JPH11140554A - 銅製錬におけるスラグロス低減方法 - Google Patents
銅製錬におけるスラグロス低減方法Info
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- JPH11140554A JPH11140554A JP30693497A JP30693497A JPH11140554A JP H11140554 A JPH11140554 A JP H11140554A JP 30693497 A JP30693497 A JP 30693497A JP 30693497 A JP30693497 A JP 30693497A JP H11140554 A JPH11140554 A JP H11140554A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 銅製錬のスラグロスを効率的かつ経済的に
低減する方法の提供。 【解決手段】銅製錬プロセスにおいて、溶錬炉中にフッ
化物を投入することにより、マットの銅品位を低下させ
ることなく、溶融マットと平衡状態にあるスラグ中の銅
分を低減せしめることを特徴とするスラグロス低減方
法。
低減する方法の提供。 【解決手段】銅製錬プロセスにおいて、溶錬炉中にフッ
化物を投入することにより、マットの銅品位を低下させ
ることなく、溶融マットと平衡状態にあるスラグ中の銅
分を低減せしめることを特徴とするスラグロス低減方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅製錬プロセスに
おいて、マットの銅品位を低下させずに効果的にスラグ
ロスを低減する方法に関する。なお、本発明において銅
製錬プロセスとは製銅ないし精銅プロセスを云う。
おいて、マットの銅品位を低下させずに効果的にスラグ
ロスを低減する方法に関する。なお、本発明において銅
製錬プロセスとは製銅ないし精銅プロセスを云う。
【0002】
【従来技術】一般に銅製錬プロセスは、(イ)精鉱を溶鉱
炉、反射炉、自溶炉などの溶錬炉中で溶解、酸化し、銅
分をマット(Cu2S−FeS系の硫化物)に濃縮し脈石成分
は主に酸化物からなるスラグへ移行させる溶錬工程、
(ロ)これらを比重差により分離する分離工程、および、
(ハ)スラグを分離して得られるマットに富酸素空気など
の酸化剤を供給し、マット中の硫黄分をSO2として除去
し、マット中の鉄分は酸化鉄スラグとして分離除去し、
粗銅を回収する製銅工程からなる。なお、これらの溶錬
工程、分離工程および製銅工程をそれぞれ担当する各炉
を密閉樋により順に接続し機能上一体化した製銅設備に
より、各工程を連続化した銅製錬方法[三菱連続製銅法
(MI法)]が知られている。
炉、反射炉、自溶炉などの溶錬炉中で溶解、酸化し、銅
分をマット(Cu2S−FeS系の硫化物)に濃縮し脈石成分
は主に酸化物からなるスラグへ移行させる溶錬工程、
(ロ)これらを比重差により分離する分離工程、および、
(ハ)スラグを分離して得られるマットに富酸素空気など
の酸化剤を供給し、マット中の硫黄分をSO2として除去
し、マット中の鉄分は酸化鉄スラグとして分離除去し、
粗銅を回収する製銅工程からなる。なお、これらの溶錬
工程、分離工程および製銅工程をそれぞれ担当する各炉
を密閉樋により順に接続し機能上一体化した製銅設備に
より、各工程を連続化した銅製錬方法[三菱連続製銅法
(MI法)]が知られている。
【0003】このような製銅方法において、近年、マッ
トの銅品位を60%以上に保つ溶錬方法が高効率な操業
として一般に行われている。このような溶錬工程で生じ
るスラグには、酸化物(Cu2O)として0.3〜0.4wt%程
度、硫化物(Cu2S)として0.06〜0.07wt%程度の銅
分が化学的に溶解している。さらに、このスラグ中には
銅鉱物およびマットの微粒子が機械的に混入しており、
この機械的混入量はスラグ重量の0.3〜0.4wt%程度
に及ぶ。このため、スラグ中に溶解あるいは混在した銅
分(スラグロス)は、合計で0.6〜1.0wt%に及ぶこと
となり、スラグロスの低減は操業の経済性を改善するた
めに重要な課題である。
トの銅品位を60%以上に保つ溶錬方法が高効率な操業
として一般に行われている。このような溶錬工程で生じ
るスラグには、酸化物(Cu2O)として0.3〜0.4wt%程
度、硫化物(Cu2S)として0.06〜0.07wt%程度の銅
分が化学的に溶解している。さらに、このスラグ中には
銅鉱物およびマットの微粒子が機械的に混入しており、
この機械的混入量はスラグ重量の0.3〜0.4wt%程度
に及ぶ。このため、スラグ中に溶解あるいは混在した銅
分(スラグロス)は、合計で0.6〜1.0wt%に及ぶこと
となり、スラグロスの低減は操業の経済性を改善するた
めに重要な課題である。
【0004】従来、銅分のスラグロスを低減する方法と
して、スラグ中に含まれる酸化銅を減少させる方法が知
られている。この方法は炉中にパイライト(FeS2)あるい
はピロタイト(Fe1-xS)等の硫化物を添加し、スラグ中の
酸化銅を硫化銅(Cu2S)に変えて回収することによりスラ
グ中の銅分を低減させるものである。このとき、炉内に
添加したこれらの硫化鉄はスラグ中の高次の酸化鉄を還
元してスラグ粘性を低下させ、スラグに巻き込まれる銅
分を減少させる効果もある。しかし、この方法では、パ
イライト等の硫化鉄は溶解濃度が遅いので溶体表面に比
較的長時間滞留し、この結果、硫黄分が分解、酸化され
て失なわれることが多く、必ずしも効率的なスラグロス
低減方法とはなっていない。また、鉄分がマットに混入
してマットの銅品位を低下させる問題がある。さらに、
スラグ総量が増加するのでその処理に負担がかかる。
して、スラグ中に含まれる酸化銅を減少させる方法が知
られている。この方法は炉中にパイライト(FeS2)あるい
はピロタイト(Fe1-xS)等の硫化物を添加し、スラグ中の
酸化銅を硫化銅(Cu2S)に変えて回収することによりスラ
グ中の銅分を低減させるものである。このとき、炉内に
添加したこれらの硫化鉄はスラグ中の高次の酸化鉄を還
元してスラグ粘性を低下させ、スラグに巻き込まれる銅
分を減少させる効果もある。しかし、この方法では、パ
イライト等の硫化鉄は溶解濃度が遅いので溶体表面に比
較的長時間滞留し、この結果、硫黄分が分解、酸化され
て失なわれることが多く、必ずしも効率的なスラグロス
低減方法とはなっていない。また、鉄分がマットに混入
してマットの銅品位を低下させる問題がある。さらに、
スラグ総量が増加するのでその処理に負担がかかる。
【0005】一方、塩素ガスを炉内に吹き込む方法も提
案されているが(例えば、特開昭61-149445号)、装置
に耐腐食性材料が必要であり、また取扱いが危険である
ため実用性に乏しい。また、コークスや石炭あるいは液
体燃料(例えばLPGや重油)を添加して酸化銅を還元し
て回収し、またスラグ中の酸化鉄を還元してスラグ粘性
を低下させて銅分の巻き込みを減少させる方法も知られ
ているが(特開昭56-16632号等)、酸素効率が低下する
ため操業に悪影響を生じる虞がある。さらに、アルカリ
金属酸化物を添加する方法も知られているが、十分な効
果は得られていない。
案されているが(例えば、特開昭61-149445号)、装置
に耐腐食性材料が必要であり、また取扱いが危険である
ため実用性に乏しい。また、コークスや石炭あるいは液
体燃料(例えばLPGや重油)を添加して酸化銅を還元し
て回収し、またスラグ中の酸化鉄を還元してスラグ粘性
を低下させて銅分の巻き込みを減少させる方法も知られ
ているが(特開昭56-16632号等)、酸素効率が低下する
ため操業に悪影響を生じる虞がある。さらに、アルカリ
金属酸化物を添加する方法も知られているが、十分な効
果は得られていない。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は従来の方法における上記問
題を解決したものであり、銅製錬プロセスにおいて、マ
ットの銅品位を低下させることなくスラグの銅分を低減
する、すなわちスラグロスを低減する方法を提供するこ
とを目的とする。
題を解決したものであり、銅製錬プロセスにおいて、マ
ットの銅品位を低下させることなくスラグの銅分を低減
する、すなわちスラグロスを低減する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題解決の手段】すなわち、本発明は、(1)銅製錬プ
ロセスにおいて、溶錬炉中にフッ化物を投入することに
より、マットの銅品位を低下させることなく、溶融マッ
トと平衡状態にあるスラグ中の銅濃度を低減せしめるこ
とを特徴とするスラグロス低減方法に関するものであ
る。
ロセスにおいて、溶錬炉中にフッ化物を投入することに
より、マットの銅品位を低下させることなく、溶融マッ
トと平衡状態にあるスラグ中の銅濃度を低減せしめるこ
とを特徴とするスラグロス低減方法に関するものであ
る。
【0008】本発明の上記スラグロス低減方法は以下の
態様を含む。 (2)スラグに対して0.5〜10wt%のフッ化物を添加
するスラグロス低減方法。 (3)スラグが主としてSiO2-FeOからなるものであるスラ
グロス低減方法。 (4)フッ化物が蛍石(CaF2)もしくは氷晶石(3NaF・Al
F3)のいずれかまたはこれらの混合物であるスラグロス
低減方法。 (5)溶融マットの銅品位を60wt%以上に保持しつ
つ、スラグ中銅濃度を0.2〜0.5wt%に低減するスラ
グロス低減方法。 (6)マットとスラグの混合融体を連続的に生成し排出
する連続溶錬炉中にフッ化物を添加するスラグロス低減
方法。
態様を含む。 (2)スラグに対して0.5〜10wt%のフッ化物を添加
するスラグロス低減方法。 (3)スラグが主としてSiO2-FeOからなるものであるスラ
グロス低減方法。 (4)フッ化物が蛍石(CaF2)もしくは氷晶石(3NaF・Al
F3)のいずれかまたはこれらの混合物であるスラグロス
低減方法。 (5)溶融マットの銅品位を60wt%以上に保持しつ
つ、スラグ中銅濃度を0.2〜0.5wt%に低減するスラ
グロス低減方法。 (6)マットとスラグの混合融体を連続的に生成し排出
する連続溶錬炉中にフッ化物を添加するスラグロス低減
方法。
【0009】
【発明の実施形態】以下に本発明を実施例と共に詳細に
説明する。本発明のスラグロス低減方法は、銅製錬プロ
セスにおいて、溶錬炉中にフッ化物を投入することによ
り、マットの銅品位を低下させることなく、溶融マット
と平衡状態にあるスラグ中の銅分を低減せしめることを
特徴とする方法である。銅製錬プロセスの種類は制限さ
れない。例えば、自溶炉法、反射炉法、三菱連続製銅法
(MI法)等において広く適用することができる。また、
フッ化物を添加する溶錬炉は、その具体的名称を問わ
ず、銅精鉱を溶融し銅マットとスラグとを生じる高温状
態の炉であればよい。すなわち、溶融状態の銅マットと
スラグとが接触し、銅分のマットへの移行、および不純
物成分のスラグへの移行が進行し、あるいは平衡した状
態に置かれる炉であれば良い。マットとスラグを連続的
に生成し、排出する連続溶錬炉への適用は特に効果的で
ある。代表的なものは連続製銅法における溶錬炉であ
る。なお、自溶炉法における自溶炉、反射炉法における
反射炉においても適用できる。このうち反射炉法ではFe
O-CaO-SiO2系スラグを用いるため、石灰分の影響がある
が、自溶炉法およびMI法ではシリカ分の多いSiO2-FeO
系スラグを用いているので本発明の効果が顕著である。
説明する。本発明のスラグロス低減方法は、銅製錬プロ
セスにおいて、溶錬炉中にフッ化物を投入することによ
り、マットの銅品位を低下させることなく、溶融マット
と平衡状態にあるスラグ中の銅分を低減せしめることを
特徴とする方法である。銅製錬プロセスの種類は制限さ
れない。例えば、自溶炉法、反射炉法、三菱連続製銅法
(MI法)等において広く適用することができる。また、
フッ化物を添加する溶錬炉は、その具体的名称を問わ
ず、銅精鉱を溶融し銅マットとスラグとを生じる高温状
態の炉であればよい。すなわち、溶融状態の銅マットと
スラグとが接触し、銅分のマットへの移行、および不純
物成分のスラグへの移行が進行し、あるいは平衡した状
態に置かれる炉であれば良い。マットとスラグを連続的
に生成し、排出する連続溶錬炉への適用は特に効果的で
ある。代表的なものは連続製銅法における溶錬炉であ
る。なお、自溶炉法における自溶炉、反射炉法における
反射炉においても適用できる。このうち反射炉法ではFe
O-CaO-SiO2系スラグを用いるため、石灰分の影響がある
が、自溶炉法およびMI法ではシリカ分の多いSiO2-FeO
系スラグを用いているので本発明の効果が顕著である。
【0010】溶錬炉中にフッ化物を投入する方法は特に
限定されない。スラグ中にフッ化物を確実に分散させる
には、原料の銅鉱ないし銅精鉱、必要に応じて添加され
る硫化物質、補助燃料の粉炭、珪砂、石灰等と共にフッ
化物を混合して、これらの製錬原料と同時に炉に投入す
ると良い。あるいは、粉砕したフッ化物の粉体ないし粒
体をランスを通じて空気と共に炉内に吹き込んでも良
い。この方法によれば吹き込みによってスラグが撹拌さ
れ、スラグ中へのフッ化物の分散を促進することができ
る。
限定されない。スラグ中にフッ化物を確実に分散させる
には、原料の銅鉱ないし銅精鉱、必要に応じて添加され
る硫化物質、補助燃料の粉炭、珪砂、石灰等と共にフッ
化物を混合して、これらの製錬原料と同時に炉に投入す
ると良い。あるいは、粉砕したフッ化物の粉体ないし粒
体をランスを通じて空気と共に炉内に吹き込んでも良
い。この方法によれば吹き込みによってスラグが撹拌さ
れ、スラグ中へのフッ化物の分散を促進することができ
る。
【0011】フッ化物の添加量は、操業条件にもよる
が、通常はスラグに対して0.5〜10wt%の範囲が好
ましい。0.5wt%未満では十分な効果が得られない。
10wt%を超える量を用いても顕著な効果の改善はな
い。より好ましくは、2〜3wt%の範囲である。
が、通常はスラグに対して0.5〜10wt%の範囲が好
ましい。0.5wt%未満では十分な効果が得られない。
10wt%を超える量を用いても顕著な効果の改善はな
い。より好ましくは、2〜3wt%の範囲である。
【0012】添加するフッ化物の例としては、フッ化リ
チウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属塩、フッ化
カルシウム(蛍石)などのアルカリ土類金属、または氷晶
石等のフッ素を含有する複塩が挙げられる。天然鉱物と
して得られる蛍石や氷晶石がコストの面で好ましい。こ
れらのフッ化物は単独でもまたは組み合わせて用いても
よい。なお、蛍石は製鉄・製鋼において脱リン剤として
用いられているが、銅製錬において蛍石等のフッ化物を
炉内に添加することは従来行われていない。また、本発
明においてフッ化物を添加する目的は、銅製錬における
スラグ中のフッ化物イオン濃度を高めるためであり、適
用されるスラグはSiO2-FeOを主体とするものであるが、
製鉄製鋼のスラグはCaO-Al2O3-FeO系であり、従って本
発明の方法は製鉄における蛍石の添加とはその目的およ
び適用環境が全く異なる。
チウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属塩、フッ化
カルシウム(蛍石)などのアルカリ土類金属、または氷晶
石等のフッ素を含有する複塩が挙げられる。天然鉱物と
して得られる蛍石や氷晶石がコストの面で好ましい。こ
れらのフッ化物は単独でもまたは組み合わせて用いても
よい。なお、蛍石は製鉄・製鋼において脱リン剤として
用いられているが、銅製錬において蛍石等のフッ化物を
炉内に添加することは従来行われていない。また、本発
明においてフッ化物を添加する目的は、銅製錬における
スラグ中のフッ化物イオン濃度を高めるためであり、適
用されるスラグはSiO2-FeOを主体とするものであるが、
製鉄製鋼のスラグはCaO-Al2O3-FeO系であり、従って本
発明の方法は製鉄における蛍石の添加とはその目的およ
び適用環境が全く異なる。
【0013】熔錬炉内にフッ化物を添加することによ
り、溶融マットと平衡状態にあるスラグ中の銅分を低減
してマットの銅品位を高めることができる。この効果が
発現する機構の詳細は必ずしも明らかではないが、SiO2
含有量が比較的多いSiO2-FeOスラグ(SiO2量30wt%以上)
において本発明の効果が特に顕著である。このことから
すると、フッ化物イオンがケイ酸ネットワークを破壊し
スラグの溶融粘度を低下させてスラグへの機械的巻き込
みを軽減すると同時に、酸化銅のスラグへの溶解を抑制
するものと考えられる。
り、溶融マットと平衡状態にあるスラグ中の銅分を低減
してマットの銅品位を高めることができる。この効果が
発現する機構の詳細は必ずしも明らかではないが、SiO2
含有量が比較的多いSiO2-FeOスラグ(SiO2量30wt%以上)
において本発明の効果が特に顕著である。このことから
すると、フッ化物イオンがケイ酸ネットワークを破壊し
スラグの溶融粘度を低下させてスラグへの機械的巻き込
みを軽減すると同時に、酸化銅のスラグへの溶解を抑制
するものと考えられる。
【0014】
【実施例】実施例 銅粉5gとSiO2(33wt%)−FeO(67wt%)からなる合成
スラグ6gおよび0.5gの蛍石(CaF2)をMgO製ルツボ(内
径14mmタンマン管)に入れ、これをさらに石英製反応管
に入れて、CO/CO2ガスを流して酸素分圧を10-8 atmに
調製しつつ、電気炉中で加熱して1230℃で48時間
保持して溶融させ、溶融スラグと溶融銅とを平衡共存さ
せた。その後、石英製反応管を電気炉から取り出して溶
体を急冷凝固させ、スラグが完全に凝固した後、スラグ
中の銅濃度を測定した。蛍石の添加量を変えて同様の実
験を行ない、その添加量とスラグ中の銅濃度との関係を
調べた。
スラグ6gおよび0.5gの蛍石(CaF2)をMgO製ルツボ(内
径14mmタンマン管)に入れ、これをさらに石英製反応管
に入れて、CO/CO2ガスを流して酸素分圧を10-8 atmに
調製しつつ、電気炉中で加熱して1230℃で48時間
保持して溶融させ、溶融スラグと溶融銅とを平衡共存さ
せた。その後、石英製反応管を電気炉から取り出して溶
体を急冷凝固させ、スラグが完全に凝固した後、スラグ
中の銅濃度を測定した。蛍石の添加量を変えて同様の実
験を行ない、その添加量とスラグ中の銅濃度との関係を
調べた。
【0015】また、スラグに添加する材料として、蛍石
(CaF2)、氷晶石(3NaF・AlF3)、酸化ナトリウム、酸化カ
ルシウムおよびアルミナを用い、同様な実験を行った。
これらの結果からスラグ中の酸化銅(CuO0.5)の活量係数
γを次式に従って求めた。 γ(CuO0.5)= [K1・P1/4・nT・MCu]/(%Cu) ここで、γ(CuO0.5)はスラグ中の酸化銅(CuO0.5)の活量
係数であり、K1はCu(液体)+1/4O2(ガス)=CuO
0.5(スラグ中)の平衡定数である。Pは測定酸素分圧で
あり、本実験においては10-8atmである。また、nTは
スラグ100gあたりの総モル数(ここでは1.47)であ
り、MCuは銅の原子量(63.54)、%Cuはスラグ中の銅濃
度である。この結果を図1に示した。図1は酸化銅の活
量係数に基づくグラフであり、各添加物濃度の活量係数
に及ぼす影響を示している。
(CaF2)、氷晶石(3NaF・AlF3)、酸化ナトリウム、酸化カ
ルシウムおよびアルミナを用い、同様な実験を行った。
これらの結果からスラグ中の酸化銅(CuO0.5)の活量係数
γを次式に従って求めた。 γ(CuO0.5)= [K1・P1/4・nT・MCu]/(%Cu) ここで、γ(CuO0.5)はスラグ中の酸化銅(CuO0.5)の活量
係数であり、K1はCu(液体)+1/4O2(ガス)=CuO
0.5(スラグ中)の平衡定数である。Pは測定酸素分圧で
あり、本実験においては10-8atmである。また、nTは
スラグ100gあたりの総モル数(ここでは1.47)であ
り、MCuは銅の原子量(63.54)、%Cuはスラグ中の銅濃
度である。この結果を図1に示した。図1は酸化銅の活
量係数に基づくグラフであり、各添加物濃度の活量係数
に及ぼす影響を示している。
【0016】図示するように、蛍石の添加量に比例して
酸化銅の活量係数が増加している。すなわち、銅の溶解
度が低下していることがわかる。氷晶石についても同様
の傾向が認められる。一方、酸化ナトリウムと酸化カル
シウム、アルミナについても添加量に比例して活量係数
が増加する傾向が見られるが、その増加量は僅かであ
り、特に酸化カルシウムとアルミナは添加量が少ないと
殆ど効果がない。また、蛍石が無添加の場合に対して、
蛍石を3wt%添加したものは酸化銅の活量係数が3から
6へ約2倍の増加を示しており、これは酸化銅の溶解度
が1/2に減少することを意味する。従って、酸化銅と
して溶解している0.3〜0.4wt%の銅が半減するた
め、スラグ中の銅が約0.2wt%低下することになる。
酸化銅の活量係数が増加している。すなわち、銅の溶解
度が低下していることがわかる。氷晶石についても同様
の傾向が認められる。一方、酸化ナトリウムと酸化カル
シウム、アルミナについても添加量に比例して活量係数
が増加する傾向が見られるが、その増加量は僅かであ
り、特に酸化カルシウムとアルミナは添加量が少ないと
殆ど効果がない。また、蛍石が無添加の場合に対して、
蛍石を3wt%添加したものは酸化銅の活量係数が3から
6へ約2倍の増加を示しており、これは酸化銅の溶解度
が1/2に減少することを意味する。従って、酸化銅と
して溶解している0.3〜0.4wt%の銅が半減するた
め、スラグ中の銅が約0.2wt%低下することになる。
【0017】同様の試験結果を、添加物濃度とスラグ中
の銅濃度について図2に示す。図示するように、酸化物
(CaO,Al2O3)よりもフッ化物(CaF2,3NaFAlF3)のほうが、
より少ない添加物量で顕著な効果が得られ、フッ化物は
添加量0.5wt%程度でスラグ中の銅濃度が減少し、2
〜3wt%で銅濃度が大幅に減少している。
の銅濃度について図2に示す。図示するように、酸化物
(CaO,Al2O3)よりもフッ化物(CaF2,3NaFAlF3)のほうが、
より少ない添加物量で顕著な効果が得られ、フッ化物は
添加量0.5wt%程度でスラグ中の銅濃度が減少し、2
〜3wt%で銅濃度が大幅に減少している。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法によれば、各種の銅製錬プ
ロセスにおいてスラグロス量を大幅に低減することがで
きる。具体的には、例えば、月産20000t程度の製錬プ
ロセスで80t程度、銅回収量を増加することができ、
製錬プロセスの経済性向上に大きく寄与する。とくに溶
融マットの銅品位を高く維持できるので、製銅プロセス
を変更せずに高効率の生産を行うことができる利点があ
る。また、本発明によるスラグロス低減方法は、スラグ
粘性の低下による機械的混入の抑制と化学的溶解量の低
減と云う両面において効果を発揮するが、前者において
は、既知の硫化剤や還元剤と組み合わせて操業条件に合
わせた適用が可能であり、更に効果を高めることができ
る。また、本発明の方法では添加したフッ化物は実質的
に全量がスラグに含有されるため、マットの銅品位を低
下させる要因ともならず有利である。
ロセスにおいてスラグロス量を大幅に低減することがで
きる。具体的には、例えば、月産20000t程度の製錬プ
ロセスで80t程度、銅回収量を増加することができ、
製錬プロセスの経済性向上に大きく寄与する。とくに溶
融マットの銅品位を高く維持できるので、製銅プロセス
を変更せずに高効率の生産を行うことができる利点があ
る。また、本発明によるスラグロス低減方法は、スラグ
粘性の低下による機械的混入の抑制と化学的溶解量の低
減と云う両面において効果を発揮するが、前者において
は、既知の硫化剤や還元剤と組み合わせて操業条件に合
わせた適用が可能であり、更に効果を高めることができ
る。また、本発明の方法では添加したフッ化物は実質的
に全量がスラグに含有されるため、マットの銅品位を低
下させる要因ともならず有利である。
【図1】蛍石等の各添加物について、添加量と酸化銅の
活量係数との関係を示すグラフ。
活量係数との関係を示すグラフ。
【図2】蛍石等の各添加物について、添加量とスラグ中
の銅濃度の関係を示すグラフ。
の銅濃度の関係を示すグラフ。
Claims (6)
- 【請求項1】 銅製錬プロセスにおいて、溶錬炉中にフ
ッ化物を投入することにより、マットの銅品位を低下さ
せることなく、溶融マットと平衡状態にあるスラグ中の
銅濃度を低減せしめることを特徴とするスラグロス低減
方法。 - 【請求項2】 スラグに対して0.5〜10wt%のフッ
化物を添加する請求項1に記載のスラグロス低減方法。 - 【請求項3】 スラグが主としてSiO2-FeOからなるもの
である請求項1または2に記載のスラグロス低減方法。 - 【請求項4】 フッ化物が蛍石(CaF2)もしくは氷晶石
(3NaF・AlF3)のいずれかまたはこれらの混合物である
請求項1〜3のいずれかに記載のスラグロス低減方法。 - 【請求項5】 溶融マットの銅品位を60wt%以上に保
持しつつ、スラグ中銅濃度を0.2〜0.5wt%に低減す
る請求項1〜5のいずれかに記載のスラグロス低減方
法。 - 【請求項6】 マットとスラグの混合融体を連続的に生
成し排出する連続溶錬炉中にフッ化物を添加する請求項
1〜5のいずれかに記載のスラグロス低減方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30693497A JPH11140554A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 銅製錬におけるスラグロス低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30693497A JPH11140554A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 銅製錬におけるスラグロス低減方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11140554A true JPH11140554A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17963046
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30693497A Pending JPH11140554A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 銅製錬におけるスラグロス低減方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11140554A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017039961A (ja) * | 2015-08-18 | 2017-02-23 | 住友金属鉱山株式会社 | 自熔製錬炉の操業方法 |
| CN121674769A (zh) * | 2026-02-11 | 2026-03-17 | 石嘴山市宝马兴庆特种合金有限公司 | 一种铜合金冶炼用熔渣剂及其制备方法和应用 |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP30693497A patent/JPH11140554A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017039961A (ja) * | 2015-08-18 | 2017-02-23 | 住友金属鉱山株式会社 | 自熔製錬炉の操業方法 |
| CN121674769A (zh) * | 2026-02-11 | 2026-03-17 | 石嘴山市宝马兴庆特种合金有限公司 | 一种铜合金冶炼用熔渣剂及其制备方法和应用 |
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