JPH11140546A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH11140546A JPH11140546A JP9307088A JP30708897A JPH11140546A JP H11140546 A JPH11140546 A JP H11140546A JP 9307088 A JP9307088 A JP 9307088A JP 30708897 A JP30708897 A JP 30708897A JP H11140546 A JPH11140546 A JP H11140546A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コイルの全幅及び全長にわたって、欠陥のな
い均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ、磁気特性も
優れた方向性電磁鋼板を得る。 【解決手段】 中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化
物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を求め、この表面酸化物の
Si濃度と地鉄のSi濃度との比率に応じて、脱炭焼鈍前の
鋼板表面へのSi化合物の付着量を制御する。
い均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ、磁気特性も
優れた方向性電磁鋼板を得る。 【解決手段】 中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化
物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を求め、この表面酸化物の
Si濃度と地鉄のSi濃度との比率に応じて、脱炭焼鈍前の
鋼板表面へのSi化合物の付着量を制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、方向性電磁鋼板
の製造方法に関し、特に脱炭焼鈍後に良好な物性の表面
酸化物を得るような制御を行うことによって、優れた磁
気特性及び被膜特性の方向性電磁鋼板を安定して製造し
ようとするものである。
の製造方法に関し、特に脱炭焼鈍後に良好な物性の表面
酸化物を得るような制御を行うことによって、優れた磁
気特性及び被膜特性の方向性電磁鋼板を安定して製造し
ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、軟磁性材料として、
主に変圧器あるいは回転機等の鉄心材料として使用され
るもので、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損、磁歪
特性が小さいことが要求される。
主に変圧器あるいは回転機等の鉄心材料として使用され
るもので、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損、磁歪
特性が小さいことが要求される。
【0003】かかる要求に応じるため、この方向性電磁
鋼板の表面には、特殊な場合を除いて、フォルステライ
ト(Mg2SiO4 )質グラス被膜が形成されているのが一般
的である。というのは、この被膜は表面の電気的絶縁の
目的だけでなく、その低熱膨張性に起因する引張張力を
鋼板に付与することにより鉄損、更には磁歪を効果的に
改善するためである。
鋼板の表面には、特殊な場合を除いて、フォルステライ
ト(Mg2SiO4 )質グラス被膜が形成されているのが一般
的である。というのは、この被膜は表面の電気的絶縁の
目的だけでなく、その低熱膨張性に起因する引張張力を
鋼板に付与することにより鉄損、更には磁歪を効果的に
改善するためである。
【0004】このグラス被膜は、仕上げ焼鈍において形
成されるが、その形成挙動は鋼中のインヒビター成分で
あるMnS 、MnSe、AlN などの挙動に影響を与えるため、
優れた磁気特性を得るための必須の過程である二次再結
晶そのものに影響を及ぼす。すなわち、仕上げ焼鈍途中
の昇温過程のおよそ900 ℃あたりの温度域における被膜
形成反応の遅れや不均一な被膜形成反応の進行が生じた
場合、あるいは形成した被膜がポーラスな構造を呈した
場合は、焼鈍雰囲気からO、Nが鋼中に侵入し易くなる
ため、鋼中のインヒビターが分解や粗大化あるいは過剰
化する。また、被膜形成反応が低温から進行すると、被
膜へのインヒビターの吸い上げも低温から生じ、その結
果、鋼中のインヒビターの不足を来す。以上のような現
象が生じると二次再結晶組織はゴス方位への集積度が低
く磁気特性が劣化する。
成されるが、その形成挙動は鋼中のインヒビター成分で
あるMnS 、MnSe、AlN などの挙動に影響を与えるため、
優れた磁気特性を得るための必須の過程である二次再結
晶そのものに影響を及ぼす。すなわち、仕上げ焼鈍途中
の昇温過程のおよそ900 ℃あたりの温度域における被膜
形成反応の遅れや不均一な被膜形成反応の進行が生じた
場合、あるいは形成した被膜がポーラスな構造を呈した
場合は、焼鈍雰囲気からO、Nが鋼中に侵入し易くなる
ため、鋼中のインヒビターが分解や粗大化あるいは過剰
化する。また、被膜形成反応が低温から進行すると、被
膜へのインヒビターの吸い上げも低温から生じ、その結
果、鋼中のインヒビターの不足を来す。以上のような現
象が生じると二次再結晶組織はゴス方位への集積度が低
く磁気特性が劣化する。
【0005】更に、形成したグラス被膜は、二次再結晶
が完了して不要となったインヒビター成分をグラス被膜
中に吸い上げ、鋼を純化する働きがあり、鋼板のヒステ
リシス損失の低減に役立つ。したがって、このグラス被
膜の均一な形成とその過程の制御は、方向性電磁鋼板の
製品品質を左右する重要なポイントである。なお、形成
したグラス被膜は、当然のことながら、均一かつ欠陥が
なく、かつせん断、打ち抜き及び曲げ加工等に耐える密
着性に優れたものでなければならない。また、鉄心に積
層したときに高い占積率を示し、平滑でなければならな
い。
が完了して不要となったインヒビター成分をグラス被膜
中に吸い上げ、鋼を純化する働きがあり、鋼板のヒステ
リシス損失の低減に役立つ。したがって、このグラス被
膜の均一な形成とその過程の制御は、方向性電磁鋼板の
製品品質を左右する重要なポイントである。なお、形成
したグラス被膜は、当然のことながら、均一かつ欠陥が
なく、かつせん断、打ち抜き及び曲げ加工等に耐える密
着性に優れたものでなければならない。また、鉄心に積
層したときに高い占積率を示し、平滑でなければならな
い。
【0006】ここに、方向性電磁鋼板表面のグラス被膜
は、以下の工程により形成される。所望の最終板厚に冷
間圧延した後に脱炭焼鈍、すなわち湿水素中で700 〜90
0 ℃の温度での連続焼鈍を行って、冷間圧延後の組織を
一次再結晶させるとともに時効劣化の原因となるCをで
きるかぎり減少させる。この脱炭焼鈍のとき、同時に酸
化によってシリカを主成分とするサブスケールを鋼板表
面に生成させる。その後、MgO を主成分とする焼鈍分離
剤を鋼板上に塗布し、コイル状に巻き取り還元又は非酸
化性雰囲気中にて1000℃から1200℃程度の温度で高温仕
上げ焼鈍を施すことにより、サブスケールとMgO とから
次式による反応でフォルステライト質絶縁被膜が形成さ
れる。 2MgO +SiO2→Mg2SiO4 なお、このグラス被膜は約 0.5〜1μm の微細結晶が緻
密に集積したセラミック被膜である。
は、以下の工程により形成される。所望の最終板厚に冷
間圧延した後に脱炭焼鈍、すなわち湿水素中で700 〜90
0 ℃の温度での連続焼鈍を行って、冷間圧延後の組織を
一次再結晶させるとともに時効劣化の原因となるCをで
きるかぎり減少させる。この脱炭焼鈍のとき、同時に酸
化によってシリカを主成分とするサブスケールを鋼板表
面に生成させる。その後、MgO を主成分とする焼鈍分離
剤を鋼板上に塗布し、コイル状に巻き取り還元又は非酸
化性雰囲気中にて1000℃から1200℃程度の温度で高温仕
上げ焼鈍を施すことにより、サブスケールとMgO とから
次式による反応でフォルステライト質絶縁被膜が形成さ
れる。 2MgO +SiO2→Mg2SiO4 なお、このグラス被膜は約 0.5〜1μm の微細結晶が緻
密に集積したセラミック被膜である。
【0007】このフォルステライト質グラス被膜は、脱
炭焼鈍の際に鋼板表層に生成する酸化物を一方の原料と
するものであるから、この酸化物の種類、量、分布など
はフォルステライトの核生成や粒成長挙動に関与すると
ともにグラス被膜の機械的強度に影響を及ぼすことで、
仕上げ焼鈍後の被膜品質に多大な影響を及ぼす。
炭焼鈍の際に鋼板表層に生成する酸化物を一方の原料と
するものであるから、この酸化物の種類、量、分布など
はフォルステライトの核生成や粒成長挙動に関与すると
ともにグラス被膜の機械的強度に影響を及ぼすことで、
仕上げ焼鈍後の被膜品質に多大な影響を及ぼす。
【0008】また、もう一方のグラス被膜の原料となる
MgO を主体とした焼鈍分離剤は、水に懸濁したスラリー
として鋼板に塗布されるのが一般的である。したがっ
て、乾燥させた後も物理的に表面吸着したH2O を保有す
るほか、一部が水和してMg(OH) 2 に変化する。これらの
水分は仕上げ焼鈍中に800 ℃あたりまでの昇温過程で少
量ながら放出し続けるため、これらの水分により鋼板表
面は酸化される。この酸化現象は追加酸化と呼ばれ、フ
ォルステライトの生成挙動に影響を及ぼすとともに、イ
ンヒビターの酸化・分解につながることから、追加酸化
量が多いと磁気特性の劣化を招く。この酸化の受け易さ
は脱炭焼鈍により生成するサブスケール品質の物性に左
右される。特に板厚が薄くなると、ゴス方位の核の存在
領域が狭くなることに加え、表面の影響度が相対的に強
まるため、鋼板の表面物性の制御、特に脱炭焼鈍時に生
成されるサブスケールの物性制御は、優れた製品磁気特
性を得る上できわめて重要である。
MgO を主体とした焼鈍分離剤は、水に懸濁したスラリー
として鋼板に塗布されるのが一般的である。したがっ
て、乾燥させた後も物理的に表面吸着したH2O を保有す
るほか、一部が水和してMg(OH) 2 に変化する。これらの
水分は仕上げ焼鈍中に800 ℃あたりまでの昇温過程で少
量ながら放出し続けるため、これらの水分により鋼板表
面は酸化される。この酸化現象は追加酸化と呼ばれ、フ
ォルステライトの生成挙動に影響を及ぼすとともに、イ
ンヒビターの酸化・分解につながることから、追加酸化
量が多いと磁気特性の劣化を招く。この酸化の受け易さ
は脱炭焼鈍により生成するサブスケール品質の物性に左
右される。特に板厚が薄くなると、ゴス方位の核の存在
領域が狭くなることに加え、表面の影響度が相対的に強
まるため、鋼板の表面物性の制御、特に脱炭焼鈍時に生
成されるサブスケールの物性制御は、優れた製品磁気特
性を得る上できわめて重要である。
【0009】方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍に関しては、例
えば特公昭58−46547号公報には脱炭焼鈍前にS
i、OあるいはSi、O、Hを含有するSi化合物を付着さ
せる方法、特公昭57−1575号公報には焼鈍雰囲気
の酸化性(PH2O /PH2)を脱炭の前半では0.15以上と
し、後半では0.75以下でかつ前半よりも低くする方法、
あるいは特開平2−240215号公報や特公昭54−
24686号公報には脱炭焼鈍後に非酸化性雰囲気中で
850 〜1050℃の熱処理を行う方法などが開示されてい
る。また、特開平7−188757号公報には脱炭焼鈍
前の地鉄表面Siと鋼中Si濃度の差(ΔSi)が鋼中Si濃度
の20%を超える材料に対し、ΔSiに応じたSi化合物を塗
布する方法などが知られている。
えば特公昭58−46547号公報には脱炭焼鈍前にS
i、OあるいはSi、O、Hを含有するSi化合物を付着さ
せる方法、特公昭57−1575号公報には焼鈍雰囲気
の酸化性(PH2O /PH2)を脱炭の前半では0.15以上と
し、後半では0.75以下でかつ前半よりも低くする方法、
あるいは特開平2−240215号公報や特公昭54−
24686号公報には脱炭焼鈍後に非酸化性雰囲気中で
850 〜1050℃の熱処理を行う方法などが開示されてい
る。また、特開平7−188757号公報には脱炭焼鈍
前の地鉄表面Siと鋼中Si濃度の差(ΔSi)が鋼中Si濃度
の20%を超える材料に対し、ΔSiに応じたSi化合物を塗
布する方法などが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は一定の効果は認められるものの、必ずしも十分
なものではなく、ストリップの幅方向あるいは長手方向
で磁気特性やグラス被膜の密着性、被覆性あるいは均一
性が劣化する場合が往々にして生じるなど、昨今の厳し
い品質要求や高歩留まり要求に対しいまだ改善の余地を
残すものであった。
の方法は一定の効果は認められるものの、必ずしも十分
なものではなく、ストリップの幅方向あるいは長手方向
で磁気特性やグラス被膜の密着性、被覆性あるいは均一
性が劣化する場合が往々にして生じるなど、昨今の厳し
い品質要求や高歩留まり要求に対しいまだ改善の余地を
残すものであった。
【0011】この発明は、上記の問題を有利に解決しよ
うとするものであり、コイルの全幅及び全長にわたっ
て、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、か
つ、磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得るための製造
方法について提案するものである。
うとするものであり、コイルの全幅及び全長にわたっ
て、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、か
つ、磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得るための製造
方法について提案するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、方向性電磁
鋼板用素材に熱間圧延を施し、そして中間焼鈍を挟む冷
間圧延を施して最終板厚に仕上げ、次いで鋼板表面にSi
化合物を付着させてから、湿水素雰囲気中にて脱炭焼鈍
を施し表面に酸化層を形成した後、焼鈍分離剤を塗布し
て仕上げ焼鈍を行う一連の工程にて方向性電磁鋼板を製
造するに当たり、中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸
化物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を求め、この表面酸化物
のSi濃度と地鉄のSi濃度との比率に応じて、脱炭焼鈍前
の鋼板表面へのSi化合物の付着量を制御することを特徴
とする方向性電磁鋼板の製造方法である。
鋼板用素材に熱間圧延を施し、そして中間焼鈍を挟む冷
間圧延を施して最終板厚に仕上げ、次いで鋼板表面にSi
化合物を付着させてから、湿水素雰囲気中にて脱炭焼鈍
を施し表面に酸化層を形成した後、焼鈍分離剤を塗布し
て仕上げ焼鈍を行う一連の工程にて方向性電磁鋼板を製
造するに当たり、中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸
化物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を求め、この表面酸化物
のSi濃度と地鉄のSi濃度との比率に応じて、脱炭焼鈍前
の鋼板表面へのSi化合物の付着量を制御することを特徴
とする方向性電磁鋼板の製造方法である。
【0013】この発明では、 ・中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化物のSi濃度及
び地鉄のSi濃度を、グロー放電分光法により求めるこ
と、 ・脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着を、塗布又
は電解処理により実施すること、及び ・脱炭焼鈍後に鋼板表面の酸化層の酸素目付量を測定
し、この測定結果をもとに脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi
化合物付着量、及び脱炭焼鈍時の炉内加熱帯の雰囲気酸
化性PH2O /PH2のいずれか一方あるいは双方をフィー
ドバック制御することのいずれか一つ又はこれらの二つ
以上を組み合わせて実施することが、より有利に適合す
る。
び地鉄のSi濃度を、グロー放電分光法により求めるこ
と、 ・脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着を、塗布又
は電解処理により実施すること、及び ・脱炭焼鈍後に鋼板表面の酸化層の酸素目付量を測定
し、この測定結果をもとに脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi
化合物付着量、及び脱炭焼鈍時の炉内加熱帯の雰囲気酸
化性PH2O /PH2のいずれか一方あるいは双方をフィー
ドバック制御することのいずれか一つ又はこれらの二つ
以上を組み合わせて実施することが、より有利に適合す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】さて、発明者らは、脱炭焼鈍時に
形成されるサブスケール品質、仕上げ焼鈍後に形成され
るグラス被膜品質及び脱炭焼鈍前の各工程での鋼板表面
状態を詳細に検討した。その結果、中間焼鈍後の表面酸
化層(すなわち、最終冷間圧延前の表面酸化層)がサブ
スケール品質に影響を及ぼし、その結果、製品品質を左
右していることが分かった。
形成されるサブスケール品質、仕上げ焼鈍後に形成され
るグラス被膜品質及び脱炭焼鈍前の各工程での鋼板表面
状態を詳細に検討した。その結果、中間焼鈍後の表面酸
化層(すなわち、最終冷間圧延前の表面酸化層)がサブ
スケール品質に影響を及ぼし、その結果、製品品質を左
右していることが分かった。
【0015】これよりこの発明に至った経緯について述
べる。工場ラインにおいて種々の条件で製造した中間焼
鈍板(板厚0.6 mm、インヒビター成分:MnSe、Sb)を採
取し、グロー放電分光法により中間焼鈍板表面のSiプロ
ファイルを求めた(中間焼鈍板の試料表面へAr+ イオン
を衝突させ、試料表面から表面を構成している元素のイ
オンがスパッタされる。このイオンを質量分析すること
により、試料の板厚方向の元素組成のプロファイルが得
られる。)。Siプロファイルにより、(1) 最表面から深
さ0.5 μm までのSi積算強度と(2) バルク組成となる地
鉄部において深さ0.5 μm の間にわたるSi積算強度をそ
れぞれ求めた。その後、各供試材を冷間圧延して最終板
厚0.22mmに仕上げた後、市販のアルカリ脱脂浴剤を用い
た脱脂浴で浸漬脱脂を行い、引き続いて3%オルトけい
酸ナトリウム水溶液中で電解脱脂を行って鋼板表面にSi
化合物を付着させ、それぞれの供試材のSi化合物付着量
をSi換算量として求めた。なお、電解電気量は1C/dm2
と一定条件とした。次いで、均熱温度820 ℃、均熱時間
120 秒間、昇熱から均熱入りまでの酸化性PH2O /PH2
=0.46とした脱炭焼鈍を実施した。脱炭焼鈍後の鋼板の
サブスケールの酸素目付量を求めた。これらの結果を、
中間焼鈍板表層のSi積算強度比と脱炭焼鈍前のSi化合物
付着量、脱炭焼鈍後の酸素目付量との関係で図1に示
す。
べる。工場ラインにおいて種々の条件で製造した中間焼
鈍板(板厚0.6 mm、インヒビター成分:MnSe、Sb)を採
取し、グロー放電分光法により中間焼鈍板表面のSiプロ
ファイルを求めた(中間焼鈍板の試料表面へAr+ イオン
を衝突させ、試料表面から表面を構成している元素のイ
オンがスパッタされる。このイオンを質量分析すること
により、試料の板厚方向の元素組成のプロファイルが得
られる。)。Siプロファイルにより、(1) 最表面から深
さ0.5 μm までのSi積算強度と(2) バルク組成となる地
鉄部において深さ0.5 μm の間にわたるSi積算強度をそ
れぞれ求めた。その後、各供試材を冷間圧延して最終板
厚0.22mmに仕上げた後、市販のアルカリ脱脂浴剤を用い
た脱脂浴で浸漬脱脂を行い、引き続いて3%オルトけい
酸ナトリウム水溶液中で電解脱脂を行って鋼板表面にSi
化合物を付着させ、それぞれの供試材のSi化合物付着量
をSi換算量として求めた。なお、電解電気量は1C/dm2
と一定条件とした。次いで、均熱温度820 ℃、均熱時間
120 秒間、昇熱から均熱入りまでの酸化性PH2O /PH2
=0.46とした脱炭焼鈍を実施した。脱炭焼鈍後の鋼板の
サブスケールの酸素目付量を求めた。これらの結果を、
中間焼鈍板表層のSi積算強度比と脱炭焼鈍前のSi化合物
付着量、脱炭焼鈍後の酸素目付量との関係で図1に示
す。
【0016】図1より、グロー放電分光法のSiプロファ
イルより求めた中間焼鈍板の地鉄Siに対する表面Siの比
率、すなわち、表面のSi積算強度/地鉄のSi積算強度の
比率が高くなるほど、脱炭焼鈍前のSi化合物の付着量が
増大していること、また、Si化合物の付着量が多い場合
は、脱炭焼鈍板の酸素目付量が増大していることか分か
る。
イルより求めた中間焼鈍板の地鉄Siに対する表面Siの比
率、すなわち、表面のSi積算強度/地鉄のSi積算強度の
比率が高くなるほど、脱炭焼鈍前のSi化合物の付着量が
増大していること、また、Si化合物の付着量が多い場合
は、脱炭焼鈍板の酸素目付量が増大していることか分か
る。
【0017】このように、中間焼鈍板の表面Si積算強度
と地鉄Si積算強度の比率が高くなるほど、脱炭焼鈍前の
Si化合物の付着量が増大する理由は明らかではないが、
発明者は以下のように考える。表面Si積算強度と地鉄Si
積算強度の比率が高い場合は、中間焼鈍板の鋼板表面に
スケール(主にシリカ)が残存しており、このような中
間焼鈍板を最終冷間圧延した際、鋼板表面の表面形状が
荒れる。また、一部のシリカが鋼板表面に圧着される。
鋼板表面の表面粗度増加(凸部の増加)による表面積増
加によりSi化合物の付着量が増加するため、また、Si化
合物の電着サイトに電着前の表面酸化物があるために、
電解によるSi化合物の電着付着量が増加するものと推定
される。
と地鉄Si積算強度の比率が高くなるほど、脱炭焼鈍前の
Si化合物の付着量が増大する理由は明らかではないが、
発明者は以下のように考える。表面Si積算強度と地鉄Si
積算強度の比率が高い場合は、中間焼鈍板の鋼板表面に
スケール(主にシリカ)が残存しており、このような中
間焼鈍板を最終冷間圧延した際、鋼板表面の表面形状が
荒れる。また、一部のシリカが鋼板表面に圧着される。
鋼板表面の表面粗度増加(凸部の増加)による表面積増
加によりSi化合物の付着量が増加するため、また、Si化
合物の電着サイトに電着前の表面酸化物があるために、
電解によるSi化合物の電着付着量が増加するものと推定
される。
【0018】図2は、脱炭焼鈍板の酸素目付量に及ぼす
Si付着量と脱炭焼鈍雰囲気の影響を示している。同図か
ら、鋼板表面のSi化合物付着量の増加及び脱炭焼鈍時の
昇温過程のPH2O /PH2の低下により、酸素目付量が増
加することが分かる。
Si付着量と脱炭焼鈍雰囲気の影響を示している。同図か
ら、鋼板表面のSi化合物付着量の増加及び脱炭焼鈍時の
昇温過程のPH2O /PH2の低下により、酸素目付量が増
加することが分かる。
【0019】脱炭焼鈍板の酸素目付量は、製品の被膜品
質のみならず磁気特性に影響を及ぼすため、素材に応じ
て、ある一定の範囲内に管理することが重要である。そ
こで、この発明では、中間焼鈍後の鋼板表層における表
面酸化物のSi濃度と地鉄のSi濃度との比率を基に、脱炭
焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着量を制御すること
により、脱炭焼鈍板の酸素目付量を最適範囲に管理する
のである。なお、これまでにも脱炭焼鈍前に鋼板表面へ
Si化合物を塗布する技術はあったが、この発明のように
中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化物のSi濃度と地
鉄のSi濃度との比率を基準としてSi化合物の付着量を調
整するものではなかったため、素材や製造条件によって
はSi化合物の付着量が適正範囲を外れる場合があった。
質のみならず磁気特性に影響を及ぼすため、素材に応じ
て、ある一定の範囲内に管理することが重要である。そ
こで、この発明では、中間焼鈍後の鋼板表層における表
面酸化物のSi濃度と地鉄のSi濃度との比率を基に、脱炭
焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着量を制御すること
により、脱炭焼鈍板の酸素目付量を最適範囲に管理する
のである。なお、これまでにも脱炭焼鈍前に鋼板表面へ
Si化合物を塗布する技術はあったが、この発明のように
中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化物のSi濃度と地
鉄のSi濃度との比率を基準としてSi化合物の付着量を調
整するものではなかったため、素材や製造条件によって
はSi化合物の付着量が適正範囲を外れる場合があった。
【0020】図3に脱炭焼鈍時の酸素目付量を一定範囲
内に制御するための大まかなフローチャートを示す。中
間焼鈍板の表面Si強度比(=表面のSi強度/地鉄のSi強
度)を求め、電解脱脂による鋼板表面へのSi付着量を、
Si強度比とSi付着量の関係から予測し、電解脱脂の電気
量を決定する(フィードフォワード制御)。
内に制御するための大まかなフローチャートを示す。中
間焼鈍板の表面Si強度比(=表面のSi強度/地鉄のSi強
度)を求め、電解脱脂による鋼板表面へのSi付着量を、
Si強度比とSi付着量の関係から予測し、電解脱脂の電気
量を決定する(フィードフォワード制御)。
【0021】より好適な制御法としては、同じく図3に
示すように、所定の焼鈍雰囲気で脱炭焼鈍を実施し、脱
炭焼鈍板の酸素目付量を測定する。その結果が管理範囲
内かどうかを判定し、焼鈍雰囲気と鋼板表面のSi付着量
の関係から、適正Si付着量を見直し、次コイルの電解脱
脂の電解電気量を調整するような、フィードバック制御
を加える。このフローにより、脱炭焼鈍後の酸素目付量
を精度良く制御できる。なお、脱炭焼鈍前のSi付着量の
制御だけでなく、同時に脱炭焼鈍の昇温時の酸化性を制
御することも有効である。
示すように、所定の焼鈍雰囲気で脱炭焼鈍を実施し、脱
炭焼鈍板の酸素目付量を測定する。その結果が管理範囲
内かどうかを判定し、焼鈍雰囲気と鋼板表面のSi付着量
の関係から、適正Si付着量を見直し、次コイルの電解脱
脂の電解電気量を調整するような、フィードバック制御
を加える。このフローにより、脱炭焼鈍後の酸素目付量
を精度良く制御できる。なお、脱炭焼鈍前のSi付着量の
制御だけでなく、同時に脱炭焼鈍の昇温時の酸化性を制
御することも有効である。
【0022】以下に、この発明の制御方法を数式を用い
てより具体的に説明する。 1)中間焼鈍板の表面Si強度比;ISiを、例えばグロー
放電分光法により求める。 2)次に、下記1式に記述される電解脱脂処理後の表面
Si付着量ASiとISiの関係式から電解脱脂処理後の表面
Si付着量;ASi(予測値)を求める。所望の酸素目付
量;O(目標値)を得る適切な表面Si付着量;ASi(目
標値)とASi(予測値)から電解脱脂の電気量E1 を下
記2式により補正する。その後、最終冷延板を電気量E
1 で電解脱脂することで、鋼板表面の表面Si付着量はA
Si(目標値)に制御される。なお、C0 〜C7 は地鉄成
分、鋼板板厚、Si付着物の電着効率および脱炭焼鈍の昇
熱速度などにより定められる実験的に求められた定数で
ある。 ASi(予測値)=C0 +C1 ×ISi+C2 ×(ISi)2 ……(1式) 電解脱脂の電気量=E(C/dm2) とすると E1 =C3 ×ASi(目標値)/ASi(予測値)……(2式)
てより具体的に説明する。 1)中間焼鈍板の表面Si強度比;ISiを、例えばグロー
放電分光法により求める。 2)次に、下記1式に記述される電解脱脂処理後の表面
Si付着量ASiとISiの関係式から電解脱脂処理後の表面
Si付着量;ASi(予測値)を求める。所望の酸素目付
量;O(目標値)を得る適切な表面Si付着量;ASi(目
標値)とASi(予測値)から電解脱脂の電気量E1 を下
記2式により補正する。その後、最終冷延板を電気量E
1 で電解脱脂することで、鋼板表面の表面Si付着量はA
Si(目標値)に制御される。なお、C0 〜C7 は地鉄成
分、鋼板板厚、Si付着物の電着効率および脱炭焼鈍の昇
熱速度などにより定められる実験的に求められた定数で
ある。 ASi(予測値)=C0 +C1 ×ISi+C2 ×(ISi)2 ……(1式) 電解脱脂の電気量=E(C/dm2) とすると E1 =C3 ×ASi(目標値)/ASi(予測値)……(2式)
【0023】3)より好ましい制御方法として、所定の
焼鈍雰囲気下で脱炭焼鈍を実施し、脱炭焼鈍コイルの酸
素目付量;O1 を測定する。所望の酸素目付量;O(目
標値)とO1 とを比較し、目標範囲から外れた場合は、
電解脱脂の電解電気量を便宜的にδE(C/dm2) ピッチで
増減させる。すなわち、O(目標値)とO1 との差をΔ
Oとして、 ΔO=O(目標値)−O1 ……(3式) となる。ΔOがプラスの場合は、微調整後の電解電気
量;E2 は E2 =E1 +δE ……(4式) となり、ΔOがマイナスの場合は、微調整後の電解電気
量;E2 は E2 =E1 −δE ……(5式) となる。また、6式に示した酸素目付量の予測式を用い
て、ΔO=0となる電気量の補正代ΔEを産出する方法
でも良い。 O(予測値)=C4 +C5 ×ASi+C6 ×P+C7 ×ASi×P ……(6式) 式6において、ASiは電解脱脂後のSi付着量を、Pは加
熱帯のPH2O /PH2を示す。6式で、加熱帯PH2O /P
H2が一定条件下では、Si付着量の変化代δASiによる酸
素目付量の変化代;δOは、 δO=(C5 +C7 ×P)・δASi ……(7式) となる。7式にΔOを代入して、変更すべき電解脱脂後
のSi付着量の補正代ΔA Siを求め、次コイルの電解電気
量;E2 を8式により求める。 E2 =E1 ×(ASi(初期値)+δASi)/ASi(初期値) ……(8式) このフローにより、脱炭焼鈍後の酸素目付量を精度良く
制御できる。
焼鈍雰囲気下で脱炭焼鈍を実施し、脱炭焼鈍コイルの酸
素目付量;O1 を測定する。所望の酸素目付量;O(目
標値)とO1 とを比較し、目標範囲から外れた場合は、
電解脱脂の電解電気量を便宜的にδE(C/dm2) ピッチで
増減させる。すなわち、O(目標値)とO1 との差をΔ
Oとして、 ΔO=O(目標値)−O1 ……(3式) となる。ΔOがプラスの場合は、微調整後の電解電気
量;E2 は E2 =E1 +δE ……(4式) となり、ΔOがマイナスの場合は、微調整後の電解電気
量;E2 は E2 =E1 −δE ……(5式) となる。また、6式に示した酸素目付量の予測式を用い
て、ΔO=0となる電気量の補正代ΔEを産出する方法
でも良い。 O(予測値)=C4 +C5 ×ASi+C6 ×P+C7 ×ASi×P ……(6式) 式6において、ASiは電解脱脂後のSi付着量を、Pは加
熱帯のPH2O /PH2を示す。6式で、加熱帯PH2O /P
H2が一定条件下では、Si付着量の変化代δASiによる酸
素目付量の変化代;δOは、 δO=(C5 +C7 ×P)・δASi ……(7式) となる。7式にΔOを代入して、変更すべき電解脱脂後
のSi付着量の補正代ΔA Siを求め、次コイルの電解電気
量;E2 を8式により求める。 E2 =E1 ×(ASi(初期値)+δASi)/ASi(初期値) ……(8式) このフローにより、脱炭焼鈍後の酸素目付量を精度良く
制御できる。
【0024】以下にこの発明を更に詳しく述べる。中間
焼鈍後の表面性状は、中間焼鈍時の炉内雰囲気・冷却雰
囲気やヒートパターンなどの焼鈍条件はもちろんのこ
と、中間焼鈍後の鋼板表面に形成された酸化層の除去方
法の影響を受ける。除去方法としてはショットブラス
ト、酸洗、ブラシロール研磨、弾性ロール研磨等の手段
を単独又は2種以上複合させた方法が用いられる。な
お、ショットブラストでは衝突させる粒子のサイズ、材
質及び噴射量など、酸洗では酸濃度、液温及び添加剤、
ブラシロール研磨及び弾性ロール研磨では材質、砥粒番
定及び回転速度等を変更することで、表面酸化物の除去
量をおおまかに制御できる。しかしながら、鋼板表面性
状を必ずしも一定レベルに制御することは困難である。
表面性状のコイル間ばらつきは製品品質のばらつきにつ
ながるため、鋼板表面の元素プロファイルを評価するこ
とが重要である。
焼鈍後の表面性状は、中間焼鈍時の炉内雰囲気・冷却雰
囲気やヒートパターンなどの焼鈍条件はもちろんのこ
と、中間焼鈍後の鋼板表面に形成された酸化層の除去方
法の影響を受ける。除去方法としてはショットブラス
ト、酸洗、ブラシロール研磨、弾性ロール研磨等の手段
を単独又は2種以上複合させた方法が用いられる。な
お、ショットブラストでは衝突させる粒子のサイズ、材
質及び噴射量など、酸洗では酸濃度、液温及び添加剤、
ブラシロール研磨及び弾性ロール研磨では材質、砥粒番
定及び回転速度等を変更することで、表面酸化物の除去
量をおおまかに制御できる。しかしながら、鋼板表面性
状を必ずしも一定レベルに制御することは困難である。
表面性状のコイル間ばらつきは製品品質のばらつきにつ
ながるため、鋼板表面の元素プロファイルを評価するこ
とが重要である。
【0025】この発明では、中間焼鈍板の鋼板表面の元
素プロファイルに応じて、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi
化合物の付着量を制御して脱炭焼鈍を行うことによっ
て、コイル全長及び全幅にわたって均一に、良好な特性
が得られるという、きわめて優れた効果が発揮されるこ
とを見いだしたものである。加えて、脱炭焼鈍の炉内加
熱帯の酸化性PH2O /PH2を併せて制御することが、脱
炭焼鈍後の酸素目付量の制御範囲の拡大、制御精度の向
上に有効であることも見いだしたのである。
素プロファイルに応じて、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi
化合物の付着量を制御して脱炭焼鈍を行うことによっ
て、コイル全長及び全幅にわたって均一に、良好な特性
が得られるという、きわめて優れた効果が発揮されるこ
とを見いだしたものである。加えて、脱炭焼鈍の炉内加
熱帯の酸化性PH2O /PH2を併せて制御することが、脱
炭焼鈍後の酸素目付量の制御範囲の拡大、制御精度の向
上に有効であることも見いだしたのである。
【0026】この中間焼鈍板の元素プロファイル測定法
について述べる。この発明では、表面酸化層の量、深さ
を簡便でかつ迅速性に富む測定方法としてグロー放電分
光法を用いることは好ましい。グロー放電分光法は迅速
性に富むので、ラインの条件変動や鋼板の表面状態をす
ばやくチェックするうえできわめて有効な手段である。
グロー放電分光法による元素プロファイルの測定では、
鋼板表層の表面酸化物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を、例
えば板厚方向に 0〜30μm の範囲で測定する。
について述べる。この発明では、表面酸化層の量、深さ
を簡便でかつ迅速性に富む測定方法としてグロー放電分
光法を用いることは好ましい。グロー放電分光法は迅速
性に富むので、ラインの条件変動や鋼板の表面状態をす
ばやくチェックするうえできわめて有効な手段である。
グロー放電分光法による元素プロファイルの測定では、
鋼板表層の表面酸化物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を、例
えば板厚方向に 0〜30μm の範囲で測定する。
【0027】この他に表面研削の前後で蛍光X線分析を
行う方法なども有効である。また、便宜的な方法とし
て、地鉄中のSi濃度として出鋼時の代表分析値を代用
し、中間焼鈍板の表面Si濃度のみを蛍光X線により評価
する方法でも良い。これらの評価方法は、中間焼鈍時の
炉内雰囲気・冷却雰囲気やヒートパターンなどの焼鈍条
件や中間焼鈍後の鋼板表面に形成された酸化層の除去方
法によらず適用できる。
行う方法なども有効である。また、便宜的な方法とし
て、地鉄中のSi濃度として出鋼時の代表分析値を代用
し、中間焼鈍板の表面Si濃度のみを蛍光X線により評価
する方法でも良い。これらの評価方法は、中間焼鈍時の
炉内雰囲気・冷却雰囲気やヒートパターンなどの焼鈍条
件や中間焼鈍後の鋼板表面に形成された酸化層の除去方
法によらず適用できる。
【0028】次に、Si化合物について述べる。Si化合物
は本質的にSi、O、Hあるいは本質的にSi、Oからなる
けい素化合物、すなわち、SiO2・X H2O の形で表される
化合物を付着させることが有効である。例えば、オルト
けい酸(H2SiO4)、メタけい酸(H2SiO3)、コロイダル
シリカのような水溶性超微細SiO2及びけい酸アルカリ水
溶液中で鋼板を電解処理したときに電着するSiO2、又は
H2O が結合した化合物などがこれに該当する。
は本質的にSi、O、Hあるいは本質的にSi、Oからなる
けい素化合物、すなわち、SiO2・X H2O の形で表される
化合物を付着させることが有効である。例えば、オルト
けい酸(H2SiO4)、メタけい酸(H2SiO3)、コロイダル
シリカのような水溶性超微細SiO2及びけい酸アルカリ水
溶液中で鋼板を電解処理したときに電着するSiO2、又は
H2O が結合した化合物などがこれに該当する。
【0029】かかるSi化合物の付着量をこの発明では中
間焼鈍板の表面酸化物Si濃度と地鉄Si濃度との関係で制
御する。Si化合物の付着量は、脱炭焼鈍時に雰囲気酸化
性の制御を行うか否かによっても相違するが、Siとして
0.5 mg/m2 より少ないと所定の効果が得られにくく、ま
た、Si化合物がSiとして5.0 mg/m2 を超えると酸素目付
量が増大し易い。過大な酸素目付量やコイル長手・幅方
向での酸素目付量の不均一な増加は、仕上げ焼鈍中での
フォルステライト質グラス被膜の生成挙動に悪影響を及
ぼし、点状に局所的に被膜が欠落する被膜欠陥の発生頻
度が増加する。したがって、Si化合物の付着量は0.5 mg
/m2 から5.0 mg/m2 の範囲が好ましい。
間焼鈍板の表面酸化物Si濃度と地鉄Si濃度との関係で制
御する。Si化合物の付着量は、脱炭焼鈍時に雰囲気酸化
性の制御を行うか否かによっても相違するが、Siとして
0.5 mg/m2 より少ないと所定の効果が得られにくく、ま
た、Si化合物がSiとして5.0 mg/m2 を超えると酸素目付
量が増大し易い。過大な酸素目付量やコイル長手・幅方
向での酸素目付量の不均一な増加は、仕上げ焼鈍中での
フォルステライト質グラス被膜の生成挙動に悪影響を及
ぼし、点状に局所的に被膜が欠落する被膜欠陥の発生頻
度が増加する。したがって、Si化合物の付着量は0.5 mg
/m2 から5.0 mg/m2 の範囲が好ましい。
【0030】Si化合物を鋼板表面に付着させるために
は、大別して塗布による方法と電解処理による方法との
二つに大別される。まず、塗布による方法を選ぶ場合
に、最終冷間圧延後の方向性電磁鋼板は、塗布液がはじ
かないように事前に表面を脱脂して、濡れ性を十分に良
くしておく必要がある。塗布液としては、4 〜50μm 程
度の粒子径を持つコロイド状シリカ、あるいは水に対す
る溶解度は小さいが、けい酸(SiO2・X H2O )などを用
いることができる。塗布のための具体的な手段や塗布後
の成分や濃度等は特に限定されるものではない。例え
ば、0.5 〜2.0 mmの間隔に溝を切った塗布ロールを用い
れば、塗布液濃度、ロール圧下力の選択により、塗布量
が任意に制御できるため好適である。
は、大別して塗布による方法と電解処理による方法との
二つに大別される。まず、塗布による方法を選ぶ場合
に、最終冷間圧延後の方向性電磁鋼板は、塗布液がはじ
かないように事前に表面を脱脂して、濡れ性を十分に良
くしておく必要がある。塗布液としては、4 〜50μm 程
度の粒子径を持つコロイド状シリカ、あるいは水に対す
る溶解度は小さいが、けい酸(SiO2・X H2O )などを用
いることができる。塗布のための具体的な手段や塗布後
の成分や濃度等は特に限定されるものではない。例え
ば、0.5 〜2.0 mmの間隔に溝を切った塗布ロールを用い
れば、塗布液濃度、ロール圧下力の選択により、塗布量
が任意に制御できるため好適である。
【0031】次に、電解処理による方法について述べ
る。方向性電磁鋼板には、最終冷間圧延後に付着した圧
延油、鉄粉あるいは最終冷間圧延の前工程で付着した異
物などを除去し、正常な表面を得るためにクリーニング
を施す。このクリーニング方法としては、浸漬脱脂、ス
プレー脱脂、ブラッシング脱脂などのほか、アルカリ性
脱脂浴で鋼板を電解処理する、いわゆる電解脱脂があ
る。この電解脱脂には通常、か(苛)性ソーダ、炭酸ソ
ーダ、りん酸ソーダ及びけい酸ソーダなどの一種又は二
種以上を含む水溶液が脱脂浴として採用されるが、けい
酸塩を含む脱脂浴を用いて鋼板を電解脱脂すれば、鋼板
表面にけい酸又はけい酸塩もしくはそれらと鉄との水酸
化物を含む化合物が電着する。この現象は、特に鋼板極
性がマイナスにおいて顕著である。したがって、最終冷
間圧延後の方向性電磁鋼板をけい酸塩を含む脱脂浴中で
電解脱脂するか、通常の浸漬脱脂の末部に電解用電極を
付設することは、脱脂処理と同時にこの発明の要件であ
るSi化合物の付着を実現することから、きわめて有利で
ある。また、電気量の制御によってSi化合物の付着量を
任意に選ぶことができることも有利な点である。
る。方向性電磁鋼板には、最終冷間圧延後に付着した圧
延油、鉄粉あるいは最終冷間圧延の前工程で付着した異
物などを除去し、正常な表面を得るためにクリーニング
を施す。このクリーニング方法としては、浸漬脱脂、ス
プレー脱脂、ブラッシング脱脂などのほか、アルカリ性
脱脂浴で鋼板を電解処理する、いわゆる電解脱脂があ
る。この電解脱脂には通常、か(苛)性ソーダ、炭酸ソ
ーダ、りん酸ソーダ及びけい酸ソーダなどの一種又は二
種以上を含む水溶液が脱脂浴として採用されるが、けい
酸塩を含む脱脂浴を用いて鋼板を電解脱脂すれば、鋼板
表面にけい酸又はけい酸塩もしくはそれらと鉄との水酸
化物を含む化合物が電着する。この現象は、特に鋼板極
性がマイナスにおいて顕著である。したがって、最終冷
間圧延後の方向性電磁鋼板をけい酸塩を含む脱脂浴中で
電解脱脂するか、通常の浸漬脱脂の末部に電解用電極を
付設することは、脱脂処理と同時にこの発明の要件であ
るSi化合物の付着を実現することから、きわめて有利で
ある。また、電気量の制御によってSi化合物の付着量を
任意に選ぶことができることも有利な点である。
【0032】この電解処理の電解浴に用いるけい酸塩と
しては、ナトリウムのけい酸塩、すなわち、オルトけい
酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム又は種々のけい酸
ナトリウムの液体混合物である、いわゆる水ガラス等が
適当である。また、カリウムあるいはリチウムのけい酸
塩を用いることも可能である。いずれの金属イオンとSi
イオンとのモル比は、その如何を問わない。
しては、ナトリウムのけい酸塩、すなわち、オルトけい
酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム又は種々のけい酸
ナトリウムの液体混合物である、いわゆる水ガラス等が
適当である。また、カリウムあるいはリチウムのけい酸
塩を用いることも可能である。いずれの金属イオンとSi
イオンとのモル比は、その如何を問わない。
【0033】電解浴の組成は、上記のけい酸化合物を含
むものであれば、その他の成分、例えば、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム等の存在およびその濃度の如何を
問わないが、けい酸塩濃度が0.5 〜5%程度であれば、
脱脂とSiの付着との双方において初期の目的を達成する
ことが可能である。このほか、コロイダルシリカの懸濁
液中で鋼板を電解脱脂することによってもSi化合物を電
着させることが可能である。電解の方法や条件、すなわ
ち通電方法、電流密度、電解時間あるいは電解温度など
については特に限定しない。
むものであれば、その他の成分、例えば、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム等の存在およびその濃度の如何を
問わないが、けい酸塩濃度が0.5 〜5%程度であれば、
脱脂とSiの付着との双方において初期の目的を達成する
ことが可能である。このほか、コロイダルシリカの懸濁
液中で鋼板を電解脱脂することによってもSi化合物を電
着させることが可能である。電解の方法や条件、すなわ
ち通電方法、電流密度、電解時間あるいは電解温度など
については特に限定しない。
【0034】引き続き脱炭焼鈍を行う。この脱炭焼鈍に
より鋼板表面に種種の酸化物が形成され、SiO2、Fe2SiO
4 、FeSiO3等の酸化物のほか、FeO さらにはMn、Alの酸
化物が形成される。このうち、FeO 、Fe2O3 等は化学的
に活性な物質であり、これらが多く生成するような条件
の脱炭焼鈍は良くない。この意味で脱炭焼鈍における雰
囲気のPH2O /PH2は0.7 未満が望ましい。
より鋼板表面に種種の酸化物が形成され、SiO2、Fe2SiO
4 、FeSiO3等の酸化物のほか、FeO さらにはMn、Alの酸
化物が形成される。このうち、FeO 、Fe2O3 等は化学的
に活性な物質であり、これらが多く生成するような条件
の脱炭焼鈍は良くない。この意味で脱炭焼鈍における雰
囲気のPH2O /PH2は0.7 未満が望ましい。
【0035】脱炭焼鈍時に生成する酸化層(サブスケー
ル)のグラス被膜形成能及び仕上げ焼鈍時のインヒビタ
ー保護性、すなわちインヒビターの酸化・分解の抑制能
は、酸化物の種類、サブスケール内の酸化物の粒子サイ
ズ、その分布状態ないしは階層構造などによって影響さ
れ、このサブスケールの状態は焼鈍条件すなわち焼鈍温
度、焼鈍時間、焼鈍雰囲気の酸化性などが相互に影響し
合うことを考慮して焼鈍条件を決定することが好まし
い。また、サブスケール量すなわち酸素目付量は対象と
なる素材に応じた適正範囲があり、適正範囲の下限未満
の場合は、サブスケールのインヒビター保護性が低下
し、製品の磁気特性が劣化しやすい。また、適正範囲の
上限を超える場合はサブスケール内のFe2SiO4 の絶対量
が過剰となりグラス被膜特性や磁気特性に悪影響を与え
る。この酸素目付量を制御する手段として、図2に示す
ように脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着量や脱
炭焼鈍時の昇熱時の酸化性を制御することは有効な手段
となる。
ル)のグラス被膜形成能及び仕上げ焼鈍時のインヒビタ
ー保護性、すなわちインヒビターの酸化・分解の抑制能
は、酸化物の種類、サブスケール内の酸化物の粒子サイ
ズ、その分布状態ないしは階層構造などによって影響さ
れ、このサブスケールの状態は焼鈍条件すなわち焼鈍温
度、焼鈍時間、焼鈍雰囲気の酸化性などが相互に影響し
合うことを考慮して焼鈍条件を決定することが好まし
い。また、サブスケール量すなわち酸素目付量は対象と
なる素材に応じた適正範囲があり、適正範囲の下限未満
の場合は、サブスケールのインヒビター保護性が低下
し、製品の磁気特性が劣化しやすい。また、適正範囲の
上限を超える場合はサブスケール内のFe2SiO4 の絶対量
が過剰となりグラス被膜特性や磁気特性に悪影響を与え
る。この酸素目付量を制御する手段として、図2に示す
ように脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着量や脱
炭焼鈍時の昇熱時の酸化性を制御することは有効な手段
となる。
【0036】更に、脱炭焼鈍後の酸素目付量を測定し、
その値をフィードバックして、脱炭焼鈍前の鋼板表面へ
のSi化合物の付着量や脱炭焼鈍炉内の加熱帯酸化性を微
調整することにより飛躍的に酸素目付量の的中率が向上
する。
その値をフィードバックして、脱炭焼鈍前の鋼板表面へ
のSi化合物の付着量や脱炭焼鈍炉内の加熱帯酸化性を微
調整することにより飛躍的に酸素目付量の的中率が向上
する。
【0037】なお、この発明で対象とする電磁鋼板用素
材の代表成分は以下のとおりである。 C:0.02〜0.10wt% Cは、組織改善を図るもので、この範囲を外れると良好
な集合組織を得ることが困難である。 Si:2.0 〜4.5 wt% Si含有量が2.0 未満では渦電流損の低減効果が減少し、
一方4.5 wt%を超えると冷間圧延性が損なわれる。これ
らの成分のほかにインヒビター構成成分を含有させる。
すなわち、インヒビターにMnS 及び/又はMnSeを用いる
場合には、 Mn:0.03〜0.10wt%、S+Se:0.01〜0.03wt%にする。 AlN をインヒビターに用いる場合には、Al:0.01〜0.04
wt%、N:0.0050〜0.0120wt%とする。この範囲よりも
低い含有量ではインヒビターとしての効果が不十分であ
り、高いと二次再結晶が不安定になる。また、これらの
他に、Cu、Sn、Sb、Ge、Mo、Te、Bi、P、V、Nbなども
適用することができ、更に各インヒビターは単独使用、
複数使用のいずれも可能である。
材の代表成分は以下のとおりである。 C:0.02〜0.10wt% Cは、組織改善を図るもので、この範囲を外れると良好
な集合組織を得ることが困難である。 Si:2.0 〜4.5 wt% Si含有量が2.0 未満では渦電流損の低減効果が減少し、
一方4.5 wt%を超えると冷間圧延性が損なわれる。これ
らの成分のほかにインヒビター構成成分を含有させる。
すなわち、インヒビターにMnS 及び/又はMnSeを用いる
場合には、 Mn:0.03〜0.10wt%、S+Se:0.01〜0.03wt%にする。 AlN をインヒビターに用いる場合には、Al:0.01〜0.04
wt%、N:0.0050〜0.0120wt%とする。この範囲よりも
低い含有量ではインヒビターとしての効果が不十分であ
り、高いと二次再結晶が不安定になる。また、これらの
他に、Cu、Sn、Sb、Ge、Mo、Te、Bi、P、V、Nbなども
適用することができ、更に各インヒビターは単独使用、
複数使用のいずれも可能である。
【0038】
【実施例】(実施例1)インヒビターがMnSe、Sb系の方
向性電磁鋼板用素材、すなわちC:0.039 wt%、Si:3.
4 wt%、Mn:0.07wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.024 wt
%、S:0.002wt%を含有する素材を2.0 mmに熱間圧延
し、1000℃で30秒の均一化焼鈍を行い、冷間圧延により
板厚0.6 mmにし、950 ℃で60秒の中間焼鈍を実施した。
中間焼鈍時に鋼板表面に形成される酸化層を一つには酸
洗、もう一つには酸洗+ブラシロール研磨、もう一つに
は酸洗+弾性ロール研磨の各条件で除去した。
向性電磁鋼板用素材、すなわちC:0.039 wt%、Si:3.
4 wt%、Mn:0.07wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.024 wt
%、S:0.002wt%を含有する素材を2.0 mmに熱間圧延
し、1000℃で30秒の均一化焼鈍を行い、冷間圧延により
板厚0.6 mmにし、950 ℃で60秒の中間焼鈍を実施した。
中間焼鈍時に鋼板表面に形成される酸化層を一つには酸
洗、もう一つには酸洗+ブラシロール研磨、もう一つに
は酸洗+弾性ロール研磨の各条件で除去した。
【0039】なお、表面除去量は酸洗濃度・温度、ブラ
シロール研磨及び弾性ロール研磨の砥粒番定や回転速度
等を変更することで変化させた。次いで、中間焼鈍板を
グロー放電分光法によりSiプロファイルを測定し、換算
深さ0.5 μm に相当する間隔で表面近傍と地鉄部分につ
いて測定元素の積算強度をそれぞれ求めた。測定元素の
表面の積算強度を地鉄の積算強度で割った値を用いて規
格化した結果を表1に示す。
シロール研磨及び弾性ロール研磨の砥粒番定や回転速度
等を変更することで変化させた。次いで、中間焼鈍板を
グロー放電分光法によりSiプロファイルを測定し、換算
深さ0.5 μm に相当する間隔で表面近傍と地鉄部分につ
いて測定元素の積算強度をそれぞれ求めた。測定元素の
表面の積算強度を地鉄の積算強度で割った値を用いて規
格化した結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】次いで、冷間圧延により板厚0.22mmの最終
板厚に仕上げた。引き続き、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を実施し、電解脱脂を兼ねた3
%オルトけい酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って
鋼板表面にSi化合物を付着させた。このとき、試料No.
1〜No. 9については、電解脱脂の電気量を9式と10式
により求め、Si強度比に応じて電解電気量を制御した。
なお、目標酸素目付量は、1.55 g/m2 である。 Si付着量=3.52−0.96×Si強度比+0.43×(Si強度比)2 ……(9式) 電解脱脂の電気量=1C/dm2 ×3/Si付着量 ……(10式)
板厚に仕上げた。引き続き、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を実施し、電解脱脂を兼ねた3
%オルトけい酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って
鋼板表面にSi化合物を付着させた。このとき、試料No.
1〜No. 9については、電解脱脂の電気量を9式と10式
により求め、Si強度比に応じて電解電気量を制御した。
なお、目標酸素目付量は、1.55 g/m2 である。 Si付着量=3.52−0.96×Si強度比+0.43×(Si強度比)2 ……(9式) 電解脱脂の電気量=1C/dm2 ×3/Si付着量 ……(10式)
【0042】中間焼鈍板のグロー放電分光法により求め
られるSiの表面と地鉄の積算強度比に応じて電解電気量
を制御したNo. 1〜No. 9の試料ではSi付着量が一定範
囲内に制御されるが、1C/dm2 ないし0.5 C/dm2 のいず
れかの一定条件で電解処理したNo. 10〜No.18 では、Si
付着量が大きく変動していることがわかる。次いで、均
熱温度820 ℃、均熱時間120 秒間、昇熱から均熱入りま
での酸化性PH2O /PH2=0.34、均熱時の酸化性PH2O
/PH2=0.46とした脱炭焼鈍を実施した。次いで、焼鈍
分離剤としてMgO :100 重量部に対しTiO2;2重量部、
SrSO 4 ;1.5 重量部添加した焼鈍分離剤を塗布した。そ
の後、845 ℃で50時間の二次再結晶焼鈍を施し、引き続
き1180℃で5時間の純化焼鈍を実施した。得られた鋼板
のグラス被膜密着性・均一性を評価し、また、磁気特性
(W17/50、B8)を測定した。グラス被膜の密着性は鋼板
を種々の直径をもつ丸棒に巻きつけ、被膜はく離が起こ
らない最小の丸棒の直径で示した。結果を表1に併せて
示す。
られるSiの表面と地鉄の積算強度比に応じて電解電気量
を制御したNo. 1〜No. 9の試料ではSi付着量が一定範
囲内に制御されるが、1C/dm2 ないし0.5 C/dm2 のいず
れかの一定条件で電解処理したNo. 10〜No.18 では、Si
付着量が大きく変動していることがわかる。次いで、均
熱温度820 ℃、均熱時間120 秒間、昇熱から均熱入りま
での酸化性PH2O /PH2=0.34、均熱時の酸化性PH2O
/PH2=0.46とした脱炭焼鈍を実施した。次いで、焼鈍
分離剤としてMgO :100 重量部に対しTiO2;2重量部、
SrSO 4 ;1.5 重量部添加した焼鈍分離剤を塗布した。そ
の後、845 ℃で50時間の二次再結晶焼鈍を施し、引き続
き1180℃で5時間の純化焼鈍を実施した。得られた鋼板
のグラス被膜密着性・均一性を評価し、また、磁気特性
(W17/50、B8)を測定した。グラス被膜の密着性は鋼板
を種々の直径をもつ丸棒に巻きつけ、被膜はく離が起こ
らない最小の丸棒の直径で示した。結果を表1に併せて
示す。
【0043】この発明に従う本発明例No. 1〜No. 9の
場合は、中間焼鈍の表面酸化層の除去方法が酸洗、酸洗
+砥粒入りブラシロール研磨、酸洗+砥粒入り弾性ロー
ル及びディスクによる機械研磨等の手段に関わらず、グ
ロー放電分光分析により求められるSiの表面と地鉄の積
算強度比に応じて脱炭焼鈍前のSi付着量を制御したの
で、グラス被膜及び磁気特性のすぐれた製品が得られて
いる。これに対して、一定条件で電解処理を実施したN
o. 10〜18では、グラス被膜又は磁気特性が劣化してい
るものが多い。
場合は、中間焼鈍の表面酸化層の除去方法が酸洗、酸洗
+砥粒入りブラシロール研磨、酸洗+砥粒入り弾性ロー
ル及びディスクによる機械研磨等の手段に関わらず、グ
ロー放電分光分析により求められるSiの表面と地鉄の積
算強度比に応じて脱炭焼鈍前のSi付着量を制御したの
で、グラス被膜及び磁気特性のすぐれた製品が得られて
いる。これに対して、一定条件で電解処理を実施したN
o. 10〜18では、グラス被膜又は磁気特性が劣化してい
るものが多い。
【0044】(実施例2)インヒビターがMnSe、Sb系の
方向性電磁鋼板用素材、すなわちC:0.040 wt%、Si:
2.95 wt %、Mn:0.065 wt%、Se:0.016 wt%、Sb:0.
014 wt%、S:0.002 wt%を含有する素材を2.7 mmに熱
間圧延し、1000℃で30秒の均一化焼鈍を行い、冷間圧延
により板厚0.78mmにし、980 ℃で60秒の中間焼鈍を実施
した。中間焼鈍時に鋼板表面に形成される酸化層を酸洗
+ブラシロール研磨で除去した。次いで、中間焼鈍板を
グロー放電分光法によりSiプロファイルを測定し、換算
深さ0.5 μm に相当する間隔で表面近傍と地鉄部分につ
いて測定元素の積算強度をそれぞれ求めた。測定元素の
表面の積算強度を地鉄の積算強度で割った値を用いて規
格化した結果を表2に示す。
方向性電磁鋼板用素材、すなわちC:0.040 wt%、Si:
2.95 wt %、Mn:0.065 wt%、Se:0.016 wt%、Sb:0.
014 wt%、S:0.002 wt%を含有する素材を2.7 mmに熱
間圧延し、1000℃で30秒の均一化焼鈍を行い、冷間圧延
により板厚0.78mmにし、980 ℃で60秒の中間焼鈍を実施
した。中間焼鈍時に鋼板表面に形成される酸化層を酸洗
+ブラシロール研磨で除去した。次いで、中間焼鈍板を
グロー放電分光法によりSiプロファイルを測定し、換算
深さ0.5 μm に相当する間隔で表面近傍と地鉄部分につ
いて測定元素の積算強度をそれぞれ求めた。測定元素の
表面の積算強度を地鉄の積算強度で割った値を用いて規
格化した結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】次いで、冷間圧延により板厚0.29mmの最終
板厚に仕上げた。引き続き、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を実施し、電解脱脂を兼ねた3
%オルトけい酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って
鋼板表面にSi化合物を付着させた。このとき、試料No.
1〜No. 5については、電解脱脂の電気量を11式と12式
により求め、Si強度比に応じて電解電気量を制御した。 Si付着量=3.7 −0.95×Si強度比+0.45×(Si強度比)2 ……(11式) 電解脱脂の電気量=1C/dm2 ×3/Si付着量 ……(12式)
板厚に仕上げた。引き続き、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を実施し、電解脱脂を兼ねた3
%オルトけい酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って
鋼板表面にSi化合物を付着させた。このとき、試料No.
1〜No. 5については、電解脱脂の電気量を11式と12式
により求め、Si強度比に応じて電解電気量を制御した。 Si付着量=3.7 −0.95×Si強度比+0.45×(Si強度比)2 ……(11式) 電解脱脂の電気量=1C/dm2 ×3/Si付着量 ……(12式)
【0047】なお、試料No. 6〜No. 10については、中
間焼鈍板の表面Si比に関わらず電解脱脂の電気量を1C/
dm2 とした。電解脱脂後のSi付着量を評価したところ、
試料No. 1〜No. 5のSi付着量は2.8 〜3.2 mg/m2 に制
御され、試料No. 6〜No. 10は3.4 〜6.6 mg/m2 の範囲
でばらついている。次いで、均熱温度820 ℃、均熱時間
120 秒間、均熱時の酸化性PH2O /PH2=0.55とした脱
炭焼鈍を実施した。なお、この脱炭焼鈍の時、試料No.
1〜No. 5については、電解脱脂後のSi付着量に応じて
昇熱から均熱入りまでの酸化性を、13式にしたがって制
御した。試料No. 6〜No. 10では、脱炭焼鈍時の昇温過
程の酸化性PH2O /PH2を0.35と一定にした。なお、目
標酸素目付量は、1.7 g/m2である。
間焼鈍板の表面Si比に関わらず電解脱脂の電気量を1C/
dm2 とした。電解脱脂後のSi付着量を評価したところ、
試料No. 1〜No. 5のSi付着量は2.8 〜3.2 mg/m2 に制
御され、試料No. 6〜No. 10は3.4 〜6.6 mg/m2 の範囲
でばらついている。次いで、均熱温度820 ℃、均熱時間
120 秒間、均熱時の酸化性PH2O /PH2=0.55とした脱
炭焼鈍を実施した。なお、この脱炭焼鈍の時、試料No.
1〜No. 5については、電解脱脂後のSi付着量に応じて
昇熱から均熱入りまでの酸化性を、13式にしたがって制
御した。試料No. 6〜No. 10では、脱炭焼鈍時の昇温過
程の酸化性PH2O /PH2を0.35と一定にした。なお、目
標酸素目付量は、1.7 g/m2である。
【0048】
【数1】
【0049】中間焼鈍板のSi強度比に応じて、電解脱脂
後の電気量を制御してSi付着量をコントロールし、更
に、電着したSi付着量を評価し脱炭焼鈍の昇温過程の酸
化性PH2O /PH2を調整した試料No. 1〜No. 5の酸素
目付量は、目標どおりである。これに対し、脱炭焼鈍時
の昇温過程の酸化性PH2O /PH2を0.35と一定にした試
料No. 6〜No. 10では、酸素目付量は目標値を大幅に超
えている。次いで、焼鈍分離剤としてMgO :100 重量部
に対しTiO2;2重量部、SrSO4 ;1.5 重量部添加した焼
鈍分離剤を塗布した。その後、850 ℃で50時間の二次再
結晶焼鈍を施し、引き続き1180℃で5時間の純化焼鈍を
実施した。
後の電気量を制御してSi付着量をコントロールし、更
に、電着したSi付着量を評価し脱炭焼鈍の昇温過程の酸
化性PH2O /PH2を調整した試料No. 1〜No. 5の酸素
目付量は、目標どおりである。これに対し、脱炭焼鈍時
の昇温過程の酸化性PH2O /PH2を0.35と一定にした試
料No. 6〜No. 10では、酸素目付量は目標値を大幅に超
えている。次いで、焼鈍分離剤としてMgO :100 重量部
に対しTiO2;2重量部、SrSO4 ;1.5 重量部添加した焼
鈍分離剤を塗布した。その後、850 ℃で50時間の二次再
結晶焼鈍を施し、引き続き1180℃で5時間の純化焼鈍を
実施した。
【0050】得られた鋼板のグラス被膜密着性・均一性
を評価し、また、磁気特性(W17/50、B8)を測定した。
グラス被膜の密着性は鋼板を種々の直径をもつ丸棒に巻
きつけ、被膜はく離が起こらない最小の丸棒の直径で示
した。結果を表2に併せて示す。この発明に従い、中間
焼鈍板グロー放電分光分析により求めれるSiの表面と地
鉄との積算強度比に応じて電解電気量を制御し、Si付着
量を一定範囲内に制御し、かつ、脱炭焼鈍時の昇温過程
の酸化性をSi付着量に応じて制御した本発明例No. 1〜
5は、グラス被膜の品質および磁気特性が優れている。
これに対して、電解脱脂の電気量及び脱炭焼鈍時の昇温
過程の酸化性を一定条件とした比較例では、グラス被膜
又は磁気特性が劣化している。
を評価し、また、磁気特性(W17/50、B8)を測定した。
グラス被膜の密着性は鋼板を種々の直径をもつ丸棒に巻
きつけ、被膜はく離が起こらない最小の丸棒の直径で示
した。結果を表2に併せて示す。この発明に従い、中間
焼鈍板グロー放電分光分析により求めれるSiの表面と地
鉄との積算強度比に応じて電解電気量を制御し、Si付着
量を一定範囲内に制御し、かつ、脱炭焼鈍時の昇温過程
の酸化性をSi付着量に応じて制御した本発明例No. 1〜
5は、グラス被膜の品質および磁気特性が優れている。
これに対して、電解脱脂の電気量及び脱炭焼鈍時の昇温
過程の酸化性を一定条件とした比較例では、グラス被膜
又は磁気特性が劣化している。
【0051】(実施例3)インヒビターがMnSe、Sb系の
方向性電磁鋼板用素材、すなわちC:0.041 wt%、Si:
3.35wt%、Mn:0.071 wt%、Se:0.021 wt%、Sb:0.02
4 wt%、S:0.002 wt%及びCu:0.08wt%を含有する素
材を2.7 mmに熱間圧延し、1000℃で30秒の均一化焼鈍を
行い、冷間圧延により板厚0.92mmにし、980 ℃で60秒の
中間焼鈍を実施した。中間焼鈍時に鋼板表面に形成され
る酸化層を酸洗+ブラシロール研磨で除去した。
方向性電磁鋼板用素材、すなわちC:0.041 wt%、Si:
3.35wt%、Mn:0.071 wt%、Se:0.021 wt%、Sb:0.02
4 wt%、S:0.002 wt%及びCu:0.08wt%を含有する素
材を2.7 mmに熱間圧延し、1000℃で30秒の均一化焼鈍を
行い、冷間圧延により板厚0.92mmにし、980 ℃で60秒の
中間焼鈍を実施した。中間焼鈍時に鋼板表面に形成され
る酸化層を酸洗+ブラシロール研磨で除去した。
【0052】次いで、中間焼鈍板をグロー放電分光法に
よりSiプロファイルを測定し、換算深さ0.5 μm に相当
する間隔で表面近傍と地鉄部分について測定元素の積算
強度をそれぞれ求めた。測定元素の表面の積算強度を地
鉄の積算強度で割った値を用いて規格化した結果を表3
に示す。
よりSiプロファイルを測定し、換算深さ0.5 μm に相当
する間隔で表面近傍と地鉄部分について測定元素の積算
強度をそれぞれ求めた。測定元素の表面の積算強度を地
鉄の積算強度で割った値を用いて規格化した結果を表3
に示す。
【0053】
【表3】
【0054】次いで、冷間圧延により板厚0.34mmの最終
板厚に仕上げた。引き続き、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を実施し、電解脱脂を兼ねた3
%オルトけい酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って
鋼板表面にSi化合物を付着させた。このとき、試料No.
1については、電解脱脂の電気量を14式と15式により求
め、Si強度比に応じて電解電気量を制御した。 Si付着量=3.8 −1.05×Si強度比+0.40×(Si強度比)2 ……(14式) 電解脱脂の電気量=1C/dm2 ×3/Si付着量 ……(15式)
板厚に仕上げた。引き続き、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を実施し、電解脱脂を兼ねた3
%オルトけい酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って
鋼板表面にSi化合物を付着させた。このとき、試料No.
1については、電解脱脂の電気量を14式と15式により求
め、Si強度比に応じて電解電気量を制御した。 Si付着量=3.8 −1.05×Si強度比+0.40×(Si強度比)2 ……(14式) 電解脱脂の電気量=1C/dm2 ×3/Si付着量 ……(15式)
【0055】次いで、均熱温度820 ℃、均熱時間120 秒
間、昇熱から均熱入りまでの酸化性PH2O /PH2=0.4
7、均熱時の酸化性PH2O /PH2=0.55とした脱炭焼鈍
を実施した。その結果、コイルNo. 1の酸素目付量は1.
77g/m2となり、目標の酸素目付量:1.70g/m2よりも若干
高い。目標の酸素目付量と実コイルの酸素目付量の差:
δOを解消させるため、No. 2の次コイルに対し電解脱
脂の電気量を次式により微調整した。 δO=(C5 +C7 ×P)・δASi ……(16式)
間、昇熱から均熱入りまでの酸化性PH2O /PH2=0.4
7、均熱時の酸化性PH2O /PH2=0.55とした脱炭焼鈍
を実施した。その結果、コイルNo. 1の酸素目付量は1.
77g/m2となり、目標の酸素目付量:1.70g/m2よりも若干
高い。目標の酸素目付量と実コイルの酸素目付量の差:
δOを解消させるため、No. 2の次コイルに対し電解脱
脂の電気量を次式により微調整した。 δO=(C5 +C7 ×P)・δASi ……(16式)
【0056】すなわち、16式にδOを代入して、変更す
べき電解脱脂後のSi付着量の補正代δASiを求め、次コ
イルの電解電気量;E2 を17式より求めた。 E2 =E1 ×(ASi(初期値)+δASi)/ASi(初期値) ……(17式) ここで、C5 、C7 は定数でこの実施例ではそれぞれ0.
15と0.10になり、Pは脱炭焼鈍時の昇熱から均熱入りま
での酸化性を示す。No. 3の次コイルについては、No.
1コイルの酸素目付量の差:δOを解消させるため、N
o. 3コイルに対し脱炭焼鈍雰囲気を次式により微調整
した。
べき電解脱脂後のSi付着量の補正代δASiを求め、次コ
イルの電解電気量;E2 を17式より求めた。 E2 =E1 ×(ASi(初期値)+δASi)/ASi(初期値) ……(17式) ここで、C5 、C7 は定数でこの実施例ではそれぞれ0.
15と0.10になり、Pは脱炭焼鈍時の昇熱から均熱入りま
での酸化性を示す。No. 3の次コイルについては、No.
1コイルの酸素目付量の差:δOを解消させるため、N
o. 3コイルに対し脱炭焼鈍雰囲気を次式により微調整
した。
【数2】 なお、目標酸素目付量は1.7 g/m2である。
【0057】先頭コイルNo. 1の結果を受けて、電解脱
脂の電気量又は脱炭焼鈍雰囲気をフィードバック制御し
たコイルNo. 2とNo. 3では、目標どおりの酸素目付量
を得ている。これに対し、一定条件で電解脱脂処理を実
施したNo. 4の酸素目付量は目標値よりも低くなってい
る。これらのコイルに対して、焼鈍分離剤としてMgO :
100 重量部に対しTiO2;2重量部、SrSO4 ;1.5 重量部
添加した焼鈍分離剤を塗布した。その後、845 ℃で50時
間の二次再結晶焼鈍を施し、引き続き1180℃で5時間の
純化焼鈍を実施した。
脂の電気量又は脱炭焼鈍雰囲気をフィードバック制御し
たコイルNo. 2とNo. 3では、目標どおりの酸素目付量
を得ている。これに対し、一定条件で電解脱脂処理を実
施したNo. 4の酸素目付量は目標値よりも低くなってい
る。これらのコイルに対して、焼鈍分離剤としてMgO :
100 重量部に対しTiO2;2重量部、SrSO4 ;1.5 重量部
添加した焼鈍分離剤を塗布した。その後、845 ℃で50時
間の二次再結晶焼鈍を施し、引き続き1180℃で5時間の
純化焼鈍を実施した。
【0058】得られた鋼板のグラス被膜密着性・均一性
を評価し、また、磁気特性(W17/50、B8)を測定した。
グラス被膜の密着性は鋼板を種々の直径をもつ丸棒に巻
きつけ、被膜はく離が起こらない最小の丸棒の直径で示
した。結果を表3に併せて示す。本発明例No. 1〜No.
3の場合は、グラス被膜及び磁気特性の優れた製品が得
られている。これに対して、一定条件で電解脱脂処理を
実施したNo. 4では、グラス被膜及び磁気特性が劣って
いる。
を評価し、また、磁気特性(W17/50、B8)を測定した。
グラス被膜の密着性は鋼板を種々の直径をもつ丸棒に巻
きつけ、被膜はく離が起こらない最小の丸棒の直径で示
した。結果を表3に併せて示す。本発明例No. 1〜No.
3の場合は、グラス被膜及び磁気特性の優れた製品が得
られている。これに対して、一定条件で電解脱脂処理を
実施したNo. 4では、グラス被膜及び磁気特性が劣って
いる。
【0059】
【発明の効果】この発明によれば、中間焼鈍後の鋼板表
層における表面酸化物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を求
め、この表面酸化物のSi濃度と地鉄のSi濃度との比率に
応じて、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着量を
制御することにより、コイルの全長及び全幅にわたっ
て、グラス被膜及び磁気特性に優れる方向性電磁鋼板を
安定して製造することができる。
層における表面酸化物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を求
め、この表面酸化物のSi濃度と地鉄のSi濃度との比率に
応じて、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着量を
制御することにより、コイルの全長及び全幅にわたっ
て、グラス被膜及び磁気特性に優れる方向性電磁鋼板を
安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グロー放電分光法により得られる中間焼鈍板の
Siプロファイルより求めた酸化物及び地鉄におけるSiの
積算強度が、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着
量及び脱炭焼鈍後の酸素目付量に及ぼす影響を示す図で
ある。
Siプロファイルより求めた酸化物及び地鉄におけるSiの
積算強度が、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着
量及び脱炭焼鈍後の酸素目付量に及ぼす影響を示す図で
ある。
【図2】脱炭焼鈍前の鋼板表面へ付着させるSi化合物量
及び脱炭焼鈍時の昇温過程の酸化性が脱炭焼鈍後の酸素
目付量に及ぼす影響を示す図である。
及び脱炭焼鈍時の昇温過程の酸化性が脱炭焼鈍後の酸素
目付量に及ぼす影響を示す図である。
【図3】この発明に従う、脱炭焼鈍時の酸素目付量制御
の一例を示すフローチャートである。
の一例を示すフローチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】 方向性電磁鋼板用素材に熱間圧延を施
し、そして中間焼鈍を挟む冷間圧延を施して最終板厚に
仕上げ、次いで鋼板表面にSi化合物を付着させてから、
湿水素雰囲気中にて脱炭焼鈍を施し表面に酸化層を形成
した後、焼鈍分離剤を塗布して仕上げ焼鈍を行う一連の
工程にて方向性電磁鋼板を製造するに当たり、 中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化物のSi濃度及び
地鉄のSi濃度を求め、この表面酸化物のSi濃度と地鉄の
Si濃度との比率に応じて、脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi
化合物の付着量を制御することを特徴とする方向性電磁
鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 中間焼鈍後の鋼板表層における表面酸化
物のSi濃度及び地鉄のSi濃度を、グロー放電分光法によ
り求める請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付
着を、塗布又は電解処理により実施する請求項1記載の
方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 脱炭焼鈍後に鋼板表面の酸化層の酸素目
付量を測定し、この測定結果をもとに脱炭焼鈍前の鋼板
表面へのSi化合物付着量、及び脱炭焼鈍時の炉内加熱帯
の雰囲気酸化性PH2O /PH2のいずれか一方あるいは双
方をフィードバック制御する請求項1記載の方向性電磁
鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9307088A JPH11140546A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9307088A JPH11140546A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11140546A true JPH11140546A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17964890
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9307088A Withdrawn JPH11140546A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11140546A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113755691A (zh) * | 2021-07-08 | 2021-12-07 | 华磁(深圳)科技有限责任公司 | 一种高硅含量硅钢极薄带的制造方法 |
| EP4273278A4 (en) * | 2021-03-03 | 2024-06-26 | JFE Steel Corporation | METHOD FOR DETERMINING FINISH ANNEALING CONDITIONS FOR ORIENTED ELECTROMAGNETIC STEEL SHEET, AND METHOD FOR MANUFACTURING ORIENTED ELECTROMAGNETIC STEEL SHEET USING SAID DETERMINATION METHOD |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP9307088A patent/JPH11140546A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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