JPH1116579A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JPH1116579A
JPH1116579A JP9164729A JP16472997A JPH1116579A JP H1116579 A JPH1116579 A JP H1116579A JP 9164729 A JP9164729 A JP 9164729A JP 16472997 A JP16472997 A JP 16472997A JP H1116579 A JPH1116579 A JP H1116579A
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JP
Japan
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battery
gel electrolyte
butyrolactone
electrolyte
gamma
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JP9164729A
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English (en)
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Hiroyuki Akashi
寛之 明石
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性を有し、また良好な電池性能が長期間
に亘り維持される電池を実現する。 【解決手段】 ポリアクリロニトリルを含有する高分子
材料、ガンマ−ブチロラクトンを含有する非水溶媒及び
LiPF6を主体とする電解質塩よりなり、ガンマ−ブ
チロラクトンの含有率が30mol%以下となされたゲ
ル状電解質を電池の電解質材料として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル状電解質を使
用する電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムを吸蔵放出可能な正極及び負極
と、非水電解液とを有して構成されるリチウム電池は、
鉛電池、ニッケルカドミウム電池等の水溶液系二次電池
に比べ、て高いエネルギー密度を有し、さらに自己放電
率も低いことから近年注目されている。
【0003】このようなリチウム二次電池のさらなる電
池性能の向上を図るには、電極材料の選択も勿論重要に
なるが、両極間のイオン伝導を担う電解液の特性も電池
特性に大きく影響してくる。このため、電解液には可能
な限りイオン伝導度が高く、且つ高い電圧にも耐えうる
電気化学的な安定性が要求され、このような点から多く
の非水電解液が提案されている。
【0004】例えば電解液の非水溶媒としては環状又は
鎖状エステル系の有機分子等が多く用いられ、具体的に
はプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネ
ート(EC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、
ジメチルカーボネート(DMC)、ガンマ−ブチロラク
トン(GBL)、1、2−ジメトキシエタン(DM
E)、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ブチル等が代
表的である。
【0005】また、電解質塩としては、LiPF6、L
iClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiAs
6、LiN(CF3SO22、LiC(CF2SO23
等が知られている。これらの電解質塩は、いずれも適当
な濃度領域において数mS/cmと高いイオン伝導度を
示す。
【0006】しかしながら、以上に挙げた非水溶媒と電
解質塩より構成される非水電解液は、比較的引火点が低
いため、電池が誤って火中に投じられたような場合に
は、電池内より漏洩した非水溶媒がガス状となって引火
する危険性をはらんでいる。
【0007】そこで、例えば特開平4−184870号
公報では、このような引火を防止する手法として、非水
電解液にリン酸エステルのごとき難燃化剤を添加するこ
とを提案している。この難燃化剤は、高分子材料の難燃
化剤として知られているものであり、その効果は添加量
に比例する。
【0008】また、この他の難燃化剤としては、ハロゲ
ン系化合物も一般的に知られるところである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リン酸エス
テル系化合物やハロゲン系化合物は必ずしも電気化学的
に安定な物質ではないため、3V以上の高電圧領域にお
いては化学的な変成、分解を生じ易く、その結果電池性
能の劣化を誘起することが懸念される。特に大きな難燃
効果を得るために難燃化剤の添加量を増加させた場合に
は電池性能を著しく損なう原因となる。
【0010】本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、難燃性を有し、また良好な電池性
能が長期間に亘り維持される電池を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の電池は、正極及び負極と、ポリアクリロ
ニトリルを含有する高分子材料、ガンマ−ブチロラクト
ンを含有する非水溶媒及びLiPF6を主体とする電解
質塩よりなるゲル状電解質とを有してなり、上記ゲル状
電解質のガンマ−ブチロラクトンの含有率は、30mo
l%以下であることを特徴とするものである。なお、こ
こで言うモル分率は、当該高分子材料の繰り返し単位構
造の数と、非水溶媒及び電解質塩のモル数の合計を10
0モル%としたときの値である。
【0012】ポリアクリロニトリルを含む高分子材料、
非水溶媒及びLiPF6を主体とする電解質塩よりなる
ゲル状電解質は、炎と接触した場合に高分子材料の炭化
作用とLiPF6の炭化促進作用によって表面に炭化皮
膜が形成される。この炭化皮膜によって引火が防止さ
れ、優れた難燃性が得られる。
【0013】また、このゲル状電解質は、非水溶媒に3
0mol%以下の比率でガンマ−ブチロラクトンが含有
されていることによって、高いイオン伝導度が得られ、
しかも化学的安定性が高い。このため、リチウム金属の
ような反応性の高い電極材料と接触状態にあったとして
も変性反応が防止される。
【0014】したがって、このようなゲル状電解質を用
いる電池は、電池が誤って火中に投じられたような場合
でも引火の危険性が低い。しかも、ゲル状電解質自身の
難燃性が優れているので、電気化学的安定性に劣る汎用
の難燃化剤を含ませる必要がなく、難燃化剤による電池
性能の劣化が避けられる。さらに、ゲル状電解質に変性
反応が生じ難いので、長期保存後においても良好な電池
性能が維持される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0016】本発明の電池は、正極及び負極と、ゲル状
電解質を有して構成される。
【0017】上記ゲル状電解質は、高分子材料と非水溶
媒及び電解質塩からなる。
【0018】高分子材料としては、繰り返し単位構造に
アクリロニトリルを含む重合体が用いられる。この繰り
返し単位構造はアクリロニトリルのみよりなっていても
良く、他のモノマーとの共重合体であっても構わない。
共重合させるモノマーとしては、アクリル酸、メタアク
リル酸、酢酸ビニル、イタコン酸、水素化メチルアクリ
レート、水素化エチルアクリレート、アクリルアミド、
塩化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等が挙
げられる。共重合体の具体例として、アクリロニトリル
ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレン
樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンプロピレンジ
エンスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ビニル樹脂、
アクリロニトリルメタアクリレート樹脂、アクリロニト
リルアクリレート樹脂等があり、これらのうちから溶媒
や電解質塩との組み合わせでゲル化が可能なものを選択
して用いれば良い。
【0019】なお、ゲル状電解質のゲル化の程度は、高
分子材料の分子量と密接な関係を持ち、適正なゲル化度
とするためには高分子材料の数平均分子量は5000〜
500000程度であることが望ましい。
【0020】また、高分子材料の溶解性パラメータは難
燃効果や他の成分との相溶性を得る点から8〜15(c
al/cm21/2の範囲であることが必要である。な
お、この溶解性パラメータは、POLYMER HAN
D BOOK THIRD EDITION J.Br
andrup.and EーH.IMMERGUT W
ILEY INTERSCIENCE.1989(P.
IV−340〜341)に記載される方法で求められる
ものである。
【0021】この高分子材料のゲル状電解質中での量
は、難燃性と相溶性の点から、繰り返し単位構造が5〜
30mol%となるような量とするのが好ましく、さら
にゲル成形後の扱い易さを考慮すると5〜15mol%
となるような量とするのが好ましい。なお、ここで言う
モル分率は、当該高分子材料の繰り返し単位構造の数
と、非水溶媒及び電解質塩のモル数の合計を100モル
%としたときの値である。
【0022】次に、非水溶媒としては、ここではガンマ
−ブチロラクトンを含有するものを使用する。例えばエ
チレンカーボネートのような常温で固体状態の溶媒は比
較的融点の低い低融点溶媒と組み合わせて用いられる
が、ガンマ−ブチロラクトンはこのような溶媒として好
適である。ガンマ−ブチロラクトンを用いることによっ
てゲル状電解質の温度特性が改善され、高いイオン伝導
度が得られるようになる。また、ガンマ−ブチロラクト
ンを用いると、他の低融点溶媒を用いるのに比べて化学
的安定性に優れたゲル状電解質が得られ、電極材料との
接触によるゲルの変性反応が防止されるようになる。但
し、ガンマ−ブチロラクトンの量があまり多くなるとゲ
ル状電解質の化学的安定性が低くなり、変性によってゲ
ル状電解質の電荷移動抵抗が増大する恐れがあるのでガ
ンマ−ブチロラクトンの量は30mol%以下に抑える
ことが望ましい。
【0023】このガンマ−ブチロラクトンは、誘電率の
高い高誘電率溶媒と混合して用いるのが望ましい。その
ような高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネートや
プロピレンカーボネートが挙げられ、特に安定性が高
く、ゲル状電解質の変性を抑えるのに有利であることか
らエチレンカーボネートを用いるのが望ましい。具体的
な組み合わせとしては、ガンマ−ブチロラクトンとエチ
レンカーボネートの混合系、ガンマ−ブチロラクトンと
エチレンカーボネート及びポリカーボネートの混合系が
挙げられる。
【0024】電解質塩としては、ゲルが炎と接触したと
きに高分子材料の炭化を促進し、難燃性向上に寄与する
ことから、ここではLiPF6を使用する。なお、Li
PF6は単独で用いても他の電解質塩と混合して用いて
も良い。混合する電解質塩としてはLiN(CF3
22、LiC(CF2SO23、LiBF4、LiAs
6、LiCF3SO3、LiClO4、NaClO4等が
使用でき、なかでもLiN(CF3SO22はLiPF6
に次いで難燃性を付与する効果が高く、好ましい。
【0025】電解質塩のゲル状電解質中での量は、リチ
ウムイオンの濃度が3〜9mol%となるように選定す
るのが望ましい。リチウムイオンの濃度が3mol%未
満であると、十分なイオン伝導度が得られず電極反応時
の分極の増大を招く恐れがある。また、リチウムイオン
の濃度が9mol%を越える場合には、高分子材料の溶
解が困難になる。さらに、イオン伝導度の塩濃度依存性
を考慮すると十分なイオン伝導度を確保するにはリチウ
ムイオンの濃度が4〜9mol%の範囲であるのが好適
である。
【0026】以上のような材料によって構成されるゲル
状電解質は、炎と接触した場合に高分子材料の炭化作用
とLiPF6の炭化促進作用によって表面に炭化皮膜が
形成される。この炭化皮膜によって引火が防止され、優
れた難燃性が得られる。
【0027】また、このゲル状電解質は、高いイオン伝
導度が得られ、しかも、化学的安定性が高い。このた
め、リチウム金属のような反応性の高い電極材料と接触
状態にあったとしても変性反応が防止される。
【0028】このようなゲル状電解質は例えば次のよう
にして作製される。
【0029】まず、非水溶媒に電解質塩を溶解して非水
電解液を調製する。続いて、この非水電解液を加熱し、
ポリアクリロニトリルを含む高分子材料を添加する。そ
して、この高分子材料が完全に溶解したところで、速や
かに溶液を基体上に展開し、放冷することでゲル状電解
質が得られる。
【0030】このようにゲル状電解質は、特殊な架橋操
作が必要なく、溶解後に冷却するだけで容易に作製する
ことができる。
【0031】本発明の電池は、このようなゲル状電解質
と正極及び負極によって構成され、それぞれの形態は電
池の形状に対応して適宜選択される。例えば平板形の電
池では、板状の正極と負極の間に、第1のゲル状電解
質、セパレータ及び第2のゲル状電解質を挟み込み、こ
の電極素子を所定の電池外装材内に収納することで電池
が構成される。
【0032】このようなゲル状電解質を用いる電池は、
電池が誤って火中に投じられたような場合でも引火の危
険性が低い。しかも、ゲル状電解質自身の難燃性が優れ
ているので、電気化学的安定性に劣る汎用の難燃化剤を
含ませる必要がなく、難燃化剤による電池性能の劣化が
避けられる。さらに、ゲル状電解質に変性反応が生じ難
いので、長期保存後においても良好な電池性能が維持さ
れる。
【0033】また、これらに加えて、ゲル状電解質では
非水電解液が固定されていることから、電池に何らかの
負荷がかかった場合でも漏液を生じることがない。
【0034】さらに、電極の構造をみたときには、正極
・負極間にゲル状電解質が介在し、このゲル状電解質が
それぞれ両電極表面に接着した形となることから、常に
電極の間隔が一定となる。このため、例えば液状の非水
電解液をそのまま用いる従来の平形電池では両極の位置
関係を安定に保つために加圧手段が必要であったが、こ
のような加圧手段が不要になり、電池の構造が簡素化す
る。
【0035】なお、この電池は、一次電池仕様であって
も二次電池仕様であっても構わない。例えば二次電池仕
様の場合には、次のような正極材料、負極材料が用いら
れる。
【0036】まず、正極材料としては、一般式Lix
2(但し、Mは1種以上の遷移金属、好ましくはM
n、Co、Ni、Feの少なくとも1種である。また、
0.05≦x≦1.10である)で表されるリチウム遷
移金属複合酸化物が使用される。
【0037】また、負極材料としては、リチウム金属、
リチウム合金、さらにはリチウムを吸蔵放出することが
可能な材料、例えば炭素質材料、シリコン化合物、スズ
化合物等が用いられる。このうち炭素質材料としては、
熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードル
コークス、石油コークス等)、黒鉛類、ガラス状炭素
類、有機高分子を前駆体とした炭素類(フラン樹脂など
を適当な温度で焼成したもの等)、炭素繊維、活性炭等
が挙げられる。
【0038】
【実施例】本発明の具体的な実施例について実験結果に
基づいて説明する。
【0039】実施例1 次のようにしてゲル状電解質を作製した。
【0040】まず、エチレンカーボネート(EC)とガ
ンマ−ブチロラクトン(GBL)を60mol%:20
mol%なる比率で混合し、さらにLiPF6を10m
ol%添加することで非水電解液を調製した。
【0041】そして、この非水電解液をビーカー中に注
ぎ入れ、露点が−50℃以下の乾燥雰囲気下において攪
拌しながら120℃まで加熱した。次いで、この加熱溶
媒中にポリアクリロニトリル(PAN,数平均分子量:
150000、溶解性パラメータ:12)の粉末をアク
リロニトリルのモル分率が10mol%となるように加
え、さらに20分間加熱攪拌を継続することで透明性の
ある粘性の高い溶液を得た。その後、加熱を中止し、こ
の粘性の高い溶液を速やかにフラットシャレー上に展開
するとともにガラス製試験管(内径12mm×長さ15
0mm)中に注ぎ、ともに一昼夜放冷することによりゲ
ル状電解質を作製した。
【0042】実施例2 エチレンカーボネート(EC)とガンマ−ブチロラクト
ン(GBL)の含有率を表1に示すように変えたこと以
外は実施例1と同様にしてゲル状電解質を作製した。
【0043】実施例3非水溶媒にプロピレンカーボネー
ト(PC)を添加し、エチレンカーボネート (EC)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)及びプロ
ピレンカーボネート(PC)を表1に示すような含有率
としたこと以外は実施例1と同様にしてゲル状電解質を
作製した。
【0044】比較例1 エチレンカーボネート(EC)とガンマ−ブチロラクト
ン(GBL)の含有率を表1に示すように変えたこと以
外は実施例1と同様にしてゲル状電解質を作製した。
【0045】比較例2 非水溶媒にガンマ−ブチロラクトンを添加せずにプロピ
レンカーボネート(PC)を添加し、エチレンカーボネ
ート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の含有
率を表1に示すような含有率とするとともにLiPF6
の含有率を8mol%に変えたこと以外は実施例1と同
様にしてゲル状電解質を作製した。
【0046】以上のようにして作製されたゲル状電解質
について、イオン伝導度、難燃性及び電荷移動抵抗につ
いて評価した。これらの特性の測定方法を以下に示す。
【0047】<イオン伝導度の測定>フラットシャレー
中のゲル状電解質を直径1.0cmの円柱状に切り出し
て2枚の白金円盤電極(直径1.0cm)の間に挟み込
み、インピーダンスアナライザー(商品名HP4192
A)を用いて複素インピーダンス法によりイオン伝導度
を測定した。測定条件は下記の通りである。なお、測定
は温度25℃下で行った。
【0048】印加電圧:0.5V 掃引周波数域:5〜13MHz <難燃性の試験>難燃性の試験は図1に示す装置を組ん
で行った。
【0049】この装置は、基台1上に2本の支柱2が固
定され、この2本の支柱2間に金網(ステンレス製、網
目形状:5mm×5mmの四角形)3が掛け渡されて構
成されている。この金網3の下側にはブタンガスバーナ
ー4が設けられている。このブタンガスバーナ4は、ガ
ス吹き出し口5が水平面に対する角度θが45゜となる
ような向きとされるとともに、ガスに引火された青炎7
が金網3を越えて上側に吹き出すような高さ位置に調整
される。一方、測定サンプル6は、試験管中のゲル状電
解質を130mmの長さで切断したものであり、上記金
網3上に載置される。
【0050】難燃性の評価は、測定サンプル6の端部か
ら6mmの部分に対してブタンガスバーナー4からの炎
7が当たるようにし、この状態で30秒間接炎させ続
け、炎を遠ざけた後にこの部分の燃焼の度合いを観察す
ることで行った。ここで、ゲル状電解質の燃焼部が端部
から25mmの標線Sに達しない場合を「不燃」と判定
し、燃焼部が25mmの標線Sを越えた場合を「燃焼
性」と判定した。
【0051】<電荷移動抵抗の測定>フラットシャレー
中のゲル状電解質を直径1.0cmの円柱状に切り出し
て2枚のリチウム金属(直径1.0cm)の間に挟み込
んだ後、インピーダンスアナライザー(商品名HP41
92A)を用いて複素インピーダンス法により電荷移動
抵抗の経時変化を観測した。測定条件は下記の通りであ
る。
【0052】印加電圧:0.01V 掃引周波数域:10mHz〜1kHz なお、電荷移動抵抗の経時的な増加は、電極材料となる
リチウム金属との接触によってゲル状電解質が変性し、
それにより生じた不動態皮膜が金属表面に堆積すること
に起因していると考えられる。したがって、電荷移動抵
抗はゲル状電解質のリチウム金属に対する化学的安定性
を反映する指標と見なすことができる。
【0053】以上のようにして測定されるイオン伝導度
及び難燃性の評価結果を表1に示す。また、電荷移動抵
抗の経時変化を図2に示す。
【0054】
【表1】
【0055】但し、ポリアクリロニトリル(PAN)の
モル分率は繰り返し単位構造の分子量によって算出した
ものである。
【0056】まず、表1に示すようにガンマ−ブチロラ
クトンを含有させた実施例1〜実施例3及び比較例1の
ゲル状電解質は、ガンマ−ブチロラクトンを含有させて
いない比較例2のゲル状電解質に比べて高いイオン伝導
度が得られる。
【0057】このことから、溶媒にガンマ−ブチロラク
トンを含有させることによってゲル状電解質のイオン伝
導度が高められることがわかる。
【0058】次に、図2の電荷移動抵抗の経時変化のう
ち、ガンマ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートの
混合系を用いた実施例1,実施例2及び比較例1のゲル
状電解質を比較すると、ガンマ−ブチロラクトンの含有
率を60mol%にした比較例1のゲル状電解質は10
0時間以前の比較的早期に電荷移動抵抗が急激に上昇す
るのに対して、ガンマ−ブチロラクトンの含有率を30
mol%以下に抑えた実施例1,実施例2のゲル状電解
質ではこの電荷移動抵抗の上昇が抑えられている。
【0059】このことから、ゲル状電解質の電荷移動抵
抗を抑えるためには、ガンマ−ブチロラクトンの含有率
を30mol%以下に抑える必要があることがわかる。
【0060】なお、プロピレンカーボネートを含有させ
た実施例3や比較例2のゲル状電解質は、プロピレンカ
ーボネートを含有させていないゲル状電解質に比べて電
荷移動抵抗の上昇が大きい傾向がある。したがって、電
荷移動抵抗の増大を抑えるためには、プロピレンカーボ
ネートの使用は最小限に抑えることが望ましい。
【0061】次に実際に上記ゲル状電解質を組み込んで
一次電池と二次電池を作製し、その特性を評価した。
【0062】一次電池の作製 電池の作製工程を図3から図7に示す。
【0063】まず、図3に示す正極板8を次のようにし
て作製した。
【0064】二酸化マンガン85重量%、グラファイト
10重量%、ポリフッ化ビニリデン5重量%を混合し、
さらにジメチルホルムアミドを粉体でほぼ等量加えた
後、混練することで正極合材を作製した。
【0065】この正極合材を、集電体となるステンレス
メッシュ上の2cm×2cmの領域に塗布した後、温度
120℃の乾燥器中で乾燥させ、ロールプレスした。そ
して、この電極板を、図3に示すように正極合剤の塗布
領域8aから帯状の集電体8bがはみ出した如き形状に
成型し、正極板8を作製した。
【0066】次に、厚さ30ミクロンのリチウム金属板
を2cm×2cmの寸法で裁断し、上述の正極板と略同
じ平面形状の集電体上に圧着することで負極板9を作製
した。
【0067】そして、これら正極板8と負極板9にゲル
状電解質を塗布した。
【0068】続いて、図4に示すような隔膜10となる
ポリプロピレン製の不織布(厚さ150ミクロン)を用
意し、図5に示すようにこの隔膜10にもゲル状電解質
11を塗布した。
【0069】なお、正極、負極、隔膜に塗布したゲル状
電解質は、先に示した実施例2の組成と同じ組成であ
る。
【0070】そして、図6に示すように、正極板8、隔
膜10、負極板9をこの順で重ね合わせ加圧することに
よって電極素子を形成した。
【0071】そして、得られた電極素子を、袋状の電池
外装材12となる熱融着性ラミネートフィルム(大日本
印刷社製)で覆い、図7に示すように、上部の熱融着部
12aを真空パッキングすることで平板形の一次電池を
作製した。なお、この熱融着性ラミネートフィルムは、
ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム
箔、ポリプロピレンフィルムの3層よりなり、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム側が電池の外側になる。
【0072】このようにして作製された一次電池の放電
特性を調べた。放電に際して放電電流密度は500μA
/cm2であり、放電終了は閉回路電圧が1.0Vに達
した時点とした。この放電特性を図8に示す。
【0073】図8に示すように、この一次電池は、平均
放電電圧が2.6〜2.8Vであり、放電曲線の平坦性
も良好である。このことから、このゲル状電解質は一次
電池の電解質材料として十分な性能を発揮することがわ
かった。
【0074】二次電池の作製 ニッケル酸リチウム90重量%、グラファイト8重量
%、ポリフッ化ビニリデン2重量%を混合し、さらにジ
メチルホルムアミドを粉体でほぼ等量加えた後、混練す
ることで正極合材を作製した。
【0075】この正極合材を、集電体となるステンレス
メッシュ上の2cm×2cmの領域に塗布した後、温度
120℃の乾燥器中で乾燥させ、ロールプレスした。そ
して、この電極板を、正極合剤の塗布領域から帯状の集
電体がはみ出した如き形状に成型し、正極板を作製し
た。
【0076】次に、メソフェース小球体系炭素90重量
%、ポリフッ化ビニリデン10重量%を混合し、さらに
ジメチルホルムアミドを粉体でほぼ等量加えた後、混練
することで負極合材を作製した。
【0077】この負極合材を、集電体となるステンレス
メッシュ上の2cm×2cmの領域に塗布した後、温度
120℃の乾燥器中で乾燥させ、ロールプレスした。そ
して、この電極板を、負極合剤の塗布領域から帯状の集
電体がはみ出した如き形状に成型し、負極板を作製し
た。
【0078】以上のようにして作製された正極板と負極
板を用いること以外は図4〜図7に示したのと同様の工
程で平板形の二次電池を作製した。
【0079】この作製された二次電池の充放電特性を調
べた。
【0080】充電は4.2Vにて定電圧法に切り替わる
定電流定電圧法で行い、充電電流を512μA/c
2、充電時間を10時間に設定した。また、放電は、
定電流法で行い、512μA/cm2にて連続放電を行
い、閉回路電圧が2.5Vになる時点まで測定を行っ
た。
【0081】図9に、充放電3サイクル目の充放電特性
を示す。図9から、電池の平均電圧は3.61V、充放
電効率は99%であることがわかり、優れた可逆性を示
すことが判明した。このことから、このゲル状電解質は
高エネルギー密度を有する二次電池の電解質材料として
に十分な性能を発揮することがわかった。
【0082】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の電池は、ポリアクリロニトリルを含有する高分子材
料、ガンマ−ブチロラクトンを含有する非水溶媒及びL
iPF6を主体とする電解質塩よりなり、上記ガンマ−
ブチロラクトンの含有率が30mol%以下となされた
ゲル状電解質を用いるので、難燃性に優れるとともに、
良好な電池性能が得られ、その電池性能を長期間保存後
にも維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】難燃性試験の測定に使用した装置の構成を示す
模式図である。
【図2】電荷移動抵抗の経時変化を示す特性図である。
【図3】電池の作製方法を工程順に示すものであり、正
極板と負極板を示す模式図である。
【図4】隔膜を示す模式図である。
【図5】隔膜へのゲル状電解質塗布工程を示す模式図で
ある。
【図6】正極板、隔膜、負極板の電池外装材への収納工
程を示す模式図である。
【図7】電池外装材の熱融着工程を示す模式図である。
【図8】ゲル状電解質を適用した一次電池の放電特性を
示す特性図である。
【図9】ゲル状電解質を適用した二次電池の充放電特性
を示す特性図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極及び負極と、 ポリアクリロニトリルを含有する高分子材料、ガンマ−
    ブチロラクトンを含有する非水溶媒及びLiPF6を主
    体とする電解質塩よりなるゲル状電解質とを有してな
    り、 上記ゲル状電解質のガンマ−ブチロラクトンの含有率
    は、30mol%以下であることを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】 非水溶媒は、ガンマ−ブチロラクトンと
    エチレンカーボネートの混合溶媒であることを特徴とす
    る請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 非水溶媒は、ガンマ−ブチロラクトンと
    エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートの混
    合溶媒であることを特徴とする請求項1記載の電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027856A1 (en) * 2000-09-29 2002-04-04 Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. Lithium secondary battery
KR100687160B1 (ko) * 1999-02-19 2007-02-27 소니 가부시끼 가이샤 겔 전해질 및 겔 전해질 전지

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