JPH11148920A - 超電導線材の交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法 - Google Patents
超電導線材の交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法Info
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- JPH11148920A JPH11148920A JP31397397A JP31397397A JPH11148920A JP H11148920 A JPH11148920 A JP H11148920A JP 31397397 A JP31397397 A JP 31397397A JP 31397397 A JP31397397 A JP 31397397A JP H11148920 A JPH11148920 A JP H11148920A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 精密なキャンセリングが可能であり、キャン
セリング残およびコイル用線材、その他の要因によるバ
ックグランドを小さくし、交流用超電導線材などの微小
な交流損失を精度よく測定することのできる交流損失測
定装置およびそれを用いた測定方法を提供する。 【解決手段】 交流損失測定装置は、変動磁場を発生す
る交流超電導コイル1内に配置されたピックアップコイ
ル2、5と、このピックアップコイル2、5の各々の内
周領域であってピックアップコイル2、5の各々と同軸
上に配置されたキャンセルコイル3、6とを有してい
る。このように交流損失測定装置は、ピックアップコイ
ルとキャンセルコイルとの対を少なくとも2対有してい
る。
セリング残およびコイル用線材、その他の要因によるバ
ックグランドを小さくし、交流用超電導線材などの微小
な交流損失を精度よく測定することのできる交流損失測
定装置およびそれを用いた測定方法を提供する。 【解決手段】 交流損失測定装置は、変動磁場を発生す
る交流超電導コイル1内に配置されたピックアップコイ
ル2、5と、このピックアップコイル2、5の各々の内
周領域であってピックアップコイル2、5の各々と同軸
上に配置されたキャンセルコイル3、6とを有してい
る。このように交流損失測定装置は、ピックアップコイ
ルとキャンセルコイルとの対を少なくとも2対有してい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変圧器、限流器、発
電機などの電力応用分野で使用される交流用超電導導体
の交流損失を測定する交流損失測定装置およびそれを用
いた測定方法に関するものである。
電機などの電力応用分野で使用される交流用超電導導体
の交流損失を測定する交流損失測定装置およびそれを用
いた測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導線材は直流的には無損失である
が、変動磁界が印加されると交流損失が生じる。超電導
線材は、一般に常電導マトリックス中に超電導フィラメ
ントが複数本埋込まれた構成を有している。超電導線材
の交流損失は、超電導フィラメントに発生するヒステリ
シス損失、フィラメント間に誘起される結合電流による
結合損失、および常電導マトリックスに生じる渦電流損
失の総和となる。
が、変動磁界が印加されると交流損失が生じる。超電導
線材は、一般に常電導マトリックス中に超電導フィラメ
ントが複数本埋込まれた構成を有している。超電導線材
の交流損失は、超電導フィラメントに発生するヒステリ
シス損失、フィラメント間に誘起される結合電流による
結合損失、および常電導マトリックスに生じる渦電流損
失の総和となる。
【0003】上述の超電導線材の交流損失は、一般にピ
ックアップコイルを用いた磁化法で測定されてきた。本
方法の詳細な構成および測定法法については、低温工学
vol.27 No.7 (1992) p.533
に記載されている。
ックアップコイルを用いた磁化法で測定されてきた。本
方法の詳細な構成および測定法法については、低温工学
vol.27 No.7 (1992) p.533
に記載されている。
【0004】この方法によれば、まず変動磁場を発生さ
せるマグネット内に1対のピックアップコイルと変動磁
界による誘導電圧成分を打ち消すためのキャンセルコイ
ルとが同心円上に配置され、ピックアップコイルとキャ
ンセルコイルとの間にサンプルコイルが挿入される。マ
グネットによりサンプルコイルに外部変動磁界が印加さ
れ、サンプルから発生する磁化がピックアップコイルの
起電力とキャンセルコイルの起電力との差分を時間積分
することによって検出される。この結果から、1サイク
ルあたりの磁化曲線(M−Hカーブ;Mは磁化、Hは外
部磁界)を描き、この磁化曲線の面積を算出することに
より1サイクル当たりの交流損失が求められる。
せるマグネット内に1対のピックアップコイルと変動磁
界による誘導電圧成分を打ち消すためのキャンセルコイ
ルとが同心円上に配置され、ピックアップコイルとキャ
ンセルコイルとの間にサンプルコイルが挿入される。マ
グネットによりサンプルコイルに外部変動磁界が印加さ
れ、サンプルから発生する磁化がピックアップコイルの
起電力とキャンセルコイルの起電力との差分を時間積分
することによって検出される。この結果から、1サイク
ルあたりの磁化曲線(M−Hカーブ;Mは磁化、Hは外
部磁界)を描き、この磁化曲線の面積を算出することに
より1サイクル当たりの交流損失が求められる。
【0005】超電導フィラメントの直径が数十〜数μm
レベルで、Cuマトリックスを用いた直流用超電導線
材、あるいはCu合金マトリックスを用いた比較的緩や
かな周波数の変動磁界中で使用されるパルス用超電導線
材の交流損失は、比較的大きな交流損失を有するため、
本測定方法で十分測定可能であった。
レベルで、Cuマトリックスを用いた直流用超電導線
材、あるいはCu合金マトリックスを用いた比較的緩や
かな周波数の変動磁界中で使用されるパルス用超電導線
材の交流損失は、比較的大きな交流損失を有するため、
本測定方法で十分測定可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、液体ヘリウム中
で用いる合金系の交流用超電導線材として、超電導フィ
ラメントの直径をサブミクロンレベルに細径化し、高抵
抗銅合金からなる常電導マトリックス中に複数本埋込ま
れた交流用NbTi超電導素線および交流用Nb 3 Sn
超電導素線が開発されつつある。
で用いる合金系の交流用超電導線材として、超電導フィ
ラメントの直径をサブミクロンレベルに細径化し、高抵
抗銅合金からなる常電導マトリックス中に複数本埋込ま
れた交流用NbTi超電導素線および交流用Nb 3 Sn
超電導素線が開発されつつある。
【0007】一般に、超電導線材を商用周波数の50/
60Hzで用いるためには、印加される交流磁界下での
交流損失を低減する必要がある。交流損失は、上述した
ようにヒステリシス損失、結合損失、および渦電流損失
とに分けることができる。
60Hzで用いるためには、印加される交流磁界下での
交流損失を低減する必要がある。交流損失は、上述した
ようにヒステリシス損失、結合損失、および渦電流損失
とに分けることができる。
【0008】ヒステリシス損失は超電導フィラメントの
径に比例するため、超電導フィラメントを細径化するこ
とにより低減することができる。一般に商用周波数にて
使用する場合には、超電導フィラメントはサブミクロン
のオーダまで細径化される。結合損失は超電導フィラメ
ントのツイストピッチの2乗に比例するため、結合損失
を低減するためにツイストピッチを短くする必要があ
る。ツイストピッチは線径に依存するため、線径を細く
する必要が生じる。一般に商用周波数で使用することを
目的とした交流用超電導線材の線径は、0.3〜0.1
mmφ程度となっている。また、常電導マトリックスに
高抵抗の銅合金を使用することで、結合損失および渦電
流損失の低減が図られている。
径に比例するため、超電導フィラメントを細径化するこ
とにより低減することができる。一般に商用周波数にて
使用する場合には、超電導フィラメントはサブミクロン
のオーダまで細径化される。結合損失は超電導フィラメ
ントのツイストピッチの2乗に比例するため、結合損失
を低減するためにツイストピッチを短くする必要があ
る。ツイストピッチは線径に依存するため、線径を細く
する必要が生じる。一般に商用周波数で使用することを
目的とした交流用超電導線材の線径は、0.3〜0.1
mmφ程度となっている。また、常電導マトリックスに
高抵抗の銅合金を使用することで、結合損失および渦電
流損失の低減が図られている。
【0009】一般に電力応用で使用する超電導機器への
適用を考えると、交流損失を数十kW/m3 (±0.5
T、50Hz)、好ましいは数kW/m3 (±0.5
T、50Hz)のレベルまで低減することが必須の課題
として要求されている。さらに、この微小な交流損失を
測定する測定技術が要求されている。
適用を考えると、交流損失を数十kW/m3 (±0.5
T、50Hz)、好ましいは数kW/m3 (±0.5
T、50Hz)のレベルまで低減することが必須の課題
として要求されている。さらに、この微小な交流損失を
測定する測定技術が要求されている。
【0010】このように商用周波数で用いるために交流
損失を低減した超電導線材では、従来のパルス用または
直流用超電導線材に比べ、交流損失が大幅に低減されて
いる。このため、その微小な交流損失は従来の1対のピ
ックアップコイルとキャンセルコイルとを用いた磁化法
では、感度的に誤差が大きく、精度のよい測定が困難で
あるという問題点があった。以下、そのことについて詳
細に説明する。
損失を低減した超電導線材では、従来のパルス用または
直流用超電導線材に比べ、交流損失が大幅に低減されて
いる。このため、その微小な交流損失は従来の1対のピ
ックアップコイルとキャンセルコイルとを用いた磁化法
では、感度的に誤差が大きく、精度のよい測定が困難で
あるという問題点があった。以下、そのことについて詳
細に説明する。
【0011】一般に、ピックアップコイルの拾う信号電
圧はサンプルコイルの磁化信号と空間磁界信号との和と
なる。それゆえ、ピックアップコイルの信号電圧からこ
の測定すべきサンプルの磁化信号を抽出するために、空
間磁界信号のみを拾うキャンセルコイルからの信号電圧
を用いて、位相誤差なく空間磁界の信号電圧を打ち消す
「キャンセリング」という方法が用いられる。
圧はサンプルコイルの磁化信号と空間磁界信号との和と
なる。それゆえ、ピックアップコイルの信号電圧からこ
の測定すべきサンプルの磁化信号を抽出するために、空
間磁界信号のみを拾うキャンセルコイルからの信号電圧
を用いて、位相誤差なく空間磁界の信号電圧を打ち消す
「キャンセリング」という方法が用いられる。
【0012】この方法は、サンプルなしの場合、ピック
アップコイルとキャンセルコイルとの誘起電圧が完全に
打ち消されるように、抵抗分圧を実施するか、またはピ
ックアップコイルとキャンセルコイルとのターン数を精
密に調整しキャンセリングすることにより行なわれる。
しかし、1対のピックアップコイルとキャンセルコイル
とを用いたキャンセリングでは、打ち消しに限界があ
り、完全に打ち消すことはできない。そして、この打ち
消し残がバックグランドの交流損失成分として残り、測
定したサンプルの交流損失にはこのバックグランド成分
が含まれていることになる。
アップコイルとキャンセルコイルとの誘起電圧が完全に
打ち消されるように、抵抗分圧を実施するか、またはピ
ックアップコイルとキャンセルコイルとのターン数を精
密に調整しキャンセリングすることにより行なわれる。
しかし、1対のピックアップコイルとキャンセルコイル
とを用いたキャンセリングでは、打ち消しに限界があ
り、完全に打ち消すことはできない。そして、この打ち
消し残がバックグランドの交流損失成分として残り、測
定したサンプルの交流損失にはこのバックグランド成分
が含まれていることになる。
【0013】また、ピックアップコイルおよびキャンセ
ルコイルに使用する線材には一般に絶縁皮膜付のCu線
が使用される。上述したバックグランド成分には、キャ
ンセルコイルに使用しているCu線自体の渦電流損失も
重畳される。渦電流損失は、コイル線材の直径の2乗に
比例するため、できるだけ細い線材を使用する必要があ
るが、コイル巻線中の断線などを考えると、0.05m
mφ(50μm)程度が限界であった。
ルコイルに使用する線材には一般に絶縁皮膜付のCu線
が使用される。上述したバックグランド成分には、キャ
ンセルコイルに使用しているCu線自体の渦電流損失も
重畳される。渦電流損失は、コイル線材の直径の2乗に
比例するため、できるだけ細い線材を使用する必要があ
るが、コイル巻線中の断線などを考えると、0.05m
mφ(50μm)程度が限界であった。
【0014】これら打ち消し残およびコイル用線材の渦
電流損失を含めたバックグランド成分は、交流損失が大
きい直流用超電導線材およびパルス用超電導線材の測定
においては、サンプルの交流損失レベルに比べて、1/
100以下でありほとんど問題ないレベルであった。し
かし、低交流損失化の進んだ交流用超電導線材の測定で
は、バックグランド成分がサンプルの交流損失と同レベ
ルあるいはそれ以上となる場合もある。この場合には、
測定精度が悪くなり、信頼性の高い交流損失値が得られ
ないという問題点があった。
電流損失を含めたバックグランド成分は、交流損失が大
きい直流用超電導線材およびパルス用超電導線材の測定
においては、サンプルの交流損失レベルに比べて、1/
100以下でありほとんど問題ないレベルであった。し
かし、低交流損失化の進んだ交流用超電導線材の測定で
は、バックグランド成分がサンプルの交流損失と同レベ
ルあるいはそれ以上となる場合もある。この場合には、
測定精度が悪くなり、信頼性の高い交流損失値が得られ
ないという問題点があった。
【0015】それゆえ、本発明の目的は、精密なキャン
セリングが可能であり、キャンセリング残およびコイル
用線材、その他の要因によるバックグランド成分を小さ
くし、交流用超電導線材などの微小な交流損失を精度よ
く測定することのできる交流損失測定装置およびそれを
用いた測定方法を提供することである。
セリングが可能であり、キャンセリング残およびコイル
用線材、その他の要因によるバックグランド成分を小さ
くし、交流用超電導線材などの微小な交流損失を精度よ
く測定することのできる交流損失測定装置およびそれを
用いた測定方法を提供することである。
【0016】さらに具体的には、現在開発が行なわれて
いる交流用超電導線材のような、数kW/m3 (±0.
5T、50Hz)レベルの交流損失を精度よく測定する
交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法を提供す
ることである。
いる交流用超電導線材のような、数kW/m3 (±0.
5T、50Hz)レベルの交流損失を精度よく測定する
交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法を提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記問
題点を鑑みて、ピックアップコイル、キャンセルコイル
の数量、それらの配置場所、配置方法、そのキャンセリ
ング方法などを鋭意検討した結果、交流用超電導線材な
どの微小な交流損失を高精度で測定する装置およびその
測定方法を見出した。それゆえ、本発明の超電導線材の
交流損失測定装置は以下の構成を有している。
題点を鑑みて、ピックアップコイル、キャンセルコイル
の数量、それらの配置場所、配置方法、そのキャンセリ
ング方法などを鋭意検討した結果、交流用超電導線材な
どの微小な交流損失を高精度で測定する装置およびその
測定方法を見出した。それゆえ、本発明の超電導線材の
交流損失測定装置は以下の構成を有している。
【0018】本発明の1の局面に従う超電導線材の交流
損失測定装置は、変動磁場中における超電導線材の交流
損失を測定する交流損失測定装置であって、変動磁場を
発生するマグネットのボア内に配置されたピックアップ
コイルと、ピックアップコイルの内側であってピックア
ップコイルと同軸上に配置されたキャンセルコイルとを
備え、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの対が
少なくとも2対配置されていることを特徴とする。
損失測定装置は、変動磁場中における超電導線材の交流
損失を測定する交流損失測定装置であって、変動磁場を
発生するマグネットのボア内に配置されたピックアップ
コイルと、ピックアップコイルの内側であってピックア
ップコイルと同軸上に配置されたキャンセルコイルとを
備え、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの対が
少なくとも2対配置されていることを特徴とする。
【0019】本発明の1の局面に従う超電導線材の交流
損失測定装置では、1対のピックアップコイルとキャン
セルコイルとのバックグランド成分を他の対のピックア
ップコイルとキャンセルコイルとのバックグランド成分
で相殺することができる。このように、2対のピックア
ップコイルとキャンセルコイルからの誘起電圧を用いて
キャンセリングすることで、測定サンプルなしでのバッ
クグランド成分を大幅に低減することができ、微小な超
電導線材の交流損失を測定することができる。つまり、
1対の場合に比べて2対の場合の方が、測定サンプルが
ない状態でのキャンセリングを非常に精度よく行なうこ
とができ、測定サンプルなしでのバックグランド成分を
大幅に低減することができる。
損失測定装置では、1対のピックアップコイルとキャン
セルコイルとのバックグランド成分を他の対のピックア
ップコイルとキャンセルコイルとのバックグランド成分
で相殺することができる。このように、2対のピックア
ップコイルとキャンセルコイルからの誘起電圧を用いて
キャンセリングすることで、測定サンプルなしでのバッ
クグランド成分を大幅に低減することができ、微小な超
電導線材の交流損失を測定することができる。つまり、
1対の場合に比べて2対の場合の方が、測定サンプルが
ない状態でのキャンセリングを非常に精度よく行なうこ
とができ、測定サンプルなしでのバックグランド成分を
大幅に低減することができる。
【0020】上記1の局面において好ましくは、2対の
ピックアップコイルとキャンセルコイルとがマグネット
内に同軸上で、かつマグネット中心に対して対称位置に
配置されている。
ピックアップコイルとキャンセルコイルとがマグネット
内に同軸上で、かつマグネット中心に対して対称位置に
配置されている。
【0021】上記1の局面において好ましくは、2対の
ピックアップコイルとキャンセルコイルとがマグネット
内の高さ方向では同位置で、かつボアの断面の対称位置
に配置されている。
ピックアップコイルとキャンセルコイルとがマグネット
内の高さ方向では同位置で、かつボアの断面の対称位置
に配置されている。
【0022】配置された2対のピックアップコイルとキ
ャンセルコイルとがマグネット内の磁場分布に対して同
等な位置、すなわちマグネット内の同軸上でかつマグネ
ット中心に対して対称位置、あるいはマグネット内の高
さ方向では同位置でかつボアの断面の対称位置のどちら
かに配置されることにより、マグネット内の磁場分布誤
差によるキャンセリングのずれを抑制することができ、
より精密な測定が可能となる。
ャンセルコイルとがマグネット内の磁場分布に対して同
等な位置、すなわちマグネット内の同軸上でかつマグネ
ット中心に対して対称位置、あるいはマグネット内の高
さ方向では同位置でかつボアの断面の対称位置のどちら
かに配置されることにより、マグネット内の磁場分布誤
差によるキャンセリングのずれを抑制することができ、
より精密な測定が可能となる。
【0023】特に、配置された2対のピックアップコイ
ルとキャンセルコイルとが、マグネット内の同軸上でか
つマグネット中心に対して対称位置に配置された方が、
マグネット内の高さ方向では同位置でかつボア断面の対
称位置に配置される場合に比べ、より小さいクリアボア
径の変動磁場印加用マグネットを使用できるため、測定
の簡便さを考慮するとより好ましい。
ルとキャンセルコイルとが、マグネット内の同軸上でか
つマグネット中心に対して対称位置に配置された方が、
マグネット内の高さ方向では同位置でかつボア断面の対
称位置に配置される場合に比べ、より小さいクリアボア
径の変動磁場印加用マグネットを使用できるため、測定
の簡便さを考慮するとより好ましい。
【0024】上記1の局面において好ましくは、対とな
るピックアップコイルとキャンセルコイルとは、その巻
線高さが同一であり、かつ同軸上の同じ高さ位置に配置
されている。
るピックアップコイルとキャンセルコイルとは、その巻
線高さが同一であり、かつ同軸上の同じ高さ位置に配置
されている。
【0025】対となるピックアップコイルおよびキャン
セルコイルの巻線高さが同一であり、同軸上の同じ位置
に配置されていることが、空間磁界の信号電圧を精度よ
くキャンセリングするために重要である。
セルコイルの巻線高さが同一であり、同軸上の同じ位置
に配置されていることが、空間磁界の信号電圧を精度よ
くキャンセリングするために重要である。
【0026】上記1の局面において好ましくは、2対の
ピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いて超電
導線材の交流損失測定上での誤差成分となる、測定する
超電導線材サンプルがない状態での検出信号がキャンセ
ルされる。
ピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いて超電
導線材の交流損失測定上での誤差成分となる、測定する
超電導線材サンプルがない状態での検出信号がキャンセ
ルされる。
【0027】これにより、誤差成分がキャンセルされ
て、微小な交流損失を高精度で測定することが可能とな
る。
て、微小な交流損失を高精度で測定することが可能とな
る。
【0028】上記の超電導線材の交流損失測定装置を用
いて、2対のピックアップコイルとキャンセルコイルと
のいずれか1対のピックアップコイルとキャンセルコイ
ルとの間に、測定する超電導線材サンプルが配置され、
超電導線材サンプルからの磁化がピックアップコイルに
より検出され、交流損失が測定される。
いて、2対のピックアップコイルとキャンセルコイルと
のいずれか1対のピックアップコイルとキャンセルコイ
ルとの間に、測定する超電導線材サンプルが配置され、
超電導線材サンプルからの磁化がピックアップコイルに
より検出され、交流損失が測定される。
【0029】これにより、精度よく空間磁界の信号電圧
を十分にキャンセリングできるため、微小な交流損失を
精度よく測定できる測定方法を実現することができる。
を十分にキャンセリングできるため、微小な交流損失を
精度よく測定できる測定方法を実現することができる。
【0030】また本願発明者らは、上記と同様に鋭意検
討した結果、以下の構成によっても交流用超電導線材な
どの微小な交流損失を高精度で測定できることを見出し
た。
討した結果、以下の構成によっても交流用超電導線材な
どの微小な交流損失を高精度で測定できることを見出し
た。
【0031】それゆえ、本発明の他の局面に従う超電導
線材の交流損失測定装置は、変動磁場中における超電導
線材の交流損失を測定する交流損失測定装置であって、
変動磁場を発生するマグネットのボア内に配置されたピ
ックアップコイルと、ピックアップコイルの内側であっ
てピックアップコイルと同軸上に少なくとも2個配置さ
れたキャンセルコイルとを備えている。
線材の交流損失測定装置は、変動磁場中における超電導
線材の交流損失を測定する交流損失測定装置であって、
変動磁場を発生するマグネットのボア内に配置されたピ
ックアップコイルと、ピックアップコイルの内側であっ
てピックアップコイルと同軸上に少なくとも2個配置さ
れたキャンセルコイルとを備えている。
【0032】本発明の他の局面に従う超電導線材の交流
損失測定装置では、これら2個以上のキャンセルコイル
からの誘起電圧を用いて、ピックアップコイルの信号電
圧から空間磁界の信号電圧を精度よくキャンセリングす
ることができ、測定サンプルなしでのバックグランド成
分を大幅に低減することができる。
損失測定装置では、これら2個以上のキャンセルコイル
からの誘起電圧を用いて、ピックアップコイルの信号電
圧から空間磁界の信号電圧を精度よくキャンセリングす
ることができ、測定サンプルなしでのバックグランド成
分を大幅に低減することができる。
【0033】上記他の局面において好ましくは、少なく
とも2個以上のキャンセルコイルはすべて、ピックアッ
プコイルに包囲された空間内に配置されている。
とも2個以上のキャンセルコイルはすべて、ピックアッ
プコイルに包囲された空間内に配置されている。
【0034】上記他の局面において好ましくは、少なく
とも2個以上のキャンセルコイルのうち、少なくとも1
個のキャンセルコイルがピックアップコイルと同じ巻線
高さである。
とも2個以上のキャンセルコイルのうち、少なくとも1
個のキャンセルコイルがピックアップコイルと同じ巻線
高さである。
【0035】これにより、2個以上のキャンセルコイル
の信号電圧を用いてピックアップコイルの信号電圧から
空間磁界の信号電圧のみを精度よくキャンセリングする
ことができる。
の信号電圧を用いてピックアップコイルの信号電圧から
空間磁界の信号電圧のみを精度よくキャンセリングする
ことができる。
【0036】上記他の局面において好ましくは、少なく
とも2個以上のキャンセルコイルの巻線数が各々異な
る。
とも2個以上のキャンセルコイルの巻線数が各々異な
る。
【0037】このように2個以上のピックアップコイル
の巻線数を各々異なるように設定することにより、さら
に精密なキャンセリングが可能となる。
の巻線数を各々異なるように設定することにより、さら
に精密なキャンセリングが可能となる。
【0038】上記他の局面において好ましくは、ピック
アップコイルと2個以上配置されたキャンセルコイルと
を用いて、超電導線材の交流損失測定上での誤差成分と
なる、測定する超電導線材サンプルがない状態での検出
信号がキャンセルされる。
アップコイルと2個以上配置されたキャンセルコイルと
を用いて、超電導線材の交流損失測定上での誤差成分と
なる、測定する超電導線材サンプルがない状態での検出
信号がキャンセルされる。
【0039】これにより、誤差成分が精度よくキャンセ
ルされて、微小な交流損失を高精度で測定することが可
能となる。
ルされて、微小な交流損失を高精度で測定することが可
能となる。
【0040】上記の超電導線材の交流損失測定装置を用
いて、ピックアップコイルと2個以上配置されたキャン
セルコイルとの間に、測定する超電導線材サンプルが配
置され、超電導線材サンプルの磁化がピックアップコイ
ルにより検出され、交流損失が測定される。
いて、ピックアップコイルと2個以上配置されたキャン
セルコイルとの間に、測定する超電導線材サンプルが配
置され、超電導線材サンプルの磁化がピックアップコイ
ルにより検出され、交流損失が測定される。
【0041】これにより、ピックアップコイルとその内
側に配置された2個以上のキャンセルコイルとを用いて
精度よく空間磁界の信号電圧を十分にキャンセリングで
きるため、微小な交流損失を高精度で測定できる測定方
法を実現することができる。
側に配置された2個以上のキャンセルコイルとを用いて
精度よく空間磁界の信号電圧を十分にキャンセリングで
きるため、微小な交流損失を高精度で測定できる測定方
法を実現することができる。
【0042】上記1および他の局面において好ましく
は、ピックアップコイルおよびキャンセルコイルの少な
くともいずれかに使用されている線材が、高抵抗Cu合
金中に複数本のCu線が埋込まれており、かつ外周部に
電気絶縁層を有する構造の複合線である。
は、ピックアップコイルおよびキャンセルコイルの少な
くともいずれかに使用されている線材が、高抵抗Cu合
金中に複数本のCu線が埋込まれており、かつ外周部に
電気絶縁層を有する構造の複合線である。
【0043】いずれかのコイルの線材を上記構造の複合
線とすることで、渦電流損失を増大させることなく、線
材自体の機械強度も増加するため、特性面および巻線加
工性をともに向上させることができる。
線とすることで、渦電流損失を増大させることなく、線
材自体の機械強度も増加するため、特性面および巻線加
工性をともに向上させることができる。
【0044】上記1および他の局面において好ましく
は、ピックアップコイルおよびキャンセルコイルの少な
くともいずれかに使用されている線材のCu線部分が1
0μm以下である。
は、ピックアップコイルおよびキャンセルコイルの少な
くともいずれかに使用されている線材のCu線部分が1
0μm以下である。
【0045】上記の構造の複合線とすることにより、線
材のCu線部分の直径を10μm以下とすることができ
る。これにより、直径に比例するCu線自体の渦電流損
失を抑制することができ、サンプルがない状態でのバッ
クグランド損失成分を抑制することができ、精密な交流
損失測定が可能となる。
材のCu線部分の直径を10μm以下とすることができ
る。これにより、直径に比例するCu線自体の渦電流損
失を抑制することができ、サンプルがない状態でのバッ
クグランド損失成分を抑制することができ、精密な交流
損失測定が可能となる。
【0046】上記1および他の局面において好ましく
は、ピックアップコイルおよびキャンセルコイルに使用
されている複合線がツイストされている。
は、ピックアップコイルおよびキャンセルコイルに使用
されている複合線がツイストされている。
【0047】ピックアップコイルおよびキャンセルコイ
ルに使用されている複合線がツイストされることによ
り、複合線自体の交流損失を低減することができ、さら
にサンプルがない状態でのバックグランド損失成分を抑
制することができ、精密な交流損失測定が可能となる。
ルに使用されている複合線がツイストされることによ
り、複合線自体の交流損失を低減することができ、さら
にサンプルがない状態でのバックグランド損失成分を抑
制することができ、精密な交流損失測定が可能となる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
て図に基づいて説明する。
【0049】実施の形態1 図1は、本発明の実施の形態1における超電導線材の交
流損失測定装置の測定系の構成を概略的に示す図であ
る。図1を参照して、超電導線材の交流損失測定装置
は、外部変動磁界を発生する交流超電導コイル1を有
し、その交流超電導コイル1に包囲された領域内に2対
のピックアップコイル2、5とキャンセルコイル3、6
とを有している。一方の対4において、キャンセルコイ
ル3はピックアップコイル2の内側であってピックアッ
プコイル2と同軸(C−C線)上に配置されている。ま
た他方の対7において、キャンセルコイル6は、ピック
アップコイル5の内側であってピックアップコイル5と
同軸(C−C線)上に配置されている。ピックアップコ
イル2とキャンセルコイル3との間およびピックアップ
コイル5とキャンセルコイル6との間の各々には、測定
サンプル8を配置可能な所定の空間が設けられている。
流損失測定装置の測定系の構成を概略的に示す図であ
る。図1を参照して、超電導線材の交流損失測定装置
は、外部変動磁界を発生する交流超電導コイル1を有
し、その交流超電導コイル1に包囲された領域内に2対
のピックアップコイル2、5とキャンセルコイル3、6
とを有している。一方の対4において、キャンセルコイ
ル3はピックアップコイル2の内側であってピックアッ
プコイル2と同軸(C−C線)上に配置されている。ま
た他方の対7において、キャンセルコイル6は、ピック
アップコイル5の内側であってピックアップコイル5と
同軸(C−C線)上に配置されている。ピックアップコ
イル2とキャンセルコイル3との間およびピックアップ
コイル5とキャンセルコイル6との間の各々には、測定
サンプル8を配置可能な所定の空間が設けられている。
【0050】本実施の形態では、ピックアップコイルと
キャンセルコイルとの対が2つ設けられているため、一
方の対のバックグランド成分を他方の対のバックグラン
ド成分で相殺することができる。このため、これら2対
のピックアップコイルとキャンセルコイルからの誘起電
圧を用いてキャンセリングを行なうことにより、測定サ
ンプル8なしでのバックグランド成分を大幅に低減する
ことができる。したがって、微小な超電導線材の交流損
失を測定することが可能となる。
キャンセルコイルとの対が2つ設けられているため、一
方の対のバックグランド成分を他方の対のバックグラン
ド成分で相殺することができる。このため、これら2対
のピックアップコイルとキャンセルコイルからの誘起電
圧を用いてキャンセリングを行なうことにより、測定サ
ンプル8なしでのバックグランド成分を大幅に低減する
ことができる。したがって、微小な超電導線材の交流損
失を測定することが可能となる。
【0051】またこれら2対のピックアップコイル2、
5とキャンセルコイル3、6とが同軸(C−C線)上に
配置され、かつ交流超電導コイル1の中心に対して対称
位置に配置されていることが好ましい。このように2対
を対称位置に配置することで、交流超電導コイル1内の
磁場分布誤差によるキャンセリングのずれを抑制するこ
とができ、より精密な測定が可能となる。
5とキャンセルコイル3、6とが同軸(C−C線)上に
配置され、かつ交流超電導コイル1の中心に対して対称
位置に配置されていることが好ましい。このように2対
を対称位置に配置することで、交流超電導コイル1内の
磁場分布誤差によるキャンセリングのずれを抑制するこ
とができ、より精密な測定が可能となる。
【0052】また、2対のピックアップコイル2、5と
キャンセルコイル3、6との各対は図2に示すように配
置されてもよい。
キャンセルコイル3、6との各対は図2に示すように配
置されてもよい。
【0053】図2を参照して、2対のピックアップコイ
ル2、5とキャンセルコイル3、6とは、交流超電導コ
イル1内の高さ方向では同一高さ位置(H−H線)に配
置され、かつ交流超電導コイル1のボア断面の対称位置
に配置されていることが好ましい。これによっても、2
対のピックアップコイル2、5とキャンセルコイル3、
6とを対称位置に配置可能であるため、上述と同様、磁
場分布誤差によるキャンセリングのずれを抑制すること
ができ、より精密な測定が可能となる。
ル2、5とキャンセルコイル3、6とは、交流超電導コ
イル1内の高さ方向では同一高さ位置(H−H線)に配
置され、かつ交流超電導コイル1のボア断面の対称位置
に配置されていることが好ましい。これによっても、2
対のピックアップコイル2、5とキャンセルコイル3、
6とを対称位置に配置可能であるため、上述と同様、磁
場分布誤差によるキャンセリングのずれを抑制すること
ができ、より精密な測定が可能となる。
【0054】また図1および図2の双方の構成におい
て、たとえば対となるピックアップコイル2とキャンセ
ルコイル3との巻線高さhが同一であり、かつ両者2、
3が同軸上の同一高さ位置に配置されていることが好ま
しい。
て、たとえば対となるピックアップコイル2とキャンセ
ルコイル3との巻線高さhが同一であり、かつ両者2、
3が同軸上の同一高さ位置に配置されていることが好ま
しい。
【0055】このような構成は、空間磁界の信号電圧を
精度よくキャンセリングするために重要である。
精度よくキャンセリングするために重要である。
【0056】実施の形態2 図3は、本発明の実施の形態2における超電導線材の交
流損失測定装置の測定系の構成を概略的に示す図であ
る。図3を参照して、超電導線材の交流損失測定装置
は、外部変動磁界を発生する交流超電導コイル20を有
し、その交流超電導コイル20に包囲された領域内にピ
ックアップコイル21と、そのピックアップコイル21
内周に配置された少なくとも2個のキャンセルコイル2
2、23とを有している。これらのピックアップコイル
21とキャンセルコイル22、23とは、同軸(C−C
線)上に配置されている。2つのキャンセルコイル2
2、23のうちの外周側キャンセルコイル23とピック
アップコイル21との間には測定サンプル25を配置可
能な空間が設けられている。
流損失測定装置の測定系の構成を概略的に示す図であ
る。図3を参照して、超電導線材の交流損失測定装置
は、外部変動磁界を発生する交流超電導コイル20を有
し、その交流超電導コイル20に包囲された領域内にピ
ックアップコイル21と、そのピックアップコイル21
内周に配置された少なくとも2個のキャンセルコイル2
2、23とを有している。これらのピックアップコイル
21とキャンセルコイル22、23とは、同軸(C−C
線)上に配置されている。2つのキャンセルコイル2
2、23のうちの外周側キャンセルコイル23とピック
アップコイル21との間には測定サンプル25を配置可
能な空間が設けられている。
【0057】本実施の形態では、2個以上のキャンセル
コイル22、23からの誘起電圧を用いて、ピックアッ
プコイル21の信号電圧から空間磁界の信号電圧を精度
よくキャンセリングすることができる。このため、測定
サンプル25なしでのバックグランド成分を大幅に低減
することができる。
コイル22、23からの誘起電圧を用いて、ピックアッ
プコイル21の信号電圧から空間磁界の信号電圧を精度
よくキャンセリングすることができる。このため、測定
サンプル25なしでのバックグランド成分を大幅に低減
することができる。
【0058】またキャンセルコイル22、23は、ピッ
クアップコイル21に包囲された空間内に配置されてい
ることが好ましい。
クアップコイル21に包囲された空間内に配置されてい
ることが好ましい。
【0059】また2個のキャンセルコイル22、23の
うち少なくとも1個がピックアップコイル21と同じ巻
線高さhであることが好ましい。
うち少なくとも1個がピックアップコイル21と同じ巻
線高さhであることが好ましい。
【0060】またキャンセルコイル22、23の巻線数
が各々異なることが好ましい。このように2個以上のピ
ックアップコイルの巻線数を各々異なるように設定する
ことにより、さらに精密なキャンセリングが可能とな
る。
が各々異なることが好ましい。このように2個以上のピ
ックアップコイルの巻線数を各々異なるように設定する
ことにより、さらに精密なキャンセリングが可能とな
る。
【0061】さらに、図1〜図3で示した超電導線材の
交流損失測定装置において、ピックアップコイル2、
5、21およびキャンセルコイル3、6、22、23に
使用される線材は、高抵抗Cu合金中に複数本のCu線
が埋込まれており、かつ外周部に電気絶縁層を有する構
造の複合線であることが好ましい。このような複合線と
することにより、渦電流損失を増大させることなく、線
材自体の機械強度も増加するため、特性面および巻線加
工性をともに向上させることができる。
交流損失測定装置において、ピックアップコイル2、
5、21およびキャンセルコイル3、6、22、23に
使用される線材は、高抵抗Cu合金中に複数本のCu線
が埋込まれており、かつ外周部に電気絶縁層を有する構
造の複合線であることが好ましい。このような複合線と
することにより、渦電流損失を増大させることなく、線
材自体の機械強度も増加するため、特性面および巻線加
工性をともに向上させることができる。
【0062】これにより、ピックアップコイル2、5、
21、キャンセルコイル3、6、22、23に使用され
る線材のCu線部分の直径を10μm以下とすることが
でき、直径に比例するCu線自体の渦電流損失を抑制す
ることが可能となる。したがって、サンプルがない場合
のバックグランド損失成分を抑制することができ、精密
な交流損失測定を行なうことが可能となる。
21、キャンセルコイル3、6、22、23に使用され
る線材のCu線部分の直径を10μm以下とすることが
でき、直径に比例するCu線自体の渦電流損失を抑制す
ることが可能となる。したがって、サンプルがない場合
のバックグランド損失成分を抑制することができ、精密
な交流損失測定を行なうことが可能となる。
【0063】またピックアップコイル2、5、21とキ
ャンセルコイル3、6、22、23に使用されている複
合線がツイストされていることが好ましい。これによ
り、複合線自体の交流損失を低減することができ、さら
にサンプルがない状態でのバックグランド損失成分を抑
制することができ、精密な交流損失の測定を行なうこと
ができる。
ャンセルコイル3、6、22、23に使用されている複
合線がツイストされていることが好ましい。これによ
り、複合線自体の交流損失を低減することができ、さら
にサンプルがない状態でのバックグランド損失成分を抑
制することができ、精密な交流損失の測定を行なうこと
ができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0065】(実施例1)本実施例では、図1に示す測
定系を有する超電導線材の交流損失測定装置を用いて交
流損失の測定を行なった。
定系を有する超電導線材の交流損失測定装置を用いて交
流損失の測定を行なった。
【0066】なお、この図1に示す測定系の詳細な諸元
については表1に示す。
については表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】つまり、本実施例では、超電導コイル1の
クリアボア径を50mmφとし、またピックアップコイ
ル2、5の巻線径および巻線高さhを各々48mmφ、
2mmとし、キャンセルコイル3、6の巻線径および巻
線高さhを各々40mmφ、2mmとした。また図1に
おいてピックアップコイル2、5とキャンセルコイル
3、6との巻線高さhを同じとし、各対4、7における
キャンセルコイルとピックアップコイルの高さ位置を完
全に一致するように配置した。また配置した2対4、7
のピックアップコイルとキャンセルコイルとの寸法その
他の諸元を全く同じとした。また、超電導線材サンプル
8を測定する際には、2対のピックアップコイルおよび
キャンセルコイルのうち1対のピックアップコイル2と
キャンセルコイル3との対4のみにサンプルコイル8を
挿入した。
クリアボア径を50mmφとし、またピックアップコイ
ル2、5の巻線径および巻線高さhを各々48mmφ、
2mmとし、キャンセルコイル3、6の巻線径および巻
線高さhを各々40mmφ、2mmとした。また図1に
おいてピックアップコイル2、5とキャンセルコイル
3、6との巻線高さhを同じとし、各対4、7における
キャンセルコイルとピックアップコイルの高さ位置を完
全に一致するように配置した。また配置した2対4、7
のピックアップコイルとキャンセルコイルとの寸法その
他の諸元を全く同じとした。また、超電導線材サンプル
8を測定する際には、2対のピックアップコイルおよび
キャンセルコイルのうち1対のピックアップコイル2と
キャンセルコイル3との対4のみにサンプルコイル8を
挿入した。
【0069】なお、ピックアップコイル2、5およびキ
ャンセルコイル3、6に使用した線材の諸元も表1に併
せて示す。
ャンセルコイル3、6に使用した線材の諸元も表1に併
せて示す。
【0070】線材自体の交流損失がバックグランド損失
成分となるため、線材自体の交流損失をできるだけ低減
する必要がある。このため、線材をCu−10wt%N
iマトリックス中にCuコアを埋込んだ構成とし、裸線
径は0.10mmφとし、外周部にホルマール15μm
絶縁皮膜を付けた後の線径を0.13mmφとした。ま
た、線材中のCuコア数を361本、Cuコアの直径を
2.4μmと細径化し、さらに1.6mmのピッチでツ
イストしたものを用いた。
成分となるため、線材自体の交流損失をできるだけ低減
する必要がある。このため、線材をCu−10wt%N
iマトリックス中にCuコアを埋込んだ構成とし、裸線
径は0.10mmφとし、外周部にホルマール15μm
絶縁皮膜を付けた後の線径を0.13mmφとした。ま
た、線材中のCuコア数を361本、Cuコアの直径を
2.4μmと細径化し、さらに1.6mmのピッチでツ
イストしたものを用いた。
【0071】交流損失測定は、具体的には以下のように
行なった。交流超電導マグネットにより1サイクルの外
部変動磁界を印加し、サンプルから発生する磁化をピッ
クアップコイルの起電力とキャンセルコイルの起電力と
の差分を時間積分することによって検出した。パソコン
により検出電圧と外部磁界とを読取り、磁化曲線(M−
Hカーブ;Mは磁化、Hは外部磁界)を描いた。1サイ
クルあたりの交流損失を、この磁化曲線の面積を算出す
ることにより求めた。
行なった。交流超電導マグネットにより1サイクルの外
部変動磁界を印加し、サンプルから発生する磁化をピッ
クアップコイルの起電力とキャンセルコイルの起電力と
の差分を時間積分することによって検出した。パソコン
により検出電圧と外部磁界とを読取り、磁化曲線(M−
Hカーブ;Mは磁化、Hは外部磁界)を描いた。1サイ
クルあたりの交流損失を、この磁化曲線の面積を算出す
ることにより求めた。
【0072】(比較例1)本比較例では、図4に示す測
定系を有する従来の交流損失測定装置を用いて交流損失
測定を行なった。図4を参照して、測定系として、外部
変動磁界を発生する交流超電導コイル9の内周領域にピ
ックアップコイル10とキャンセルコイル11との1対
のみを配置したものを用いた。キャンセルコイル11を
ピックアップコイル10の内側に配置し、かつピックア
ップコイル10と同軸となるように配置した。
定系を有する従来の交流損失測定装置を用いて交流損失
測定を行なった。図4を参照して、測定系として、外部
変動磁界を発生する交流超電導コイル9の内周領域にピ
ックアップコイル10とキャンセルコイル11との1対
のみを配置したものを用いた。キャンセルコイル11を
ピックアップコイル10の内側に配置し、かつピックア
ップコイル10と同軸となるように配置した。
【0073】上記の測定系の詳細な諸元を表1に併せて
示す。この測定系の諸元およびこの測定系で用いられる
巻線使用線材の諸元は、ピックアップコイルおよびキャ
ンセルコイルの対が1対であること以外、実施例1と全
く同じとした。また、交流損失についても実施例1と同
等の方法で測定した。
示す。この測定系の諸元およびこの測定系で用いられる
巻線使用線材の諸元は、ピックアップコイルおよびキャ
ンセルコイルの対が1対であること以外、実施例1と全
く同じとした。また、交流損失についても実施例1と同
等の方法で測定した。
【0074】(実験1)上記実施例1および比較例1で
作製した測定系を有する交流損失測定装置で、交流損失
測定を実施した。この測定で用いた実施例1の測定回路
の概略図を図5に、比較例1の測定回路の概略図を図6
に示す。
作製した測定系を有する交流損失測定装置で、交流損失
測定を実施した。この測定で用いた実施例1の測定回路
の概略図を図5に、比較例1の測定回路の概略図を図6
に示す。
【0075】実施例1では、図5に示すように、交流超
電導コイル内にピックアップコイルP1とキャンセルコ
イルC1との対と、ピックアップコイルP2とキャンセ
ルコイルC2との対との2対が配置されており、ピック
アップコイルP1およびキャンセルコイルC1との間に
サンプルコイル(測定サンプル)が配置されている。ま
た、比較例1では、図6に示すように1対のピックアッ
プコイルPとキャンセルコイルCとが配置され、両コイ
ルの間にサンプルコイル(測定サンプル)が配置されて
いる。
電導コイル内にピックアップコイルP1とキャンセルコ
イルC1との対と、ピックアップコイルP2とキャンセ
ルコイルC2との対との2対が配置されており、ピック
アップコイルP1およびキャンセルコイルC1との間に
サンプルコイル(測定サンプル)が配置されている。ま
た、比較例1では、図6に示すように1対のピックアッ
プコイルPとキャンセルコイルCとが配置され、両コイ
ルの間にサンプルコイル(測定サンプル)が配置されて
いる。
【0076】まず、実際のサンプルの交流損失測定に先
立ち、サンプルなしの状態、すなわち空間磁界の信号電
圧のキャンセリングを実施した。実施例1では、まず交
流超電導マグネットにより変動磁界を印加し、ピックア
ップコイルP1およびキャンセルコイルC1の対を用い
て、キャンセルコイルC1の信号電圧を抵抗分圧し、ピ
ックアップコイルP1の信号電圧を打ち消すキャンセリ
ングを実施した。すなわち、ピックアップコイルP1の
信号電圧の打ち消し残が最小となるように抵抗分圧を実
施した後、完全にはキャンセルできないピックアップコ
イルP1のキャンセリング残を、ピックアップコイルP
2とキャンセルコイルC2とのもう1つの対を図5の回
路のように組合せ、ピックアップコイルP2とキャンセ
ルコイルC2との対の信号電圧によりハード的にキャン
セルした。
立ち、サンプルなしの状態、すなわち空間磁界の信号電
圧のキャンセリングを実施した。実施例1では、まず交
流超電導マグネットにより変動磁界を印加し、ピックア
ップコイルP1およびキャンセルコイルC1の対を用い
て、キャンセルコイルC1の信号電圧を抵抗分圧し、ピ
ックアップコイルP1の信号電圧を打ち消すキャンセリ
ングを実施した。すなわち、ピックアップコイルP1の
信号電圧の打ち消し残が最小となるように抵抗分圧を実
施した後、完全にはキャンセルできないピックアップコ
イルP1のキャンセリング残を、ピックアップコイルP
2とキャンセルコイルC2とのもう1つの対を図5の回
路のように組合せ、ピックアップコイルP2とキャンセ
ルコイルC2との対の信号電圧によりハード的にキャン
セルした。
【0077】また、比較例1では、実施例1と同様に、
交流超電導マグネットにより変動磁界を印加し、1対の
ピックアップコイルPおよびキャンセルコイルCを用い
て、キャンセルコイルCの信号電圧を抵抗分圧し、ピッ
クアップコイルPの信号電圧を打ち消すキャンセリング
を実施した。すなわち、ピックアップコイルPの信号電
圧の打ち消し残が最小となるように抵抗分圧を実施し
た。
交流超電導マグネットにより変動磁界を印加し、1対の
ピックアップコイルPおよびキャンセルコイルCを用い
て、キャンセルコイルCの信号電圧を抵抗分圧し、ピッ
クアップコイルPの信号電圧を打ち消すキャンセリング
を実施した。すなわち、ピックアップコイルPの信号電
圧の打ち消し残が最小となるように抵抗分圧を実施し
た。
【0078】なお、本実験では印加する外部変動磁界を
±0.05〜0.5Tとし、周波数を39.88Hzと
した。
±0.05〜0.5Tとし、周波数を39.88Hzと
した。
【0079】上述の方法で実施したサンプルなしでのキ
ャンセリングの結果を図7に示す。なお、測定結果のW
canは、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの
囲む単位体積あたりのサンプルがない場合での見掛け上
の損失値を示している。
ャンセリングの結果を図7に示す。なお、測定結果のW
canは、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの
囲む単位体積あたりのサンプルがない場合での見掛け上
の損失値を示している。
【0080】図7の結果から、実施例1で作製した2対
のピックアップコイルおよびキャンセルコイルを配置し
た測定系でのキャンセリングによる見掛け上の損失値
(図中白四角)では、比較例1の1対のピックアップコ
イルおよびキャンセルコイルを配置した測定系でのキャ
ンセリングによる見掛け上の損失値(図中黒四角)に比
べ、キャンセリング残による見掛け上の損失値Wcan
が1/100以下と2桁も低減できていることがわか
る。
のピックアップコイルおよびキャンセルコイルを配置し
た測定系でのキャンセリングによる見掛け上の損失値
(図中白四角)では、比較例1の1対のピックアップコ
イルおよびキャンセルコイルを配置した測定系でのキャ
ンセリングによる見掛け上の損失値(図中黒四角)に比
べ、キャンセリング残による見掛け上の損失値Wcan
が1/100以下と2桁も低減できていることがわか
る。
【0081】また、0.1μm級のNbTiフィラメン
トを有する交流用NbTi線材の交流損失を測定した結
果、および推定値を併せて図7に示す。測定サンプルは
ピックアップコイルとキャンセルコイルとの間に配置さ
れるが、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの囲
む体積に対してサンプルが占める割合をサンプル占有率
とし、占有率をパラメータとして示した測定結果を図7
に実線および破線で示す。なお、サンプル占有率100
%の場合は、実際の測定条件ではあり得ない条件であ
り、測定値からの推定値である。
トを有する交流用NbTi線材の交流損失を測定した結
果、および推定値を併せて図7に示す。測定サンプルは
ピックアップコイルとキャンセルコイルとの間に配置さ
れるが、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの囲
む体積に対してサンプルが占める割合をサンプル占有率
とし、占有率をパラメータとして示した測定結果を図7
に実線および破線で示す。なお、サンプル占有率100
%の場合は、実際の測定条件ではあり得ない条件であ
り、測定値からの推定値である。
【0082】なお、交流用NbTi線材の交流損失値W
scは、Wcanと比較がしやすいように、ピックアッ
プコイルとキャンセルコイルとの囲む単位体積あたりの
損失値に換算されている。
scは、Wcanと比較がしやすいように、ピックアッ
プコイルとキャンセルコイルとの囲む単位体積あたりの
損失値に換算されている。
【0083】図7の結果から、比較例1の測定系では、
サンプル占有率によらず、キャンセリング残によるサン
プルなしでの見掛け上の損失値が、交流用NbTiサン
プルの交流損失値と同レベルあるいはそれ以上であり、
正確な測定ができないことがわかる。これに対して、実
施例1で開発した測定系では、キャンセリング残による
サンプルなしでの見掛け上の損失値が非常に小さく抑え
られている。このため、十分な感度で交流用NbTiサ
ンプルの交流損失値を測定することが可能である。特
に、サンプル占有率が5%と少ない場合においても、3
kW/m3 (±0.5T、図7中ではWsc=3J/m
3 )の交流損失値に対して、サンプルなしでのバックグ
ランド損失は1桁以下と小さく、十分高感度の測定が可
能であることがわかった。
サンプル占有率によらず、キャンセリング残によるサン
プルなしでの見掛け上の損失値が、交流用NbTiサン
プルの交流損失値と同レベルあるいはそれ以上であり、
正確な測定ができないことがわかる。これに対して、実
施例1で開発した測定系では、キャンセリング残による
サンプルなしでの見掛け上の損失値が非常に小さく抑え
られている。このため、十分な感度で交流用NbTiサ
ンプルの交流損失値を測定することが可能である。特
に、サンプル占有率が5%と少ない場合においても、3
kW/m3 (±0.5T、図7中ではWsc=3J/m
3 )の交流損失値に対して、サンプルなしでのバックグ
ランド損失は1桁以下と小さく、十分高感度の測定が可
能であることがわかった。
【0084】本結果は、従来の比較例1のように1対の
ピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いてキャ
ンセリングする方法に比べて、本実施例1のように2対
のピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いてキ
ャンセリングすることによって、十分にキャンセリング
残を低減できた効果による結果であり、本発明により非
常に微小な交流損失値を正確に測定できることが明らか
となった。
ピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いてキャ
ンセリングする方法に比べて、本実施例1のように2対
のピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いてキ
ャンセリングすることによって、十分にキャンセリング
残を低減できた効果による結果であり、本発明により非
常に微小な交流損失値を正確に測定できることが明らか
となった。
【0085】なお、実施例1では、2対のピックアップ
コイルおよびキャンセルコイル対をマグネット内の同軸
上に配置しているが、より大きいマグネットを使用でき
る場合は、図2に示すように高さ位置は同位置でボア断
面の対称位置に配置することができる。このような配置
にした場合も、本実施例の効果により、キャンセリング
残による見掛け上の損失を低減することが可能であり、
微小な交流損失値を正確に測定することができる。
コイルおよびキャンセルコイル対をマグネット内の同軸
上に配置しているが、より大きいマグネットを使用でき
る場合は、図2に示すように高さ位置は同位置でボア断
面の対称位置に配置することができる。このような配置
にした場合も、本実施例の効果により、キャンセリング
残による見掛け上の損失を低減することが可能であり、
微小な交流損失値を正確に測定することができる。
【0086】(実施例2)実施例2では、図3に示す測
定系を有する交流損失測定装置を用いて交流損失の測定
を行なった。
定系を有する交流損失測定装置を用いて交流損失の測定
を行なった。
【0087】なお、この図3に示す測定系の詳細な諸元
を以下の表2に示す。
を以下の表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】つまり、本実施例では、超電導コイル20
のクリアボア径を24mmφとし、ピックアップコイル
21の巻線径および巻線高さhを各々20mmφ、10
mmとし、内周側キャンセルコイル22の巻線径および
巻線高さhを各々8mmφ、10mmとし、外周側キャ
ンセルコイル23の巻線径および巻線高さを各々10.
5mmφ、4mmとした。
のクリアボア径を24mmφとし、ピックアップコイル
21の巻線径および巻線高さhを各々20mmφ、10
mmとし、内周側キャンセルコイル22の巻線径および
巻線高さhを各々8mmφ、10mmとし、外周側キャ
ンセルコイル23の巻線径および巻線高さを各々10.
5mmφ、4mmとした。
【0090】このようにピックアップコイル21と内周
側キャンセルコイル22との巻線高さhを同じとすると
ともに、内周側キャンセルコイル22とピックアップコ
イル21との高さ位置を完全に一致させた。また外周側
キャンセルコイル23の巻線高さを4mmとしてピック
アップコイル21および内周側キャンセルコイル22の
10mmに比べて短くし、ピックアップコイル21およ
び内周側キャンセルコイル22の中心高さ位置と同じ高
さ位置に外周側キャンセルコイル23を配置した。な
お、キャンセルコイル22および23では、巻線高さと
ともに巻線数も変えた。
側キャンセルコイル22との巻線高さhを同じとすると
ともに、内周側キャンセルコイル22とピックアップコ
イル21との高さ位置を完全に一致させた。また外周側
キャンセルコイル23の巻線高さを4mmとしてピック
アップコイル21および内周側キャンセルコイル22の
10mmに比べて短くし、ピックアップコイル21およ
び内周側キャンセルコイル22の中心高さ位置と同じ高
さ位置に外周側キャンセルコイル23を配置した。な
お、キャンセルコイル22および23では、巻線高さと
ともに巻線数も変えた。
【0091】これらの理由は、外周側キャンセルコイル
23は、ピックアップコイル21と内周側キャンセルコ
イル22とを用いたキャンセリング残をさらにソフト上
でキャンセルするための補正コイル的なものであり、ピ
ックアップコイル21と同じ巻線高さおよび巻線数であ
る必要はないからである。
23は、ピックアップコイル21と内周側キャンセルコ
イル22とを用いたキャンセリング残をさらにソフト上
でキャンセルするための補正コイル的なものであり、ピ
ックアップコイル21と同じ巻線高さおよび巻線数であ
る必要はないからである。
【0092】また、超電導線材サンプル25を測定する
際には、ピックアップコイル21と外周側キャンセルコ
イル23との間にサンプルコイル25を挿入した。
際には、ピックアップコイル21と外周側キャンセルコ
イル23との間にサンプルコイル25を挿入した。
【0093】また本実施例において、ピックアップコイ
ル21およびキャンセルコイル22、23に使用した線
材の諸元を表2に併せて示す。
ル21およびキャンセルコイル22、23に使用した線
材の諸元を表2に併せて示す。
【0094】つまり線材として、Cu単芯線でCu外径
が0.05mmφ(50μmφ)であり、線材外周部に
電気絶縁皮膜を有するものを用いた。
が0.05mmφ(50μmφ)であり、線材外周部に
電気絶縁皮膜を有するものを用いた。
【0095】交流損失測定は、具体的には以下のように
行なった。交流超電導マグネットにより1サイクルの外
部変動磁界を印加し、サンプルから発生する磁化をピッ
クアップコイルの起電力とキャンセルコイルの起電力と
の差分を時間積分することによって検出した。パソコン
により検出電圧と外部磁界とを読取り、磁化曲線(M−
Hカーブ;Mは磁化、Hは外部磁界)を描いた。1サイ
クルあたりの交流損失を、この磁化曲線の面積を算出す
ることにより求めた。
行なった。交流超電導マグネットにより1サイクルの外
部変動磁界を印加し、サンプルから発生する磁化をピッ
クアップコイルの起電力とキャンセルコイルの起電力と
の差分を時間積分することによって検出した。パソコン
により検出電圧と外部磁界とを読取り、磁化曲線(M−
Hカーブ;Mは磁化、Hは外部磁界)を描いた。1サイ
クルあたりの交流損失を、この磁化曲線の面積を算出す
ることにより求めた。
【0096】(実施例3)また実施例3として、ピック
アップコイルおよびキャンセルコイルなどの配置は実施
例2と全く同等であるが、ピックアップコイル21およ
びキャンセルコイル22、23に使用する線材を実施例
2のCu単線からCu/CuNi複合線に代えた測定系
を用いた。詳細な諸元を表2に併せて示す。
アップコイルおよびキャンセルコイルなどの配置は実施
例2と全く同等であるが、ピックアップコイル21およ
びキャンセルコイル22、23に使用する線材を実施例
2のCu単線からCu/CuNi複合線に代えた測定系
を用いた。詳細な諸元を表2に併せて示す。
【0097】線材自体の交流損失がバックグランド損失
成分となるため、線材自体の交流損失をできるだけ低減
する必要がある。このため、線材をCu−10wt%N
iマトリックス中にCuコアを埋込んだ構成とし、裸線
径は0.10mmφとし、外周部にホルマール15μm
絶縁皮膜を付けた後の線径を0.13mmφとした。ま
た、線材中のCuコア数は361本、Cuコアの直径を
2.4μmと細径化し、さらに1.6mmのピッチでツ
イストしたものを用いた。なお、交流損失の測定は、実
施例2と全く同等の方法で実施した。
成分となるため、線材自体の交流損失をできるだけ低減
する必要がある。このため、線材をCu−10wt%N
iマトリックス中にCuコアを埋込んだ構成とし、裸線
径は0.10mmφとし、外周部にホルマール15μm
絶縁皮膜を付けた後の線径を0.13mmφとした。ま
た、線材中のCuコア数は361本、Cuコアの直径を
2.4μmと細径化し、さらに1.6mmのピッチでツ
イストしたものを用いた。なお、交流損失の測定は、実
施例2と全く同等の方法で実施した。
【0098】(比較例2)比較例2として、従来使用さ
れていたピックアップコイルを用いた磁化法の測定系に
ついても作製した。その測定系は、ほぼ比較例1(図
4)で示した構成と同じものとした。なお、これら測定
系の詳細な諸元については、表2に併せて示す。実施例
2とは、ピックアップコイル内に配置されたキャンセル
コイルが1個であること以外、諸元および巻線使用線材
を全く同じとし、交流損失の測定方法も同等とした。
れていたピックアップコイルを用いた磁化法の測定系に
ついても作製した。その測定系は、ほぼ比較例1(図
4)で示した構成と同じものとした。なお、これら測定
系の詳細な諸元については、表2に併せて示す。実施例
2とは、ピックアップコイル内に配置されたキャンセル
コイルが1個であること以外、諸元および巻線使用線材
を全く同じとし、交流損失の測定方法も同等とした。
【0099】(実験2)上記実施例2、実施例3および
比較例2で作製した測定系を有する交流損失測定装置
で、交流損失測定を実施した。この測定で用いた実施例
2および実施例3の測定回路の概略図を図8に、比較例
2の測定回路の概略図を図6に示す。
比較例2で作製した測定系を有する交流損失測定装置
で、交流損失測定を実施した。この測定で用いた実施例
2および実施例3の測定回路の概略図を図8に、比較例
2の測定回路の概略図を図6に示す。
【0100】実施例2および実施例3では、図8に示す
ように、交流超電導コイル内にピックアップコイルPの
内側に2つのキャンセルコイル、すなわち内周側キャン
セルコイルC1と外周側キャンセルコイルC2とが配置
されており、ピックアップコイルPおよびキャンセルコ
イルC2の間にサンプルコイル(測定サンプル)が配置
されている。また、比較例2では、図6に示すように1
対のピックアップコイルPとキャンセルコイルCとが配
置され、両コイルの間にサンプルコイル(測定サンプ
ル)が配置されている。まず、実際の超電導サンプルの
交流損失測定に先立ち、サンプルなしの状態、すなわち
空間磁界の信号電圧のキャンセリングを実施した。実施
例2および実施例3では、まず交流超電導マグネットに
より変動磁界を印加し、ピックアップコイルPおよび内
周側キャンセルコイルC1を用いて、キャンセルコイル
C1の信号電圧を抵抗分圧し、ピックアップコイルPの
信号電圧を打ち消すキャンセリングを実施した。そし
て、ピックアップコイルPの信号電圧の打ち消し残が最
小となるように抵抗分圧を実施した後、完全にはキャン
セルできないピックアップコイルPのキャンセリング残
を、外周側キャンセルコイルC2の信号電圧を用いて、
コンピュータのソフト上でソフト的にキャンセルした。
すなわち、ピックアップコイルPのキャンセリング残と
同等になるようにキャンセルコイルC2の信号電圧に比
例係数を掛け、キャンセルコイルPのキャンセリング残
を打ち消すキャンセリングを実施した。
ように、交流超電導コイル内にピックアップコイルPの
内側に2つのキャンセルコイル、すなわち内周側キャン
セルコイルC1と外周側キャンセルコイルC2とが配置
されており、ピックアップコイルPおよびキャンセルコ
イルC2の間にサンプルコイル(測定サンプル)が配置
されている。また、比較例2では、図6に示すように1
対のピックアップコイルPとキャンセルコイルCとが配
置され、両コイルの間にサンプルコイル(測定サンプ
ル)が配置されている。まず、実際の超電導サンプルの
交流損失測定に先立ち、サンプルなしの状態、すなわち
空間磁界の信号電圧のキャンセリングを実施した。実施
例2および実施例3では、まず交流超電導マグネットに
より変動磁界を印加し、ピックアップコイルPおよび内
周側キャンセルコイルC1を用いて、キャンセルコイル
C1の信号電圧を抵抗分圧し、ピックアップコイルPの
信号電圧を打ち消すキャンセリングを実施した。そし
て、ピックアップコイルPの信号電圧の打ち消し残が最
小となるように抵抗分圧を実施した後、完全にはキャン
セルできないピックアップコイルPのキャンセリング残
を、外周側キャンセルコイルC2の信号電圧を用いて、
コンピュータのソフト上でソフト的にキャンセルした。
すなわち、ピックアップコイルPのキャンセリング残と
同等になるようにキャンセルコイルC2の信号電圧に比
例係数を掛け、キャンセルコイルPのキャンセリング残
を打ち消すキャンセリングを実施した。
【0101】また、比較例2では、実施例2および実施
例3と同様に、交流超電導マグネットにより変動磁界を
印加し、1対のピックアップコイルPおよびキャンセル
コイルCを用いて、キャンセルコイルCの信号電圧を抵
抗分圧し、ピックアップコイルPの信号電圧を打ち消す
キャンセリングを実施した。そして、ピックアップコイ
ルPの信号電圧の打ち消し残が最小となるように抵抗分
圧を実施した。
例3と同様に、交流超電導マグネットにより変動磁界を
印加し、1対のピックアップコイルPおよびキャンセル
コイルCを用いて、キャンセルコイルCの信号電圧を抵
抗分圧し、ピックアップコイルPの信号電圧を打ち消す
キャンセリングを実施した。そして、ピックアップコイ
ルPの信号電圧の打ち消し残が最小となるように抵抗分
圧を実施した。
【0102】なお、本実験では印加する外部変動磁界を
±0.3〜0.5Tとし、周波数を50Hzとした。
±0.3〜0.5Tとし、周波数を50Hzとした。
【0103】上述の方法で実施したサンプルなしでのキ
ャンセリングの結果を図9に示す。なお、測定結果のW
canは、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの
囲む単位体積あたりのサンプルがない場合での見掛け上
の損失値を示している。
ャンセリングの結果を図9に示す。なお、測定結果のW
canは、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの
囲む単位体積あたりのサンプルがない場合での見掛け上
の損失値を示している。
【0104】図9の結果から、実施例2で作製したピッ
クアップコイルおよびその内側に2個のキャンセルコイ
ルを配置した測定系でのキャンセリング残による見掛け
上の損失値(図中白四角)では、比較例2の1個のピッ
クアップコイルおよびキャンセルコイルを配置した測定
系でのキャンセリングによる見掛け上の損失値(図中黒
四角)に比べ、キャンセリング残による見掛け上の損失
値Wcanが1桁も低減できていることがわかる。
クアップコイルおよびその内側に2個のキャンセルコイ
ルを配置した測定系でのキャンセリング残による見掛け
上の損失値(図中白四角)では、比較例2の1個のピッ
クアップコイルおよびキャンセルコイルを配置した測定
系でのキャンセリングによる見掛け上の損失値(図中黒
四角)に比べ、キャンセリング残による見掛け上の損失
値Wcanが1桁も低減できていることがわかる。
【0105】さらに、ピックアップコイルおよびキャン
セルコイルに使用する線材を、Cuコア径が50μmの
Cu単線からCuコア径が2.4μmのCuNi/Cu
複合材に代えた実施例3では、キャンセリング残による
見掛け上の損失値(図中白三角)はさらに低減でき、比
較例2に対して2桁、実施例2に対して1桁も低減でき
ていることがわかる。これは、キャンセルコイルに使用
している線材自体の交流損失が、Cu/CuNi線材化
することにより、Cuコア径を50μmから2.4μm
へと大幅に細径化することが可能となったためである。
セルコイルに使用する線材を、Cuコア径が50μmの
Cu単線からCuコア径が2.4μmのCuNi/Cu
複合材に代えた実施例3では、キャンセリング残による
見掛け上の損失値(図中白三角)はさらに低減でき、比
較例2に対して2桁、実施例2に対して1桁も低減でき
ていることがわかる。これは、キャンセルコイルに使用
している線材自体の交流損失が、Cu/CuNi線材化
することにより、Cuコア径を50μmから2.4μm
へと大幅に細径化することが可能となったためである。
【0106】また、0.1μm級のNbTiフィラメン
トを有する交流用NbTi線材の交流損失を測定した結
果、および推定値を図9に併せて示す。測定サンプルは
ピックアップコイルとキャンセルコイルとの間に配置さ
れるが、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの囲
む体積に対してサンプルが占める割合をサンプル占有率
とし、占有率をパラメータとして示した測定結果を図9
に実線および破線で示す。なお、サンプル占有率100
%の場合は、実際の測定条件ではあり得ない条件であ
り、測定値からの推定値である。
トを有する交流用NbTi線材の交流損失を測定した結
果、および推定値を図9に併せて示す。測定サンプルは
ピックアップコイルとキャンセルコイルとの間に配置さ
れるが、ピックアップコイルとキャンセルコイルとの囲
む体積に対してサンプルが占める割合をサンプル占有率
とし、占有率をパラメータとして示した測定結果を図9
に実線および破線で示す。なお、サンプル占有率100
%の場合は、実際の測定条件ではあり得ない条件であ
り、測定値からの推定値である。
【0107】なお、交流用NbTi線材の交流損失値W
scは、Wcanと比較がしやすいように、ピックアッ
プコイルとキャンセルコイルとの囲む単位体積あたりの
損失値に換算されている。
scは、Wcanと比較がしやすいように、ピックアッ
プコイルとキャンセルコイルとの囲む単位体積あたりの
損失値に換算されている。
【0108】図9の結果から、比較例2の測定系では、
サンプル占有率が5%程度の場合では、キャンセリング
残によるサンプルなしでの見掛け上の損失値が、交流用
NbTiサンプルの交流損失値よりもはるかに大きく、
正確な測定ができないことがわかる。また、サンプルの
占有率が30〜60%程度においても、キャンセリング
残によるサンプルなしでの見掛け上の損失値が、交流用
NbTiサンプルの交流損失値と同等レベルであり、測
定精度で問題が残り、正確な値を得ることができないこ
とがわかる。
サンプル占有率が5%程度の場合では、キャンセリング
残によるサンプルなしでの見掛け上の損失値が、交流用
NbTiサンプルの交流損失値よりもはるかに大きく、
正確な測定ができないことがわかる。また、サンプルの
占有率が30〜60%程度においても、キャンセリング
残によるサンプルなしでの見掛け上の損失値が、交流用
NbTiサンプルの交流損失値と同等レベルであり、測
定精度で問題が残り、正確な値を得ることができないこ
とがわかる。
【0109】これに対して、実施例2で開発した測定系
では、キャンセリング残によるサンプルなしでの見掛け
上の損失値が非常に小さく抑えられているため、十分な
感度で交流用NbTiサンプルの交流損失値を測定する
ことが可能である。一般に、ピックアップコイル、キャ
ンセルコイルおよびサンプルコイルの巻枠を考慮すると
サンプル占有率は10%程度になる場合が多いが、本実
施例2の測定系では10kW/m3 (±0.5T、50
Hz;図9中でのWsc=20J/m3 相当)の交流損
失値に対して、サンプルなしでのバックグランド損失は
1桁以下と小さく、十分高感度の測定が可能であること
がわかった。
では、キャンセリング残によるサンプルなしでの見掛け
上の損失値が非常に小さく抑えられているため、十分な
感度で交流用NbTiサンプルの交流損失値を測定する
ことが可能である。一般に、ピックアップコイル、キャ
ンセルコイルおよびサンプルコイルの巻枠を考慮すると
サンプル占有率は10%程度になる場合が多いが、本実
施例2の測定系では10kW/m3 (±0.5T、50
Hz;図9中でのWsc=20J/m3 相当)の交流損
失値に対して、サンプルなしでのバックグランド損失は
1桁以下と小さく、十分高感度の測定が可能であること
がわかった。
【0110】さらに、実施例3の測定系では、キャンセ
リング残によるサンプルなしでの見掛け上の損失値が比
較例2より2桁、実施例2よりも1桁小さく抑制されて
いるため、十分な感度で交流用NbTiサンプルの交流
損失値を測定することが可能である。一般に、ピックア
ップコイル、キャンセルコイルおよびサンプルコイルの
巻枠を考慮するとサンプル占有率は10%程度となる場
合が多いが、本実施例3の測定系では10kW/m
3 (±0.5T、50Hz;図9中でのWsc=20J
/m3 相当)の交流損失値に対して、サンプルなしでの
バックグランド損失は2桁以下と小さく、さらに高感度
の測定が可能であることがわかった。
リング残によるサンプルなしでの見掛け上の損失値が比
較例2より2桁、実施例2よりも1桁小さく抑制されて
いるため、十分な感度で交流用NbTiサンプルの交流
損失値を測定することが可能である。一般に、ピックア
ップコイル、キャンセルコイルおよびサンプルコイルの
巻枠を考慮するとサンプル占有率は10%程度となる場
合が多いが、本実施例3の測定系では10kW/m
3 (±0.5T、50Hz;図9中でのWsc=20J
/m3 相当)の交流損失値に対して、サンプルなしでの
バックグランド損失は2桁以下と小さく、さらに高感度
の測定が可能であることがわかった。
【0111】本結果は、従来の比較例2のように1個の
ピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いてキャ
ンセリングする方法に比べて、本実施例2のように1個
のピックアップコイルとその内側に配置された2個のキ
ャンセルコイルとを用いてキャンセリングすることによ
って、十分にキャンセリング残を低減できた効果による
結果であり、本発明により非常に微小な交流損失値を正
確に測定できることが明らかとなった。
ピックアップコイルとキャンセルコイルとを用いてキャ
ンセリングする方法に比べて、本実施例2のように1個
のピックアップコイルとその内側に配置された2個のキ
ャンセルコイルとを用いてキャンセリングすることによ
って、十分にキャンセリング残を低減できた効果による
結果であり、本発明により非常に微小な交流損失値を正
確に測定できることが明らかとなった。
【0112】さらには、実施例3のようにピックアップ
コイルおよびキャンセルコイルに使用する線材をCuコ
ア径を細径化したCu/CuNi線材化したことによる
効果である。すなわち、Cuコア径を10μm以下、好
ましくは数μmレベルに細径化し、複数本のCuコアが
高抵抗Cu合金中に埋込まれた複合線材をピックアップ
コイルおよびキャンセルコイルに使用したことにより、
Cu線自体の交流損失が大きく低減できた効果により、
キャンセリング残による見掛け上の損失値を抑制でき、
微小な超電導線材の交流損失値を高精度に測定可能であ
ることが明らかとなった。
コイルおよびキャンセルコイルに使用する線材をCuコ
ア径を細径化したCu/CuNi線材化したことによる
効果である。すなわち、Cuコア径を10μm以下、好
ましくは数μmレベルに細径化し、複数本のCuコアが
高抵抗Cu合金中に埋込まれた複合線材をピックアップ
コイルおよびキャンセルコイルに使用したことにより、
Cu線自体の交流損失が大きく低減できた効果により、
キャンセリング残による見掛け上の損失値を抑制でき、
微小な超電導線材の交流損失値を高精度に測定可能であ
ることが明らかとなった。
【0113】なお、実施例2および実施例3では、ピッ
クアップコイルの内側に2個のキャンセルコイルを配置
し、キャンセリングを実施しているが、さらに3個、あ
るいはそれ以上のキャンセルコイルを配置し、その信号
電圧を用いてキャンセリングを実施することにより、さ
らに詳細にキャンセリングすることができる。このた
め、さらにキャンセリング残による見掛け上のサンプル
なしでの損失値を低減することができ、さらに微小な交
流損失値を高感度に測定することができる。
クアップコイルの内側に2個のキャンセルコイルを配置
し、キャンセリングを実施しているが、さらに3個、あ
るいはそれ以上のキャンセルコイルを配置し、その信号
電圧を用いてキャンセリングを実施することにより、さ
らに詳細にキャンセリングすることができる。このた
め、さらにキャンセリング残による見掛け上のサンプル
なしでの損失値を低減することができ、さらに微小な交
流損失値を高感度に測定することができる。
【0114】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の1の局面
に従う超電導線材の交流損失測定装置では、変動磁場を
発生するマグネットボア内にピックアップコイルとキャ
ンセルコイルとの対が2対設けられているため、交流用
超電導線材などの微小な交流損失を高精度で測定するこ
とが可能となる。
に従う超電導線材の交流損失測定装置では、変動磁場を
発生するマグネットボア内にピックアップコイルとキャ
ンセルコイルとの対が2対設けられているため、交流用
超電導線材などの微小な交流損失を高精度で測定するこ
とが可能となる。
【0116】また、上記装置を用いて超電導線材の交流
損失を測定することができるため、交流用超電導線材な
どの微小な交流損失を高精度で測定する測定方法を実現
することができる。
損失を測定することができるため、交流用超電導線材な
どの微小な交流損失を高精度で測定する測定方法を実現
することができる。
【0117】本発明の他の局面に従う超電導線材の交流
損失測定装置では、変動磁場を発生するマグネットボア
内に、ピックアップコイルと、そのピックアップコイル
の内周領域に少なくとも2個のキャンセルコイルが配置
されているため、交流用超電導線材などの微小な交流損
失を高精度で測定することが可能となる。
損失測定装置では、変動磁場を発生するマグネットボア
内に、ピックアップコイルと、そのピックアップコイル
の内周領域に少なくとも2個のキャンセルコイルが配置
されているため、交流用超電導線材などの微小な交流損
失を高精度で測定することが可能となる。
【0118】また上記の交流損失測定装置を用いること
により、交流用超電導線材などの微小な交流損失を高精
度で測定することのできる測定方法を実現することがで
きる。
により、交流用超電導線材などの微小な交流損失を高精
度で測定することのできる測定方法を実現することがで
きる。
【図1】本発明の実施の形態1における超電導線材の交
流損失測定装置の測定系を示す概略図である。
流損失測定装置の測定系を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1における超電導線材の交
流損失測定装置の測定系の変形例を示す概略図である。
流損失測定装置の測定系の変形例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態2における超電導線材の交
流損失測定装置の測定系を示す概略図である。
流損失測定装置の測定系を示す概略図である。
【図4】従来の超電導線材の交流損失測定装置の測定系
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例1で使用した測定回路を示す概
略図である。
略図である。
【図6】本発明の比較例1および2で使用した測定回路
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図7】サンプルなしでのキャンセリングの結果および
交流用NbTi線材の交流損失を測定した結果を示す図
である。
交流用NbTi線材の交流損失を測定した結果を示す図
である。
【図8】本発明の実施例2および3で使用した測定回路
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図9】サンプルなしでのキャンセリングの結果および
交流用NbTi線材の交流損失を測定した結果を示す図
である。
交流用NbTi線材の交流損失を測定した結果を示す図
である。
1、20 交流超電導コイル 2、5、21 ピックアップコイル 3 キャンセルコイル 22 内周側キャンセルコイル 23 外周側キャンセルコイル 4、7、24 コイル対
フロントページの続き (72)発明者 大松 一也 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内
Claims (15)
- 【請求項1】 変動磁場中における超電導線材の交流損
失を測定する交流損失測定装置であって、 変動磁場を発生するマグネットのボア内に配置されたピ
ックアップコイルと、 前記ピックアップコイルの内側であって前記ピックアッ
プコイルと同軸上に配置されたキャンセルコイルとを備
え、 前記ピックアップコイルと前記キャンセルコイルとの対
が少なくとも2対配置されていることを特徴とする、超
電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項2】 前記2対のピックアップコイルとキャン
セルコイルとが前記マグネット内に同軸上で、かつ前記
マグネット中心に対して対称位置に配置されている、請
求項1に記載の超電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項3】 前記2対のピックアップコイルとキャン
セルコイルとが前記マグネット内の高さ方向では同位置
で、かつ前記ボアの断面の対称位置に配置されている、
請求項1に記載の超電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項4】 前記対となるピックアップコイルとキャ
ンセルコイルとの巻線高さが同一であり、かつ同軸上の
同じ高さ位置に配置されている、請求項1から3までの
いずれかに記載の超電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項5】 前記2対のピックアップコイルとキャン
セルコイルとを用いて、前記超電導線材の交流損失測定
上での誤差成分となる、測定する超電導線材サンプルが
ない状態での検出信号をキャンセルする、請求項1から
4までのいずれかに記載の超電導線材の交流損失測定装
置。 - 【請求項6】 前記2対のピックアップコイルとキャン
セルコイルとのいずれか1対の前記ピックアップコイル
と前記キャンセルコイルとの間に、測定する超電導線材
サンプルを配置し、前記超電導線材サンプルからの磁化
を前記ピックアップコイルにより検出し、交流損失を測
定する、請求項1から5までのいずれかに記載の交流損
失測定装置を用いた、超電導線材の交流損失測定方法。 - 【請求項7】 変動磁場中における超電導線材の交流損
失を測定する交流損失測定装置であって、 変動磁場を発生するマグネットのボア内に配置されたピ
ックアップコイルと、前記ピックアップコイルの内側で
あって前記ピックアップコイルと同軸上に少なくとも2
個配置されたキャンセルコイルとを備えた、超電導線材
の交流損失測定装置。 - 【請求項8】 前記少なくとも2個以上のキャンセルコ
イルはすべて、前記ピックアップコイルに包囲された空
間内に配置されている、請求項7に記載の超電導線材の
交流損失測定装置。 - 【請求項9】 前記少なくとも2個以上のキャンセルコ
イルのうち、少なくとも1個のキャンセルコイルがピッ
クアップコイルと同じ巻線高さである、請求項7、8の
いずれかに記載の超電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項10】 前記少なくとも2個以上のキャンセル
コイルの巻線数が各々異なる、請求項7に記載の超電導
線材の交流損失測定装置。 - 【請求項11】 前記ピックアップコイルと2個以上配
置された前記キャンセルコイルとを用いて、前記超電導
線材の交流損失測定上での誤差成分となる、測定する超
電導線材サンプルがない状態での検出信号をキャンセル
する、請求項7から10までのいずれかに記載の超電導
線材の交流損失測定装置。 - 【請求項12】 前記ピックアップコイルと2個以上配
置された前記キャンセルコイルとの間に測定する超電導
線材サンプルを配置し、前記超電導線材サンプルからの
磁化を前記ピックアップコイルにより検出し、交流損失
を測定する、請求項7から11までのいずれかに記載の
交流損失測定装置を用いた、超電導線材の交流損失測定
方法。 - 【請求項13】 前記ピックアップコイルおよび前記キ
ャンセルコイルの少なくともいずれかに使用されている
線材が、高抵抗Cu合金中に複数本のCu線が埋込まれ
ており、かつ外周部に電気絶縁層を有する構造の複合線
である、請求項1から5、7から11までのいずれかに
記載の超電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項14】 前記ピックアップコイルおよび前記キ
ャンセルコイルの少なくともいずれかに使用されている
前記線材の前記Cu線部分が10μm以下である、請求
項13に記載の超電導線材の交流損失測定装置。 - 【請求項15】 前記ピックアップコイルおよび前記キ
ャンセルコイルに使用されている複合線がツイストされ
ている、請求項13、14のいずれかに記載の超電導線
材の交流損失測定装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31397397A JPH11148920A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 超電導線材の交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31397397A JPH11148920A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 超電導線材の交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11148920A true JPH11148920A (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18047718
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31397397A Pending JPH11148920A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 超電導線材の交流損失測定装置およびそれを用いた測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11148920A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005127940A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-19 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 超伝導厚膜の臨界電流密度及び電流・電圧特性の測定方法、及び装置 |
| JP2012237572A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Magqu Co Ltd | 交流透磁率を測定する装置及びその測定方法 |
| JP2014078597A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Fuji Electric Co Ltd | 超電導コイルの交流損失測定方法 |
| JP2014149264A (ja) * | 2013-02-04 | 2014-08-21 | Fuji Electric Co Ltd | 超電導コイルの交流損失測定方法および交流損失測定装置 |
| JP2014165366A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Fuji Electric Co Ltd | 超電導変圧器の交流損失測定方法 |
| CN104597317A (zh) * | 2015-02-04 | 2015-05-06 | 中国科学院电工研究所 | 一种超导线圈交流损耗的测量装置 |
| CN105044449A (zh) * | 2015-08-18 | 2015-11-11 | 中国科学院电工研究所 | 一种超导电缆交流损耗测量装置 |
| CN105277798A (zh) * | 2014-07-25 | 2016-01-27 | 国家电网公司 | 一种高温超导单元交流损耗补偿测量方法 |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP31397397A patent/JPH11148920A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|
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