JPH11140436A - 感熱発色材料およびその製造方法 - Google Patents
感熱発色材料およびその製造方法Info
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- JPH11140436A JPH11140436A JP9305468A JP30546897A JPH11140436A JP H11140436 A JPH11140436 A JP H11140436A JP 9305468 A JP9305468 A JP 9305468A JP 30546897 A JP30546897 A JP 30546897A JP H11140436 A JPH11140436 A JP H11140436A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低温から室温になると不可逆的に、かつ発色
色調の変化を伴いつつ発色する感熱発色材料が作製でき
ない。 【解決手段】 核部分がAg微粒子、核部分の表面の殻
部分をAuが被膜した構造の複合微粒子をマトリックス
物質中に分散した、厚さ300μmのフィルムを作製し
た。低温に保存したところ、色の変化が見られなかった
が、室温に放置したところ、時間経過につれて、薄黄色
から黄色、橙色、赤橙色への大きな発色色調変化を伴う
感熱発色特性を示した。また、20℃に1時間放置した
場合と、10℃に1時間放置した場合の発色色調に、明
確な差違を得ることができた。
色調の変化を伴いつつ発色する感熱発色材料が作製でき
ない。 【解決手段】 核部分がAg微粒子、核部分の表面の殻
部分をAuが被膜した構造の複合微粒子をマトリックス
物質中に分散した、厚さ300μmのフィルムを作製し
た。低温に保存したところ、色の変化が見られなかった
が、室温に放置したところ、時間経過につれて、薄黄色
から黄色、橙色、赤橙色への大きな発色色調変化を伴う
感熱発色特性を示した。また、20℃に1時間放置した
場合と、10℃に1時間放置した場合の発色色調に、明
確な差違を得ることができた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子構造が示す
プラズモン吸収を利用した感熱発色材料に関するもので
あり、例えば保冷システムや冷蔵、冷凍食品の温度管理
に用いるものである。
プラズモン吸収を利用した感熱発色材料に関するもので
あり、例えば保冷システムや冷蔵、冷凍食品の温度管理
に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱発色材料としては、PCT国
際公開番号WO97/28228があり、その感熱発色
材料は、図7(a)に示すように、微小金属微粒子1が
無機体層、無機/有機複合体層、または樹脂層からなる
マトリックス物質2中に分散されてなる構成となってい
る。図7(b)に示すように、材料中の金属微粒子1が
熱の付与により不可逆的に成長し、表面プラズモン吸収
を示すことにより、温度履歴を確認することができる。
際公開番号WO97/28228があり、その感熱発色
材料は、図7(a)に示すように、微小金属微粒子1が
無機体層、無機/有機複合体層、または樹脂層からなる
マトリックス物質2中に分散されてなる構成となってい
る。図7(b)に示すように、材料中の金属微粒子1が
熱の付与により不可逆的に成長し、表面プラズモン吸収
を示すことにより、温度履歴を確認することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の材料では、材料
中に含有される微粒子を構成する金属種類が一種類であ
ったため、次のような課題があった。
中に含有される微粒子を構成する金属種類が一種類であ
ったため、次のような課題があった。
【0004】すなわち、金属微粒子の表面プラズモン吸
収波長が粒径にほとんど依存しないという性質を示すた
め、従来の感熱発色材料においては、発色色調が一色に
限定されるという問題があった。1wt%の金イオンを
含有する従来の感熱発色材料を例にとると、発色開始時
と、発色完了時の吸収波長ピーク波長は20nm程度し
か変化しておらず、肉眼では色調の変化を確認すること
が困難であった。このため、材料、および素子の発色程
度の濃淡によってのみしか、温度履歴の評価を行うこと
ができなかった。
収波長が粒径にほとんど依存しないという性質を示すた
め、従来の感熱発色材料においては、発色色調が一色に
限定されるという問題があった。1wt%の金イオンを
含有する従来の感熱発色材料を例にとると、発色開始時
と、発色完了時の吸収波長ピーク波長は20nm程度し
か変化しておらず、肉眼では色調の変化を確認すること
が困難であった。このため、材料、および素子の発色程
度の濃淡によってのみしか、温度履歴の評価を行うこと
ができなかった。
【0005】従来の感熱発色材料を25℃に放置した場
合、1時間経過時と、2時間経過時の輝度差は8%程度
であり、肉眼でその差を判別することは困難で、従来材
料を用いた温度履歴評価が困難となっていた。
合、1時間経過時と、2時間経過時の輝度差は8%程度
であり、肉眼でその差を判別することは困難で、従来材
料を用いた温度履歴評価が困難となっていた。
【0006】また、従来の感熱発色材料を20℃と10
℃の雰囲気中にそれぞれ1時間放置した場合の、輝度の
差違は5%程度に過ぎず、その差は肉眼で判別すること
が著しく困難であった。このため、従来材料を用いて温
度履歴を評価することが困難となっていた。
℃の雰囲気中にそれぞれ1時間放置した場合の、輝度の
差違は5%程度に過ぎず、その差は肉眼で判別すること
が著しく困難であった。このため、従来材料を用いて温
度履歴を評価することが困難となっていた。
【0007】また、従来の感熱発色材料を、陳列販売中
の冷凍保存商品や、冷蔵保存商品へ配置した場合、温度
履歴情報を短時間で読みとり、評価することが困難であ
った。
の冷凍保存商品や、冷蔵保存商品へ配置した場合、温度
履歴情報を短時間で読みとり、評価することが困難であ
った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱の付与によ
り発色する際に、発色輝度の変化のみならず、発色色調
の大きな変化を伴うことにより、明確な温度履歴評価を
可能とする感熱発色材料の提供を目的とする。
り発色する際に、発色輝度の変化のみならず、発色色調
の大きな変化を伴うことにより、明確な温度履歴評価を
可能とする感熱発色材料の提供を目的とする。
【0009】上記課題を解決するために、本発明の第1
の感熱発色材料は、核部分が金属カルコゲナイド化合
物、金属ハロゲン化物、または金属のいずれかからな
り、前記核の表面の少なくとも一部分に金属殻構造、も
しくは金属微粒子が付着した構造の複合微粒子をマトリ
ックス物質に分散し、複合微粒子の大きさが、熱の付与
により不可逆的に増大する材料である。殻厚さや、付着
金属の粒径の増大により、表面プラズモンに起因する吸
収ピーク波長が変化するため、大きな色調の変化を伴う
感熱発色材料を提供し、明確な温度履歴評価を行うこと
が可能となる。
の感熱発色材料は、核部分が金属カルコゲナイド化合
物、金属ハロゲン化物、または金属のいずれかからな
り、前記核の表面の少なくとも一部分に金属殻構造、も
しくは金属微粒子が付着した構造の複合微粒子をマトリ
ックス物質に分散し、複合微粒子の大きさが、熱の付与
により不可逆的に増大する材料である。殻厚さや、付着
金属の粒径の増大により、表面プラズモンに起因する吸
収ピーク波長が変化するため、大きな色調の変化を伴う
感熱発色材料を提供し、明確な温度履歴評価を行うこと
が可能となる。
【0010】本発明の感熱発色材料において、マトリッ
クス物質は、無機物質、無機/有機複合体、樹脂からな
る群より選択される。無機物質、もしくは無機/有機複
合体を構成する無機物材料として、酸化珪素、酸化アル
ミニウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1つであ
り、有機物としてポリアクリル酸、ポリアクリル酸エス
テル、ポリエチレンオキシドから選ばれる少なくとも1
つであることが好ましい。また、樹脂層が、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ア
クリロニトリル/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹脂
から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
クス物質は、無機物質、無機/有機複合体、樹脂からな
る群より選択される。無機物質、もしくは無機/有機複
合体を構成する無機物材料として、酸化珪素、酸化アル
ミニウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1つであ
り、有機物としてポリアクリル酸、ポリアクリル酸エス
テル、ポリエチレンオキシドから選ばれる少なくとも1
つであることが好ましい。また、樹脂層が、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ア
クリロニトリル/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹脂
から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0011】また、本発明の感熱発色材料において、金
属材料としては、金、白金、銀、銅、錫、ロジウム、パ
ラジウムまたはイリジウムから選ばれる少なくとも1つ
であることが好ましい。また、本発明の感熱発色材料に
おいて、核部分をカルコゲナイド化合物や、ハロゲン化
物により形成する場合の材料としては、殻部分を形成す
る金属元素と、カルコゲナイド元素、もしくはハロゲン
元素との化合物であることが好ましい。
属材料としては、金、白金、銀、銅、錫、ロジウム、パ
ラジウムまたはイリジウムから選ばれる少なくとも1つ
であることが好ましい。また、本発明の感熱発色材料に
おいて、核部分をカルコゲナイド化合物や、ハロゲン化
物により形成する場合の材料としては、殻部分を形成す
る金属元素と、カルコゲナイド元素、もしくはハロゲン
元素との化合物であることが好ましい。
【0012】また、本発明の第2の感熱発色材料は、少
なくとも2種類以上の金属微粒子をマトリックス物質に
分散し、前記微粒子の粒径が熱の付与により不可逆的に
増大することを特徴とするものである。
なくとも2種類以上の金属微粒子をマトリックス物質に
分散し、前記微粒子の粒径が熱の付与により不可逆的に
増大することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の第1の感熱発色材料の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、お
よび混合物に1回目の紫外線もしくはγ線を照射する工
程、および前記金属イオンと異なる金属イオンを混合物
に調製する工程、ならびに混合物に紫外線、もしくはγ
線のいずれかの2回目の照射を行う工程、を包含するこ
とを特徴とするものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、お
よび混合物に1回目の紫外線もしくはγ線を照射する工
程、および前記金属イオンと異なる金属イオンを混合物
に調製する工程、ならびに混合物に紫外線、もしくはγ
線のいずれかの2回目の照射を行う工程、を包含するこ
とを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の第2の感熱発色材料の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、お
よび混合物に1回目の紫外線もしくはγ線を照射する工
程、および前記金属イオンと異なる金属イオン、および
界面活性剤を混合物に調製する工程、ならびに混合物に
紫外線、もしくはγ線のいずれかの2回目の照射を行う
工程、を包含することを特徴とするものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、お
よび混合物に1回目の紫外線もしくはγ線を照射する工
程、および前記金属イオンと異なる金属イオン、および
界面活性剤を混合物に調製する工程、ならびに混合物に
紫外線、もしくはγ線のいずれかの2回目の照射を行う
工程、を包含することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の第三の感熱発色材料の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれかを添加し混合物を調製する工程、ならびに混合
物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射する工程、を
包含することを特徴とするものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれかを添加し混合物を調製する工程、ならびに混合
物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射する工程、を
包含することを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の第四の感熱発色材料の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれか、および界面活性剤を添加し混合物を調製する
工程、ならびに混合物に紫外線もしくはγ線のいずれか
を照射する工程、を包含することを特徴とするものであ
る。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれか、および界面活性剤を添加し混合物を調製する
工程、ならびに混合物に紫外線もしくはγ線のいずれか
を照射する工程、を包含することを特徴とするものであ
る。
【0017】また、本発明の第五の感熱発色材料の製造
方法は、少なくとも二種類以上の金属イオン、α−水素
含有アルコール、界面活性剤、およびマトリックス物質
を含む混合物を調製する工程、混合物に紫外線もしくは
γ線のいずれかを照射する工程を包含することを特徴と
するものである。
方法は、少なくとも二種類以上の金属イオン、α−水素
含有アルコール、界面活性剤、およびマトリックス物質
を含む混合物を調製する工程、混合物に紫外線もしくは
γ線のいずれかを照射する工程を包含することを特徴と
するものである。
【0018】なお、本発明の感熱発色材料の製造方法に
おいて、界面活性剤は、カルボン酸基、スルホン酸基、
硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基を有
する材料群から選ばれる少なくとも一つであることが好
ましい。
おいて、界面活性剤は、カルボン酸基、スルホン酸基、
硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基を有
する材料群から選ばれる少なくとも一つであることが好
ましい。
【0019】また、本発明の第1の感熱発色素子は、基
体と、基体に配置された感熱発色材料とを含有し、感熱
発色材料が、核部分が金属カルコゲナイド化合物、また
は金属ハロゲン化物、もしくは金属のいずれかからな
り、前記核の表面の少なくとも一部に金属殻構造、もし
くは金属微粒子を有する複合微粒子と、マトリックス物
質とを含有し、前記複合微粒子の粒径が、熱の付与によ
り凝集して不可逆的に増大することを特徴とするもので
ある。
体と、基体に配置された感熱発色材料とを含有し、感熱
発色材料が、核部分が金属カルコゲナイド化合物、また
は金属ハロゲン化物、もしくは金属のいずれかからな
り、前記核の表面の少なくとも一部に金属殻構造、もし
くは金属微粒子を有する複合微粒子と、マトリックス物
質とを含有し、前記複合微粒子の粒径が、熱の付与によ
り凝集して不可逆的に増大することを特徴とするもので
ある。
【0020】また、本発明の第2の感熱発色素子は、基
体と、基体に配置された感熱発色材料とを含有し、感熱
発色材料が、少なくとも二種類以上の単体金属元素から
なる金属微粒子と、微粒子を分散するマトリックス物質
を含有し、各微粒子の粒径が、熱の付与により凝集して
不可逆的に増大することを特徴とするものである。
体と、基体に配置された感熱発色材料とを含有し、感熱
発色材料が、少なくとも二種類以上の単体金属元素から
なる金属微粒子と、微粒子を分散するマトリックス物質
を含有し、各微粒子の粒径が、熱の付与により凝集して
不可逆的に増大することを特徴とするものである。
【0021】また、本発明の第1の感熱発色素子の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、1
回目の紫外線もしくはγ線のいずれかを混合物に照射す
る工程、混合物に前記金属イオンとは異なる種類の金属
イオンを添加して混合物を作製する工程、混合物を基体
に配置させる工程、ならびに基体に配置した混合物に、
2回目の紫外線もしくはγ線のいずれかを照射して感熱
発色材料を形成する工程、を包含することを特徴とする
ものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、1
回目の紫外線もしくはγ線のいずれかを混合物に照射す
る工程、混合物に前記金属イオンとは異なる種類の金属
イオンを添加して混合物を作製する工程、混合物を基体
に配置させる工程、ならびに基体に配置した混合物に、
2回目の紫外線もしくはγ線のいずれかを照射して感熱
発色材料を形成する工程、を包含することを特徴とする
ものである。
【0022】また、本発明の第2の感熱発色素子の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、1
回目の紫外線もしくはγ線のいずれかを混合物に照射す
る工程、混合物に前記金属イオンとは異なる種類の金属
イオン、および界面活性剤を添加して混合物を作製する
工程、混合物を基体に配置させる工程、ならびに基体に
配置した混合物に、2回目の紫外線もしくはγ線のいず
れかを照射して感熱発色材料を形成する工程、を包含す
ることを特徴とするものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、1
回目の紫外線もしくはγ線のいずれかを混合物に照射す
る工程、混合物に前記金属イオンとは異なる種類の金属
イオン、および界面活性剤を添加して混合物を作製する
工程、混合物を基体に配置させる工程、ならびに基体に
配置した混合物に、2回目の紫外線もしくはγ線のいず
れかを照射して感熱発色材料を形成する工程、を包含す
ることを特徴とするものである。
【0023】なお、本発明の感熱発色材料の製造方法に
おいて、1回目の紫外線、もしくはγ線の照射を行う工
程の前に、調製した混合物を基体上に配置させ、基体に
対して、紫外線、もしくはγ線の照射を行い、その後
に、前記混合物内に含有されていた金属イオンとは異な
る種類の金属イオンを含む混合物を配置させた前記基体
に対し、2回目の紫外線、もしくはγ線の照射を行う製
造方法によっても、同様の効果が得られる。
おいて、1回目の紫外線、もしくはγ線の照射を行う工
程の前に、調製した混合物を基体上に配置させ、基体に
対して、紫外線、もしくはγ線の照射を行い、その後
に、前記混合物内に含有されていた金属イオンとは異な
る種類の金属イオンを含む混合物を配置させた前記基体
に対し、2回目の紫外線、もしくはγ線の照射を行う製
造方法によっても、同様の効果が得られる。
【0024】また、本発明の第3の感熱発色素子の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれかを添加し調製する工程、混合物を基体に配置さ
せる工程、ならびに基体上に配置した混合物に紫外線も
しくはγ線のいずれかを照射して感熱発色材料を形成す
る工程、を包含することを特徴とするものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれかを添加し調製する工程、混合物を基体に配置さ
せる工程、ならびに基体上に配置した混合物に紫外線も
しくはγ線のいずれかを照射して感熱発色材料を形成す
る工程、を包含することを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の第4の感熱発色素子の製造
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれか、および界面活性剤を添加し調製する工程、混
合物を基体に配置させる工程、ならびに基体上に配置し
た混合物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射して感
熱発色材料を形成する工程、を包含することを特徴とす
るものである。
方法は、金属イオン、α−水素含有アルコール、および
マトリックス形成材料を含む混合物を調製する工程、混
合物にカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化物の
いずれか、および界面活性剤を添加し調製する工程、混
合物を基体に配置させる工程、ならびに基体上に配置し
た混合物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射して感
熱発色材料を形成する工程、を包含することを特徴とす
るものである。
【0026】また、本発明の第5の感熱発色素子の製造
方法は、少なくとも二種類以上の金属イオンと、α−水
素含有アルコール、界面活性剤、およびマトリックス形
成材料を含む混合物を調製する工程、混合物を基体に配
置させる工程、基体上に配置した混合物に紫外線、もし
くはγ線のいずれかを照射して感熱発色材料する工程、
を包含することを特徴とするものである。
方法は、少なくとも二種類以上の金属イオンと、α−水
素含有アルコール、界面活性剤、およびマトリックス形
成材料を含む混合物を調製する工程、混合物を基体に配
置させる工程、基体上に配置した混合物に紫外線、もし
くはγ線のいずれかを照射して感熱発色材料する工程、
を包含することを特徴とするものである。
【0027】なお、本発明の感熱発色素子の製造方法に
おいて、金属イオンを含む混合物は、浸漬法、塗布法、
あるいはスピンコート法から選ばれる少なくとも1つの
方法により基体表面に配置させることが好ましい。
おいて、金属イオンを含む混合物は、浸漬法、塗布法、
あるいはスピンコート法から選ばれる少なくとも1つの
方法により基体表面に配置させることが好ましい。
【0028】また、本発明の感熱発色素子は、従来使用
されているバーコード情報表示部位に感熱発色材料を配
置することにより、熱の付与があった場合と、熱の付与
がなかった場合に、異なるバーコード情報を表示するこ
とを特徴とする感熱発色素子であり、従来から使用され
ているバーコード読みとりシステムを利用した、短時間
での温度履歴評価を可能とする。
されているバーコード情報表示部位に感熱発色材料を配
置することにより、熱の付与があった場合と、熱の付与
がなかった場合に、異なるバーコード情報を表示するこ
とを特徴とする感熱発色素子であり、従来から使用され
ているバーコード読みとりシステムを利用した、短時間
での温度履歴評価を可能とする。
【0029】
【発明の実施の形態】<第1の感熱発色材料>本発明の
第1の感熱発色材料について以下に説明する。
第1の感熱発色材料について以下に説明する。
【0030】図1は作製した感熱発色材料の構成を示し
たものであり、図1(a)は、熱付与前の構造を、図1
(b)、(c)は、熱付与後の構造を示している。図1
(b)、(c)における複合微粒子3は、核微粒子4
と、核表面の少なくとも一部に金属殻構造5、もしくは
金属微粒子6が付着した複合構造により構成される微粒
子である。複合微粒子3は、マトリックス物質2に分散
される。熱付与前の状態を示した図1(a)における微
粒子7が、熱付与後の核微粒子4になる。熱付与前に
は、微粒子7より粒径の小さな金属微粒子1が存在し、
熱付与後、微粒子7の表面に凝集し、金属殻5、もしく
は付着金属微粒子6を形成する。微粒子7および複合微
粒子3の核部分4は金属カルコゲナイド化合物、金属ハ
ロゲン化物、もしくは金属のいずれかにより形成され
る。核4が金属である場合、核4と、金属部分5または
6は別種類の金属により構成される。
たものであり、図1(a)は、熱付与前の構造を、図1
(b)、(c)は、熱付与後の構造を示している。図1
(b)、(c)における複合微粒子3は、核微粒子4
と、核表面の少なくとも一部に金属殻構造5、もしくは
金属微粒子6が付着した複合構造により構成される微粒
子である。複合微粒子3は、マトリックス物質2に分散
される。熱付与前の状態を示した図1(a)における微
粒子7が、熱付与後の核微粒子4になる。熱付与前に
は、微粒子7より粒径の小さな金属微粒子1が存在し、
熱付与後、微粒子7の表面に凝集し、金属殻5、もしく
は付着金属微粒子6を形成する。微粒子7および複合微
粒子3の核部分4は金属カルコゲナイド化合物、金属ハ
ロゲン化物、もしくは金属のいずれかにより形成され
る。核4が金属である場合、核4と、金属部分5または
6は別種類の金属により構成される。
【0031】以上のように構成された感熱発色材料は、
図1(a)に示すように、特定温度での放置時間が短い
場合は、微粒子7の粒径も小さいため、光の吸収が少な
い。一方、一定量以上の熱の付与により、複合微粒子3
の大きさが成長し、表面プラズモン吸収が顕著になる。
図1(a)に示すように、特定温度での放置時間が短い
場合は、微粒子7の粒径も小さいため、光の吸収が少な
い。一方、一定量以上の熱の付与により、複合微粒子3
の大きさが成長し、表面プラズモン吸収が顕著になる。
【0032】単一組成により構成される微粒子の表面プ
ラズモン吸収波長は、ほとんど粒径に依存せず一定であ
るが、複数組成により構成される複合微粒子3が示すプ
ラズモン吸収波長は、金属殻部分5の厚さ、もしくは核
に付着した金属微粒子6の粒径に強く依存する。このた
め、熱付与により発色過程において、輝度が変化するだ
けでなく、発色色調の大きな変化を伴うことになる。発
色色調の変化はより明確な温度履歴評価を可能とする。
ラズモン吸収波長は、ほとんど粒径に依存せず一定であ
るが、複数組成により構成される複合微粒子3が示すプ
ラズモン吸収波長は、金属殻部分5の厚さ、もしくは核
に付着した金属微粒子6の粒径に強く依存する。このた
め、熱付与により発色過程において、輝度が変化するだ
けでなく、発色色調の大きな変化を伴うことになる。発
色色調の変化はより明確な温度履歴評価を可能とする。
【0033】また、マトリックス中の微粒子部分の分散
量は、特に限定するものではないが、粒径制御の容易
な、また、微粒子の凝集等が生じ難い、0.01〜20
wt%程度、好ましくは0.01〜10wt%程度がよ
い。もし凝集が生じると、層の一部分だけが濃く色変化
を起こすことになるため、温度変化の有無を確実に確認
することはできない。
量は、特に限定するものではないが、粒径制御の容易
な、また、微粒子の凝集等が生じ難い、0.01〜20
wt%程度、好ましくは0.01〜10wt%程度がよ
い。もし凝集が生じると、層の一部分だけが濃く色変化
を起こすことになるため、温度変化の有無を確実に確認
することはできない。
【0034】また、成長後の微粒子の平均粒径は、種類
により異なるが、例えば通常1nm〜100nmの範囲
が好ましく、特に粒径の分布を小さくして均一な着色の
ためには3nm〜80nmの範囲がより好ましい。
により異なるが、例えば通常1nm〜100nmの範囲
が好ましく、特に粒径の分布を小さくして均一な着色の
ためには3nm〜80nmの範囲がより好ましい。
【0035】また、微粒子金属部位が、金、白金、銀、
銅、錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選
ばれる少なくとも1つであるという本発明の好ましい例
によれば、これらの金属は、プラズモン吸収に基づく発
色を示し、他の金属に比べて酸素やその他の不純物によ
る影響を受け難く、比較的純粋な微粒子を析出させるこ
とができるので、優れた感熱発色特性示す材料を実現す
ることが可能となる。
銅、錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選
ばれる少なくとも1つであるという本発明の好ましい例
によれば、これらの金属は、プラズモン吸収に基づく発
色を示し、他の金属に比べて酸素やその他の不純物によ
る影響を受け難く、比較的純粋な微粒子を析出させるこ
とができるので、優れた感熱発色特性示す材料を実現す
ることが可能となる。
【0036】また、本発明において、微粒子1の核部分
を金属元素のカルコゲナイド化合物、ハロゲン化物のい
ずれかにより形成する場合、これらの化合物中に含有さ
れる金属元素は、核表面上に殻、もしくは微粒子を形成
する金属元素と同一であることが好ましい。
を金属元素のカルコゲナイド化合物、ハロゲン化物のい
ずれかにより形成する場合、これらの化合物中に含有さ
れる金属元素は、核表面上に殻、もしくは微粒子を形成
する金属元素と同一であることが好ましい。
【0037】また、本発明において、微粒子を分散する
マトリックス形成材料は、無機物質、無機/有機複合
体、もしくは樹脂のいずれかから選択される。
マトリックス形成材料は、無機物質、無機/有機複合
体、もしくは樹脂のいずれかから選択される。
【0038】マトリックス物質として用いられる無機物
質は、珪素、アルミニウム、またはチタンを含有する少
なくとも一つの無機アルコキシドから形成される。この
ような無機物質は、シリカゲル、アルミナゲル、および
チタニアゲルからなる群より選択される少なくとも一つ
のゲルを含有する。
質は、珪素、アルミニウム、またはチタンを含有する少
なくとも一つの無機アルコキシドから形成される。この
ような無機物質は、シリカゲル、アルミナゲル、および
チタニアゲルからなる群より選択される少なくとも一つ
のゲルを含有する。
【0039】無機/有機複合体は、少なくとも一つの複
合体形成無機成分と少なくとも一つの複合体形成有機成
分とを含有する複合体形成材料から形成される。複合体
形成無機成分の例としては、珪素、アルミニウム、また
はチタンを含有する無機アルコキシドが挙げられる。複
合体形成有機成分の例としては、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル、およびポリエチレンオキシドが挙
げられる。
合体形成無機成分と少なくとも一つの複合体形成有機成
分とを含有する複合体形成材料から形成される。複合体
形成無機成分の例としては、珪素、アルミニウム、また
はチタンを含有する無機アルコキシドが挙げられる。複
合体形成有機成分の例としては、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル、およびポリエチレンオキシドが挙
げられる。
【0040】樹脂は、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルブチラール、ポリスチレン、アクリロニトリルースチ
レンコポリマー、およびフッ素樹脂からなる群より選択
されるマトリックス形成樹脂により形成される。得られ
るマトリックス物質が透明でかつ優れた機械的強度を有
する点で、フッ素樹脂が好ましい。
ルブチラール、ポリスチレン、アクリロニトリルースチ
レンコポリマー、およびフッ素樹脂からなる群より選択
されるマトリックス形成樹脂により形成される。得られ
るマトリックス物質が透明でかつ優れた機械的強度を有
する点で、フッ素樹脂が好ましい。
【0041】<第2の感熱発色材料>本発明の第2の感
熱発色材料について以下に説明する。
熱発色材料について以下に説明する。
【0042】図2は作製した感熱発色材料の構成を示し
たものであり、図2(a)は、熱付与前の構造を、図2
(b)は熱付与後の構造を示している。
たものであり、図2(a)は、熱付与前の構造を、図2
(b)は熱付与後の構造を示している。
【0043】熱付与前には、異なる金属元素から構成さ
れる単体金属微粒子1、8が、マトリックス物質内に分
散されている。分散される金属微粒子の構成元素数は少
なくとも二種類以上であるものとする。熱付与後は、凝
集により各微粒子が成長するため、各微粒子が示す表面
プラズモン吸収が顕著になる。各微粒子の吸収の重ね合
わせの補色が、発色後の材料の色となる。
れる単体金属微粒子1、8が、マトリックス物質内に分
散されている。分散される金属微粒子の構成元素数は少
なくとも二種類以上であるものとする。熱付与後は、凝
集により各微粒子が成長するため、各微粒子が示す表面
プラズモン吸収が顕著になる。各微粒子の吸収の重ね合
わせの補色が、発色後の材料の色となる。
【0044】各金属微粒子の凝集速度が異なるため、吸
収スペクトルの概形は、熱の付与により大きく変化す
る。材料の発色輝度が温度履歴により変化するだけでな
く、材料が示す色調も、放置温度、放置時間などの温度
履歴に依存して連続的に変化する。このため、従来の感
熱発色材料と比較して、より明確な温度履歴評価が可能
となる。
収スペクトルの概形は、熱の付与により大きく変化す
る。材料の発色輝度が温度履歴により変化するだけでな
く、材料が示す色調も、放置温度、放置時間などの温度
履歴に依存して連続的に変化する。このため、従来の感
熱発色材料と比較して、より明確な温度履歴評価が可能
となる。
【0045】また、マトリックス中の微粒子部分の分散
量、微粒子の粒径、各構成材料、などについては第1の
感熱発色材料と同様であるものとする。
量、微粒子の粒径、各構成材料、などについては第1の
感熱発色材料と同様であるものとする。
【0046】<第1の感熱発色材料の製造方法>本発明
の第1の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
の第1の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
【0047】まず、金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
【0048】金属イオンの例としては、金、白金、銀、
銅、錫、ロジウム、パラジウムおよびイリジウムなどの
イオンが挙げられる。金属イオンは、後述のゾル状のマ
トリックス形成材料中で分散しうる金属化合物から提供
される。このような金属化合物の例としては、AuHC
l4、AuNaCl4、H2PtCl6、AgClO4、C
uCl2、SnCl2、IrCl3、RhCl3、およびP
dCl2が挙げられる。特にAuHCl4が好ましい。
銅、錫、ロジウム、パラジウムおよびイリジウムなどの
イオンが挙げられる。金属イオンは、後述のゾル状のマ
トリックス形成材料中で分散しうる金属化合物から提供
される。このような金属化合物の例としては、AuHC
l4、AuNaCl4、H2PtCl6、AgClO4、C
uCl2、SnCl2、IrCl3、RhCl3、およびP
dCl2が挙げられる。特にAuHCl4が好ましい。
【0049】α−水素含有アルコールは、α−水素を含
有する2価のアルコールが好ましく、代表的な例として
は、エチレングリコールおよびプロピレングリコールが
挙げられる。α−水素含有アルコールは、調製される混
合物中において、上記金属イオン1モルあたり、好まし
くは0.5から1.5モル程度で含有される。
有する2価のアルコールが好ましく、代表的な例として
は、エチレングリコールおよびプロピレングリコールが
挙げられる。α−水素含有アルコールは、調製される混
合物中において、上記金属イオン1モルあたり、好まし
くは0.5から1.5モル程度で含有される。
【0050】マトリックス形成材料の例としては、無機
アルコキシド系材料、複合体形成材料、およびマトリッ
クス形成樹脂のうちいずれかが挙げられる。
アルコキシド系材料、複合体形成材料、およびマトリッ
クス形成樹脂のうちいずれかが挙げられる。
【0051】無機アルコキシドを含有するマトリックス
形成材料としては、無機アルコキシドの他に、上記アル
コキシドを分散するメタノール、エタノールおよびプロ
パノールからなる群より選択されるアルコール、触媒と
して塩酸またはアンモニア、溶媒としての水が挙げられ
る。
形成材料としては、無機アルコキシドの他に、上記アル
コキシドを分散するメタノール、エタノールおよびプロ
パノールからなる群より選択されるアルコール、触媒と
して塩酸またはアンモニア、溶媒としての水が挙げられ
る。
【0052】複合体形成材料としては、少なくとも一種
類の複合体形成無機成分と、少なくとも一種類の複合体
形成有機成分、とを含有する。複合体形成材料も、無機
アルコキシド系材料と同様に、アルコール、触媒、水を
含有する。
類の複合体形成無機成分と、少なくとも一種類の複合体
形成有機成分、とを含有する。複合体形成材料も、無機
アルコキシド系材料と同様に、アルコール、触媒、水を
含有する。
【0053】無機アルコキシド、複合体形成有機成分、
樹脂材料としては、第1の感熱発色材料の実施形態にお
いて上述したとおりである。
樹脂材料としては、第1の感熱発色材料の実施形態にお
いて上述したとおりである。
【0054】次いで、混合物に紫外線もしくはγ線を照
射する。照射条件は、使用する金属イオンの種類、量、
および所望の発色特性によって異なり、任意に選択され
得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中に含
有する金属イオンがα−水素含有アルコールにより還元
され、金属単体でなる金属微粒子がマトリックス中に分
散されて形成される。紫外線およびγ線は、混合物中の
金属イオンが有する固有の色(例えば、金イオンなら淡
黄色)が完全に消失するまで、もしくはその直前まで照
射することが好ましい。なぜなら、過度の照射は熱の付
与と無関係の金属微粒子の凝集を引き起こし、照射量の
不足は、発色反応速度の著しい低下を招くからである。
また、紫外線、γ線の照射量としては、0.01mW/
cm2から100mW/cm2程度、好ましくは1mW/
cm2から20mW/cm2程度の強度に設定することが
好ましい。これは、照射中の温度の上昇は金属微粒子の
凝集を引き起こすため、過度の強度で照射を行うことは
避けることが好ましいこと、また、極度に低い強度で照
射を行うと照射時間が長期化するため、金属微粒子の凝
集を引き起こすからである。
射する。照射条件は、使用する金属イオンの種類、量、
および所望の発色特性によって異なり、任意に選択され
得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中に含
有する金属イオンがα−水素含有アルコールにより還元
され、金属単体でなる金属微粒子がマトリックス中に分
散されて形成される。紫外線およびγ線は、混合物中の
金属イオンが有する固有の色(例えば、金イオンなら淡
黄色)が完全に消失するまで、もしくはその直前まで照
射することが好ましい。なぜなら、過度の照射は熱の付
与と無関係の金属微粒子の凝集を引き起こし、照射量の
不足は、発色反応速度の著しい低下を招くからである。
また、紫外線、γ線の照射量としては、0.01mW/
cm2から100mW/cm2程度、好ましくは1mW/
cm2から20mW/cm2程度の強度に設定することが
好ましい。これは、照射中の温度の上昇は金属微粒子の
凝集を引き起こすため、過度の強度で照射を行うことは
避けることが好ましいこと、また、極度に低い強度で照
射を行うと照射時間が長期化するため、金属微粒子の凝
集を引き起こすからである。
【0055】次いで、上記混合物中に含有している金属
イオンとは異なる種類の金属イオンを、混合物に添加す
る。金属イオンの例、金属イオンを含有する金属化合物
の例は、上述したとおりである。金属イオンの濃度は、
上述したとおり、微粒子の極端な凝集が起こらない程度
の、0.01〜20wt%程度、好ましくは0.05〜
10wt%程度がよい。
イオンとは異なる種類の金属イオンを、混合物に添加す
る。金属イオンの例、金属イオンを含有する金属化合物
の例は、上述したとおりである。金属イオンの濃度は、
上述したとおり、微粒子の極端な凝集が起こらない程度
の、0.01〜20wt%程度、好ましくは0.05〜
10wt%程度がよい。
【0056】次いで、調製混合物に紫外線もしくはγ線
のいずれかの2回目の照射を行う。1回目の照射と同様
に、照射条件は任意に選択され得る。紫外線もしくはγ
線の照射により、添加した金属イオンが還元され、金属
単体でなる金属微粒子が形成されると同時に、既に生成
していた金属微粒子核周囲に殻構造を形成するように、
凝集が起こっていく。
のいずれかの2回目の照射を行う。1回目の照射と同様
に、照射条件は任意に選択され得る。紫外線もしくはγ
線の照射により、添加した金属イオンが還元され、金属
単体でなる金属微粒子が形成されると同時に、既に生成
していた金属微粒子核周囲に殻構造を形成するように、
凝集が起こっていく。
【0057】1回目の紫外線、もしくはγ線のいずれか
の照射により還元、生成した金属微粒子は、2回目の照
射時には、金属イオンの還元反応の触媒としてはたらく
傾向がある。このため、2回目の照射時の光還元反応
は、分散マトリックス中で起こる確率よりも、あらかじ
め生成し、マトリックス中に分散していた微粒子の表面
において起こる確率の方が大きくなる。この結果、微粒
子核の表面に殻構造が形成される。
の照射により還元、生成した金属微粒子は、2回目の照
射時には、金属イオンの還元反応の触媒としてはたらく
傾向がある。このため、2回目の照射時の光還元反応
は、分散マトリックス中で起こる確率よりも、あらかじ
め生成し、マトリックス中に分散していた微粒子の表面
において起こる確率の方が大きくなる。この結果、微粒
子核の表面に殻構造が形成される。
【0058】このように、本発明の感熱発色材料が製造
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0059】上記方法で製造された感熱発色材料に、熱
を付与することにより表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色材料と同
様である。このため、本実施の形態の製造法により製造
した感熱発色材料は、従来材料より明確な温度履歴変化
を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
を付与することにより表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色材料と同
様である。このため、本実施の形態の製造法により製造
した感熱発色材料は、従来材料より明確な温度履歴変化
を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
【0060】<第2の感熱発色材料の製造方法>本発明
の第2の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
の第2の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
【0061】まず、金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
【0062】各材料例は、上述したとおりである。次い
で、混合物に1回目の紫外線もしくはγ線を照射する。
で、混合物に1回目の紫外線もしくはγ線を照射する。
【0063】次いで、上記混合物中に含有している金属
イオンとは異なる種類の金属イオン、および界面活性剤
を混合物に添加する。
イオンとは異なる種類の金属イオン、および界面活性剤
を混合物に添加する。
【0064】界面活性剤としては、カルボン酸基、スル
ホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホ
ン酸基を有する材料群から選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましい。これらは、陰イオン系の界面活性剤
に分類される材料である。第1の感熱発色材料の製造方
法の実施形態で述べたように、1回目の還元により生成
した金属微粒子は、2回目の紫外線、もしくはγ線の照
射による金属イオンの光還元反応の触媒としてはたらく
効果があるが、陰イオン系の界面活性剤はこの効果を減
ずる作用をもたらす。このため、界面活性剤の導入は、
金属微粒子表面の全域への金属殻構造生成を妨げる効果
を有する。界面活性剤の量としては、0.001〜10
wt%程度、好ましくは0.005〜1wt%程度の濃
度で導入することが好ましい。界面活性剤の種類によっ
ても条件は変化するが、0.05wt%以下の界面活性
剤を導入した場合は複合微粒子が形成され、0.1wt
%以上の界面活性剤の導入した場合には、複合微粒子は
形成されず、2種類の単体金属微粒子が形成される。
ホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホ
ン酸基を有する材料群から選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましい。これらは、陰イオン系の界面活性剤
に分類される材料である。第1の感熱発色材料の製造方
法の実施形態で述べたように、1回目の還元により生成
した金属微粒子は、2回目の紫外線、もしくはγ線の照
射による金属イオンの光還元反応の触媒としてはたらく
効果があるが、陰イオン系の界面活性剤はこの効果を減
ずる作用をもたらす。このため、界面活性剤の導入は、
金属微粒子表面の全域への金属殻構造生成を妨げる効果
を有する。界面活性剤の量としては、0.001〜10
wt%程度、好ましくは0.005〜1wt%程度の濃
度で導入することが好ましい。界面活性剤の種類によっ
ても条件は変化するが、0.05wt%以下の界面活性
剤を導入した場合は複合微粒子が形成され、0.1wt
%以上の界面活性剤の導入した場合には、複合微粒子は
形成されず、2種類の単体金属微粒子が形成される。
【0065】次いで、調製混合物に紫外線もしくはγ線
のいずれかの2回目の照射を行う。1回目の照射と同様
に、照射条件は任意に選択され得る。紫外線もしくはγ
線の照射により、添加した金属イオンが還元され、単体
金属でなる金属微粒子が形成される。また、既に生成し
ていた金属微粒子核表面においても凝集が起こり、核表
面の一部に金属微粒子が付着、凝集した複合微粒子が形
成される。界面活性剤導入の効果が大きい場合は、複合
微粒子は形成されず、単体金属からなる二種類以上の金
属微粒子が形成される。
のいずれかの2回目の照射を行う。1回目の照射と同様
に、照射条件は任意に選択され得る。紫外線もしくはγ
線の照射により、添加した金属イオンが還元され、単体
金属でなる金属微粒子が形成される。また、既に生成し
ていた金属微粒子核表面においても凝集が起こり、核表
面の一部に金属微粒子が付着、凝集した複合微粒子が形
成される。界面活性剤導入の効果が大きい場合は、複合
微粒子は形成されず、単体金属からなる二種類以上の金
属微粒子が形成される。
【0066】なお、界面活性剤を混合液に導入する工程
を、1回目の紫外線、もしくはγ線の照射工程の前に行
うことも可能であることは云うまでもない。ただし、界
面活性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させる
ため、1回目の光還元反応工程の後に行うことがより好
ましい。
を、1回目の紫外線、もしくはγ線の照射工程の前に行
うことも可能であることは云うまでもない。ただし、界
面活性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させる
ため、1回目の光還元反応工程の後に行うことがより好
ましい。
【0067】このように、本発明の感熱発色材料が製造
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0068】上記方法で製造した感熱発色材料に熱の付
与を行うことにより、表面プラズモン吸収に伴う発色を
得た。
与を行うことにより、表面プラズモン吸収に伴う発色を
得た。
【0069】複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色材料と同
様である。このため、本実施の形態の製造法により製造
した感熱発色材料は、従来材料より明確な温度履歴変化
を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色材料と同
様である。このため、本実施の形態の製造法により製造
した感熱発色材料は、従来材料より明確な温度履歴変化
を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
【0070】また、複合微粒子が形成されなかった場合
においても、感熱発色色調は温度履歴に依存して連続的
に変化する。2種類の単体元素により構成される金属微
粒子を含む、本材料の吸収スペクトルは、各金属微粒子
が示す表面プラズモン吸収スペクトルの重ね合わせにな
る。各金属微粒子の凝集速度が異なるため、吸収スペク
トルの概形は、熱の付与により大きく変化する。材料の
発色輝度が温度履歴により変化するだけでなく、材料が
示す色調も、放置温度、放置時間などの温度履歴に依存
して連続的に変化する。このため、従来の感熱発色材料
と比較して、より明確な温度履歴評価を可能とする。
においても、感熱発色色調は温度履歴に依存して連続的
に変化する。2種類の単体元素により構成される金属微
粒子を含む、本材料の吸収スペクトルは、各金属微粒子
が示す表面プラズモン吸収スペクトルの重ね合わせにな
る。各金属微粒子の凝集速度が異なるため、吸収スペク
トルの概形は、熱の付与により大きく変化する。材料の
発色輝度が温度履歴により変化するだけでなく、材料が
示す色調も、放置温度、放置時間などの温度履歴に依存
して連続的に変化する。このため、従来の感熱発色材料
と比較して、より明確な温度履歴評価を可能とする。
【0071】<第三の感熱発色材料の製造方法>本発明
の第三の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
の第三の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
【0072】まず、金属イオン、上記金属元素と反応し
てカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化合物のい
ずれかを生成する、カルコゲン元素、もしくはハロゲン
元素のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコ
ール、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を
調製する。
てカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化合物のい
ずれかを生成する、カルコゲン元素、もしくはハロゲン
元素のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコ
ール、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を
調製する。
【0073】金属イオン、金属イオン源となる金属化合
物、アルコール、マトリックス形成材料の例について
は、第1の感熱発色材料の製造方法に準ずるものとす
る。金属イオンの混合量としては、0.01〜1wt%
程度が好ましい。
物、アルコール、マトリックス形成材料の例について
は、第1の感熱発色材料の製造方法に準ずるものとす
る。金属イオンの混合量としては、0.01〜1wt%
程度が好ましい。
【0074】カルコゲン元素源、ハロゲン元素源として
は、Na2S、K2S、NaCl、KClなどが挙げられ
る。混合量としては0.005〜1wt%程度が好まし
く、上記金属イオンの濃度を超えないことが好ましい。
は、Na2S、K2S、NaCl、KClなどが挙げられ
る。混合量としては0.005〜1wt%程度が好まし
く、上記金属イオンの濃度を超えないことが好ましい。
【0075】調製した混合物は、攪拌により反応させ
る。金属カルコゲン化物、もしくは金属ハロゲン化物に
より構成される、微粒子が形成し、マトリックス物質中
に分散される。生成した微粒子は、最終工程終了時に複
合微粒子の核部分を形成する。核微粒子の粒径は、混合
物内の組成に依存する。粒径が、1〜10nm程度で制
御されることが好ましい。
る。金属カルコゲン化物、もしくは金属ハロゲン化物に
より構成される、微粒子が形成し、マトリックス物質中
に分散される。生成した微粒子は、最終工程終了時に複
合微粒子の核部分を形成する。核微粒子の粒径は、混合
物内の組成に依存する。粒径が、1〜10nm程度で制
御されることが好ましい。
【0076】次いで、混合物に紫外線もしくはγ線を照
射する。照射条件は、使用する金属イオンの種類、量、
および所望の発色特性によって異なり、任意に選択され
得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中に含
有する金属イオンがα−水素含有アルコールで還元さ
れ、金属微粒子が生成される。還元反応は、マトリック
ス中に分散している核微粒子を触媒として起きる確率が
高い。このため、金属微粒子は核微粒子の表面において
優先的に生成され、殻構造を形成する。更に、マトリッ
クス中での還元により生成した金属微粒子も、熱の付与
により拡散、凝集し、殻部分の厚さが増大することによ
り、複合微粒子が成長する。紫外線およびγ線は、混合
物中の金属イオンが有する固有の色(例えば、金イオン
なら淡黄色)が完全に消失するまで、もしくはその直前
まで照射することが好ましい。なぜなら、過度の照射
は、熱の付与と無関係に微粒子の凝集を引き起こすから
である。
射する。照射条件は、使用する金属イオンの種類、量、
および所望の発色特性によって異なり、任意に選択され
得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中に含
有する金属イオンがα−水素含有アルコールで還元さ
れ、金属微粒子が生成される。還元反応は、マトリック
ス中に分散している核微粒子を触媒として起きる確率が
高い。このため、金属微粒子は核微粒子の表面において
優先的に生成され、殻構造を形成する。更に、マトリッ
クス中での還元により生成した金属微粒子も、熱の付与
により拡散、凝集し、殻部分の厚さが増大することによ
り、複合微粒子が成長する。紫外線およびγ線は、混合
物中の金属イオンが有する固有の色(例えば、金イオン
なら淡黄色)が完全に消失するまで、もしくはその直前
まで照射することが好ましい。なぜなら、過度の照射
は、熱の付与と無関係に微粒子の凝集を引き起こすから
である。
【0077】また、核部分を構成する金属元素と、殻部
分を構成する金属元素は必ずしも一致する必要はない。
別元素を用いる場合には、紫外線もしくはガンマ線の照
射工程の前に、別種類の金属イオンを含有する金属化合
物を添加し、混合物を調製する工程を導入する必要があ
る。
分を構成する金属元素は必ずしも一致する必要はない。
別元素を用いる場合には、紫外線もしくはガンマ線の照
射工程の前に、別種類の金属イオンを含有する金属化合
物を添加し、混合物を調製する工程を導入する必要があ
る。
【0078】このように、本発明の感熱発色材料が製造
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0079】上記方法により製造した感熱発色材料に熱
の付与を行った場合、表面プラズモン吸収に起因する発
色が得られる。粒径の増大に伴い、複合微粒子が示す表
面プラズモンの吸収波長は大きく変化する。色調の変化
を伴う発色特性により、より明確な温度履歴評価が可能
となる。
の付与を行った場合、表面プラズモン吸収に起因する発
色が得られる。粒径の増大に伴い、複合微粒子が示す表
面プラズモンの吸収波長は大きく変化する。色調の変化
を伴う発色特性により、より明確な温度履歴評価が可能
となる。
【0080】<第四の感熱発色材料の製造方法>本発明
の第四の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
の第四の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
【0081】まず、金属イオン、上記金属元素と反応し
てカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化合物のい
ずれかを生成する、カルコゲン元素、もしくはハロゲン
元素のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコ
ール、マトリックス形成材料、および界面活性剤を含有
する混合物を調製する。
てカルコゲナイド化合物、もしくはハロゲン化合物のい
ずれかを生成する、カルコゲン元素、もしくはハロゲン
元素のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコ
ール、マトリックス形成材料、および界面活性剤を含有
する混合物を調製する。
【0082】金属イオン及び、金属イオン源となる金属
化合物、およびマトリックス形成材料の例については、
第1の感熱発色材料の製造方法に準ずるものとする。金
属イオンの混合量としては、0.01〜1wt%程度が
好ましい。
化合物、およびマトリックス形成材料の例については、
第1の感熱発色材料の製造方法に準ずるものとする。金
属イオンの混合量としては、0.01〜1wt%程度が
好ましい。
【0083】カルコゲン元素源、ハロゲン元素源の例と
しては、第三の感熱発色材料の製造方法に準ずるものと
する。混合量としては0.005〜1wt%程度が好ま
しく、上記金属イオンの濃度を超えないことが好まし
い。
しては、第三の感熱発色材料の製造方法に準ずるものと
する。混合量としては0.005〜1wt%程度が好ま
しく、上記金属イオンの濃度を超えないことが好まし
い。
【0084】界面活性剤の種類、導入量については第2
の感熱発色材料の製造方法に準ずるものとする。
の感熱発色材料の製造方法に準ずるものとする。
【0085】調製した混合物は、攪拌により反応させ
る。金属カルコゲナイド化物、もしくは金属ハロゲン化
物のいずれかからなる微粒子が、混合物中に分散して形
成される。生成微粒子の粒径は、混合物内の組成に依存
する。微粒子粒径が、1〜10nm程度で制御されるこ
とが好ましい。最終工程終了時には、この微粒子は複合
微粒子の核部分を形成する。
る。金属カルコゲナイド化物、もしくは金属ハロゲン化
物のいずれかからなる微粒子が、混合物中に分散して形
成される。生成微粒子の粒径は、混合物内の組成に依存
する。微粒子粒径が、1〜10nm程度で制御されるこ
とが好ましい。最終工程終了時には、この微粒子は複合
微粒子の核部分を形成する。
【0086】次いで、混合物に紫外線もしくはγ線を照
射する。照射条件は、使用する金属イオンの種類、量、
および所望の発色特性によって異なり、任意に選択され
得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中に含
有する金属イオンがα−水素含有アルコールで還元さ
れ、金属微粒子が生成される。核微粒子が還元の触媒と
してはたらくため、金属微粒子は核微粒子の表面におい
て優先的に還元される。界面活性剤は、核微粒子の表面
に結合することにより、触媒効果を低減する。このた
め、核微粒子の表面の一部分に金属微粒子が付着した複
合微粒子が生成する。
射する。照射条件は、使用する金属イオンの種類、量、
および所望の発色特性によって異なり、任意に選択され
得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中に含
有する金属イオンがα−水素含有アルコールで還元さ
れ、金属微粒子が生成される。核微粒子が還元の触媒と
してはたらくため、金属微粒子は核微粒子の表面におい
て優先的に還元される。界面活性剤は、核微粒子の表面
に結合することにより、触媒効果を低減する。このた
め、核微粒子の表面の一部分に金属微粒子が付着した複
合微粒子が生成する。
【0087】なお、界面活性剤の混合液への導入工程
は、1回目の紫外線、もしくはガンマ線の照射工程前に
行うことも可能であることは云うまでもない。ただし、
界面活性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させ
るため、1回目の光還元反応工程の後に行うことが好ま
しい。
は、1回目の紫外線、もしくはガンマ線の照射工程前に
行うことも可能であることは云うまでもない。ただし、
界面活性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させ
るため、1回目の光還元反応工程の後に行うことが好ま
しい。
【0088】このように、本発明の感熱発色材料が製造
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0089】上記方法により作製した感熱発色材料に熱
を付与した場合、金属微粒子部分が成長し、複合微粒子
が示す表面プラズモンの吸収波長が変化する。色調変化
を伴う発色特性により、従来材料より明確な温度履歴評
価が可能となる。
を付与した場合、金属微粒子部分が成長し、複合微粒子
が示す表面プラズモンの吸収波長が変化する。色調変化
を伴う発色特性により、従来材料より明確な温度履歴評
価が可能となる。
【0090】<第五の感熱発色材料の製造方法>本発明
の第五の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
の第五の感熱発色材料の製造方法について以下に説明す
る。
【0091】まず、少なくとも二種類以上の金属イオ
ン、α−水素含有アルコール、界面活性剤、およびマト
リックス形成材料を含有する混合物を調製する。
ン、α−水素含有アルコール、界面活性剤、およびマト
リックス形成材料を含有する混合物を調製する。
【0092】金属イオン、金属イオン源となる金属化合
物、アルコール、マトリックス形成材料、界面活性剤の
例については、上述の感熱発色材料の製造方法に準ずる
ものとする。金属イオンの総混合量としては、0.1〜
10wt%程度が好ましい。
物、アルコール、マトリックス形成材料、界面活性剤の
例については、上述の感熱発色材料の製造方法に準ずる
ものとする。金属イオンの総混合量としては、0.1〜
10wt%程度が好ましい。
【0093】界面活性剤の種類としては、第2の感熱発
色材料の製造方法の実施形態に準ずるものとする。界面
活性剤の混合物への導入量は、0.001〜10wt%
程度、好ましくは0.01〜5wt%程度の濃度で導入
することが好ましい。
色材料の製造方法の実施形態に準ずるものとする。界面
活性剤の混合物への導入量は、0.001〜10wt%
程度、好ましくは0.01〜5wt%程度の濃度で導入
することが好ましい。
【0094】調製した混合物に紫外線、もしくはγ線を
照射して、含有金属イオンを金属微粒子へと還元する。
照射して、含有金属イオンを金属微粒子へと還元する。
【0095】照射条件は、使用する金属イオンの種類、
量、および所望の発色特性によって異なり、任意に選択
され得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中
に含有する金属イオンがα−水素含有アルコールで還元
され、金属微粒子が生成される。混合液中に導入した界
面活性剤は、金属微粒子の表面に吸着する。表面に界面
活性剤が結合した微粒子は、還元反応の触媒としてのは
たらきが低下する。このため、界面活性剤の導入により
複合微粒子が生成される確率が低減される。紫外線およ
びγ線は、混合物中の金属イオンが有する固有の色(例
えば、金イオンなら淡黄色)が完全に消失するまで、も
しくはその直前まで照射することが好ましい。なぜな
ら、過度の照射は熱の付与と無関係の金属微粒子の凝集
を引き起こすからである。
量、および所望の発色特性によって異なり、任意に選択
され得る。紫外線もしくはγ線の照射により、混合物中
に含有する金属イオンがα−水素含有アルコールで還元
され、金属微粒子が生成される。混合液中に導入した界
面活性剤は、金属微粒子の表面に吸着する。表面に界面
活性剤が結合した微粒子は、還元反応の触媒としてのは
たらきが低下する。このため、界面活性剤の導入により
複合微粒子が生成される確率が低減される。紫外線およ
びγ線は、混合物中の金属イオンが有する固有の色(例
えば、金イオンなら淡黄色)が完全に消失するまで、も
しくはその直前まで照射することが好ましい。なぜな
ら、過度の照射は熱の付与と無関係の金属微粒子の凝集
を引き起こすからである。
【0096】このように、本発明の感熱発色材料が製造
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色材料は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0097】上記方法により作製した感熱発色材料に、
熱を付与すると表面プラズモン吸収による発色を示す。
各金属微粒子の吸収の重ね合わせの補色が、発色後の材
料の色となる。各金属微粒子の凝集速度が異なるため、
吸収スペクトルの概形は、熱の付与により大きく変化す
る。材料の発色輝度が温度履歴により変化するだけでな
く、材料が示す色調も、放置温度、放置時間などの温度
履歴に依存して連続的に変化する。このため、従来の感
熱発色材料と比較して、より明確な温度履歴評価が可能
となる。
熱を付与すると表面プラズモン吸収による発色を示す。
各金属微粒子の吸収の重ね合わせの補色が、発色後の材
料の色となる。各金属微粒子の凝集速度が異なるため、
吸収スペクトルの概形は、熱の付与により大きく変化す
る。材料の発色輝度が温度履歴により変化するだけでな
く、材料が示す色調も、放置温度、放置時間などの温度
履歴に依存して連続的に変化する。このため、従来の感
熱発色材料と比較して、より明確な温度履歴評価が可能
となる。
【0098】<第1の感熱発色素子>本発明の第1の感
熱発色素子について以下に説明する。
熱発色素子について以下に説明する。
【0099】本発明の第1の感熱発色素子は、基体と、
前記基体に配置された感熱発色材料を備える。
前記基体に配置された感熱発色材料を備える。
【0100】図3は作製した感熱発色素子の構成断面を
示したものであり、図3において、9は基体、3は複合
微粒子、2はマトリックス物質である。微粒子3は、核
4と核表面の少なくとも一部に金属殻構造5、もしくは
金属微粒子6が付着した複合構造により構成される微粒
子である。核4は金属カルコゲナイド化合物、もしくは
金属ハロゲン化物、もしくは金属のいずれかにより形成
される。殻5、もしくは付着微粒子6は金属により構成
される。核4が金属で構成される場合、核4と殻5、も
しくは微粒子6は別種類の金属元素により構成される。
示したものであり、図3において、9は基体、3は複合
微粒子、2はマトリックス物質である。微粒子3は、核
4と核表面の少なくとも一部に金属殻構造5、もしくは
金属微粒子6が付着した複合構造により構成される微粒
子である。核4は金属カルコゲナイド化合物、もしくは
金属ハロゲン化物、もしくは金属のいずれかにより形成
される。殻5、もしくは付着微粒子6は金属により構成
される。核4が金属で構成される場合、核4と殻5、も
しくは微粒子6は別種類の金属元素により構成される。
【0101】感熱発色材料中の、金属、金属カルコゲナ
イド化合物、金属ハロゲン化物、マトリックス物質な
ど、各構成要素の例については上述したとおりである。
イド化合物、金属ハロゲン化物、マトリックス物質な
ど、各構成要素の例については上述したとおりである。
【0102】感熱発色材料は、直接基体上に配置されて
いるか、接着剤層(例えば、エポキシ系接着剤層)を介
して配置されているか、あるいは基体上に含浸されてい
る。配置される感熱発色材料の量は、特に限定するもの
ではないが、基体1cm2あたり、好ましくは0.1m
g〜100mg、より好ましくは、1mg〜10mgで
ある。
いるか、接着剤層(例えば、エポキシ系接着剤層)を介
して配置されているか、あるいは基体上に含浸されてい
る。配置される感熱発色材料の量は、特に限定するもの
ではないが、基体1cm2あたり、好ましくは0.1m
g〜100mg、より好ましくは、1mg〜10mgで
ある。
【0103】以上のように構成された感熱発色素子は、
熱の付与が少ない状態では、複合微粒子3の殻5の厚
さ、もしくは付着微粒子6の粒径は薄い。この時点で
は、感熱発色材料層の色調は、複合微粒子3の核部分4
が示す表面プラズモンの吸収波長により決定される。一
方、一定量以上の熱の付与により、微粒子3の殻部分5
の厚さ、もしくは付着微粒子6の粒径が増大した状態で
は、複合微粒子3の表面プラズモン吸収が顕著になる。
素子全体の色調は、複合微粒子の吸収の補色により決定
される。複合微粒子の表面プラズモン吸収スペクトル
は、核部分の微粒子の表面プラズモン吸収、殻部分構成
金属微粒子が示す表面プラズモン吸収のいずれとも異な
り、殻5の厚さ、もしくは付着微粒子6の粒径に依存し
て大きく変化する。このため、本発明の感熱発色素子の
色は、熱の付与により輝度が変化するだけでなく、色調
も大きく変化させることが可能となる。このため、従来
の感熱発色素子と比較して、より明確な温度履歴評価が
可能となる。
熱の付与が少ない状態では、複合微粒子3の殻5の厚
さ、もしくは付着微粒子6の粒径は薄い。この時点で
は、感熱発色材料層の色調は、複合微粒子3の核部分4
が示す表面プラズモンの吸収波長により決定される。一
方、一定量以上の熱の付与により、微粒子3の殻部分5
の厚さ、もしくは付着微粒子6の粒径が増大した状態で
は、複合微粒子3の表面プラズモン吸収が顕著になる。
素子全体の色調は、複合微粒子の吸収の補色により決定
される。複合微粒子の表面プラズモン吸収スペクトル
は、核部分の微粒子の表面プラズモン吸収、殻部分構成
金属微粒子が示す表面プラズモン吸収のいずれとも異な
り、殻5の厚さ、もしくは付着微粒子6の粒径に依存し
て大きく変化する。このため、本発明の感熱発色素子の
色は、熱の付与により輝度が変化するだけでなく、色調
も大きく変化させることが可能となる。このため、従来
の感熱発色素子と比較して、より明確な温度履歴評価が
可能となる。
【0104】なお、基体材料としては、金属、プラスチ
ック、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましい。
ック、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましい。
【0105】<第2の感熱発色素子>本発明の第2の感
熱発色素子について以下に説明する。
熱発色素子について以下に説明する。
【0106】本発明の第2の感熱発色素子は、基体と、
前記基体に配置された感熱発色材料を備える。
前記基体に配置された感熱発色材料を備える。
【0107】図4は作製した感熱発色素子の構成断面を
示したものであり、図4において、9は基体、2はマト
リックス物質である。マトリックス物質中には、少なく
とも2種類以上の単体金属元素から成る、微粒子1、8
が分散している。熱の付与により各金属微粒子の粒径が
増大し、表面プラズモン吸収を示すことにより発色す
る。各金属元素により発色特性が異なることから、発色
途上において、素子色調が大きく変化する。このため、
発色色調の大きな変化を伴う感熱発色素子の提供が可能
となり、より定量的な温度履歴評価が可能となる。
示したものであり、図4において、9は基体、2はマト
リックス物質である。マトリックス物質中には、少なく
とも2種類以上の単体金属元素から成る、微粒子1、8
が分散している。熱の付与により各金属微粒子の粒径が
増大し、表面プラズモン吸収を示すことにより発色す
る。各金属元素により発色特性が異なることから、発色
途上において、素子色調が大きく変化する。このため、
発色色調の大きな変化を伴う感熱発色素子の提供が可能
となり、より定量的な温度履歴評価が可能となる。
【0108】なお、感熱発色材料発色材料中の金属、マ
トリックス物質などの各構成要素の例については上述し
たとおりである。
トリックス物質などの各構成要素の例については上述し
たとおりである。
【0109】感熱発色材料の基体への配置方法、配置量
については第1の感熱発色素子の実施の形態に準ずるも
のとする。
については第1の感熱発色素子の実施の形態に準ずるも
のとする。
【0110】なお、基体材料としては、金属、プラスチ
ック、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましい。
ック、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましい。
【0111】<第1の感熱発色素子の製造方法>本発明
の第1の感熱発色素子の製造方法について以下に説明す
る。
の第1の感熱発色素子の製造方法について以下に説明す
る。
【0112】まず、金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製し、攪拌する。
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製し、攪拌する。
【0113】次いで、混合物に1回目の紫外線、もしく
はγ線照射を行う。光還元反応により、金属イオンが金
属原子へと還元され、マトリックス物質中に金属微粒子
が分散される。生成した金属微粒子は、最終工程終了時
に複合微粒子の核部分をなす、核微粒子である。
はγ線照射を行う。光還元反応により、金属イオンが金
属原子へと還元され、マトリックス物質中に金属微粒子
が分散される。生成した金属微粒子は、最終工程終了時
に複合微粒子の核部分をなす、核微粒子である。
【0114】次いで、上記混合物中に含有している金属
イオンとは異なる種類の金属イオンを、混合物に添加す
る。
イオンとは異なる種類の金属イオンを、混合物に添加す
る。
【0115】次いで、上記混合物を基体上に配置する。
基体への配置方法、配置量については、第1の感熱発色
素子の実施の形態に準ずるものとする。
基体への配置方法、配置量については、第1の感熱発色
素子の実施の形態に準ずるものとする。
【0116】次いで、基体上に配置された感熱発色材料
層に、2回目の紫外線、もしくはγ線の照射を行い、金
属イオンをアルコールにより光還元する。1回目の照射
により形成した核微粒子が、2回目の照射による光還元
反応の触媒としてはたらくため、還元反応は核微粒子表
面において高い確率で起こる。このため、金属微粒子表
面全域に別種類の金属元素が殻構造をなす、複合微粒子
が形成される。
層に、2回目の紫外線、もしくはγ線の照射を行い、金
属イオンをアルコールにより光還元する。1回目の照射
により形成した核微粒子が、2回目の照射による光還元
反応の触媒としてはたらくため、還元反応は核微粒子表
面において高い確率で起こる。このため、金属微粒子表
面全域に別種類の金属元素が殻構造をなす、複合微粒子
が形成される。
【0117】なお、混合物、基体の各構成要素、乾燥処
理、二度の紫外線もしくはγ線の照射条件、金属イオン
の混合比などの詳細は、上述したとおりである。
理、二度の紫外線もしくはγ線の照射条件、金属イオン
の混合比などの詳細は、上述したとおりである。
【0118】このように、本発明の感熱発色素子が製造
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0119】上記方法で作製した感熱発色素子に、熱を
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と殻部分の大きさの比が変化するにつれ、連続的に
吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつれ発色
輝度が変化することは、従来の感熱発色素子と同様であ
る。このため、本実施の形態の製造法により製造した感
熱発色素子は、従来素子より明確な温度履歴変化を示
し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と殻部分の大きさの比が変化するにつれ、連続的に
吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつれ発色
輝度が変化することは、従来の感熱発色素子と同様であ
る。このため、本実施の形態の製造法により製造した感
熱発色素子は、従来素子より明確な温度履歴変化を示
し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
【0120】なお、上記実施例では、1回目の紫外線、
もしくはγ線の照射を、金属イオンを含む混合物を基体
上へ配置する工程の前に行ったが、工程の順序を逆にし
た場合においても、同様の感熱発色素子を作製すること
が可能である。この場合、1回目の紫外線、もしくはγ
線の照射を、混合物を配置した基体に対して行う。基体
上に配置された金属イオンとは異なる種類の金属イオン
を含む混合物を、第2の混合物として調製する。第2の
混合物には、α−水素含有アルコール、マトリックス形
成材料を含む。第1の混合物を配置させ、紫外線、もし
くはγ線を1回照射済みの基体上に、第2の混合物を配
置させ、さらに紫外線、もしくはγ線の2回目の照射を
行う。
もしくはγ線の照射を、金属イオンを含む混合物を基体
上へ配置する工程の前に行ったが、工程の順序を逆にし
た場合においても、同様の感熱発色素子を作製すること
が可能である。この場合、1回目の紫外線、もしくはγ
線の照射を、混合物を配置した基体に対して行う。基体
上に配置された金属イオンとは異なる種類の金属イオン
を含む混合物を、第2の混合物として調製する。第2の
混合物には、α−水素含有アルコール、マトリックス形
成材料を含む。第1の混合物を配置させ、紫外線、もし
くはγ線を1回照射済みの基体上に、第2の混合物を配
置させ、さらに紫外線、もしくはγ線の2回目の照射を
行う。
【0121】<第2の感熱発色素子の製造方法>本発明
の第2の感熱発色素子の製造方法について以下に説明す
る。
の第2の感熱発色素子の製造方法について以下に説明す
る。
【0122】まず、金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製し、攪拌する。
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製し、攪拌する。
【0123】次いで、混合物に1回目の紫外線もしくは
γ線の照射を行う。この工程で生成した金属微粒子は、
最終工程終了時に感熱発色材料内に生成する複合微粒子
の核部分を構成する。
γ線の照射を行う。この工程で生成した金属微粒子は、
最終工程終了時に感熱発色材料内に生成する複合微粒子
の核部分を構成する。
【0124】次いで、上記混合物中に含有している金属
イオンとは異なる種類の金属イオン、および界面活性剤
を、混合物に添加する。
イオンとは異なる種類の金属イオン、および界面活性剤
を、混合物に添加する。
【0125】次いで、上記混合物を基体上に配置する。
次いで、基体上に配置された感熱発色材料層に二度目の
紫外線、もしくはγ線照射を行い、金属イオンをアルコ
ールにより光還元する。感熱発色材料中への界面活性剤
の導入により、1回目の光還元反応により生成した金属
微粒子が、触媒としてはたらく効果が低減される。この
ため、2回目の光還元反応により生成する金属微粒子
は、核微粒子の表面の全域を殻として被覆する確率が減
少する。この結果、核金属微粒子の表面に金属微粒子が
付着した、複合微粒子構造が形成される。
次いで、基体上に配置された感熱発色材料層に二度目の
紫外線、もしくはγ線照射を行い、金属イオンをアルコ
ールにより光還元する。感熱発色材料中への界面活性剤
の導入により、1回目の光還元反応により生成した金属
微粒子が、触媒としてはたらく効果が低減される。この
ため、2回目の光還元反応により生成する金属微粒子
は、核微粒子の表面の全域を殻として被覆する確率が減
少する。この結果、核金属微粒子の表面に金属微粒子が
付着した、複合微粒子構造が形成される。
【0126】なお、混合物、界面活性剤の選択、基体の
各構成要素、感熱発色材料の基体への配置方法、および
配置量、乾燥処理、二度の紫外線もしくはγ線の照射条
件、金属イオンの混合比などの詳細は、上述したとおり
である。
各構成要素、感熱発色材料の基体への配置方法、および
配置量、乾燥処理、二度の紫外線もしくはγ線の照射条
件、金属イオンの混合比などの詳細は、上述したとおり
である。
【0127】なお、界面活性剤は、1回目の紫外線、も
しくはガンマ線の照射を行う前に、混合液に導入するこ
とも可能であることは云うまでもない。ただし、界面活
性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させるた
め、1回目の光還元反応工程の後に行うことが好まし
い。
しくはガンマ線の照射を行う前に、混合液に導入するこ
とも可能であることは云うまでもない。ただし、界面活
性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させるた
め、1回目の光還元反応工程の後に行うことが好まし
い。
【0128】このように、本発明の感熱発色素子が製造
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0129】上記方法で作製した感熱発色素子に、熱を
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色素子と同
様である。このため、本実施の形態の製造法により製造
した感熱発色素子は、従来素子より明確な温度履歴変化
を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、単体の金属微粒子が示す吸収とは異なっており、核
部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色素子と同
様である。このため、本実施の形態の製造法により製造
した感熱発色素子は、従来素子より明確な温度履歴変化
を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
【0130】なお、上記実施例では、1回目の紫外線、
もしくはγ線の照射を、金属イオンを含む混合物を基体
上へ配置する工程の前に行ったが、工程の順序を逆にし
た場合においても、同様の感熱発色素子を作製すること
が可能である。この場合、1回目の紫外線、もしくはγ
線の照射を、混合物を配置した基体に対して行う。基体
上に配置された金属イオンとは異なる種類の金属イオン
を含む混合物を、第2の混合物として調製する。第2の
混合物には、α−水素含有アルコール、マトリックス形
成材料、界面活性剤を含む。第1の混合物を配置させ、
紫外線、もしくはγ線を1回照射済みの基体上に、第2
の混合物を配置させ、さらに紫外線、もしくはγ線の2
回目の照射を行う。この場合、界面活性剤は1回目に調
製する混合物内に含む場合も同様の効果が得られる。
もしくはγ線の照射を、金属イオンを含む混合物を基体
上へ配置する工程の前に行ったが、工程の順序を逆にし
た場合においても、同様の感熱発色素子を作製すること
が可能である。この場合、1回目の紫外線、もしくはγ
線の照射を、混合物を配置した基体に対して行う。基体
上に配置された金属イオンとは異なる種類の金属イオン
を含む混合物を、第2の混合物として調製する。第2の
混合物には、α−水素含有アルコール、マトリックス形
成材料、界面活性剤を含む。第1の混合物を配置させ、
紫外線、もしくはγ線を1回照射済みの基体上に、第2
の混合物を配置させ、さらに紫外線、もしくはγ線の2
回目の照射を行う。この場合、界面活性剤は1回目に調
製する混合物内に含む場合も同様の効果が得られる。
【0131】<第三の感熱発色素子の製造方法>以下
に、本発明の第三の感熱発色素子の製造方法について説
明する。
に、本発明の第三の感熱発色素子の製造方法について説
明する。
【0132】まず、金属イオン、上記金属元素と反応し
てカルコゲナイド化合物もしくはハロゲン化合物のいず
れかを生成する、カルコゲン元素もしくはハロゲン元素
のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
てカルコゲナイド化合物もしくはハロゲン化合物のいず
れかを生成する、カルコゲン元素もしくはハロゲン元素
のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
【0133】調製した混合物を、攪拌により反応させる
ことにより、金属カルコゲン化合物、もしくは金属ハロ
ゲン化物のいずれかからなる、微粒子構造が形成され
る。上記微粒子は、最終的に形成される複合微粒子構造
の核部分を形成する。
ことにより、金属カルコゲン化合物、もしくは金属ハロ
ゲン化物のいずれかからなる、微粒子構造が形成され
る。上記微粒子は、最終的に形成される複合微粒子構造
の核部分を形成する。
【0134】次いで、混合物を基体上に配置する。次い
で、基体上に配置された感熱発色材料層に、紫外線もし
くはγ線を照射する。核微粒子の触媒効果により、金属
イオンの金属原子への光還元は、核微粒子の表面におい
て高い確率で起こる。この結果、核部分の微粒子表面
を、金属殻構造が被覆した複合微粒子構造が、マトリッ
クス物質中に分散されて形成される。
で、基体上に配置された感熱発色材料層に、紫外線もし
くはγ線を照射する。核微粒子の触媒効果により、金属
イオンの金属原子への光還元は、核微粒子の表面におい
て高い確率で起こる。この結果、核部分の微粒子表面
を、金属殻構造が被覆した複合微粒子構造が、マトリッ
クス物質中に分散されて形成される。
【0135】なお、混合物、基体の各構成要素、基体へ
の配置方法、乾燥処理、紫外線、もしくはγ線の照射条
件などの詳細は、上述したとおりである。
の配置方法、乾燥処理、紫外線、もしくはγ線の照射条
件などの詳細は、上述したとおりである。
【0136】このように、本発明の感熱発色素子が製造
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0137】上記方法で作製した感熱発色素子に、熱を
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、核部分と殻部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色素子と同
様である。このため、本実施の形態の製造方法により製
造した感熱発色素子は、従来素子より明確な温度履歴変
化を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、核部分と殻部分の大きさの比が変化するにつれ、連
続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があるにつ
れ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色素子と同
様である。このため、本実施の形態の製造方法により製
造した感熱発色素子は、従来素子より明確な温度履歴変
化を示し、より明確な温度履歴評価を可能とする。
【0138】<第四の感熱発色素子の製造方法>以下
に、本発明の第四の感熱発色素子の製造方法について説
明する。
に、本発明の第四の感熱発色素子の製造方法について説
明する。
【0139】まず、金属イオン、上記金属元素と反応し
てカルコゲナイド化合物もしくはハロゲン化合物のいず
れかを生成する、カルコゲン元素もしくはハロゲン元素
のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
てカルコゲナイド化合物もしくはハロゲン化合物のいず
れかを生成する、カルコゲン元素もしくはハロゲン元素
のいずれかを含有する化合物、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含有する混合物を調
製する。
【0140】調製した混合物を、攪拌により反応させる
ことにより、金属カルコゲン化合物、もしくは金属ハロ
ゲン化物のいずれかからなる、微粒子構造が形成され
る。上記微粒子は、最終的に形成される複合微粒子構造
の核部分を形成する。
ことにより、金属カルコゲン化合物、もしくは金属ハロ
ゲン化物のいずれかからなる、微粒子構造が形成され
る。上記微粒子は、最終的に形成される複合微粒子構造
の核部分を形成する。
【0141】次いで、混合物を基体上に配置する。次い
で、基体上に配置された感熱発色材料層に、紫外線もし
くはγ線を照射する。核微粒子の触媒効果により、金属
イオンの金属原子への光還元は、核微粒子の表面におい
て高い確率で起こる。この結果、核部分の微粒子表面
を、金属殻構造が被覆した複合微粒子構造が、マトリッ
クス物質中に分散されて形成される。
で、基体上に配置された感熱発色材料層に、紫外線もし
くはγ線を照射する。核微粒子の触媒効果により、金属
イオンの金属原子への光還元は、核微粒子の表面におい
て高い確率で起こる。この結果、核部分の微粒子表面
を、金属殻構造が被覆した複合微粒子構造が、マトリッ
クス物質中に分散されて形成される。
【0142】なお、混合物、基体の各構成要素、基体へ
の配置方法、乾燥処理、紫外線、もしくはγ線の照射条
件などの詳細は、上述したとおりである。
の配置方法、乾燥処理、紫外線、もしくはγ線の照射条
件などの詳細は、上述したとおりである。
【0143】なお、界面活性剤は、紫外線、もしくはガ
ンマ線の1回目の照射を行う前に、混合液に導入するこ
とも可能であることは云うまでもない。ただし、界面活
性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させるた
め、1回目の光還元反応工程の後に行うことが好まし
い。
ンマ線の1回目の照射を行う前に、混合液に導入するこ
とも可能であることは云うまでもない。ただし、界面活
性剤の導入は、光還元反応の反応速度を低下させるた
め、1回目の光還元反応工程の後に行うことが好まし
い。
【0144】このように、本発明の感熱発色素子が製造
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0145】上記方法で作製した感熱発色素子に、熱を
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、核部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつ
れ、連続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があ
るにつれ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色素
子と同様である。このため、本実施の形態の製造方法に
より製造した感熱発色素子は、従来素子より明確な温度
履歴変化を示し、より明確な温度履歴評価を可能とす
る。
付与することにより、表面プラズモン吸収に基づく発色
が起こる。複合微粒子が示す表面プラズモン吸収波長
は、核部分と核以外の部分の大きさの比が変化するにつ
れ、連続的に吸収波長が変化する。また、熱の付与があ
るにつれ発色輝度が変化することは、従来の感熱発色素
子と同様である。このため、本実施の形態の製造方法に
より製造した感熱発色素子は、従来素子より明確な温度
履歴変化を示し、より明確な温度履歴評価を可能とす
る。
【0146】<第五の感熱発色素子の製造方法>本発明
の第五の感熱発色素子の製造方法について以下に説明す
る。
の第五の感熱発色素子の製造方法について以下に説明す
る。
【0147】まず、二種類以上の金属イオン、α−水素
含有アルコール、界面活性剤、およびマトリックス形成
材料を含有する混合物を調製し、攪拌する。
含有アルコール、界面活性剤、およびマトリックス形成
材料を含有する混合物を調製し、攪拌する。
【0148】次いで、上記混合物を基体上に配置する。
感熱発色材料層は、直接の基体上への配置、接着剤層
(例えば、エポキシ系接着剤層)を介しての配置、ある
いは基体上への含浸により配置する。なお、接着により
配置する場合、感熱発色材料には乾燥処理を行う必要が
ある。
感熱発色材料層は、直接の基体上への配置、接着剤層
(例えば、エポキシ系接着剤層)を介しての配置、ある
いは基体上への含浸により配置する。なお、接着により
配置する場合、感熱発色材料には乾燥処理を行う必要が
ある。
【0149】次いで、基体上に配置された混合物に、紫
外線もしくはγ線の照射を行う。この結果、光還元反応
により金属イオンが金属原子へと還元される。生成した
金属原子が凝集した金属微粒子は、異なる種類の金属イ
オンが光還元される際に触媒としてはたらくため、この
効果を低減するため界面活性剤を混合物に導入する。界
面活性剤の導入により、異種の金属同士のが凝集して複
合微粒子を構成することなく、単体金属元素からなる金
属微粒子が形成される。
外線もしくはγ線の照射を行う。この結果、光還元反応
により金属イオンが金属原子へと還元される。生成した
金属原子が凝集した金属微粒子は、異なる種類の金属イ
オンが光還元される際に触媒としてはたらくため、この
効果を低減するため界面活性剤を混合物に導入する。界
面活性剤の導入により、異種の金属同士のが凝集して複
合微粒子を構成することなく、単体金属元素からなる金
属微粒子が形成される。
【0150】なお、混合物、界面活性剤の選択、基体の
各構成要素、乾燥処理、二度の紫外線もしくはγ線の照
射条件、金属イオンの混合比などの詳細は、上述したと
おりである。
各構成要素、乾燥処理、二度の紫外線もしくはγ線の照
射条件、金属イオンの混合比などの詳細は、上述したと
おりである。
【0151】このように、本発明の感熱発色素子が製造
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
される。感熱発色素子は、熱、および光の付与により発
色するので、製造後は直ちに低温、暗所の条件下で保存
されることが好ましい。
【0152】上記方法により作製した感熱発色素子に、
熱を付与すると表面プラズモン吸収による発色を示す。
各金属微粒子の吸収の重ね合わせの補色が、発色後の素
子の色となる。各金属微粒子の凝集速度が異なるため、
吸収スペクトルは熱の付与により大きく変化する。素子
の発色輝度が温度履歴により変化するだけでなく、素子
が示す色調も、放置温度、放置時間などの温度履歴に依
存して連続的に変化する。このため、従来の感熱発色素
子と比較して、より明確な温度履歴評価が可能となる。
熱を付与すると表面プラズモン吸収による発色を示す。
各金属微粒子の吸収の重ね合わせの補色が、発色後の素
子の色となる。各金属微粒子の凝集速度が異なるため、
吸収スペクトルは熱の付与により大きく変化する。素子
の発色輝度が温度履歴により変化するだけでなく、素子
が示す色調も、放置温度、放置時間などの温度履歴に依
存して連続的に変化する。このため、従来の感熱発色素
子と比較して、より明確な温度履歴評価が可能となる。
【0153】<感熱発色素子>以下に、本発明の感熱発
色素子について説明する。
色素子について説明する。
【0154】図7に本発明の感熱発色素子の概念図を示
す。冷凍保存物、もしくは冷蔵保存物10に添付されて
いる感熱発色素子のバーコード表示領域11に、感熱発
色材料塗布領域12を設定する。図7(a)に示すよう
に、熱の付与が無かった場合には、通常のバーコード情
報を読みとり装置に与える。また、図7(b)に示すよ
うに熱が付与された場合は、感熱発色材料が発色し、通
常とは異なるバーコード情報を表示する。
す。冷凍保存物、もしくは冷蔵保存物10に添付されて
いる感熱発色素子のバーコード表示領域11に、感熱発
色材料塗布領域12を設定する。図7(a)に示すよう
に、熱の付与が無かった場合には、通常のバーコード情
報を読みとり装置に与える。また、図7(b)に示すよ
うに熱が付与された場合は、感熱発色材料が発色し、通
常とは異なるバーコード情報を表示する。
【0155】このようにして、従来から使用されている
バーコード読みとりシステムを利用した、短時間での温
度履歴評価が可能となる。
バーコード読みとりシステムを利用した、短時間での温
度履歴評価が可能となる。
【0156】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。なお、
本発明はこれらの実施例に限定されない。
本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0157】(実施例1)以下の表1で示される材料で
構成される溶液を調製した。
構成される溶液を調製した。
【0158】
【表1】
【0159】上記溶液に、金属化合物として0.05g
のAgClO4を添加し、混合物を室温で10分間攪拌
した。攪拌後、1分間γ線を照射した。この時、溶液の
色は無色であった。この状態の溶液中には、粒子径1n
m以下の銀微粒子が分散しているものと思われる。この
混合溶液に0.1gのAuHCl4を添加した。混合物
を室温で1分間攪拌した後、平板上にキャストし、5℃
で5日間乾燥処理を行うことにより、厚さ300μmの
透明な薄黄色のゲルのフィルムを得た。
のAgClO4を添加し、混合物を室温で10分間攪拌
した。攪拌後、1分間γ線を照射した。この時、溶液の
色は無色であった。この状態の溶液中には、粒子径1n
m以下の銀微粒子が分散しているものと思われる。この
混合溶液に0.1gのAuHCl4を添加した。混合物
を室温で1分間攪拌した後、平板上にキャストし、5℃
で5日間乾燥処理を行うことにより、厚さ300μmの
透明な薄黄色のゲルのフィルムを得た。
【0160】このフィルムに、UVランプを用いて波長
254nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色
したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は1分とした。紫外線照射により、銀微粒
子の粒径が増大すると共に、金イオンが還元され、微小
な金微粒子が生成される。吸収スペクトルを測定する
と、波長380nm付近に、銀微粒子が示す表面プラズ
モン吸収が確認された。
254nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色
したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は1分とした。紫外線照射により、銀微粒
子の粒径が増大すると共に、金イオンが還元され、微小
な金微粒子が生成される。吸収スペクトルを測定する
と、波長380nm付近に、銀微粒子が示す表面プラズ
モン吸収が確認された。
【0161】このフィルムを一方は、室温に放置し、も
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増して
いき、最終的には赤いオレンジ色へと変色した。この
間、フィルムが示す色調は、肉眼で明確に確認できる変
化を示した。また、時間の経過につれ発色の度合いは目
に見えて濃くなった。
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増して
いき、最終的には赤いオレンジ色へと変色した。この
間、フィルムが示す色調は、肉眼で明確に確認できる変
化を示した。また、時間の経過につれ発色の度合いは目
に見えて濃くなった。
【0162】従来の感熱発色材料では、発色開始時と発
色完了時の吸収ピークの波長変化は、最大でも20nm
であった。本実施例に記載の感熱発色材料は、発色開始
時と、発色完了時において、150nmの吸収ピークの
波長変化を達成した。また、10分経過後と30分経過
後においては、40nmもの吸収ピークのシフトが得ら
れており、発色色調が明確に変化したことが分かった。
色完了時の吸収ピークの波長変化は、最大でも20nm
であった。本実施例に記載の感熱発色材料は、発色開始
時と、発色完了時において、150nmの吸収ピークの
波長変化を達成した。また、10分経過後と30分経過
後においては、40nmもの吸収ピークのシフトが得ら
れており、発色色調が明確に変化したことが分かった。
【0163】室温放置後の吸収スペクトルの変化を図6
に示す。室温放置後十分間は、時間が経つほど波長38
0nm付近の吸収ピークが鋭く、強くなった。これは、
熱の付与により、表面プラズモン吸収を示す粒径(数n
m以上)の銀微粒子濃度が増大することに起因するもの
である。その後、銀微粒子の表面プラズモン吸収のピー
ク強度は急激に減少し、また、吸収波長は長波長側に移
り、最終的には520nm付近まで移動した。520n
m付近の吸収ピーク強度は、室温放置後30分経過後か
ら増加した。また、波長520nmの短波長側は、ブロ
ードな吸収があるのに比べ、長波長側には吸収がほとん
ど存在しなかった。このため、最終到達色は赤みを強く
帯びたオレンジ色となった。銀微粒子の表面プラズモン
吸収ピークが消失すること、金微粒子の表面プラズモン
吸収ピーク(波長550nm)が存在しないことから、
最終的にフィルム内には、銀微粒子を核とし、金により
表面を被覆された構造の複合微粒子が存在しているもの
と考えられる。
に示す。室温放置後十分間は、時間が経つほど波長38
0nm付近の吸収ピークが鋭く、強くなった。これは、
熱の付与により、表面プラズモン吸収を示す粒径(数n
m以上)の銀微粒子濃度が増大することに起因するもの
である。その後、銀微粒子の表面プラズモン吸収のピー
ク強度は急激に減少し、また、吸収波長は長波長側に移
り、最終的には520nm付近まで移動した。520n
m付近の吸収ピーク強度は、室温放置後30分経過後か
ら増加した。また、波長520nmの短波長側は、ブロ
ードな吸収があるのに比べ、長波長側には吸収がほとん
ど存在しなかった。このため、最終到達色は赤みを強く
帯びたオレンジ色となった。銀微粒子の表面プラズモン
吸収ピークが消失すること、金微粒子の表面プラズモン
吸収ピーク(波長550nm)が存在しないことから、
最終的にフィルム内には、銀微粒子を核とし、金により
表面を被覆された構造の複合微粒子が存在しているもの
と考えられる。
【0164】乾燥処理を行わない混合溶液に同様のγ
線、および紫外線の照射を行ったところ、同様の吸収ス
ペクトル変化を示した。最終段階まで発色した混合溶液
の一部をTEM写真により観察したところ、マトリック
ス物質内には35nm程度の粒径を有する微粒子が分散
していた。微粒子の形状はほぼ球状であった。単体の
金、銀の微粒子が存在しないことから、複合微粒子が形
成しているものと思われる。
線、および紫外線の照射を行ったところ、同様の吸収ス
ペクトル変化を示した。最終段階まで発色した混合溶液
の一部をTEM写真により観察したところ、マトリック
ス物質内には35nm程度の粒径を有する微粒子が分散
していた。微粒子の形状はほぼ球状であった。単体の
金、銀の微粒子が存在しないことから、複合微粒子が形
成しているものと思われる。
【0165】一方、低温で保存したフィルムは、2ヶ月
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、黄色から
赤みがかかったオレンジ色へと発色を起こした。
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、黄色から
赤みがかかったオレンジ色へと発色を起こした。
【0166】表2に、本実施例の感熱発色材料の室温で
の発色特性を示し、従来の感熱発色材料の発色特性との
比較を示す。なお、本明細書中では、発色程度を評価す
る値として、材料の輝度の変化率を発色輝度と定義して
使用する。
の発色特性を示し、従来の感熱発色材料の発色特性との
比較を示す。なお、本明細書中では、発色程度を評価す
る値として、材料の輝度の変化率を発色輝度と定義して
使用する。
【0167】
【表2】
【0168】上記表より明らかなように、本発明の感熱
発色材料を従来例と比較した場合、発色中に発色色調の
大きな変化が得られることが分かった。発色色調の変化
により、従来材料よりもより定量的な放置時間評価が可
能となる。
発色材料を従来例と比較した場合、発色中に発色色調の
大きな変化が得られることが分かった。発色色調の変化
により、従来材料よりもより定量的な放置時間評価が可
能となる。
【0169】また、上記材料を20℃、10℃、0℃、
−10℃、−20℃の温度雰囲気にそれぞれ3時間放置
した。発色特性の詳細を従来材料特性との比較とともに
表3に示す。
−10℃、−20℃の温度雰囲気にそれぞれ3時間放置
した。発色特性の詳細を従来材料特性との比較とともに
表3に示す。
【0170】
【表3】
【0171】上記表より明らかなように、放置温度に依
存しない一定色調で発色していた従来の感熱発色材料と
比較した場合、放置温度に依存した明確な発色色調変化
を伴う本実施例の感熱発色材料、より定量的な放置温度
評価を可能とする。
存しない一定色調で発色していた従来の感熱発色材料と
比較した場合、放置温度に依存した明確な発色色調変化
を伴う本実施例の感熱発色材料、より定量的な放置温度
評価を可能とする。
【0172】上記と同様の反応は、金、銀に限らず、上
述してきた種種の金属を使用しても確認された。ただ
し、紫外線照射による光還元反応の効率が最も高い金属
が金であること、発色色調、色度が明確であること、を
考慮すると、核部分が銀、殻部分が金により構成される
微粒子構成が、最も明確に温度履歴変化を示し得た。
述してきた種種の金属を使用しても確認された。ただ
し、紫外線照射による光還元反応の効率が最も高い金属
が金であること、発色色調、色度が明確であること、を
考慮すると、核部分が銀、殻部分が金により構成される
微粒子構成が、最も明確に温度履歴変化を示し得た。
【0173】また、紫外線、およびγ線のいずれの照射
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
【0174】また、マトリックス形成材料として、上記
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
【0175】(実施例2)表1に示した組成の溶液に、
金属化合物として0.05gのAgClO4を添加し、
混合物を室温で10分間攪拌した。攪拌後、1分間γ線
を照射した。この時、溶液の色は無色であった。この状
態の溶液中には、1nm以下の粒径を有する銀微粒子が
分散しているものと思われる。この混合溶液に0.1g
のAuHCl4を添加した。混合物を室温で1分間攪拌
した後、厚さ100μmのクラフト紙(基体)上に、ス
ピンコート法により塗布した。塗布後5℃で1日間乾燥
処理を行い、厚み約0.5μmの透明な薄黄色の薄膜状
ゲルのフィルムを基体上に有する積層体を得た。
金属化合物として0.05gのAgClO4を添加し、
混合物を室温で10分間攪拌した。攪拌後、1分間γ線
を照射した。この時、溶液の色は無色であった。この状
態の溶液中には、1nm以下の粒径を有する銀微粒子が
分散しているものと思われる。この混合溶液に0.1g
のAuHCl4を添加した。混合物を室温で1分間攪拌
した後、厚さ100μmのクラフト紙(基体)上に、ス
ピンコート法により塗布した。塗布後5℃で1日間乾燥
処理を行い、厚み約0.5μmの透明な薄黄色の薄膜状
ゲルのフィルムを基体上に有する積層体を得た。
【0176】この積層体に、UVランプを用いて波長2
54nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色し
たフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は2分とした。
54nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色し
たフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は2分とした。
【0177】この積層体を、一方は室温に放置し、もう
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増してい
き、最終的には赤いオレンジ色へと変色した。この間、
積層体が示す色調は、肉眼で明確に確認可能な変化を示
した。また、時間の経過につれ発色の度合いは目に見え
て濃くなった。積層体が示した色の変化は、実施例1に
記載のゲルのフィルムの色の変化とほぼ同様の特性を示
した。このことから、クラフト紙上へ配置されたフィル
ム中には複合微粒子が分散しており、熱の付与により粒
径が不可逆的に変化したものと思われる。
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増してい
き、最終的には赤いオレンジ色へと変色した。この間、
積層体が示す色調は、肉眼で明確に確認可能な変化を示
した。また、時間の経過につれ発色の度合いは目に見え
て濃くなった。積層体が示した色の変化は、実施例1に
記載のゲルのフィルムの色の変化とほぼ同様の特性を示
した。このことから、クラフト紙上へ配置されたフィル
ム中には複合微粒子が分散しており、熱の付与により粒
径が不可逆的に変化したものと思われる。
【0178】一方、低温で保存したフィルムは、2ヶ月
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、黄色から
赤みのかかったオレンジ色へと発色を起こした。
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、黄色から
赤みのかかったオレンジ色へと発色を起こした。
【0179】上記と同様の発色特性は、クラフト紙を使
用した上記例に限らず、基体材料として、金属、プラス
チック、布、紙から選ばれる材料を用いたいずれの場合
においても得られた。
用した上記例に限らず、基体材料として、金属、プラス
チック、布、紙から選ばれる材料を用いたいずれの場合
においても得られた。
【0180】(実施例3)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm以下のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。混合物を平板上にキャストし、5℃で5日間乾燥
処理を行うことにより、厚さ300μmの透明な薄黄緑
色のゲルのフィルムを得た。
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm以下のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。混合物を平板上にキャストし、5℃で5日間乾燥
処理を行うことにより、厚さ300μmの透明な薄黄緑
色のゲルのフィルムを得た。
【0181】このフィルムに、UVランプを用いて波長
254nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変
色したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm
2で、照射時間は30秒とした。紫外線照射により、金
イオンが還元され、微小な金微粒子が生成される。
254nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変
色したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm
2で、照射時間は30秒とした。紫外線照射により、金
イオンが還元され、微小な金微粒子が生成される。
【0182】このフィルムを一方は、室温に放置し、も
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には、緑色から赤みを徐々に増して
いき、一旦茶色っぽく変色した後、最終的には濃い緑色
へと変化した。この間、フィルムが示す色調は、肉眼で
明確に確認できる変化を示した。また、時間の経過につ
れ発色の度合いは目に見えて濃くなった。
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には、緑色から赤みを徐々に増して
いき、一旦茶色っぽく変色した後、最終的には濃い緑色
へと変化した。この間、フィルムが示す色調は、肉眼で
明確に確認できる変化を示した。また、時間の経過につ
れ発色の度合いは目に見えて濃くなった。
【0183】室温放置後すぐのフィルムの吸収スペクト
ルを測定すると、波長540nm付近に金微粒子が示す
表面プラズモン吸収が確認された。
ルを測定すると、波長540nm付近に金微粒子が示す
表面プラズモン吸収が確認された。
【0184】一方、金微粒子の表面プラズモン吸収ピー
クとは異なる長波長側に、ピークが現れた。この吸収ピ
ークは、波長700nm程度に現れたあと、放置時間の
経過と共に、数十分間は900nm程度にまで長波長側
に移動した。その後、時間の経過と共に、吸収強度を増
大させながら、吸収ピーク波長は650nmまで短波長
側へ移動した。この吸収は、Au2S微粒子を核部分と
し、周囲に金からなる殻部分を有する構造の微粒子のプ
ラズモン吸収に起因するものと思われる。表4に、複合
微粒子の表面プラズモン吸収のピーク波長の室温での放
置時間依存性を示す。また、金微粒子の表面プラズモン
吸収強度も、時間の経過と共に強くなった。
クとは異なる長波長側に、ピークが現れた。この吸収ピ
ークは、波長700nm程度に現れたあと、放置時間の
経過と共に、数十分間は900nm程度にまで長波長側
に移動した。その後、時間の経過と共に、吸収強度を増
大させながら、吸収ピーク波長は650nmまで短波長
側へ移動した。この吸収は、Au2S微粒子を核部分と
し、周囲に金からなる殻部分を有する構造の微粒子のプ
ラズモン吸収に起因するものと思われる。表4に、複合
微粒子の表面プラズモン吸収のピーク波長の室温での放
置時間依存性を示す。また、金微粒子の表面プラズモン
吸収強度も、時間の経過と共に強くなった。
【0185】
【表4】
【0186】一方、低温で保存したフィルムは、2ヶ月
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、上記変化
と同様の発色変化を示した。
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、上記変化
と同様の発色変化を示した。
【0187】上記色調変化は、放置時間を変化させた場
合だけでなく、放置温度を変化させた場合においても確
認された。発色色調が熱の付与の程度により変化するこ
とにより、より定量的な温度履歴評価が可能となる。
合だけでなく、放置温度を変化させた場合においても確
認された。発色色調が熱の付与の程度により変化するこ
とにより、より定量的な温度履歴評価が可能となる。
【0188】上記と同様の反応は、金、銀に限らず、上
述してきた種種の金属を使用しても確認された。また、
金属と反応し微粒子の核部分を形成する元素としても、
カルコゲン元素、ハロゲン族元素などが使用可能であっ
た。また、核部分を構成する金属元素と、殻部分を構成
する金属元素が異なる場合でも、同様の発色特性は確認
された。ただし、紫外線照射による光還元反応の効率が
最も高い金属が金であること、発色色調、色度が明確で
あること、を考慮すると、核部分が金のカルコゲナイド
化合物、殻部分が金により構成される微粒子構成が、最
も明確に温度履歴変化を示し得た。
述してきた種種の金属を使用しても確認された。また、
金属と反応し微粒子の核部分を形成する元素としても、
カルコゲン元素、ハロゲン族元素などが使用可能であっ
た。また、核部分を構成する金属元素と、殻部分を構成
する金属元素が異なる場合でも、同様の発色特性は確認
された。ただし、紫外線照射による光還元反応の効率が
最も高い金属が金であること、発色色調、色度が明確で
あること、を考慮すると、核部分が金のカルコゲナイド
化合物、殻部分が金により構成される微粒子構成が、最
も明確に温度履歴変化を示し得た。
【0189】また、マトリックス形成材料として、上記
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、樹脂を用いた場合でも、同様の発色特性を
得ることが可能である。
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、樹脂を用いた場合でも、同様の発色特性を
得ることが可能である。
【0190】(実施例4)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm程度のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。混合物を厚さ100μmのクラフト紙(基体)上
に、スピンコート法により塗布した。塗布後5℃で1日
間乾燥処理を行い、厚み約0.5μmの透明な薄黄緑色
の薄膜状ゲルのフィルムを基体上に有する積層体を得
た。
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm程度のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。混合物を厚さ100μmのクラフト紙(基体)上
に、スピンコート法により塗布した。塗布後5℃で1日
間乾燥処理を行い、厚み約0.5μmの透明な薄黄緑色
の薄膜状ゲルのフィルムを基体上に有する積層体を得
た。
【0191】この積層体に、UVランプを用いて波長2
54nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変色
した積層体を得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は30秒とした。
54nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変色
した積層体を得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は30秒とした。
【0192】この積層体を一方は、室温に放置し、もう
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、十分程度経過した後に色調、および輝度変化を示
し始めた。数十分後には緑色から赤みを徐々に増してい
き、一旦茶色っぽく変色した後、最終的には濃い緑色へ
と変色した。この間、積層体が示す色調は、肉眼で明確
に確認可能な変化を示した。また、時間の経過につれ発
色の度合いは目に見えて濃くなった。色調変化の室温放
置時間依存性は、実施例3に記載のゲルのフィルムと同
様であった。
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、十分程度経過した後に色調、および輝度変化を示
し始めた。数十分後には緑色から赤みを徐々に増してい
き、一旦茶色っぽく変色した後、最終的には濃い緑色へ
と変色した。この間、積層体が示す色調は、肉眼で明確
に確認可能な変化を示した。また、時間の経過につれ発
色の度合いは目に見えて濃くなった。色調変化の室温放
置時間依存性は、実施例3に記載のゲルのフィルムと同
様であった。
【0193】一方、低温で保存した積層体は、2ヶ月間
の保存の間、色調および輝度の変化を起こさなかった。
低温保存後のフィルムを室温へと導くと、上記変化と同
様の発色変化を示した。
の保存の間、色調および輝度の変化を起こさなかった。
低温保存後のフィルムを室温へと導くと、上記変化と同
様の発色変化を示した。
【0194】上記と同様の発色特性は、クラフト紙を使
用した上記例に限らず、基体材料として、金属、プラス
チック、布、紙から選ばれる材料を用いたいずれの場合
においても得られた。
用した上記例に限らず、基体材料として、金属、プラス
チック、布、紙から選ばれる材料を用いたいずれの場合
においても得られた。
【0195】(実施例5)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.05gのAgClO4を添加し、混
合物を室温で10分間攪拌した。攪拌後、1分間γ線を
照射した。この時、溶液の色は無色であった。γ線照射
により銀イオンが光還元され、銀原子が生成される。γ
線照射後の溶液中には、粒子径1nm以下の銀微粒子が
分散しているものと思われる。
属化合物として0.05gのAgClO4を添加し、混
合物を室温で10分間攪拌した。攪拌後、1分間γ線を
照射した。この時、溶液の色は無色であった。γ線照射
により銀イオンが光還元され、銀原子が生成される。γ
線照射後の溶液中には、粒子径1nm以下の銀微粒子が
分散しているものと思われる。
【0196】γ線照射後の混合溶液に0.1gのAuH
Cl4、および20mgの界面活性剤を添加した。界面
活性剤として、炭素数12のアルキルベンゼンスルホン
酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を使用した。混
合物を室温で1分間攪拌した後、平板上にキャストし、
5℃で5日間乾燥処理を行うことにより、厚さ300μ
mの透明な薄黄色のゲルのフィルムを得た。
Cl4、および20mgの界面活性剤を添加した。界面
活性剤として、炭素数12のアルキルベンゼンスルホン
酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を使用した。混
合物を室温で1分間攪拌した後、平板上にキャストし、
5℃で5日間乾燥処理を行うことにより、厚さ300μ
mの透明な薄黄色のゲルのフィルムを得た。
【0197】このフィルムに、UVランプを用いて波長
254nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色
したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は2分とした。紫外線照射により、銀微粒
子の粒径が増大すると共に、金イオンが還元され、微小
な金微粒子が生成される。吸収スペクトルを測定する
と、波長380nm付近に、銀微粒子が示す表面プラズ
モン吸収が確認された。
254nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色
したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は2分とした。紫外線照射により、銀微粒
子の粒径が増大すると共に、金イオンが還元され、微小
な金微粒子が生成される。吸収スペクトルを測定する
と、波長380nm付近に、銀微粒子が示す表面プラズ
モン吸収が確認された。
【0198】このフィルムを一方は、室温に放置し、も
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増して
いき、最終的には赤いオレンジ色へと変色した。この
間、フィルムが示す色調は、肉眼で明確に確認できる変
化を示した。また、時間の経過につれ発色の度合いは目
に見えて濃くなった。
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増して
いき、最終的には赤いオレンジ色へと変色した。この
間、フィルムが示す色調は、肉眼で明確に確認できる変
化を示した。また、時間の経過につれ発色の度合いは目
に見えて濃くなった。
【0199】室温放置後十分間は、時間経過とともに波
長380nm付近の吸収ピークが鋭く、強くなる。これ
は、熱の付与により、表面プラズモン吸収を示す粒径
(数nm以上)の銀微粒子濃度が増大することに起因す
るものと思われる。その後、銀微粒子の表面プラズモン
吸収のピーク強度は急激に減少し、また、長波長側に吸
収波長が移り、最終的には530nm付近まで移動す
る。530nm付近の吸収ピーク強度は、室温放置後1
時間経過後から増加した。また、波長530nmの短波
長側にはブロードな吸収が存在するのに比べ、長波長側
には吸収がほとんど存在しない。このため、最終到達色
は赤みを強く帯びたオレンジ色となる。
長380nm付近の吸収ピークが鋭く、強くなる。これ
は、熱の付与により、表面プラズモン吸収を示す粒径
(数nm以上)の銀微粒子濃度が増大することに起因す
るものと思われる。その後、銀微粒子の表面プラズモン
吸収のピーク強度は急激に減少し、また、長波長側に吸
収波長が移り、最終的には530nm付近まで移動す
る。530nm付近の吸収ピーク強度は、室温放置後1
時間経過後から増加した。また、波長530nmの短波
長側にはブロードな吸収が存在するのに比べ、長波長側
には吸収がほとんど存在しない。このため、最終到達色
は赤みを強く帯びたオレンジ色となる。
【0200】乾燥処理を行わない混合溶液に同様のγ
線、および紫外線の照射を行ったところ、同様の吸収ス
ペクトル変化を示した。最終段階まで発色した混合溶液
の一部をTEM写真により観察したところ、マトリック
ス物質中には20nm程度の粒径を有する微粒子が分散
していた。微粒子の形状は一定ではなく、表面に凹凸が
存在しているものが多く観察された。単体の金、銀の微
粒子が示す表面プラズモンピークが存在しないことか
ら、複合微粒子が形成しているものと思われる。
線、および紫外線の照射を行ったところ、同様の吸収ス
ペクトル変化を示した。最終段階まで発色した混合溶液
の一部をTEM写真により観察したところ、マトリック
ス物質中には20nm程度の粒径を有する微粒子が分散
していた。微粒子の形状は一定ではなく、表面に凹凸が
存在しているものが多く観察された。単体の金、銀の微
粒子が示す表面プラズモンピークが存在しないことか
ら、複合微粒子が形成しているものと思われる。
【0201】混合溶液へ導入された界面活性剤は、銀微
粒子の表面に吸着するものと考えられる。銀微粒子は電
気的に正に帯電する傾向が強いため、電気的に負である
塩化金イオンに引力がはたらく。このため、銀微粒子は
金イオンの光還元反応の際に触媒としてはたらき、金
は、銀微粒子を核とし、その表面に殻構造を形成しなが
ら還元される。ところが、本実施例で導入した界面活性
剤は、銀原子の表面に電気的に吸着し、触媒としてのは
たらきを低減する効果がある。このため、本実施例中で
作製された材料中では、表面全域が完全に被覆された球
状の複合微粒子が形成されず、2種類の単体金属微粒子
が結合した複合微粒子が形成されたものと思われる。
粒子の表面に吸着するものと考えられる。銀微粒子は電
気的に正に帯電する傾向が強いため、電気的に負である
塩化金イオンに引力がはたらく。このため、銀微粒子は
金イオンの光還元反応の際に触媒としてはたらき、金
は、銀微粒子を核とし、その表面に殻構造を形成しなが
ら還元される。ところが、本実施例で導入した界面活性
剤は、銀原子の表面に電気的に吸着し、触媒としてのは
たらきを低減する効果がある。このため、本実施例中で
作製された材料中では、表面全域が完全に被覆された球
状の複合微粒子が形成されず、2種類の単体金属微粒子
が結合した複合微粒子が形成されたものと思われる。
【0202】一方、低温で保存したフィルムは、2ヶ月
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、黄色から
赤みのかかったオレンジ色へと発色を起こした。
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、黄色から
赤みのかかったオレンジ色へと発色を起こした。
【0203】本実施例では、界面活性剤としてアルキル
ベンゼンスルホン酸塩を使用した例を説明したが、カル
ボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基、ホスホン酸基を有する材料群から選ばれる少な
くとも一つの使用により同様の効果が得られた。
ベンゼンスルホン酸塩を使用した例を説明したが、カル
ボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基、ホスホン酸基を有する材料群から選ばれる少な
くとも一つの使用により同様の効果が得られた。
【0204】また、混合物中の界面活性剤量を多く調製
すると、各単体金属微粒子の凝集速度が低下し、発色速
度が低下した。このため、界面活性剤量の調製により、
所望の発色特性を得ることが可能であった。
すると、各単体金属微粒子の凝集速度が低下し、発色速
度が低下した。このため、界面活性剤量の調製により、
所望の発色特性を得ることが可能であった。
【0205】(実施例6)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.05gのAgClO4を添加し、混
合物を室温で10分間攪拌した。攪拌後、1分間γ線を
照射した。この時、溶液の色は無色であった。γ線照射
により銀イオンが光還元され、銀原子が生成される。γ
線照射後の溶液中には、粒子径1nm以下の銀微粒子が
分散しているものと思われる。
属化合物として0.05gのAgClO4を添加し、混
合物を室温で10分間攪拌した。攪拌後、1分間γ線を
照射した。この時、溶液の色は無色であった。γ線照射
により銀イオンが光還元され、銀原子が生成される。γ
線照射後の溶液中には、粒子径1nm以下の銀微粒子が
分散しているものと思われる。
【0206】γ線照射後の混合溶液に0.1gのAuH
Cl4、および20mgの界面活性剤を添加した。界面
活性剤として、炭素数12のアルキルベンゼンスルホン
酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を使用した。混
合物を室温で1分間攪拌した後、厚さ100μmのクラ
フト紙(基体)上に、スピンコート法により塗布した。
塗布後5℃で5日間乾燥処理を行い、厚み約0.3mm
の透明な薄黄色の薄膜状ゲルのフィルムを基体上に有す
る積層体を得た。
Cl4、および20mgの界面活性剤を添加した。界面
活性剤として、炭素数12のアルキルベンゼンスルホン
酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を使用した。混
合物を室温で1分間攪拌した後、厚さ100μmのクラ
フト紙(基体)上に、スピンコート法により塗布した。
塗布後5℃で5日間乾燥処理を行い、厚み約0.3mm
の透明な薄黄色の薄膜状ゲルのフィルムを基体上に有す
る積層体を得た。
【0207】この積層体に、UVランプを用いて波長2
54nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色さ
せた。紫外線照射強度は5mW/cm2で、照射時間は
2分とした。紫外線照射により、銀微粒子の粒径が増大
すると共に、金イオンが還元され、微小な金微粒子が生
成される。紫外線照射後の積層体は、成長した銀微粒子
の表面プラズモン吸収が顕著になり黄色に変色した。
54nmの紫外線を照射することにより、黄色に変色さ
せた。紫外線照射強度は5mW/cm2で、照射時間は
2分とした。紫外線照射により、銀微粒子の粒径が増大
すると共に、金イオンが還元され、微小な金微粒子が生
成される。紫外線照射後の積層体は、成長した銀微粒子
の表面プラズモン吸収が顕著になり黄色に変色した。
【0208】この積層体を、一方は室温に放置し、もう
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増してい
き、最終的には赤みがかったオレンジ色へと変色した。
この間、フィルムが示す色調は、肉眼で明確に確認でき
る変化を示した。また、時間の経過につれ発色の度合い
は目に見えて濃くなった。
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、数十分後には、黄色から赤みを徐々に増してい
き、最終的には赤みがかったオレンジ色へと変色した。
この間、フィルムが示す色調は、肉眼で明確に確認でき
る変化を示した。また、時間の経過につれ発色の度合い
は目に見えて濃くなった。
【0209】一方、低温で保存した積層体は、2ヶ月間
の保存の間、色調および輝度の変化を起こさなかった。
低温保存後の積層体を室温へと導くと、黄色から赤みが
かかったオレンジ色へと発色を起こした。低温保存が発
色特性に及ぼす影響はなく、低温保存後も同様の特性が
得られた。
の保存の間、色調および輝度の変化を起こさなかった。
低温保存後の積層体を室温へと導くと、黄色から赤みが
かかったオレンジ色へと発色を起こした。低温保存が発
色特性に及ぼす影響はなく、低温保存後も同様の特性が
得られた。
【0210】本実施例では、界面活性剤としてアルキル
ベンゼンスルホン酸塩を使用した例を説明したが、カル
ボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基、ホスホン酸基を有する材料群から選ばれる少な
くとも一つの使用により同様の効果が得られた。
ベンゼンスルホン酸塩を使用した例を説明したが、カル
ボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基、ホスホン酸基を有する材料群から選ばれる少な
くとも一つの使用により同様の効果が得られた。
【0211】また、混合物中の界面活性剤量を多く調製
すると、各単体金属微粒子の凝集速度が低下し、発色速
度が低下した。このため、界面活性剤量の調製により、
所望の発色特性を得ることが可能であった。
すると、各単体金属微粒子の凝集速度が低下し、発色速
度が低下した。このため、界面活性剤量の調製により、
所望の発色特性を得ることが可能であった。
【0212】(実施例7)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm以下のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。次いで、混合溶液中に20mgの界面活性剤を添
加した。界面活性剤として、炭素数12のアルキルベン
ゼンスルホン酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を
使用した。活性剤添加後の混合物を平板上にキャスト
し、5℃で5日間乾燥処理を行うことにより、厚さ30
0μmの透明な薄黄緑色のゲルのフィルムを得た。
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm以下のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。次いで、混合溶液中に20mgの界面活性剤を添
加した。界面活性剤として、炭素数12のアルキルベン
ゼンスルホン酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を
使用した。活性剤添加後の混合物を平板上にキャスト
し、5℃で5日間乾燥処理を行うことにより、厚さ30
0μmの透明な薄黄緑色のゲルのフィルムを得た。
【0213】このフィルムに、UVランプを用いて波長
254nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変
色したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm
2で、照射時間は30秒とした。紫外線照射により、金
イオンが還元され、微小な金微粒子が生成される。
254nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変
色したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm
2で、照射時間は30秒とした。紫外線照射により、金
イオンが還元され、微小な金微粒子が生成される。
【0214】このフィルムを、一方は室温に放置し、も
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には緑色から赤みを徐々に増してい
き、一旦茶色っぽく変色した後、緑色を経て最終的には
濃い青緑色へと変化した。この間、フィルムが示す色調
は、肉眼で明確に確認できる変化を示した。また、時間
の経過につれ発色の度合いは明確に濃くなった。フィル
ム内には、Au2S微粒子を核とし、核表面の一部に金
微粒子が付着した構造の複合微粒子が形成されているも
のと考えられる。表5に本実施例の感熱発色材料の発色
特性の室温放置時間依存性を、従来材料の発色特性とと
もに示す。
う一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置したフ
ィルムは、数十分後には緑色から赤みを徐々に増してい
き、一旦茶色っぽく変色した後、緑色を経て最終的には
濃い青緑色へと変化した。この間、フィルムが示す色調
は、肉眼で明確に確認できる変化を示した。また、時間
の経過につれ発色の度合いは明確に濃くなった。フィル
ム内には、Au2S微粒子を核とし、核表面の一部に金
微粒子が付着した構造の複合微粒子が形成されているも
のと考えられる。表5に本実施例の感熱発色材料の発色
特性の室温放置時間依存性を、従来材料の発色特性とと
もに示す。
【0215】
【表5】
【0216】上記表5より明らかなように、本実施例の
感熱発色材料は、従来材料と比較して明確な色調変化を
伴う発色特性を示した。
感熱発色材料は、従来材料と比較して明確な色調変化を
伴う発色特性を示した。
【0217】また、低温に保存したフィルムは2ヶ月間
色の変化を示さなかったが、室温雰囲気に導くと上記発
色特性と同様の発色反応を示した。
色の変化を示さなかったが、室温雰囲気に導くと上記発
色特性と同様の発色反応を示した。
【0218】界面活性剤を導入していない実施例3の感
熱発色材料と比較すると、本実施例の感熱発色材料は、
感熱発色の反応速度の減少、緑から青緑色へと最終到達
色調の変化という2点の特性を得た。これは、導入され
た界面活性剤がAu2S微粒子表面に結合し、金イオン
の光還元反応時に触媒としてはたらく効果を低減したこ
とに起因すると考えられる。触媒効果の低減により、金
イオンの還元反応速度が低下し、発色速度も低減され
る。このため、より緩やかな感熱発色特性が必要とされ
る場合に、有効な感熱発色材料を提供することができ
る。また、最終到達色調が変化したことにより、より幅
広い範囲の色調変化を伴う感熱発色材料を提供すること
が可能となる。
熱発色材料と比較すると、本実施例の感熱発色材料は、
感熱発色の反応速度の減少、緑から青緑色へと最終到達
色調の変化という2点の特性を得た。これは、導入され
た界面活性剤がAu2S微粒子表面に結合し、金イオン
の光還元反応時に触媒としてはたらく効果を低減したこ
とに起因すると考えられる。触媒効果の低減により、金
イオンの還元反応速度が低下し、発色速度も低減され
る。このため、より緩やかな感熱発色特性が必要とされ
る場合に、有効な感熱発色材料を提供することができ
る。また、最終到達色調が変化したことにより、より幅
広い範囲の色調変化を伴う感熱発色材料を提供すること
が可能となる。
【0219】また、上記フィルムを20℃、10℃、0
℃、−10℃、−20℃の温度雰囲気へそれぞれ3時間
放置した。各発色特性の詳細を従来例との比較とともに
表6に示す。
℃、−10℃、−20℃の温度雰囲気へそれぞれ3時間
放置した。各発色特性の詳細を従来例との比較とともに
表6に示す。
【0220】
【表6】
【0221】上記表から明らかなように、一定色調でし
か発色し得なかった従来材料と比較して、本実施例の感
熱発色材料は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性を達
成した。この特性により、より明確な放置温度の評価が
可能となる。
か発色し得なかった従来材料と比較して、本実施例の感
熱発色材料は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性を達
成した。この特性により、より明確な放置温度の評価が
可能となる。
【0222】以上の特性より、本実施例の感熱発色材料
は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性の達成により、
従来材料より明確な温度履歴の評価を可能とする。
は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性の達成により、
従来材料より明確な温度履歴の評価を可能とする。
【0223】なお、紫外線、およびγ線のいずれの照射
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
【0224】また、マトリックス形成材料として、上記
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
【0225】(実施例8)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm以下のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。次いで、混合溶液に20mgの界面活性剤を添加
した。界面活性剤として炭素数12のアルキルベンゼン
スルホン酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を使用
した。活性剤添加後の混合物を、厚さ100μmのクラ
フト紙(基体)上にキャストし、5℃で5日間乾燥処理
を行うことにより、厚さ300μmの透明な薄黄緑色の
ゲルのフィルムを基体上に配置した積層体を得た。
属化合物として0.02gのAuHCl4を、カルコゲ
ナイド化合物として0.01gのNa2Sを添加し、混
合物を室温で1分間攪拌した。この時点で、溶液の色は
透明な黄緑色であった。この状態の溶液中には、粒子径
数nm以下のAu2S微粒子が分散しているものと思わ
れる。次いで、混合溶液に20mgの界面活性剤を添加
した。界面活性剤として炭素数12のアルキルベンゼン
スルホン酸塩(RC6H4SO3Na、R=C12)を使用
した。活性剤添加後の混合物を、厚さ100μmのクラ
フト紙(基体)上にキャストし、5℃で5日間乾燥処理
を行うことにより、厚さ300μmの透明な薄黄緑色の
ゲルのフィルムを基体上に配置した積層体を得た。
【0226】この積層体に、UVランプを用いて波長2
54nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変色
した積層体を得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は30秒とした。紫外線照射により、フィ
ルム中の金イオンが還元され、微小な金微粒子が生成さ
れる。
54nmの紫外線を照射することにより、黄緑色に変色
した積層体を得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は30秒とした。紫外線照射により、フィ
ルム中の金イオンが還元され、微小な金微粒子が生成さ
れる。
【0227】この積層体を、一方は室温に放置し、もう
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、数十分後には緑色から赤みを徐々に増していき、
一旦茶色っぽく変色した後、緑色を経て最終的には濃い
青緑色へと変化した。発色途中で積層体が示す色調は、
肉眼で明確に確認できる変化を示した。また、時間の経
過につれ発色の度合いは明確に濃くなった。フィルム内
には、Au2S微粒子を核とし、核表面の一部に金微粒
子が付着した構造の複合微粒子が形成されているものと
考えられる。
一方は−20℃の暗所に保存した。室温に放置した積層
体は、数十分後には緑色から赤みを徐々に増していき、
一旦茶色っぽく変色した後、緑色を経て最終的には濃い
青緑色へと変化した。発色途中で積層体が示す色調は、
肉眼で明確に確認できる変化を示した。また、時間の経
過につれ発色の度合いは明確に濃くなった。フィルム内
には、Au2S微粒子を核とし、核表面の一部に金微粒
子が付着した構造の複合微粒子が形成されているものと
考えられる。
【0228】界面活性剤を導入していない実施例4の感
熱発色素子と比較すると、本実施例の感熱発色素子は、
感熱発色の反応速度の減少、緑から青緑色へと最終到達
色調の変化という2点の特性を得た。これは、導入され
た界面活性剤がAu2S微粒子表面に結合し、金イオン
の光還元反応時に触媒としてはたらく効果を低減したこ
とに起因すると考えられる。触媒効果の低減により、金
イオンの還元反応速度が低下し、発色速度も低減され
る。このため、より緩やかな感熱発色特性が必要とされ
る場合に、特に有効な感熱発色素子を提供することがで
きる。また、最終到達色調が変化したことにより、より
幅広い範囲の色調変化を伴う感熱発色素子の提供が可能
となる。
熱発色素子と比較すると、本実施例の感熱発色素子は、
感熱発色の反応速度の減少、緑から青緑色へと最終到達
色調の変化という2点の特性を得た。これは、導入され
た界面活性剤がAu2S微粒子表面に結合し、金イオン
の光還元反応時に触媒としてはたらく効果を低減したこ
とに起因すると考えられる。触媒効果の低減により、金
イオンの還元反応速度が低下し、発色速度も低減され
る。このため、より緩やかな感熱発色特性が必要とされ
る場合に、特に有効な感熱発色素子を提供することがで
きる。また、最終到達色調が変化したことにより、より
幅広い範囲の色調変化を伴う感熱発色素子の提供が可能
となる。
【0229】(実施例9)表1に示した混合溶液に、金
属化合物として0.05gのAgClO4、0.02g
のAuHCl4、35mgの界面活性剤を添加し、室温
で10分間攪拌した。界面活性剤として、炭素数12の
アルキルベンゼンスルホン酸塩(RC6H4SO3Na、
R=C12)を使用した。活性剤添加後の混合物を、平板
上にキャストし、5℃で5日間乾燥処理を行うことによ
り、厚さ300μmの透明な薄黄色のゲルのフィルムを
得た。
属化合物として0.05gのAgClO4、0.02g
のAuHCl4、35mgの界面活性剤を添加し、室温
で10分間攪拌した。界面活性剤として、炭素数12の
アルキルベンゼンスルホン酸塩(RC6H4SO3Na、
R=C12)を使用した。活性剤添加後の混合物を、平板
上にキャストし、5℃で5日間乾燥処理を行うことによ
り、厚さ300μmの透明な薄黄色のゲルのフィルムを
得た。
【0230】このフィルムに、UVランプを用いて波長
254nmの紫外線を照射することにより、透明に変色
したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は2分とした。
254nmの紫外線を照射することにより、透明に変色
したフィルムを得た。紫外線照射強度は5mW/cm2
で、照射時間は2分とした。
【0231】紫外線照射により、銀イオン、金イオンが
光還元され、銀微粒子、金微粒子が形成される。各微粒
子の粒径は、1nm以下の程度と考えられ、表面プラズ
モン吸収はこの時点では起こらないため、フィルムの色
が透明に変化する。界面活性剤の導入により、複合微粒
子は形成されないため、単体の金属微粒子のみが形成さ
れる。
光還元され、銀微粒子、金微粒子が形成される。各微粒
子の粒径は、1nm以下の程度と考えられ、表面プラズ
モン吸収はこの時点では起こらないため、フィルムの色
が透明に変化する。界面活性剤の導入により、複合微粒
子は形成されないため、単体の金属微粒子のみが形成さ
れる。
【0232】2種類作製したこのフィルムを、一方は室
温に放置し、もう一方は−20℃の暗所に保存した。室
温に放置したフィルムは、数十分後には茶色味を増し、
一時間後からは、濃い青紫色へと変化し始めた。最終的
には、黒っぽい紫色へと変化した。発色中、フィルムが
示す色調は、肉眼で明確に確認できる変化を示した。ま
た、時間の経過につれ発色の度合いは明確に濃くなっ
た。
温に放置し、もう一方は−20℃の暗所に保存した。室
温に放置したフィルムは、数十分後には茶色味を増し、
一時間後からは、濃い青紫色へと変化し始めた。最終的
には、黒っぽい紫色へと変化した。発色中、フィルムが
示す色調は、肉眼で明確に確認できる変化を示した。ま
た、時間の経過につれ発色の度合いは明確に濃くなっ
た。
【0233】発色中のフィルムの吸収スペクトルを測定
すると、発色開始直後は銀微粒子の表面プラズモン吸収
が顕著になり、その後金微粒子の表面プラズモン吸収の
強度が主体的になっていった。
すると、発色開始直後は銀微粒子の表面プラズモン吸収
が顕著になり、その後金微粒子の表面プラズモン吸収の
強度が主体的になっていった。
【0234】室温放置後の経過時間と、発色色調、吸収
スペクトル内の銀微粒子の表面プラズモンピーク(38
0nm)と金微粒子の表面プラズモンピーク(550n
m)の強度比較を表7に示す。
スペクトル内の銀微粒子の表面プラズモンピーク(38
0nm)と金微粒子の表面プラズモンピーク(550n
m)の強度比較を表7に示す。
【0235】
【表7】
【0236】一方、低温で保存したフィルムは、2ヶ月
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、上記発色
特性と同様の特性の発色反応を示した。
間の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかっ
た。低温保存後のフィルムを室温へと導くと、上記発色
特性と同様の特性の発色反応を示した。
【0237】上記表から明らかなように、本実施例の感
熱発色材料は、2種類の金属微粒子の表面プラズモン吸
収を利用することにより、明確な色調変化を伴う感熱発
色特性を達成した。
熱発色材料は、2種類の金属微粒子の表面プラズモン吸
収を利用することにより、明確な色調変化を伴う感熱発
色特性を達成した。
【0238】また、上記方法で作製したフィルムを、2
0℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃にそれぞれ3
時間放置した。表8に、放置後の発色特性の詳細を示
す。
0℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃にそれぞれ3
時間放置した。表8に、放置後の発色特性の詳細を示
す。
【0239】
【表8】
【0240】上記表から明らかなように、一定色調でし
か発色し得なかった従来材料と比較して、本実施例の感
熱発色材料は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性を達
成した。この特性により、より明確な放置温度の評価が
可能となる。
か発色し得なかった従来材料と比較して、本実施例の感
熱発色材料は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性を達
成した。この特性により、より明確な放置温度の評価が
可能となる。
【0241】以上の特性より、本実施例の感熱発色材料
は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性の達成により、
従来材料より明確な温度履歴の評価を可能とする。
は、明確な色調変化を伴う感熱発色特性の達成により、
従来材料より明確な温度履歴の評価を可能とする。
【0242】上記と同様の反応は、金、銀に限らず、上
述してきた種種の金属を使用しても確認された。ただ
し、紫外線照射による光還元反応の効率が高い金属が
金、銀であること、発色色調、色度が明確であること、
を考慮すると、金、銀の2種類を材料として使用するこ
とが好ましいという結果が得られた。
述してきた種種の金属を使用しても確認された。ただ
し、紫外線照射による光還元反応の効率が高い金属が
金、銀であること、発色色調、色度が明確であること、
を考慮すると、金、銀の2種類を材料として使用するこ
とが好ましいという結果が得られた。
【0243】また、紫外線、およびγ線のいずれの照射
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
【0244】また、マトリックス形成材料として、上記
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
【0245】(実施例10)表1に示した混合溶液に、
金属化合物として0.05gのAgClO4、0.02
gのAuHCl4、35mgの界面活性剤を添加し、室
温で10分間攪拌した。界面活性剤として、炭素数12
のアルキルベンゼンスルホン酸塩(RC6H4SO3N
a、R=C12)を使用した。活性剤添加後の混合物を、
クラフト紙(基体)上にキャストし、5℃で5日間乾燥
処理を行うことにより、厚さ300μmの透明な薄黄色
のゲルのフィルムを基体上に形成した積層体を得た。
金属化合物として0.05gのAgClO4、0.02
gのAuHCl4、35mgの界面活性剤を添加し、室
温で10分間攪拌した。界面活性剤として、炭素数12
のアルキルベンゼンスルホン酸塩(RC6H4SO3N
a、R=C12)を使用した。活性剤添加後の混合物を、
クラフト紙(基体)上にキャストし、5℃で5日間乾燥
処理を行うことにより、厚さ300μmの透明な薄黄色
のゲルのフィルムを基体上に形成した積層体を得た。
【0246】この積層体に、UVランプを用いて波長2
54nmの紫外線を照射することにより、積層体のフィ
ルム部分の色調は透明になった。紫外線照射強度は5m
W/cm2で、照射時間は2分とした。
54nmの紫外線を照射することにより、積層体のフィ
ルム部分の色調は透明になった。紫外線照射強度は5m
W/cm2で、照射時間は2分とした。
【0247】紫外線照射により、銀イオン、金イオンが
光還元され、銀微粒子、金微粒子が形成される。紫外線
照射直後の各微粒子の粒径は、1nm以下の程度と考え
られる。界面活性剤の導入により、複合微粒子が形成さ
れなくなるため、形成される微粒子は、単体の金属によ
り構成されているものと思われる。
光還元され、銀微粒子、金微粒子が形成される。紫外線
照射直後の各微粒子の粒径は、1nm以下の程度と考え
られる。界面活性剤の導入により、複合微粒子が形成さ
れなくなるため、形成される微粒子は、単体の金属によ
り構成されているものと思われる。
【0248】2種類作製したこの積層体を、一方は室温
に放置し、もう一方は−20℃の暗所に保存した。室温
に放置した積層体は、数十分後には茶色味を増し、一時
間後からは、濃い青紫色へと変化し始めた。最終的に
は、黒っぽい紫色へと変化した。発色中、積層体が示す
色調は、肉眼で明確に確認できる変化を示した。また、
時間の経過につれ発色の度合いは明確に濃くなった。
に放置し、もう一方は−20℃の暗所に保存した。室温
に放置した積層体は、数十分後には茶色味を増し、一時
間後からは、濃い青紫色へと変化し始めた。最終的に
は、黒っぽい紫色へと変化した。発色中、積層体が示す
色調は、肉眼で明確に確認できる変化を示した。また、
時間の経過につれ発色の度合いは明確に濃くなった。
【0249】一方、低温で保存した積層体は、2ヶ月間
の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかった。
低温保存後の積層体を室温へと導くと、上記発色特性と
同様の特性の発色反応を示した。保存時間に依存しない
一定色調でしか発色し得なかった従来の感熱発色素子と
比較すると、本実施例の感熱発色素子は、より明確な保
存時間の評価を可能とする。
の保存の間、色調および色度の変化を起こさなかった。
低温保存後の積層体を室温へと導くと、上記発色特性と
同様の特性の発色反応を示した。保存時間に依存しない
一定色調でしか発色し得なかった従来の感熱発色素子と
比較すると、本実施例の感熱発色素子は、より明確な保
存時間の評価を可能とする。
【0250】また、上記方法で作製した3種類の積層体
を、20℃、10℃、0℃へ3時間保存した場合、それ
ぞれ濃い黒、紫、茶色へと異なる色調で発色した。保存
温度に関わらず一定色調でしか発色し得なかった従来の
感熱発色素子と比較すると、本実施例の感熱発色素子
は、より明確な保存温度の評価を可能とする。
を、20℃、10℃、0℃へ3時間保存した場合、それ
ぞれ濃い黒、紫、茶色へと異なる色調で発色した。保存
温度に関わらず一定色調でしか発色し得なかった従来の
感熱発色素子と比較すると、本実施例の感熱発色素子
は、より明確な保存温度の評価を可能とする。
【0251】上記と同様の反応は、金、銀に限らず、上
述してきた種種の金属を使用しても確認された。ただ
し、紫外線照射による光還元反応の効率が高い金属が
金、銀であること、発色色調、色度が明確であること、
を考慮すると、金、銀の2種類を材料として使用するこ
とが好ましいという結果が得られた。
述してきた種種の金属を使用しても確認された。ただ
し、紫外線照射による光還元反応の効率が高い金属が
金、銀であること、発色色調、色度が明確であること、
を考慮すると、金、銀の2種類を材料として使用するこ
とが好ましいという結果が得られた。
【0252】また、紫外線、およびγ線のいずれの照射
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
によってでも、金属イオンの光還元は可能であった。
【0253】また、マトリックス形成材料として、上記
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
例の無機アルコキシドを用いた場合だけでなく、無機/
有機複合体、および樹脂のいずれかを用いた場合でも、
同様の発色特性を得ることが可能であった。
【0254】(実施例11)表1に示した混合溶液に、
金属化合物として0.18gのHAuCl4を添加し、
この混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、一般商
品に付属しているバーコードの表示領域に上記混合液を
塗布した。塗布領域は、バーコード表示部位の最左端の
2本のバーの間である。次いで、バーコードを室温で5
日間乾燥し、UVランプを用いて、5mW/cm2の強
度で1分間の紫外線照射を室温で行った。
金属化合物として0.18gのHAuCl4を添加し、
この混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、一般商
品に付属しているバーコードの表示領域に上記混合液を
塗布した。塗布領域は、バーコード表示部位の最左端の
2本のバーの間である。次いで、バーコードを室温で5
日間乾燥し、UVランプを用いて、5mW/cm2の強
度で1分間の紫外線照射を室温で行った。
【0255】紫外線照射直後に、上記方法により作製さ
れたバーコードの情報を、バーコード読みとり装置で読
みとると、通常のバーコード情報を読みとった。
れたバーコードの情報を、バーコード読みとり装置で読
みとると、通常のバーコード情報を読みとった。
【0256】このバーコードを−20℃に導いた。低温
に保存中のバーコードは、通常のバーコード情報を示し
た。
に保存中のバーコードは、通常のバーコード情報を示し
た。
【0257】−20℃で2ヶ月間保存した後、このバー
コードを室温へ導くと、時間の経過につれ感熱発色材料
塗布領域が紫色の発色を示した。室温放置後30分まで
は、かすかに肉眼で確認される程度の発色であった。こ
の状態では、バーコード情報は、通常のままであった。
一方、室温放置時間が45分を超え、発色が明確に確認
されるようになると、バーコード情報を読みとることが
不可能になった。これは、一定量以上の熱の付与によ
り、感熱発色材料塗布領域が発色し、異なるバーコード
情報を示すようになったからである。
コードを室温へ導くと、時間の経過につれ感熱発色材料
塗布領域が紫色の発色を示した。室温放置後30分まで
は、かすかに肉眼で確認される程度の発色であった。こ
の状態では、バーコード情報は、通常のままであった。
一方、室温放置時間が45分を超え、発色が明確に確認
されるようになると、バーコード情報を読みとることが
不可能になった。これは、一定量以上の熱の付与によ
り、感熱発色材料塗布領域が発色し、異なるバーコード
情報を示すようになったからである。
【0258】また、上記方法で作製した3種類のバーコ
ードを、それぞれ20℃、10℃、0℃の温度下に放置
した。3時間後にバーコード情報を読みとった場合、0
℃に放置したバーコードが通常のバーコード情報を与え
たのに比べ、20℃、10℃に放置していたバーコード
からは、バーコード情報を読みとることが不可能となっ
ていた。これは、一定量以上の熱の付与により感熱発色
材料塗布領域が発色し、異なるバーコード情報を示すよ
うになったからである。
ードを、それぞれ20℃、10℃、0℃の温度下に放置
した。3時間後にバーコード情報を読みとった場合、0
℃に放置したバーコードが通常のバーコード情報を与え
たのに比べ、20℃、10℃に放置していたバーコード
からは、バーコード情報を読みとることが不可能となっ
ていた。これは、一定量以上の熱の付与により感熱発色
材料塗布領域が発色し、異なるバーコード情報を示すよ
うになったからである。
【0259】以上のように、上記方法によりバーコード
表示領域への感熱発色材料の配置により、バーコード情
報読みとりと同時に、感熱履歴情報を読みとることが可
能となる。この結果、異常な温度履歴を経た商品を販売
時に短時間でチェックすることも可能となる。
表示領域への感熱発色材料の配置により、バーコード情
報読みとりと同時に、感熱履歴情報を読みとることが可
能となる。この結果、異常な温度履歴を経た商品を販売
時に短時間でチェックすることも可能となる。
【0260】なお、実施例では、感熱発色材料の塗布領
域をバーコード左端のバー間と設定したが、他の部位に
塗布する実施例も同様に可能であることは云うまでもな
い。
域をバーコード左端のバー間と設定したが、他の部位に
塗布する実施例も同様に可能であることは云うまでもな
い。
【0261】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の第1の感熱
発色材料によれば、マトリックス物質中に分散した複合
微粒子が、熱の付与によって明確な色調変化を伴う発色
を示すことにより、従来材料より定量的な温度履歴管理
を行うことができる感熱発色材料の提供が可能となる。
発色材料によれば、マトリックス物質中に分散した複合
微粒子が、熱の付与によって明確な色調変化を伴う発色
を示すことにより、従来材料より定量的な温度履歴管理
を行うことができる感熱発色材料の提供が可能となる。
【0262】また、本発明の第2の感熱発色材料によれ
ば、マトリックス物質中に分散した少なくとも2種類以
上の異なる金属微粒子が、熱の付与によって成長し、明
確な色調変化を伴う発色を示すことにより、従来材料と
比較して、より定量的な温度履歴管理を行うことができ
る感熱発色材料の提供が可能となる。
ば、マトリックス物質中に分散した少なくとも2種類以
上の異なる金属微粒子が、熱の付与によって成長し、明
確な色調変化を伴う発色を示すことにより、従来材料と
比較して、より定量的な温度履歴管理を行うことができ
る感熱発色材料の提供が可能となる。
【0263】また、本発明の感熱発色材料において、複
合微粒子の核部分が、金、白金、銀、銅、錫、ロジウ
ム、パラジウム、またはイリジウムから選ばれる少なく
とも1つの金属、もしくは前記金属の酸化物、硫化物、
セレン化物、テルル化物、フッ化物、塩化物、臭化物、
ヨウ素化物のいずれかからなり、核部分に付着する金属
微粒子、もしくは殻部分が前記金属のいずれかにより構
成される好ましい例によれば、金属イオンの光還元反応
速度が速く作製が容易であること、しかも発色が明確で
あることなどの利点をもつ感熱発色材料の提供が可能と
なる。
合微粒子の核部分が、金、白金、銀、銅、錫、ロジウ
ム、パラジウム、またはイリジウムから選ばれる少なく
とも1つの金属、もしくは前記金属の酸化物、硫化物、
セレン化物、テルル化物、フッ化物、塩化物、臭化物、
ヨウ素化物のいずれかからなり、核部分に付着する金属
微粒子、もしくは殻部分が前記金属のいずれかにより構
成される好ましい例によれば、金属イオンの光還元反応
速度が速く作製が容易であること、しかも発色が明確で
あることなどの利点をもつ感熱発色材料の提供が可能と
なる。
【0264】また、本発明の第1の感熱発色材料の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる金属イオンを混合物に調製する工程、2回
目の紫外線、もしくはγ線を照射する工程、を包含する
ことにより、発色色調変化が大きい感熱発色材料の提供
が可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる金属イオンを混合物に調製する工程、2回
目の紫外線、もしくはγ線を照射する工程、を包含する
ことにより、発色色調変化が大きい感熱発色材料の提供
が可能となる。
【0265】また、本発明の第2の感熱発色材料の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる金属イオン、および界面活性剤を混合物に
調製する工程、2回目の紫外線、もしくはγ線を照射す
る工程、を包含することにより、発色色調変化が大きい
感熱発色材料の提供が可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる金属イオン、および界面活性剤を混合物に
調製する工程、2回目の紫外線、もしくはγ線を照射す
る工程、を包含することにより、発色色調変化が大きい
感熱発色材料の提供が可能となる。
【0266】また、本発明の第三の感熱発色材料の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれかを添加する工程、紫外線、もしくはγ線を照
射する工程、を包含することにより、発色色調変化が大
きい感熱発色材料の提供が可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれかを添加する工程、紫外線、もしくはγ線を照
射する工程、を包含することにより、発色色調変化が大
きい感熱発色材料の提供が可能となる。
【0267】また、本発明の第四の感熱発色材料の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれか、および界面活性剤を添加する工程、紫外
線、もしくはγ線を照射する工程、を包含することによ
り、発色色調変化が大きい感熱発色材料の提供が可能と
なる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれか、および界面活性剤を添加する工程、紫外
線、もしくはγ線を照射する工程、を包含することによ
り、発色色調変化が大きい感熱発色材料の提供が可能と
なる。
【0268】また、本発明の第五の感熱発色材料の製造
方法によれば、少なくとも二種類以上の金属イオン、α
−水素含有アルコール、マトリックス形成材料、および
界面活性剤を含む混合物を調製する工程、紫外線、もし
くはγ線を照射する工程、を包含することにより、発色
色調変化が大きい感熱発色材料の提供が可能となる。
方法によれば、少なくとも二種類以上の金属イオン、α
−水素含有アルコール、マトリックス形成材料、および
界面活性剤を含む混合物を調製する工程、紫外線、もし
くはγ線を照射する工程、を包含することにより、発色
色調変化が大きい感熱発色材料の提供が可能となる。
【0269】また、本発明の第1の感熱発色素子によれ
ば、基体上に配置した、マトリックス物質中に分散した
複合微粒子を含む感熱発色材料層が、熱の付与によって
明確な色調変化を伴う発色を示すことにより、従来素子
より定量的な温度履歴管理を行うことができる感熱発色
素子の提供が可能となる。
ば、基体上に配置した、マトリックス物質中に分散した
複合微粒子を含む感熱発色材料層が、熱の付与によって
明確な色調変化を伴う発色を示すことにより、従来素子
より定量的な温度履歴管理を行うことができる感熱発色
素子の提供が可能となる。
【0270】また、本発明の第2の感熱発色素子によれ
ば、少なくとも二種類以上の金属元素からなる単体の金
属微粒子が、マトリックス物質中に分散された感熱発色
材料層が基体上に配置され、感熱発色材料層が大きな色
調変化を伴う感熱発色特性を示すことにより、従来素子
より定量的な温度履歴管理を行うことができる感熱発色
素子の提供が可能となる。
ば、少なくとも二種類以上の金属元素からなる単体の金
属微粒子が、マトリックス物質中に分散された感熱発色
材料層が基体上に配置され、感熱発色材料層が大きな色
調変化を伴う感熱発色特性を示すことにより、従来素子
より定量的な温度履歴管理を行うことができる感熱発色
素子の提供が可能となる。
【0271】また、本発明の第1の感熱発色素子の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる種類の金属イオンを添加する工程、混合物
を基体に配置する工程、基体上の混合物に紫外線、もし
くはγ線のいずれかを照射する工程、を包含することに
より、大きな発色色調変化を伴う感熱発色素子の提供が
可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる種類の金属イオンを添加する工程、混合物
を基体に配置する工程、基体上の混合物に紫外線、もし
くはγ線のいずれかを照射する工程、を包含することに
より、大きな発色色調変化を伴う感熱発色素子の提供が
可能となる。
【0272】また、本発明の第2の感熱発色素子の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる種類の金属イオン、および界面活性剤を添
加する工程、混合物を基体に配置する工程、基体上の混
合物に紫外線、もしくはγ線のいずれかを照射する工
程、を包含することにより、大きな発色色調変化を伴う
感熱発色素子の提供が可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、前記金属イ
オンと異なる種類の金属イオン、および界面活性剤を添
加する工程、混合物を基体に配置する工程、基体上の混
合物に紫外線、もしくはγ線のいずれかを照射する工
程、を包含することにより、大きな発色色調変化を伴う
感熱発色素子の提供が可能となる。
【0273】また、本発明の第三の感熱発色素子の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれかを混合する工程、混合物を基体に配置させる
工程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、を包含す
ることにより、大きな発色色調変化を伴う感熱発色素子
の提供が可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれかを混合する工程、混合物を基体に配置させる
工程、紫外線、もしくはγ線を照射する工程、を包含す
ることにより、大きな発色色調変化を伴う感熱発色素子
の提供が可能となる。
【0274】また、本発明の第四の感熱発色素子の製造
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれか、および界面活性剤を混合する工程、混合物
を基体に配置させる工程、紫外線、もしくはγ線を照射
する工程、を包含することにより、大きな発色色調変化
を伴う感熱発色素子の提供が可能となる。
方法によれば、金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン化物
のいずれか、および界面活性剤を混合する工程、混合物
を基体に配置させる工程、紫外線、もしくはγ線を照射
する工程、を包含することにより、大きな発色色調変化
を伴う感熱発色素子の提供が可能となる。
【0275】また、本発明の第五の感熱発色素子の製造
方法によれば、少なくとも二種類以上の金属イオン、α
−水素含有アルコール、界面活性剤、およびマトリック
ス材料を調製する工程、混合物を基体に配置する工程、
紫外線、もしくはγ線を照射する工程、を包含すること
により、大きな発色色調変化を伴う感熱発色素子の提供
が可能となる。
方法によれば、少なくとも二種類以上の金属イオン、α
−水素含有アルコール、界面活性剤、およびマトリック
ス材料を調製する工程、混合物を基体に配置する工程、
紫外線、もしくはγ線を照射する工程、を包含すること
により、大きな発色色調変化を伴う感熱発色素子の提供
が可能となる。
【0276】また、本発明の感熱発色素子によれば、冷
凍保存物、もしくは冷蔵保存物のバーコード表示領域
に、熱の付与により不可逆的に発色する感熱発色材料を
配置し、バーコード情報読みとりの際に、前記感熱発色
材料が発色した場合に異なるバーコード情報を与えるこ
とにより、従来から使用されているバーコードシステム
を利用して温度履歴評価を短時間で行うことが可能とな
る。
凍保存物、もしくは冷蔵保存物のバーコード表示領域
に、熱の付与により不可逆的に発色する感熱発色材料を
配置し、バーコード情報読みとりの際に、前記感熱発色
材料が発色した場合に異なるバーコード情報を与えるこ
とにより、従来から使用されているバーコードシステム
を利用して温度履歴評価を短時間で行うことが可能とな
る。
【図1】本発明の第1の感熱発色材料の概念図 (a)熱付与前の状態を示す図 (b),(c)熱付与後の状態を示す図
【図2】本発明の第2の感熱発色材料の概念図 (a)熱付与前の状態を示す図 (b)熱付与後の状態を示す図
【図3】本発明の第1の感熱発色素子の概念図
【図4】本発明の第2の感熱発色素子の概念図
【図5】本発明の感熱発色素子の概念図 (a)熱付与があった場合を示す図 (b)熱付与がなかった場合を示す図
【図6】本発明の実施例1の感熱発色材料が室温放置後
に示す、吸収スペクトル変化の時間依存性を示す図
に示す、吸収スペクトル変化の時間依存性を示す図
【図7】従来の感熱発色材料の構成図 (a)熱付与前の状態を示す図 (b)熱付与後の状態を示す図
1 金属微粒子 2 マトリックス物質 3 複合微粒子 4 核微粒子 5 金属殻 6 付着金属微粒子 7 微粒子 8 金属微粒子(構成元素が1の金属微粒子と異なる単
体金属微粒子) 9 基体 10 冷凍保存物、もしくは冷蔵保存物 11 バーコード表示領域 12 感熱発色材料
体金属微粒子) 9 基体 10 冷凍保存物、もしくは冷蔵保存物 11 バーコード表示領域 12 感熱発色材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09C 1/00 G06K 1/12 A G06K 1/12 B41M 5/18 101D 19/06 G06K 19/00 E
Claims (21)
- 【請求項1】 核部分が金属カルコゲナイド化合物、金
属ハロゲン化物、または金属のいずれかからなり、前記
核の表面の少なくとも一部に金属殻構造、もしくは金属
微粒子を備えた構造を有する複合微粒子をマトリックス
物質に分散し、熱の付与により前記複合微粒子の粒径が
不可逆的に増大し、感熱発色材料が有する色調が変化す
ることを特徴とする感熱発色材料。 - 【請求項2】 少なくとも2種類以上の金属微粒子をマ
トリックス物質に分散し、熱の付与により前記微粒子が
不可逆的に増大し、感熱発色材料が有する色調が変化す
ることを特徴とする感熱発色材料。 - 【請求項3】 核部分が、金、白金、銀、銅、錫、ロジ
ウム、パラジウムまたはイリジウムから選ばれる少なく
とも1つの金属、もしくは前記金属の酸化物、硫化物、
セレン化物、テルル化物のいずれか、もしくは前記金属
のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ素化物のいずれかか
らなり、前記金属殻構造、もしくは前記金属微粒子が、
前記金属材料から選ばれる少なくとも一つの金属により
構成されることを特徴とする請求項1に記載の感熱発色
材料。 - 【請求項4】 マトリックス物質が、無機物質、無機/
有機複合体、および樹脂からなる群より選択される、請
求項1又は2に記載の感熱発色材料。 - 【請求項5】 金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、および前記混合物に紫外線もしくはγ線を照射する
工程、および前記金属イオンと異なる金属イオンを混合
物に調製する工程、および前記混合物にさらに紫外線も
しくはγ線のいずれかを照射する工程、を包含する感熱
発色材料の製造方法。 - 【請求項6】 金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、および前記混合物に紫外線もしくはγ線を照射する
工程、および前記金属イオンと異なる金属イオン、およ
び界面活性剤を混合物に調製する工程、および前記混合
物にさらに紫外線もしくはγ線のいずれかを照射する工
程、を包含する感熱発色材料の製造方法。 - 【請求項7】 金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、前記混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン
化物のいずれかを添加し混合物を調製する工程、および
前記混合物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射する
工程、を包含する感熱発色材料の製造方法。 - 【請求項8】 金属イオン、α−水素含有アルコール、
およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製する工
程、前記混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロゲン
化物のいずれか、および界面活性剤を添加し混合物を調
製する工程、および前記混合物に紫外線もしくはγ線の
いずれかを照射する工程、を包含する感熱発色材料の製
造方法。 - 【請求項9】 少なくとも2種類以上の金属イオン、α
−水素含有アルコール、およびマトリックス形成材料、
界面活性剤を含む混合物を調製する工程、前記混合物に
紫外線もしくはγ線のいずれかを照射する工程、を包含
する感熱発色材料の製造方法。 - 【請求項10】 核部分が金属カルコゲナイド化合物、
金属ハロゲン化物、または金属のいずれかからなり、前
記核の表面の少なくとも一部に、金属殻構造、もしくは
金属微粒子を備えた構造を有する複合微粒子と、前記複
合微粒子を分散したマトリックス物質からなる感熱発色
材料を基体上に配置し、前記複合微粒子の粒径が、熱の
付与により凝集して不可逆的に増大し、素子が有する色
調が変化することを特徴とする感熱発色素子。 - 【請求項11】 少なくとも2種類以上の金属元素から
なる金属微粒子をマトリックス物質に分散した感熱発色
材料を基体上に配置し、前記金属微粒子の粒径が、熱の
付与により凝集して不可逆的に増大し、素子が有する色
調が変化することを特徴とする感熱発色素子。 - 【請求項12】 基体が、金属、プラスチック、布帛、
紙、およびガラスからなる群より選択される少なくとも
1つの素材でなることを特徴とする請求項10又は11
に記載の感熱発色素子。 - 【請求項13】 金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製す
る工程、紫外線もしくはγ線のいずれかを前記混合物に
照射する工程、前記混合物に前記金属イオンとは異なる
種類の金属イオンを添加して混合物を調製する工程、前
記混合物を基体に配置させる工程、ならびに前記基体に
配置した混合物にさらに紫外線もしくはγ線のいずれか
を照射して感熱発色材料を形成する工程を包含する感熱
発色素子の製造方法。 - 【請求項14】 金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製す
る工程、前記混合物を基体上に配置させる工程、紫外線
もしくはγ線のいずれかを基体上の混合物に照射する工
程、α−水素含有アルコール、マトリックス形成材料、
及び前記金属イオンとは異なる種類の金属イオンを含む
混合物を調製する工程、前記混合物を前記基体上に配置
させる工程、前記基体にさらに紫外線もしくはγ線のい
ずれかを照射して感熱発色材料を形成する工程、を包含
する感熱発色素子の製造方法。 - 【請求項15】 金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製す
る工程、紫外線もしくはγ線のいずれかを前記混合物に
照射する工程、前記混合物に前記金属イオンとは異なる
種類の金属イオン、および界面活性剤を添加して混合物
を調製する工程、前記混合物を基体に配置させる工程、
ならびに前記基体に配置した混合物にさらに紫外線もし
くはγ線のいずれかを照射して感熱発色材料を形成する
工程を包含する感熱発色素子の製造方法。 - 【請求項16】 金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製す
る工程、前記混合物を基体上に配置させる工程、紫外線
もしくはγ線のいずれかを基体上の混合物に照射する工
程、α−水素含有アルコール、マトリックス形成材料、
界面活性剤、及び前記金属イオンとは異なる種類の金属
イオンを含む混合物を調製する工程、前記混合物を前記
基体上に配置させる工程、前記基体にさらに紫外線もし
くはγ線のいずれかを照射して感熱発色材料を形成する
工程を包含する感熱発色素子の製造方法。 - 【請求項17】 金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製す
る工程、前記混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロ
ゲン化物のいずれかを添加し調製する工程、前記混合物
を基体に配置させる工程、ならびに前記基体に配置した
混合物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射して感熱
発色材料を形成する工程、を包含する感熱発色素子の製
造方法。 - 【請求項18】 金属イオン、α−水素含有アルコー
ル、およびマトリックス形成材料を含む混合物を調製す
る工程、前記混合物にカルコゲン化合物、もしくはハロ
ゲン化物のいずれか、および界面活性剤を添加し調製す
る工程、前記混合物を基体に配置させる工程、ならびに
前記基体に配置した混合物に紫外線もしくはγ線のいず
れかを照射して感熱発色材料を形成する工程を包含する
感熱発色素子の製造方法。 - 【請求項19】 少なくとも2種類以上の金属イオン、
α−水素含有アルコール、界面活性剤、およびマトリッ
クス形成材料を含む混合物を調製する工程、前記混合物
を基体に配置させる工程、ならびに前記基体に配置した
混合物に紫外線もしくはγ線のいずれかを照射して感熱
発色材料を形成する工程を包含する感熱発色素子の製造
方法。 - 【請求項20】 界面活性剤が、カルボン酸基、スルホ
ン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン
酸基を有する材料群の少なくとも一つから選択されるこ
とを特徴とする請求項6、8、9に記載の感熱発色材料
の製造方法、もしくは、請求項14、16、17に記載
の感熱発色素子の製造方法。 - 【請求項21】 冷凍保存物、もしくは冷蔵保存物の温
度管理に用いる感熱発色素子であって、前記保存物にバ
ーコード表示領域を設け、前記バーコード表示領域に熱
の付与により不可逆的に発色する感熱発色材料を配置
し、バーコード情報読みとりの際に、前記感熱発色材料
が発色した場合に異なるバーコード情報を与えることを
特徴とする感熱発色素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9305468A JPH11140436A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 感熱発色材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9305468A JPH11140436A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 感熱発色材料およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11140436A true JPH11140436A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17945522
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9305468A Pending JPH11140436A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 感熱発色材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11140436A (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-11-07 JP JP9305468A patent/JPH11140436A/ja active Pending
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