JPH111738A - 歯科鋳造用陶材焼付貴金属合金 - Google Patents

歯科鋳造用陶材焼付貴金属合金

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JPH111738A
JPH111738A JP9152319A JP15231997A JPH111738A JP H111738 A JPH111738 A JP H111738A JP 9152319 A JP9152319 A JP 9152319A JP 15231997 A JP15231997 A JP 15231997A JP H111738 A JPH111738 A JP H111738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 口腔内における耐蝕性に優れ、かつ、石膏系
埋没材を利用しての金属フレーム鋳造を可能とする低融
点を有し、強度及び陶材との焼付き性に優れる合金を提
供する。 【解決手段】 Au19〜20重量%と、Pd19〜3
0重量%と、Cu9〜20重量%と、Ir0.02〜
0.03重量%と、Sn0.5〜4.5重量%と、Ga
0.5〜4.5重量%と、Ag33〜48重量%と、不
可避的不純物とよりなり、Sn+Gaが2〜5重量%で
ある合金を提供することにより、石膏系埋没材を利用し
ての金属フレーム鋳造を可能とし、低融点を有し、強度
及び陶材との焼付き性、耐蝕性に優れる歯科鋳造用陶材
焼付け貴金属合金を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯冠修復用陶材の
強さ補強を目的に、陶材焼付け人工歯の下地鋳造材とし
て利用されている歯科鋳造用陶材焼付貴金属合金に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】歯冠修復用陶材の強さ補強を目的に、陶
材焼付け人工歯の下地鋳造材として利用されている歯科
鋳造用陶材焼付貴金属合金は1970年頃に実用化され
始めたものである。
【0003】旧来、歯冠の修復に当たっては、貴金属合
金の鋳造材が利用されていたものの、陶材の利用方法が
開発されるにつれて、生体への適合性、化学的な安定
性、高度な耐磨耗性等に加え、特に審美性の面から、自
然体に近い陶材を用いた歯冠の修復が患者から好まれる
ようになり、陶材を利用した修復処置が多く行われるよ
うになった。
【0004】しかしながら、歯冠修復用陶材は、その基
本的組成を長石系とするものであり、市販品の主成分を
みると、重量%にて、長石が80〜90%、石英が10
〜15%、カオリンが0〜5%となっている。従って、
歯冠修復用陶材は、上記の優位性を備える反面、引張り
強さ、曲げ強さ、耐衝撃性の面においては弱点を持ち合
わせていると言える。
【0005】これらの弱点を補い、患者の要求を満足さ
せる手段として、予め製作された金属フレーム上に陶材
をベニヤ状に焼付けて歯冠を修復する技術が開発され、
実用化されている。この場合に利用される金属フレーム
製作用の合金としても、既に、各種の組成を持つ金属材
料が報告されている。
【0006】ここにおいて、陶材焼付け用合金に必要と
される材料特性を纏めてみると、以下のようになる。す
なわち、1.陶材の焼成時に形状が保たれるように、金
属材料の固相点が陶材の焼成温度以上であること。2.
補修した歯冠が長期に亘り使用可能なように、陶材との
結合性に富むこと。3.陶材を焼成する場合に、陶材を
変形させるようなことがないように、高温強度が高いこ
と。4.陶材を焼成する場合に、陶材を着色してしまう
ような成分が少ないこと。5.金属材料の提供量を可能
な限り下げて、肉薄で使用した場合でも、変形してしま
う恐れがないように、弾性係数、弾性限度が大きいこ
と。6.修復歯冠を長期に亘って使用した場合の陶材と
の焼付き性を高めるために、金属材料の熱膨脹係数が陶
材と同程度であること等が挙げられる。
【0007】現在、陶材焼付け用の貴金属材料として、
重量%で表示して、例えば、Auが39.0%、Ptが
1.0%、Pdが35.0%、Agが19.4%、Sn
が5.0%の合金や、Auが88.0%、Ptが4.5
%、Pdが6.0%、Agが0.5%の合金が利用され
ている。
【0008】しかしながら、これらの合金は、液相点
が、それぞれ、1250℃、1170℃と高く、陶材を
ベニヤ状に焼付けるための金属フレームを鋳造する場合
の埋没材として、取扱いが比較的難しいリン酸塩系の埋
没材しか利用できない。また、液相点の高い合金を用い
て、鋳造作業により金属フレームを成形するには、合金
の鋳込み作業を液相点より100〜150℃高い温度で
行う必要があることから、原料の溶解作業には、都市ガ
ス−酸素炎、若しくは、高周波誘導加熱炉等の利用が欠
かせず、その操業に際しては、高温操作に加えて、取扱
いガスや高圧電源の管理にも配慮を必要としている。
【0009】また、高温で鋳造した場合、鋳造品の表面
と埋没材とが反応し易くなり、これにより、鋳造品表面
の変形や肌荒れを生じ易くなる。
【0010】さらに、低温で鋳造可能な合金として、重
量%で表示して、例えば、Auが12.0%、Pdが2
0.0%、Agが40〜49%、Cuが20%、Inが
17〜20%、Znが0〜4%の合金が挙げられる。し
かしながら、この合金は、固相点が912℃と低く、所
望のように、石膏系の埋没材を利用しての金属フレーム
鋳造を可能とするものの、硬度はビッカース硬度にて、
195と低く、口腔内における耐蝕性も低めであり、よ
り好ましい組成の合金開発が望まれている。
【0011】一方、歯冠修復用陶材自体としても、従来
の陶材に比べて、焼成温度が低くて済む陶材が販売され
るようになって来ている。従って、陶材焼付け用の金属
フレームを形成するために利用される合金も、熱源とし
て都市ガス・大気炎を使用し得て、しかも、石膏系埋没
材を用いた鋳造作業を可能とする低融点合金の開発が急
務となっている。
【0012】石膏系埋没材の利用が可能であれば、金属
フレームの鋳造作業に要する時間を大幅に低減し得るば
かりか、埋没材に鋳込んだ鋳造品の離型作業も容易とな
る。一方、鋳造製品の表面粗さが極めて細かく、細部に
亘っての再現性に優れる金属フレームも容易に入手し得
ることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の難点
を解消して、口腔内における耐蝕性に優れ、かつ、石膏
系埋没材を利用しての金属フレーム鋳造を可能とするこ
とにより、鋳造体の細部再現性や表面粗さに優れ、鋳造
材を鋳型より取出す際の作業が容易であると共に、低融
点を有し、強度及び陶材との焼付き性に優れる歯科鋳造
用陶材焼付貴金属合金を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者等は、種々の実験を重ねた結果、貴金属
合金にSnとGa、又は、Sn+Ga+Inを合わせて
添加することにより、歯科鋳造用陶材焼付け貴金属合金
の耐力、硬度を損なう事なく、むしろ向上させながら、
合金の融点を低減し、歯科用金属フレームの鋳造品製作
に当たり、石膏系埋没材の利用を可能とし得ることを見
出だした。これを基に、以下に述べるような合金組成を
もって、課題を解決し得ることを見出だし、本発明を提
供するに至った。
【0015】すなわち、本発明の歯科鋳造用陶材焼付貴
金属合金は、第一の実施態様として、Au19〜20重
量%と、Pd19〜30重量%と、Cu9〜20重量%
と、Ir0.02〜0.03重量%と、Sn0.4〜
4.5重量%と、Ga0.5〜4.5重量%と、Ag3
3〜48重量%と、不可避的不純物とよりなり、Sn+
Gaの含有量が2〜5重量であることを特徴とする。
【0016】本発明は、第二の実施態様として、Au1
8〜30重量%と、Pd18〜29重量%と、Cu11
〜20重量%と、Ir0.01〜0.04重量%と、S
n0.5〜5.0重量%と、Ga0.5〜6.0重量%
と、In0.5〜5.0重量%と、Ag23〜41%重
量と、不可避的不純物とよりなり、Sn+Ga+Inの
含有量が1.5〜7.5重量%であることを特徴とす
る。
【0017】本発明は、第三の実施態様として、Au1
8〜20重量%と、Pd23〜29重量%と、Cu11
〜18重量%と、Ir0.02〜0.03重量%と、S
n0.5〜3.0重量%と、Ga0.5〜3.0重量%
と、In0.5〜3.0重量%と、Ag34〜41%重
量と、不可避的不純物とよりなり、Sn+Ga+Inの
含有量が1.5〜6.5重量%であることを特徴とす
る。
【0018】本発明は、第四の実施態様として、Au2
7〜30重量%と、Pd18〜29重量%と、Cu14
〜20重量%と、Ir0.01〜0.04重量%と、S
n0.5〜5.0重量%と、Ga0.5〜6.0重量%
と、In0.5〜5.0重量%と、Ag23〜25%重
量と、不可避的不純物とよりなり、Sn+Ga+Inの
含有量が1.5〜7.5重量%であることを特徴とす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第一のAu−Pd−Cu
−Ir−Ag系合金に、SnとGaとを合わせ添加した
合金であり、第二の実施態様はAu−Pd−Cu−Ir
−Ag系合金に、SnとGaとInとを合わせ添加した
合金である。また、第三の実施態様は、Auの含有量が
18〜20重量%であるAu−Pd−Cu−Ir−Ag
系合金に、SnとGaとInとを合わせ添加した合金で
あり、第四の実施態様は、Auの含有量が27〜30重
量%であるAu−Pd−Cu−Ir−Ag系合金に、S
nとGaとInとを合わせ添加した合金である。
【0020】この場合、Auは生体への適合性に富み、
耐蝕性に優れる合金を得るために用いるのであり、Pd
は合金の熱膨脹係数を小さくし、強度を増大するために
用いるのであり、Cuは合金の強度を高めるために用い
るのであり、Irは結晶粒を微細化して、合金の強度と
伸びを同時に大きくするために用いるのであり、Agは
コスト低減のために用いるのであり、SnとGa、又は
SnとGaとInは合金の液相点を低減するためと、陶
材と合金の焼付き性を高めるために用いる。
【0021】しかしながら、Auは、多量に添加すると
価格面で高額になり、また、強度の面からも比較的低い
強度しか得られぬため、第一、第三の実施態様では20
重量%を、また、第二、第四の実施態様では30重量%
を、それぞれに上限とする。Pdは、多量に添加する
と、液相点を上昇させて石膏系埋没材の利用を不可能に
したり、当該合金の熱膨張係数を陶材より低くして、陶
材の焼付き性を低める傾向があることから、第一の実施
態様では30重量%を、また、第二、第三、第四の実施
態様にては何れの場合も29重量%を、その上限とす
る。Cuは、多量に添加すると耐蝕性に問題を生じ易い
ことから、第三実施態様では18重量%を、また、第
一、第二、第四の実施態様では、何れも20重量%をそ
の上限とする。Irは、多量に添加しても、その効果が
直ぐに飽和してくることから、第一、第三の実施態様で
は、0.03重量%を上限とし、第二、第四の実施態様
では、0.04重量%を上限とする。また、Sn+G
a、又は、Sn+Ga+Inは、多量に添加すると、合
金の強度を低くし、また、脆くすることから、第一の実
施態様にては、Sn+Gaの5重量%を、第三の実施態
様にては、Sn+Ga+Inの6.5重量%を、第二、
第四の実施態様にては、Sn+Ga+Inの7.5重量
%を、それぞれ上限とする。
【0022】
【実施例】本発明の実施例について、以下にデータを添
えて詳細に記述する。
【0023】[実施例1]Au19.61重量%と、P
d19.61重量%と、Cu9.5重量%と、Ir0.
02重量%と、Sn4.3重量%と、Ga0.5重量%
と、Ag47.48重量%とを含有する合金を、高周波
誘導加熱炉を用いて、アルゴン雰囲気下の石英管内で溶
解し、そのまま冷却凝固させて鋳塊を得た。
【0024】上記の鋳塊より所定量切りだし、都市ガス
・空気炎を用いて溶解し、ジーシー社製の「クリストパ
ライトミクロ」を用いて用意した鋳型に鋳造することに
より、各種の試験片を得た。この場合、上記のジーシー
社製の「クリストパライトミクロ」は石膏系埋没材であ
る。また、上記各種の試験片とは、ISO−9693の
「Dental ceramic fused to
metal restorative materia
ls」に規定された各種の試験を行うために必要な各種
の試験片である。また、上記の試験片について、それぞ
れ、上記の規格に規定された測定方法にて、陶材−合金
間の焼付き性にあわせ、各種合金の溶融温度、熱膨張係
数、耐力、伸び、及び硬度を測定した。
【0025】陶材−合金間の焼付き性試験は、以下のよ
うにして測定した。すなわち、原料を、アルゴン雰囲気
中に置かれた高周波誘導加熱炉を用いて溶解し、総量3
15gの鋳塊を溶製した。その中、40gの合金を鋳塊
より切りだし、都市ガス・空気炎を用いて溶解し、石膏
系埋没材であるジーシー社製の「クリストパライトミク
ロ」を用いて用意した鋳型に、遠心鋳造法により流し込
んで、長さ20mm、幅5mm、厚さ0.4mmの焼付
き性試験用基板を用意した。この焼付き性試験用基板に
対して、後に詳述する陶材の築盛方法に準じて、表面に
清浄化処理を施した後、オペーク質セラミックを0.3
mmの厚さで築盛し、その後、デンチン質セラミック、
エナメル質セラミックを重ね、セラミック部の合計厚さ
を1.0mmに整え、ISO規定による焼付き性試験片
を調整した。この焼付き性試験片のセラミック築盛した
面と反対の面、すなわち、焼付き性試験用基板の露出し
ている面の長手方向の中央部に対し径10mmの鉄棒を
横にしてあてがい、鉄棒の外周面に沿わせた形で、焼付
き性試験片を曲げた。この場合、曲げ加工は、焼付き性
試験片の両端が90度を示した位置で停止させた。一
度、両端が90度を示す位置まで曲げられた焼付き性試
験片は、加圧治具により元の位置まで曲げ戻して、平坦
な状態に整えた。ここで、元の平坦な状態に整えられた
焼付き性試験片の陶材築盛面を観察し、表面に築盛され
た陶材の剥離状態を類別することにより、セラミックと
焼付き性試験用基板との焼付き性を調べた。
【0026】なお、この場合、焼付き性試験片の中央部
1/3に相当する部分に、セラミックが残存する割合が
50%を超え、しかも、これを満足する焼付き性試験片
の数が6試料中4試料以上になっているときに、この合
金は、良好な焼付き性能を有すると判断した。
【0027】上記した組成を有する本合金の場合、所定
の曲げ加工を与えた後に、合金表面に残存する陶材の面
積により、セラミックとの焼付き性を評価し、その値9
0%を得、この値が規格を満足するものであることを確
認した。
【0028】この場合、陶材の焼付け装置としてはデン
ツプライ社「マルチマット・マッハ2」を用い、陶材に
はデグサ社製「デグセラムゴールド」を用い、メーカー
指示により、次ぎなる5工程よりなる加熱焼付け処理を
行い、陶材ー合金間の焼付き性試験片を作成した。
【0029】1)酸化被膜生成処理 鋳造し、所定形状である20mm×5mm×0.4mm
の寸法に成形した焼付き性試験用基板の表面を清浄化処
理した後、450℃より800℃の間を、真空中にて、
毎分55℃の速度にて加熱し、引き続き、800℃にて
10分間保持した後、急冷する。
【0030】2)オペーク処理 1項の処理を終えた焼付き性試験用基板の上に、陶材と
して、デグサ社製「デグセラムゴールド」のオペーク質
セラミックを、その築盛厚さが0.3mmとなるように
塗布し、真空中、450℃にて4分間の予備乾燥を行
い、引き続き、真空中にて、780℃のまでの間を毎分
55℃の速度にて加熱し、780℃にて1分間保持して
後、急冷する。
【0031】3)一次デンチン処理 2項の処理を終えた焼付き性試験用基板の上に、陶材と
して、デグサ社製「デグセラムゴールド」のデンチン質
セラミックを、その築盛厚さが0.6mmとなるように
塗布し、真空中、450℃にて9分間の予備乾燥を行
い、引き続き、真空中にて、780℃のまでの間を毎分
55℃の速度にて加熱し、780℃にて1分間保持して
後、720℃まで冷却し、次いで、720℃より680
℃の間を4分かけて冷却した後、大気中に放冷する。
【0032】4)二次デンチン処理 3項の処理を終えた焼付き性試験用基板の上に、陶材と
して、デグサ社製「デグセラムゴールド」のエナメル質
セラミックを、その築盛厚さが0.1mmとなるように
塗布し、真空中、450℃にて9分間の予備乾燥を行
い、引き続き、真空中にて、780℃のまでの間を毎分
55℃の速度にて加熱し、780℃にて1分間保持して
後、急冷する。
【0033】5)グレーズ処理 4項の処理を終えた焼付き性試験用基板の上に、陶材と
して、デグサ社製「デグセラムゴールド」のグレーズ材
を塗布した後、真空中、450℃にて4分間の予備乾燥
を行い、引き続き、真空中にて、780℃のまでの間を
毎分55℃の速度にて加熱し、780℃にて1分間保持
して後、急冷する。
【0034】また、ISO 9693規格に規定された
ように、示差熱分析法による合金の等固相点と等液相点
を、それぞれ冷却曲線を用いた測定方法にて計測し、等
固相点880℃と等液相点1020℃とを得た。この温
度は石膏系埋没材にて鋳造可能な温度と言われる110
0℃を下回っていた。
【0035】さらに、先に調整した直径6mm、長さ2
0mmの鋳造材試験片を用い、ISO 9396に規定
された熱膨張係数の測定を、熱機械分析装置を用いて行
った。この場合、試料は25℃から500℃の間を加熱
して、合金の等熱膨脹係数を求めた結果、その値として
15.9×10-6-1を得た。この値は、歯科用低温溶
融セラミックとして市販されているデグサ社製「デグセ
ラムゴールド」のカタログに記載された熱膨脹係数の1
5.8×10-6-1と比較して、僅かに、0.1×10
-6-1の違いしか示さず、陶材と合金間の焼付き性を優
れた状態に保つことを示していた。
【0036】さらに、直径3.0mm、標点間距離15
mm、捩子付き掴み部の鋳造材試験片を用いて、ISO
6892規格に準じた引張試験を行い、描かれた応力
ー歪み曲線より、0.2%オフセット耐力を求めた。こ
の場合の耐力値は600MPaを示し、ISO 969
3規格に規定された最小耐力値240MPaを大きく超
える値を示している。
【0037】同時に、ISO 6892規格に準じた方
法で合金の伸びを測定した結果、測定した引張り破断後
の伸びは、5%を示し、ISO 9693規格に規定さ
れた最小伸び値3%を上回り、ISO規格に適合する値
を示している。
【0038】上記の焼付き性試験用基板を鋳造する際
に、同時に鋳造して作成した10mm×10mm×1m
mの硬度試験片について、上記の焼付き性試験用基板の
場合と同様の熱履歴(陶材の被覆は行うこと無しに)を
与えた後、その表面の硬度をヴィツカース硬度にて測定
した結果、その測定値として220を得た。
【0039】また、本発明合金を都市ガス・大気炎にて
溶解し、この溶湯を、石膏系埋没材であるジーシー社製
の「クリストパライトミクロ」を用い、歯冠を形取った
石膏型に鋳込んで、石膏系埋没材使用の可否試験を行っ
た結果、石膏系埋没材を利用しても、本発明合金の鋳造
処理は支障なく行い得るということが明らかになった。
【0040】以上の試験結果に合わせて、合金組成を変
化させた他は実施例1と同様にして測定した試験結果を
表1乃至表6に一覧表として纏めて表示する。
【0041】この場合、第一、及び、第二表は第一の実
施態様と、その比較例による試験結果を示し、第三乃至
第六表は、第二乃至第四の実施態様と、その比較例によ
る試験結果を示す。
【0042】これにより明らかな如く、本発明合金は、
歯科鋳造用陶材焼付け貴金属合金として、陶材との焼付
き性が極めて良好であり、強度に優れ、かつ、石膏系埋
没材の利用も可能にする、優れた機能を合わせ備えた合
金を提供し得る。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明は、陶材との焼付き性に優れ、強
度及び耐蝕性に富み、さらに、埋没材として、石膏系の
埋没材を用い得ることを示しており、低温鋳込みによる
金属フレーム表面の円滑性も合せ持たせた歯科鋳造用陶
材焼付け貴金属合金を提供し得る。
【0050】この合金を利用することにより、生体への
適合性、化学的な安定性、高度な耐磨耗性等に加え、特
に審美性の面にも優れ、かつ、自然体に近い陶材を用い
て行う歯冠の修復が、迅速、かつ、精密に、しかも容易
に処理し得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Au19〜20重量%と、Pd19〜3
    0重量%と、Cu9〜20重量%と、Ir0.02〜
    0.03重量%と、Sn0.4〜4.5重量%と、Ga
    0.5〜4.5重量%と、Ag33〜48重量%と、不
    可避的不純物とよりなり、Sn+Gaの含有量が2〜5
    重量%であることを特徴とする歯科鋳造用陶材焼付貴金
    属合金。
  2. 【請求項2】 Au18〜30重量%と、Pd18〜2
    9重量%と、Cu11〜20重量%と、Ir0.01〜
    0.04重量%と、Sn0.5〜5.0重量%と、Ga
    0.5〜6.0重量%と、In0.5〜5.0重量%
    と、Ag23〜41%重量と、不可避的不純物とよりな
    り、Sn+Ga+Inの含有量が1.5〜7.5重量%
    であることを特徴とする歯科鋳造用陶材焼付貴金属合
    金。
  3. 【請求項3】 Au18〜20重量%と、Pd23〜2
    9重量%と、Cu11〜18重量%と、Ir0.02〜
    0.03重量%と、Sn0.5〜3.0重量%と、Ga
    0.5〜3.0重量%と、In0.5〜3.0重量%
    と、Ag34〜41%重量と、不可避的不純物とよりな
    り、Sn+Ga+Inの含有量が1.5〜6.5重量%
    であることを特徴とする歯科鋳造用陶材焼付貴金属合
    金。
  4. 【請求項4】 Au27〜30重量%と、Pd18〜2
    9重量%と、Cu14〜20重量%と、Ir0.01〜
    0.04重量%と、Sn0.5〜5.0重量%と、Ga
    0.5〜6.0重量%と、In0.5〜5.0重量%
    と、Ag23〜25%重量と、不可避的不純物とよりな
    り、Sn+Ga+Inの含有量が1.5〜7.5重量%
    であることを特徴とする歯科鋳造用陶材焼付貴金属合
    金。
JP15231997A 1997-06-10 1997-06-10 歯科鋳造用陶材焼付貴金属合金 Expired - Fee Related JP3916098B2 (ja)

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RU2481095C1 (ru) * 2012-04-04 2013-05-10 Открытое акционерное общество "Научно-производственный комплекс "Суперметалл" имени Е.И. Рытвина" Сплав на основе палладия для изготовления зубных протезов
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