JPH1114607A - 超音波プローブおよびその用途 - Google Patents

超音波プローブおよびその用途

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JPH1114607A
JPH1114607A JP9162824A JP16282497A JPH1114607A JP H1114607 A JPH1114607 A JP H1114607A JP 9162824 A JP9162824 A JP 9162824A JP 16282497 A JP16282497 A JP 16282497A JP H1114607 A JPH1114607 A JP H1114607A
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哲哉 芦田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検査物の材料がディレーチップの材料より
も超音波伝搬速度の遅い材料であっても、より大きな屈
折角で被検査物中に斜角入射でき、また、被検査物中を
伝搬してくる超音波が大きな入射角をもってディレーチ
ップ面に到達しても、受信できる超音波プローブを提供
し、その好ましい用途を示すこと。 【解決手段】 横波用振動子1に、被検査物Bとの間に
介在するようにディレーチップ2を取り付けて超音波プ
ローブAを構成する。ディレーチップ中における横波W
1の伝搬速度をV1とし、ディレーチップと被検査物と
界面において、W1と互いにモード変換される関係にあ
る被検査物中の縦波W2の伝搬速度をV2とするとき、
V1<V2となるように、ディレーチップの材料を選択
する。被検査物の表面に沿ってプローブ間で直接的な超
音波の送受信も可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物質表面から内部
に超音波を大きな屈折角で入射させ、また、物質内部か
らの超音波を受信するための超音波プローブおよびその
用途に関する。
【0002】
【従来の技術】被検査物内へ表面から超音波を入射し、
深層で反射させるか裏面へ通過させて受信し、該被検査
物の内部の観測や計測などを行なう方法がある。このよ
うな方法は、例えば、金属の溶接部の探傷や、電力ケー
ブルの劣化診断などに用いられている。
【0003】被検査物中に超音波を入射し受信するため
に該被検査物の表面に配置される器具として、超音波プ
ローブがある。超音波プローブは、超音波振動子を被検
査物の表面へ配置し得るように内蔵する送信用、受信用
のヘッドである。超音波プローブは、一般には送信用、
受信用共に同一構造であり、超音波振動子は超音波の発
生素子、検出素子として用いられる。ここでは、超音波
プローブの問題点を、超音波を入射させる方を代表とし
て説明する。
【0004】超音波には縦波と横波とがあるが、被検査
物内へ超音波を入射する場合、固体、液体、気体の全て
の物質中を伝搬し、減衰が少ないという点から、通常、
縦波が用いられている。縦波は、疎密波とも呼ばれ、波
動の伝搬方向と振動方向とが一致する進行波である。従
って、従来の超音波プローブには、縦波の超音波を発生
させて送り出す縦波用振動子が組み込まれている。
【0005】被検査物内への超音波の入射方向は、被検
査物の表面に垂直な方向への入射(垂直入射)や、被検
査物の表面の法線と角度をなす方向への入射(斜角入
射)など目的に応じて様々であるが、斜角入射には次の
問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】被検査物内へ超音波を
斜角入射させる場合には、超音波振動子と被検査物との
間にディレーチップ(緩衝材、シューとも呼ばれる)を
介在させた斜角入射用の超音波プローブが用いられる。
図4は、従来の斜角入射用の超音波プローブの構造例お
よび使用例を示す図である。ディレーチップ12は、縦
波用振動子11と被検査物13の表面との間に介在させ
て設けられるクサビ形状の部材であって、これによって
縦波用振動子11の振動面は被検査物13の表面に対し
角度をなして保持される。ディレーチップの材料には、
実用的には、アクリル樹脂やポリイミド、ポリスチレン
などの高分子材料が用いられる。
【0007】図4に示すように、縦波用振動子11とデ
ィレーチップ12とからなる斜角入射用プローブを用い
て被検査物13の表層13a内へ超音波Wを斜角入射
し、次層13bとの界面で超音波を反射させ、入射位置
から離れた表層表面(図示せず)において受信する場合
を考える。
【0008】被検査物の表層が金属である場合、ディレ
ーチップ(高分子材料)中の超音波の伝搬速度V1より
も、表層(金属)中の超音波の伝搬速度V2の方が速
い。従って、図4(a)に示すように、表層表面の法線
yと超音波Wとのなす角度を入射角θ1、屈折角θ2と
すると、θ1<θ2となる。このことは、スネルの法則
で知られる次式の関係で説明される。 (sinθ1)/V1=(sinθ2)/V2 即ち、縦波用振動子11から発せられた超音波Wは、デ
ィレーチップ12から被検査物の表層13aへ入射する
際において、表層表面のより離れた位置に向かうように
屈折し、これによって、入射位置から離れた位置に向け
ての送信が容易となる。
【0009】ところが、被検査物の表層も高分子材料で
ある場合、その材料の種類によっては、ディレーチップ
中の超音波の伝搬速度V1よりも、表層中の超音波の伝
搬速度V2のほうが遅い場合がある。例えば、被検査物
が電力ケーブルである場合、表層の材料にはポリエチレ
ンやポリ塩化ビニルなど有機材料が用いられており、デ
ィレーチップがアクリル製の場合にはV1 >V2とな
る。従って、図4(b)に示すように、θ1>θ2とな
る。即ち、縦波用振動子11から発せられた超音波W
は、ディレーチップ12から被検査物の表層13aへ入
射する際において、自体の深層直下方向により近づく方
向に屈折する。図4(b)から明らかなとおり、表層中
へ入射した超音波Wは、次層との界面で鋭角に反射し、
入射位置の近傍に戻ってくるので、入射位置から離れた
位置に向けての送信は困難(不可能)となる。
【0010】この問題は受信の場合でも同様である。即
ち、図4(b)の様にV1 >V2の場合、被検査物中を
伝搬してくる縦波の超音波が、大きな入射角をもってデ
ィレーチップに到達したときには、縦波の超音波はディ
レーチップ内には入射できず縦波用振動子による検出は
できないのである。
【0011】本発明の課題は、上記問題を解決し、被検
査物の材料がディレーチップの材料よりも超音波伝搬速
度の遅い材料であっても、より大きな屈折角をもって被
検査物中に斜角入射させることができ、また、被検査物
中を伝搬してくる超音波が大きな入射角をもってディレ
ーチップ面に到達しても、ディレーチップ内に入射させ
ることができ受信できる超音波プローブを提供し、その
好ましい用途を示すことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するものである。 (1)横波の超音波を発する横波用振動子に、この横波
用振動子と被検査物との間に介在するようにディレーチ
ップが取り付けられた構造を有し、前記横波の超音波
をW1とし、ディレーチップ中におけるW1の伝搬速度
をV1とし、ディレーチップと被検査物と界面におい
て、前記W1と互いにモード変換される関係にある被検
査物中の縦波の超音波をW2とし、該W2の被検査物中
における伝搬速度をV2とするとき、V1<V2となる
ように、ディレーチップの材料が被検査物の材料に対し
て選択されてなるものである超音波プローブ。
【0013】(2)被検査物の材料が電力ケーブルの被
覆層に用いられる有機材料であって、ディレーチップに
よって形成される、横波用振動子の振動面と被検査物の
表面とのなす角度が、10度〜85度である上記(1)
記載の超音波プローブ。
【0014】(3)上記(1)または(2)に記載の超
音波プローブを、被検査物の表面の送信位置、受信位置
に配置される送信用、受信用の超音波プローブとして有
し、 送信用の超音波プローブは、横波用振動子からディレ
ーチップ中に横波の超音波を発し、この横波の超音波を
ディレーチップと被検査物との界面において縦波の超音
波にモード変換し、この縦波の超音波を受信用の超音波
プローブに直接向けて被検査物中に入射し得るものであ
り、 受信用の超音波プローブは、前記送信用の超音波プロ
ーブから直線的に到達した前記縦波の超音波を、被検査
物とディレーチップとの界面において横波の超音波にモ
ード変換してディレーチップ中に入射させ、この横波の
超音波を横波用振動子にて受信し得るものである、超音
波の送受信装置。
【0015】(4)被検査物の表面が、平面、または送
信位置と受信位置とを結ぶ直線を含む曲面であって、上
記送信用の超音波プローブから受信用の超音波プローブ
に直線的に到達する縦波の超音波が、被検査物の表面に
沿って直線的に伝搬するものである上記(3)記載の装
置。
【0016】(5)送信から受信までの所要時間Tを
計測する時間計測手段と、送信用、受信用の超音波プ
ローブ間の直線距離Lと前記Tとから被検査物中での超
音波の伝搬速度L/Tの値を算出する計算手段とが、さ
らに設けられた上記(3)記載の装置。
【0017】(6)上記(1)または(2)に記載の超
音波プローブを用い、横波用振動子がディレーチップ中
に発した横波の超音波を、ディレーチップと被検査物と
の界面において縦波の超音波にモード変換してこれを被
検査物中に入射させて送信することを特徴とする超音波
の送信方法。
【0018】(7)上記(1)または(2)に記載の超
音波プローブを用い、被検査物中を伝搬してくる縦波の
超音波を、被検査物とディレーチップとの界面において
横波の超音波にモード変換してこれをディレーチップ中
に入射させて横波用振動子で受信することを特徴とする
超音波の受信方法。
【0019】(8)上記(6)記載の超音波の送信方法
と、上記(7)記載の超音波の受信方法とを用いる超音
波の送受信方法であって、被検査物の表面が、平面、ま
たは送信位置と受信位置とを結ぶ直線を含む曲面であ
り、送信用の超音波プローブから受信用の超音波プロー
ブまで被検査物中を伝搬する縦波の超音波を、被検査物
の表面に沿って直線的に伝搬させることを特徴とする超
音波の送受信方法。
【0020】
【発明の実施の形態】先ず、本発明による超音波プロー
ブの構造を説明すると共に、送信方法、受信方法を説明
する。図1は、本発明の超音波プローブが被検査物に装
着され、送信している状態を示す断面図である。同図の
ように、本発明の超音波プローブAは、横波の超音波を
発生させる横波用振動子1にディレーチップ2が取り付
けられた構造を有する。ディレーチップ2は、横波用振
動子1と被検査物Bとの間に介在するように取り付けら
れており、これによって横波用振動子1の振動面は被検
査物Bの表面に対し角度をなして保持される。同図の例
では、横波用振動子1とディレーチップ2とはハウジン
グ3に収納されており、リード線4が外部の駆動回路
(図示せず)に接続されている。以下、横波の超音波を
「横波」、縦波の超音波を「縦波」と呼ぶ。横波は、波
の振動方向と進行方向とが垂直な進行波である。図中、
yは被検査物の表面の法線または垂線である。
【0021】このような構造とすることによって、横波
用振動子1から発せられる横波W1(太い破線の矢印)
は、ディレーチップ2中を通過し、ディレーチップ2と
被検査物Bとの界面Sに入射角θ1で到達する。横波W
1は、界面Sにおいて一部がモード変換されて縦波W2
(太線の矢印)となり被検査物中に入射する。縦波/横
波のモード変換は、2つの物質が接触する界面を通過す
る際、その界面において生じる現象である。横波W1の
うちモード変換されなかった残部は横波のままW3(細
い破線の矢印)として入射する。このとき、ディレーチ
ップと被検査物との材料の組み合わせが図4(b)で説
明したような組み合わせの場合であっても、縦波W2の
屈折角θ2を、前記横波W1の入射角θ1よりも大きい
ものとすることが可能となる。従って、従来よりも大き
な屈折角をもって、より離れた受信用プローブに向け
て、縦波W2を斜角入射できることになる。θ1<θ2
とし得る理由を次に説明する。
【0022】固体中を超音波が伝搬する場合、横波の伝
搬速度は縦波の伝搬速度の約60%程度であり、横波は
縦波よりも充分に遅い。本発明の超音波プローブおよび
送信方法、受信方法では、横波が縦波よりも充分遅いこ
とに着目し、この関係を積極的に利用するため横波用振
動子を用いている。さらに、ディレーチップと被検査物
との界面を超音波が通過する場合、超音波の一部がモー
ド変換(横波/縦波の変換)されるという現象に着目
し、この現象を積極的に利用している。
【0023】横波用振動子から発せられた横波W1のデ
ィレーチップ中での伝搬速度をV1とし、横波W1が界
面Sでモード変換されて発生した縦波W2の被検査物中
での伝搬速度をV2とする。このとき従来技術において
問題とした(伝搬速度の速いアクリル、伝搬速度の遅い
ポリエチレン)のような材料の組み合わせであったとし
ても、アクリル中の横波の伝搬速度V1と、ポリエチレ
ン中の縦波の伝搬速度V2とではV1<V2となり、ス
ネルの法則で説明されるように、横波の入射角θ1<縦
波の屈折角θ2となり得るのである。
【0024】本発明で用いる横波用振動子は、(横波の
超音波/他のエネルギー)変換素子であって、送信用と
しては横波の超音波を発生し得るものであればよく、受
信用としては横波の超音波を電気信号など何らかの信号
に変換し得るものであればよい。横波用振動子は、通常
は、横波の超音波と電気エネルギー等とを可逆的に変換
し得るものであるから、送信用と受信用には同一のもの
を用いてよい。また、好ましい送信や受信を行なうため
に、送信用と受信用には、振動面の面積、変換効率、感
度、入出力など、互いに異なる仕様の横波用振動子を用
いてもよい。横波用振動子で発生させる横波の周波数
は、特に限定されないが、0.5MHz〜5MHz程度
が望ましい。
【0025】ディレーチップは、公知のものを用いてよ
く、横波用振動子が装着されるクサビ状の勾配部分を有
し、公知の機能と同様、横波用振動子の振動面と被検査
物の表面とが角度をなすようにこれらの間に介在し得る
ものであればよい。勾配部分の面と被検査物の表面との
なす角度は、図1における横波W1の入射角θ1となる
ものであり、ディレーチップと被検査物との材料の組み
合わせや、必要な入射角度にもよるが、10度〜85度
が汎用である。
【0026】ディレーチップの材料と被検査物の材料と
の組み合わせは、(横波W1のディレーチップ中での伝
搬速度V1)<(縦波W2の被検査物中での伝搬速度V
2)となるように選択するのが好ましいが、横波用振動
子を用いたことによって、一般のディレーチップと一般
の有機材料からなる表層を有する被検査物であれば充分
にV1<V2となり、被検査物の選択の幅が広がる。有
機材料からなる表層を有する被検査物としては、電力ケ
ーブルの他、パイプ、ホース、シート材、壁材・床材な
どの表面材、などが例示される。
【0027】本発明の超音波プローブは、横波用振動子
とディレーチップとの構成を最小限の構成とするもので
あるが、これに対してモールドやハウジング、電気回路
など、付帯的なものは自由に加えてよい。
【0028】本発明の超音波プローブを一対で用いるこ
とによって、超音波を大きな角度で斜角入射でき、また
それを受信し得る好ましい送受信装置を構成することが
できる。例えば、本発明の出願人は、先に「超音波の伝
搬速度の測定方法およびその装置」(特願平9−112
333号)を出願している(以下、先の出願)。先の出
願の発明は、垂直法と斜角法とで得られるT、t、Lか
らなる式L/(t2 −T2 1/2 の値を、被検査物の表
層中における超音波の伝搬速度とするものである。垂直
法では、被検査物中に表層表面から垂直に内部直下方向
へ超音波を入射し、表層と次層との界面で反射させて発
信位置で受信し、発信から受信までの所要時間Tを計測
する。斜角法では、前記超音波を、表層表面の発信手段
から斜角入射し、表層と次層との界面で反射させて、発
信位置から距離Lだけ離れた表層表面上の受信手段にて
受信し、発信から受信までの所要時間tを得る。本発明
の送受信装置は、先の出願の発明における斜角法を実施
するための装置として、また伝搬速度の測定装置を構成
するための送受信装置として好ましいものである。
【0029】また、本発明の超音波プローブを一対で用
いた送受信装置は、送信側では被検査物に入射した縦波
の屈折角が従来の超音波プローブの場合に比べて充分大
きく、また受信側でも、従来不可能であった大きな入射
角で到達した縦波をディレーチップ中に取り込むことが
できる。従って、表層と次層との界面での反射を利用し
た従来の斜角法とは異なり、送信用の超音波プローブか
ら受信用の超音波プローブへ、縦波を直線的に一度も反
射させず直接到達させる送受信方法、および送受信装置
の構成が可能となる。これを図2、図3に示して次に説
明する。
【0030】図2は、断面円形の電力ケーブルを被検査
物とした場合を示す図である。この電力ケーブルの表層
はポリ塩化ビニルからなる。送信用の超音波プローブA
1と受信用の超音波プローブA2とは、電力ケーブルの
表面に長手方向に配置されている。同図の例では、送信
用の超音波プローブA1において、横波W11がモード
変換されて電力ケーブルの表層に入射した縦波W2の屈
折角を90度となるようにディレーチップの傾斜角度が
調整されている。これによって、縦波W2は、送信位置
から受信位置まで、被検査物の表面に沿って直線的に伝
搬することができる。受信位置に到達した縦波W2は、
受信用の超音波プローブA2のディレーチップと被検査
物との界面で一部が横波W12にモード変換されてディ
レーチップ内に入射し、横波用振動子で信号に変換され
る。
【0031】図2の例における被検査物の表面は、円柱
の曲面を呈するものであるが、他に平面や、円錐の曲面
を呈するものであってもよく、送信位置と受信位置とを
結ぶ直線を含むような面であればよい。
【0032】図3は、図2と同じ断面円形の電力ケーブ
ルを被検査物とした図であるが、送信用の超音波プロー
ブA1と、受信用の超音波プローブA2とは、電力ケー
ブルの外周を巡る方向に配置されている。図中のy1、
y2は、送信位置、受信位置における被検査物表面の法
線である。同図の例では、送信用の超音波プローブA1
において、横波W11がモード変換されて電力ケーブル
の表層に入射した縦波W2の屈折角θ21を60〜80
度程度の大きな角度となるようにディレーチップの傾斜
角度が調整されている。これによって、縦波W2は、送
信位置から受信位置まで、表層B1と次層B2との界面
に接することなく、直線的に伝搬し到達することができ
る。受信用の超音波プローブA2においても、大きな入
射角θ22で被検査物中を伝搬してきた縦波W2を横波
W12にモード変換し受信することができる。
【0033】これら図2、図3に示す送受信の方法およ
び送受信装置を利用することによって、被検査物中の超
音波の伝搬速度を高精度にかつ容易に測定することが可
能となる。例えば、電力ケーブルを被検査物としたと
き、従来の超音波プローブでは、2つの超音波プローブ
間で超音波を直接伝搬させることは上記屈折角の問題か
ら不可能であったので、垂直法などによって表層中の超
音波の伝搬時間を測定し、カタログ等に記載の表層の厚
みと伝搬時間とから伝搬速度を算出していた。このよう
な従来の方法では、表層の厚み寸法の公差が大きいため
に、現物の寸法がカタログ設計値と大きく異なる場合が
あり、算出された伝搬速度も誤差の大きなものとなって
いた。
【0034】しかし、図2、図3に示す送受信の方法お
よび送受信装置によれば、送信位置と受信位置との直線
距離(図3では弦の長さ)Lを高い精度で容易に直読で
き、伝搬時間Tを計測して、高い精度の伝搬速度L/T
が容易に得られる。即ち、本発明による送受信方法およ
び送受信装置は、被検査物中における超音波の伝搬速度
の測定方法、測定装置として用いることができる。ディ
レーチップ中の伝搬時間に関する誤差は必要に応じて補
正すればよい。
【0035】本発明の送受信装置を、超音波の伝搬速度
の測定装置とするには、前記Tを計測する時間計測手
段、L/Tを算出する計算手段などを、自動または手動
の装置として任意に付与してよい。一例としては、横波
用振動子を振動させるための回路と、受信側の横波用振
動子からの信号を増幅する回路とがコンピュータによっ
て制御されるよう接続され、該コンピュータによってT
が計測され、L/Tが算出される構成が挙げられる。
【0036】本発明の送受信方法および送受信装置を、
被検査物中における超音波の伝搬速度の測定方法、測定
装置として用いることによって、有機材料を被検査物と
してその劣化診断を行なうことができるようになる。有
機材料中を伝搬する超音波の伝搬速度は、該材料の劣化
(=破断伸び率の変化)に伴って変化するという現象が
知られているので、求められた伝搬速度を破断伸び率に
対応させて、被検査物の劣化が推定されるのである。本
発明によって得られる伝搬速度は、L、T共に直接的な
計測値から算出されるものであり、精度が高い。従っ
て、これをもとにした材料の劣化診断も精度の高いもの
となる。
【0037】劣化診断の被検査物としては、前記したよ
うに有機材料からなる表層を有する被検査物が挙げられ
る。なかでも電力ケーブルは、シースや絶縁層に、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム等
が用いられたものが対象となる。特に、布設状態にある
電力ケーブルに対しては、被覆層の劣化診断を非破壊、
高精度で行なうことが求められるので、本発明は特に有
用なものとなる。
【0038】
【実施例】本実施例では、電力ケーブルを被検査物と
し、図1で説明した本発明の超音波プローブを1対用い
て図2の装置を構成し、1対の超音波プローブ間での直
接的な送受信を行った。さらに、超音波の伝搬時間とプ
ローブ間の距離を実際に計測して被覆層中の超音波の伝
搬速度を算出した。
【0039】電力ケーブルの表層は、軟質ポリ塩化ビニ
ルからなるシースである。ディレーチップの材料はアク
リル、横波用振動子が装着される面と電力ケーブル表面
とのなす角度(=横波の入射角θ1)は50度とした。
1対の超音波プローブは、電力ケーブルの長手中心軸と
平行に配置した。
【0040】図2の装置において、周波数1MHzの横
波の超音波を送信用の超音波プローブA1から送信した
ところ、受信用の超音波プローブA2で受信したことを
確認した。また、この超音波の送受信中において、伝搬
経路中に、表層から幅0.5mm、深さ1mmの切り込
みを入れることによって、送信が途絶えることを確認し
た。このことから、この送受信が、電力ケーブルの表層
表面に沿った超音波の直線的な到達によるものであっ
て、内部での反射によって到達したものでないことがわ
かった。
【0041】〔伝搬速度の算出〕送信位置と受信位置と
の距離Lを計測し、L=3mmを得た。また、発信から
受信までの所要時間Tを計測し、T=1.61μsを得
た。これらの計測結果L、T、から、シース中の超音波
の伝搬速度1860m/secを得た。
【0042】
【発明の効果】本発明によって、被検査物の材料がディ
レーチップの材料よりも超音波伝搬速度の遅い材料であ
っても、より大きな屈折角をもって被検査物中に斜角入
射させることができ、また、被検査物中を伝搬してくる
超音波が大きな入射角をもってディレーチップ面に到達
しても、ディレーチップ内に入射させることができ受信
できるようになった。また、モード変換された縦波の屈
折角を90度まで大きくすることもでき、この縦波を被
検査物の表面に沿って受信位置へ直線的に伝搬させるこ
とができるようになり、被検査物の表面の2点間におい
て、直接的な送受信が可能となった。これによって、例
えば、電力ケーブルを被検査物とする場合には、カタロ
グ値を参照していた従来の方法に比べて、破壊的に調べ
た場合の値からのバラツキは小さくなり、超音波の伝搬
速度と破断伸び率との関係から得られる表層の劣化(=
破断伸び率の変化)の診断の精度をより向上させること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波プローブの一例を模式的に示す
図である。
【図2】本発明の送受信装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の送受信装置の他の構成例を示す図であ
る。
【図4】従来の斜角入射用の超音波プローブの構造例お
よび使用例を示す図である。
【符号の説明】
A 超音波プローブ B 被検査物 W1 横波 W2 縦波 1 横波用振動子 2 ディレーチップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横波の超音波を発する横波用振動子に、
    この横波用振動子と被検査物との間に介在するようにデ
    ィレーチップが取り付けられた構造を有し、 前記横波の超音波をW1とし、ディレーチップ中にお
    けるW1の伝搬速度をV1とし、ディレーチップと被
    検査物と界面において、前記W1と互いにモード変換さ
    れる関係にある被検査物中の縦波の超音波をW2とし、
    該W2の被検査物中における伝搬速度をV2とすると
    き、 V1<V2となるように、ディレーチップの材料が被検
    査物の材料に対して選択されてなるものである超音波プ
    ローブ。
  2. 【請求項2】 被検査物の材料が電力ケーブルの被覆層
    に用いられる有機材料であって、ディレーチップによっ
    て形成される、横波用振動子の振動面と被検査物の表面
    とのなす角度が、10度〜85度である請求項1記載の
    超音波プローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の超音波プロー
    ブを、被検査物の表面の送信位置、受信位置に配置され
    る送信用、受信用の超音波プローブとして有し、 送信用の超音波プローブは、横波用振動子からディレ
    ーチップ中に横波の超音波を発し、この横波の超音波を
    ディレーチップと被検査物との界面において縦波の超音
    波にモード変換し、この縦波の超音波を受信用の超音波
    プローブに直接向けて被検査物中に入射し得るものであ
    り、 受信用の超音波プローブは、前記送信用の超音波プロ
    ーブから直線的に到達した前記縦波の超音波を、被検査
    物とディレーチップとの界面において横波の超音波にモ
    ード変換してディレーチップ中に入射させ、この横波の
    超音波を横波用振動子にて受信し得るものである、超音
    波の送受信装置。
  4. 【請求項4】 被検査物の表面が、平面、または送信位
    置と受信位置とを結ぶ直線を含む曲面であって、上記送
    信用の超音波プローブから受信用の超音波プローブに直
    線的に到達する縦波の超音波が、被検査物の表面に沿っ
    て直線的に伝搬するものである請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 送信から受信までの所要時間Tを計測
    する時間計測手段と、送信用、受信用の超音波プロー
    ブ間の直線距離Lと前記Tとから被検査物中での超音波
    の伝搬速度L/Tの値を算出する計算手段とが、さらに
    設けられた請求項3記載の装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の超音波プロー
    ブを用い、横波用振動子がディレーチップ中に発した横
    波の超音波を、ディレーチップと被検査物との界面にお
    いて縦波の超音波にモード変換してこれを被検査物中に
    入射させて送信することを特徴とする超音波の送信方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載の超音波プロー
    ブを用い、被検査物中を伝搬してくる縦波の超音波を、
    被検査物とディレーチップとの界面において横波の超音
    波にモード変換してこれをディレーチップ中に入射させ
    て横波用振動子で受信することを特徴とする超音波の受
    信方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の超音波の送信方法と、請
    求項7記載の超音波の受信方法とを用いる超音波の送受
    信方法であって、被検査物の表面が、平面、または送信
    位置と受信位置とを結ぶ直線を含む曲面であり、送信用
    の超音波プローブから受信用の超音波プローブまで被検
    査物中を伝搬する縦波の超音波を、被検査物の表面に沿
    って直線的に伝搬させることを特徴とする超音波の送受
    信方法。
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