JPH11150784A - 複数の部分帯域マイクロフォンからなるマイクロフォン装置 - Google Patents

複数の部分帯域マイクロフォンからなるマイクロフォン装置

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JPH11150784A
JPH11150784A JP9314955A JP31495597A JPH11150784A JP H11150784 A JPH11150784 A JP H11150784A JP 9314955 A JP9314955 A JP 9314955A JP 31495597 A JP31495597 A JP 31495597A JP H11150784 A JPH11150784 A JP H11150784A
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JP
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band
microphone
predetermined
characteristic
microphones
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JP9314955A
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Naoki Ejima
直樹 江島
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い帯域にわたって高ダイナミックレンジを
得るマイクロフォン装置を提供する。 【解決手段】 音響を所定の部分帯域において電気変換
するn個(nは2以上の整数)のマイクロフォン群11
〜13と、これらをAD変換したn個の出力を合成する
合成手段7000とで構成し、全帯域のデジタル符号を
取り出す。好ましくは、所定の帯域特性でΔΣ変調する
ΔΣ変調器と、それぞれ所定の周波数特性で帯域を制限
してサンプリングデータを間引くデシメーションフィル
タとで構成する。AD変換素子1000,2000,3
000で安定度を高め、所定帯域に特化したマイクロフ
ォン群11〜13の交互補完作用で広帯域かつ高ダイナ
ミックレンジにしたマイクロフォン装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低周波から超音波
までの広帯域音声を電気信号に変換し、さらにデジタル
符号に変換するマイクロフォン装置に関し、特に、複数
の部分帯域マイクロフォンおよび複数のAD変換素子を
用いて高S/Nかつ広帯域変換を実現するマイクロフォ
ン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロフォンにはさまざまな方式があ
るが、特に主に音声や音楽録音に使用するマイクロフォ
ンは従来の記録メディアの特性で決定される周波数帯域
に特化して開発され、高々20kHzまでの周波数帯域
でのノイズスペクトルやダイナミックレンジや周波数特
性を良好にすることを主眼とし、これに収音音色の好み
を加味するというのが一般であった。従って、この種の
マイクロフォンでは、20kHz以上の周波数帯域での
出力信号は得られないか、得られても低品質のものであ
った。
【0003】これとは別に音響エネルギーを超音波まで
の帯域に渡って測定する目的のために開発されたマイク
ロフォンもあった。これは騒音を計測する騒音計に使用
されるものなどであった。100kHzまでの帯域に渡
って周波数応答を平坦にするものがあったが、超高域で
も分割振動を起こさないで音から電気エネルギーに変換
するようにするために、振動板のサイズを小さくする必
要があった。ところが振動板のサイズを小さくすると変
換の効率が低くなるので、十分な電気信号出力が得られ
ず、SN比およびダイナミックレンジが不足するため、
音声や音楽録音に使用されることはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
DVDの出現により、高密度を活かしてより高音質化す
るため、サンプリング周波数96kHz、量子化ビット
数24ビットが実用化された。さらに略100kHzま
での帯域を記録再生するための各種試みがされつつあ
る。すなわち、記録再生のメディアとしてのインフラは
整う可能性が出てきているが、肝心の収音品質がまだ不
十分であるといった問題点がある。従来のマイクロフォ
ンは、今までのところ、その仕様に見合った十分な性能
が得られていない。より具体的には以下の課題がある。
【0005】(イ)1ウェイで100kHzまでカバー
するように広帯域設計すると、出力が低下してSN比お
よびダイナミックレンジの低下を招くため、十分な広帯
域にも出来ず、かつダイナミックレンジも低下する傾向
になる。
【0006】(ロ)1ウェイで高SN比とするために高
出力とすると、強大な音圧レベルでのクリッピング歪み
が起こり変換が出来なくなるばかりか、振動板を大きく
せざるを得ないので狭帯域になる。逆に強大な音圧レベ
ルでのクリッピング歪みを防止するためにヘッドルーム
を十分にとると、広帯域でのノイズスペクトルに対する
信号レベル強度が不十分となりSN比が低下する問題が
ある。
【0007】(ハ)複数のマイクロフォンをつかったマ
ルチウェイマイクロフォンもあったが、アナログアンプ
による帯域分割と合成のため特性がバラツキ、不安定で
あった。
【0008】(ニ)また、複数のマイクロフォンをつか
ったマルチウェイマイクロフォンにおいて、アナログア
ンプによる複数の信号を合成したものをAD変換装置で
ディジタル信号に変換するのも広帯域で高ダイナミック
レンジのAD変換装置が得られにくいといった課題があ
った。
【0009】本発明は上記の問題を解決するものであ
り、バラツキや安定度の劣化やノイズの混入を防止でき
る広帯域かつ高ダイナミックレンジなマイクロフォンを
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明によるマイクロフォン装置は、入力する音響エ
ネルギーを所定の部分帯域において電気信号に変換する
複数のマイクロフォンと、デジタル符号に変換する複数
個のAD変換素子と、各AD変換素子の出力を合成する
合成手段とから全帯域のデジタル符号を取り出すように
構成したものである。
【0011】これにより、広い帯域にわたって高ダイナ
ミックレンジを得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1の発明によるマイク
ロフォン装置は、それぞれ所定の部分帯域に好適な特性
をもつi個(iは2以上の整数)のマイクロフォンから
入力するアナログ信号をそれぞれ所定の部分帯域におい
てデジタル符号に変換するn個(nは2以上の整数)の
AD変換素子と、前記AD変換素子のn個の出力を合成
してmビット(mは、2m≧n+1を満たす正の整数)
のデジタル符号にする合成手段とを備え、前記合成手段
から合成したmビットのデジタル符号を取り出すように
したものである。
【0013】また、本発明の第2の発明によるマイクロ
フォン装置のAD変換素子は、入力するアナログ信号を
所定の帯域特性でΔΣ変調するΔΣ変調器と、前記ΔΣ
変調器の出力をそれぞれ所定の周波数特性で帯域を制限
してサンプリングデータを間引くデシメーションフィル
タとからなり、デシメーションフィルタは、それぞれ接
続するΔΣ変調器の所定帯域において主に通過させ、そ
れ以外の帯域を阻止するようにするとともに、前記i個
の入力信号の相互間における周波数特性あるいは位相特
性あるいは群遅延特性およびその間のバラツキに適応し
て、それぞれ逆特性となる伝達特性をそれぞれ畳み込む
ことを特徴としたものである。
【0014】本発明は、上記のようにしたため、それぞ
れのマイクロフォンは各帯域で最適の特性が得られるよ
うにするとともに、組み合わせるAD変換素子は比較的
低いクロック、低次の帰還フィルタを用いて所定の分割
帯域でのダイナミックレンジを高めることができ、安定
化も図られる。これらのAD変換素子は所定の帯域内を
通過させ帯域外を阻止するデシメーションフィルタと組
み合わせ、所定の分割帯域外の雑音を除去する。さら
に、相異なる帯域で所定の性能を得る複数のAD変換素
子の出力を合成することで、全体として広帯域化および
高ダイナミックレンジ化が図られる。また、n個のAD
変換素子の出力を合成する時に、ΔΣ変調波形の立ち上
がりと立ち下がりの出現確率が略平衡することによっ
て、ジッタによる変換誤差を相乗平均化する作用が生
じ、ジッタによる雑音の低減作用が副次的に生じる。
【0015】また、それぞれのマイクロフォン適するよ
う個々に最適の特性を畳み込むことが出来るようにな
る。
【0016】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の実施例1につい
て、図面を参照しながら説明を行う。
【0017】図1は本発明の実施例1におけるマイクロ
フォン装置を示す概要ブロック図である。ここでは将来
の展開を考慮して、DCから100kHzまでの音響信
号を収音してデジタル信号に変換するマイクロフォン装
置の本発明による実施例とした。従って出力信号はサン
プリング周波数192kHz、24bitのデジタル符
号である。図中、11、12および13はマイクロフォ
ン、101、102および103はアナログ入力端子、
1000はAD変換素子(a)、2000はAD変換素子
(b)、3000はAD変換素子(c)、7000は合成手
段、710はデジタル出力端子である。なお、信号線の
傍に引き出し線を付けずに記入の数字はビット数を表
す。
【0018】マイクロフォン11はDCから約30kH
zまでの帯域で使用するマイクロフォンである。マイク
ロフォン12は20kHz〜50kHzの帯域で特性の
優れたマイクロフォンである。マイクロフォン13は5
0kHz以上の帯域で特性の優れたマイクロフォンであ
る。マイクロフォン11は比較的大きな口径の振動板を
有し、マイクロフォン13は比較的小口径とする。これ
はとくにマイクロフォン13においては振動板の分割振
動による共振点周波数および反共振点周波数を高くし超
音波帯域で特性を最適にするためである。ただし小口径
とするため感度は低下する傾向にある。
【0019】マイクロフォン11の出力信号は入力端子
101からの入力信号X1はAD変換素子(a)1000
に供給する。同様にマイクロフォン12の信号は入力端
子102を通じてAD変換素子(b)2000へ供給す
る。マイクロフォン13も同様にAD変換素子(c)30
00に供給する。それぞれのAD変換素子においては、
各々ΔΣ変調器100,300,500とデシメーショ
ンフィルタ200,400,600でAD変換を行う。
AD変換素子(a)1000、AD変換素子(b)2000
およびAD変換素子(c)3000の出力Wa701、W
b702およびWc703を合成手段7000に供給す
る。合成手段7000はこれらの3つの入力Wa、Wb
およびWcを加算合成して出力端子710より出力信号
Wとして出力する。
【0020】図2はAD変換素子(a)1000の内部ブ
ロック図である。図中、110は加算器、120は量子
化器、140は減算器、150は帰還フィルタ、210
は第1のFIR1(有限インパルス応答)フィルタ
(a)、220は第2のFIR2フィルタ(a)である。入
力端子101より入力するアナログ入力信号Xを加算器
110を通じて量子化器120に供給する。1ビット量
子化はオーバーサンプリング周波数3072kHzで行
う。加算器110のもう一方の加算入力信号は帰還フィ
ルタ150から供給される量子化雑音Qである。量子化
器120は入力されるアナログ信号を1ビットに量子化
する。この量子化した1ビットの信号はデシメーション
フィルタ200へ伝送するとともに、減算器140に入
力する。減算器140は量子化器120の入力信号と出
力信号との差信号、すなわち量子化雑音Qを出力する。
サンプリング周波数3072kHzは現状のデバイス性
能から考慮して選んだ値であり、これよりに高くしても
低くしても得られるダイナミックレンジなどの性能が低
下する。この量子化雑音Qは伝達特性Ha(z)を有する
帰還フィルタ150で周波数およびまたは位相特性の変
換を行い加算器110へ帰還する。ここで、信号Yaに
ついて式で表すと、Ya=X+(1−Ha(z))*Qと
なり、信号Yaは入力信号Xの成分と量子化雑音Qの伝
達特性Ha(z)で帰還した成分の和となる。したがっ
て、伝達特性Ha(z)によって量子化雑音Qのスペクト
ル変換を行うことができる。実用の低周波域で伝達関数
が1となるように通過特性を持たせ、実用帯域外の高周
波域で減衰特性を持たせるようにするのが好適である。
例えばLPFがこれに該当する。この帰還ループによる
ΔΣ変調で量子化雑音Qを実用帯域外の高域へ追いやる
ことができる。このようにして所定のスペクトル変換を
施した1ビットの信号を出力端子710から出力信号Y
aとして次段のデシメーションフィルタ200へ出力す
る。
【0021】デシメーションフィルタ200において、
1ビット3072kHzの信号をFIR1フィルタ21
0で1/4にデシメーションし24ビット768kHz
にダウンサンプリングするとともにマルチビット化し、
FIR2フィルタ220でさらに1/4にデシメーショ
ンして24ビット192kHzの出力Waに変換する。
【0022】図1におけるAD変換素子(b)2000お
よびAD変換素子(c)3000の内部構成および動作
は、図2で説明したAD変換素子(a)1000と同様で
ある。異なるのはΔΣ変調器のノイズシェイプ特性、よ
り具体的には帰還フィルタの伝達関数がそれぞれ異なる
ことと、デシメーションフィルタの帯域特性を異ならし
めていることである。以下これらの特性について説明す
る。
【0023】図3はΔΣ変調器の信号スペクトルおよび
ノイズスペクトルを説明する図である。図3(a)はΔΣ
変調器100の出力Ya、図3(b)はΔΣ変調器300
の出力Ybおよび図3(c)はΔΣ変調器500の出力Y
cの特性を示す。なお、横軸は周波数軸であり、広範囲
を見るために対数化して示している。
【0024】図3(a)において、S1は入力信号X1の
信号スペクトル、NaはΔΣ変調によって高域へ追いや
った量子化雑音のノイズスペクトルである。サンプリン
グ周波数192kHzをfsとして16fsの3072
kHzでオーバーサンプリングを行い、帰還ループによ
りΔΣ変調を行い量子化雑音Qを信号帯域外の高域へ追
いやっている。そのためノイズスペクトルはナイキスト
周波数の1536kHz(8fs)を中心としてピーク
をもつ山型になる。オーバーサンプリング比16という
値は24ビット精度のダイナミックレンジを信号帯域の
全体で得るには不十分な値であり、無理をして高次のΔ
Σ変調をすれば、安定度が劣化し発振に到るなどの致命
的な欠陥を生じる。そこで本実施例では2次ないし4次
の低次帰還フィルタを採用し、常に安定に動作するよう
にした。そのかわり24ビット精度のダイナミックレン
ジを得る帯域を狭めている。図3(a)では24kHzま
での帯域で24ビット精度のダイナミックレンジを得る
ようにし、帯域内であっても24kHzから96kHz
の範囲でのダイナミックレンジはやや悪い。
【0025】次に図3(b)について説明する。図3(b)
も図3(a)と同様に量子化雑音を制御する。図3(a)と
異なるのは、帰還フィルタとして24kHzから48k
Hzを通過させ、それ以外の帯域を阻止するバンドパス
フィルタを用いる点である。バンドパスフィルタを構成
するには、例えば帰還フィルタの伝達特性Hb(z)の極
点と零点をDC以外の周波数に最適に分散配置すること
により得られる。これらによりノイズスペクトルはNb
となる。信号スペクトルS0はフラットである。このよ
うにして24〜48kHzで24ビット精度のダイナミ
ックレンジを得る。
【0026】図3(c)も図3(a)、(b)と同様である。
図3(c)では48〜96kHz周波数帯域で24ビット
精度のダイナミックレンジを得る。
【0027】これら3つの信号、Ya、YbおよびYc
は、入力信号Xについては96kHzまでの帯域でとも
にフラットであるが、それぞれ異なるノイズスペクトル
を含む信号として次段へ出力される。Yaはデシメーシ
ョンフィルタ200に、Ybはデシメーションフィルタ
400に、Ycはデシメーションフィルタ600に供給
され、それぞれ間引きとフィルタリングが行われる。デ
シメーションは、群遅延歪みの無いFIRフィルタを用
いて、ダウンサンプリングによる折り返し歪みが100
kHzの帯域内に混入するのを阻止するよう十分な特性
を持たせる。
【0028】図4は、デシメーションフィルタの特性を
表すとともに信号Ya、信号Ybおよび信号Ycに含む
ノイズスペクトルをそれぞれ併記したものである。同図
において、Faはデシメーションフィルタ200の周波
数特性、Fbはデシメーションフィルタ400の周波数
特性、Fcはデシメーションフィルタ400の周波数特
性である。また、併記したNaは信号Yaに含むノイズ
スペクトル、NbおよびNcはそれぞれ信号Ybおよび
信号Ycに含むノイズスペクトルである。図4に示す通
り、デシメーションフィルタの特性は単に、折り返し歪
みとなる帯域外成分を除去するだけではない。好ましく
はさらにそれぞれの帯域内でノイズスペクトルの低い領
域の信号だけを通過するよう、それぞれのデシメーショ
ンフィルタを組み合わせる。こうすることで、96kH
z以下の帯域内でもノイズスペクトルの盛り上がり部を
フィルタリングし、ノイズの上昇を抑えられる。同図に
おいてノイズスペクトルNaの大きさを示す曲線の破線
部は、デシメーションフィルタ200により減衰を受け
る部分であることを示す。以下同様に、ノイズスペクト
ルNbおよびノイズスペクトルNcを表す曲線の破線部
もそれぞれ同様にデシメーションフィルタ400および
デシメーションフィルタ600により減衰する部分であ
ることを示す。このようにダウンサンプリングして得ら
れた192kHz・24ビットの信号Wa、信号Wbお
よび信号Wcは合成手段7000に供給する。
【0029】図5は合成手段7000の内部ブロック図
である。信号レベルの比較的小さい信号Wbと信号Wc
を加算器720で加算しその結果と信号Waを加算器7
10で加算合成して出力信号Wとして出力端子710に
出力する。
【0030】図6は入力信号Xに対する出力信号Wの総
合周波数特性を示す図である。同図中のSは信号成分の
特性であり、Na、NbおよびNcは残留ノイズの特性
である。図よりDCから96kHzまでの帯域において
146dB以上のダイナミックレンジおよびSN比が得
られることが分かる。
【0031】以上の説明から明らかなように、このよう
な優れた特性はそれぞれ比較的狭帯域のマイクロフォン
とAD変換素子を部分帯域で組み合わせて使用すること
により得られたものであって、AD変換素子は比較的低
次の帰還フィルタで実現できるものである。従って、個
々のAD変換素子はどのような強度の入力に対しても常
に安定に動作する。例えば略フルスケール入力において
不安定になり発振するとか、あるいは直流入力、言い換
えるとDCオフセット状態において、内部演算の丸め誤
差などに起因する小振幅の発振現象(ピー音)などが発
生することを防止できる。しかも信号伝達特性に関して
は、全帯域で元々フラットな特性をもつAD変換素子を
それぞれデジタルのデシメーションフィルタで複数の部
分帯域に分け、それらをデジタルで加算合成するので、
演算語長を適切に選ぶことにより容易に周波数連続性と
位相連続性を達成し得るものである。
【0032】また、複数のΔΣ変調器およびデシメーシ
ョンフィルタの出力を合成手段で加算合成するので、信
号成分は伝達特性通りに加算合成されるが、雑音成分は
相乗平均されるため等レベル合成であれば3dB程減衰
するため、特に部分帯域の境界付近でのノイズが減っ
て、全体のダイナミックレンジおよびSN比が僅かなが
ら改善されるといった副次的効果も奏する。
【0033】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて、図面を参照しながら説明を行う。
【0034】図7は本発明の実施例2におけるマイクロ
フォン装置を示す概要ブロック図である。図中、11は
第1のマイクロフォン(図中では、単にマイクと記
す)、12は第2のマイクロフォン、101はマイクロ
フォン11の信号を入力する入力端子であり、102は
マイクロフォン12の信号を入力する入力端子である。
その他は実施例1と同じである。実施例1と同様の部分
については同符号とし詳細説明は省く。マイクロフォン
11はDCから約30kHzまでの帯域で使用するマイ
クロフォンである。またマイクロフォン12は20kH
z以上の帯域で特性の優れたマイクロフォンである。マ
イクロフォン11は比較的大きな口径の振動板を有し、
マイクロフォン12は比較的小口径とする。
【0035】図8はΔΣ変調器の信号スペクトルおよび
ノイズスペクトルを説明する図である。図8(a)はΔΣ
変調器100の出力Ya、図8(b)はΔΣ変調器300
の出力Ybおよび図8(c)はΔΣ変調器500の出力Y
cの特性を示す。なお、横軸は周波数軸であり、広範囲
を見るために対数化して示している。
【0036】図8(a)において、S1は入力信号X1の
信号スペクトルであり、低域でフラットなスペクトルを
有する。
【0037】次に図8(b)と図8(c)のS2はマイクロ
フォン12から入力した信号成分であり、高域でフラッ
トな特性を有する。
【0038】これらは実施例1と同様にΔΣ変調および
デシメーションフィルタを経由して合成手段7000で
加算合成される。
【0039】図9は実施例2におけるそれぞれのデシメ
ーションフィルタの特性を示す図である。同図において
Faはデシメーションフィルタ200の特性を示すが、
約15dBゲインを落としているのはマイクロフォン1
1の出力がマイクロフォン12の出力よりも大きいのを
補正するためである。またFbはデシメーションフィル
タ400の特性を示すが、マイクロフォン12の高域減
衰の傾向を補正するため、これとは逆特性の伝達特性を
畳み込むことで補正している。これらの結果総合の入出
力特性は図6と同様となる。同図中のNa、Nbおよび
Ncは残留ノイズである。DCから96kHzまでの帯
域において146dB以上のダイナミックレンジが得ら
れる。入力端子を複数備えることによって、マイクロフ
ォンをマルチウェイ方式とすることができ、それぞれの
特性を最大限活かし、最適な等化特性を行うことで補正
が容易にできる利点を有する。なお、基本的な部分につ
いは実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、入力する音
響エネルギーをそれぞれ所定の部分帯域において収音す
るマイクロフォンと、所定の部分帯域においてデジタル
符号に変換するn個(nは2以上の整数)のAD変換素
子(AD変換素子群)と、前記AD変換素子群のn個の
出力を合成する合成手段とを備え、前記合成手段から全
帯域のデジタル符号を取り出すようにした。
【0041】また、AD変換素子は、入力するアナログ
信号を所定の帯域特性でΔΣ変調するΔΣ変調器と、前
記ΔΣ変調器の出力をそれぞれ所定の周波数特性で帯域
を制限してサンプリングデータを間引くデシメーション
フィルタとで構成し、デシメーションフィルタは、それ
ぞれ接続するΔΣ変調器の所定帯域において主に通過
し、それ以外の帯域で阻止し、それぞれのデシメーショ
ンフィルタは、AD変換素子のそれぞれの出力を合成し
た出力の周波数特性が全帯域において略フラットとなる
ように構成したため、それぞれのAD変換素子は比較的
低いクロック、低次の帰還フィルタを用いて所定の分割
帯域でのダイナミックレンジを高めることができ、安定
化も図られる。これらのAD変換素子は所定の帯域内を
通過させ帯域外を阻止するデシメーションフィルタと組
み合わせ、所定の分割帯域外の雑音を除去する。さら
に、相異なる帯域で所定の性能を得る複数のAD変換素
子の出力を合成することで、全体として広帯域化および
高ダイナミックレンジ化が図られる。また、n個のAD
変換素子の出力を合成する時に、ΔΣ変調波形の立ち上
がりと立ち下がりの出現確率が略平衡することによっ
て、ジッタによる変換誤差を相乗平均化する作用が生
じ、ジッタによる雑音の低減作用が副次的に生じる。
【0042】すなわち、以下のような具体的な作用効果
がある。 (イ)オーバーサンプル比を低くできるので、デバイス
動作速度に余裕ができ、設計通りのバラツキの少ない経
済的に優れるAD変換装置が得られこれと部分マイクロ
フォンを組み合わせることで特性の優れたマイクロフォ
ン装置が実現できる。
【0043】(ロ)帰還フィルタの次数を低くできるの
で、フルスイング時であってもDCオフセットがある場
合であっても常に安定に動作するAD変換装置が得られ
これと部分マイクロフォンを組み合わせることで特性の
優れたマイクロフォン装置が実現できる。
【0044】(ハ)部分帯域に分けたマイクロフォン出
力をAD変換素子およびデシメーションフィルタを介し
て加算合成するため、所望の広い帯域幅を得ることが容
易となり、同時に高ダイナミックレンジを得られる。
【0045】(ニ)ジッタによる変換誤差を相乗平均化
する作用が生じ、ジッタによる雑音の低減作用が副次的
に生じる。
【0046】以上説明したように、本発明はこれまで実
現が困難であった超広帯域オーディオ信号の高ダイナミ
ックレンジでの収音に適するマイクロフォン装置を、安
定かつ経済的に実現し得る優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるマイクロフォン装置
を示す概要ブロック図
【図2】同実施例におけるAD変換素子(a)1000の
内部ブロック図
【図3】同実施例におけるΔΣ変調器の出力の特性を示
す周波数特性図
【図4】同実施例におけるデシメーションフィルタの特
性とノイズスペクトルを示した周波数特性図
【図5】同実施例における合成手段7000の内部ブロ
ック図
【図6】同実施例における入力信号Xに対する出力信号
Wの総合周波数特性を示す図
【図7】本発明の実施例2におけるマイクロフォン装置
を示す概要ブロック図
【図8】同実施例におけるΔΣ変調器の出力の特性を示
す周波数特性図
【図9】同実施例におけるそれぞれのデシメーションフ
ィルタの特性を示す図
【符号の説明】
11、12、13 マイクロフォン 100、300、500 ΔΣ変調器 110 加算器 120 量子化器 140 減算器 150 帰還フィルタ 200、400、600 デシメーションフィルタ 210 FIR1フィルタ 220 FIR2フィルタ 1000 AD変換素子(a) 2000 AD変換素子(b) 3000 AD変換素子(c) 7000 合成手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ所定の部分帯域に好適な特性を
    もつi個(iは2以上の整数)のマイクロフォンあるい
    は必要により追加されるマイクアンプおよび必要により
    追加されるプリフィルタを備え、前記マイクロフォンま
    たはマイクアンプの信号をそれぞれ所定の部分帯域にお
    いてデジタル符号に変換するn個(nは2以上の整数)
    のAD変換素子と、前記AD変換素子のn個の出力を合
    成する合成手段を備え、前記合成手段から全帯域のデジ
    タル符号を取り出すようにした複数の部分帯域マイクロ
    フォンからなるマイクロフォン装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ所定の部分帯域に好適な特性を
    もつi個(iは2以上の整数)のマイクロフォンあるい
    は必要により追加されるマイクアンプおよび必要により
    追加されるプリフィルタを備え、前記マイクロフォンま
    たはマイクアンプの信号をそれぞれ所定の部分帯域にお
    いてデジタル符号に変換するn個(nは2以上の整数)
    のAD変換素子と、前記AD変換素子群のn個の出力を
    合成してmビット(mは、2m≧n+1を満たす正の整
    数)のデジタル符号にする合成手段を備え、前記合成手
    段から全帯域のデジタル符号を取り出すようにした複数
    の部分帯域マイクロフォンからなるマイクロフォン装
    置。
  3. 【請求項3】 iはnと等しいことを特徴とする請求項
    1または2に記載の複数の部分帯域マイクロフォンから
    なるマイクロフォン装置。
  4. 【請求項4】 複数のAD変換素子は、それぞれ相異な
    る部分帯域で所定の変換特性が得られるAD変換素子か
    らなる請求項1ないし3のいずれかに記載の複数の部分
    帯域マイクロフォンからなるマイクロフォン装置。
  5. 【請求項5】 AD変換素子は、入力するアナログ信号
    を所定の帯域特性でΔΣ変調するΔΣ変調器と、前記Δ
    Σ変調器の出力をそれぞれ所定の周波数特性で帯域を制
    限してサンプリングデータを間引くデシメーションフィ
    ルタとからなることを特徴とする請求項4記載の複数の
    部分帯域マイクロフォンからなるマイクロフォン装置。
  6. 【請求項6】 ΔΣ変調器は、量子化雑音を帰還する帰
    還回路の伝達特性により所定の帯域特性を得ることを特
    徴とする請求項5記載の複数の部分帯域マイクロフォン
    からなるマイクロフォン装置。
  7. 【請求項7】 デシメーションフィルタは、それぞれ接
    続するΔΣ変調器の所定帯域において主に通過させ、そ
    れ以外の帯域を阻止するようにしたことを特徴とする請
    求項5記載の複数の部分帯域マイクロフォンからなるマ
    イクロフォン装置。
  8. 【請求項8】 デシメーションフィルタは、AD変換素
    子のそれぞれの出力を合成した出力の周波数特性が全帯
    域において略フラットとなるような所定の伝達特性をそ
    れぞれ有することを特徴とする請求項5記載の複数の部
    分帯域マイクロフォンからなるマイクロフォン装置。
  9. 【請求項9】 デシメーションフィルタは、それぞれ接
    続するΔΣ変調器の所定帯域において主に通過させ、そ
    れ以外の帯域を阻止するようにするとともに、i個の入
    力信号の相互間における周波数特性あるいは位相特性あ
    るいは群遅延特性およびその間のバラツキに適応して、
    それぞれ逆特性となる伝達特性をそれぞれ畳み込むこと
    を特徴とする請求項6に記載の複数の部分帯域マイクロ
    フォンからなるマイクロフォン装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6489906B2 (en) 2000-02-23 2002-12-03 Hitachi, Ltd. ΔΣ type A/D converter
GB2386280A (en) * 2002-03-07 2003-09-10 Zarlink Semiconductor Inc Digital microphone with sigma-delta ADC
JP2009218860A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Audio Technica Corp デジタルマイクロホン
JP5240193B2 (ja) * 2007-06-05 2013-07-17 日本電気株式会社 電圧電流変換器およびこれを用いたフィルタ回路

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