JPH11164847A - 超音波発生装置用振動子及び超音波発生装置 - Google Patents

超音波発生装置用振動子及び超音波発生装置

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JPH11164847A
JPH11164847A JP9347189A JP34718997A JPH11164847A JP H11164847 A JPH11164847 A JP H11164847A JP 9347189 A JP9347189 A JP 9347189A JP 34718997 A JP34718997 A JP 34718997A JP H11164847 A JPH11164847 A JP H11164847A
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JP
Japan
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ultrasonic
piezoelectric ceramic
ceramic element
vibrator
alumite
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JP9347189A
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Katsunori Yokoyama
勝徳 横山
Yasuhiro Sakamoto
安弘 坂本
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水による冷却効果が充分に発揮されて圧電セ
ラミック素子の高温化が抑制され、然もキャビテーショ
ンにより圧電セラミック素子の電極等が摩耗したり、腐
食したりする弊害が回避され、強力な超音波連続波を安
定して発生できる超音波発生振動子を提供する。 【解決手段】 両面に電極を備えた圧電セラミックス素
子から超音波を放射させ、液体状伝達媒体を介して被照
射物に超音波を照射する超音波発生装置用振動子におい
て、圧電セラミックス素子の超音波放射面側に、アルマ
イト処理されたアルミニウム層を、該アルマイト処理面
が液状伝達媒体側面となるように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波発生装置用
振動子及び超音波発生装置に関し、より詳細には、人体
内の患部等に超音波を照射して治療または診断を行う医
療用超音波発生装置において、超音波発生源として用い
られる超音波発生振動子、特に、例えば癌、悪性腫瘍の
温熱治療等、患部に強力な超音波の連続波を照射し、そ
の照射局部に生ずる熱によりガン細胞等を死滅させる治
療に好適に使用される、強力な超音波連続波の照射が可
能な超音波発生装置用振動子及び超音波発生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超音波発生装置は、種々の分野で広く使
用されているが、医療分野においても、例えば、患者の
体内に存在する結石を超音波衝撃波の振動により破砕す
る結石破砕治療、悪性腫瘍部分へ超音波の連続波を照射
して発熱により患部を局部的に高温にし、悪性腫瘍細胞
を死滅させる温熱治療等に超音波発生装置が用いられて
いる。現在、医療用超音波発生装置での超音波発生手段
としては圧電セラッミックス素子を用いる圧電方式、2
電極間の放電現象を利用する放電方式、電磁誘導による
斥力を利用する電磁誘導方式等があるが、近年において
は、安定した出力が得られ、しかも消耗部品が少なく、
小型化が可能な圧電セラミックス素子を用いた超音波発
生装置が最も普及している。また、超音波照射の態様も
治療の種類、目的により異なり、例えば前記結石破砕治
療においては、超音波の振動衝撃作用を利用して結石を
破壊するものであるため、この装置の振動子には超音波
パルス波を発生するものが用いられ、パルス波照射が行
われる。
【0003】一方、温熱治療においては、超音波による
患部の局所発熱昇温作用を利用するものであるため、連
続波が照射され、従って、温熱治療用超音波発生装置に
用いる振動子には強力な連続波の安定的発生が必要とさ
れる。温熱治療用等に使用される超音波発生装置は、例
えば、人体内の腫瘍部分等の患部に超音波連続波を照射
する場合、図6に例示したような基本構成で使用され
る。即ち、超音波発生振動子は、その主構成要部として
超音波発生源である圧電セラミックス素子1を有し、こ
の圧電セラミックス素子1には、通常その両面に一対の
金属製電極1a,1b(一般に焼付け法による銀電極)
が形成され、それらの各々には高周波電流源3に通ずる
リード線2a,2bが接続されている。
【0004】また、圧電セラミックス素子1の超音波放
射面側は、肉薄のゴム袋4内に充填された人体5の音響
インピーダンスとほぼ同一の音響インピーダンスを有す
る液体状の伝達媒体、例えば水6に接触して配置されて
いる。そして、このゴム袋4を人体5の表面に圧接し、
振動子の超音波放射面から発せられる超音波の焦点5a
が人体の患部に一致するようにセットした状態で、圧電
セラミックス素子1の共振周波数(または反共振周波
数)に一致した駆動電流を高周波電流源3から数秒乃至
数十秒程度供給して超音波連続波を放射する。患部は照
射された超音波連続波のエネルギーにより瞬時に80乃
至100℃程度に加熱され患部が温熱により治療され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した態様で使用さ
れる温熱治療用超音波発生装置に用いられる振動子に
は、強力な超音波の連続波の安定した発生が要求される
が、この素子は連続的に駆動されるため高温となり、前
記パルス波発生用振動子とは異なる新たな技術的課題が
生じる。即ち、圧電セラミックス素子は、高温になると
圧電特性が低下し、これにより超音波出力が低下するの
で、素子の温度上昇をできるだけ回避し、該温度を一定
限度内に維持して、超音波連続波を安定的に放射しなけ
ればならない。ここで、前記ゴム袋4内に充填された前
記水(液体)6は、圧電セラミックス素子の発熱による
昇温を冷却して抑制するという役割も果たすため、超音
波発生装置において不可欠な構成である。
【0006】ところが、超音波連続波が水などの液体中
を伝播すると、いわゆるキャビテーションが発生する。
このキャビテーション現象は超音波が水等の液体中を伝
播することによって水中に存在する細かい気泡等がぶつ
かり合ったり、気泡が一度つぶされて弾けたりすること
により生ずる衝撃現象であって、パルス波の場合は瞬時
であるためキャビテーションによる問題は発生しない
が、連続波ではこれが不可避的に発生する。圧電セラミ
ックスに電極を付与しただけの状態の素子を使用した場
合、素子と接触する水の中に含まれる気泡により、この
キャビテーションが発生し、この衝撃により金属電極が
摩耗、剥離するという不都合が生ずる。
【0007】このような電極の摩耗や剥離を回避するた
め、該電極層の表面に、例えば石英板、樹脂等より成る
絶縁性の整合層を積層し、上記不都合を回避する試みも
既になされている。例えば、特開平8−140972号
公報には、圧電セラミックス素子の超音波放射面側に石
英板を整合層として接着樹脂により接合した超音波発生
振動子が提案されている。この場合は確かに電極は整合
層により摩耗、剥離から守られるが、整合層が上記のよ
うに石英板等の絶縁板の場合、整合層を設けたことによ
り、セラミックス素子が直接水と接触できないため、水
による冷却効果が低減されてしまいセラミックス素子が
高温になるという不都合を生ずる。
【0008】また、整合層として樹脂層を用いた場合
は、該樹脂層が摩耗したり、圧電セラミックス素子が高
温になるため樹脂が軟化したり、剥離を生じたりして結
果的に超音波出力が低下し、使用に耐えなくなるという
不都合を生じる。また、上記石英板層、樹脂層等の整合
層に替えて、キャビテーションにより浸食されない金属
の薄板を接着することにより上記キャビテーションによ
る電極の摩耗等を防ぐことも考えられるが、この場合は
冷却効果に問題はないものの、鉄、鋼、銅等の金属は繰
り返し水と接触する用途に使用される場合においては長
時間使用すると錆、緑青等を発生しがちであり、また、
錆の発生のないステンレス鋼等を含めこれらの金属類
は、振動子が平板型の場合はともかく、凹面形状等の場
合は、該凹面形状の振動子表面に正確に密着するように
形状加工することが非常に困難であり、その実用化には
問題がある。
【0009】このような事情から、水等の液体による冷
却効果が充分に発揮されて圧電セラミックス素子の高温
化が抑制され、しかもキャビテーションにより生ずる上
記弊害が回避されて強力な超音波連続波を安定して発生
できる超音波発生振動子及び超音波発生装置の出現が強
く望まれていた。従って、本発明の目的は、上述した技
術的課題が解消され、強力な超音波連続波の安定的放射
が可能な超音波発生振動子及び超音波発生装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、両面に
電極を備えた圧電セラミックス素子から超音波を放射さ
せ、液体状伝達媒体を介して被照射物に超音波を照射す
る超音波発生装置用振動子において、圧電セラミックス
素子の超音波放射面側に、アルマイト処理されたアルミ
ニウム層を、該アルマイト処理面が液体状伝達媒体との
接触面となるように形成したことを特徴とする超音波発
生装置用振動子が提供される。また、本発明によれば、
両面に電極を備えた圧電セラミックス素子から超音波を
放射させ、液体状伝達媒体を介して被照射物に超音波を
照射する超音波発生装置において、圧電セラミックス素
子の超音波放射面側に、アルマイト処理されたアルミニ
ウム層を、該アルマイト処理面が液体状伝達媒体との接
触面となるように形成し、前記圧電セラミックス素子を
高周波電流源によって駆動させることを特徴とする超音
波発生装置が提供される。
【0011】本発明の超音波発生装置用振動子は、超音
波発生源である圧電セラミックス素子の音波放射面側
に、少なくとも片面がアルマイト処理されたアルミニウ
ム層を、水等の伝達媒体液に接触する面が該アルマイト
処理面と成るように形成した点が顕著な特徴である。ま
た、本発明の超音波発生装置は、前記圧電セラミックス
素子を高周波電流源によって駆動させることが顕著な特
徴である。
【0012】アルミニウムは、種々の金属類の中でも軽
量で、且つ比較的柔らかく良好な塑性加工性を有し、熱
伝導性にも優れるという特性を有する。しかも、加工後
の成型品はこの種の用途に必要とされる充分な形状保持
性と強度を有する。また、アルミニウムの音響インピー
ダンスは、本発明で超音波発生振動子として用いられる
圧電セラミックスの音響インピーダンスと超音波伝達媒
体である水との間にある。
【0013】このように、上記の諸特性を有するアルミ
ニウムは、鋼、銅等の他の金属に比べて、加工が容易
で、圧電セラミックス素子の超音波放射面が平板である
場合は勿論、例え、該面が放物線形状の凹面形状(以
下、パラボラ凹面と称する)等の湾曲した凹面形状の場
合でも、その面に正確に密着する形状に容易に加工成形
することができる。なお、該面は凹面形状であれば良
く、特にパラボラ凹面である必要はないが、パラボラ凹
面形状である場合には、効率よく焦点に超音波を集める
ことができる。また、アルミニウムは熱伝導性が良いた
め水による冷却を効率よく達成することができる。
【0014】更に、前述したように、アルミニウムの音
響インピーダンスは、圧電セラミックスの音響インピー
ダンスと超音波伝達媒体である水との間にあるため、直
接圧電セラミックス素子が水と接触している場合と比べ
て、超音波出力エネルギーの減衰を低減することがで
き、超音波出力伝播効率を高く維持することができる。
即ち、超音波は、音響インピーダンス値の異なる物質間
を透過するとき、その界面で一部が反射され、その透過
エネルギー量が減衰する。この減衰率は、インピーダン
ス値の差が大きいほど反射率が大きくなるため、大きく
なる。したがって、圧電セラミックスの音響インピーダ
ンス値(圧電セラミックスがPZTの場合30×106
kg/m2 s(レイリ−))と水の値(1.5×106
kg/m2 s)との差により生ずる、界面(圧電セラミ
ックス/水)の減衰に比較して、圧電セラミックス/ア
ルミニウム(17×106 kg/m2 s)/水の界面に
おいて生ずる減衰の方がはるかに少ない。
【0015】また、該アルミニウム層の厚さを放射超音
波の波長λに関連させて、例えば下記式、
t=n・λ/2 (但し、tはアルミニウム層の厚さ、nは正の整数、λ
は圧電セラミックス素子が発生する超音波の波長を夫々
表す)で規定される厚さに設定することにより、アルミ
ニウム層での超音波減衰を更に減少させることができ、
効率の一層の向上を図ることができる。
【0016】このように、アルミニウムを圧電セラミッ
クス素子の音波放射面側に形成すると、超音波発生振動
子の水による冷却効率が向上して圧電セラミックス素子
の高温化が回避されるだけでなく放射超音波の伝播効率
が向上して超音波出力エネルギーの減衰を抑制でき強力
な超音波連続波を放射できることが期待される。
【0017】しかしながら、アルミニウムはキャビテー
ションに対する耐性が無く、アルミニウムをそのまま配
設した場合は、キャビテーションにより摩耗を生じた
り、浸食されたりして、表面荒れやピンホールが発生
し、長期使用に耐えず、実用的には問題がある。本発明
は、更にこの問題点を解決したものであって、水に接触
する側の面がアルマイト処理されたアルミニウムを用
い、該水と直接接触する面を酸化アルミニウム被膜で保
護するようにしたことにより解決したものである。アル
マイト処理面は、高強度、高耐食性でしかも耐摩耗性に
優れるため、キャビテーションによる摩耗が生じず、水
に対する耐食性もある。また、酸化アルミニウムは絶縁
性であるため、人体に対する安全性も確保できるという
利点も有する。上記アルミニウムの表面に施されるアル
マイト処理層(酸化アルミニウム被膜)は耐摩耗性や耐
食性、絶縁性の観点から5μm以上であることが好まし
く、特に5乃至30μmの範囲が好ましい。5μm未満
の場合には、超音波振動装置の駆動時間の合計が100
時間程度の使用には充分耐えるが、100時間を超えて
使用した場合には、アルマイト処理層にピンホールが発
生し、アルミニウム層の一部が表出してしまい、水に対
する耐食性や、耐摩耗性が低下する虞がある。5μm以
上の厚さがあれば、1000時間以上の使用によっても
アルマイト処理層に異常は見られない。また、30μm
を越えて、アルマイト処理層を形成しても耐食性や耐摩
耗性はそれ以上は向上しないため、コスト面から考えて
30μm形成すれば十分である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態を更に詳細に説明する。図1は、本発明の超音波発
生装置の一形態の基本構成を示したものであり、図1
(a)はその平面図、図1(b)は(a)のA−Aの断
面図をそれぞれ示している。
【0019】この図の振動子では、圧電セラミックス素
子1は図1(a),(b)に示すように、超音波放射面
側がパラボラ凹面の形状に湾曲した円板状に形成されて
いる。この圧電セラミックス素子1は共振周波数が1乃
至2MHzの厚み振動を有し、図1(b)に示したよう
に圧電セラミックス1素子の両面に一対の電極1a,1
bが形成され、夫々リード線2a,2bにより高周波電
流源3に接続されている。この圧電セラミックス素子1
の超音波放射面側(凹面側)は、図1(b)に示されて
いるように、上面が開放され、底面が該セラミックス素
子放射面の曲率に正確に一致する形状に形成された有底
円筒形アルミニウム製枠体10の該内部側底面に接着剤
により接合される。このアルミニウム枠体10は、その
外面側の少なくとも水と接触する部分にはアルマイト処
理が施されており、表面に酸化アルミニウムの被膜10
1が形成されている。このように、圧電セラミックス素
子1が有底円筒形アルミニウム製枠体10の該内部側底
面に接合、配設されることにより、圧力セラミックス素
子1にアルマイト処理がなされたアルミニウム層が形成
される。
【0020】次に、図2は本発明の超音波発生装置の他
の態様を示した図であって、図2(a)はその平面図、
図2(b)は(a)のA−Aの断面図をそれぞれ示して
いる。この図の振動子の場合、その超音波放射部は複数
に分割された圧電セラミックス素子片1s(この図の場
合6片に分割されている。)から成る。圧電セラミック
ス素子は一枚で大型に形成することが困難であり、また
歩留まりも悪くなるため、振動子の超音波放射面の面積
を大きくし、超音波出力の大きい振動子を製作する必要
のある場合等には、この態様のように分割した振動子が
好適である。この図2の振動子の場合、夫々の圧電セラ
ミックス素子片1sは同一の曲率半径を有する扇形板状
に形成され、前記同様その両面には各々電極1sa,1
sbが形成されている。
【0021】また、各扇形圧電セラミックス素子片1s
は、図2(b)に示すように、外周壁と内周壁を有し、
上部が開放された有底環状筒形アルミニウム製枠体30
の内部側底面に接着剤により接合される。該アルミニウ
ムは前記同様外面側にアルマイト処理が施されアルマイ
ト被膜301が形成されている。該6個の素子片1sは
該枠体30の環状底面に花弁状に配設され、全体として
湾曲したパラボラ凹面形状に組立られ、素子同志は印加
電圧が一様となるように、その電極層がリード線7で互
いに電気的に導通され、最終的に高周波電流源3に接続
される。
【0022】本発明の超音波発生振動子の超音波発生源
である圧電セラミックス素子1、1sとしては、1乃至
2MHzの超音波連続波の発振が可能なそれ自体公知の
セラミックス素子を用いることができ、例えば、PbT
iO3 (チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)、PbTiO3 ・PbZrO3 ・Pb(Y1/2 Nb
1/2 )O3 三成分系セラミックス、Pb(Sb1/2 Nb
1/2 )O3 ・PbTiO3 ・PbZrO3 三成分系セラ
ミックス等の圧電セラミックス素子の両面にAu、A
g、Cu、Ni乃至合金等の金属より成る一対の電極1
a、1b、1sa、1sbが形成され、夫々半田付等の
手段で接続されたリード線2a、2bにより高周波電流
源3に導通された、通常この種の装置に用いられる圧電
セラミックス素子を用いることができる。
【0023】上記実施形態においては、この圧電セラミ
ックス素子の超音波放射面側に、アルマイト処理が施さ
れたアルミニウムを、該アルマイト処理面が水等の伝達
媒体と接触する面となるように接合配設する。圧電セラ
ミックス素子とアルミニウムとの接合には、セラミック
ス素子の使用温度範囲で軟化しない耐熱性の樹脂接着剤
等を使用することが好ましく、好適に使用される接着剤
としては、例えばエポキシ樹脂接着剤、フェノール樹脂
系接着剤を挙げることができる。
【0024】接着剤層の厚さは、特に限定されるもので
はなく、用いる接着剤樹脂の種類等により適宜設定され
るが、通常5乃至20μm程度の範囲とすることが好ま
しい。接着剤樹脂層の厚さが20μm程度より薄い場合
は、圧電セラミックス素子に形成された金属電極の凹凸
によりアルミニウム製枠体10と電極1b、1sbが直
接接触し、電気的に導通する、このため、リード線2b
と電極1b、1sbとを接続しなくても、リード線2b
とアルミニウム製枠体10を接続すればよい。また、振
動子が図2に示したように複数に分割された圧電セラミ
ックス素子片1sの集合体から成る場合には、各素子片
同志が一枚のアルミニウムにより導通され、素子同志を
電気的に接続するためのリード線7等の配設を省略でき
る。接着剤樹脂層が20μm程度より厚い場合は、枠体
のアルミニウムに接着した後、前記したようにリード線
7によって、圧電セラミックス素子片1sを電気的に接
続する。また、枠体側の電極1b、1sbとリ−ド線2
bとを接続する際、図3に示したように半田付け箇所に
対応するアルミ板には窪み40を付けておくか、また
は、図4に示すように下面の電極1b、1sbを圧電セ
ラミックス素子1の上面に回り込ませるように配設する
と良い。
【0025】本発明において、上述したアルミニウムの
厚さは振動子の発生する超音波の波長をλとしたとき、
n・λ/2(nは正の整数)で表される値に一致するよ
うにその厚さを設定することが好ましく、このような厚
さに設定することにより、アルミニウム層を伝播すると
きの超音波の減衰を可及的に減少させることができ、効
率的な音波放射を達成することができる。上記アルミニ
ウムの表面に施されるアルマイト層(酸化アルミニウム
被膜)は耐摩耗性や耐食性、絶縁性の観点から5μm以
上であることが好ましく、特に5乃至30μmの範囲が
好ましい。
【0026】アルマイト処理はそれ自体公知の方法で処
理されたものでよく、具体的には、例えば、アルミニウ
ム表面を、シュウ酸、クロム酸、硫酸等の電解液中で電
解酸化処理して、該処理表面に酸化アルミニウム被膜を
形成させる。好ましくは、さらに、形成された酸化アル
ミニウム被膜に存在する細孔等を、数気圧の水蒸気中で
30分乃至1時間程度処理することによりベーマイト化
(γーAl23 ・H2 O)して封孔する等の方法で処
理して形成する。
【0027】この超音波発生振動子は、水等の伝達媒体
を介して超音波を患部に照射するため、圧電セラミック
ス素子の両面に設けられた電極が水で濡れて両電極間が
短絡したりしないように、該素子と水とは隔壁、膜等に
より隔離され直接接触しないように配置されることがよ
り好ましい。本発明の超音波発生振動子は、水と直接接
触する面は、アルマイト処理層により絶縁されている
が、圧電セラミックス素子と水の接触をできる限り避け
るため壁を有する枠体等の中に該素子を配設することが
好ましい。前記枠体側壁は絶縁体であれば特に限定され
るものではないが、図1(b)、図2(b)等に示した
ように外面側にアルマイト層が形成されたアルミニウム
板で水と接する底部と壁面部を一体に形成したものが軽
量で、製作も容易であることから好ましい。
【0028】本発明の超音波発生装置を使用して人体内
の患部に超音波を照射するには、図5に示すような基本
構成で、本発明の超音波発生振動子のアルマイト処理面
を直接超音波伝達媒体である水に接触させると共に、素
子1sの放射面から発せられる超音波の焦点が人体の患
部に一致するようにセットした状態する。そして、圧電
セラミックス素子1sの共振周波数(または反共振周波
数)に一致した駆動電流を高周波電流源から数秒乃至数
十秒程度供給して該アルミニウム板の裏面側に配設され
ている圧電セラミックス素子1sから超音波連続波を患
部に向けて放射する。患部は照射された超音波連続波の
エネルギーにより瞬時に80乃至100℃程度に加熱さ
れ患部が温熱により治療される。
【0029】
【実施例】両面にAg電極が形成された厚み振動の共振
周波数が1.5MHzの扇形曲面形状の圧電セラミック
ス素子片を6枚用意した。これを組み合わせて、外周縁
径200mm、内周縁径80mm、曲率半径230mm
のパラボラ凹面を有する振動子の形状に組み立る。別
に、片面がアルマイト処理された厚さ1.9mmのアル
ミニウム板(アルマイト処理層の厚さ5μm)を用意
し、これを該アルマイト処理面が外側に成るようにし
て、図5に示したように、内側底面が上記組合せ素子の
パラボラ凹面形状の超音波放射面の形状に一致するよう
に曲面加工された枠体を作製した。このアルミニウム枠
体の内側底面に、上記6枚の扇形素子の超音波放射面を
エポキシ樹脂接着剤を用いて接合(樹脂接着層厚さ20
μm)配設し、更に高周波電流源に接続して超音波発生
装置とした(実施例1)。
【0030】一方、両面にAg電極が形成された厚み振
動の共振周波数が1.5MHzの扇形平面形状の圧電セ
ラミックス素子1sを6枚用意し、ガラスエポキシ樹脂
製の枠体8に花弁状に組み合わせてエポキシ樹脂で接着
した外周縁径200mm、内周縁径80mmの図7に示
す振動子を作製し、高周波電流源に接続して超音波発生
装置とした(比較例1)。なお、この比較例1の超音波
発生振動子にあっては、その圧電セラミックス素子1s
の超音波放射側電極面が使用時に直接水に接触するよう
に構成されている。
【0031】上記実施例1と比較例1の超音波発生装置
に、夫々高周波電流源から1.5MHzの高周波電力を
20W/cm2 の割合で、30乃至50秒間印加して駆
動させた後、50秒間停止し、再び30乃至50秒間駆
動させる動作を繰り返した。この比較試験の結果、実施
例1、比較例1共に水による冷却効果は良好でいずれの
振動子の圧電セラミックス素子も70乃至80℃に冷却
されたが、実施例1の場合、その収束点(焦点)音圧
は、比較例1の1.2倍に達した。これは、実施例1の
場合には圧電セラミックス素子と水との間にアルミニウ
ムが介在しており、このアルミニウムの音響インピ−ダ
ンスが該セラミックス振動子と水との間にあるため超音
波の減衰が軽減されたためと考えられる。また、比較例
1の振動子では圧電セラミックス素子のAg電極が摩耗
し、繰り返し使用した駆動時間の合計が3〜4時間で、
セラミック素子表面の一部が表出したが、実施例1の場
合には、駆動時間の合計が1000時間となるまで使用
してもアルミニウム板表面のアルマイト層にはまったく
異常が見られず、試験後の電気絶縁性も問題はなかっ
た。
【0032】アルマイト処理層の厚みを1μm、10μ
m、15μm、30μmと変化させた以外は、実施例1
と同様に評価を行った。アルマイト処理層の厚さが1μ
mの場合には、駆動時間の合計が100時間となるまで
使用してもアルマイト層には異常は見られなかった。し
かし、100時間を越えて使用したところ、アルマイト
層にピンホールが発生し、アルミニウム層の一部が表出
した。アルマイト層の厚みが10μm、15μm、30
μmの場合には、実施例1と同様に、1000時間の使
用でもアルマイト層に異常は見られなかった。
【0033】なお、上記実施形態にあいては、アルミニ
ウムからなる枠体の底面に圧電セラミックス素子を配設
することによって、圧電セラミックス素子にアルミニウ
ム層を形成したが、圧電セラミックス素子の電極上にア
ルミニウム層を直接形成し、枠体に水(液体)を臨む孔
を形成し、かかる孔から圧電セラミックスの前記アルミ
ニウム層が水(液体)に対して、露出するように構成し
てもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明の超音波発生振動子は、上述した
構成により、超音波発生源である圧電セラミックス素子
の水等の液体状伝達媒体による冷却効果が十分に発揮さ
れるため圧電セラミックス素子の高温化が防止され、し
かもキャビテ−ションにより生ずる素子電極の摩耗、腐
食等の弊害が回避され、強力な超音波連続波を安定して
発生できる。また、水と直接接触しているにもかかわら
ず、アルミニウム表面がアルマイト処理されているため
耐食性、絶縁性にも優れ、特に、強力で安定した超音波
連続波の照射が必要な腫瘍等の温熱治療用超音波発生振
動子として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の超音波発生装置の一例を示す
図であって、(a)はその平面図、(b)は(a)のA
−A断面図である。
【図2】図2は、本発明の超音波発生装置の他の一例を
示す図であって、(a)はその平面図、(b)は(a)
のA−A断面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる圧電セラミックス素子
とアルミニウムとの接合部分の部分拡大図である。
【図4】図4は、本発明にかかる圧電セラミックス素子
とアルミニウムとの接合部分の他の例の部分拡大図であ
る。
【図5】図5は、実施形態における超音波発生装置の使
用時における基本構成を示す図である。
【図6】図6は、従来例における超音波発生装置の使用
時における基本構成を示す図である。
【図7】図7は、比較例1における超音波発生装置用振
動子の構成を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミックス素子 1a 電極 1b 電極 1s 扇形圧電セラミックス素子片 1sa 電極 1sb 電極 2a リ−ド線 2b リ−ド線 3 高周波電流源 4 ゴム袋 5 人体 5a 焦点 6 水 10 枠体 30 枠体 101 アルマイト層 301 アルマイト層 40 窪み

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面に電極を備えた圧電セラミックス素
    子から超音波を放射させ、液体状伝達媒体を介して被照
    射物に超音波を照射する超音波発生装置用振動子におい
    て、 圧電セラミックス素子の超音波放射面側に、アルマイト
    処理されたアルミニウム層を、該アルマイト処理面が液
    体状伝達媒体との接触面となるように形成したことを特
    徴とする超音波発生装置用振動子。
  2. 【請求項2】 前記アルマイト処理されたアルミニウム
    層の厚さ(t)が、下記式 t=n・λ/2 但し、nは正の整数、λは圧電セラミックス素子が発生
    する超音波の波長を表すで規定される厚さに設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載された超音波発生装置
    用振動子。
  3. 【請求項3】 前記アルマイト処理層の厚さが5乃至3
    0μmであることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載された超音波発生装置用振動子。
  4. 【請求項4】 前記圧電セラミックス素子と前記アルミ
    ニウム層とがエポキシ樹脂接着剤により接合されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載された超音波発生装置用振動子。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム層が形成された圧電セ
    ラミックス素子の超音波放射面が凹面形状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
    に記載された超音波発生装置用振動子。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム層が形成された圧電セ
    ラミックス素子の超音波放射面が放物線形状の凹面形状
    に形成されていることを特徴とする請求項5に記載され
    た超音波発生装置用振動子。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム層が形成された圧電セ
    ラミックス素子が枠体の内側底部に固定配設されること
    を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載さ
    れた超音波発生装置用振動子。
  8. 【請求項8】 前記枠体が、外面側がアルマイト処理さ
    れたアルミニウムから成り、圧電セラミックスを前記枠
    体に配設することにより、アルマイト処理されたアルミ
    ニウム層を圧電セラミックス素子に形成したことを特徴
    とする請求項7に記載された超音波発生振動子。
  9. 【請求項9】 前記圧電セラミックス素子が、複数の圧
    電セラミックス素子片の組合せ集合体からなる請求項1
    乃至請求項8のいずれかに記載の超音波発生振動子。
  10. 【請求項10】両面に電極を備えた圧電セラミックス素
    子から超音波を放射させ、液体状伝達媒体を介して被照
    射物に超音波を照射する超音波発生装置において、 圧電セラミックス素子の超音波放射面側に、アルマイト
    処理されたアルミニウム層を、該アルマイト処理面が液
    体状伝達媒体との接触面となるように形成し、前記圧電
    セラミックス素子を高周波電流源によって駆動させるこ
    とを特徴とする超音波発生装置。
JP9347189A 1997-12-02 1997-12-02 超音波発生装置用振動子及び超音波発生装置 Pending JPH11164847A (ja)

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