって使用することがで
きる。
【0057】その為、本発明のボンディングツールをM
RヘッドやGMRヘッドを備えた磁気ディスク装置の製
造工程に用いても、ヘッドの磁気抵抗素子に悪影響を及
ぼすことなく、ワイヤを所定の接合位置に強固に圧着さ
せることができるとともに、ワイヤの圧着面にはボンデ
ィングツールの溝パターンが転写され、見た目にも美し
い仕上げ面とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤボンディングツールの一実
施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面
図である。
【図2】本発明に係るワイヤボンディングツールの先端
部を拡大した図であり、(a)は正面図、(b)は側面
図である。
【図3】(a)(b)はワイヤボンディングツールの先
端面におけるさまざまな溝パターンを示す図である。
【図4】(a)〜(c)はワイヤボンディングツールに
よるワイヤの圧着工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・ワイヤボンディングツール 2・・・先端部
3・・・先端面 4・・・溝 5・・・本体部 W・・・ワイヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部が先細り状をなし、その先端面にて
    ワイヤを押圧して圧着させるためのワイヤボンディング
    ツールにおいて、少なくとも上記先端部が、導電性付与
    剤としてFe、Cr、Ni、Coの酸化物のうち一種以
    上を10〜35重量%の範囲で含有するとともに、残部
    が実質的にY2 3 、CaO、MgO、CeO2 等の安
    定化剤により部分安定化されたジルコニアからなり、そ
    の焼結体の破壊靱性値が5.5MPam1/2 以上でかつ
    表面抵抗値が106 〜109 Ω・cmである部分安定化
    ジルコニアセラミックスにより形成したことを特徴とす
    るワイヤボンディングツール。
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