JPH11141053A - 耐食性に優れる被覆鋼線 - Google Patents
耐食性に優れる被覆鋼線Info
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- JPH11141053A JPH11141053A JP30840697A JP30840697A JPH11141053A JP H11141053 A JPH11141053 A JP H11141053A JP 30840697 A JP30840697 A JP 30840697A JP 30840697 A JP30840697 A JP 30840697A JP H11141053 A JPH11141053 A JP H11141053A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼線の耐食性向上、特に有機樹脂被覆を施し
た際、塗膜疵付き部近傍の耐食性を向上させる。 【解決手段】 (1)鋼線表面に付着量が鋼線の表面積
に対して0.5〜10g/m2 のリン酸系化合物層を有
し、該鋼線の素線または撚り線に厚み10μm以上10
mm以下の有機樹脂層を有することを特徴とする耐食性
に優れる被覆鋼線であり、(2)前記(1)中の有機樹
脂層が熱硬化性樹脂であることを特徴とする耐食性に優
れる被覆鋼線であり、更には、(3)前記(1)中の有
機樹脂層が熱硬化性樹脂粉体塗料であることを特徴とす
る耐食性に優れる被覆鋼線である。
た際、塗膜疵付き部近傍の耐食性を向上させる。 【解決手段】 (1)鋼線表面に付着量が鋼線の表面積
に対して0.5〜10g/m2 のリン酸系化合物層を有
し、該鋼線の素線または撚り線に厚み10μm以上10
mm以下の有機樹脂層を有することを特徴とする耐食性
に優れる被覆鋼線であり、(2)前記(1)中の有機樹
脂層が熱硬化性樹脂であることを特徴とする耐食性に優
れる被覆鋼線であり、更には、(3)前記(1)中の有
機樹脂層が熱硬化性樹脂粉体塗料であることを特徴とす
る耐食性に優れる被覆鋼線である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、プレスト
レストコンクリート( 以下、PCと省略) の緊張材等に
使用され、施工後、長期間にわたる高度の耐食性を要求
される鋼線に関するものである。
レストコンクリート( 以下、PCと省略) の緊張材等に
使用され、施工後、長期間にわたる高度の耐食性を要求
される鋼線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋梁・建築物などの構造物の材料として
用いられるPCは、コンクリートの中性化や、融雪塩に
由来する塩化物イオンにより内部の緊張材である鋼材が
腐食すると、引張り応力に対する強度低下や、鋼材の腐
食生成物による体積増加のため亀裂が発生するなどの弊
害が生じ、最悪の場合には構造物の破壊を招き、経済的
・社会的に重篤な影響をおよぼす。そこで、鋼線の腐食
を防止する目的で、鋼線へのめっきによる防錆や、防錆
剤処理による一次防錆、有機樹脂被覆による防錆などが
発明されている。特に、有機樹脂被覆については、アフ
ターテンション方式への適用を目的として、アンボンド
型、アフターボンド型等の有機樹脂被覆鋼線が発明され
ている。
用いられるPCは、コンクリートの中性化や、融雪塩に
由来する塩化物イオンにより内部の緊張材である鋼材が
腐食すると、引張り応力に対する強度低下や、鋼材の腐
食生成物による体積増加のため亀裂が発生するなどの弊
害が生じ、最悪の場合には構造物の破壊を招き、経済的
・社会的に重篤な影響をおよぼす。そこで、鋼線の腐食
を防止する目的で、鋼線へのめっきによる防錆や、防錆
剤処理による一次防錆、有機樹脂被覆による防錆などが
発明されている。特に、有機樹脂被覆については、アフ
ターテンション方式への適用を目的として、アンボンド
型、アフターボンド型等の有機樹脂被覆鋼線が発明され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、めっき
は、製造コストが高く、溶融めっき処理時の加熱のため
に鋼線自身の物性にも変化をおよぼすため、鋼線の用途
は限定される。防錆剤による処理は、コンクリート中環
境で防錆剤が拡散し失われた時点でその防錆効果は喪失
する。有機樹脂の被覆は、鋼材を外部の環境より遮断す
る効果があるので、適当な被覆材料および被覆層の厚み
を適用することで半永久的な防錆性能を期待できる。但
し、運搬・施工時のハンドリング、または、端部の定着
により樹脂層に付いた疵が鋼材に達する場合、有機塗膜
のみでは、疵つき部からの錆の進展を抑止することは難
しい。
は、製造コストが高く、溶融めっき処理時の加熱のため
に鋼線自身の物性にも変化をおよぼすため、鋼線の用途
は限定される。防錆剤による処理は、コンクリート中環
境で防錆剤が拡散し失われた時点でその防錆効果は喪失
する。有機樹脂の被覆は、鋼材を外部の環境より遮断す
る効果があるので、適当な被覆材料および被覆層の厚み
を適用することで半永久的な防錆性能を期待できる。但
し、運搬・施工時のハンドリング、または、端部の定着
により樹脂層に付いた疵が鋼材に達する場合、有機塗膜
のみでは、疵つき部からの錆の進展を抑止することは難
しい。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、PC用緊張材
として用いられるような高度の耐食性を有する鋼線を提
供することを目的としたもので、その要旨は、(1)鋼
線表面に付着量が鋼線の表面積に対して0.5〜10g
/m2 のリン酸系化合物層を有し、該鋼線の素線または
撚り線に厚み10μm以上10mm以下の有機樹脂層を
有することを特徴とする耐食性に優れる被覆鋼線であ
り、(2)前記(1)中の有機樹脂層が熱硬化性樹脂で
あることを特徴とする耐食性に優れる被覆鋼線であり、
更には、(3)前記(1)中の有機樹脂層が熱硬化性樹
脂粉体塗料であることを特徴とする耐食性に優れる被覆
鋼線である。
として用いられるような高度の耐食性を有する鋼線を提
供することを目的としたもので、その要旨は、(1)鋼
線表面に付着量が鋼線の表面積に対して0.5〜10g
/m2 のリン酸系化合物層を有し、該鋼線の素線または
撚り線に厚み10μm以上10mm以下の有機樹脂層を
有することを特徴とする耐食性に優れる被覆鋼線であ
り、(2)前記(1)中の有機樹脂層が熱硬化性樹脂で
あることを特徴とする耐食性に優れる被覆鋼線であり、
更には、(3)前記(1)中の有機樹脂層が熱硬化性樹
脂粉体塗料であることを特徴とする耐食性に優れる被覆
鋼線である。
【0005】素材の鋼線は、リン酸系化合物層の密着性
を向上させるため、表面の酸化層(黒皮)を除去するこ
とが望ましい。表面酸化層の除去方法は、酸洗、ショッ
トなど公知の方法のいずれを用いても良い。酸洗をした
後は、2%ソーダ灰溶液に30秒浸漬などで中和して中
性水ですすぐなどの処理を施しても良く、また、結晶の
スケなどを防止するため、シュウ酸洗いやパーコレンZ
処理を実施することも好ましい。
を向上させるため、表面の酸化層(黒皮)を除去するこ
とが望ましい。表面酸化層の除去方法は、酸洗、ショッ
トなど公知の方法のいずれを用いても良い。酸洗をした
後は、2%ソーダ灰溶液に30秒浸漬などで中和して中
性水ですすぐなどの処理を施しても良く、また、結晶の
スケなどを防止するため、シュウ酸洗いやパーコレンZ
処理を実施することも好ましい。
【0006】結晶層を形成する表面が酸化物や油、スマ
ットなどで汚染されていると、結晶の成長ムラを招き、
結果としていわゆるスケを生じることは従来より良く知
られており、その防止のためにも、上記の表面調製を実
施することは好ましい。リン酸系化合物処理層の形成
は、溶液浸漬、スプレー塗布など公知の方法のいずれを
用いても良い。
ットなどで汚染されていると、結晶の成長ムラを招き、
結果としていわゆるスケを生じることは従来より良く知
られており、その防止のためにも、上記の表面調製を実
施することは好ましい。リン酸系化合物処理層の形成
は、溶液浸漬、スプレー塗布など公知の方法のいずれを
用いても良い。
【0007】処理液の成分としては、電気化学的電圧系
列でアルカリ金属から鉄までの金属の可溶性リン酸塩を
必須とし、鋼材表面をエッチングするための酸や、結晶
形成反応促進のための促進剤などを添加しても良い。可
溶性リン酸塩として、代表的にはリン酸亜鉛、リン酸マ
ンガン、リン酸カルシウム、リン酸鉄などの単独または
複数種類を混合した水溶液が代表的である。
列でアルカリ金属から鉄までの金属の可溶性リン酸塩を
必須とし、鋼材表面をエッチングするための酸や、結晶
形成反応促進のための促進剤などを添加しても良い。可
溶性リン酸塩として、代表的にはリン酸亜鉛、リン酸マ
ンガン、リン酸カルシウム、リン酸鉄などの単独または
複数種類を混合した水溶液が代表的である。
【0008】鋼材エッチング用の酸としては、リン酸、
硝酸、シュウ酸、ホウ酸などの無機酸および有機酸を使
用可能である。但し、硫酸、塩酸などは、その添加量に
より皮膜形成に悪影響を及ぼすので注意を要する。促進
剤としては、Cu、Ni、Coなどの金属イオンや、硝
酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩、亜硝酸塩などの酸化剤、ま
た、ヒドロキシラミン、亜硫酸塩など、リン酸系化合物
処理の促進剤として公知のものより選択して使用可能で
ある。
硝酸、シュウ酸、ホウ酸などの無機酸および有機酸を使
用可能である。但し、硫酸、塩酸などは、その添加量に
より皮膜形成に悪影響を及ぼすので注意を要する。促進
剤としては、Cu、Ni、Coなどの金属イオンや、硝
酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩、亜硝酸塩などの酸化剤、ま
た、ヒドロキシラミン、亜硫酸塩など、リン酸系化合物
処理の促進剤として公知のものより選択して使用可能で
ある。
【0009】一般に有機塗膜層は、酸素、水、塩化物イ
オン、などの腐食因子の鋼材表面への到達を妨げること
で、鋼材の防錆に大きな効果を示す。しかしながら、塗
膜に疵が付き、それが鋼材に達している場合、疵付部に
露出した鉄地に対しては有機塗膜は防錆力を有しない。
さらに、疵付部から有機塗膜と鋼材との界面に腐食因子
が浸入すると、塗膜の鋼材への密着性が劣化して塗膜が
鋼材から剥離し、剥離界面に沿って腐食が広がるという
現象も発生する。
オン、などの腐食因子の鋼材表面への到達を妨げること
で、鋼材の防錆に大きな効果を示す。しかしながら、塗
膜に疵が付き、それが鋼材に達している場合、疵付部に
露出した鉄地に対しては有機塗膜は防錆力を有しない。
さらに、疵付部から有機塗膜と鋼材との界面に腐食因子
が浸入すると、塗膜の鋼材への密着性が劣化して塗膜が
鋼材から剥離し、剥離界面に沿って腐食が広がるという
現象も発生する。
【0010】本発明においては、有機樹脂層の下に化学
的に安定、かつ、鋼材及び有機塗膜に対して良好な密着
性を有する化合物層を形成することで、塗膜/鋼材界面
での鋼材腐食反応を抑制し、かつ、鋼材と塗膜の両方に
対して耐水性の高い結合を形成して塗膜と鋼材との密着
性を向上するので、疵つき部からの腐食の進行を抑止す
る。本発明は、鋼線表面に、付着量0.5〜10g/m
2 のリン酸系化合物処理層を形成した後、その素線また
は撚り線に厚み10μm以上10mm以下の有機樹脂を
被覆することを特徴とするものである。
的に安定、かつ、鋼材及び有機塗膜に対して良好な密着
性を有する化合物層を形成することで、塗膜/鋼材界面
での鋼材腐食反応を抑制し、かつ、鋼材と塗膜の両方に
対して耐水性の高い結合を形成して塗膜と鋼材との密着
性を向上するので、疵つき部からの腐食の進行を抑止す
る。本発明は、鋼線表面に、付着量0.5〜10g/m
2 のリン酸系化合物処理層を形成した後、その素線また
は撚り線に厚み10μm以上10mm以下の有機樹脂を
被覆することを特徴とするものである。
【0011】以下に本発明におけるリン酸系化合物層の
付着量、有機樹脂膜厚等の限定理由について述べる。付
着量は、0.5〜10g/m2 の範囲が望ましい。鋼材
表面の清浄度が低い、または、処理液の汚染などにより
付着量が0.5g/m2 より少ないと、結晶の成長が不
十分で塗膜密着性向上の効果が薄い。一方、10g/m
2 を超えて付着させても、付着量の増加に見合うほどの
密着性向上効果は示されず、不経済である。また、結晶
は硬く脆いため、皮膜層が厚くなりすぎると凝集破壊し
やすく、かえって密着性に劣る場合も生じうる。
付着量、有機樹脂膜厚等の限定理由について述べる。付
着量は、0.5〜10g/m2 の範囲が望ましい。鋼材
表面の清浄度が低い、または、処理液の汚染などにより
付着量が0.5g/m2 より少ないと、結晶の成長が不
十分で塗膜密着性向上の効果が薄い。一方、10g/m
2 を超えて付着させても、付着量の増加に見合うほどの
密着性向上効果は示されず、不経済である。また、結晶
は硬く脆いため、皮膜層が厚くなりすぎると凝集破壊し
やすく、かえって密着性に劣る場合も生じうる。
【0012】有機樹脂塗膜の膜厚は、10μm以上とす
る。膜厚が10μm未満では、塗膜の欠陥(ピンホール
など)を防止するのが困難で、塗膜健全部であっても、
水、酸素、各種イオンなどの腐食要因が塗膜を透過して
鋼材に到達することが容易で、塗膜に外部から疵がつい
た場合、疵が鋼材面まで到達しやすい。よって、下限膜
厚は10μmとする。望ましくは、塗膜厚みが50μm
あれば、粉体塗料を塗装する場合でもピンホールが発生
しにくい。膜厚が厚くなるにつれ、ピンホール発生、腐
食要因の透過、および、外面疵の鋼材への到達を防止す
る効果は向上するが、過度に厚くしても効果は頭打ちに
なり不経済である。また、過度に厚い皮膜は鋼線の折曲
げ加工性や端部の固定作業性などの性能を阻害するの
で、膜厚上限を10mmとする。折曲げ加工性や端部の
固定作業性を重視した場合、塗膜の厚みは、熱硬化性樹
脂塗料を用いた場合には1mm以下が望ましい。
る。膜厚が10μm未満では、塗膜の欠陥(ピンホール
など)を防止するのが困難で、塗膜健全部であっても、
水、酸素、各種イオンなどの腐食要因が塗膜を透過して
鋼材に到達することが容易で、塗膜に外部から疵がつい
た場合、疵が鋼材面まで到達しやすい。よって、下限膜
厚は10μmとする。望ましくは、塗膜厚みが50μm
あれば、粉体塗料を塗装する場合でもピンホールが発生
しにくい。膜厚が厚くなるにつれ、ピンホール発生、腐
食要因の透過、および、外面疵の鋼材への到達を防止す
る効果は向上するが、過度に厚くしても効果は頭打ちに
なり不経済である。また、過度に厚い皮膜は鋼線の折曲
げ加工性や端部の固定作業性などの性能を阻害するの
で、膜厚上限を10mmとする。折曲げ加工性や端部の
固定作業性を重視した場合、塗膜の厚みは、熱硬化性樹
脂塗料を用いた場合には1mm以下が望ましい。
【0013】塗膜に要求される性能は、酸素、水、塩化
物イオンをはじめとする各種腐食要因の透過の阻害性
と、鋼材およびグラウトされるコンクリートとの密着性
である。前記の機能を長期間にわたり確保するには、塗
膜にピンホールなどの欠陥が生じにくく、かつ、製造後
のハンドリングで割れ、疵付、剥離などが発生しにくい
ことが必要である。
物イオンをはじめとする各種腐食要因の透過の阻害性
と、鋼材およびグラウトされるコンクリートとの密着性
である。前記の機能を長期間にわたり確保するには、塗
膜にピンホールなどの欠陥が生じにくく、かつ、製造後
のハンドリングで割れ、疵付、剥離などが発生しにくい
ことが必要である。
【0014】以上の要求を鑑みると、樹脂の種類は粉体
エポキシ樹脂が好適である。これは、塗装においては一
回の塗装作業で厚み数十〜数百μmの塗膜を得られ、ピ
ンホールの発生も少なく、鋼材およびコンクリートとの
密着性にも優れ、耐薬品性や可撓性、耐衝撃性も高いと
いう優れた性質を有している。粉体エポキシ樹脂の主剤
としては、ビスフェノールA型、F型、フェノール型な
どをはじめとする様々なものを、その性質に基づいて使
用して良く、硬化剤も、塗膜性能や塗装焼付時の反応速
度などに照らして、ジシアンジアミド、フェノール型、
アミン系、無水酸系などの硬化剤にイミダゾール系化合
物、スルフォン酸系化合物などの触媒を組合わせて使用
して良い。さらにこれらに加えて、シリカ、チタニアな
どの各種の顔料を添加しても良い。粉体樹脂としては、
さらに、ポリエステル系、アクリル系などの熱硬化性樹
脂系のうちいずれか、または、先のエポキシ樹脂も加え
た数種類のうち任意の組合せを用いても良い。塗装方法
としては、粉体スプレー、静電粉体スプレー、流動層浸
漬など公知の技術のいずれを用いても良い。
エポキシ樹脂が好適である。これは、塗装においては一
回の塗装作業で厚み数十〜数百μmの塗膜を得られ、ピ
ンホールの発生も少なく、鋼材およびコンクリートとの
密着性にも優れ、耐薬品性や可撓性、耐衝撃性も高いと
いう優れた性質を有している。粉体エポキシ樹脂の主剤
としては、ビスフェノールA型、F型、フェノール型な
どをはじめとする様々なものを、その性質に基づいて使
用して良く、硬化剤も、塗膜性能や塗装焼付時の反応速
度などに照らして、ジシアンジアミド、フェノール型、
アミン系、無水酸系などの硬化剤にイミダゾール系化合
物、スルフォン酸系化合物などの触媒を組合わせて使用
して良い。さらにこれらに加えて、シリカ、チタニアな
どの各種の顔料を添加しても良い。粉体樹脂としては、
さらに、ポリエステル系、アクリル系などの熱硬化性樹
脂系のうちいずれか、または、先のエポキシ樹脂も加え
た数種類のうち任意の組合せを用いても良い。塗装方法
としては、粉体スプレー、静電粉体スプレー、流動層浸
漬など公知の技術のいずれを用いても良い。
【0015】溶剤系、溶剤レス系、水系などの塗料を使
用することも可能で、これは、10〜100μm程度の
膜厚の薄い塗膜をピンホール少なく均一に形成するのに
適する。樹脂の種類としてはエポキシ系、ウレタン系、
ポリエステル系、アクリル系、フッ素系など公知の塗料
用樹脂のいずれか、または、2種類以上の混合物を使用
して良い。塗装方法は、浸漬、スプレー散布、刷毛塗
り、静電塗装など公知の方法いずれを用いても良い。い
ずれの種類の樹脂を用いる場合も、被覆の手法上、鋼材
の加熱を要する場合は、下地処理の塗布後、予熱を加え
ても良い。
用することも可能で、これは、10〜100μm程度の
膜厚の薄い塗膜をピンホール少なく均一に形成するのに
適する。樹脂の種類としてはエポキシ系、ウレタン系、
ポリエステル系、アクリル系、フッ素系など公知の塗料
用樹脂のいずれか、または、2種類以上の混合物を使用
して良い。塗装方法は、浸漬、スプレー散布、刷毛塗
り、静電塗装など公知の方法いずれを用いても良い。い
ずれの種類の樹脂を用いる場合も、被覆の手法上、鋼材
の加熱を要する場合は、下地処理の塗布後、予熱を加え
ても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下に説明す
る。素材は、鋼製線材にパテンティング、洗線、伸線を
順次施した鋼線を用いた。鋼線の直径は5mmとした。
鋼線は、10%硫酸溶液に常温で5分間浸漬して表面酸
化物層を除去し、1時間以内に次の層を被覆した。
る。素材は、鋼製線材にパテンティング、洗線、伸線を
順次施した鋼線を用いた。鋼線の直径は5mmとした。
鋼線は、10%硫酸溶液に常温で5分間浸漬して表面酸
化物層を除去し、1時間以内に次の層を被覆した。
【0017】リン酸化合物処理層は、以下の手順にて実
施した。 水洗 :蒸留水で1分間すすぎ 表面調整:パーコレンZ1%水溶液(常温)に30秒間
浸漬 皮膜形成:表1に示す組成の溶液(液温60℃)に浸
漬。浸漬時間は、狙い付着量による。 水洗 :蒸留水(60℃)で60秒間すすぎを2回繰
返し
施した。 水洗 :蒸留水で1分間すすぎ 表面調整:パーコレンZ1%水溶液(常温)に30秒間
浸漬 皮膜形成:表1に示す組成の溶液(液温60℃)に浸
漬。浸漬時間は、狙い付着量による。 水洗 :蒸留水(60℃)で60秒間すすぎを2回繰
返し
【0018】
【表1】
【0019】被覆樹脂としては、フェノール硬化型粉体
エポキシ樹脂、低密度ポリエチレン、アミン硬化剤添加
型液状エポキシ樹脂のうちいずれかを使用した。鋼線
は、事前に120℃に予熱し、静電塗装機にて樹脂を付
着させた後は、誘導加熱式の後熱炉にて5分間180℃
に保温し、皮膜の焼付を実施した。低密度ポリエチレン
を用いる場合は、120℃に予熱した鋼線に丸ダイ押出
被覆(樹脂押出温度150℃) にて塗膜形成した。実施
例および比較例の試験材水準は表2に示す通りである。
エポキシ樹脂、低密度ポリエチレン、アミン硬化剤添加
型液状エポキシ樹脂のうちいずれかを使用した。鋼線
は、事前に120℃に予熱し、静電塗装機にて樹脂を付
着させた後は、誘導加熱式の後熱炉にて5分間180℃
に保温し、皮膜の焼付を実施した。低密度ポリエチレン
を用いる場合は、120℃に予熱した鋼線に丸ダイ押出
被覆(樹脂押出温度150℃) にて塗膜形成した。実施
例および比較例の試験材水準は表2に示す通りである。
【0020】
【表2】
【0021】性能評価は、以下の手法により実施した。 塩水噴霧試験:被覆鋼線の表面に、鋼材まで達する径2
mmφのドリル疵をつけ、ASTMB117−94に基
づき、3000時間実施した。結果は、錆の発生程度の
目視観察と、疵部近傍の塗膜の膨れ発生巾により評価し
た。
mmφのドリル疵をつけ、ASTMB117−94に基
づき、3000時間実施した。結果は、錆の発生程度の
目視観察と、疵部近傍の塗膜の膨れ発生巾により評価し
た。
【0022】評点は、以下のとおり。 0:疵部近傍の塗膜剥離せず、塗膜下腐食なし 1:疵部近傍の塗膜剥離し、塗膜下に腐食進行 評点0の方が、実用上好ましい。
【0023】液浸漬試験:被覆鋼線の表面に、鋼材まで
達する径2mmφのドリル疵をつけ、ASTMG20法
に基づき、2 5 ℃にて45日間溶液浸漬した。溶液は、
NaOH 3mol/l水溶液、CaCl2 3mol/
l水溶液、Ca(OH)2 飽和水溶液、NaCl 3%
水溶液を用いた。結果は、疵部近傍の塗膜に粘着テープ
を貼付けた後勢い良く剥離し、該粘着テ−プと共に剥離
した塗膜の疵部からの平均距離により評価した。
達する径2mmφのドリル疵をつけ、ASTMG20法
に基づき、2 5 ℃にて45日間溶液浸漬した。溶液は、
NaOH 3mol/l水溶液、CaCl2 3mol/
l水溶液、Ca(OH)2 飽和水溶液、NaCl 3%
水溶液を用いた。結果は、疵部近傍の塗膜に粘着テープ
を貼付けた後勢い良く剥離し、該粘着テ−プと共に剥離
した塗膜の疵部からの平均距離により評価した。
【0024】評点は、以下のとおり。 0:粘着テープにともなう塗膜剥離巾が1mm未満 1:巾1mm以上の塗膜剥離が見られるが、鋼線全周に
はわたらず 2:疵部からの塗膜剥離が鋼線全周にわたる 評点は低いほど実用上好ましく、0が最も良い。評価結
果は表3のとおり。
はわたらず 2:疵部からの塗膜剥離が鋼線全周にわたる 評点は低いほど実用上好ましく、0が最も良い。評価結
果は表3のとおり。
【0025】
【表3】
【0026】塩水噴霧試験において、発明例であるNo
1〜12、No16,17、No21〜24、No27
は疵部からの錆の発生による塗膜の膨れが小さい。これ
は、無処理の鋼線(比較例No13,14)に比べて大
きな耐食性向上といえる。リン酸系化合物層のない比較
材No13,14は、塗膜膨れが直径5mmの素線の全
周にわたり発生し、塗膜膨れの下では鋼材が腐食してお
り、リン酸塩化合物処理によって塗膜下での錆の進行が
抑制されることが確認された。また、塗膜のない比較例
No18〜20では、全面に錆が発生し、塗膜の存在に
よる腐食抑制効果も確認された。
1〜12、No16,17、No21〜24、No27
は疵部からの錆の発生による塗膜の膨れが小さい。これ
は、無処理の鋼線(比較例No13,14)に比べて大
きな耐食性向上といえる。リン酸系化合物層のない比較
材No13,14は、塗膜膨れが直径5mmの素線の全
周にわたり発生し、塗膜膨れの下では鋼材が腐食してお
り、リン酸塩化合物処理によって塗膜下での錆の進行が
抑制されることが確認された。また、塗膜のない比較例
No18〜20では、全面に錆が発生し、塗膜の存在に
よる腐食抑制効果も確認された。
【0027】塗膜樹脂に低密度ポリエチレンを用いた比
較例No25は、塗膜が大きく剥離し、鋼材表面が広く
腐食した。比較例No26は、塗膜厚が薄いために多く
のピンホールが生じ、そこを起点として鋼材の周囲全面
に赤錆が進展した。溶液浸漬試験では、浸漬溶液がNa
ClおよびNaOHである場合に差が生じた。
較例No25は、塗膜が大きく剥離し、鋼材表面が広く
腐食した。比較例No26は、塗膜厚が薄いために多く
のピンホールが生じ、そこを起点として鋼材の周囲全面
に赤錆が進展した。溶液浸漬試験では、浸漬溶液がNa
ClおよびNaOHである場合に差が生じた。
【0028】NaCl浸漬では、リン酸塩化合物処理の
ない比較例No13,14および付着量の少ない比較例
No15は、粘着テープ剥離にともなう剥離巾が大き
く、剥離後の鋼材表面を見ると鋼材との界面に溶液が浸
入した形跡が見られた。該剥離部は、錆の発生も見られ
た。この傾向は、比較例No25でも同様であるが、こ
れは低密度ポリエチレン塗膜がリン酸塩化合物処理層に
対して化学的親和性が低いためである。
ない比較例No13,14および付着量の少ない比較例
No15は、粘着テープ剥離にともなう剥離巾が大き
く、剥離後の鋼材表面を見ると鋼材との界面に溶液が浸
入した形跡が見られた。該剥離部は、錆の発生も見られ
た。この傾向は、比較例No25でも同様であるが、こ
れは低密度ポリエチレン塗膜がリン酸塩化合物処理層に
対して化学的親和性が低いためである。
【0029】一方、発明例では、剥離巾は小さい。下地
処理により良好な塗膜密着性を有することがわかる。し
かしながら、下地処理付着量が0.5g/m2 以下と少
ない発明例No1、4および21は、他の発明例に比べ
ると若干剥離巾が大きい。NaOH浸漬では、比較例N
o13,14、および25は、粘着テープ剥離により鋼
線全周にわたる塗膜剥離が生じ、発明例に比べて塗膜密
着性が低いことがわかる。CaCl2 、Ca(OH)2
浸漬では、比較例No25以外では、塗膜を強制的に剥
離しても溶液が浸入した形跡は見られなかった。
処理により良好な塗膜密着性を有することがわかる。し
かしながら、下地処理付着量が0.5g/m2 以下と少
ない発明例No1、4および21は、他の発明例に比べ
ると若干剥離巾が大きい。NaOH浸漬では、比較例N
o13,14、および25は、粘着テープ剥離により鋼
線全周にわたる塗膜剥離が生じ、発明例に比べて塗膜密
着性が低いことがわかる。CaCl2 、Ca(OH)2
浸漬では、比較例No25以外では、塗膜を強制的に剥
離しても溶液が浸入した形跡は見られなかった。
【0030】
【発明の効果】以上の実施例評価結果より、塗膜下への
リン酸系化合物層の導入により、塗膜密着性および耐食
性向上の効果が見られた。
リン酸系化合物層の導入により、塗膜密着性および耐食
性向上の効果が見られた。
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼線表面に付着量が鋼線の表面積に対し
て0.5〜10g/m2 のリン酸系化合物層を有し、該
鋼線の素線または撚り線に厚み10μm以上10mm以
下の有機樹脂層を有することを特徴とする耐食性に優れ
る被覆鋼線。 - 【請求項2】 有機樹脂層が熱硬化性樹脂であることを
特徴とする請求項1記載の耐食性に優れる被覆鋼線。 - 【請求項3】 有機樹脂層が熱硬化性樹脂粉体塗料であ
ることを特徴とする請求項1記載の耐食性に優れる被覆
鋼線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30840697A JPH11141053A (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 耐食性に優れる被覆鋼線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30840697A JPH11141053A (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 耐食性に優れる被覆鋼線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11141053A true JPH11141053A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17980685
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30840697A Withdrawn JPH11141053A (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 耐食性に優れる被覆鋼線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11141053A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002371372A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-26 | Nippon Steel Corp | 亜鉛系めっき鋼材とコンクリートの複合構造体 |
| JP2003007556A (ja) * | 2001-06-18 | 2003-01-10 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 耐食性の優れた希土類−鉄−ホウ素系永久磁石複合体及びその製造方法 |
| WO2003091480A1 (fr) * | 2002-04-26 | 2003-11-06 | Liuzhou Construction Machinery Factory General | Barre en acier precontraint resistant a la corrosion et procede de production correspondant |
-
1997
- 1997-11-11 JP JP30840697A patent/JPH11141053A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002371372A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-26 | Nippon Steel Corp | 亜鉛系めっき鋼材とコンクリートの複合構造体 |
| JP2003007556A (ja) * | 2001-06-18 | 2003-01-10 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 耐食性の優れた希土類−鉄−ホウ素系永久磁石複合体及びその製造方法 |
| WO2003091480A1 (fr) * | 2002-04-26 | 2003-11-06 | Liuzhou Construction Machinery Factory General | Barre en acier precontraint resistant a la corrosion et procede de production correspondant |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050201 |