JPH11148043A - 水性ボールペン用ゲルインキ - Google Patents

水性ボールペン用ゲルインキ

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JPH11148043A
JPH11148043A JP33118397A JP33118397A JPH11148043A JP H11148043 A JPH11148043 A JP H11148043A JP 33118397 A JP33118397 A JP 33118397A JP 33118397 A JP33118397 A JP 33118397A JP H11148043 A JPH11148043 A JP H11148043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チクソトロピー性が良好であり、鮮明な色と
耐光性等に優れ、書き味が良く、且つ温度に対する安定
性が良好であり保存安定性に優れた水性ボールペン用ゲ
ルインキを提供する。 【解決手段】 増粘ゲル化剤としてキサンタンガム及び
ヘクトライト系無機増粘剤を含有せしめて水性ボールペ
ン用ゲルインキを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性ボールペンに使
用可能な、粘性調節剤が添加されたゲルインキに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水性インキに粘性調節剤が添加されてな
るインキ組成物が水性ゲルインキなどと呼ばれており、
インキ収容管に直接インキを充填するタイプの水性ボー
ルペンに広く用いられている。従来のこの種ボールペン
用水性インキの例として、特公昭64−8673号公報
に開示されているように、特定量のキサンタンガムを添
加して粘性を調節したものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水性ボールペン用ゲル
インキは、キサンタンガム等の高分子系の増粘ゲル化剤
の添加によりチクソトロピー性を付与し、筆記の際のボ
ールの回転により剪断応力を受けた部分が流動し筆記で
きるが、応力を受けない部分はゲル状であって通常は先
端から流出しないように構成されている。そのため、着
色剤の添加量を増やすと、全体の粘度が上昇する為、流
動性が低下して書き味が悪くなってしまう。従って、従
来のゲルインキは、一般に染料系の着色剤が使用される
か、或いは顔料系の着色剤の場合であっても添加量に制
限があって、濃色のものを得るのが困難であり、耐光性
等の優れたものが得られない欠点があった。
【0004】また、従来のキサンタンガムを用いたゲル
インキは、キサンタンガムの影響により、色にくすみが
出る為、鮮明な色のインキが得られないという欠点があ
った。
【0005】また、キサタンガムを用いたインキは、温
度の影響を受けやすく、50℃以上の温度になると増粘
効果が低下して、チキソトロピー性が低下してしまうと
いう問題がある。ゲルインキを充填した水性ボールペン
は輸送中或いは保管中の温度が50℃を超えることも実
際にあり得る為、温度に対する安定性が要求される。
【0006】本発明は、上記従来のキサンタンガムを増
粘ゲル化剤として用いたゲルインキの欠点を解決するこ
とを目的とするものであり、チクソトロピー性が良好で
あり、鮮明な色と耐光性等に優れ、書き味が良く、且つ
温度に対する安定性が良好であり保存安定性に優れた水
性ボールペン用ゲルインキを提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)増粘ゲ
ル化剤としてキサンタンガム及びヘクトライト系無機増
粘剤を含有することを特徴とする水性ボールペン用ゲル
インキ、(2)ヘクトライ系無機増粘剤の添加量が0.
1〜0.5重量%である上記(1)記載の水性ボールペ
ン用ゲルインキ、を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明ゲルインキは増粘ゲル化剤としてキサンタンガム
及びヘクトライト系無機増粘剤を用いるものである。ヘ
クトライト系無機増粘ゲル化剤は、モンモリロナイト石
群鉱物の一種であり、天然物或いは合成物のいずれでも
よいが、合成物が好ましく用いられる。合成物は、特に
着色が少なく透明性に優れており、膨潤しない結晶性不
純物を含まず、一次粒子が小さく揃っていることから強
いゲル強度を有する。
【0009】合成ヘクトライト系無機増粘剤は、Lap
orte IndustriesLtd.製造の登録商
標「LAPONITE」、日本シリカ工業株式会社の商
品名「ラポナイト」しとて市販されているものを用いる
ことができる。合成ヘクトライト系無機増粘剤は、直径
20〜40μm、厚み1nm程度の微小円板状の一次粒
子からなる凝集体であり、下記の(化1)、(化2)式
に示す化学組成を有する。
【0010】
【化1】〔Si8 (Mg5.34Li0.66)O20(O
H)4 〕M+0.66
【化2】〔Si8 (Mg5.34Li0.66)O20(OH.
F)4 〕M+0.66
【0011】これら合成ヘクトライトは、図1に示すよ
うな三層構造を有し、これが二次元に延長して小板粒子
を形成している。この小板粒子中のマグネシウム原子の
一部がより低い原子価のリチウム(一価陽イオン)と同
形置換しており、電荷欠損を生ずることにより、小板粒
子は負に帯電している。乾燥状態での合成ヘクトライト
の一次粒子は二次凝集して大きな平板の束になってい
る。
【0012】合成ヘクトライト系無機増粘剤は、図1に
示すようにイオン結合を有し、これに剪断応力が加わっ
た場合に容易に破壊され、且つ静置すると結合が容易に
再生する為、高いチクソトロピー性を示す。この性質
は、キサンタンガムのような高分子系の長い鎖状ポリマ
ーの繊維のからみあいにより粘性を高めるのとは異なる
機構によるものである。
【0013】上記したようにヘクトライト系無機増粘剤
は、増粘効果が大きく、チクソトロピー性が高くなる
為、単独で使用すると顔料の沈降防止効果等は良くなる
が、保存後に粘度が上昇しすぎて流動性が極端に低下
し、書き味が低下する等の不安定さがある。本発明ゲル
インキでは、ヘクトライト系無機増粘剤にキサンタンガ
ムを併用することで、このヘクトライト系無機増粘剤の
不安定さを改良し、ゲル状態を適度に調節し流動性を確
保して安定したチクソトロピー性のインキが得られる。
【0014】本発明ゲルインキ中のヘクトライト系無機
増粘剤の添加量は、0.1〜1重量%の範囲が好まし
い。ヘクトライト系無機増粘剤の添加量が1重量%を超
えると、保存中等の経時後にゲル構造が強くなりすぎて
書き味が損なわれる虞れがあり、また、0.1重量%未
満では、十分なチクソトロピー性が得られない虞れがあ
り、温度に対する粘度の安定性が低下する虞れがある。
【0015】キサンタンガムの添加量は、0.1〜1重
量%の範囲が好ましい。キサンタンガムの添加量が0.
1重量%未満では、インキの十分な安定性が得られない
虞れがあり、添加量が1重量%を超えるとインキ全体の
粘度が上昇しすぎると共にチクソトロピー性が低下する
虞れがある。尚、キサンタンガムのみでは、チクソトロ
ピー性を大きく上昇させることができず、顔料の沈降防
止効果が低いことや、保存後の経時変化による粘度低下
などの問題がある。また、キサンタンガムの添加量を増
やした場合には、全体の粘度が上昇して、チクソトロピ
ー性があまり向上せず、書き味が低下する。
【0016】キサンタンガムは例えば市販品として三晶
(株)の商標名「ケルザン」を用いることができる。
【0017】本発明のインキには、上記増粘ゲル化剤以
外に、着色剤を添加して各種の色に着色したインキとす
ることができる。このような着色剤としては、例えば、
カーボンブラック、カーミン6B、C.I.PigmentRed、C.
I.PigmentGreen7 、C.I.PigmentBlue等の顔料、C.I.Aci
dRed87 、C.I.AcidRed92 、C.I.AcidYellow28、C.I.Aci
dBlue9 、C.I.AcidViolet、C.I.AcidBlue7 、C.I.AcidO
range56、C.I.AcidBlack2、C.I.AcidRed18 等の酸性染
料、C.I.DirectBlack19、C.I.DirectBlack38、C.I.Dire
ctBlack154、C.I.DirectOrange6 、C.I.DirectYellow4
4、C.I.DirectYellow87、C.I.DirectBlue71等の直接染
料等が挙げられる。尚、着色剤は、耐光性等の点からは
顔料系のものが好ましい。
【0018】本発明インキ組成物には、上記の増粘ゲル
化剤、、着色剤以外の成分として、水、水性媒体、防腐
剤、防錆剤、金属イオン封鎖剤、界面活性剤、分散剤、
pH調節剤等の、この種の水性ボールペン用ゲルインキ
に従来から使用されている公知の成分を添加することが
できる。
【0019】上記の水性媒体としては、水と混和する有
機化合物が用いられ、アルコール類、グリコールエーテ
ル類、極性有機溶媒等が使用される。具体的には、アル
コール類としては、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,3プロパ
ンジオール、プロピレングリコール、1,3ブチレング
リコール、1,4ブタンジオール、2,3ブチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコー
ル、チオジグリコール等の二価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ジグリ
セリン、ソルビット等の多価アルコール等が挙げられ、
グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等が挙げられ、極性有機溶媒としては、ピ
ロリドン、Nメチル−2−ピロリドン、ジメチルホルム
アミド等が挙げられる。
【0020】上記pH調整剤としては、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン等、界面活
性剤としては、アニオン系及びノニオン系界面活性剤
等、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール等、防腐剤と
しては、メチル−P−ヒドロキシベンゾエート、ソルビ
ン酸カリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム等、金属イオン封鎖剤としてはE
DTA等が挙げられる。これらの添加剤は、必要に応じ
適宜量添加される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示す。 実施例1 下記の各成分を混合して黒色に着色された水性ボールペ
ン用ゲルインキを得た。 ・SP−BK 8406 ※1 42.0重量部 ・キサンタンガム 0.5 〃 ・ラポナイトS ※2 0.28 〃 ・プロピレングリコール 8.0 〃 ・エチレングリコール 12.0 〃 ・スコアロール ※3 1.0 〃 ・ノイゲン EA−120B ※4 1.0 〃 ・テトロン410 ※5 0.4 〃 ・安息香酸ナトリウム 0.4 〃 ・ベンゾトリアゾール 0.7 〃 ・水 33.72 〃
【0022】※1:黒色顔料成分は約20% ※2:合成ヘクトライト系増粘ゲル化剤〔日本シリカ工
業(株)製〕 ※3:界面活性剤〔花王(株)製〕 ※4:界面活性剤、分散剤〔第一工業製薬(株)製〕 ※5:金属イオン封鎖剤〔明成化学工業(株)製〕
【0023】実施例1のインキの粘度測定結果を図2に
示す。粘度の測定は、東機産業株式会社製R115型粘
度計及び同社製RC−105A型コンピュータを用い温
度25℃で行った。尚、市販の水性ボールペン用ゲルイ
ンキの粘度を実施例1と同じ条件で測定した結果を参考
例として示す。
【0024】比較例1 実施例1からキサンタンガムを除いた以外は同様の組成
とした。 比較例2 実施例1からラポナイトSを除いた以外は同様の組成と
した。 実施例1、比較例1〜2のインキについて、沈降分離、
及び書き味について、製造直後、保存後について試験し
た結果を表1に示す。尚、保存後は50℃・7日保存後
の状態を示す。
【0025】
【表1】 沈降分離の試験は、インキ収容管に充填したインキを目
視した際に、沈降がなく、実際に筆記した際の色ムラが
ない場合を○とし、沈降又は色ムラが若干あった場合を
△とし、沈降又は色ムラが激しい場合を×とした。ま
た、書き味の試験は、実際に筆記した場合に良好な筆記
ができた場合を○とし、ややスムーズさに欠ける場合を
△とし、スムーズさがない場合を×とした。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明インキは、増
粘ゲル化剤としてキサンタンガムとヘクトライト系無機
増粘剤を用いたことにより、チクソトロピー性に優れた
インキが得られ、従来のキサンタンガムのみを増粘ゲル
化剤として用いたインキと比較して、染料系及び顔料系
のいずれの着色剤をも使用可能であり、添加量を増やす
ことができ、濃色で耐光性に優れ、且つ書き味の優れた
ゲルインキが得られる。
【0027】また、従来のキサンタンガムのみを増粘ゲ
ル化剤として用いたインキと比較して、キサンタンガム
の添加量を減らすことができる為、キサンタンガムによ
る着色や色のくすみを防止して、鮮明な色のインキが得
られる。
【0028】また、本発明インキは、ヘクトライト系無
機増粘剤が温度の影響を受け難い為、50℃以上の温度
でもチクソトロピー性が低下せず、本発明インキを充填
した水性ボールペンが輸送或いは保管中に50℃以上の
温度になった場合でもゲル構造が壊れることがない為、
保存後の書き味の低下がなく保存安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成ヘクトライトの構造を示す概念図である。
【図2】本発明インキの粘度特性を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増粘ゲル化剤としてキサンタンガム及び
    ヘクトライト系無機増粘剤を含有することを特徴とする
    水性ボールペン用ゲルインキ。
  2. 【請求項2】 ヘクトライ系無機増粘剤の添加量が0.
    1〜0.5重量%である請求項1記載の水性ボールペン
    用ゲルインキ。
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