JPH11178511A - 改質牛乳ホエー蛋白質とその製造法と食品の保形性等の改良法 - Google Patents

改質牛乳ホエー蛋白質とその製造法と食品の保形性等の改良法

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JPH11178511A
JPH11178511A JP9354515A JP35451597A JPH11178511A JP H11178511 A JPH11178511 A JP H11178511A JP 9354515 A JP9354515 A JP 9354515A JP 35451597 A JP35451597 A JP 35451597A JP H11178511 A JPH11178511 A JP H11178511A
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JP
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whey protein
milk whey
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heat
saccharides
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JP9354515A
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Takashi Hattori
隆史 服部
Tomoko Negi
智子 根木
Yasuo Yamauchi
康生 山内
Hifumi Oishi
一二三 大石
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Kyodo Milk Industry Co Ltd
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Kyodo Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】加熱変性した牛乳ホエー蛋白質のゲル形成能を
低減または消失させるようにした改質牛乳ホエー蛋白質
とその製造法と、それを用いて食品の保形性や組織や食
感を改良する方法の提供。 【解決手段】 牛乳ホエー蛋白質100部と糖類1〜1
0部とを混合したものを70℃以上95℃以下の温度域
で5〜30分間加熱することにより、牛乳ホエー蛋白質
同士をジスルフヒドリル結合にて架橋させて、見かけ上
の分子量を100万ダルトン以上になすとともに、生じ
た疎水基が糖類で保護してなる改質牛乳ホエー蛋白質と
その製造法を提供し、これを用いて食品の保形性等を改
良する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳清蛋白質としての長
所を保持しながら加熱変性した牛乳ホエー蛋白質のゲル
形成能を低減または消失させるように改質した改質牛乳
ホエー蛋白質と、その製造法と、それを利用して食品の
保形性や組織や食感を改良する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】牛乳ホエー蛋白質(Whey Protein)(以
下、WPと略称する。)は、カゼイン以外の牛乳蛋白質
の総称であり、β−ラクトグロブリン(β-Lg)、α−
ラクトアルブミン(α-La )を主成分とし、牛血清アル
ブミンや免疫グロブリンなどを含有したものである。当
該牛乳ホエー蛋白質(WP)は、酸カゼインやチ−ズ製
造時に生ずる非常に栄養価の高い蛋白質複合物であり、
従来は食味や精製技術の未熟さからそのほとんどが廃棄
されていた。
【0003】しかし、現在ではイオン交換や限外濾過技
術の発達により見直され、牛乳ホエー蛋白質(WP)の
乳化作用、起泡性及びゲル形成能などの物性的機能等に
ついて広範囲に研究されている(de Wit,J.N.,et al.,Ne
th.Milk Dairy J.(1986)40,41-56.、Morr,C.V.,J.Food S
ci.(1985)50.1406-1411. 、Schmidt,R.H.,et al.,J.Agr
ic.Food Chem.(1979)27,529.)。これら牛乳ホエー蛋白
質(WP)の物性的機能の中でも特にゲル形成能につい
ても研究が行われている(Tanimoto,S.and Kinsella,J.
E.,J.Agric.Food Chem.(1988),36,281-285.、Barbut,S.
and Foegeding,E.A.,J.Food Sci.(1993),58,867-871.、
Hongsprabhas,P.and Barbut,S.,J.Food Sci.(1997),62,
382-385.)。
【0004】それら牛乳ホエー蛋白質(WP)の研究に
よると、加熱変性により物質を改質した牛乳ホエー蛋白
質(WP)には、次のような長所、欠点があることが知
られている。
【0005】牛乳ホエー蛋白質(WP)のゲル形成能
の研究によると、加熱により予め部分変性させた牛乳ホ
エー蛋白質(WP)は、疎水基が分子表面にあらわれる
ため、その疎水性度の顕著な増加を利用した疎水反応に
よってゲル化する。(Barbut,S.and Foegeding,E.A.,J.F
ood Sci.(1993),58,867-871,、中村フジ子、他、日食工
誌(1993)、40、776 .)。
【0006】加熱変性により牛乳ホエー蛋白質(W
P)が誘起するゲルは、対象食品に含まれていたり、食
味向上目的で添加したりする塩類やミネラル類によっ
て、更に強いゲルを形成して、当該対象食品のテクスチ
ャーを損なうという大きな欠陥を有している。
【0007】加熱変性した牛乳ホエー蛋白質(WP)
は、食品保存中に、強い粒状のゲルが生じたり、繊維化
してしまうことがあり、極端な保水力の低下をきたす現
象も生じ易い。このように加熱変性した牛乳ホエー蛋白
質は、食品保存中の経時変化が激しいので、その使用が
困難である。
【0008】加熱変性により物性を改質した牛乳ホエ
ー蛋白質(WP)は、未加熱牛乳ホエー蛋白質(WP)
よりも起泡性、乳化・安定性などの性状に優れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように加熱変性
により物性を改質した牛乳ホエー蛋白質(WP)は、ゲ
ル形成能を有するだけでなく起泡性、乳化・安定性など
の性状に優れているが、塩類やミネラル類によって強い
ゲルを形成したり、食品保存中の激しい経時変化により
対象食品のテクスチャーを損なうため、使い難いという
欠点があった。
【0010】本発明者は、このような加熱変性した牛乳
ホエー蛋白質(WP)の問題点を克服するに当たり種々
の検討を重ねた結果、ゲル形成に関与している疎水基を
糖類で保護することにより牛乳ホエー蛋白質(WP)の
ゲル形成能を顕著に低下させることが出来るという技術
知見を見出した。本発明者は、この新しい技術知見によ
り、牛乳ホエー蛋白質(WP)の性状の長所を生かしな
がら短所を改質して、使い易いものにすることを想起
し、本願発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、牛乳ホエー蛋白質(WP)同士をジスルフヒ
ドリル結合にて架橋させて、見かけ上の分子量を100
万ダルトン以上になすとともに、生じた疎水基を糖類で
保護するようにしたことを特徴とする改質牛乳ホエー蛋
白質である。
【0012】当該第1発明は、起泡性、乳化・安定性な
どの性状に優れているという加熱変性した牛乳ホエー蛋
白質(WP)の長所を有効に利用するため、短所である
強いゲル形成能や、極端な保水力の低下や、激しい経時
変化を減弱したり消失したりすることができる改質牛乳
ホエー蛋白質を提供したものである。特に、本発明に係
る改質牛乳ホエー蛋白質は、氷点温度以下の温度域にて
ゲル化能を有さない性状があり、また当該改質牛乳ホエ
ー蛋白質が0.05〜5.0%濃度の範囲で含有されて
いれば、50mM以下の塩類やミネラル類存在下にても
ゲル化しない性状を有している。このため、本発明に係
る改質牛乳ホエー蛋白質の利用可能性を大きく拡大し
た。
【0013】特許を受けようとする第2発明は、牛乳ホ
エー蛋白質(WP)100部と糖類1〜10部とを混合
したものを70℃以上95℃以下の温度域で5〜30分
間加熱することにより、牛乳ホエー蛋白(WP)質同士
をジスルフヒドリル結合にて架橋させ、見かけ上の分子
量を100万ダルトン以上になすとともに、生じた疎水
基を糖類で保護するように改質したことを特徴とする改
質牛乳ホエー蛋白質の製造法である。
【0014】当該第2発明は、第1発明に係る改質牛乳
ホエー蛋白質の製造方法を示す発明である。それは、ま
ず牛乳ホエー蛋白質(WP)と糖類を100:1 〜10の割合
で混合する。次にこの糖類混合牛乳ホエー蛋白質を70
℃以上95℃以下の温度域で5〜30分間加熱する。す
ると、ジスルフヒドリル結合にて蛋白質同士が架橋する
とともに、その際生じる疎水基は糖類で保護された状態
となり、しかも、それらは見かけ上の分子量が100万
ダルトン以上の改質牛乳ホエー蛋白質になっている。
【0015】特許を受けようとする第3発明は、牛乳ホ
エー蛋白質同士をジスルフヒドリル結合にて架橋させて
見かけ上の分子量を100万ダルトン以上にするととも
に、生じた疎水基を糖類で保護してなる改質牛乳ホエー
蛋白質を、目的食品に0.05〜5.0%濃度の範囲で
含有させて、目的食品の形態及び組織を安定化させるよ
うにしたことを特徴とする食品の保形性や組織や食感の
改質法である。
【0016】当該第3発明は、第1発明にかかる改質牛
乳ホエー蛋白質を目的食品に添加するなどして、目的食
品の保形性や組織やテクスチャー等を改善させる方法で
ある。このため、目的食品に改質牛乳ホエー蛋白質を添
加するなどして含有するようにすれば、従来食味を低下
させていた乳化剤や安定剤などの食品添加物の使用を排
除することも可能になった。
【0017】
【実施例】(1)先ず、牛乳ホエー蛋白質(Whey Protei
n Isolate)(以下、WPIと称す。)を調製し、その本
願発明に係る改質牛乳ホエー蛋白質を製造した。カッテ
ージチーズ製造時に生じるホエー2000Kg(協同乳業
社製)を63℃、30分間加熱殺菌し、30℃に冷却し
た後、分画分子量15,000の限外濾過モジュ−ル
(旭化成社製)で透過液の280nmの吸光度が0.00
5以下になるまでダイアフィルトレ−ションした。それ
から非透過液を噴霧乾燥して牛乳ホエー蛋白質(WP
I)を得、これを実験に供した。
【0018】上記のように調製して得た牛乳ホエー蛋白
質(WPI)は、その蛋白質濃度が97%で、その分子
量は約12,000〜64,000ダルトンに分布して
いた。それは市販の牛乳ホエー蛋白質(WPI)と同一
で、主体はβ−ラクトグロブリン(β-Lg )とα−ラク
トアルブミン(α-La )であり、若干量の牛血清アルブ
ミン(BSA)を含有していた。
【0019】この牛乳ホエー蛋白質(WPI)と糖類
(デキストリン又はヒアルロン酸)を100:1〜10
になるように混合したものを、10%(w/v) になるよう
に脱イオン水に溶解し、穏やかに撹拌しながら70〜9
5℃で、5〜30分間加熱した。これによって本発明に
係る改質牛乳ホエー蛋白質(糖類添加し熱変性させてな
る改質牛乳ホエー蛋白質)を得た。
【0020】(2)次に本発明に係る改質牛乳ホエー蛋
白質の性状を調べた。先ず、改質牛乳ホエー蛋白質の各
温度における加熱処理物を経時的にサンプリングし、分
子量の変化をゲルクロマトグラフィ−で調べ、次に、ス
ルフヒドリル基をObata らの方法(Obata,A.and Matuur
a,M.,Biosci.Biotech.Biochem.(1993),57,542.)に準じ
て測定し、更に、疎水性度の測定を、高木らの方法(高
木誠司、他、日食工誌(1979)、26,133.)に準じて行っ
た。尚、スルフヒドリル基と疎水性度は、それぞれuM/g
・固形物とFI/mg ・固形物で求め、非加熱牛乳ホエー蛋
白質(WPI)を100%とした時の割合を算出し、表
1に示した。
【0021】
【表1】表1.改質ホエー蛋白質の性状 *WPI:牛乳ホエー蛋白質。 *改質牛乳ホエー蛋白質:10%(w/v) 牛乳ホエー蛋白
質(WPI)と糖類との混合物溶液を70℃〜95℃で
10分間加熱処理した。
【0022】次に、糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白
質と、糖類添加し熱変性させた牛乳ホエー蛋白質(改質
牛乳ホエー蛋白質)とのスルフヒドリル基と疎水性度を
比較した。スルフヒドリル基については、両者に変化が
認められなかったが、その疎水性度については、糖類無
添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質は非加熱牛乳ホエー蛋白
質比約200%とほぼ2倍に増加していたのに対し、本
発明に係る改質牛乳ホエー蛋白質は、95℃で10分間
加熱処理したものでも140%であり、糖類無添加の熱
変性牛乳ホエー蛋白質の疎水性度に比して約60%も抑
制されていた。
【0023】加熱変性させた牛乳ホエー蛋白質の塩類や
凍結でのゲル形成には疎水反応が重要に関与している事
から、糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質と改質牛乳
ホエー蛋白質(糖類添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質)を
それぞれ0.15〜5%濃度に脱イオン水で調整し、−
40℃で凍結させた後、37℃で解凍し、ゲル化の有無
を判定し、次の表2.に示した。
【0024】
【表2】
【0025】前記表2.では、改質牛乳ホエー蛋白質−
1.は、糖類としてヒアルロン酸を牛乳ホエー蛋白質
(WPI)の1/100量を使用し、改質牛乳ホエー蛋
白質−2.は,糖類としてデキストリンを牛乳ホエー蛋
白質(WPI)の1/100量を使用している。また表
2.中のゲルはゲル形成を表わし、ゾルはゲル化せずゾ
ル状態である事を示している。
【0026】前記表2.から、改質牛乳ホエー蛋白質−
1,改質牛乳ホエー蛋白質−2は、いずれも高濃度であ
ってもゲル化せず、粘調なゾル状であった。これは改質
牛乳ホエー蛋白質の疎水性度が有意に抑制されていた事
からも十分に考えられる結果である。これらのことか
ら、改質牛乳ホエー蛋白質は目的とする食品にとっては
短所になる性状である熱変性牛乳ホエー蛋白質の強いゲ
ル形成能を糖類との反応にて減弱または消失させられる
ことを示している。
【0027】(3)次に、この本願発明に係る改質牛乳
ホエー蛋白質を一般的な食品に適用した例を示す。
【0028】<第1実施例>ヨ−グルトの作成 牛乳のカルシウム(Ca)濃度は、塩化カルシウム(C
aCl2 )として約27mM存在する。そのほとんどが
カゼインに存在すると考えられる。つまり、カルシウム
(Ca)は、カゼインのリン酸化セリン残基に結合して
いる。リン酸カルシウムのpKa は約4.5であるので、
ヨーグルト製造時の乳酸菌による産生乳酸で環境のpH
が4.5になるとカルシウム(Ca)は遊離する。糖類
無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質のカルシウム(Ca)
によるゲル化は塩化カルシウム(CaCl2 )としてほ
ぼ10mM当たりから生ずるので、この遊離カルシウム
(Ca)により非常に強いゲル化が誘発される。そこ
で、本願発明に係る改質牛乳ホエー蛋白質を添加したヨ
−グルトミックスを下記のように2種類作成し、その保
形性や食感について官能検査をおこなった。
【0029】市乳900mlと、10%改質牛乳ホエー
蛋白質0〜100mlと、砂糖100gとで製造されたヨ
−グルトミックスA(試験区)。 市乳900mlと、10%糖類無添加の加熱変性牛乳ホ
エー蛋白質0〜100mlと、砂糖100gとで製造され
たヨ−グルトミックスB(対照区)。
【0030】当該ヨ−グルトミックスA、Bを120℃
で2秒間加熱殺菌し、40℃に冷却した後、スターター
(ABT−1( ハンセン社製))を加え、40℃で6時間
培養した。ヨ−グルトミックスA、Bともにゲルが形成
された。
【0031】ヨ−グルトミックスAの濃度が0.5〜2
%の時には、当該ヨ−グルトミックスAの組織はソフト
チーズカ−ド状であり、ヨ−グルト断面を切断してもホ
エーオフ等の離水は一切生じなかった。また、これをシ
ェーカー(60回転/分)で4時間振蕩しても組織の破
壊は、一切認められず、柔軟性に富んだ組織を保持して
いた。更に、このヨ−グルトを練りあわせると、粘度の
あるドリンク状になり、その状態にても一切の離水は生
じず、非常に安定していた。
【0032】これに対し、ヨ−グルトミックスBの濃度
が0.5〜2%の時には、それは寒天を用いたヨ−グル
ト状であり、ヨ−グルト断面を切断すると激しい離水が
生じ、ヨ−グルトのボディーはカッテージチーズ状に変
化した。これらのヨ−グルトミックスA(試験区)と、
ヨ−グルトミックスB(対照区)について、官能検査を
行い、その結果を次の表3.にまとめて示した。
【0033】
【表3】表3.改質牛乳ホエー蛋白質を用いたヨ−グル
トの官能検査結果
【0034】糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質を用
いて製造したヨ−グルトミックスBは一見ハードタイプ
で非常に優れた組織を有しているが、振動やその他の物
理的力が加わった場合、容易に離水(ホエーオフ)を生
じ、商品価値を著しく減少させてしまうものであった。
これは糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質によるゲル
の保水性が低いことによると考えられる。
【0035】次に糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質
と改質牛乳ホエー蛋白質との保水力を比較した。その結
果。まず、糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質の保水
性は43.8%であったのに対し、改質牛乳ホエー蛋白
質の保水性は、それは75.0%であった。この両方の
保水性の差異からも、改質牛乳ホエー蛋白質を使用した
方が、糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質を使用した
よりも官能検査の結果が高かった。
【0036】<第2実施例>蒲鉾の作成 冷凍スケトーダラ摺り身1Kgを2cm角程度に細断し、食
塩(NaCl)30gを加えフードカッターで塩ずりし
た。摺り身の50%及び100%の氷水と塩化カルシウ
ム(CaCl2 )1.1g と、10%改質牛乳ホエー蛋
白質100mlを加えて8℃になるまで練り上げた。
【0037】当該練り上げた蒲鉾原料を直径2cmのケ−
シングチュ−ブに詰め、90℃で40分間加熱した後、
アイスバス中で冷却した。室温4℃の冷蔵室で一晩保持
し、レオメ−タ−によるゲル強度の測定と折り曲げテス
トを行った。その際の評価は、厚さ2mmのスライスにつ
いて、次の5段階評価を行った。
【0038】 −: 2つ折り不可 ±: 2つ折りで徐々に亀裂 +: 2つ折り可 ++: 4つ折りで徐々に亀裂 +++: 4つ折り可
【0039】対照として改質牛乳ホエー蛋白質の代わり
に同濃度の糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白質と牛乳
ホエー蛋白質(WPI)溶液を同量使用した。スケトー
ダラ摺り身と同量の水を添加した蒲鉾にても十分なゲル
強度と弾性を有していた。これらの結果を次の表4.に
まとめて示した。
【0040】
【表4】
【0041】改質牛乳ホエー蛋白質と糖類無添加の熱変
性牛乳ホエー蛋白質とを用いて作成した蒲鉾のゲル強度
と弾性に変化を認めれらなかったが、それらの食味に若
干の変化を認めた。糖類無添加の熱変性牛乳ホエー蛋白
質は切れのいい歯ごたえであり、改質牛乳ホエー蛋白質
の方は若干しっとりとした歯ごたえであった。これらの
嗜好性については個人差が大きく、いずれのものがより
優れているとは断定できなかった。
【0042】
【効果】以上のごとく本発明による改質牛乳ホエー蛋白
質は、起泡性、乳化・安定性などに優れているという加
熱変性により物性を改質した牛乳ホエー蛋白質(WP)
の長所を十分に保持した状態で、目的食品によっては短
所である室温域以下での強いゲル形成能と弱い保水性を
減弱または消失させる事を可能にした。
【0043】その結果、本発明に係る改質牛乳ホエー蛋
白質は、従来にはない氷点温度以下の温度域にてゲル化
能を有しない性状や、当該改質牛乳ホエー蛋白質が0.
05〜5.0%濃度の範囲で含有されていれば、50m
M以下の塩類やミネラル類存在下にてもゲル化しない性
状を有するものとなった。
【0044】従って、改質牛乳ホエー蛋白質は、目的食
品の保形性や組織やテクスチャー等を改善させることが
でき、使い易くなった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 牛乳ホエー蛋白質同士をジスルフヒドリ
    ル結合にて架橋させて、見かけ上の分子量を100万ダ
    ルトン以上になすとともに、生じた疎水基を糖類で保護
    するようにしたことを特徴とする改質牛乳ホエー蛋白
    質。
  2. 【請求項2】 牛乳ホエー蛋白質100部と糖類1〜1
    0部とを混合したものを70℃以上95℃以下の温度域
    で5〜30分間加熱することにより、牛乳ホエー蛋白質
    同士をジスルフヒドリル結合にて架橋させ、見かけ上の
    分子量を100万ダルトン以上になすとともに、生じた
    疎水基を糖類で保護するように改質したことを特徴とす
    る改質牛乳ホエー蛋白質の製造法。
  3. 【請求項3】 牛乳ホエー蛋白質同士をジスルフヒドリ
    ル結合にて架橋させて見かけ上の分子量を100万ダル
    トン以上にするとともに、生じた疎水基を糖類で保護し
    てなる改質牛乳ホエー蛋白質を、目的食品に0.05〜
    5.0%濃度の範囲で含有させて、目的食品の形態及び
    組織を安定化させるようにしたことを特徴とする食品の
    保形性や組織や食感の改良法。
JP9354515A 1997-12-24 1997-12-24 改質牛乳ホエー蛋白質とその製造法と食品の保形性等の改良法 Pending JPH11178511A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114786487A (zh) * 2019-10-17 2022-07-22 阿拉食品公司 乳基产品、食品、其生产方法及用途
CN117770321A (zh) * 2024-02-18 2024-03-29 吉林大学 基于聚合乳清蛋白/透明质酸的奶酪型全营养特医食品及其制备方法

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