JPH11141176A - 過減衰構造 - Google Patents
過減衰構造Info
- Publication number
- JPH11141176A JPH11141176A JP30613597A JP30613597A JPH11141176A JP H11141176 A JPH11141176 A JP H11141176A JP 30613597 A JP30613597 A JP 30613597A JP 30613597 A JP30613597 A JP 30613597A JP H11141176 A JPH11141176 A JP H11141176A
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- Japan
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- damping
- viscous
- overdamping
- damper
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造物の耐震性能を格段に向上させ得る構造
を提供する。 【解決手段】 構造物の減衰力を復元力よりも大きくす
るように減衰係数Cnを設定して過減衰とする。すなわ
ち減衰率hnを1.00よりも大きくし、構造物が自ず
と殆ど振動し得ない構造とする。減衰力を得るためのダ
ンパーとして鋼板の間に粘性抵抗の大きい粘性体や粘弾
性体を挟み込んだ構成の粘性耐震壁を用いる。柱や梁等
の構造部材は長期荷重に対する耐力のみを有するものと
してその断面を小さくし、それによりばね定数Knを小
さくして減衰率hnをさらに大きくする。
を提供する。 【解決手段】 構造物の減衰力を復元力よりも大きくす
るように減衰係数Cnを設定して過減衰とする。すなわ
ち減衰率hnを1.00よりも大きくし、構造物が自ず
と殆ど振動し得ない構造とする。減衰力を得るためのダ
ンパーとして鋼板の間に粘性抵抗の大きい粘性体や粘弾
性体を挟み込んだ構成の粘性耐震壁を用いる。柱や梁等
の構造部材は長期荷重に対する耐力のみを有するものと
してその断面を小さくし、それによりばね定数Knを小
さくして減衰率hnをさらに大きくする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の耐震性能
を向上させ得る有効な構造に関する。
を向上させ得る有効な構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように構造物の耐震性能を確保す
るための構造としては、とにかく頑強な構造として地震
力に対する耐力を高めるという耐力構造が長く一般的で
あったが、近年においては免震構造や制震構造が提案さ
れ実用化されている。免震構造は積層ゴム等の免震装置
によって建物全体を支持することにより建物に入力され
る地震動を低減させて応答を低減しようとするものであ
り、制震構造は建物に入力された地震エネルギーをダン
パー等の制震装置により制御、吸収することで応答を低
減しようとするものである。
るための構造としては、とにかく頑強な構造として地震
力に対する耐力を高めるという耐力構造が長く一般的で
あったが、近年においては免震構造や制震構造が提案さ
れ実用化されている。免震構造は積層ゴム等の免震装置
によって建物全体を支持することにより建物に入力され
る地震動を低減させて応答を低減しようとするものであ
り、制震構造は建物に入力された地震エネルギーをダン
パー等の制震装置により制御、吸収することで応答を低
減しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダンパー等
を用いない従来一般の耐力構造では、地震力に対する耐
力を高めるために必然的に柱や梁等の構造部材の断面が
大きくなって高剛性で短周期型の構造物となり、その結
果、構造物に入力される地震力が益々大きくなって部材
断面がさらに大きくなるという悪循環となる。
を用いない従来一般の耐力構造では、地震力に対する耐
力を高めるために必然的に柱や梁等の構造部材の断面が
大きくなって高剛性で短周期型の構造物となり、その結
果、構造物に入力される地震力が益々大きくなって部材
断面がさらに大きくなるという悪循環となる。
【0004】一方、従来の免震構造では構造物に対する
地震入力が大幅に低減されて加速度応答量は十分に小さ
くなるが、逆に変位応答量は大きくなるものであり、ま
た、免震装置の設置のために基礎を二重構造とする必要
が生じることから建設費の増大は避けられないし、免震
装置に対して長期にわたる保守も必要であるという問題
がある。
地震入力が大幅に低減されて加速度応答量は十分に小さ
くなるが、逆に変位応答量は大きくなるものであり、ま
た、免震装置の設置のために基礎を二重構造とする必要
が生じることから建設費の増大は避けられないし、免震
装置に対して長期にわたる保守も必要であるという問題
がある。
【0005】さらに、制震構造は構造物の要所にオイル
ダンパーや粘性ダンパー、鋼材ダンパー、摩擦ダンパー
等の各種ダンパーを設置して振動エネルギーを吸収し振
動を減衰させようというものではあるが、従来において
は過減衰を実現できるような大容量ダンパーはなく、こ
のため従来の制震構造では地震エネルギーのごく一部を
吸収する程度のものに過ぎず、したがって構造物の変形
を十分に抑制できるものではないから、制震構造とはい
っても基本的には地震力に対する構造物の耐力を確保し
ておくことが前提となるものである。
ダンパーや粘性ダンパー、鋼材ダンパー、摩擦ダンパー
等の各種ダンパーを設置して振動エネルギーを吸収し振
動を減衰させようというものではあるが、従来において
は過減衰を実現できるような大容量ダンパーはなく、こ
のため従来の制震構造では地震エネルギーのごく一部を
吸収する程度のものに過ぎず、したがって構造物の変形
を十分に抑制できるものではないから、制震構造とはい
っても基本的には地震力に対する構造物の耐力を確保し
ておくことが前提となるものである。
【0006】上記事情に鑑み、本発明は従来の耐力構造
や免震構造、制震構造に代って、構造物の耐震性能を格
段に向上させ得る有効な構造を提供しようとするもので
ある。
や免震構造、制震構造に代って、構造物の耐震性能を格
段に向上させ得る有効な構造を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般に構造物は質量とば
ね及びダンパー(減衰機構)を備える振動系にモデル化
できるが、本発明はそのような振動系におけるダンパー
の減衰力をばねによる復元力よりも大きくする、つまり
過減衰とすることにより、構造物が自ずと殆ど振動し得
ない過減衰構造を実現するものである。すなわち、本発
明は、最上層から数えてn番目の階層が質量Mn、ばね
定数Kn、減衰係数Cnの構造物において、最上層からn
番目の階層までの等価有効総質量ΣMn、その固有周期
T1、その減衰率hnが、次の関係を満たすように前記減
衰係数Cnを設定してなることを特徴とするものであ
る。
ね及びダンパー(減衰機構)を備える振動系にモデル化
できるが、本発明はそのような振動系におけるダンパー
の減衰力をばねによる復元力よりも大きくする、つまり
過減衰とすることにより、構造物が自ずと殆ど振動し得
ない過減衰構造を実現するものである。すなわち、本発
明は、最上層から数えてn番目の階層が質量Mn、ばね
定数Kn、減衰係数Cnの構造物において、最上層からn
番目の階層までの等価有効総質量ΣMn、その固有周期
T1、その減衰率hnが、次の関係を満たすように前記減
衰係数Cnを設定してなることを特徴とするものであ
る。
【数4】
【0008】なお、前記等価有効総質量ΣMnは次のい
ずれかにより求めれば良い。
ずれかにより求めれば良い。
【数5】 ここで、上記の固有周期T1は減衰係数Cnがないものと
して求めた質量Mn、ばね定数Knからなる振動系の一次
固有周期、もしくは減衰係数Cnを考慮した振動系の一
次固有周期である。
して求めた質量Mn、ばね定数Knからなる振動系の一次
固有周期、もしくは減衰係数Cnを考慮した振動系の一
次固有周期である。
【数6】
【0009】本発明においては減衰力の大きなダンパー
を採用する必要があるので、そのようなダンパーとして
の機能を耐震壁に持たせることが好適である。すなわ
ち、構造物の要所に設ける耐震壁自体を、たとえば鋼板
の間に粘性抵抗の大きい(たとえば6万pois以上)粘性
体や粘弾性体を挟み込んでダンパーとして機能する粘性
耐震壁として構成すれば、自ずと大きな減衰係数Cnが
得られるとともに減衰係数Cnを所望値に自由に設定す
ることも可能である。
を採用する必要があるので、そのようなダンパーとして
の機能を耐震壁に持たせることが好適である。すなわ
ち、構造物の要所に設ける耐震壁自体を、たとえば鋼板
の間に粘性抵抗の大きい(たとえば6万pois以上)粘性
体や粘弾性体を挟み込んでダンパーとして機能する粘性
耐震壁として構成すれば、自ずと大きな減衰係数Cnが
得られるとともに減衰係数Cnを所望値に自由に設定す
ることも可能である。
【0010】また、一般に柱や梁等の構造部材の断面を
小さくして構造物のばね定数Knを小さくすると、上式
により減衰率hnは自ずと大きくなるから減衰力を高め
るうえでより有利となる。そして、本発明の過減衰構造
では地震時においても構造物が殆ど振動し得ないものと
なることから、構造部材は地震力に対する耐力を殆ど必
要とせず、そのため、本発明では柱や梁の構造部材を長
期荷重に対する耐力のみを有する小断面のものとするこ
とが可能であり、そのようにすることが好適である。
小さくして構造物のばね定数Knを小さくすると、上式
により減衰率hnは自ずと大きくなるから減衰力を高め
るうえでより有利となる。そして、本発明の過減衰構造
では地震時においても構造物が殆ど振動し得ないものと
なることから、構造部材は地震力に対する耐力を殆ど必
要とせず、そのため、本発明では柱や梁の構造部材を長
期荷重に対する耐力のみを有する小断面のものとするこ
とが可能であり、そのようにすることが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の過減衰構造を多質点系の振動モデ
ルとしてモデル化したものである。本実施形態では、図
1に示すように、最上層から数えてn番目の階層が質量
Mn、ばね定数Kn、減衰係数Cnの構造物において、最
上層からn番目の階層までの等価有効総質量ΣMn、そ
の固有周期T1、その減衰率hnが、次の関係を満たすよ
うに前記減衰係数Cnを設定するものである。
する。図1は本発明の過減衰構造を多質点系の振動モデ
ルとしてモデル化したものである。本実施形態では、図
1に示すように、最上層から数えてn番目の階層が質量
Mn、ばね定数Kn、減衰係数Cnの構造物において、最
上層からn番目の階層までの等価有効総質量ΣMn、そ
の固有周期T1、その減衰率hnが、次の関係を満たすよ
うに前記減衰係数Cnを設定するものである。
【数7】
【0012】なお、上記の等価有効総質量ΣMnの求め
方は諸説あるが、次のいずれかによることが良い。ただ
し、それに限定されるものではない。
方は諸説あるが、次のいずれかによることが良い。ただ
し、それに限定されるものではない。
【数8】
【数9】
【0013】構造物の全ての階層について上式の関係を
満足させることは、すなわちこの振動系の減衰力を復元
力よりも大きくすることを意味し、したがってこの振動
系は振動し得ないことを意味する。つまり、このように
モデル化された過減衰構造の構造物は、地震力を受けて
も地動と所定の位相差をもって同じ動きをするのみで共
振することはなく、それ故、従来一般の構造の構造物に
比較して加速度、速度、変位の全てが低減し、また構造
物への入力エネルギーも殆どゼロとなる。
満足させることは、すなわちこの振動系の減衰力を復元
力よりも大きくすることを意味し、したがってこの振動
系は振動し得ないことを意味する。つまり、このように
モデル化された過減衰構造の構造物は、地震力を受けて
も地動と所定の位相差をもって同じ動きをするのみで共
振することはなく、それ故、従来一般の構造の構造物に
比較して加速度、速度、変位の全てが低減し、また構造
物への入力エネルギーも殆どゼロとなる。
【0014】なお、従来一般の構造物における減衰率h
の値は、鉄骨造構造物の場合で0.02程度、鉄筋コン
クリート造構造物の場合で0.05程度であり、要所に
オイルダンパー等の制震ダンパーを組込んだ従来一般の
制震構造の場合でも0.10〜0.3程度である。
の値は、鉄骨造構造物の場合で0.02程度、鉄筋コン
クリート造構造物の場合で0.05程度であり、要所に
オイルダンパー等の制震ダンパーを組込んだ従来一般の
制震構造の場合でも0.10〜0.3程度である。
【0015】ところで、上記のような過減衰を実現する
ためには、減衰係数Cnの大きなダンパーを採用する必
要があり、そのようなダンパーとしてはたとえば図2お
よび図3に示すような粘性耐震壁1を採用することが好
適である。
ためには、減衰係数Cnの大きなダンパーを採用する必
要があり、そのようなダンパーとしてはたとえば図2お
よび図3に示すような粘性耐震壁1を採用することが好
適である。
【0016】その制震耐震壁1は柱2と梁3(3a,3
b)とにより囲まれる空間内に設置されるものであっ
て、下側の梁3aに対して固定される鋼板4aと上側の
梁3bに対して固定される鋼板4bとを若干の間隙をお
いて交互に積層し、それら鋼板4a,4bの間に粘度6
万pois以上の粘性抵抗の大きい粘性体5たとえばゴムア
スファルトを双方の鋼板4a,4bに対して粘着させた
状態で挟み込んだ構成のものである。符号6a,6bは
各鋼板4a,4bに固定された取付板、7は取付板6
a,6bを介して各鋼板4a,4bを梁3a,3bに対
して固定するためのアンカーである。
b)とにより囲まれる空間内に設置されるものであっ
て、下側の梁3aに対して固定される鋼板4aと上側の
梁3bに対して固定される鋼板4bとを若干の間隙をお
いて交互に積層し、それら鋼板4a,4bの間に粘度6
万pois以上の粘性抵抗の大きい粘性体5たとえばゴムア
スファルトを双方の鋼板4a,4bに対して粘着させた
状態で挟み込んだ構成のものである。符号6a,6bは
各鋼板4a,4bに固定された取付板、7は取付板6
a,6bを介して各鋼板4a,4bを梁3a,3bに対
して固定するためのアンカーである。
【0017】上記のような構成の粘性耐震壁1は、全体
として薄肉でありながら高剛性と高靱性とを併せて有す
るものであって、非破壊的に大変形可能、しかも復元可
能なものである。たとえば厚さ16mmの鋼板4a,4
bを全5枚交互に重ね合わせてそれらの間に粘性体5と
して厚さ2mmのゴムアスファルト(粘度6万〜100
万pois程度)を挟み込んだものでは、全体の厚さがわず
か88mmでありながら厚さ500mmの鉄筋コンクリ
ート造耐震壁と同等程度の剛性を有するものとでき、か
つ鉄筋コンクリートでは望むべくもない高靱性を有する
ものである。勿論、粘性体の種類や鋼板の積層枚数、寸
法等を調節することにより減衰力を自由に設定できるも
のである。
として薄肉でありながら高剛性と高靱性とを併せて有す
るものであって、非破壊的に大変形可能、しかも復元可
能なものである。たとえば厚さ16mmの鋼板4a,4
bを全5枚交互に重ね合わせてそれらの間に粘性体5と
して厚さ2mmのゴムアスファルト(粘度6万〜100
万pois程度)を挟み込んだものでは、全体の厚さがわず
か88mmでありながら厚さ500mmの鉄筋コンクリ
ート造耐震壁と同等程度の剛性を有するものとでき、か
つ鉄筋コンクリートでは望むべくもない高靱性を有する
ものである。勿論、粘性体の種類や鋼板の積層枚数、寸
法等を調節することにより減衰力を自由に設定できるも
のである。
【0018】したがって上記のような粘性耐震壁1を構
造物の要所に適正配置することにより、この構造物に上
式の関係を満足するような大きな減衰力を与えて過減衰
構造を容易に実現できる。そして、そのような過減衰構
造とすることにより、地震時に上下の梁3a,3bどう
しが層間変位を生じるような場合においては、粘性耐震
壁1が極めて大きな減衰力を発揮して双方の鋼板4a,
4bが面内で微小(2〜4mm程度)に相対変位するに
とどめ、振動の発生を殆ど防止し得るのである。図4お
よび図5は低層大スパン構造物の四隅部に上記の粘性耐
震壁1を配置して過減衰とした場合の具体例を示すもの
である。
造物の要所に適正配置することにより、この構造物に上
式の関係を満足するような大きな減衰力を与えて過減衰
構造を容易に実現できる。そして、そのような過減衰構
造とすることにより、地震時に上下の梁3a,3bどう
しが層間変位を生じるような場合においては、粘性耐震
壁1が極めて大きな減衰力を発揮して双方の鋼板4a,
4bが面内で微小(2〜4mm程度)に相対変位するに
とどめ、振動の発生を殆ど防止し得るのである。図4お
よび図5は低層大スパン構造物の四隅部に上記の粘性耐
震壁1を配置して過減衰とした場合の具体例を示すもの
である。
【0019】また、上式から明らかなように、過減衰を
実現するべく減衰率hnを大きくするためには、減衰係
数Cnを大きくする一方でばね定数Knを小さくすること
が有利であるので、それら構造部材を小断面のものとす
ることでばね定数Knを小さくすることが好適である。
そして、上記のように、過減衰構造では地震時において
も構造物が殆ど振動し得ないものとなることから、柱や
梁等の構造部材には地震力に対する耐力を見込む必要が
なく、したがってそれら構造部材は長期荷重に対する耐
力を確保できる程度の小断面のものとすることが可能で
ある。つまり、このような過減衰構造では地震荷重のほ
ぼ全てを粘性耐震壁1等のダンパーが負担し、したがっ
て柱や梁等の構造部材は長期荷重のみを負担すれば良い
ことになる。換言すれば、この構造は構造物を十分に柔
らかくして地震のエネルギーが大容量ダンパーである粘
性耐震壁1へ流れる割合を100%に限りなく近づけた
新規な構造形式である。その結果、この構造では構造部
材の断面節約による大幅なコストダウンと室内有効空間
の拡大を図ることができる。
実現するべく減衰率hnを大きくするためには、減衰係
数Cnを大きくする一方でばね定数Knを小さくすること
が有利であるので、それら構造部材を小断面のものとす
ることでばね定数Knを小さくすることが好適である。
そして、上記のように、過減衰構造では地震時において
も構造物が殆ど振動し得ないものとなることから、柱や
梁等の構造部材には地震力に対する耐力を見込む必要が
なく、したがってそれら構造部材は長期荷重に対する耐
力を確保できる程度の小断面のものとすることが可能で
ある。つまり、このような過減衰構造では地震荷重のほ
ぼ全てを粘性耐震壁1等のダンパーが負担し、したがっ
て柱や梁等の構造部材は長期荷重のみを負担すれば良い
ことになる。換言すれば、この構造は構造物を十分に柔
らかくして地震のエネルギーが大容量ダンパーである粘
性耐震壁1へ流れる割合を100%に限りなく近づけた
新規な構造形式である。その結果、この構造では構造部
材の断面節約による大幅なコストダウンと室内有効空間
の拡大を図ることができる。
【0020】なお、本発明は構造物の形態や規模、用
途、構造形式を問わないものであって、S造、RC造、
SRC造その他任意の構造に適用でき、かつ、平屋建て
(n=1の場合である)を含む低層建築物から超高層建
築物まで広く適用できるものであり、さらに新築構造物
のみならず既存構造物の耐震補強を目的として実施する
ことも勿論可能である。
途、構造形式を問わないものであって、S造、RC造、
SRC造その他任意の構造に適用でき、かつ、平屋建て
(n=1の場合である)を含む低層建築物から超高層建
築物まで広く適用できるものであり、さらに新築構造物
のみならず既存構造物の耐震補強を目的として実施する
ことも勿論可能である。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の過減衰構造は、
構造物の減衰率hnを1.00よりも大きくする、すな
わち減衰力を復元力よりも大きく設定するものであるか
ら、地震時においても殆ど振動することがなく、したが
って耐震性能に格段に優れた構造物を実現することがで
きる。特に、ダンパーとして機能する粘性耐震壁を設け
ることにより極めて大きな減衰力を容易に得ることがで
きるとともに減衰力の調節も容易であり、また、柱や梁
等の構造部材を長期荷重に対する耐力のみを有する程度
の小断面とすることが可能なものであり、そのようにす
ることにより減衰率を大きくし得てより有利である。
構造物の減衰率hnを1.00よりも大きくする、すな
わち減衰力を復元力よりも大きく設定するものであるか
ら、地震時においても殆ど振動することがなく、したが
って耐震性能に格段に優れた構造物を実現することがで
きる。特に、ダンパーとして機能する粘性耐震壁を設け
ることにより極めて大きな減衰力を容易に得ることがで
きるとともに減衰力の調節も容易であり、また、柱や梁
等の構造部材を長期荷重に対する耐力のみを有する程度
の小断面とすることが可能なものであり、そのようにす
ることにより減衰率を大きくし得てより有利である。
【図1】 本発明の過減衰構造の振動モデルを示す図で
ある。
ある。
【図2】 本発明の過減衰構造に適用する粘性耐震壁の
一例を示す側断面図である。
一例を示す側断面図である。
【図3】 同、正面図である。
【図4】 本発明の過減衰構造を適用した構造物の一例
を示す立面図である。
を示す立面図である。
【図5】 同、平面図である。
Mn 質量 Kn ばね定数 Cn 減衰係数 ΣMn 等価有効総質量 T1 固有周期 hn 減衰率 1 粘性耐震壁 4a,4b 鋼板 5 粘性体
Claims (5)
- 【請求項1】 最上層から数えてn番目の階層が質量M
n、ばね定数Kn、減衰係数Cnの構造物において、最上
層からn番目の階層までの等価有効総質量ΣMn、その
固有周期T1、その減衰率hnが、次の関係を満たすよう
に前記減衰係数Cnを設定してなることを特徴とする過
減衰構造。 【数1】 - 【請求項2】 前記等価有効総質量ΣMnを次式により
求めることを特徴とする請求項1記載の過減衰構造。 【数2】 - 【請求項3】 前記等価有効総質量ΣMnを次式により
求めることを特徴とする請求項1記載の過減衰構造。 【数3】 - 【請求項4】 当該構造物にダンパーとして機能する粘
性耐震壁を設けることで前記減衰係数Cnを設定してな
ることを特徴とする請求項1,2または3記載の過減衰
構造。 - 【請求項5】 当該構造物の長期荷重のみを考慮して前
記ばね定数Knを設定してなることを特徴とする請求項
1,2,3または4記載の過減衰構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30613597A JPH11141176A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 過減衰構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30613597A JPH11141176A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 過減衰構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11141176A true JPH11141176A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17953484
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30613597A Pending JPH11141176A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 過減衰構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11141176A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005314917A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Taisei Corp | 制振間柱 |
| CN104405054A (zh) * | 2014-10-09 | 2015-03-11 | 甘肃省建筑设计研究院 | 一种设置黏滞消能器的结构设计方法 |
| JP2015094076A (ja) * | 2013-11-08 | 2015-05-18 | 株式会社竹中工務店 | 制振構造 |
-
1997
- 1997-11-07 JP JP30613597A patent/JPH11141176A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005314917A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Taisei Corp | 制振間柱 |
| JP2015094076A (ja) * | 2013-11-08 | 2015-05-18 | 株式会社竹中工務店 | 制振構造 |
| CN104405054A (zh) * | 2014-10-09 | 2015-03-11 | 甘肃省建筑设计研究院 | 一种设置黏滞消能器的结构设计方法 |
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