JPH11136012A - 積層型方向性結合器 - Google Patents

積層型方向性結合器

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JPH11136012A
JPH11136012A JP9301693A JP30169397A JPH11136012A JP H11136012 A JPH11136012 A JP H11136012A JP 9301693 A JP9301693 A JP 9301693A JP 30169397 A JP30169397 A JP 30169397A JP H11136012 A JPH11136012 A JP H11136012A
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directional coupler
signal lines
dielectric
dielectric substrate
line
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Kota Ikeda
光太 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層型方向性結合器において、信号線路の積
層ずれに対する特性の変動が大きい。 【解決手段】 少なくとも3層の誘電体層11a〜11cが
積層された誘電体基板11と、その両主面に形成された接
地導体12・13と、誘電体基板11の内部に誘電体層11bを
介して形成された互いに電磁的に結合する一対の信号線
路14・15とから成り、一対の信号線路14・15が、少なく
とも1箇所で交差するとともにその交差の前後において
互いに平行に配設されている積層型方向性結合器であ
る。積層ずれが生じても交差部による電磁的結合力の変
動がほとんどなく、所望の特性を安定して得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯通信端末等の
通信機器に使用される、ストリップ線路で構成した積層
型方向性結合器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯通信端末等の通信機器において高周
波フィルタ等に使用されるマイクロ波帯あるいはミリ波
帯の方向性結合器としては、従来より、誘電体基板上に
2本〜数本のマイクロストリップ線路を略平行に配設し
て分布結合型の方向性結合器を形成する単層型方向性結
合器が一般的であった。
【0003】しかしながら、単層型方向性結合器には、
微小な間隔でマイクロストリップ線路を配設することが
製作上困難であり、また、誘電体基板上での回路の占有
面積が大きいために小型化が困難であることから、誘電
体基板内部に複数本のストリップ線路等を形成し、それ
らを分布結合させて構成する積層型方向性結合器が種々
提案されている。
【0004】例えば、特開昭59−169203号公報には、一
方の面に地導体面を備えた第1および第2の誘電体基板
と、第1および第2の誘電体基板の地導体面と異なる他
方の面を対向させて、それらの面の間に設けた1枚以上
の誘電体基板とから構成されるストリップ線路方向性結
合器において、1枚以上の誘電体基板のそれぞれ一方の
面あるいは両方の面を使用して、一定の長さの区間で合
計3本以上のストリップ線路中心導体を互いに平行にプ
リント化したことを特徴とするストリップ線路方向性結
合器が提案されている。これによれば、1つのストリッ
プ線路方向性結合器は3分配器となるので、多分配器の
構成の簡単化や損失の軽減・基板の節約の点で効果があ
るというものである。
【0005】また、特開平4−26201 号公報には、裏面
に接地導体が形成された誘電体基板上に第1のストリッ
プ導体を形成し、第1のストリップ導体上に誘電体膜を
形成し、誘電体膜上に第1のストリップ導体に近接し電
磁的に結合するように第2のストリップ導体を形成した
方向性結合器において、第1のストリップ導体と第2の
ストリップ導体の結合部における第1のストリップ導体
の線路長と第2のストリップ導体の線路長が互いに異な
るように設定されたことを特徴とする方向性結合器が提
案されている。これによれば、所定の位相差を有する方
向性結合器を構成することができ、また、第1のストリ
ップ導体と第2のストリップ導体との間で大きな結合量
を得ることができるというものである。
【0006】さらに、特開平6−97766 号公報には、積
層型方向性結合器として、基板に形成された2本の信号
線路が近接して対向することにより構成された方向性結
合器を複数接続してなる高周波フィルタにおいて、2本
の信号線路が異なる平面上に形成されて近接部分では基
板の厚み方向で対向していることを特徴とする高周波フ
ィルタが提案されている。この積層型方向性結合器によ
れば、互いに並走する結合線路が別の平面上に形成され
ているので、両線路の間に基板材を挟み、基板材の厚み
を選択して結合度の調整をすることができ、また、この
近接部分で基板材の厚み分の最小値を安定して得ること
ができるので、方向性結合器の結合度を大きくすること
ができ、これら方向性結合器からなる高周波フィルタの
特性や設計自由度が向上するというものである。
【0007】これらの積層型方向性結合器は、いずれも
図4に(a)に平面図で、また(b)に断面図で示すよ
うに、その信号線路2・3の分布結合部を誘電体基板1
の厚み方向で上面から平面視した場合に信号線路2・3
同士が上下に重なるように対向して配置されるものであ
る。
【0008】なお、図4において、1a〜1cはそれぞ
れ誘電体基板1を構成すべく積層された誘電体層であ
り、4・5は誘電体基板の上面および下面に形成された
接地導体である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の各積層型方向性結合器では、その信号線路
の分布結合部において、信号線路が図4に示したように
いずれも線路長の方向で基板の厚み方向に上下に重なる
ように形成されており、この上下の重なり具合によって
所望の電磁結合力を得ることによりその特性を制御する
ものであることから、実際の製作上で各層の積層ずれ、
特に信号線路同士の面内方向での積層ずれが発生した場
合、信号線路同士の結合力が弱まる傾向にあり、その結
果、方向生結合器としての特性の変動が大きくなり、所
望の特性の積層型方向性結合器を安定して得ることが困
難であるという問題点があった。
【0010】また、各層の積層ずれが発生しないように
して各層を厳密な位置関係で積層し量産することは技術
的に難しく、コスト的にも時間的にも不利であるという
問題点もあった。
【0011】本発明は上記問題点を改善すべく案出され
たものであり、その目的は、積層ずれによる特性の変動
がなく所望の特性を安定して得ることができ、量産にも
容易に対応できる積層型方向性結合器を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型方向性結
合器は、少なくとも3層の誘電体層が積層された誘電体
基板と、この誘電体基板の両主面に形成された接地導体
と、前記誘電体基板の内部に前記誘電体層を介して形成
された互いに電磁的に結合する一対の信号線路とから成
る積層型方向性結合器であって、前記一対の信号線路
は、少なくとも1箇所で交差するとともに該交差の前後
において互いに平行に配設されていることを特徴とする
ものである。
【0013】本発明の方向性結合器によれば、誘電体基
板内部に形成された一対の信号線路の分布結合部におい
て、それら信号線路を少なくとも1箇所で交差するとと
もにその交差の前後で互いに平行に配設したことから、
それら信号線路について積層ずれが生じても、その交差
した部分による上下の信号線路の結合度合いは交差の前
後の部分によって互いに相殺されるような挙動をとり、
また、交差の前後の平行部分ではそれぞれ信号線路同士
が近接・離反することによって互いに相殺されるような
挙動をとるため、分布結合部における結合特性の変動は
ほとんどなく、その結果、所望の一定の電磁結合力を安
定して得ることができるものとなり、方向性結合器とし
ての結合特性の変動がほとんど発生しないものとなる。
【0014】また、このように積層ずれが生じてもその
特性に変動を生じないものであることから、本発明の積
層型方向性結合器によれば、量産にも技術的に容易に対
応することができ、コスト的にも時間的にも有利なもの
となる。
【0015】以上により、本発明によれば、積層ずれに
よる特性の変動がなく所望の特性を安定して得ることが
でき、量産にも容易に対応できる積層型方向性結合器を
提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の積層型方向性結合
器を添付図面に基づき詳細に説明する。図1(a)は本
発明の積層型方向性結合器の実施の形態の一例を示す平
面図であり、同図(b)および(c)はそれぞれ(a)
のA−A’線断面図およびB−B’線断面図である。
【0017】これらの図において、11は少なくとも3層
の誘電体層11a・11b・11cが積層されて成る誘電体基
板であり、12・13はそれぞれ誘電体基板11の両主面に形
成された接地導体である。14・15は誘電体基板11の内部
に誘電体層11bを介して形成された互いに電磁的に結合
する一対の信号線路であり、これら一対の信号線路14・
15は、誘電体基板11の内部において少なくとも1箇所、
本例では1箇所で立体的に交差するとともにその交差の
前後において互いに平行になるように配設されており、
この交差部分ならびにその前後の平行部分において電磁
的に結合して分布結合型の方向性結合器を構成してい
る。
【0018】このように、一対の信号線路14・15が誘電
体基板11内部において交差するとともにその交差の前後
においてそれぞれの信号線路14・15が互いに平行に配設
されていることにより、それら信号線路14・15の平行部
分について積層ずれが生じても、交差の前後の平行部分
はそれぞれ近接・離反するように相殺されることから、
分布結合部における結合特性の変動はほとんどなくなる
こととなり、その結果、所望の一定の電磁結合力を安定
して得ることができる。
【0019】なお、この一対の信号線路14・15の交差
は、必ずしも2本の線路が直交するように設ける必要は
なく、また2ヵ所あるいは3ヵ所以上設けてもよいもの
であり、それらは方向性結合器の仕様等に応じて適宜設
定される。
【0020】このように信号線路の交差を2ヵ所以上設
ける場合、各交差間における信号線路の平行部分の長さ
は、積層型方向性結合器の仕様に応じて適宜設定される
設計事項であるが、0.5 〜10mm程度とされる。この平
行部分の長さは、短すぎると交差部の影響が大きくなり
設計が難しくなるため、好適には0.5 mm以上とするこ
とが望ましい。また、平行部分の長さが長すぎると、回
路部品として使用するにはサイズが大きくなるため、好
適には10mm以下とすることが望ましい。
【0021】また、本発明に係る方向性結合器は通常は
誘電体基板11内に形成される高周波回路(図示せず)の
一部として形成されるので、この一対の信号線路14・15
のそれぞれの端部は、誘電体基板11内部において他の回
路と接続されてもよく、また誘電体基板11の側面に導出
されて外部回路と接続されてもよく、あるいは誘電体基
板11および接地導体12・13を貫通し、接地導体12・13と
は電気的に絶縁された貫通導体(スルーホール導体やビ
アホール導体等)を介して接続されてもよい。
【0022】誘電体基板11を構成する誘電体層11a〜11
cは、例えばアルミナセラミックスやムライトセラミッ
クス・窒化珪素セラミックス・窒化アルミナセラミック
ス・炭化珪素セラミックス等のセラミックス、あるいは
ガラスセラミックス・ガラスエポキシ・セラミック−プ
ラスチック複合材料等の誘電体材料から成り、その作製
に当たっては従来周知のグリーンシート積層法等が採用
される。
【0023】また、その各誘電体層11a〜11cの厚み
は、各層の比誘電率や所望の特性等に応じて、例えば0.
1 〜0.3 mm程度とされる。
【0024】接地導体12・13は、例えば誘電体基板11が
セラミックスから成る場合には、厚み約30μmのタング
ステン(W)メタライズ導体層等により、誘電体基板11
の両主面のほぼ全面に、あるいは少なくとも一対の信号
線路14・15が形成された領域を覆う部分に形成される。
その作製に当たっては従来周知の厚膜手法等が採用さ
れ、例えばスクリーン印刷法等によりメタライズ導体ペ
ーストを誘電体基板11あるいは誘電体基板11となるグリ
ーンシートの積層体の両主面に印刷して焼成することに
より、誘電体基板11の両主面に被着形成される。
【0025】なお、接地導体12・13を構成する導体材料
としては、上記のタングステンの他にも、モリブデン
(Mo)やW−Mo・Mo−マンガン(Mn)・銀(A
g)・銅(Cu)等の種々の金属を用いることができ
る。
【0026】一対の信号線路14・15は、例えば誘電体基
板11がセラミックスから成る場合には、接地導体12・13
と同様に、厚み約30μm・線幅約100 μmのタングステ
ン(W)メタライズ導体層等から成る線路導体により、
誘電体基板11の内部の誘電体層、例えば本例では誘電体
層11bの両主面、あるいは誘電体層11bの上面と誘電体
層11cの上面とに、それぞれ誘電体層11bを介して立体
的に交差するとともにその交差の前後において互いに平
行になることにより互いに電磁的に結合するように所定
パターンに形成される。その作製に当たっては従来周知
の厚膜手法等が採用され、例えばスクリーン印刷法等に
よりメタライズ導体ペーストを誘電体基板11の内部の誘
電体層である誘電体層11bとなるグリーンシートの両主
面、あるいは誘電体層11bとなるグリーンシートと誘電
体層11cとなるグリーンシートのそれぞれの上面に印刷
して焼成することにより、誘電体層11bを介して一対の
信号線路14・15として誘電体基板11の内部に形成され
る。
【0027】ここで、信号線路14・15の線幅や線路長は
積層型方向性結合器の仕様に応じて適宜設定される設計
事項であるが、例えば線幅は、通常0.1 〜0.3 mm程度
とされる。
【0028】また、一対の信号線路14・15の交差部の長
さは、短すぎると積層ずれを十分に吸収することができ
ず、またこの交差部によって所望の電磁的結合力を得る
ことが困難となる傾向にあるので、好適には0.05mm以
上、より好適には0.1 mm以上(線幅100 μmの信号線
路14・15同士を直交するように交差させた場合に相当)
とすることが望ましい。また、交差部の長さが長すぎる
と、信号線路14・15間の距離が離れるために所望の電磁
結合力を得ることが困難となる傾向にあるので、好適に
は0.3 mm以下とすることが望ましい。
【0029】また、一対の信号線路14・15を交差部の前
後において互いに平行に配設する場合には、その間隔
は、小さすぎると信号線路14・15の積層ずれが発生した
場合にその影響を受けてしまい積層ずれを吸収すること
ができなくなる傾向があり、他方、大きすぎると方向性
結合器としての所望の電磁的結合力を十分に得ることが
困難となる傾向にあるため、例えば0.05〜0.3 mm程度
に設定するのが適当である。
【0030】なお、信号線路14・15を構成する導体材料
としては、接地導体12・13と同様、上記のタングステン
の他にも、MoやW−Mo・Mo−Mn・Ag・Cu等
の種々の金属を用いることができる。
【0031】次に、本発明の積層型方向性結合器の実施
の形態の他の例を、図2(a)および(b)にそれぞれ
平面図で示す。なお、これらの平面図においては、説明
のために接地導体の図示を省略してある。
【0032】図2(a)に示した例は、両主面に接地導
体(図示せず)が形成された誘電体基板16の内部に、中
央部の3ヵ所で交差するとともにその交差の前後におい
て互いに平行となるように一対の信号線路17・18を配設
し、それぞれの信号線路17・18の平行部分の長さを同図
中に示すように順に右側でR1〜R4、左側でL1〜L
4としたときに、片側の信号線路において方向性結合器
の左右での平行部分の各々の線路長の合計が同じとなる
ように、すなわち、R1+R2+R3+R4=L1+L
2+L3+L4とするとともに、R1+R3=L2+L
4、R2+R4=L1+L3としたものである。
【0033】このような構成によっても、信号線路17・
18に積層ずれが生じても、交差の前後の平行部分におけ
る結合力の変動はそれぞれ近接・離反するように相殺さ
れるため、分布結合における結合特性の変動はほとんど
なく、その結果、所望の電磁結合力を安定して得ること
ができる。
【0034】また、信号線路17・18の平行部分の線路長
を上記のように設定することにより、信号線路17・18に
積層ずれが生じても、信号線路18のうち信号線路17に近
接(または離反)する線路長R1+R3と離反(または
近接)する線路長L2+L4とが同じであり、同じく信
号線路17のうち信号線路18に近接(または離反)する線
路長L1+L3と離反(または近接)する線路長R2+
R4とが同じであることから、交差部の左右において近
接・離反する平行部分の長さがそれぞれ等しくなるの
で、積層ずれによる結合力の変動を相殺する効果が極め
て大きくなり、分布結合における接合特性の変動をより
一層抑制することができ、その結果、所望の電磁結合力
を安定して得ることができ、同時に量産にも容易に対応
できるものとなる。
【0035】図2(b)に示した例は、両主面に接地導
体(図示せず)が形成された誘電体基板19の内部に、そ
れぞれ中央部の4ヵ所で交差するとともにその交差の前
後において互いに平行となるように一対の信号線路20・
21を配設し、それぞれの信号線路20・21の平行部分の長
さを同図中に示すように順に右側でR1〜R4、左側で
L1〜L4としたときに、片側の信号線路において方向
性結合器の左右での平行部分の各々の線路長の合計が同
じとなるように、すなわち、R1+R2+R3+R4=
L1+L2+L3+L4とするとともに、R1+R3+
R5=L2+L4、R2+R4=L1+L3+L5とし
たものである。
【0036】このような構成によっても、信号線路20・
21に積層ずれが生じても、交差の前後の平行部分におけ
る結合力の変動はそれぞれ近接・離反するように相殺さ
れるため、分布結合における結合特性の変動はほとんど
なく、その結果、所望の電磁結合力を安定して得ること
ができる。
【0037】また、信号線路20・21の平行部分の線路長
を上記のように設定することにより、信号線路20・21に
積層ずれが生じても、信号線路21のうち信号線路20に近
接(または離反)する線路長R1+R3+R5と離反
(または近接)する線路長L2+L4とが同じであり、
同じく信号線路20のうち信号線路21に近接(または離
反)する線路長L1+L3+L5と離反(または近接)
する線路長R2+R4とが同じであることから、交差部
の左右において近接・離反する平行部分の長さがそれぞ
れ等しくなるので、積層ずれによる結合力の変動を相殺
する効果が極めて大きくなり、分布結合における接合特
性の変動をより一層抑制することができ、その結果、所
望の電磁結合力を安定して得ることができ、同時に量産
にも容易に対応できるものとなる。
【0038】
【実施例】以下のようにして、図1に示した本発明の積
層型方向性結合器を作製した。
【0039】まず、アルミナセラミックスのセラミック
グリーンシートと、タングステン粉末を有機溶剤に混合
して調製した金属ペーストとを準備した。そして、焼成
後に誘電体層11cとなるグリーンシートの下面のほぼ全
面に接地導体13となる金属ペーストを塗布するとともに
上面に信号線路15となる線路パターンの金属ペーストを
スクリーン印刷法により印刷し、焼成後に誘電体層11b
となるグリーンシートの上面に信号線路14となる線路パ
ターンの金属ペーストをスクリーン印刷法により印刷
し、焼成後に誘電体層11aとなるグリーンシートの上面
のほぼ全面に接地導体12となる金属ペーストを塗布し、
これらを積層した後、還元雰囲気中約1600℃で一体焼成
した。
【0040】これにより、各誘電体層11a〜11cの厚み
がそれぞれ200 μmであるアルミナセラミックスから成
る誘電体基板11の両主面に厚み30μmのタングステンメ
タライズ導体層から成る接地導体12・13を形成し、誘電
体層11bおよび11cの上面にそれぞれ厚み30μm・線幅
100 μmのタングステンメタライズ導体層から成る一対
の信号線路14・15を形成して立体的に1ヵ所で交差する
ことにより電磁的に結合させた、本発明の積層型方向性
結合器の実施例Aを作製した。
【0041】また、上記と同様にして、図4に示した従
来の積層型方向性結合器を作製し、各誘電体層1a〜1
cの厚みがそれぞれ200 μmであるアルミナセラミック
スから成る誘電体基板1の両主面に厚み30μmのタング
ステンメタライズ導体層から成る接地導体4・5を形成
し、誘電体層1bおよび1cの上面にそれぞれ厚み30μ
m・線幅100 μmのタングステンメタライズ導体層から
成る、互いに上下に平行な一対の信号線路2・3を形成
して電磁的に結合させた、積層型方向性結合器の比較例
Bを作製した。
【0042】そして、これら本発明の実施例Aおよび比
較例Bの積層型方向性結合器について、それぞれの信号
線路に接触するプローブを備えた治具を使用して各信号
線路をネットワークアナライザと電気的に接続し、この
ネットワークアナライザを用いた測定によりSパラメー
タを分析して、それらSパラメータにより結合量を評価
した。
【0043】これらの測定結果として、それぞれの結合
特性の変動を、本発明の実施例Aについて図3(a)
に、また比較例Bについて図3(b)に示す。
【0044】図3(a)および(b)はそれぞれ方向性
結合器の結合量の周波数特性を示す線図であり、縦軸は
結合量(単位:dB)を、横軸は周波数f(単位:MH
z)を表わし、図中の太線は方向性結合器の結合量の設
計値を、細線は一対の信号線路間に0.15mmの積層ずれ
が生じたときの結合量の測定値を示している。
【0045】図3(b)より、従来の積層型方向性結合
器である比較例Bによれば、0.15mmの積層ずれに対し
て結合量が1dB程度劣化し、積層ずれに対する特性の
変動が大きいことが分かる。これに対し、図3(a)よ
り、本発明の積層型方向性結合器である実施例Aによれ
ば、0.15mmの積層ずれに対する特性の変動は±0.1d
B程度であり、従来のものに比較して特性の変動がほと
んどない、安定した特性の積層型方向性結合器が得られ
たことが分かる。
【0046】以上の結果より、本発明の積層型方向性結
合器によれば、積層ずれによる特性の変動がなく所望の
特性を安定して得ることができ、量産にも容易に対応で
きることが確認できた。
【0047】なお、本発明は以上の例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良
を加えることは何ら差し支えない。例えば、個別部品と
しての積層型方向性結合器としてもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明の積層型方向性結合器によれば、
誘電体基板内部に形成された一対の信号線路の分布結合
部において、それら信号線路を少なくとも1箇所で交差
するとともにその交差の前後において互いに平行となる
ように配設したことから、信号線路について積層ずれが
生じてもその交差した部分による上下の信号線路の結合
度合いは交差の前後の部分によって互いに相殺されるよ
うな挙動をとり、また、交差の前後の平行部分ではそれ
ぞれ信号線路同士が近接・離反することによって互いに
相殺されるような挙動をとるため、分布結合部における
結合特性の変動はほとんどなく、その結果、所望の一定
の電磁結合力を安定して得ることができるものとなり、
方向性結合器としての結合特性の変動がほとんど発生し
ないものとできた。
【0049】また、本発明の積層型方向性結合器によれ
ば、信号線路間に積層ずれが生じてもその結合特性に変
動を生じないものであることから、量産にも技術的に容
易に対応することができ、コスト的にも時間的にも有利
なものとなる。
【0050】以上により、本発明によれば、積層ずれに
よる特性の変動がなく所望の特性を安定して得ることが
でき、量産にも容易に対応できる積層型方向性結合器を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)・(c)は、それぞれ本発
明の積層型方向性結合器の実施の形態の一例を示す平面
図および(a)のA−A’線断面図・B−B’線断面図
である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の積層
型方向性結合器の実施の形態の他の例を示す平面図であ
る。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ本発明の実施
例および比較例の積層型方向性結合器の結合量の周波数
特性を示す線図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ従来の積層型
方向性結合器の構成を説明するための平面図および断面
図である。
【符号の説明】
11、16、19・・・・・・・・・誘電体基板 11a、11b、11c・・・・・・誘電体層 12、13・・・・・・・・・・・接地導体 14、15、17、18、20、21・・・信号線路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層の誘電体層が積層された
    誘電体基板と、該誘電体基板の両主面に形成された接地
    導体と、前記誘電体基板の内部に前記誘電体層を介して
    形成された互いに電磁的に結合する一対の信号線路とか
    ら成る積層型方向性結合器であって、前記一対の信号線
    路は、少なくとも1箇所で交差するとともに該交差の前
    後において互いに平行に配設されていることを特徴とす
    る積層型方向性結合器。
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