JPH11152146A - 熱可塑性樹脂製袋 - Google Patents

熱可塑性樹脂製袋

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JPH11152146A
JPH11152146A JP32131797A JP32131797A JPH11152146A JP H11152146 A JPH11152146 A JP H11152146A JP 32131797 A JP32131797 A JP 32131797A JP 32131797 A JP32131797 A JP 32131797A JP H11152146 A JPH11152146 A JP H11152146A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却炉に於ける燃焼時に、発熱量が少なく、
かつ燃焼時或いは焼成後に同時に燃焼される塵より生じ
る重金属、ダイオキシン等の有毒物質を吸着し環境への
放出を抑制する効果を持つ熱可塑性樹脂製袋を提供す
る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂中に、燃焼後のBET比表
面積が30m2 /g以上であり、その中心粒径が50μ
m以下、最大粒子径が100μm以下である無機化合物
を、袋総重量に対し10重量%を超え50重量%以下量
の範囲で充填し熱可塑性樹脂製袋とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂製袋に
係わり、更に詳細には、ゴミ袋や買い物用袋としての機
能は勿論のこと、これを使用した後、ゴミ焼却炉等で可
燃性ゴミと共に焼却処理する場合に、焼却炉内での異常
な発熱を抑制し、かつ焼却時に発生するダイオキシン等
の有害ガス成分が焼却炉から排出されるのを抑制し、さ
らには燃焼残灰中に含まれる重金属イオン等の漏洩を抑
制する効果を持つ、環境保護機能を付加した熱可塑性樹
脂製袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、所得水準の向上に伴い、家庭ゴミ
や商業ゴミの量が増加しており、これらゴミの処理は各
地方自治体において極めて大きい問題となっている。こ
れらゴミは、省資源化、資源のリサイクル化、環境保護
の観点から、各種有価成分を回収した後、不燃性ゴミと
可燃性ゴミに分別し、埋め立てや焼却処理に付されてい
る場合が多い。
【0003】ところで、通常一般家庭より出される可燃
性ゴミは、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂製のゴミ袋
や、一般小売店等で配布・販売されている買い物用袋
(レジ袋)にまとめられ、焼却炉にて焼却されるのが一
般的である。しかし、このような焼却処分において、現
在、以下のような問題が生じている。すなわち、ゴミ
袋の原料である熱可塑性樹脂は焼却の際の発生熱量が高
く、焼却炉内の温度が異常に上昇し、焼却炉材の損傷が
激しいこと、塩化ビニル、塩化ビニリデン(食品包装
用ラップ)等の塩素含有樹脂を燃焼する場合には、有害
なダイオキシンが大気放出される可能性があること、
焼却残灰を埋め立て処理した場合には、該灰中に含まれ
る重金属イオンが、埋め立て地で雨水等に溶解し、漏洩
する可能性があること、等が挙げられる。
【0004】このような問題点に対処する方法として
は、例えば、焼却炉内の温度上昇に対しては、炉内の焼
却物に対し散水して炉内の温度上昇を抑制する方法や、
ゴミ袋等の原料に炭酸カルシウムを充填した樹脂を使用
し、そのものの燃焼熱を低下させる方法が挙げられる。
一方、大気中へのダイオキシンの排出に対しては、ダイ
オキシンの発生そのものを低減せしめる方向及びダイオ
キシンを吸着させ回収する方向の両方向からの対策方法
があり、前者の発生防止方法としては、日本国環境庁が
定めた焼却炉運転のガイドラインに記載された炉の運転
管理や新型炉の導入等による、燃焼物を完全燃焼させて
ダイオキシンの前駆体発生を抑制するという方法を挙げ
ることができる。さらに後者の吸着回収策としては、例
えば、集塵装置のバグフィルター部に活性炭等を投入す
るという方法が挙げられる。また、埋め立て時の有害物
質漏洩防止方法としては、例えば、含有される有害物質
を不溶化処理した後に、それをセメント等で固化させて
埋め立て処分する方法等を挙げることができる。
【0005】しかしながら、これらの方法はいずれも、
炉構成耐火物資材の保護、設備新設・改造によるダイオ
キシンの飛散防止、焼却残灰からの重金属イオンの漏洩
防止等の、各々の目的に応じて個別の対処を施すもので
あり、全ての対策を同時に行うには膨大な処理コストを
必要とするため、廉価で、且つ、いずれの問題をも同時
に解決し得る手法が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、焼却
炉運転時、焼却炉内の異常な温度上昇を防ぎ、炉材の損
傷を押さえつつ、ダイオキシン等の有害ガスが大気中へ
飛散するのを抑制し、焼却残灰中に含有される重金属イ
オン等の有害物質が埋め立て地で溶解し漏洩するのを防
止するのに効果を発揮する熱可塑性樹脂製袋を提供する
ことにある。
【0007】かかる事情下に鑑み、本発明者らは上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、ある特定の無機化合
物を特定量含有した熱可塑性樹脂製袋は、十分な機械的
強度を有し、袋としての機能を発揮する上に、これをゴ
ミ袋として用いた場合、可燃性ゴミと共に焼却され、ゴ
ミ焼却処理における上記の問題点をすべて同時に解決
し、その目的を全て満足することを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱可
塑性樹脂中に、燃焼後のBET比表面積が30m2 /g
以上である無機化合物を、袋総重量に対し10重量%を
超え50重量%以下含有する熱可塑性樹脂製袋を提供す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の特徴は、袋の素材として熱可塑性樹脂
に、燃焼後のBET比表面積が30m2 /g以上である
無機化合物を、袋総重量に対し10重量%を越え50重
量%以下、好ましくは15〜50重量%充填させて使用
したことにある。かかる構成よりなる熱可塑性樹脂製袋
はゴミ袋として使用された後地方自治体等に於いて回収
され、他の可燃物とともに焼却されるが、このとき樹脂
中に混練使用した無機化合物が可燃物希釈効果で炉内の
燃焼温度を低減する。
【0010】又、特に、樹脂中に水酸化アルミニウムを
含有する場合には、 焼却炉内での高温条件で結晶水を放
出すると共に高比表面積を有する活性アルミナ(遷移ア
ルミナ)に転移する。この反応が吸熱反応であること、
さらに可燃物希釈効果により炉内の燃焼温度を低減せし
める効果を有する。
【0011】さらに焼却炉内で燃焼後においてBET比
表面積が30m2 /g以上である無機化合物が燃焼排ガ
スに含有されるHCl、ダイオキシン等有毒成分を吸着
する効果をも発現する。更に該無機化合物を含む焼却残
灰、飛灰が埋め立て処分された場合には、該無機化合物
が灰中に含有される重金属イオンを吸着し漏洩を防止す
る等の効果をも有する。
【0012】地方自治体や焼却設備を備えている事業所
等でゴミの焼却に一般に用いられる焼却炉は、ストーカ
ー式焼却炉や流動層式焼却炉が多い。該焼却炉でのゴミ
の焼却温度は通常、約500℃〜約1100℃である
が、本発明の熱可塑性樹脂製ゴミ袋中に存在せしめる無
機化合物は該温度雰囲気で焼却した後のBET比表面積
が30m2 /g以上であるような無機化合物の適用を必
須とする。
【0013】このような無機化合物としては水酸化アル
ミニウムのように常温では通常、BET比表面積が30
2 /g未満であっても焼却した後のBET比表面積が
30m2 /g以上になるもの、或いは常温でBET比表
面積が30m2 /g以上でかつ燃焼後もBET比表面積
を30m2 /g以上に保っている無機化合物が挙げられ
る。
【0014】本発明で使用する水酸化アルミニウムの種
類は、一般的にはギブサイト、バイヤライト、ベーマイ
ト、ノルトストランダイト等が挙げられるが、この中で
もギブサイトはバイヤー法によるアルミナ、アルミニウ
ムの原料として大量に生産されているため容易に、安価
に入手できることから好適に用いられる。
【0015】他方、無機化合物としては特に制限されな
いが、一般的にはゼオライト、粘土、ケイ酸塩、活性白
土、活性アルミナ等が挙げられる。ゼオライトはAl、
Na、Caの含水珪酸塩であり、一般式はWmZnO2
n・SH2 O(W=Na、Ca、K、Ba、Sr、Z
= Si+Al (ただしSi:Al>1)、Sは一定
しない)で表される。その骨格構造の違いでA型、ホー
ジャサイト型(X,Y型)、ZSM−5型がある。粘土
は珪素を主成分とし、Al、Fe、Mg、アルカリ金
属、水等で構成されている。代表的なものにアロフェ
ン、カオリン、タルク、サポナイト、ハロサイト、パイ
ロフェライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノン
トロナイト、パーミキュライト、イライト、セピオライ
ト、アタパルジャイトがある。またケイ酸塩は二酸化ケ
イ素と金属酸化物からなり、一般式xMnO・ySiO
2 であらわされる。また無機イオン交換体としては、含
水ジルコニア、含水チタニア、含水酸アンチモン等の多
価金属の酸化物または水酸化物、リン酸ジルコニウム、
リン酸チタン、ヒ酸ジルコニウム、ヒ酸スズ、リン酸セ
リウムなどの多価金属の酸性塩、NH4 PMo1240
nH2 O等で表されるヘテロポリ酸、KCu〔Fe(C
N)6 〕,Sn〔Fe(CN)6 〕/NH2 Oなどの不
溶性フェロシアン化合物、その他ヒドロキシアパタイ
ト、ハイドロタルサイト、チタン酸アルカリ金属、立方
晶系アンチモン、スピネル型マンガン酸化物等が挙げら
れる。活性アルミナは酸化アルミナの一種であり、一般
式Al2 3 であらわされるものでγ、δ、κ、η、
θ、σ、χ、ι、ρ、不定形アルミナ等、製法により種
々の結晶形を示すが、好ましくはθ、γ、χ、η、ρで
ある。
【0016】本発明で用いる水酸化アルミニウムは結晶
水を有していることから、燃焼前のBET比表面積が3
0m2 /g未満であっても、焼却炉内での上記高温燃焼
条件で熱分解を起こし結晶水を放出すると共に30m2
/g以上の高比表面積を有する遷移アルミナ(活性アル
ミナ)に転移する。特に、先に例示した水酸化アルミニ
ウムの中でも好適に用いられるギブサイトのBET比表
面積は、燃焼前、通常10m2 /g以下である。これら
水酸化アルミニウムの熱分解で生成する遷移アルミナの
結晶型は原料である水酸化アルミニウムの結晶型、燃焼
条件により異なるが、通常θ、γ、χ、η、ρ−アルミ
ナである。
【0017】本発明で使用する無機化合物は、燃焼後の
BET比表面積が約30m2 /g以上であることが必須
であり、好ましくはBET比表面積が約50m2 /g〜
約300m2 /gであるが、BET比表面積の上限には
特に限定はなく、大きい程よい。一方、BET比表面積
の下限については、30m2 /gを下回るとダイオキシ
ン等の有害ガスや重金属イオンを吸着する能力が低下す
る。
【0018】本発明における該無機化合物の燃焼条件は
焼却炉内の燃焼温度に準ずるものであり、現在多用され
ているストーカー式焼却炉や流動層式焼却炉での焼却温
度、約500℃〜約1100℃、好ましくは約500℃
〜1000℃、より好ましくは約600℃〜約900℃
で燃焼されたのち、BET比表面積を測定する。ただ
し、本発明では簡易的に800℃で30min加熱処理
を施した後の粉体のBET比表面積が約30m2 /g以
上であっても良い。
【0019】本願で用いる無機化合物の大きさは、通
常、中心粒径が50μ以下、最大粒子径が100μ以下
のものである。好ましくは中心粒子径が約15μm以下
のものであり、より好ましくは中心粒子径が1μm〜1
0μmのものである。中心粒子径が50μを超える粒子
や、最大粒子径が100μを超える粒子を用いると、本
発明の熱可塑性樹脂製袋に含有させた時、袋の引張強度
が低下する可能性がある。中心粒径の測定にはレーザー
回折法粒度分布測定装置を用いた。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂袋においては、本発
明の効果に支障のない限り、燃焼後のBET比表面積が
30m2 /g以上である無機化合物に加え、他の無機充
填材を同時に含有しても差し支えない。このような無機
充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、水酸化鉄等が挙げられる。この
うち、特に炭酸カルシウムが好適である。炭酸カルシウ
ムは水酸化アルミニウムと同様に、ゴミの燃焼で発生し
た塩化水素ガスを中和し、酸性ガスの発生を抑制する効
果がある。
【0021】本発明において、熱可塑性樹脂に含有する
燃焼後のBET比表面積が30m2/g以上である無機
化合物の含有量は、袋総重量に対し、10重量%〜50
重量%であり、好ましくは、15重量%〜50重量%で
ある。この含有量が10重量%未満であると、これを含
有する熱可塑性樹脂袋を焼却した時、発熱量の抑制効果
が不十分であり、又、有害ガスの吸着や残灰中の重金属
イオンの吸着に対しても十分な効果が発揮されない。他
方50重量%を越える場合には、これを含有する熱可塑
性樹脂袋を構成するフィルムの機械強度が低下し、しか
も、残灰量を増加させることになる。他の無機充填材を
併用する場合においても、その添加量は、上記と同一の
理由により、袋総重量に対し、50重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0022】本発明において、熱可塑性樹脂袋に含有す
る燃焼後のBET比表面積が30m 2 /g以上である無
機化合物、及びこれらと併用する他の無機充填材は、表
面処理を施してから用いることもできる。かかる表面処
理の方法としては、公知の方法であってもよく、その方
法において用いる表面処理剤としては、例えば、ステア
リン酸等の脂肪酸及びその誘導体、パラフイン、ワック
ス、有機シラン、有機チタネート等が挙げられる。かか
る表面処理を行うことにより、本発明の熱可塑性樹脂袋
とした場合、樹脂成形加工性を向上させると共に、これ
ら無機化合物、充填材等の樹脂中での分散性向上効果に
より、熱可塑性樹脂袋を構成するフィルムの機械強度を
向上せしめることができる。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂製袋には、必要に応
じて、加工助剤、酸化防止剤、顔料、隠蔽剤、帯電防止
剤、防臭剤、消臭剤、害虫等に対する忌避剤等の添加剤
を含有させることもできる。本発明の熱可塑性樹脂製袋
の製造方法は特に限定されず、本発明の効果に支障のな
い限りいかなる方法をも取り得る。その方法の例として
は、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂と燃焼後の
BET比表面積が30m2 /g以上である無機化合物、
更に必要に応じて無機充填材、その他の添加剤等を加え
混合し、加熱下においてこれらを混練して、均一組成の
樹脂組成物を得た後、インフレーション成型法、Tダイ
成型法等によってフィルム状に成形し、最終的にヒート
プレス、切断等の製袋工程を経て製造する方法が挙げら
れる。
【0024】上記の方法においては、フィルム成形の前
工程として予め、燃焼後のBET比表面積が30m2
g以上である無機化合物、無機充填材、その他の添加剤
等を、樹脂と共に混練し、樹脂に対するそれらの濃度を
50重量%〜90重量%程度に上げたマスターバッチを
調製しておくのが一般的である。マスターバッチの調製
には、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、1軸押出
機、2軸押出機などが用いられる。
【0025】上記の方法で調製したマスターバッチは、
該マスターバッチを希釈するための樹脂、必要に応じて
添加剤等と共に混合し、1軸押出機等の装置で加熱混練
し、溶融状態になった樹脂組成物をインフレーション成
型法、Tダイ成形法等によって所定の厚みのフィルムに
成形し、製袋工程を経るようにすることができる。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂製袋を構成するフィ
ルムの厚さは特に限定されないが、通常、約20μm〜
約150μmの厚みのものとして用いられる。厚みが2
0μm未満の場合には、機械的強度が低く、他方150
μmを越える場合には袋として取扱いにくくなる場合が
ある。
【0027】このようにして得られた本発明の熱可塑性
樹脂製袋を構成するフィルムの引っ張り強度は、使用す
る熱可塑性樹脂の種類により一義的ではないが、通常、
日本工業規格(JIS)K−6781の測定法により測
定した場合、縦方向(MD)で約250Kg/cm2
上、横方向(CD)で約150Kg/cm2 以上程度の
強度となり、通常の袋、例えばゴミ袋等として要求され
る機械的強度を十分満足するものである。
【0028】また原料の熱可塑性樹脂として、透明な熱
可塑性樹脂を用いた場合には、通常、半透明の熱可塑性
樹脂製袋を得ることができ、各種の袋、例えば、ゴミ
袋、買い物袋等に適用することができる。加えて本発明
の熱可塑性樹脂製袋は、該袋内に可燃物を入れ、これを
可燃性ゴミとして焼却処理するに際し、更に優れた特異
的な効果を発揮するものである。
【0029】現在、多用されている焼却炉は、ストーカ
ー式焼却炉や流動層式焼却炉であり、該焼却炉での焼却
温度は通常、約500℃〜約1100℃、好ましくは約
500℃〜1000℃、より好ましくは約600℃〜約
900℃である。本発明の熱可塑性樹脂製袋に含有され
る無機化合物は該温度雰囲気で焼却した後のBET比表
面積が30m2 /g以上である。該袋中に水酸化アルミ
ニウムを含有する場合では、水酸化アルミニウムが結晶
水を放出すると共に、有害ガスを吸着する能力や重金属
イオンを吸着する能力が非常に高い、BET表面積の大
きい活性アルミナ(遷移アルミナ)に結晶転移する。ま
た該袋中にBET比表面積が30m2 /g以上である無
機化合物を含有する場合は、そのもので、高いガス吸着
能力や重金属イオンの吸着能力を発揮する。
【0030】焼却時における本発明の可塑性樹脂製袋の
存在量は、焼却物全体量に対し、燃焼後のBET比表面
積が30m2 /g以上である無機化合物の総量に換算し
て、0.001重量%〜30重量%程度であることが好
ましく、0.01重量%〜20重量%程度であることが
より好ましい。この量は、その全てを本発明の可塑性樹
脂製袋により供給する必要はなく、別途、粉末や他の成
形体の形態で、燃焼後のBET比表面積が30m2 /g
以上である無機化合物を焼成炉内に存在させるようにし
てもよい。そのように炉内に存在させる無機化合物の形
状、大きさに関しては特に限定はないが、粉末であれ
ば、通常、中心粒径が0.1μ〜200μ程度、好まし
くは1μ〜100μ程度であるものが用いられる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述した本発明の熱可塑性樹脂製袋
は、通常の樹脂製袋に要求される機械的強度等の物性を
満足することは勿論、これを他のゴミ等と共に焼却処理
する場合、焼却炉内の異常な温度上昇を防ぎ、炉の損傷
を押さえつつ、燃焼を促進し一酸炭素等の未燃焼生成物
の発生を抑え、塩素含有樹脂から発生する塩化水素ガス
等に起因するダイオキシン等の有害排ガスを吸着してそ
の排出を抑制し、かつ焼却残灰に含有される重金属イオ
ン等の有害物質を吸着して、埋め立て地から漏洩するの
を防止することをも可能とするものであり、環境保護に
寄与する発明としてその工業的価値は頗る大である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例により制限されるもので
はない。
【0033】実施例1 メルトフローレート0.05g/10min、密度0.
95g/cm3 の高密度ポリエチレンと水酸化アルミニ
ウム(住友化学工業株式会社製)を表1に示す割合(重
量部)で用い、一軸押出機を備えたインフレーション成
形機により、厚さ30μm、折り径500mmの筒状の
熱可塑性樹脂製フィルムを作製した。次いで、該フィル
ムをヒートシールして長さ700mmの袋を得た。得ら
れた袋を構成するフィルムの引張強度を、日本工業規格
JIS−K6781に準拠して測定した。その結果を表
1に示す。尚、実験例1と実験例3では、中心粒径6μ
m、最大径25μmの水酸化アルミニウムを、実験例2
では、中心粒径3μm、最大径15μmの水酸化アルミ
ニウムを、各々用いた。引張強度のデータは、成形方向
を縦方向(MD)、その直角方向を横方向(CD)と
し、10回測定した結果の中心値を示した。表1の結果
から、実験例2及び3の熱可塑性樹脂製袋は、十分な機
械的強度を有することがわかる。
【0034】
【表1 】
【0035】実施例2 水酸化アルミニウム粉末(中心粒子径8μm,住友化学
工業株式会社製)30重量%を分散含有する高密度ポリ
エチレンフィルム100重量部と、水酸化アルミニウム
粉末を全く含有しない高密度ポリエチレンフィルム10
0重量部を、各々、燃焼させ、ボンベ式熱量計を用いて
発生熱量を測定した。その結果、水酸化アルミニウム粉
末を含有する高密度ポリエチレンフイルムの燃焼熱は7
791cal/g、含有しないものは11200cal
/gであった。この結果から、水酸化アルミニウム粉末
を含有する高密度ポリエチレンフイルムで構成する熱可
塑性樹脂製袋は、焼却の際、燃焼熱が少なく、焼却炉内
の異常な温度上昇を防ぐことが可能であることがわか
る。
【0036】実施例3 実施例1の実験例2と同一の方法で水酸化アルミニウム
30重量%を含有する高密度ポリエチレンフィルムを
得、これを、木材片、ダンボールと共に電気炉中で燃焼
させ、焼却残灰を得た。この焼却残灰は実質的に活性ア
ルミナであり、そのBET比表面積は105m2 /gで
あった。上記焼却残灰1.5mg、水酸化アルミニウム
30重量%を含有する高密度ポリエチレンフィルム5m
g及び塩化ビニル粉末10mgを、プラスチック製燃焼
試験機PCT(杉山元医理器製)に投入し、燃焼温度7
50℃、送気量0.5リットル/分、燃焼時間10分の
条件で燃焼させ、燃焼試験を行った。JIS−K721
7に準拠し、この時発生した塩化水素ガスを、20mM
炭酸ナトリウムで吸収後、硝酸銀滴定法で定量した。そ
の結果、塩化水素ガスの検出量は4.2mgであった。
一方、上記焼却残灰及び水酸化アルミニウム30重量%
を含有する高密度ポリエチレンフィルムを用いる代わり
に、水酸化アルミニウムを含有しない高密度ポリエチレ
ンフィルム5mgを用いる以外は、上記の方法に準拠し
て燃焼試験を行ったところ、塩化水素ガスの検出量は
5.1mgであった。この結果から、水酸化アルミニウ
ムを含有する高密度ポリエチレンフイルムで構成する熱
可塑性樹脂製袋は、焼却した際、塩化水素ガスが排出す
るのを抑制することがわかる。
【0037】実施例4 都市ゴミ焼却残灰10gと、実施例3で用いたものと同
じ焼却残灰(BET比表面積が105m2 /gの活性ア
ルミナ)4gを、蒸留水90gに加え、6時間振盪した
後、固液分離し、水溶液中の重金属イオン濃度を原子吸
光光度計で測定した。その結果、水溶液中の重金属イオ
ン濃度は、Cr:0.07ppm、Pb:0.01pp
m 、Cu:0.06ppmであった。一方、比較のた
め、蒸留水90gに都市ゴミ焼却残灰10gのみを加
え、上記と同様にして6時間振盪した後、固液分離し、
水溶液中の重金属イオン濃度を測定したところ、水溶液
中の重金属イオン濃度はCr:0.11ppm 、P
b:0.04ppm 、Cu:0.13ppmであっ
た。この結果から、水酸化アルミニウムを含有する高密
度ポリエチレンフイルムで構成する熱可塑性樹脂製袋
は、焼却により、都市ゴミ焼却残灰に含有される重金属
イオンを吸着し、その排出を抑制する効果を発揮するこ
とがわかる。
【0038】実施例5 Hgイオン100ppbを含有する水溶液90gを調整
し、これに実施例3で用いたものと同じ焼却残灰(BE
T比表面積は105m2 /gの活性アルミナ)4gを加
え、6時間振盪した後、固液分離し、水溶液中のHgイ
オン濃度を測定した。その結果水溶液中のHgイオン濃
度は22ppbであった。この結果から、水酸化アルミ
ニウムを含有する高密度ポリエチレンフイルムで構成す
る熱可塑性樹脂製袋は、焼却により、Hgイオンを吸着
し、その排出を抑制する効果を発揮することがわかる。
【0039】実施例6 商業ベースでのごみの連続焼却を想定し、水酸化アルミ
ニウム粉末(中心粒径3μm 住友化学工業株式会社
製)30重量%を含有する高密度ポリエチレンフィルム
を木材片、ダンボールと共に電気炉中で燃焼させ、焼却
残灰を得た。この焼却残灰は実質的に活性アルミナであ
り、そのBET比表面積は114m2 /gであった。
該焼却残灰0.5gを充填したガスクロ用ガラス製カラ
ム(外径5mm、内径3mm、長さ50cm)をガスク
ロマトグラフにセットし、200℃保持下、キャリアガ
ス(N2 )を流し、濃度4.8μg/mlのダイオキシ
ン/n−ヘキサン溶液0.2mlを、50μlの注射器
で4回に分け2分間で注入した。使用したダイオキシン
/n−ヘキサン溶液は1,3,6,8−テトラクロロジ
ベンゾジオキシン、1,2,4,7,8−ペンタクロロ
ジベンゾジオキシン、1,2,6,7−テトラクロロジ
ベンゾフラン、1,3,4,7,8−ペンタクロロジベ
ンゾフランを各1.2μg/ml含むものである。ダイ
オキシン/n−ヘキサン溶液を注入後、5分間キャリア
ガスを流し続け、その後ヒーター、キャリアガスを止
め、装置を急冷した。冷却後、カラム中の該焼却残灰
(活性アルミナ)を取り出し、該焼却残灰(活性アルミ
ナ)中に含まれるダイオキシン量を分析した。分析は厚
生省生活衛生局水道環境部環境整備課により作成された
「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニ
ュアル(平成9年2月)」に準拠した方法を用いた。結
果を表2に示した。
【0040】比較例1 実施例6において、焼却残灰(活性アルミナ)に代え、
以下の手順で調製した焼却残灰を用いる以外は、実施例
6に準拠して測定を行った。炭酸カルシウム30重量%
を含有する高密度ポリエチレンフィルムを、木材片、ダ
ンボールと共に電気炉中で燃焼させ、焼却残灰を得た。
この焼却残灰の主成分は炭酸カルシウムであり、そのB
ET比表面積は4m2 /gであった。結果を表2に示し
た。
【0041】比較例2 実施例6において、焼却残灰(活性アルミナ)に代え、
BET比表面積1200m2 /gの活性炭を用いる以外
は、実施例6に準拠して測定を行った。結果を表2に示
した。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から、水酸化アルミニウムを含
有する高密度ポリエチレンフイルムで構成した熱可塑性
樹脂製袋は、焼却により、ダイオキシンを吸着し、その
排出を抑制する効果を発揮することがわかる。又、その
効果は活性炭よりも優れていることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂中に、燃焼後のBET比表
    面積が30m2 /g以上である無機化合物を、袋総重量
    に対し10重量%を超え50重量%以下含有する熱可塑
    性樹脂製袋。
  2. 【請求項2】 無機化合物が水酸化アルミニウム、ゼオ
    ライト、粘土、ケイ酸塩、活性白土及び活性アルミナよ
    りなる群れから選ばれた少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂製袋。
  3. 【請求項3】 無機化合物が水酸化アルミニウムである
    ことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂製袋。
  4. 【請求項4】 無機化合物が活性アルミナであることを
    特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂製袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001276606A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Hitachi Zosen Corp 排ガス中の有機系有害物除去用吸着剤および同有害物の除去方法
KR20020084773A (ko) * 2001-05-03 2002-11-11 주식회사 사나테크 다이옥신 프리 열가소성 수지 조성물
JP2003041204A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Fuji Clean:Kk 環境にやさしい塗装用マスキングフィルムロール体及びその製造方法
JP2004305957A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Dowa Mining Co Ltd 燃えがらからの金属の選別方法

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