JPH11168859A - 整流子およびそれを用いたインタンク式燃料ポンプ - Google Patents

整流子およびそれを用いたインタンク式燃料ポンプ

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JPH11168859A JP33178997A JP33178997A JPH11168859A JP H11168859 A JPH11168859 A JP H11168859A JP 33178997 A JP33178997 A JP 33178997A JP 33178997 A JP33178997 A JP 33178997A JP H11168859 A JPH11168859 A JP H11168859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシと接触部との間の接触電圧降下を低減
する整流子を提供する。 【解決手段】 整流子60は、ブラシと摺動する接触部
61と、接触部61を支持する樹脂製の支持部とからな
る。接触部61は溝64により互いに電気的に絶縁され
た8個のセグメント62に分割されている。溝65は各
セグメント62のブラシとの摺動側に放射状に一つずつ
形成されている。溝65の深さはセグメント62の厚み
よりも浅いので、溝65を挟んだ各セグメント62の両
側は電気的に導通している。整流子60の回転に伴い溝
64に加え溝65がブラシと接触部61との間の燃料を
かきだすとともに、整流子60の遠心力により溝65に
沿って燃料が径方向外側に流出することにより、ブラシ
と接触部61との間に形成される液膜の厚さが薄くな
り、ブラシと接触部61との間の接触電圧降下が低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整流子およびそれ
を用いた燃料ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車用の燃料ポンプ
として、モータ部およびポンプ部を内蔵した電磁駆動式
のインタンク式の燃料ポンプが多く使用されている。モ
ータ部の複数に分割された整流子の接触部がブラシと摺
動することによりコイルを巻回した電機子に電源から電
圧が印加され、電機子が回転する。この電機子の回転に
よりポンプ部のインペラが回転し燃料が燃料タンクから
吸い上げられ、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジ
ンという)に供給される。
【0003】このような燃料ポンプに用いられる整流子
として米国特許番号第5175463号の明細書および
図面に開示されるものが知られている。ここに開示され
る整流子はブラシとの接触部にカーボン材を用い、整流
子の耐久性を向上させようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポンプ部およびモータ
部を内蔵したインタンク式の燃料ポンプでは、ブラシと
整流子との摺動箇所を燃料が満たしている。整流子とブ
ラシとが低速で摺動する場合、整流子とブラシとは電気
的に良好に導通しているが、整流子とブラシとが高速で
摺動する場合、整流子とブラシとの間に形成される燃料
の液膜が厚くなり、整流子とブラシ間の接触電圧降下が
増加する。整流子とブラシとの間の接触電圧降下が増加
すると整流子からモータ部のコイルに印加される電圧が
低下するので、モータ部で生じるトルクが低下し、燃料
吐出量が減少するという問題がある。特に、軽油等の粘
性の高い燃料を圧送する燃料ポンプでは、整流子とブラ
シ間の液膜の厚みが増加しやすいので、燃料吐出量が減
少し易い。
【0005】本発明の目的は、ブラシとの接触部との間
の接触電圧降下を低減する整流子を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、ブラシから整流子を経て印加
される電圧の低下を低減し、燃料吐出量を増加するイン
タンク式燃料ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
整流子によると、複数のセグメントからなる接触部のブ
ラシとの摺動側に各セグメント内の電気的導通を保持し
ながら凹部を形成している。液体中に整流子が配設され
ても、ブラシと接触部との間に存在する液体を整流子の
回転とともに凹部が取り除くので、ブラシと接触部との
間に形成される液膜の厚さを薄くすることができる。し
たがって、ブラシと接触部との間の接触電圧降下を低減
することにより、整流子から電機子のコイルに所定の電
圧を印加することができる。
【0007】本発明の請求項2記載の整流子によると、
平板状に形成された接触部の回転中心から放射状に溝を
形成することにより、この溝がブラシと接触部との間か
ら液体をかきだすとともに、遠心力により溝を通って液
体が径方向外側に流れる。したがって、ブラシと接触部
との間に形成される液膜の厚さを薄くし、ブラシと接触
部との間の接触電圧降下を低減することができる。
【0008】本発明の請求項3記載の整流子によると、
円筒状に形成された接触部の軸方向に溝を形成すること
により、この溝がブラシと接触部との間から液体をかき
だす。したがって、ブラシと接触部との間に形成される
液膜の厚さを薄くし、ブラシと接触部との間の接触電圧
降下を低減することができる。本発明の請求項4記載の
整流子によると、請求項2または3記載の整流子の構成
において形成する溝の幅を0.1mm〜2mmにしている。
なぜなら、0.1mmよりも溝の幅が狭いと液体をかきだ
す能力が低下し、ブラシと接触部との間に形成される液
膜の厚さを薄くすることが困難になる。また、2mmより
も溝の幅が広いとブラシが溝を通過する際にブラシと整
流子との電気的な非導通時間が長くなり、電機子で発生
するトルクが低下するからである。
【0009】本発明の請求項5記載の整流子によると、
カーボン材を用いて接触部を形成することにより、燃料
中の水分、酸または硫黄等による腐食がなくなり摩耗限
界に達するまでの接触部の寿命が長くなる。したがっ
て、整流子の耐久性を向上させることができる。本発明
の請求項6記載の整流子によると、金属材を用いて接触
部を形成することにより接触部の加工が容易である。
【0010】本発明の請求項7記載のインタンク式燃料
ポンプによると、請求項1〜6記載の整流子を用いるこ
とにより、燃料ポンプのモータ部に供給される電力の低
下を防止できる。したがって、燃料ポンプの吐出能力の
低下を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例について図に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の整流子をインタンク式燃料ポン
プに適用した第1実施例を図3に示す。燃料ポンプ10
はポンプ部20とこのポンプ部20を駆動する電磁駆動
部としてのモータ部30とから構成されている。モータ
部30はブラシ付の直流モータであり、円筒状のハウジ
ング11内に永久磁石を環状に配置し、この永久磁石の
内周側に同心円上に電機子32を配置した構成となって
いる。
【0012】ポンプ部20は、ケーシング本体21、ケ
ーシングカバー22およびインペラ23等から構成さ
れ、ケーシング本体21およびケーシングカバー22
は、例えばアルミのダイカスト成形により形成されてい
る。ケーシング本体21はハウジング11の一方の端部
内側に圧入固定されており、その中心に嵌着された軸受
24が電機子32の回転シャフト35を回転自在に支持
している。ポンプ部20で吸入された燃料はモータ部3
0の燃料室31に圧送される。一方、ケーシングカバー
22は、ケーシング本体21に被せられた状態でハウジ
ング11の一端にかしめ等により固定されている。この
ケーシングカバー22の中心にはスラスト軸受25が固
定され、これによって回転シャフト35のスラスト荷重
が受けられるようになっている。ケーシングカバー22
には吸入口40が形成されており、図示しない燃料タン
ク内の燃料が吸入口40からポンプ部20のポンプ流路
41に吸入される。ケーシング本体21およびケーシン
グカバー22により一つのケーシングが構成され、その
内部にインペラ23が回転自在に収容されている。
【0013】インペラ23の周縁部には羽根片が形成さ
れており、インペラ23の回転により吸入口40からポ
ンプ流路41に吸入された燃料は燃料室31に圧送され
る。電機子32はモータ部30内に回転自在に収容さ
れ、コイルがコア32aの外周に巻回されている。整流
子60は電機子32の図1の上部に配設されている。図
示しない電源から、コネクタ45に埋設されたターミナ
ル46、図示しないブラシ、整流子60を介してコイル
に電力が供給される。
【0014】整流子60は、図1および図2に示すよう
にブラシと摺動する接触部61と、接触部61を支持す
る樹脂製の支持部69とからなる。接触部61は銅また
は他の金属で形成されており、全体として円板状に形成
されている。接触部61は溝64により等角度間隔に8
個のセグメント62に分割されている。溝64は支持部
69にまで達しているので、各セグメント62は互いに
電気的に絶縁されている。爪部62aは外周側に突出し
ており、コイルの端部をヒュージングすることにより爪
部62aはコイルと電気的に接続している。
【0015】凹部としての溝65は各セグメント62の
ブラシとの摺動側に放射状に一つずつ形成されている。
溝65の深さはセグメント62の厚みよりも浅いので、
溝65を挟んだ各セグメント62の両側は電気的に導通
している。溝65の幅は0.1〜2mmの範囲内で設定さ
れている。図2に示す62b、69aは溝64に面した
セグメント62、支持部69の端面を示し、62cは溝
65に面したセグメント62の端面を示している。
【0016】図4は第1実施例に示す整流子の変形例で
あり、接触部66をカーボン材で形成したものである。
整流子以外の構成は第1実施例と同一である。接触部6
6は溝64により8個のセグメント67に分割されてお
り、銅製の端子も溝64により8個の端子68に分割さ
れている。各セグメント67と各端子68とは、はんだ
付け等により電気的に接続されている。図4において、
67a、68aは溝64に面したセグメント67、端子
68の端面を示し、67b、68bは溝65に面したセ
グメント67、端子68の端面を示している。
【0017】第1実施例および変形例の作動について説
明する。整流子60からコイルに電圧が印加され電機子
32が回転すると、電機子32の回転シャフト35とと
もにインペラ23が回転する。インペラ23が回転する
と、吸入口40からポンプ流路41内に燃料が吸入さ
れ、この燃料がインペラ23の各羽根片から運動エネル
ギーを受けてポンプ流路41内から燃料室31に圧送さ
れる。燃料室31に圧送された燃料は、電機子32の周
囲を通過して燃料吐出口43から燃料ポンプ外に吐出さ
れる。
【0018】整流子は燃料室31の中に配置されている
ので、ブラシと接触部との摺動箇所は燃料で満たされて
いる。電機子32が低速で回転しているときブラシと各
セグメント62とは互いに確実に摺動しているので、ブ
ラシとセグメント62との電気的導通は良好に行われ
る。しかし、図5に示すように電機子32の回転数が増
加すると、ブラシと各セグメントとの間に形成される燃
料の液膜が厚くなり、ブラシと接触部との間の接触電圧
降下が大きくなる。
【0019】同じ整流子の構成では、図5の◇と◆とで
示すグラフから分かるように、ガソリンよりも粘性の高
い軽油の方がブラシと接触部との間に形成される液膜が
厚くなるので回転数の増加に伴う接触電圧降下が大きく
なる。また、図5の◇と●とで示すグラフから分かるよ
うに、同じ燃料を用い、セグメントを電気的に絶縁する
溝64だけを形成した場合には、接触部をカーボン材で
形成したものよりも銅で形成したものの方が回転数の増
加に伴う接触電圧降下が小さくなる。
【0020】そして、図5の◆と▲とで示すグラフから
分かるように、各セグメントを絶縁する溝64だけを形
成したものよりも溝65を追加したものの方が回転数の
増加に伴う接触電圧降下が高回転時において2V低減し
ている。図5ではカーボン材で接触部を形成し、同じ燃
料を使用した場合の溝65の有無を◆および▲で示した
が、銅で接触部を形成した場合も、溝64だけを形成し
たものよりも溝65を追加したものの方が回転数の増加
に伴う接触電圧降下が低減する。
【0021】これは、整流子の回転に伴い溝64に加え
溝65がブラシと接触部との間の燃料をかきだすととも
に、整流子の遠心力により放射状に形成された溝65に
沿って燃料が径方向外側に流出することにより、ブラシ
と接触部との間に形成される液膜の厚さが薄くなるから
である。以上説明した第1実施例および変形例では、接
触部を銅またはカーボン材のいずれで形成しても、セグ
メントを絶縁する溝64だけを形成するよりも、さらに
溝65を追加した方が回転数の増加に伴うブラシと接触
部との間の接触電圧降下を低減できる。
【0022】さらに、変形例のようにカーボン材で接触
部を形成することにより燃料中の水分、酸または硫黄等
による腐食がなくなるので、燃料ポンプの寿命を延ばす
ことができる。 (第2実施例)本発明の第2実施例を図6および図7に
示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符号
を付す。
【0023】第2実施例の整流子70では、ブラシと接
触部61との間に形成される液膜を薄くするための凹部
としての溝71は放射状に、かつ折り曲げて形成されて
いる。第2実施例においても、整流子70の回転に伴い
溝71がブラシと接触部61との間の燃料をかきだすと
ともに、整流子70の回転に伴い発生する遠心力により
放射状に形成された溝71に沿って燃料が径方向外側に
流出する。したがって、ブラシと接触部61との間に形
成される液膜の厚さを薄くし、回転数の増加に伴うブラ
シと接触部との間の接触電圧降下を低減できる。
【0024】(第3実施例)本発明の第3実施例を図8
および図9に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分
には同一符号を付す。第3実施例の整流子75では、ブ
ラシと接触部61との間に形成される液膜を薄くするた
めの凹部としての溝76は環状に形成されている。整流
子75の回転に伴い発生する遠心力により、環状の溝7
6内の燃料は溝64を通って径方向外側に流出する。し
たがって、ブラシと接触部61との間に形成される液膜
の厚さを薄くし、回転数の増加に伴うブラシと接触部と
の間の接触電圧降下を低減できる。
【0025】(第4実施例)本発明の第4実施例を図1
0および図11に示す。整流子80は、ブラシと摺動す
る接触部81と、接触部81の内周側に接触部81と一
体に形成され接触部81を支持する樹脂製の支持部85
とからなる。接触部81は銅または他の金属で形成され
ており、全体として円柱状に形成されている。接触部8
1は溝83により等角度間隔に12個のセグメント82
に分割されている。溝83は支持部85にまで達してい
るので、各セグメント82は互いに電気的に絶縁されて
いる。爪部82aは外周側に突出しており、コイルの端
部をヒュージングすることにより爪部82aはコイルと
電気的に接続している。
【0026】凹部としての溝84は各セグメント82の
ブラシとの摺動側に軸方向に形成されている。溝84の
深さはセグメント82の厚みよりも浅いので、溝84に
より各セグメント82は電気的導通を保っている。図1
1に示す82b、85aは溝83に面したセグメント8
2、支持部85の端面を示し、82cは溝84に面した
セグメント82の端面を示している。
【0027】第4実施例においても、整流子80の回転
に伴い溝84がブラシと接触部81との間の燃料をかき
だす。したがって、ブラシと接触部81との間に形成さ
れる液膜の厚さを薄くし、回転数の増加に伴うブラシと
接触部81との間の接触電圧降下を低減できる。以上説
明した本発明の実施の形態を示す上記複数の実施例で
は、接触部のブラシと摺動する側に各セグメントを電気
的に絶縁する溝以外の溝を形成することにより、ブラシ
と接触部との間から燃料がかきだされるか、またはブラ
シと接触部との摺動箇所から燃料が流出する。したがっ
て、ブラシと接触部との間に形成される液膜の厚さが薄
くなり、ブラシと接触部との間の接触電圧降下を低減す
るこができるので、燃料ポンプのモータ部に印加される
電圧が増加し、燃料ポンプの燃料吐出量が増加する。
【0028】また、ブラシと接触部との間に形成される
液膜を薄くするための凹部は、格子状または梨地状に形
成してもよいし、小さな凹みを接触部に均一に形成して
もよい。また本実施例は、インタンク式の燃料ポンプに
本発明の整流子の構成を適用したものであるが、燃料ポ
ンプに限らず液体中に整流子が配設される使用分野であ
ればどのような分野においても本発明の整流子を用いる
ことが効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による整流子を示す平面図
である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第1実施例による燃料ポンプを示す断面図であ
る。
【図4】第1実施例の変形例による整流子を示す断面図
である。
【図5】接触部の材質、液膜低減用溝の有無および燃料
の違いによる回転数と接触電圧降下との関係を示す特性
図である。
【図6】本発明の第2実施例による整流子を示す平面図
である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【図8】本発明の第3実施例による整流子を示す平面図
である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】本発明の第4実施例による整流子を示す平面
図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【符号の説明】
10 燃料ポンプ 11 ハウジング 20 ポンプ部 30 モータ部 32 電機子 60 整流子 61 接触部 62 セグメント(接触部、整流子) 69 支持部(整流子)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシと摺動する接触部は互いに電気的
    に絶縁された複数のセグメントを有し、各セグメント内
    での電気的導通を保持しながら前記接触部の前記ブラシ
    との摺動側に凹部を形成していることを特徴とする整流
    子。
  2. 【請求項2】 前記接触部は平板状に形成され、前記凹
    部は前記接触部の回転中心側から放射状に形成される溝
    であることを特徴とする請求項1記載の整流子。
  3. 【請求項3】 前記接触部は円筒状に形成され、前記凹
    部は前記接触部の軸方向に形成される溝であることを特
    徴とする請求項1記載の整流子。
  4. 【請求項4】 前記溝の幅は、0.1mm〜2mmであるこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の整流子。
  5. 【請求項5】 前記接触部はカーボン材を用いて形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    記載の整流子。
  6. 【請求項6】 前記接触部は金属材を用いて形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載
    の整流子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の整流子を用いること
    を特徴とするインタンク式燃料ポンプ。
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