JPH11147853A - 液晶性(メタ)アクリレート化合物と該化合物を含有する組成物及びこれを用いた光学異方体 - Google Patents

液晶性(メタ)アクリレート化合物と該化合物を含有する組成物及びこれを用いた光学異方体

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JPH11147853A
JPH11147853A JP9317045A JP31704597A JPH11147853A JP H11147853 A JPH11147853 A JP H11147853A JP 9317045 A JP9317045 A JP 9317045A JP 31704597 A JP31704597 A JP 31704597A JP H11147853 A JPH11147853 A JP H11147853A
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晴義 高津
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政志 大澤
Sadao Takehara
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、X1及びX2のうち一方がフッ素原子で、もう一
方が水素原子を表し、Y 1は水素原子又はメチル基を表
し、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ
基、アルケニル基、アルケニルオキシ基を表す。)で表
される液晶性(メタ)アクリレート化合物、これを用い
た組成物及び光学異方体。 【効果】 本発明の液晶性(メタ)アクリレート化合物
と液晶組成物は、大きな複屈折率と結晶相−ネマチック
液晶相転移温度の低減を両立させたものであり、偏光ビ
ームスプリッター、光学的ローパスフィルター及び偏光
プリズム等の光学素子の作製材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光ビームスプリ
ッターや光学的ローパスフィルター、偏光プリズム等の
光学素子材料として利用される新規な液晶性(メタ)ア
クリレート化合物と該化合物を含有する組成物及びこれ
を用いた光学異方体に関する。
【0002】
【従来の技術】重合性の官能基を付与した重合性低分子
液晶の用途の一つとして、特開平8−122708号公
報に開示されているような光学的ローパスフィルターが
知られている。これは、重合性低分子液晶を基板に対し
てある角度を付与した状態に配向させておき、その配向
状態を紫外線等の活性エネルギー線の照射により固定化
せさることによって作製するものである。このような用
途に用いる重合性低分子液晶に求められる性質は、配向
工程における望ましくない熱重合の誘起をさけるため
に、室温に近い温度で液晶相を呈することと、光学的ロ
ーパスフィルターとしての性能を確保するために、大き
な複屈折率を有することの2点である。しかしながら、
この2点を高い次元で両立する重合性液晶を得るのは困
難という問題があった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明が解決しよう
とする課題は、重合性低分子液晶組成物において、室温
に近い温度で液晶相を呈することと、大きな複屈折率を
有することの2点を両立させるために有用な重合性液晶
化合物と液晶組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するため、重合性液晶化合物の化学構造と結晶−液
晶相転移温度及び複屈折率との相関について鋭意検討し
た結果、かかる課題が、特定の化学構造を有する液晶性
(メタ)アクリレート化合物の利用により解決されるこ
とを見いだし本発明を提供するに至った。即ち、 1.一般式(I)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、X1及びX2のうち一方がフッ素原
子で、もう一方が水素原子を表し、Y 1は水素原子又は
メチル基を表し、Rは炭素原子数1〜20のアルキル
基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ
基を表す。)で表されることを特徴とする液晶性(メ
タ)アクリレート化合物。 2.上記1記載の液晶性(メタ)アクリレート化合物を
含有し、且つ液晶相を示すことを特徴とする液晶組成
物。 3.少なくとも2つの6員環を有する液晶骨格を部分構
造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族
ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステ
ルである単官能(メタ)アクリレートを含有し、液晶相
を示すことを特徴とする上記2記載の液晶組成物。 4.単官能(メタ)アクリレート化合物が一般式(I
I)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、X3は水素原子又はメチル基を表
し、rは0または1の整数を表し、6員環A、B及びC
はそれぞれ独立的に
【0009】
【化6】
【0010】から選ばれる環を表し、pは1〜4の整数
を表し、Y2及びY3はそれぞれ独立的に、単結合、−C
2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、
−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=C
F−、−(CH24−、−CH 2CH2CH2O−、−O
CH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−又は
−CH2CH2−CH=CH−を表し、Y4は単結合、−
O−、−COO−又は−OCO−を表し、Z1は水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の
アルキル基あるいはアルケニル基を表す。)で表される
ことを特徴とする上記3記載の液晶組成物。 5.一般式(II)において、X3は水素原子を表し、
rは0の整数を表し、6員環A及びCは1,4−フェニ
レン基を表し、Y4は単結合を表し、Z1はシアノ基を表
すことを特徴とする上記4記載の液晶組成物。 6.一般式(II)において、X3は水素原子を表し、
rは0の整数を表し、6員環A及びCは1,4−フェニ
レン基を表し、Y4は−C≡C−を表し、Z1は炭素原子
数1〜20のアルキル基を表すことを特徴とする上記4
記載の液晶組成物。 7.液晶相が少なくとも20℃〜30℃の温度範囲で発
現することを特徴とする上記2、3、4、5又は6記載
の液晶組成物。 8.上記2、3、4、5、6又は7記載の液晶組成物の
重合体からなることを特徴とする光学異方体。 を前記解決手段とした。
【0011】本発明の化合物は、高複屈折率を特徴とす
るビフェニルエチニルベンゼン骨格を採用し、さらにビ
フェニル部位の2位にフッ素原子を導入することによ
り、結晶−液晶相転移温度の低減を図ったものである。
また、本発明の液晶性(メタ)アクリレート化合物は重
合性官能基としては迅速な光重合が可能な(メタ)アク
リロイルオキシ基が付与されており、且つ(メタ)アク
リロイルオキシ基とビフェニルエチニルベンゼン液晶骨
格との間に、アルキレン基又はオキシアルキレン基等の
液晶の技術分野でスペーサーと呼ばれる柔軟性の連結基
が無い。そのため、このような単官能(メタ)アクリレ
ートを重合させて得られる重合体の主鎖には、スペーサ
ーを介さず直接剛直な液晶骨格が結合し、液晶骨格の熱
運動は高分子主鎖により制限されることが予想され、優
れた耐熱性及び強度特性が期待できるという利点も有す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明の液晶性(メタ)アクリレート化合物(以
下、本発明の化合物)である一般式(I)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、X1及びX2のうち一方がフッ素原
子で、もう一方が水素原子を表し、Y 1は水素原子又は
メチル基を表し、Rは炭素原子数1〜20のアルキル
基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基
を表す。)は、以下の方法で製造することができる。例
えば、特開平8−217706号公報に開示されている
ような一般式(III)
【0015】
【化8】
【0016】(式中、X1、X2及びRは、一般式(I)
におけるものと同じ意味を表す。)で表されるアセチレ
ン誘導体と、p−ヨードフェノールを銅とパラジウム触
媒の存在下でカップリングさせ、一般式(IV)
【0017】
【化9】
【0018】(式中、X1、X2及びRは、一般式(I)
におけるものと同じ意味を表す。)のフェノール誘導体
を得る。これに、塩基触媒下で(メタ)アクリル酸クロ
リドを反応させエステル化することによって目的とする
本発明の化合物を製造することができる。本発明の目的
からX1、X2のどちらか一方がフッ素原子であることは
必須である。Rはアルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ル基、アルケニルオキシ基から選択して用いることがで
きる。このR中の炭素原子数としては1〜20が好まし
く、1〜12がより好ましく、1〜8が特に好ましい。
炭素原子数が20より大きくなると、得られる化合物の
液晶性が損なわれる傾向があるため好ましくない。ま
た、これらの基のアルキル基部分は直鎖状であっても分
枝状であっても良い。
【0019】また、本発明の化合物は単体として液晶
相、特にネマチック相、スメクチック相を示すことが好
ましい。本発明は更に、本発明の化合物を含有する液晶
組成物をも提供する。本発明の液晶組成物の液晶相とし
ては、通常この技術分野で液晶相と認識される相であれ
ば特に制限なく用いることができるが、その中でもネマ
チック相、スメクチックA相、(カイラル)スメクチッ
クC相、コレステリック相を発現するものが特に好まし
い。また、(カイラル)スメクチックC相を示す場合に
は、該(カイラル)スメクチックC相の上の温度領域で
スメクチックA相を、スメクチックA相を示す場合に
は、該スメクチックA相の上の温度領域でネマチック相
を発現するようにすると、良好な一軸の配向特性が得ら
れるため好ましい。実際に紫外線を照射して本発明の液
晶組成物中の(メタ)アクリレート化合物を重合させる
液晶相の温度領域もしくは実際に使用する液晶相の温度
領域としては、室温付近、即ち少なくとも20〜30℃
の温度範囲で液晶相を発現するものが特に好ましい。例
えば(カイラル)スメクチックC相で実際に本発明の液
晶組成物を重合させる場合には、(カイラル)スメクチ
ックC相が室温付近で、即ち少なくとも20〜30℃の
温度範囲で(カイラル)スメクチックC相が発現するも
のが好ましい。
【0020】本発明の液晶組成物には、大きな複屈折率
を確保するため、本発明の化合物を3重量%以上含有さ
せることが好ましい。また、本発明の液晶組成物には、
分子内に通常この技術分野で液晶骨格と認められる骨格
と重合性官能基を同時に有する重合性の液晶化合物を、
好ましくは97重量%以下の濃度で特に制限なく添加す
ることができる。液晶骨格としては、少なくとも2つ又
は3つの6員環を有するものが特に好ましい。重合性官
能基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキ
シ基、ビニルエーテル基、シンナモイル基、ビニル基等
を挙げることができるが、良好な光重合特性が得られる
ことから、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。複数
以上の重合性官能基を有する化合物の場合には、重合性
官能基の種類が異なっていても良い。例えば、2つの重
合性官能基を有する液晶化合物の場合、一つがアクリロ
イルオキシ基、もう一つがメタアクリロイルオキシ基ま
たは、ビニルエーテル基であっても良い。重合性官能基
を2つ有する液晶化合物は多くの種類が知られており、
一般的にこれらを重合させた場合には良好な耐熱性及び
強度特性を得られることから、好適に用いることができ
る。このような重合性官能基を2つ有する液晶化合物の
具体的な例としては、式(1)〜(10)に挙げた化合
物が好ましいが、本発明の液晶組成物において使用する
ことができる化合物はこれらに限定されるものではな
い。
【0021】
【化10】
【0022】(式中、シクロヘキサン環はトランスシク
ロヘキサン環を表し、Xはハロゲン原子、シアノ基、メ
チル基を表し、sは2〜12の整数を表す)。さらに本
発明の液晶組成物には、分子内に一つの重合性官能基を
有する液晶化合物を添加しても良い。このような重合性
官能基を一つ有する液晶化合物の具体的な例としては、
式(11)〜(56)に挙げた化合物が好ましいが、本
発明の液晶組成物において使用することができる化合物
はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】(式中、シクロヘキサン環はトランスシク
ロヘキサン環を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、又はエーテル結合を介したアルキル基、アルケニル
基、又はエステル結合を介したアルキル基、アルケニル
基を表し、sは2から12の整数を表す)。さらに本発
明の液晶組成物には、室温付近、即ち少なくとも20〜
30℃の温度範囲での液晶相の発現を容易にし、かつ液
晶組成物の光重合物の耐熱性及び強度特性の確保を図る
ことを目的として、少なくとも2つの6員環を有する液
晶骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノ
ール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタ
クリル酸エステルである単官能(メタ)アクリレートを
含有させても良い。このよう単官能(メタ)アクリレー
トとしては一般式(II)
【0028】
【化15】
【0029】(式中、X3は水素原子又はメチル基を表
し、rは0または1の整数を表し、6員環A、B及びC
はそれぞれ独立的に、
【0030】
【化16】
【0031】を表し、pは1〜4の整数を表し、Y2
びY3はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、
−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、
−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(C
24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2
2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2
CH=CH−を表し、Y4は単結合、−O−、−COO
−、−OCO−を表し、Z1は水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アル
ケニル基を表す。)で表される化合物が好ましい。この
ような単官能(メタ)アクリレートの具体的な例として
は、式(57)〜(76)に挙げた化合物が好ましい
が、本発明の液晶組成物において使用することができる
単官能(メタ)アクリレートはこれらに限定されるもの
ではない。
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】(上記中、シクロヘキサン環はトランスシ
クロヘキサン環を表し、またCは結晶相、Nはネマチッ
ク相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表し、
数字は相転移温度を表す。) このような化合物の中でも、シアノ基を有する単官能
(メタ)アクリレート化合物は大きな複屈折率を有する
ため、本発明の化合物との組み合わせにより、大きな複
屈折率を有する液晶組成物を調製できる。従って、式
(63)のような化合物は本発明の液晶組成物に好適に
添加することができる。また、トラン骨格を有する単官
能(メタ)アクリレート化合物も大きな複屈折率を有す
るため、本発明の化合物との組み合わせにより、大きな
複屈折率を有する液晶組成物を調製できる。従って、式
(60)、式(68)、(69)のような化合物は本発
明の液晶組成物に好適に添加することができる。さら
に、シアノ基を有する単官能(メタ)アクリレート化合
物及びトラン骨格を有する単官能(メタ)アクリレート
化合物を同時に使用することは、大きな複屈折率を得る
点から好ましい。
【0036】また、本発明の液晶組成物には、重合性官
能基を有していない液晶化合物を用途に応じて添加して
も良い。使用用途として本発明の液晶組成物の重合体
を、表示素子と用いる場合や、温度によって屈折率を変
化させたい場合には、重合性官能基を有していない液晶
化合物の総量は10〜97重量%の範囲に設定するのが
好ましい。また、温度によって屈折率が変化するのが好
ましくない場合や、耐熱性や機械的特性を重視する場合
には、重合性官能基を有していない液晶化合物の総量は
0〜10重量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0037】また、本発明の液晶組成物には重合性官能
基を有しており、かつ液晶性を示さない化合物も添加す
ることができる。このような化合物としては、通常この
技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性
オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく
使用することができるが、アクリレート化合物、メタク
リレート化合物、ビニルエーテル化合物が特に好まし
い。
【0038】以上のような重合性官能基を有する液晶化
合物、重合性官能基を有さない液晶化合物、液晶性を示
さない重合性化合物は適宜組み合わせて添加してもよい
が、少なくとも得られる液晶組成物の液晶性が失われな
いように各成分の添加量を調整することが必要である。
【0039】更に本発明の液晶組成物には、その重合反
応性を向上させることを目的として、熱重合開始剤、光
重合開始剤の重合開始剤を添加しても良い。ここで使用
できる熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ビス
アゾブチロニトリル等から選択することができ、光重合
開始剤としてはベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン
類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等から選択
して使用することができる。その添加量は、液晶組成物
に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量
%以下であることがさらに好ましく、0.5〜1.5重
量%の範囲であることが特に好ましい。
【0040】また、本発明の液晶組成物には、その保存
安定性を向上させるために安定剤を添加しても良い。こ
こで使用することができる安定剤としては、例えばヒド
ロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三
ブチルカテコール等から選択して使用することができ
る。その添加量は、液晶組成物に対して1重量%以下が
好ましく、0.5重量%以下がさらに好ましい。
【0041】また、本発明の液晶組成物には、液晶骨格
の螺旋構造を内部に有する重合体を得ることを目的とし
てカイラル(光学活性)化合物を添加しても良い。ここ
で使用することができるカイラル化合物は、それ自体が
液晶性を示す必要は無く、また重合性官能基を有してい
ても、有していなくても良い。またその螺旋の向きは重
合体の使用用途によって適宜選択することができる。そ
のようなカイラル化合物としては光学活性基としてコレ
ステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステ
アリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチル
ブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上
BDH社製)、「S−1082」(メルク社製)、「C
M−19」、「CM−20」、「CM」(以上チッソ社
製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する
「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「C
M−22」(以上チッソ社製)を挙げることができる。
このカイラル化合物の好ましい添加量は液晶組成物の用
途によるが、重合して得られる重合体の厚み(d)を重
合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が
0.1〜20の範囲になるよう調整するのが好ましい。
【0042】また、本発明の液晶組成物を偏光フィルム
や配向膜の原料、または印刷インキ及び塗料等として利
用する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染
料、顔料、色素、界面活性剤、ゲル化剤、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタンの金属酸化
物等を添加することもできる。
【0043】本発明は更に、本発明の液晶組成物の重合
体であることを特徴とする光学異方体をも提供する。本
発明の光学異方体は、本発明の液晶組成物を配向させた
状態において、重合させることにより製造することがで
きる。例えば、基板表面を布等でラビング、もしくは有
機薄膜を形成した基板表面を布等でラビング、あるいは
SiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板上に担持さ
せるか、基板間に挟持させた後、本発明の液晶を重合さ
せる方法を挙げることができる。その他の配向処理方法
としては、液晶組成物の流動配向の利用や、電場又は磁
場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単
独で用いても、また組み合わせて用いても良い。その中
でも基板表面を布等でラビング処理した基板を用いる方
法は、その簡便性から特に好ましい。
【0044】この時使用することができる基板は、有機
材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体的
な例を挙げると有機材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリ
フルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、ト
リアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエー
テルケトン、無機材料としてはシリコン、ガラス、方解
石等を挙げることができる。
【0045】これらの基板を布等でラビングすることに
よって適当な配向性を得られないときには、公知の方法
に従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜
等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビン
グしても良い。また通常のTN又はSTN素子で使用さ
れているようなプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を
利用すると、光学異方体内部の分子配向構造を更に精密
に制御できることから、特に好ましく利用することがで
きる。また、電場によって配向状態を制御する場合に
は、電極層を有する基板を使用することができ、この場
合には電極上に前述のポリイミド薄膜等の有機薄膜を形
成するのが好ましい。
【0046】また、ラビングに代わる配向処理方法とし
て、光配向法も用いることができる。これはポリビニル
シンナメート等の分子内に光二量化反応する官能基を有
する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜
又はポリイミド等の有機薄膜に、偏光した光、このまし
くは偏光した紫外線を照射することによって、配向膜と
するものである。この光配向法に光マスクを適用するこ
とにより配向のパターン化が容易に達成できるので、光
学異方体内部の分子配向も精密に制御することが可能と
なる。
【0047】重合の方法としては、迅速な重合の進行が
望ましいので、紫外線又は電子線等のエネルギーを照射
することによって光重合させる方法が好ましい。この光
重合させる際の光源としては偏光光源を用いても良い
し、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2
枚の基板間に挟持させた状態で光重合を行う場合には、
少なくとも照射面側の基板は適当な透明性が与えられて
いなければならない。また、照射時の温度は、本発明の
液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であるこ
とが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造
しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避け
る意味からもできるだけ室温に近い温度で、即ち20〜
30℃の温度で重合させることが好ましい。重合によっ
て得られた本発明の光学異方体は、初期の特性変化を軽
減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理
をしても良い。熱処理の温度としては50〜250℃の
温度範囲で、また熱処理時間としては30秒〜12時間
の範囲にあるのが好ましい。
【0048】このような方法によって製造される本発明
の光学異方体は、基板から剥離して用いても、剥離せず
に用いても良い。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。 (実施例1)液晶性アクリレート化合物の合成 式(a)
【0050】
【化20】
【0051】で表される2−フルオロ−4−プロピル−
4’−エチニルビフェニル5.9g、p−ヨードフェノ
ール5.5g、ジメチルホルムアミド30ml、トリエ
チルアミン6ml、テトラキス(トリフェニルフォスフ
ィン)パラジウム(0)0.29g及びヨウ化銅(I)
0.05gからなる混合物を窒素気流下、室温にて4時
間撹拌した。撹拌終了後、10%希塩酸水溶液100m
lを加えた後、酢酸エチル200mlを用いて抽出を行
った。有機層を水洗した後、酢酸エチルを減圧留去して
粗生成物8.1gを得た。この粗生成物を、トルエン及
びヘキサンから成る混合溶媒(容量比でトルエン:ヘキ
サン=1:4)60mlからの再結晶を2回行うことに
より精製し、式(b)
【0052】
【化21】
【0053】で表される4−(2−(4−(2−フルオ
ロ−4−プロピルフェニル)フェニル)エチニル)フェ
ノール5.7gを得た。この化合物の相転移温度は、結
晶相−ネマチック液晶相転移が141℃、ネマチック相
−等方性液体相転移が181℃であった。
【0054】さらに、式(b)の4−(2−(4−(2
−フルオロ−4−プロピルフェニル)フェニル)エチニ
ル)フェノール5.4g、トリエチルアミン2.0g及
びテトラヒドロフラン50mlからなる混合物に、反応
液の温度を15℃以下に保ちながら、アクリル酸クロリ
ド1.6g及びテトラヒドロフラン10mlからなる溶
液を滴下した。滴下終了後、室温にて1時間30分撹拌
した後、反応液に飽和食塩水50mlを加えた。反応液
の水層が弱酸性となるまで希塩酸を加え、酢酸エチル7
0mlを用いて抽出を行った。有機層を水洗した後、酢
酸エチルを減圧留去して粗生成物6.0gを得た。この
粗生成物を、エタノール180mlからの再結晶により
精製し、式(c)
【0055】
【化22】
【0056】で表される液晶性アクリレート化合物、4
−(2−(4−(2−フルオロ−4−プロピルフェニ
ル)フェニル)エチニル)フェニル 2−プロペノエー
トを得た。この化合物の相転移温度は、結晶相−ネマチ
ック液晶相転移が112℃、ネマチック相−等方性液体
相転移が236℃であった。 (実施例2)液晶組成物の調製 式(57)
【0057】
【化23】
【0058】で表される化合物50重量部及び式(6
0)
【0059】
【化24】
【0060】で表される化合物50重量部から成る液晶
組成物(A)を調製した。この液晶組成物(A)は、室
温でネマチック液晶相を示し、ネマチック相−等方性液
体相の相転移温度は46℃であった。また、常光の屈折
率noは1.510、異常光の屈折率neは1.662、
複屈折率は0.152であった。この液晶組成物(A)
95重量部に、実施例1で合成した式(c)の液晶性ア
クリレート化合物4−(2−(4−(2−フルオロ−4
−プロピルフェニル)フェニル)エチニル)フェニル
2−プロペノエート5重量部から成る液晶組成物(B)
を得た。この液晶組成物(B)の結晶−ネマチック相転
移温度は室温以下であるため、室温でネマチック液晶相
を示し、ネマチック相−等方性液体相の相転移温度は5
4℃であった。また、常光の屈折率noは1.510、
異常光の屈折率neは1.674、複屈折率は0.16
4であった。つまり、本発明の化合物を5%添加するこ
とによって液晶組成物の複屈折率を約8%大きくできた
ことがわかる。 (比較例1)液晶組成物の調製 実施例2で作製した液晶組成物(A)95重量部に、式
(d)の化合物4−(2−(4−(4−プロピルフェニ
ル)フェニル)エチニル)フェニル 2−プロペノエー
【0061】
【化25】
【0062】5重量部からなる液晶組成物(C)を得
た。この液晶組成物(C)の常光の屈折率noは1.5
10、異常光の屈折率neは1.675、複屈折率は
0.165であり、液晶組成物(B)とほぼ同じ複屈折
率が得られた。この液晶組成物(C)のネマチック相−
等方性液体相の相転移温度は55℃であったが、結晶−
ネマチック相転移温度は室温以上であるため、室温に放
置すると結晶が析出してしまった。 (実施例3)液晶組成物の調製 実施例2で作製した液晶組成物(A)95重量部に、式
(63)
【0063】
【化26】
【0064】で表される化合物5重量部からなる液晶組
成物(D)を得た。この液晶組成物(D)は、室温でネ
マチック液晶相を示し、ネマチック相−等方性液体相の
相転移温度は50℃であった。また、常光の屈折率no
は1.510、異常光の屈折率neは1.670、複屈
折率は0.160であった。この液晶組成物(D)95
重量部に、実施例1で合成した式(c)の液晶性アクリ
レート化合物4−(2−(4−(2−フルオロ−4−プ
ロピルフェニル)フェニル)エチニル)フェニル2−プ
ロペノエート5重量部から成る液晶組成物(E)を得
た。この液晶組成物(E)の結晶−ネマチック相転移温
度は室温以下であるため、室温でネマチック液晶相を示
し、ネマチック相−等方性液体相の相転移温度は58℃
であった。また、常光の屈折率noは1.510、異常
光の屈折率neは1.682、複屈折率は0.172で
あった。 (比較例2)液晶組成物の調製 実施例3で作製した液晶組成物(D)95重量部に、式
(d)の化合物4−(2−(4−(4−プロピルフェニ
ル)フェニル)エチニル)フェニル 2−プロペノエー
ト5重量部からなる液晶組成物(F)を得た。この液晶
組成物(F)の常光の屈折率noは1.510、異常光
の屈折率neは1.683、複屈折率は0.173であ
り、液晶組成物(E)とほぼ同じ複屈折率が得られた。
この液晶組成物(F)のネマチック相−等方性液体相の
相転移温度は58℃であったが、結晶−ネマチック相転
移温度は室温以上であるため、室温に放置すると結晶が
析出してしまった。
【0065】以上の結果から、本発明のようなビフェニ
ル部位の2位にフッ素原子を導入したビフェニルエチニ
ルベンゼン骨格を有する液晶性アクリレートは、複屈折
率の増大及び結晶−液晶相転移温度の低減に有効である
ことがわかる。 (実施例4)液晶組成物の調製 実施例2で作製した液晶組成物(A)80.75重量
部、式(63)で表される化合物14.25重量部及び
実施例1で合成した式(c)の液晶性アクリレート化合
物4−(2−(4−(2−フルオロ−4−プロピルフェ
ニル)フェニル)エチニル)フェニル 2−プロペノエ
ート5重量部から成る液晶組成物(G)を得た。この液
晶組成物(G)の、ネマチック相−等方性液体相の相転
移温度は68℃であった。また、常光の屈折率no
1.510、異常光の屈折率neは1.699、複屈折
率は0.189であった。 (実施例5)光学異方体の作製 実施例3で調製した液晶組成物(E)99重量部に光重
合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)1重
量部を溶解させた。次にこれをセルギャップ10ミクロ
ンの透明ガラス製TN(ツイステッドネマチック)セル
に注入したところ、良好なTN配向が得られていること
が偏光顕微鏡観察により確認できた。このセルに、25
℃において高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2
の紫外線を照射し、液晶組成物を光重合させた。セルを
偏光顕微鏡で観察したところ、TN配向が均一に固定化
された光学異方体が得られているのが確認できた。次に
セルのガラスを取り外すことにより、1枚のガラスの上
に担持された厚さ10ミクロンのTN配向構造を有する
光学異方体を得た。この光学異方体は150℃で100
時間加熱しても、TN配向構造が保持されることがわか
った。 (比較例3)光学異方体の作製 比較例2で調製した液晶組成物(F)99重量部に光重
合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)1重
量部を溶解させた。次にこれをセルギャップ10ミクロ
ンの透明ガラス製TN(ツイステッドネマチック)セル
に注入したところ、結晶が析出してしまい、25℃にお
いて高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2の紫外
線を照射しても、TN配向が均一に固定化された光学異
方体が得られなかった。
【0066】
【発明の効果】本発明の液晶性(メタ)アクリレート化
合物と液晶組成物は、大きな複屈折率と結晶相−ネマチ
ック液晶相転移温度の低減を両立させたものであり、偏
光ビームスプリッター、光学的ローパスフィルター及び
偏光プリズム等の光学素子の作製材料として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 19/34 C09K 19/34 19/38 19/38 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、X1及びX2のうち一方がフッ素原子で、もう一
    方が水素原子を表し、Y 1は水素原子又はメチル基を表
    し、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ
    基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表す。)で
    表されることを特徴とする液晶性(メタ)アクリレート
    化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶性(メタ)アクリレ
    ート化合物を含有し、且つ液晶相を示すことを特徴とす
    る液晶組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つの6員環を有する液晶骨
    格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール
    又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリ
    ル酸エステルである単官能(メタ)アクリレートを含有
    し、液晶相を示すことを特徴とする請求項2記載の液晶
    組成物。
  4. 【請求項4】 単官能(メタ)アクリレート化合物が一
    般式(II) 【化2】 (式中、X3は水素原子又はメチル基を表し、rは0ま
    たは1の整数を表し、6員環A、B及びCはそれぞれ独
    立的に 【化3】 から選ばれる環を表し、pは1〜4の整数を表し、Y2
    及びY3はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH
    2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OC
    O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、
    −(CH24−、−CH 2CH2CH2O−、−OCH2
    2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−又は−CH2
    CH2−CH=CH−を表し、Y4は単結合、−O−、−
    COO−又は−OCO−を表し、Z1は水素原子、ハロ
    ゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20のアルキル
    基あるいはアルケニル基を表す。)で表されることを特
    徴とする請求項3記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(II)において、X3は水素原
    子を表し、rは0の整数を表し、6員環A及びCは1,
    4−フェニレン基を表し、Y4は単結合を表し、Z1はシ
    アノ基を表すことを特徴とする請求項4記載の液晶組成
    物。
  6. 【請求項6】 一般式(II)において、X3は水素原
    子を表し、rは0の整数を表し、6員環A及びCは1,
    4−フェニレン基を表し、Y4は−C≡C−を表し、Z1
    は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すことを特徴と
    する請求項4記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 液晶相が少なくとも20℃〜30℃の温
    度範囲で発現することを特徴とする請求項2、3、4、
    5又は6記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 請求項2、3、4、5、6又は7記載の
    液晶組成物の重合体からなることを特徴とする光学異方
    体。
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