JPH11173495A - 車載式塗油方法及び装置 - Google Patents

車載式塗油方法及び装置

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JPH11173495A
JPH11173495A JP34316697A JP34316697A JPH11173495A JP H11173495 A JPH11173495 A JP H11173495A JP 34316697 A JP34316697 A JP 34316697A JP 34316697 A JP34316697 A JP 34316697A JP H11173495 A JPH11173495 A JP H11173495A
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rail
angular velocity
oiling
oil
vehicle
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JP34316697A
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English (en)
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Kenichi Kaneko
健一 金子
Kenzo Saito
健三 斉藤
Koichi Nakatsuka
公一 中塚
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East Japan Railway Co
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HEWTEC ORIGIN KK
East Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2本のレールの曲線路の外側のレール又は車輪
の限定的位置に対し適正に塗油できると共に、塗油の無
駄がなく、かつ、周囲環境の油汚損も少なくでき、しか
も、配管も簡素化できる車載式塗油方法を得ることにあ
る。 【解決手段】2本のレール上を走行する鉄道車両に搭載
した角速度センサで、前記レールの曲線路において鉄道
車両の角速度を検出する。この検出された角速度に基づ
き前記曲線路の曲り方向を判定する。検出された角速度
の大きさが大きい程電磁式プランジャポンプを速く動作
させて液状潤滑油を圧送して、この潤滑油を前記曲線路
の外側のレールに近接する塗油ノズルから間欠的に噴射
させる。それにより、前記外側のレールの頭部頂面とこ
のレールにおける前記曲線路の内側に位置された頭部側
面との境目に、非接触給油することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両に搭載さ
れた塗油器を用いて鉄道車両が走行するレール又はこの
レール上を転動する鉄道車両の車輪に対してレールの曲
線路において潤滑油を塗油するための車載式塗油方法に
関するとともに、この塗油方法を実施する車載式塗油装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】レールの曲線路に対して塗油するために
従来では、レール振動式グリース塗油方法及び装置と、
車載式塗油方法及び装置とが知られている。前者のもの
は、レールのレール曲線路の任意個所に塗油装置を配置
して実施される。この塗油装置は、前記レール曲線路の
レールに近接する塗油部材と、鉄道車両の走行に基づく
レールの振動を機械的に検出する振動検出器と、この検
出に伴い前記塗油部材にノズルを介してグリースを供給
する塗油機構部とを具備している。走行する鉄道車両が
レール曲線路に近づくとこの曲線路においてレールは振
動を発生するため、塗油装置においては、その振動検出
器がレールの振動を検出することに基づき、レールの振
動を利用して塗油機構部を動作させることにより、ノズ
ルから塗油部材にグリースを滲み出させて供給する。し
たがって、鉄道車両がレール曲線路に差し掛かった時
に、その車輪のフランジが塗油部材を通過することに伴
い、グリースを車輪のフランジにかすり取られるように
付着させて、さらに、この車輪からレールに転写させて
塗油することができる。
【0003】又、鉄道車両に塗油装置を搭載して塗油を
行なう後者の車載式のものは、レールの曲線路を検出す
るために、近接スイッチや光電スイッチ或いはこれらと
機械式のてことを併用して形成されるレール曲線検出機
構を備え、この機構により鉄道車両の台車に対する車体
の変位量を検出している。そして、前記検出量が所定値
以上であるときに、鉄道車両のエアータンクに通じる電
磁弁を開いて、それにより、供給される圧縮エアーの圧
力を利用して潤滑油タンク内の液体潤滑油を吸上げると
ともに、この吸上げた潤滑油を車輪若しくはレールに接
近して配置された噴霧ノズルからエアーとともに噴霧す
ることによって、レール等に塗油するようになってい
る。
【0004】ところで、鉄道車両の走行においてレール
曲線路では、鉄道車両に働く横力が影響して、レール直
線路に比較して車輪フランジ及びレールの摩耗が大き
く、かつ、車両走行性が悪いことが知られているが、前
記のような従来の塗油方法及び装置を用いてレール等を
潤滑する塗油を行なうことは、レールや車輪の寿命及び
走行性を緩和できる点で有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記レール振
動式グリース塗油方法及び装置によれば、レールの各曲
線路について個別に塗油装置を設置しなければならない
ので、設備上不経済である。それだけではなく、車両の
車輪と接触する形で塗油装置を近接配置することに加え
てレール振動により動かされるために、安全性に問題が
あるとともに、塗油装置の取付け調整が非常に微妙であ
って、その保守も大変であるという問題がある。
【0006】又、前記車載式塗油方法及び装置によれ
ば、前記のような諸問題を改善できるが、その塗油装置
においては、電気配線用及び潤滑油用の配管のほかにエ
アー配管が必要となるので、配管構造が複雑であるとと
もに、レール曲線検出機構の構造が複雑であり、その車
両への取付けにも多くの加工を必要とするという問題が
ある。しかも、この検出機構がレール曲線路を検出して
いる間中エアーとともに潤滑油を霧状に噴射して連続塗
油するため、潤滑油が飛散して周囲の環境を汚損すると
ともに、前記飛散により例えばレール等の狙った所に限
定して塗油することができず、レールの頭部頂面又は車
輪のレール踏面にも塗油されてしまい、それが原因でレ
ール曲線路におけるレールに対する車輪の滑りを生じさ
せる恐れがある。更に、鉄道車両がレール曲線路にいる
限り前記レール曲線検出機構はレール曲線路を検出し続
けるので、この曲線路に鉄道車両が停車した状態で電源
が供給されていた場合には、鉄道車両の停車中にも拘ら
ず前記噴霧による塗油が継続してしまい無駄が多いとい
う問題もある。
【0007】又、前記レール振動式グリース塗油方法及
び装置は、その塗油装置の設置場所でのみ塗油できるも
のであり、後者の車載式塗油方法及び装置ではレール曲
線路に対して連続塗油できるものであるが、車速やレー
ル曲線路の大きさ等を考慮して塗油するものではなく、
これらの条件に拘らず一律に塗油しているに過ぎないか
ら、適正な塗油を行なっているとは言い難かった。
【0008】したがって、本発明が解決しようとする第
1の課題は、2本のレールのレール曲線路の外側のレー
ル又は車輪の限定的位置に対して適正に塗油できるとと
もに、塗油の無駄がなく、かつ、周囲環境の油汚損も少
なくでき、しかも、配管も簡素化できる車載式塗油方法
及び装置を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために、請求項1の発明方法は、平行に敷設された2
本のレール上を走行する鉄道車両に搭載した角速度セン
サにより、前記鉄道車両が前記レールのレール曲線路を
走行する際に前記鉄道車両の角速度を検出し、この検出
された角速度に基づき前記レール曲線路の曲り方向を判
定し、次に、前記検出された角速度の大きさが大きい程
電磁式ポンプを速く動作させて液状潤滑油を圧送して、
この潤滑油を前記レール曲線路の外側のレール又はこの
レール上を転動する車輪に近接する塗油ノズルから間欠
的に噴射させて、前記レール曲線路の外側のレールの頭
部頂面と頭部側面との境目、又は、前記レール曲線路の
外側の車輪におけるフランジとレール踏面との境目に、
非接触給油することを特徴とするものである。
【0010】一般に、鉄道車両がレール曲線路に差し掛
かった際において、鉄道車両には、その速度及びレール
曲線路の曲率に依存して発生する横力が鉄道車両に作用
するので、この車両におけるレール曲線路の外側の車輪
のフランジが、レール曲線路の外側のレールが有するレ
ール頭部におけるレール曲線路内側の頭部側面と頭部頂
面との境目に競り合うことは知られている。
【0011】ところで、走行する鉄道車両の角速度(す
なわち、単位時間当たりの角度変化)は、鉄道車両の速
度及びレール曲線路の曲率に依存するものであり、レー
ル曲線路の曲率が小さいほど角速度は大きく、同様に、
車速が速いほど角速度は大きいから、鉄道車両の角速度
の変化によって、レールが直線路であるのか曲線路であ
るのか、そして、レール曲線路であればどのような向き
の曲線路なのか等を知るデータを得ることができる。
【0012】そのため、請求項1の発明方法において
は、まず、角速度センサでレール曲線路を走行する鉄道
車両の角速度を検出してから、その検出された角速度に
基づいてレール曲線路の曲り方向を判定する。次に、判
定された曲り方向に対応する電磁式ポンプを、検出した
角速度の大きさにしたがって動作させる。この動作にお
いて、鉄道車両の角速度が大きいほど、言い換えれば、
鉄道車両の車速が速い程、又、レール曲線路の曲率が小
さいほど、前記ポンプを速く動作させる。それにより、
レール曲線路における外側のレール又はこのレール上を
転動する車輪に対して、前記ポンプに連通する塗油ノズ
ルから定量の液状潤滑油を間欠的に噴射させる。したが
って、こうした角速度に応じた間欠的な塗油により、レ
ール曲線路の曲率及び車速に応じた適正な量の潤滑油を
レール又は車輪に塗油できる。しかも、こうして塗油さ
れる潤滑油は、エアーの圧力を利用するものではなく前
記ポンプの圧力により噴射されるので、噴霧状態となる
ことがなく噴射される定量の液状潤滑油は、あたかも短
い線状にまとまった状態を維持して噴射され、レール等
に付着する。それにより、レール曲線路に鉄道車両が差
し掛かった際に、レール曲線路の外側のレールの頭部頂
面と頭部側面との境目、又は、前記レール曲線路の外側
の車輪におけるフランジとレール踏面との境目に限定し
て、そこに非接触給油することができる。又、レール曲
線路の曲率が極めて大きく実質的にレール直線路と見做
し得る場合、及びレール曲線路に鉄道車両が停車した場
合には、レール直線路を走行する場合と同様に鉄道車両
の角速度は生じないか若しくは無視できる程度に極めて
小さいから、前記ポンプを動作させるには至らない。
【0013】又、同様に前記第1の課題を解決するため
に、請求項2の発明装置は、平行に敷設された2本のレ
ール上を走行する鉄道車両に搭載されこの鉄道車両が前
記レールの曲線路を走行する際に前記鉄道車両の角速度
を検出する角速度センサと、前記鉄道車両に搭載されて
前記レール曲線路の曲り方向に対応して液状潤滑油を圧
送する複数の電磁式ポンプと、これらポンプの吐出し口
に個別に連通されるとともに、前記2本のレール又はこ
れらレール上を転動する前記鉄道車両の車輪に近接して
前記鉄道車両に搭載される塗油ノズルと、前記角速度セ
ンサの出力を処理して、検出された角速度に基づき前記
レール曲線路の曲り方向を判定し、この判定に従い前記
各電磁式ポンプのうち判定された曲り方向に対応する方
のポンプを選択し、この選択されたポンプを前記検出さ
れた角速度の大きさが大きい程速く動作させて液状潤滑
油を前記塗油ノズルに圧送させる塗油制御手段と、を具
備し、前記選択された電磁式ポンプから圧送された潤滑
油を前記レール曲線路の外側のレール又はこのレール上
を転動する車輪に近接する前記塗油ノズルから間欠的に
噴射させて、前記レール曲線路の外側位置のレールの頭
部頂面と頭部側面との境目、又は、前記レール曲線路の
外側位置の車輪におけるフランジとレール踏面との境目
に、非接触給油することを特徴とするものである。
【0014】この請求項2の発明装置において、角速度
センサは鉄道車両の角速度を検出する。そして、レール
曲線路に鉄道車両が差し掛かった際に各電磁ポンプは、
そのポンプ動作により定量の液状潤滑油を吸込むととも
に吐出し、これらのポンプに個別に連通された夫々の塗
油ノズルは、前記ポンプから圧送される定量の液状潤滑
油をあたかも短い線状にまとまった状態を維持して噴射
させる。それにより、レール曲線路の外側のレールの頭
部頂面と頭部側面との境目、又は、前記レール曲線路の
外側の車輪におけるフランジとレール踏面との境目に限
定して、そこに前記のように噴射した潤滑油を付着させ
る。又、塗油制御手段は、それに供給される角速度セン
サの出力を処理して、この出力からレール曲線路の曲り
方向を判定して、前記各ポンプの中から判定された曲り
方向のレール等に塗油するためのポンプを選択して動作
させるとともに、この動作にあたり角速度が大きい程、
選択された前記ポンプのポンプ動作を速める制御をす
る。それにより、検出された角速度に応じた間欠的な塗
油、すなわち、レール曲線路の曲率及び車速に応じた適
正な量の潤滑油をレール又は車輪に塗油できる。更に、
塗油制御手段は、それに供給される角速度センサの出力
を処理して、レール曲線路の曲率が極めて大きく実質的
にレール直線路と見做し得る場合、及びレール曲線路に
鉄道車両が停車した場合には、レール直線路を走行する
場合と同様に前記ポンプの動作を停止させる。したがっ
て、この請求項2の発明装置は請求項1の発明方法を実
施して塗油できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を参照して本
発明の第1の実施の形態を説明する。本発明の車載式塗
油方法を実施してレール曲線路においてこの曲線部の外
側位置のレールのみに非接触塗油する車載式塗油装置
は、図1に示されるように互いに平行に敷設された2本
のレールA、B上を走行する鉄道車両(以下単に車両と
略称する。)に搭載される。この搭載において以下説明
する塗油装置は、列車を構成するいずれかの車両の少な
くとも一つに搭載されるが、列車の走行方向の切換えに
対応できるようにするために、少なくとも列車の先頭車
両及び後尾車両の夫々に搭載することが好ましい。又、
搭載車両に対しては、レールAに対応する第1塗油系統
とレールBに対応する第2塗油系統を有する車載式塗油
装置が1以上搭載される。
【0016】なお、レールA、Bの構成は図10に代表
して示され、この図中dはレール頭部、Eは頭部頂面
(又は踏面ともいう。)、f1、f2は頭部側面であ
る。同様に、レールA、B上を転動する車体の車輪Cの
構成は図11に代表して示され、この図中gはフラン
ジ、hはレール踏面である。
【0017】図1に示されるように塗油装置は、車両の
車体又は台車に設置されて液状潤滑油を蓄える油タンク
1と、このタンク1に接続された第1塗油系統2及び第
2塗油系統3と、車体に設置される制御盤4と、この制
御盤4の制御出力を前記両系統に個別に及ぼす第1、第
2の電気配線系統5、6とから形成されている。電気配
線系統5、6は電力用及び信号用のケーブルからなる。
【0018】第1、第2の塗油系統2、3は同じ構成で
あり、これらは、配管の引き回しに便利なようにゴム製
等からなる低圧送油管11と、この送油管11の先端に
吸い込み口12aを連結して接続された電磁式ポンプ例
えば電磁式プランジャポンプ12(以下ポンプと略称す
る。)と、このポンプ12の吐出し口12bに接続され
高圧ホースからなる高圧送油管13と、この送油管13
の先端に接続された塗油ノズル14とから形成されてい
る。ポンプ12はその取付けブラケット15を介して車
体又は台車に設置されるものであり、これには前記第1
電気配線系統5又は第2電気配線系統6が接続されてい
て、これらを介して前記両系統2、3のポンプ12は制
御盤4により後述のように制御される。各塗油ノズル1
4はその取付けブラケット16を介して台車に設置され
る。
【0019】ポンプ12の構成は図2に示されている。
すなわち、図2中符号21で示すポンプケーシングは、
中間ケーシング22の上側に上部ケーシング23をリン
グ状の液密用パッキング24を挟んでボルト止め等によ
り連結し、中間ケーシング22の下側に下部ケーシング
25をリング状の液密用パッキング26を挟んでボルト
止め等により連結して形成されている。このポンプケー
シング21は、その上部ケーシング23を上に位置させ
た垂直若しくは斜めの姿勢で取付けブラケット15を介
して車両に固定される。
【0020】上部ケーシング23の下部中央にはその下
側から挿入されたピストン支持ブロック27がねじ止め
されている。このブロック27の中心部にはガイド孔2
8が貫通されていて、この孔28の上端部と連通する導
油溝29が前記ブロック27の半径方向に延びてその上
端面に形成されている。なお、27aは上部ケーシング
22と前記ブロック27との間を液密にシールするリン
グ状のパッキングである。
【0021】上部ケーシング23の上部中央にはガイド
孔28の真上に位置してこの孔28に連通する段付きの
出油孔30が開けられている。この孔30には、前記高
圧送油管13が接続される吐出し口12bをなす継手状
の吐出し口体が取付けられているとともに、この吐出し
口12bと前記出油孔30の段部との間に挟まれて出油
側チェック弁31が収容されている。この弁31は、前
記段部を弁座として着座するボール製の弁体と、これを
前記段部に常に押付けるように付勢するコイルばねとか
らなり、前記ガイド孔28から吐出し口12b方向の所
定圧力以上の潤滑油の流れは許すが、その逆の流れは妨
げるものである。
【0022】更に、上部ケーシング23には、前記導油
溝29に連通する導油通路32が設けられているととも
に、この通路32に連通して前記吸込み口12aをなす
継手状の吸込み口体及び吸入側チェック弁33が取付け
られている。吸込み口12aには既述の低圧送油管11
が接続される。吸入側チェック弁33もボールとこれを
導油通路32側に常に付勢するコイルばねとからなり、
この弁33は吸込み口12aから導油通路32方向の潤
滑油の流れは許すが、その逆の流れは妨げるものであ
る。
【0023】前記下部ケーシング25にはソレノイド3
4が収容されている。ソレノイド34は、巻枠に巻かれ
たコイル35の上部に鉄製のアッパーコア36を固定す
るとともに、このコア36に磁気的に接続してコイル3
5の外周を覆う円筒状の周部継鉄37を設けるととも
に、この継鉄37に磁気的に接続してコイル35の下端
面を覆うリング状の下部継鉄38を設け、更に、コイル
35の下部内側に鉄製のプランジャ39を軸方向に移動
可能に収容して形成されている。アッパーコア36は軸
方向に延びる中心孔36aを有しているとともに、コイ
ル35の上部内側に挿入された部分の下部には中心孔3
6aとの連通端に向けて次第に径が小さくなるテーパ凹
部36bが形成されている。プランジャ39の上部はテ
ーパ凹部36bに挿入可能に先細状になっているととも
に、この上端部には非磁性体からなるインシュレートピ
ン40が取付けられている。このピン40は、プランジ
ャ39の磁気吸引に伴いテーパ凹部36bの内面とプラ
ンジャ39の上部テーパ面39aとが接触することを回
避して、アッパーコア36の残留磁気に拘らずプランジ
ャ39が図1に示す初期位置に即座に戻るようにするた
めに使用されている。又、プランジャ39には通気用の
溝39bが開けられている。
【0024】前記コイル35は中間ケーシング22に取
付けられた端子台41に電気的に接続されているととも
に、この端子台41には前記第1電気配線系統5又は第
2電気配線系統6の端末が接続される。こうした電気配
線を通じてコイル35には駆動パルスが印加されるもの
であり、例えば24V〜50Vの直流電圧が100ms
〜150msの駆動周期で印加されるようになってい
る。
【0025】前記中間ケーシング22には、その中央部
に設けた滑り軸受42を摺動自在に貫通してプッシャロ
ッド43が設けられている。プッシャロッド43の上端
にはつば状に拡径されたプランジャ受部43aが設けら
れ、かつ、プッシャロッド43の下端は前記インシュレ
ータピン40の上端に当たって支持されている。そし
て、前記ポンプケーシング21内にはピストン44が収
容されている。このピストン44の上部は前記ガイド孔
28に摺動自在に挿入されており、下端の大径部44a
はプランジャ受部43aの上端に当たって支持されてい
る。ピストン44の大径部44aと前記ピストン支持ブ
ロック27との間には、ピストン44を常に下方に付勢
するばね例えばコイルばね45が、ピストン44を巻装
して設けられている。
【0026】前記のような構成のポンプ12において、
ガイド孔28のピストン44の上端よりも上側の孔部分
と、この孔部分に連通された出油孔30の段部より下側
の孔部分とはポンプ室を形成する。したがって、このポ
ンプ12は次のように作動する。
【0027】ピストン44がその自重とコイルばね45
の付勢力で下降して前記ポンプ室の圧力が下げられる
と、油タンク1から低圧送油管11を通して導かれた液
体潤滑油は、吸入側チェック弁33を押し開いて吸込み
口12aから導油通路32及び導油溝29を通ってポン
プ室に吸込まれる。そして、ソレノイド34のコイル3
5に駆動パルスが印加されると、コイル35に電流が流
されるに伴い右ねじの法則によってできた磁界でアッパ
ーコア36が磁化されるので、このコア36に対しそれ
まで離れていたプランジャ39が上方に吸引移動され
る。そのため、プッシャロッド43を介してピストン4
4が押し上げられて前記出油孔30の入口端30aより
上昇すると潤滑油が圧縮され、したがって、出油側チェ
ック弁31が押し開らかれて前記ポンプ室内の定量(前
記入口端30aよりピストン44の上端面44bが所定
距離上昇することに応じた量)の潤滑油が吐出し口12
bから勢い良く圧送される。この時、吸入側チェック弁
33は閉弁状態を維持して逆流を防止して既述の潤滑油
の吐出しを助長する。この吐出し動作後にコイル35へ
の駆動パルスの印加が停止すると、ピストン44がその
自重とコイルばね45のばね力とにより押し下げられる
から、前記ポンプ室の容積が増やされて既述の吸込み動
作が営まれる。この時、プランジャ39は前記ばね45
の力でプッシャロッド43を介して押し下げられるとと
もに自重により初期位置に戻されて、次の潤滑油吐出し
動作に備える。以上のようなポンプ動作はコイル35に
駆動パルスが印可されるごとに繰り返される。
【0028】前記塗油ノズル14の構成を図4を参照し
て説明する。このノズル14は、高圧送油管13の先端
が接続されるノズル本体51の先端部に螺合筒体52を
ねじ込んで取付けることにより、この筒体52の内周に
突出する押え部52aによりノズル管体53をノズル本
体51に取付け、かつ、このノズル管体53とノズル本
体51とにわたってノズルチェック弁54を収容して形
成されている。螺合筒体52はノズル管体53をその周
囲から取り囲んでいる。ノズル管体53はその先端部に
例えば内径0.8mm程度の小径なノズル孔53aを有
しているとともに、この管体53とノズル本体51との
間にはリング状の液密用パッキング55が挟み込まれて
いる。
【0029】ノズルチェック弁54は、塗油ノズル14
の軸方向に移動可能な弁体54aと、この弁体54aに
取付けられたリング状のシール54bと、弁体54aを
巻装して設けられてシール54bがノズル本体51のテ
ーパ状弁座面51aに常時押付けられるように弁体54
aを付勢するコイルばね54cとから形成されている。
このチェック弁54は、前記ポンプ12が吐出し動作を
したときに高圧送油管13を通って及ぼされる高圧の潤
滑油により押し開かれて、この潤滑油のノズル孔53a
への通過を許し、それ以外の時にはコイルばね54cの
力で閉弁状態を保持するようになっている。
【0030】既述の取付けブラケット16を介しての塗
油ノズル14の取付け姿勢は図1に示されるように設定
される。すなわち、塗油ノズル14は、レールA又はB
に接近して、かつ、ノズル孔53aの延長線上にレール
A又はBの内肩部i又はjが位置されるように配置され
る。この場合、前記ノズル孔53が内肩部i又はjのど
ちらかと言えば頭部側面f1に近接して対向するように
塗油ノズル14を配置することは、頭部頂面Eに潤滑油
が付着するおそれをより少なくできる点で優れている。
ここに、前記内肩部i又はjとは、レールA又はBの頭
部頂面EとこれらレールA、Bの相対向する内側の頭部
側面f1とがなす境目である。
【0031】前記制御盤4は、車両の角速度を検出する
センサユニット部61と、検出された角速度に基づきポ
ンプ12の動作を制御してレールA、Bに対する塗油を
制御する塗油制御手段としての塗油制御回路部62とを
備えている。この制御盤4は、車体のうち運転席又は床
下部等に設置されるが、運転席に設置する場合は制御盤
の操作がし易い点で優れている。
【0032】図3にはセンサユニット部61の構成が示
されている。この図中65はユニットハウジングであ
り、この内部にはセンサ収容箱66が二種類のゴム6
7、68を組合わせてなる防振手段を介して配置されて
いる。防振手段は、ユニットハウジング65の内部全体
にわたって詰められており、比較的粘度が高いゴム67
を上下両側から比較的固いゴム68で挟んで形成されて
いる。それにより、主としてゴム67により衝撃を吸収
し、かつ、ゴム68により高周波の振動を吸収して機械
的な防振対策を講じている。
【0033】内側のゴム67は中空であり、この中空部
にはセンサ基板69が配置されている。センサ基板69
上には、角速度センサ70と、サーミスタ等からなる温
度センサ71と、3個の電気ヒータ72と、断熱材73
と、これらを収容する内箱74と、センサ用制御回路部
75とが夫々取付けられている。角速度センサ70は四
角い箱形状をなし、その一面に温度センサ71が接触し
て配置されているとともに、三つの面の夫々に電気ヒー
タ72が熱伝導的に接触して配置されており、かつ、断
熱材73は、角速度センサ70、温度センサ71、及び
各電気ヒータ72を取り囲んで設けられている。
【0034】角速度センサ70は、圧電素子が取付けら
れた音叉形状のセンサであって、運動している車両に角
加速度が加わると、その運動している方向と直角な方向
に発生するコリオリの力によって前記圧電素子に生じる
歪みを、電気信号(例えば電圧)として取出し、それを
回転角速度(角速度)として検出するものである。この
種のセンサ70としては、自動車用ナビゲーションシス
テム、自動車用回転角速度検出、船舶姿勢検出等に使用
されている振動式角速度センサを使用できる。
【0035】この角速度センサ70は、例えば0V〜6
Vの電圧を出力するものであるとともに、角速度を検出
していないニュートラルな状態での出力電圧は3Vに設
定されている。しかも、角速度センサ70は、車両が進
行方向左側に曲る場合に検出する角速度では0V〜3V
の電圧を出力し、かつ、車両が進行方向右側に曲る場合
に検出する角速度では3V〜6Vの電圧を出力するよう
になっている。なお、本明細書では角速度センサ70が
角速度を検出しないニュートラル状態を零点と称する。
【0036】この角速度センサ70の検出出力(以下セ
ンサ出力電圧と称する。)が取込まれるセンサ用制御回
路部75は、センサ基板69上に設けられている。この
回路部75は、センサ出力電圧を電気的に防振処理する
防振回路を備えている。すなわち、防振回路は、図7に
示されるように電源電圧を角速度センサ70に対して安
定化して供給する安定化回路81と、角速度センサ70
のセンサ出力電圧を平滑するローパスフィルタなどから
なる平滑回路82と、平滑処理されたセンサ出力電圧を
増幅する信号増幅回路83と、増幅後のセンサ出力電圧
をアベレージングする検出出力アベレージング回路84
とを有している。この防振回路によれば、外部から作用
する振動による角速度センサ70のセンサ出力電圧の波
形の乱れを平滑回路を82により除去し、それを増幅し
た後の出力を検出出力アベレージング回路84でアベレ
ージング処理することにより、外部から加わる衝撃によ
るセンサ出力電圧の波形の乱れを極力少なくすることが
できる。
【0037】ここに、アベレージング処理とは、センサ
出力電圧の値を適当に定めた時間単位で平均化すること
である。すなわち、図8に示されるように信号増幅回路
83で増幅されたセンサ出力電圧は、A/D変換器85
によりデジタルデータに変換されてデータ演算回路86
に供給される。この演算回路86にはアベレージング時
間設定回路87に指定されたアベレージング時間も供給
される。したがって、データ演算回路86は、指定され
たアベレージング時間の間のセンサ出力電圧を取込ん
で、それを平均化する演算を行なって、その演算結果を
センサ出力電圧eとして出力する。それによって、外部
からの振動等による急激なセンサ出力の電圧値の変動を
緩和して、角速度検出の精度を向上させることができ
る。なお、アベレージング時間設定回路87には、操作
盤4の操作面に設けた操作子の操作により例えば1秒〜
16秒のアベレージング時間を任意に指定できるように
なっており、この時間を1秒程度の短時間に指定するこ
とは、レール曲線路から給油指令までの時間遅れを極力
生じないようにできる点で好ましい。
【0038】したがって、このような電気的な防振処理
と図3に示した機械的な防振処理とを組合わせて実施し
た防振構造により、角速度センサ70のセンサ出力の精
度を向上することができる。
【0039】又、前記制御回路部75は、センサ収容箱
66内の温度を一定に保持できるように恒温化処理をす
るようになっている。この処理の流れは図9に示され
る。すなわち、角速度センサ70の温度はそれに接触配
置させた温度センサ71で検出され、この検出温度は前
記回路部75が備えるコンパレータ88により設定値と
比較される。そして、コンパレータ88の設定値よりも
検出温度が高いときには前記制御回路部75が電気ヒー
タ72への通電を断ち、この逆に、前記設定値よりも検
出温度が低いときには前記制御回路部75が電気ヒータ
72へ通電するものである。それにより、センサ収容箱
66内の温度、ひいては角速度センサ70の温度を恒温
化できる。又、この恒温化をより確実にするために、前
記断熱材73が使用されているとともに、前記ユニット
ハウジング65、センサ収容箱66、及び内箱74の夫
々を熱伝導率が低い例えばステンレス製としてあるとと
もに、センサ収容箱66をゴム67、68で囲んで、雰
囲気温度の影響を角速度センサ70が極力受けることが
ないようにしている。こうした恒温化対策により、周囲
温度に影響され易い角速度センサ70のセンサ出力の精
度を向上することができる。
【0040】前記塗油制御回路部62は、前記センサユ
ニット部61から供給される角速度センサ70の出力を
処理して、検出された角速度に基づきレールA、Bのレ
ール曲線路の曲り方向を判定し、この判定に従いポンプ
12のうち判定された曲り方向に対応する方のポンプを
選択し、この選択されたポンプ12を前記検出された角
速度の大きさが大きい程速く動作させて液状潤滑油を塗
油ノズル14に圧送させるものである。この回路部62
による処理は図5及び図6の流れ図に示されている。以
下、詳しく説明する。
【0041】電源がオンされると、ステップ1による初
期条件をクリアする処理がなされる。ここに、初期条件
は、センサ収容箱66内が所定温度で恒温を保つように
するための遅延処理と、零点補正(更新)処理である。
【0042】遅延処理では、電源の投入に伴い、電気ヒ
ータ72への通電を行い、センサ収容箱66内の温度が
所定温度例えば40℃に上昇するまでの間は、塗油制御
回路部62が有する図示しない遅延タイマを用いて塗油
動作を停止させる。そのため、この期間においては、角
速度センサ70の温度特性のために、このセンサ70か
ら出力されるセンサ出力電圧は上昇を続けるが、それに
拘らず塗油動作が実行されることはない。そして、こう
した遅延処理により、やがてセンサ収容箱66内の温度
及び角速度センサ70の出力電圧が安定した後、前記遅
延タイマに設定した時間が経過する。なお、この時点以
降は図9を参照して既に説明した恒温化の手順により恒
温が保たれるように制御される。
【0043】このような遅延タイマのタイムアップに引
続いて図6に示される零点補正処理が実行される。すな
わち、ステップ21においては、アベレージングされた
角速度センサ70のセンサ出力電圧eが読み込まれる。
次のステップ22では、読み込んだ時点(経過時間t=
0)で読み込まれた電圧eが零点電圧近傍の電圧変動許
容値(−d〜+d)の範囲内にあるかどうかを判断す
る。なお、電圧変動許容値は零点電圧(3V)を中心に
例えば0.188Vの幅で設定される。このステップ2
2での判断がNOである限り、ステップ21、22が繰
り返され、ステップ22での判断がYESである場合、
つまり、センサ出力電圧eが電圧変動許容値(−d〜+
d)内にある場合には、ステップ23に進む。このステ
ップ23では、所定の監視時間Taの間継続してセンサ
出力電圧eが電圧変動許容値(−d〜+d)内にあるか
どうかを判断し、その判断がNOの場合にはステップ2
1に戻る。監視時間Taは例えば25秒に設定される。
そして、ステップ23での判断がYESの場合には、次
のステップ24に進んで、零点の電圧値bを更新して零
点補正処理を終了する。この更新において、監視時間T
a時点でのセンサ出力電圧eを補正電圧として零点を更
新してもよいし、又は、前記監視時間Taに至るまでの
電圧値を平均化して、それを補正電圧値として零点を更
新をしてもよい。このような零点補正を行なうことは、
角速度センサ70等の温度変化により生じる誤差要因を
極力除去して、検出精度をより高め得る点で優れてい
る。なお、前記のように零点電圧近傍で一定時間継続す
るということは、車両がレール直線路を走行している
か、若しくは停車中、又は曲率が極めて大きなレール曲
線路を等速走行している状態であって、角速度が生じて
いないことを意味する。
【0044】以上のようにして初期条件のクリヤ処理が
終わると、塗油動作が可能な状態となり、次のステップ
2が実行されて、角速度センサ70の検出出力であるセ
ンサ出力電圧eが例えば1秒毎に読み込まれる。この
後、読み込んだセンサ出力電圧eをステップ3でA/D
変換して、変換されたデジタルデータを次のステップ4
に取込ませて、任意に指定された1秒〜16秒の時間で
角速度をアベレージング処理する。この処理は図8の回
路で実行され、それにより、車両走行中の振動や衝撃に
よる誤作動を防止して検出精度を高めることができる。
【0045】この後、ステップ5が実行されてアベレー
ジング処理された角速度センサ70のセンサ出力電圧e
と、既にステップ1で更新された零点電圧bとが略等し
いかどうかを判断する。この比較がYES(e b)で
ある場合には、レールが直線路であるか、曲率の極めて
大きな曲線路であるか、若しくは停車中であると見做し
得るので、次のステップ6により監視時間Ta以上セン
サ出力電圧eが決められた電圧変動の範囲内にあるかど
うかを判断し、この判断がNOの場合にはステップ5に
戻る。そして、ステップ6の判断がYESの場合には次
のステップ7に進んで、ステップ6で監視された前記T
a時の電圧e又は監視時間Taを通しての電圧eの平均
値を補正値として、前記零点電圧bを更新してステップ
5に戻る。
【0046】こうしたステップ5〜7での処理は既述の
零点補正処理である。そして、レール直線路や曲率が極
大なレール曲線路や停車時には前記ステップ5〜7が繰
り返されるだけであるから、こうした状態では塗油動作
が行われることはなく、無給油状態が維持される。
【0047】又、前記ステップ5での判断がNOの場合
にはステップ8が実行される。このステップ8では、ア
ベレージングされたセンサ出力電圧eが零点電圧bより
大きいかどうかを判断する。言い換えれば、車両がその
進行方向について右カーブのレール曲線路に差し掛かっ
たかどうかを判断し、e>bの場合にはレール曲線路の
曲り方向が右カーブであると判断する。(レール曲線路
の右曲り方向判定手段) しかし、ステップ8の判断がNOの場合には次のステッ
プ9が実行される。このステップ9では、アベレージン
グされたセンサ出力電圧eが零点電圧bより小さいかど
うかを判断する。言い換えれば、車両がその進行方向に
ついて左カーブのレール曲線路に差し掛かったかどうか
を判断し、e<bの場合にはレール曲線路の曲り方向が
右カーブであると判断する。なお、この判断がNOの場
合にはe<bの判断が成立するまで判断が繰り返され
る。(レール曲線路の左曲り方向判定手段) そして、角速度センサ70が検出した角速度に基づき前
記ステップ8でレール曲線路が左カーブであると判断さ
れた場合には、ステップ10に進んで、角速度センサ7
0が検出した角速度の大きさ、言い換えれば、センサ出
力電圧eを読み込んだ後、次のステップ11により、読
み込んだセンサ出力電圧eを角速度に換算して塗油イン
ターバルを決定する。
【0048】このインターバル、つまり、塗油周期Tは
次のようにして決定される。つまり、塗油周期T(単位
s)と角速度ω(単位deg/s)との間にはT=K/
ωの式であらわされる関係がある一方で、角速度ωと角
速度センサ70のセンサ出力電圧e(単位v)との関係
は、ω=(e−b)/aの式であらわされる。ここに、
Kは角速度ωから塗油周期Tを求めるための係数、aは
角速度センサ70のセンサ出力電圧eから角速度ωを求
めるための定数、bは前記零点電圧(更新された電圧値
を含む)の値である。これらの式により、塗油周期T
は、T=(K×a)/(e−b)の式で求めることがで
きる。そして、T=K/ωの式から明らかなように、角
速度ωが大きくなるほど塗油周期Tは短くなり、逆に角
速度ωが小さくなるほど塗油周期Tが長くなることが理
解でき、又、このことから、レール曲線路の曲率に応じ
て塗油周期Tが異なるとともに、同じ曲率でも車速に応
じて塗油周期Tが異なることが理解できる。
【0049】又、この塗油周期Tの決定におけるレール
曲線部の曲率Rの検出は次のようにして実施される。レ
ール曲線路の検出は次の事実に依存している。すなわ
ち、角速度センサ70が検出する角速度は、レール曲線
路の曲率が小さいほど、又、車速が速いほど大きくな
る。そのため、レール曲線路の曲率R(単位m)と、車
速V(単位km/s)と、角速度ω(単位deg/s)
とは、V×(1000/3600)=ω/(360×2
πR)の関係式で示され、これを展開すると、R=10
0/2π×(V/ω)となり、この式において(100
/2π)を定数Aと置くことにより、R=A×(V/
ω)という関係式であらわすことができる。
【0050】したがって、図示しない速度センサにより
検出される車速V、及び角速度センサ70で検出される
角速度ωを、前記R=A×(V/ω)の関係式に夫々与
えて演算することにより、レール曲線路の曲率Rを求め
ることができる。
【0051】次に、ステップ12に移行して、前記右カ
ーブのレール曲線路に対応する第1塗油系統2が備える
ポンプ12を選択して、このポンプ12を前記のように
して決定された塗油周期Tにしたがって動作させて、レ
ール曲線路の左側レールAの内肩部iをなす頭部頂面E
と頭部側面f1との境目に対して塗油ノズル14から潤
滑油を間欠的に噴射して、塗油する。この場合において
ポンプ12は前記塗油周期Tにしたがってポンプ動作を
営むから、前記角速度センサ70により検出された角速
度の大きさが大きいほどポンプ12は速く動作され、こ
の逆に、角速度の大きさが小さいほどポンプ12は遅く
動作される。それにより、角速度の大きさに比例した塗
油量をもってレールAの内肩部iに対する間欠的な塗油
がなされる。そして、このような塗油動作がなされた後
には、ステップ6に戻って角速度センサ70が検出する
角速度に応じたセンサ出力電圧eが監視される。
【0052】同様に、角速度センサ70が検出した角速
度に基づき前記ステップ9でレール曲線路が左カーブで
あると判断された場合には、ステップ13に進んで、角
速度センサ70が検出した角速度の大きさ、言い換えれ
ば、センサ出力電圧eを読み込んだ後、次のステップ1
4により、読み込んだセンサ出力電圧eを角速度に換算
して塗油インターバル(塗油周期T)を決定する。次
に、ステップ12に移行して、前記左カーブのレール曲
線路に対応する第2塗油系統3が備えるポンプ12を選
択して、このポンプ12を前記のようにして決定された
塗油周期Tにしたがって動作させて、レール曲線路の右
側レールBの内肩部jをなす頭部頂面Eと頭部側面f1
との境目に対して塗油ノズル14から潤滑油を間欠的に
噴射して、塗油する。この場合においてもポンプ12は
前記塗油周期Tにしたがってポンプ動作を営むから、前
記角速度センサ70により検出された角速度の大きさが
大きいほどポンプ12は速く動作され、この逆に、角速
度の大きさが小さいほどポンプ12は遅く動作される。
それにより、角速度の大きさに比例した塗油量をもって
レールBの内肩部jに対する間欠的な塗油がなされる。
そして、このような塗油動作がなされた後には、ステッ
プ6に戻って角速度センサ70が検出する角速度に応じ
たセンサ出力電圧eが監視される。
【0053】以上のような制御により塗油制御回路部6
2は、前記センサユニット部61の角速度センサ70で
検出された角速度に基づきレールA、Bの曲線路の曲り
方向を判定し、この判定に従い複数のポンプ12のうち
判定された曲り方向に対応する方のポンプ12を選択
し、この選択されたポンプ12を前記検出された角速度
の大きさが大きい程速く動作させて液状潤滑油を塗油ノ
ズル14に圧送して、この塗油ノズル14から間欠的に
噴射させ、それによって、対応するレール曲線路の外側
レールの内肩部i又はjに非接触給油させることができ
る。又、前記潤滑油の噴射直後に高圧送油管13内の圧
力が低下するので、直ちにノズルチェック弁54が閉じ
るので、塗油ノズル14の先端から潤滑油が足れ落ちる
ことは防止される。
【0054】この塗油動作においては、既述のように角
速度が大きい程選択された前記ポンプ12のポンプ動作
を速めて、検出された角速度に応じた間欠的な塗油をす
るので、レール曲線路の曲率及び車速に応じた適正な量
の潤滑油をレールA又はBに塗油できる。なお、塗油し
た潤滑油は車両の車輪Cにおけるフランジgとレール踏
面hとの境目をなす角部mに転写され、更に、この車輪
CからレールA又はBへと転写される。
【0055】そして、前記のような間欠的な塗油とあい
まって車輪Cと競り合うレール曲線路において外側のレ
ールA又はBにだけ直接塗油でき、しかも、噴霧状態と
なることなく塗油できるから、塗油の無駄をなくすこと
ができる。その上、レールA又はBへの塗油において
は、エアーの圧力を利用するものではなくポンプ12の
圧力により液状潤滑油をあたかも短い線状にまとまった
状態にして噴射して塗油するから、レール曲線路の外側
のレールにおける内肩部i又はjに限定して適正量の塗
油を正確に行なうことができる。更に、既述のように塗
油においてエアーを使用しないので、周囲環境の油汚損
も少なくできるとともに、エアー配管を省略できるから
配管系統も簡素化できる。
【0056】更に、レール曲線路の曲率が極めて大きく
実質的にレール直線路と見做し得る場合、及びレール曲
線路に車両が停車した場合には、レール直線路を走行す
る場合と同様に実質的に角速度が検出されないので、既
述のステップ5〜7のようにレール直線路を走行する場
合と同様にポンプ12の動作が停止状態に維持されるか
ら、これらの場合には塗油動作が行われず、したがっ
て、レール曲線路に車両が差し掛かったとき以外には無
駄に塗油されることがない。
【0057】又、前記制御盤4の操作面には各種のスイ
ッチ類や表示ランプ類が取付けられていて、そのスイッ
チ類の中には塗油周期変更スイッチ90(図1参照)が
含まれている。このスイッチ90は、ロータリー式であ
って、前記塗油周期Tの計算式T=K/ωにおける係数
Kの値を複数段階例えば6段階に調整するために設けら
れている。前記角速度ωの大きさにより塗油量は、レー
ル曲線路で車体に作用する横力の大きさに応じて自動的
にある比例関係をもって直線的に変化するが、このスイ
ッチ90の操作による定数kの任意な選択は、塗油量全
体の量を多少調整することであり、それによって、車両
の編成数、通過車両数、線区状態、自然環境等の塗油量
を左右する各種の条件を考慮して、それに適合するよう
に塗油量を任意に調整できる。この調整は、運転席等に
おいて行なわれる。なお、表1に、前記変更スイッチ9
0により調整される1分間当りの出油量(cc/mi
n)と角速度ωとの関係を示す。
【0058】
【表1】
【0059】なお、前記第1の実施の形態ではレール曲
線路においてレールに塗油したが、これに代えて、本発
明ではレール曲線路の外側の車輪の境目mに近接して対
向するように塗油ノズル14を配置して、前記境目mに
限定してポンプ12の送出圧力で、前記塗油ノズル14
から液状潤滑油を非接触給油してもよい。しかし、車輪
よりもレール曲線路に塗油する方が、塗油装置の搭載数
が少なくて済む点で優れている。
【0060】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。請求項
1、2に記載の発明方法及び装置によれば、鉄道車両の
角速度の大きさに応じた間欠的な塗油により、レール曲
線路の曲率及び車速に応じて適正量の潤滑油を2本のレ
ールの曲線路の外側のレール又は車輪に塗油できるとと
もに、前記のような間欠的塗油であることとあいまって
車輪と競り合うレール曲線路の外側レール又は車輪に対
してだけ塗油でき、しかも、噴霧状態となることなく塗
油できるから、塗油の無駄をなくすことができる。そし
て、この塗油においては、エアーの圧力を利用するもの
ではなく電磁式ポンプの圧力により液状潤滑油をあたか
も短い線状にまとまった状態にして噴射して塗油するか
ら、レール曲線路における外側のレール又は車輪の限定
的位置に対して既述のような適正量の塗油を行なうこと
ができる。更に、塗油においてエアーを使用しないの
で、周囲環境の油汚損も少なくできるとともに、エアー
配管を省略できるから配管系統も簡素化できる。その
上、レールの曲線路に鉄道車両が停車した時やレール直
線路では検出される角速度が小さく前記ポンプが待機状
態を維持するから、レール曲線路に鉄道車両が差し掛か
ったとき以外には無駄に塗油されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る塗油方法を実
施する車載式塗油装置を実施する塗油装置全体の構成示
す図。
【図2】第1の実施の形態に係る塗油装置が備える電磁
式プランジャポンプの構成を示す断面図。
【図3】第1の実施の形態に係る塗油装置が備える角速
度センサユニットの構成を示す断面図。
【図4】第1の実施の形態に係る塗油装置が備える塗油
ノズルの構成を示す断面図。
【図5】第1の実施の形態に係る塗油装置の塗油制御回
路部による制御動作を示すフローチャート。
【図6】図5における初期条件クリア処理での零点補正
処理を具体的に示すフローチャート。
【図7】図3に示された角速度センサユニットでの電気
的防振処理を具体的に示すフローチャート。
【図8】図7の検出出力アベレージング回路を具体的に
示す図。
【図9】図3に示された角速度センサユニットでの恒温
処理を具体的に示すフローチャート。
【図10】レールの構造を示す断面図。
【図11】車輪の一部の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…油タンク、 2…第1塗油系統、 3…第2塗油系統、 4…制御盤、 5…第1電気配線系統、 6…第2電気配線系統、 11…低圧送油管、 12…電磁式プランジャポンプ(電磁ポンプ)、 12a…吸込み口、 12b…吐出し口、 13…高圧送油管、 14…塗油ノズル、 34…ソレノイド部、 39…プランジャ、 44…ピストン、 61…センサユニット部、 62…塗油制御回路部(塗油制御手段)、 70…角速度センサ、 A、B…レール、 C…車輪、 d…レール頭部、 E…頭部頂面、 f1…頭部側面、 g…フランジ、 h…レール踏面、 i、j…レールの内肩部(境目)、 m…車輪の角部(境目)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 公一 香川県高松市林町1217番地 株式会社ヒュ ーテック・オリジン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行に敷設された2本のレール上を走行す
    る鉄道車両に搭載した角速度センサにより、前記鉄道車
    両が前記レールの曲線路を走行する際に前記鉄道車両の
    角速度を検出し、 この検出された角速度に基づき前記レール曲線路の曲り
    方向を判定し、 次に、前記検出された角速度の大きさが大きい程電磁式
    ポンプを速く動作させて液状潤滑油を圧送して、この潤
    滑油を前記レール曲線路の外側のレール又はこのレール
    上を転動する車輪に近接する塗油ノズルから間欠的に噴
    射させて、 前記レール曲線路の外側のレールの頭部頂面と頭部側面
    との境目、又は、前記レール曲線路の外側の車輪におけ
    るフランジとレール踏面との境目に、非接触給油するこ
    とを特徴とする車載式塗油方法。
  2. 【請求項2】平行に敷設された2本のレール上を走行す
    る鉄道車両に搭載されこの鉄道車両が前記レールの曲線
    路を走行する際に前記鉄道車両の角速度を検出する角速
    度センサと、 前記鉄道車両に搭載されて前記レール曲線路の曲り方向
    に対応して液状潤滑油を圧送する複数の電磁式ポンプ
    と、 これらポンプの吐出し口に個別に連通されるとともに、
    前記2本のレール又はこれらレール上を転動する前記鉄
    道車両の車輪に近接して前記鉄道車両に搭載される塗油
    ノズルと、 前記角速度センサの出力を処理して、検出された角速度
    に基づき前記レール曲線路の曲り方向を判定し、この判
    定に従い前記各電磁式ポンプのうち判定された曲り方向
    に対応する方のポンプを選択し、この選択されたポンプ
    を前記検出された角速度の大きさが大きい程速く動作さ
    せて液状潤滑油を前記塗油ノズルに圧送させる塗油制御
    手段と、を具備し、 前記選択された電磁式ポンプから圧送された潤滑油を前
    記レール曲線路の外側のレール又はこのレール上を転動
    する車輪に近接する前記塗油ノズルから間欠的に噴射さ
    せて、前記レール曲線路の外側位置のレールの頭部頂面
    と頭部側面との境目、又は、前記レール曲線路の外側位
    置の車輪におけるフランジとレール踏面との境目に、非
    接触給油することを特徴とする車載式塗油装置。
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